JP7152733B2 - がん転移抑制剤 - Google Patents

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IPOD FERM BP-10902
本発明は、がん転移抑制剤等に関する。
厚生労働省が発表した、平成27年人口動態統計によると、死因の第一位は男女ともに悪性新生物である。悪性新生物とは、DNAの損傷によって異常な増殖を生じた細胞集団が周囲の組織に浸潤、または転移をし、正常な臓器を機能不全に陥れるもので、一般的にがんと呼ばれる。国立がんセンターの最新がん統計によると、2015年にがんで死亡した人は370,346例(男性219,508例、女性150,838例)で、死亡数の多い部位は一位が肺、二位が大腸、三位が胃となっている。
がんの治療法としては、がん細胞の塊を手術で取り除く方法、抗がん剤によりがん細胞の増殖を抑える又は死滅させる化学療法、放射線によってがん細胞を死滅させる放射線治療、活性化した免疫細胞を体内に戻しがん細胞の増殖を抑える又は死滅させる免疫療法、がんの増殖に必要な標的分子を特異抗体によって阻害する抗体療法、それらを複合的に用いる治療法等がある。
手術によるがんの切除は有効な治療方法である。手術によって、がんの組織を完全に除去してしまえば、がんは完治する。しかし、がん細胞が重要な組織に深く浸潤し、切除によって患者の生命や生活の質(QOL)を著しく低下させる場合、完全には除去できず、化学療法と放射線療法を用いて残ったがん細胞を死滅させることが行われている。
化学療法で用いられる薬剤としては、アルキル化薬、代謝拮抗薬、抗腫瘍性抗生物質、微小管阻害薬、ホルモン類似薬、白金製剤、トポイソメラーゼ阻害薬、生物製剤(サイトカイン)、分子標的薬、非特異的免疫賦活薬等がある。アルキル化薬、代謝拮抗薬、抗腫瘍性抗生物質、白金製剤、及びトポイソメラーゼ阻害薬は、DNAの合成や複製を阻害し、がん細胞を死滅させる薬剤である。ホルモン類似薬は、ホルモン依存性の腫瘍に対して効果を示す薬剤である。分子標的薬は、がんに特異的な分子生物学的特徴に対応した薬剤であり、抗体によってがんを阻害するものや、酵素に作用してがんの代謝を阻害する小分子がある。非特異的免疫賦活薬は、免疫細胞を活性化することでがん細胞の増殖を抑制するものである(非特許文献1)。いずれもがん細胞の増殖を抑制するものであるが、分子標的薬以外は、正常細胞への影響も強く、強い副作用の問題がある。
副作用の軽い治療法として、免疫力を高める乳酸菌製剤を用いる報告もある。例えば、特許文献1には、乳がんの発症リスクを低減するために発症前に乳酸菌の生菌を10年以上継続摂取する方法が示されている。また、特許文献2には、β-カテニン経路を抑制しがん細胞の増殖を抑制する乳酸菌を含む食品が記載されている。また、特許文献3には、乳酸菌の酵素処理物が腫瘍の成長を抑えることが記載されているが、免疫賦活や転移抑制についての記載はない。
手術による病巣の切除および化学療法の併用により、がん患者の生存率は高まっているが、依然として日本における死因の一位にがんが挙げられていることから、現在の治療法はがんの根絶に十分ではないことがうかがえる。特に、転移というがんの特性は厄介である。がん患部が複数個所に拡大すると、手術時間の延長や回数を増やすことが必要になり、患者への負担増大から、体力の落ちたものや高齢者に手術を適用できなくなる。また、化学療法においても投薬量を増やす必要があるが、副作用から治療を脱落するものもいる。しかしながら、これまでに、がんの転移を抑制し、がんの治療を容易にする有効な薬剤や方法は開発されていない。
特開2015-178530号公報 特開2013-203669号公報 特開平09-227392号公報
今日の治療薬(2016年度版) 南江堂
本発明は、がん転移抑制剤を提供することを課題とする。
本発明者等は上記課題に鑑みて鋭意研究を進めた結果、エンテロコッカス属に属する乳酸菌の菌体及びその菌体成分からなる群より選択される少なくとも1種ががん転移抑制作用を有することを見出した。また、溶菌酵素による処理を含む方法で得られた死菌体、その菌体成分は、免疫賦活作用が極めて低いにも関わらず、がん転移抑制作用を有することを見出した。本発明者等はこれらの知見に基づいてさらに研究を進めた結果、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、下記の態様を包含する:
項1. エンテロコッカス属に属する乳酸菌の菌体及びその菌体成分からなる群より選択される少なくとも1種を含有する、がん転移抑制剤.
項2. 前記エンテロコッカス属に属する乳酸菌がエンテロコッカス・フェカリスである、項1に記載のがん転移抑制剤.
項3. 前記エンテロコッカス属に属する乳酸菌がエンテロコッカス・フェカリスNF-1011株(特許生物寄託センター受託番号FERM BP-10902)である、項1又は2に記載のがん転移抑制剤.
項4. 前記菌体が死菌体である、項1~3のいずれかに記載のがん転移抑制剤.
項5. 前記死菌体が、生菌体の溶菌酵素による処理を含む方法で調製された死菌体である、項4に記載のがん転移抑制剤.
項6. 前記菌体成分が水溶性成分である、項1~5のいずれかに記載のがん転移抑制剤.
項7. 経口製剤形態である、項1~6のいずれかに記載のがん転移抑制剤.
項8. 食品組成物である、項1~7のいずれかに記載のがん転移抑制剤.
項9. 食品添加剤である、項1~7のいずれかに記載のがん転移抑制剤.
項10. 医薬である、項1~7のいずれかに記載のがん転移抑制剤.
本発明によれば、がん転移抑制剤を提供することができる。有効成分であるエンテロコッカス属に属する乳酸菌の菌体及びその菌体成分は、従来より食品として摂取されてきた物質である。よって、本発明の剤によれば、より副作用を低減しつつ、がん転移を抑制することができる。
実施例1のマクロファージ活性化試験の結果を示す。縦軸は、培養上清中のTNF-α濃度、すなわちマクロファージの活性化度を示し、横軸は培地に添加した試料を示す。 実施例2の乳がん細胞転移抑制試験の結果を示す。縦軸は、転移により形成された腫瘍コロニー数を示し、横軸は投与した試料を示す。 実施例3のメラノーマ細胞転移抑制試験のコロニー数カウント結果を示す。縦軸は、転移により形成された腫瘍コロニー数を示し、横軸は投与した試料を示す。 実施例3のメラノーマ細胞転移抑制試験の肺写真を示す。黒点が肺に転移したコロニーを示す。
本明細書中において、「含有」及び「含む」なる表現については、「含有」、「含む」、「実質的にからなる」及び「のみからなる」という概念を含む。
本発明は、その一態様において、エンテロコッカス属に属する乳酸菌の菌体及びその菌体成分からなる群より選択される少なくとも1種(本明細書において、「必須成分」と示すこともある。)を含有する、がん転移抑制剤(本明細書において、「本発明の剤」と示すこともある。)に関する。以下にこれについて説明する。
エンテロコッカス属に属する乳酸菌は、特に限定されず、例えばエンテロコッカス・フェカリス(Enterococcus faecalis)、エンテロコッカス・フェシウム(Enterococcus faecium)、エンテロコッカス・アビウム(Enterococcus avium)、エンテロコッカス・カッセリフラバス(Enterococcus casseliflavus)、エンテロコッカス・ガリナルム(Enterococcus gallinarum)、エンテロコッカス・フラベセンス(Enterococcus flavescens)等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはエンテロコッカス・フェカリス、エンテロコッカス・フェシウム等が挙げられ、より好ましくはエンテロコッカス・フェカリスが挙げられる。また、エンテロコッカス・フェカリスの中でも、好ましくは健常者の糞便から分離された菌株であるエンテロコッカス・フェカリスNF-1011株(特許生物寄託センター受託番号FERM BP-10902)が挙げられる。
エンテロコッカス属に属する乳酸菌の菌体は、エンテロコッカス属に属する乳酸菌の構成物全体である限り特に限定されず、生菌体であっても、死菌体であってもよい。菌体は、凍結乾燥物等の乾燥物であってもよい。
エンテロコッカス属に属する乳酸菌の生菌体は、ATCC、IFO、JCM等の国内分譲機関、国際分譲機関等から取り寄せることができるし、生物体から単離することもできる。これらの微生物は、食品中に一般的に存在している細菌、または食品製造に用いられる細菌、もしくは健常者の糞便から分離した細菌であることから、副作用の危険性はない。
また、培養により容易に大量に得ることができるため、培養して得られた生菌体を用いると生産コストが安く経済的である。エンテロコッカス属に属する乳酸菌の生菌体は、公知の方法に従って培養することにより、増殖させることもできる。例えば、該乳酸菌を、適量の滅菌ロゴザ液体培地に播種し、35~37℃にて10~16時間好気的に静置培養し、前培養液を得て、これを大容量の滅菌ロゴザ液体培地に加え同様に静置培養することによって、大量の生菌体を得ることができる。生菌体を採用する場合、例えば培養液そのものを用いてもよいし、該培養液の固形分(例えば、培養液から遠心分離等で生菌体を沈殿させて得られた沈殿物、その後必要に応じて生理食塩水等で洗浄して得られた沈殿物等)を用いてもよいし、該固形分の懸濁液(例えば生理食塩水などの等張液に懸濁して得られた懸濁液等)を用いてもよい。
エンテロコッカス属に属する乳酸菌の死菌体は、特に限定されないが、例えば生菌体の細胞壁破壊処理物であることができる。この細胞壁破壊は、生菌体の細胞壁の全体であってもよいし、一部分であってもよい。細胞壁破壊処理方法としては、例えば熱処理、物理的力による処理、溶菌酵素による処理等、或いはこれらを組み合わせた処理が挙げられる。これらの中でも、好ましくは溶菌酵素による処理を含む方法が挙げられ、より好ましくは(a)溶菌酵素による処理、並びに(b)熱処理及び物理的力による処理からなる群より選択される少なくとも1種の処理(好ましくは熱処理)を含む方法が挙げられ、さらに好ましくは(a)溶菌酵素による処理後に、(b)熱処理及び物理的力による処理からなる群より選択される少なくとも1種の処理(好ましくは熱処理)を行うことを含む方法が挙げられる。
熱処理の温度は、100℃以上であれば特に限定されないが、好ましくはオートクレーブ処理ができる温度(例えば110~125℃)であることができる。熱処理時間は、細胞壁の一部又は全部を破壊できる限り特に限定されず、熱処理の温度に応じて適宜設定することができる。熱処理時間は、例えば1分間以上、好ましくは5~20分間、より好ましくは5~15分間程度であることができる。
物理的力による処理の方法は、細胞壁の一部又は全部を破壊できる限り特に限定されない。例えば、超音波処理、フレンチプレス等が挙げられる。
溶菌酵素による処理に用いる酵素は、細胞壁の一部又は全部を破壊できる限り特に限定されず、細菌類を溶菌するために普遍的に用いられている酵素を広く用いることができる。溶菌酵素としては、例えば、リゾチーム、アクチナーゼ、ザイモリエース、キタラーゼ、ムタノシリン、アクロモペプチターゼ等が挙げられる。これらの中でも、好ましくはリゾチームが挙げられる。溶菌酵素は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
溶菌酵素による処理条件は、溶菌酵素の種類、溶菌対象(生菌体)量等に応じて適宜設定することができる。例えば、溶菌酵素を終濃度0.01~1mg/mLになるように生菌体懸濁液に添加し、30~40℃で1~10時間処理すればよい。
エンテロコッカス属に属する乳酸菌の菌体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
エンテロコッカス属に属する乳酸菌の菌体成分は、該乳酸菌の菌体を構成する成分である限り特に制限されない。該菌体成分は、好ましくは水溶性成分である。水溶性成分は、例えば、死菌体の水含有溶媒懸濁液から、遠心分離等により固形分を除いて得られる。
本発明の剤は、各種分野において、例えば医薬、食品組成物[例えば健康食品、栄養補助食品(バランス栄養食、サプリメントなど)、栄養機能食品、特定保健用食品を含む。]、食品添加剤などとして利用することができる。
本発明の剤の製剤形態は、特に限定されず、本発明の剤の利用分野に応じて、各利用分野において通常使用される製剤形態をとることができる。必須成分を必要に応じて濃縮状態とすることにより、多量の菌体またはその処理物であっても投与可能な剤形に調製することができる。製剤形態としては、例えば錠剤(口腔内側崩壊錠、咀嚼可能錠、発泡錠、トローチ剤、ゼリー状ドロップ剤などを含む)、丸剤、顆粒剤、細粒剤、散剤、硬カプセル剤、軟カプセル剤、ドライシロップ剤、液剤(ドリンク剤、懸濁剤、シロップ剤を含む)、ゼリー剤などの経口摂取に適した製剤形態(経口製剤形態)、注射剤、貼付剤、ローション剤、クリーム剤などの非経口摂取に適した製剤形態(非経口製剤形態)が挙げられ、好ましくは経口製剤形態が挙げられる。特に、食品組成物としては、液状、ゲル状あるいは固形状の食品、例えばガム、錠菓等の菓子類、栄養飲料等の飲料類などのバランス栄養食、粉末、カプセル、錠剤などが挙げられる。
本発明の剤は、必須成分の他に、利用分野、製剤形態等に応じて、他の成分を適宜配合してもよい。配合できる成分としては、特に制限されないが、例えば、水、アミノ酸類、アルコール類、多価アルコール類、糖類、ガム質、多糖類などの高分子化合物、界面活性剤、防腐・抗菌・殺菌剤、pH調整剤、キレート剤、抗酸化剤、酵素成分、結合剤、崩壊剤、滑沢剤、流動化剤、清涼化剤の他、ミネラル類、細胞賦活剤、滋養強壮剤、賦形剤、増粘剤、安定化剤、保存剤、等張化剤、分散剤、吸着剤、崩壊補助剤、湿潤剤または湿潤調節剤、防湿剤、着色料、着香剤または香料、芳香剤、還元剤、可溶化剤、溶解補助剤、発泡剤、粘稠剤または粘稠化剤、溶剤、基剤、乳化剤、可塑剤、緩衝剤、光沢化剤などを挙げることができる。
本発明の剤における必須成分の含有量は、その使用形態により適宜選択することができるので特に限定されない。本発明の剤中に必須成分を有効量配合すればよいが、本発明の剤の重量に対して必須成分を乾燥重量で、通常、0.001~60%、より好ましくは0.01~40%、特に好ましくは0.1~30%の比率で配合できる。
本発明の剤の適用(例えば、投与、摂取、接種など)量は、症状、患者の年齢、体重、製剤形態等に応じて適宜増減することができる。成人1日あたり必須成分を乾燥重量として、通常、0.001~0.5g/Kg体重を、好ましくは、0.002~0.1g/Kg体重を適用することができ、さらに、1日1回又は数回に分けて適用することができる。
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
参考例1.生菌体試料の調製
エンテロッコカス・フェカリスNF-1011株(特許生物寄託センター受託番号FERM BP-10902)をロゴサ液体培地10mlに播種し、37℃にて15時間好気的に静置培養(前培養)し、菌体濃度が約10個/mlの菌体液(シード)を得た。これをロゴサ液体培地10Lに播種(菌体濃度:10個/ml)し、37℃で16時間好気的に静置培養し、生菌数約10個/mlの菌体液を得た。得られた菌体液を遠心分離(12,000×g、20分間)して集菌し、これを生理食塩水(0.85%塩化ナトリウム水溶液)で2回洗浄して、蒸留水100mlに懸濁し、菌体懸濁液を得た。
参考例2.死菌体試料の調製
生菌体試料(参考例1)である菌体懸濁液にリゾチームを終濃度0.1mg/ml量となるよう添加し、37℃で4時間処理後、110℃で10分間加熱処理して、菌体処理物を得た。
参考例3.死菌体水溶性成分試料の調製
死菌体試料(参考例2)である菌体処理物を遠心分離(12000×g、15分間)し、上清を回収した。
実施例1.マクロファージ活性化試験
3%チオグリコレート培地でマウス腹腔に誘導したマクロファージを回収し、FCS10%含有RPMI培地(ニッスイ)で1×10cells/mlに調整した。96穴細胞培養プレートにて、生菌体試料(参考例1)あるいは死菌体試料(参考例2)と共に3時間培養し、培養上清中のTNF-α量をELISA法(RSD社 TNF-α Mouse DuoSet)にて測定した。
結果を図1に示す。生菌体試料(参考例1)を添加した場合は、TNF-αが検出されマクロファージが活性化されていることが確認されたが、死菌体試料(参考例2)を添加した場合はTNF-αがほとんど検出されなかった。
実施例2.乳がん細胞転移抑制試験
雄性のBALB/cマウス8週齢を2群に分け、対照群には生理食塩水を、試験群には死菌体試料(参考例2)(60mg/匹)を、試験期間中連日経口投与した。投与開始から3日目に、BJMC3879マウス乳がん細胞(入手元:大阪医科大学)(5×10cells/匹)を眼窩静脈叢より接種させた。乳がん細胞接種7日目に肺を摘出し、パラホルムアルデヒドで固定した後、パラフィン包埋、薄切、HE染色を行い、切片上の腫瘍コロニー数をカウントした。
結果を図2に示す。死菌体試料(参考例2)を投与した群では肺に生着したがん細胞が有意に少ないことが分かった。
実施例3.メラノーマ転移抑制試験
雌性のC57BL/6L-CASマウスを2群に分け、対照群には生理食塩水を、試験群には死菌体水溶性成分試料(参考例3)(死菌体試料(参考例2)60mg分/匹)を、試験期間中連日経口投与した。投与開始3日目に、メラノーマ細胞(1×10cells/匹)を眼窩静脈叢より接種させた。メラノーマ細胞接種14日目に肺を摘出し、パラホルムアルデヒドで固定した後、グリセリン浸漬で透明化を行った。実体顕微鏡下で肺に生着しているメラノーマの写真を撮影し、コロニー数をカウントした。
結果を図3に示す。死菌体水溶性成分試料(参考例3)を投与した群では肺に生着したがん細胞が有意に少ないことが分かった。

Claims (3)

  1. がん転移抑制剤であって、
    エンテロコッカス・フェカリスNF-1011株(特許生物寄託センター受託番号FERM BP-10902)の死菌体及び前記死菌体の水溶性成分からなる群より選択される少なくとも1種を含有し、且つ
    経口製剤形態、食品組成物、又は食品添加物である
    、がん転移抑制剤。
  2. 経口製剤形態の医薬である、請求項に記載のがん転移抑制剤。
  3. 食品組成物、又は食品添加物である、請求項に記載のがん転移抑制剤。
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