JP7151771B2 - 電機子 - Google Patents

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Description

本発明は、電機子に関する。
従来、中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられた電機子コアを備える電機子が知られている。このような電機子は、たとえば、特開2006-141076号公報に開示されている。
上記特開2006-141076号公報には、中心軸線方向(軸方向)に延びる複数のスロットが設けられたステータコアを備える回転電機ステータ(以下、「ステータ」という)が開示されている。このステータのスロットには、コイルが配置されている。コイルは、3分割されている。具体的には、コイルは、1つの直線形状の直線部導体セグメントと、2つの略U字形状(または、略V字形状)のコイルエンド部導体セグメントとにより構成されている。
また、上記特開2006-141076号公報では、複数のスロットの各々に絶縁インシュレータが配置されている。絶縁インシュレータは、樹脂により形成されている。また、絶縁インシュレータには、直線部導体セグメントが挿入される挿入孔が設けられている。挿入孔は、1つの絶縁インシュレータに複数設けられている。そして、絶縁インシュレータの挿入孔の内部において、直線部導体セグメントとコイルエンド部導体セグメントとが接合されている。また、複数の挿入孔の各々に直線部導体セグメントが挿入されることにより、直線部導体セグメント同士(および、直線部導体セグメントとコイルエンド部導体セグメントとの接合部同士)が絶縁されている。
特開2006-141076号公報
しかしながら、上記特開2006-141076号公報の電機子では、直線部導体セグメントとコイルエンド部導体セグメントとの接合部同士を絶縁するための絶縁インシュレータが樹脂により形成されているため、絶縁インシュレータ(絶縁部材)を形成するのが比較的困難であるという問題点ある。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、容易に形成可能な絶縁部材により接合部同士を絶縁することが可能な電機子を提供することである。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面における電機子は、中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられている電機子コアと、電機子コアの中心軸線方向の一方側に配置される複数の第1セグメント導体と、電機子コアの中心軸線方向の他方側で、且つ、第1セグメント導体に対して中心軸線方向に対向して配置される複数の第2セグメント導体とを含み、1つのスロット内または1つのスロットの中心軸線方向の外側において、複数の第1セグメント導体と複数の第2セグメント導体とが接合されることにより形成されるコイル部と、1つのスロットにおいて径方向に隣接するコイル間における第1セグメント導体と第2セグメント導体とが接合された接合部同士を絶縁するシート状の接合部絶縁部材と、を備え、接合部絶縁部材は、径方向に隣り合う接合部の対向面を覆う、少なくとも2つ以上の対向面絶縁部分と、対向面絶縁部分の周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う接合部の周方向面のうちのいずれか一方を少なくとも径方向に沿った所定距離分覆う周方向面絶縁部分とを含み、径方向に隣り合う対向面絶縁部分は、周方向の一方または他方において周方向面絶縁部分により連結されており、スロットとコイル部との間に設けられるシート状のコア脚部絶縁部材をさらに備え、コア脚部絶縁部材は、径方向から見て、接合部絶縁部材にオーバラップする部分と、オーバラップしない部分とを含み、コア脚部絶縁部材の接合部絶縁部材にオーバラップする部分の厚みは、コア脚部絶縁部材の接合部絶縁部材にオーバラップしない部分の厚みよりも小さい
この発明の第1の局面による電機子では、上記のように、接合部同士を絶縁する接合部絶縁部材がシート状であるので、シート状の絶縁部材を折り曲げることにより、容易に接合部絶縁部材を形成することができる。その結果、容易に形成可能な接合部絶縁部材により接合部同士を絶縁することができる。なお、接合部絶縁部材は、径方向に隣り合う接合部の対向面を覆う対向面絶縁部分と、対向面絶縁部分の周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う接合部の周方向面のうちのいずれか一方を少なくとも所定距離分覆う周方向面絶縁部分とを含むので、径方向に隣り合う接合部は、接合部絶縁部材によって絶縁される。また、径方向に隣り合う対向面絶縁部分は、周方向の一方または他方において周方向面絶縁部分により連結されているので、径方向に隣り合う対向面絶縁部分が周方向の両方で周方向面絶縁部分により連結されている場合と異なり、接合部絶縁部材を径方向に容易に伸縮させることができる。また、接合部絶縁部材が比較的厚みの薄いシート状であるので、スロット内のコイル部の占積率を高めることができる。なお、接合部とは、接合剤を介して接合されている部分のみならず、接合剤を介さずに接触しているだけの部分を含む広い意味である。
この発明の第2の局面における電機子は、中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられている電機子コアと、電機子コアの中心軸線方向の一方側に配置される複数の第1セグメント導体と、電機子コアの中心軸線方向の他方側で、且つ、第1セグメント導体に対して中心軸線方向に対向して配置される複数の第2セグメント導体とを含み、1つのスロット内または1つのスロットの中心軸線方向の外側において、複数の第1セグメント導体と複数の第2セグメント導体とが接合されることにより形成されるコイル部と、1つのスロットにおいて径方向に隣接するコイル間における第1セグメント導体と第2セグメント導体とが接合された接合部同士を絶縁するシート状の接合部絶縁部材と、を備え、接合部絶縁部材は、径方向に隣り合う接合部の対向面を覆う対向面絶縁部分と、対向面絶縁部分の周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う接合部の周方向面のうちのいずれか一方を少なくとも絶縁距離分覆う周方向面絶縁部分とを含み、径方向に隣り合う対向面絶縁部分は、周方向の一方または他方において周方向面絶縁部分により連結されており、スロットとコイル部との間に設けられるシート状のコア脚部絶縁部材をさらに備え、コア脚部絶縁部材は、径方向から見て、接合部絶縁部材にオーバラップする部分と、オーバラップしない部分とを含み、コア脚部絶縁部材の接合部絶縁部材にオーバラップする部分の厚みは、コア脚部絶縁部材の接合部絶縁部材にオーバラップしない部分の厚みよりも小さい
この発明の第2の局面による電機子では、上記のように、接合部同士を絶縁する接合部絶縁部材がシート状であるので、シート状の絶縁部材を折り曲げることにより、容易に接合部絶縁部材を形成することができる。その結果、容易に形成可能な接合部絶縁部材により接合部同士を絶縁することができる。なお、接合部絶縁部材は、径方向に隣り合う接合部の対向面を覆う対向面絶縁部分と、対向面絶縁部分の周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う接合部の周方向面のうちのいずれか一方を少なくとも絶縁距離分覆う周方向面絶縁部分とを含むので、径方向に隣り合う接合部は、接合部絶縁部材によって絶縁される。また、径方向に隣り合う対向面絶縁部分は、周方向の一方または他方において周方向面絶縁部分により連結されているので、径方向に隣り合う対向面絶縁部分が周方向の両方で周方向面絶縁部分により連結されている場合と異なり、接合部絶縁部材を径方向に容易に伸縮させることができる。また、接合部絶縁部材が比較的厚みの薄いシート状であるので、スロット内のコイル部の占積率を高めることができる。
本発明によれば、上記のように、容易に形成可能な絶縁部材により接合部同士を絶縁することができる。
第1実施形態によるステータ(回転電機)の構成を示す平面図である。 第1実施形態によるステータの構成を示す斜視図である。 第1実施形態によるステータの分解斜視図である。 第1~第3実施形態によるステータコアの構成を示す平面図である。 第1実施形態による第1絶縁部材および第2絶縁部材の構成を示す断面図である。 第1実施形態によるコイル部の結線構成を示す回路図である。 第1実施形態による第2コイルアッセンブリの一部を示す斜視図である。 第1実施形態によるセグメント導体の構成を示す横断面図である。 第1実施形態による第1セグメント導体の構成を示す図である。 第1実施形態による第2セグメント導体の構成を示す図である。 第1実施形態による動力セグメント導体の構成を示す図である。 第1実施形態による外径側中性点導体の構成を示す図である。 第1実施形態による内径側中性点導体の構成を示す図である。 図1の1000-1000線に沿った断面図である。 第1実施形態による第1絶縁部材の配置位置と第2絶縁部材の配置位置との関係を示す図である。 第1実施形態による第1絶縁部材の構成を模式的に示した断面図である。 第1実施形態による発泡される前の固定層を含む第1絶縁部材および第2絶縁部材の構成を示す断面図である。 第1実施形態による発泡された後の固定層を含む第1絶縁部材と第2絶縁部材との境界近傍を示す断面図である。 第1実施形態による第2絶縁部材の構成を示す断面図である。 第1実施形態による第2絶縁部材の構成を示す斜視図である。 第1実施形態による第1絶縁部材の厚みおよび第2絶縁部材の厚みを示す図である。 第2実施形態によるステータの構成を示す斜視図である。 第2実施形態によるステータの分解斜視図である。 第2実施形態によるセグメント導体の構成を示す横断面図である。(図24Aは、脚部の横断面図である。図24Bは、コイルエンド部の横断面図である。) 第2実施形態による第1セグメント導体の構成を示す斜視図である。(図25Aは、第1セグメント導体を径方向外側から見た斜視図である。図25Bは、第1セグメント導体を径方向内側から見た斜視図である。) 第2実施形態による第2セグメント導体の構成を示す斜視図である。(図26Aは、第2セグメント導体を径方向外側から見た斜視図である。図26Bは、第2セグメント導体を径方向内側から見た斜視図である。) 第2実施形態によるスロット内の径方向に沿った断面図である。 図27の接触部近傍の部分拡大図である。 第2実施形態による絶縁部材の構成を示す断面図である。 第2実施形態による接触部絶縁部分の絶縁層および固定層の構成を示す断面図である。 第2実施形態によるコア脚部絶縁部分の絶縁層および固定層の構成を示す断面図である。 第2実施形態によるステータの製造方法を示すフロー図である。 第3実施形態によるステータの構成を示す斜視図である。 第3実施形態によるスロット内の径方向に沿った断面図である。 第3実施形態による絶縁部材の構成を示す断面図である。 第3実施形態による接触部絶縁部分の絶縁層および固定層の構成を示す断面図である。 第3実施形態によるコア脚部絶縁部分の絶縁層および固定層の構成を示す断面図である。 第1実施形態の第1変形例による第2絶縁部材を上方から見た断面図である。 第1実施形態の第2変形例による第2絶縁部材を上方から見た断面図である。
以下、本発明の第1実施形態を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
[ステータの構造]
図1~図21を参照して、第1実施形態によるステータ100の構造について説明する。ステータ100は、中心軸線C1を中心に円環形状を有する。なお、ステータ100は、請求の範囲の「電機子」の一例である。
本願明細書では、「軸方向(中心軸線方向、軸線方向)」とは、図1に示すように、ステータ100の中心軸線C1(ロータ101の回転軸線)に沿った方向(Z方向)を意味する。また、「周方向」とは、ステータ100の周方向(A1方向、A2方向)を意味する。また、「径方向」とは、ステータ100の半径方向(R方向)を意味する。また、「径方向内側」とは、径方向に沿ってステータ100の中心軸線C1に向かう方向(R1方向)を意味する。また、「径方向外側」とは、径方向に沿ってステータ100の外に向かう方向(R2方向)を意味する。
ステータ100は、ロータ101と共に、回転電機102の一部を構成する。回転電機102は、たとえば、モータ、ジェネレータ、または、モータ兼ジェネレータとして構成される。ステータ100は、図1に示すように、永久磁石(図示せず)が設けられるロータ101の径方向外側に配置されている。すなわち、第1実施形態では、ステータ100は、インナーロータ型の回転電機102の一部を構成する。
図2に示すように、ステータ100は、ステータコア10と、第1絶縁部材20と、コイル部30とを備える。また、図3に示すように、コイル部30は、第1コイルアッセンブリ30a(反リード側コイル)と第2コイルアッセンブリ30b(リード側コイル)とを含む。また、図3に示すように、コイル部30は、複数のセグメント導体40からなる。また、第1実施形態では、ステータ100は、第1絶縁部材20とは別個に設けられた第2絶縁部材21を備える。なお、ステータコア10は、請求の範囲の「電機子コア」の一例である。また、第1絶縁部材20は、請求の範囲の「コア脚部絶縁部材」の一例である。また、第2絶縁部材21は、請求の範囲の「接合部絶縁部材」の一例である。
(ステータコアの構造)
ステータコア10は、中心軸線C1(図1参照)を中心軸とした円筒形状を有する。また、ステータコア10は、たとえば、複数枚の電磁鋼板(たとえば、珪素鋼板)が軸方向に積層されることにより、形成されている。ここで、第1実施形態では、ステータコア10は、熱膨張係数K1を有する複数の珪素鋼板が積層されて形成されている。図4に示すように、ステータコア10は、軸方向に見て円環状を有するバックヨーク11と、バックヨーク11の径方向内側に設けられ、軸方向に延びる複数のスロット12とが設けられている。そして、ステータコア10には、スロット12の周方向両側に複数のティース13が設けられている。
スロット12は、径方向外側に設けられたバックヨーク11の壁部11aと、2つのティース13の周方向側面13aとに囲まれた部分である。そして、スロット12には、径方向内側に開口する開口部12aが設けられている。また、スロット12は、軸方向両側のそれぞれに開口している。ティース13は、バックヨーク11から径方向内側に突出するように形成されており、径方向内側の先端部にスロット12の開口部12aを構成する凸部13bが形成されている。
開口部12aは、周方向に開口幅W1を有する。ここで、開口幅W1は、ティース13の凸部13bの先端部同士の距離に対応する。また、スロット12のコイル部30が配置される部分の幅W2は、開口幅W1よりも大きい。すなわち、スロット12は、セミオープン型のスロットとして構成されている。ここで、幅W2は、スロット12の周方向両側に配置されているティース13の周方向側面13a同士の距離に対応する。また、スロット12の幅W2は、径方向に亘って略一定である。
(コイル部の構造)
コイル部30は、図5に示すように、平角導線により構成されている。第1実施形態では、コイル部30は、ステータコア10の熱膨張係数K1(線膨張係数)よりも大きい熱膨張係数K2を有する材料により構成されている。たとえば、コイル部30(導体本体40c)は、熱膨張係数K1よりも大きい熱膨張係数K2を有する銅またはアルミニウムにより構成されている。
また、コイル部30は、図2および図3に示すように、軸方向一方側(矢印Z2方向側)に設けられた第1コイルアッセンブリ30aと、軸方向他方側(矢印Z1方向側)に設けられた第2コイルアッセンブリ30bとが、軸方向に組み合わされるとともに、接合されて形成されている。第1コイルアッセンブリ30aおよび第2コイルアッセンブリ30bは、それぞれ、ステータコア10と同一の中心軸線C1(図1参照)を中心とした円環状に形成されている。また、図5に示すように、第1実施形態では、コイル部30は、複数のセグメント導体40の後述する第1脚部71と第2脚部81とが、接合部90において接合されて形成されている。
コイル部30は、たとえば、波巻きコイルとして構成されている。また、コイル部30は、8ターンのコイルとして構成されている。すなわち、コイル部30は、スロット12内に、径方向に8個のセグメント導体40が並列して配置されて構成されている。
〈コイル部の結線の構成〉
図6に示すように、コイル部30では、電源部(図示せず)から3相交流の電力が供給されることにより、磁束を発生させるように構成されている。具体的には、コイル部30は、3相のY結線により接続(結線)されている。すなわち、コイル部30は、U相コイル部30Uと、V相コイル部30Vと、W相コイル部30Wとを含む。そして、コイル部30には、複数(たとえば、2つ)の中性点Nが設けられている。詳細には、コイル部30は、4並列結線(スター結線)されている。すなわち、U相コイル部30Uには、4つの中性点接続端部NtUと、4つの動力線接続端部PtUとが設けられている。V相コイル部30Vには、4つの中性点接続端部NtVと、4つの動力線接続端部PtVとが設けられている。W相コイル部30Wには、4つの中性点接続端部NtWと、4つの動力線接続端部PtWとが設けられている。なお、以下の記載では、中性点接続端部および動力線接続端部について、U相、V相、および、W相を特に区別しない場合、単に、「中性点接続端部Nt」および「動力線接続端部Pt」として記載する。
〈コイルアッセンブリの構造〉
図3に示すように、第1コイルアッセンブリ30aは、セグメント導体40としての複数の第1セグメント導体70(以下、「第1導体70」とする)から構成されている。好ましくは、第1コイルアッセンブリ30aは、複数の第1導体70のみが組み合わされて構成されている。
図7に示すように、第2コイルアッセンブリ30bは、セグメント導体40としての複数(たとえば、3つ)の動力セグメント導体50(以下、「動力導体50」とする)と、セグメント導体40としての複数(たとえば、2つ)の中性点セグメント導体60(以下、「中性点導体60」とする)と、複数のセグメント導体40のうちの動力導体50および中性点導体60とは異なる導体(一般のセグメント導体40)であり、コイル部30を構成する第2セグメント導体80(以下、「第2導体80」とする)とを含む。すなわち、ステータ100に設けられる動力導体50および中性点導体60の全ては、第2コイルアッセンブリ30bに設けられている。なお、動力導体50および中性点導体60は、請求の範囲の「第2セグメント導体」の一例である。また、第1導体70は、請求の範囲の「第1セグメント導体」の一例である。また、第2導体80は、請求の範囲の「第2セグメント導体」の一例である。
(セグメント導体の構造)
セグメント導体40は、図8に示すように、横断面が略矩形形状を有する平角導線として構成されている。そして、セグメント導体40の導体表面40bには、厚みt1を有する絶縁被膜40aが設けられている。絶縁被膜40aの厚みt1は、たとえば、相間絶縁性能(第1コイルエンド部72同士の絶縁、第2コイルエンド部82同士の絶縁{図2参照})を確保することが可能な程度に設定されている。なお、図8では、説明のために、厚み等の大小関係を強調して図示しているが、この図示の例に限られない。
〈第1導体および第2導体の構造〉
図9および図10に示すように、複数のセグメント導体40は、ステータコア10の軸方向の一方側(Z2方向側)に配置される複数の第1導体70と、ステータコア10の軸方向の他方側(Z1方向側)で、且つ、第1導体70に対して中心軸線方向に対向して配置される複数の第2導体80とを含む。すなわち、コイル部30は、軸方向に2分割された第1導体70と第2導体80とが接合されて形成されている。ここで、第2導体80とは、第2コイルアッセンブリ30bを構成するセグメント導体40のうちの動力導体50および中性点導体60以外のセグメント導体40である。そして、第1実施形態では、第1導体70は、軸方向の第1長さL1を有する第1脚部71を含む。また、第2導体80は、第1脚部71のZ1方向側に配置され、軸方向に第1長さL1よりも大きい第2長さL2を有する第2脚部81を含む。
第1実施形態では、図9に示すように、複数の第1導体70は、それぞれ、互いに異なるスロット12に配置される一対の第1脚部71が互いに接続されることにより、径方向に見てU字状(略U字状)を有するように形成されている。第1導体70のコイルピッチは6である。すなわち、一対の第1脚部71は、スロット12が6つ分、周方向に異なる位置に配置される。すなわち、一対の第1脚部71のうちの一方の第1脚部71が配置されているスロット12と、他方の第1脚部71が配置されているスロット12との間に、5つのスロット12が設けられている。具体的には、第1導体70は、互いに異なるスロット12に配置され、それぞれ軸方向に沿って直線状に形成されている一対の第1脚部71と、第1コイルエンド部72とを含む。第1脚部71とは、ステータコア10の端面10a(図2参照)の軸方向位置からスロット12の内に配置されている部分を意味し、第1コイルエンド部72は、第1脚部71に連続して形成され、ステータコア10の端面10aよりも軸方向外側に配置されている部分を意味するものとする。また、第1コイルエンド部72は、軸方向に折れ曲がる屈曲形状を有する。また、第1コイルエンド部72は、軸方向から見て、径方向に1本のセグメント導体40の幅分、階段状に屈曲するクランク状に形成された第1クランク部分73を有する。つまり、第1クランク部分73の径方向の幅は、1本のセグメント導体40の幅の2倍である。
また、一対の第1脚部71の軸方向長さL1は互いに略等しい。なお、第1脚部71の軸方向長さL1とは、第1脚部71の最先端から第1コイルエンド部72に接続される屈曲部分までの長さを意味する。また、軸方向長さL1は、ステータコア10の軸方向長さL3(図2参照)よりも小さい。なお、ステータコア10の軸方向長さL3とは、軸方向の端面10aと端面10bとの距離(間隔)を意味する。
同様に、図10に示すように、第2導体80は、スロット12に配置される一対の第2脚部81と、第2コイルエンド部82とを含む。また、第2コイルエンド部82は、第2クランク部分83を有する。第1実施形態では、第2導体80は、互いに異なるスロット12に配置される一対の第2脚部81が互いに接続されることにより、U字状を有するように形成されている。また、第2導体80の一対の第2脚部81の軸方向長さL2は互いに略等しい。また、第2導体80の一対の第2脚部81の軸方向長さL2は、第1導体70の一対の第1脚部71の軸方向長さL1よりも大きい(L2>L1)。なお、第2脚部81の軸方向長さL2とは、第2脚部81の最先端から第2コイルエンド部82に接続される屈曲部分までの長さを意味する。
〈動力導体の構成〉
図11に示すように、動力導体50では、同相の複数(たとえば、4つ)の動力線接続端部Pt同士が電気的に接続されているとともに、接続された複数の動力線接続端部Ptと1つの動力端子部材51とが電気的に接続されている。動力導体50は、一対の第1脚部71のうちの一方に接合(図14参照)されている第2脚部81と、動力端子部材51とが接合されている。そして、動力導体50は、電源部(図示せず)からコイル部30に電力を導入する機能を有する。
詳細には、動力導体50は、スロット12(図1参照)の径方向外側に配置され、動力線接続端部Ptを有する外径側動力導体52と、外径側動力導体52よりも径方向内側でかつ軸方向外側に配置され、動力線接続端部Ptを有する内径側動力導体53とを含む。言い換えると、動力導体50は、二股状に形成されている。
また、外径側動力導体52と動力端子部材51とは、引出線54により電気的に接続されている。また、内径側動力導体53と動力端子部材51とは、引出線54とにより電気的に接続されている。外径側動力導体52と内径側動力導体53とは、動力端子部材51および引出線54を介して、電気的に接続されている。また、引出線54は、たとえば、撚線(導体)により形成されており、絶縁チューブ51aが外周に配置されている。
外径側動力導体52および内径側動力導体53には、それぞれ、第2脚部81が設けられている一方、第1コイルエンド部72または第2コイルエンド部82は設けられていない。また、外径側動力導体52および内径側動力導体53では、引出線54と第2脚部81とが、導体板55を介して、接合されている。たとえば、この接合は、ロウ付け、または、溶接(たとえば、抵抗溶接、アーク溶接、レーザー溶接、または、高エネルギービーム溶接のいずれか)により実施される。
〈中性点導体の構成〉
図1に示すように、中性点導体60は、外径側中性点導体61と内径側中性点導体62とを含む。図6に示すように、外径側中性点導体61および内径側中性点導体62は、それぞれ、中性点Nを含み、U相コイル部30Uの中性点接続端部NtUと、V相コイル部30Vの中性点接続端部NtVと、W相コイル部30Wの中性点接続端部NtWとが電気的に接続されたものである。
外径側中性点導体61は、図12に示すように、2つのU相W相中性点セグメント導体61aと、2つのV相中性点セグメント導体61bとを含む。U相W相中性点セグメント導体61aは、3相交流のうちのU相の第1導体70の第1脚部71に接続されるU相用の第2脚部81と、W相の第1脚部71に接続されるW相用の第2脚部81と、U相用の第2脚部81とW相用の第2脚部81とを接続する2つの中性点コイルエンド部61cとを含む。中性点コイルエンド部61cは、U相用の第2脚部81に連続して形成されているとともに、W相用の第2脚部81に連続して形成されている。
U相W相中性点セグメント導体61aは、径方向内側から見て、略U字(略コの字)形状に形成されている。V相中性点セグメント導体61bは、径方向内側から見て、略直線状に形成されている。
中性点コイルエンド部61cは、図1に示すように、第2導体80の第2コイルエンド部82の径方向外側において、周方向に沿って形成されている。そして、中性点コイルエンド部61cは、矢印Z2方向に見て、略円弧状に形成されている。2つのU相W相中性点セグメント導体61aのうちの一方は、他方の軸方向外側(矢印Z1方向側)に配置されている。
V相中性点セグメント導体61bは、図12に示すように、V相の第1導体70に接続されるV相用の第2脚部81と、中性点コイルエンド部61dとを含む。中性点コイルエンド部61dは、第2脚部81から軸方向外側(矢印Z1方向に)突出するように形成されている。そして、2つの中性点コイルエンド部61dは、それぞれ、2つの中性点コイルエンド部61cの両方に接合されることにより、電気的に接合されている。
内径側中性点導体62は、図13に示すように、2つのU相W相中性点セグメント導体62aと、2つのV相中性点セグメント導体62bとを含む。U相W相中性点セグメント導体62aは、3相交流のうちのU相の第1導体70の第1脚部71に接続されるU相用の第2脚部81と、W相の第1導体70に接続されるW相用の第2脚部81と、U相用の第2脚部81とW相用の第2脚部81とを接続する中性点コイルエンド部62cとを含む。中性点コイルエンド部62cは、U相用の第2脚部81に連続して形成されているとともに、W相用の第2脚部81に連続して形成されている。これにより、U相W相中性点セグメント導体62aは、径方向内側から見て、略U字(略コの字)形状に形成されている。V相中性点セグメント導体62bは、径方向内側から見て、略直線状に形成されている。
中性点コイルエンド部62cは、図14に示すように、第2導体80の第2コイルエンド部82よりも軸方向外側に突出して形成されている。そして、中性点コイルエンド部62cは、第2導体80の第2コイルエンド部82の軸方向外側に近接して配置されているとともに、軸方向に見て、周方向に沿って形成されている。そして、2つのU相W相中性点セグメント導体62aのうちの一方は、他方の径方向外側に配置されている。
V相中性点セグメント導体62bは、V相の第1導体70の第1脚部71に接続されるV相用の第2脚部81と、中性点コイルエンド部62dとを含む。中性点コイルエンド部62dは、第2脚部81から軸方向外側(矢印Z1方向に)突出するように形成されている。そして、2つの中性点コイルエンド部62dは、それぞれ、2つの中性点コイルエンド部62cの両方に接合されることにより、電気的に接合されている。
(接合部の構成)
図14に示すように、1つのスロット12内において、複数の第1導体70と複数の第2導体80とが接合されている。また、第1実施形態では、第2導体80の一対の第2脚部81の軸方向長さL2は、第1導体70の一対の第1脚部71の軸方向長さL1よりも大きい(L2>L1)ことによって、第1導体70と第2導体80とが接合された接合部90は、スロット12内において、ステータコア10の軸方向における中心よりも一方の端部側(端面10a近傍)に配置されている。また、ステータコア10の全てのスロット12において、接合部90は、軸方向の一方側の端面10aの近傍に設けられている。ここで、端面10aの近傍とは、たとえば、軸方向において、軸方向中心C2よりもZ2方向側で、端面10aと同一の位置、および、端面10aからZ1方向またはZ2方向に略絶縁沿面距離の範囲内を含む。
また、第1実施形態では、第1脚部71は、1つのスロット12内において、ステータコア10の径方向に隣り合って複数設けられている。すなわち、複数の第1脚部71および複数の第2脚部81の接合部90同士は、1つのスロット12内において、径方向に隣り合って配置されている。
〈傾斜面の構成〉
図15に示すように、複数のセグメント導体40のうちの第1導体70には、第1脚部71の先端部に軸方向に直交する平面に対して傾斜する第1対向面74が設けられている。また、第2導体80には、第2脚部81の先端部に軸方向に直交する平面に対して傾斜する第2対向面84が設けられている。そして、接合部90は、軸方向に対向し合う第1導体70および第2導体80の径方向に対向し合う第1対向面74と第2対向面84とが接合されることにより形成されている。すなわち、接合部90とは、第1導体70と第2導体80とが接合された部分を意味する。
詳細には、第1脚部71は、径方向内側(矢印R1方向側)を向くとともに、第2脚部81に対向する第1対向面74を含む。また、第2脚部81は、径方向外側(矢印R2方向側)を向くとともに、第1対向面74に対向する第2対向面84を含む。そして、第1脚部71の第1対向面74と、第2脚部81の第2対向面84とが接合されることにより、第1導体70と第2導体80とが接合されている。
また、第1脚部71の第1対向面74と、第2脚部81の第2対向面84とは、たとえば、接合材(図示せず)により接合されている。接合材は、第1対向面74と第2対向面84とを接合させて電気的に接続している。具体的には、接合材は、銀または銅等の導電性材料を含む。好ましくは、接合材は、溶剤に、銀をナノメートルレベルまで微細化した金属粒子を導電性粒子として含んだペースト状の接合材(銀ナノペースト)である。また、接合材には、加熱された際に揮発する部材(樹脂部材)が含有されており、揮発する部材が加熱されることにより、接合材の体積が減少して、第1対向面74と第2対向面84とを近接させる機能を有する。
図15に示すように、第1実施形態では、第1導体70と第2導体80とが接合された接合部90は、径方向から見て、径方向に隣り合う接合部90がオーバラップするように構成されている。具体的には、1つのスロット12内に配置される複数の(全ての)接合部90は、径方向から見て、オーバラップするように構成されている。つまり、1つのスロット12内に配置される全ての接合部90が水平方向に沿って並んだ状態で配置されている。言い換えると、1つのスロット12内において、軸方向における複数の接合部90の各々位置は、互いに略等しい。なお、接合部90は、径方向から見て、第1脚部71の第1対向面74と、第2脚部81の第2対向面84とが接合された(オーバラップした)部分である。
(第1絶縁部材の構造)
第1絶縁部材20は、図5に示すように、壁部11aおよびティース13と、第1脚部71および第2脚部81(セグメント導体40)との間に配置されている。図16に示すように、第1絶縁部材20は、3層構造を有している。具体的には、図14に示すように、第1実施形態では、第1絶縁部材20は、スロット12内において、バックヨーク11の壁部11aおよびティース13の周方向側面13a(図5参照)と、第1脚部71および第2脚部81との間に設けられ、壁部11aおよび周方向側面13aと、第1脚部71および第2脚部81とを絶縁する絶縁層20aと、絶縁層20aのうちの接合部90に対応する軸方向の位置P1とは異なる位置(領域)(P2)の部分20bに重ねて設けられ、ステータコア10と第2脚部81とを固定する固定層20cとを含む。固定層20cは、好ましくは、接着剤を含む接着層として構成されている。また、位置P2は、たとえば、軸方向において、軸方向の位置P1を除く部分のスロット12内の全域と、ステータコア10の端面10bの近傍部分(スロット12よりも軸方向外側の部分を含む)とを含む。
そして、第1絶縁部材20は、矢印Z2方向に見て、径方向に並列して配置された複数の第2脚部81の周囲を一体的に覆うように配置されている。言い換えると、径方向に並列して配置された複数の第2脚部81の周方向両側および径方向両側が第1絶縁部材20により覆われる。これにより、第1絶縁部材20によって、接合部90とステータコア10との絶縁を確保することが可能となる。
絶縁層20aは、たとえば、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS:Poly Phenylene Sulfide Resin)により構成されている。また、絶縁層20aは、アラミド紙等の不織布状に形成されていてもよい。また、第1実施形態では、図14に示すように、絶縁層20aは、ステータコア10の軸方向の一方側の端面10aから他方側の端面10bに亘って設けられている。すなわち、絶縁層20aは、各スロット内において、壁部11aおよび周方向側面13aを覆うように配置されている。なお、「覆う」とは、壁部11aおよび周方向側面13aの全ての部分を被覆することのみを意味するものではなく、図5に示すように、周方向側面13aの径方向内側部分(先端隙部分)が露出している場合も含む、広い概念を意味するものとする。
固定層20cは、図16に示すように、第1実施形態では、熱によって発泡する発泡剤20d(膨張剤)を含む。具体的には、固定層20cは、たとえば、発泡剤20dとしての複数のカプセル体が、熱硬化性樹脂20eに配合されて形成されている。発泡剤20dは、発泡温度T1以上に加熱されることにより、カプセル体の体積が膨張するように構成されている。固定層20cは、たとえば、ステータ100の製造工程において、加熱されることにより、厚みがt2(図17参照)からt3(図18参照)に増大する。これにより、固定層20cは、加熱された際に、発泡剤20dが発泡(膨張)することにより、第2脚部81と壁部11aおよび周方向側面13aとの間を満たす。
また、熱硬化性樹脂20eは、発泡温度T1よりも高い温度である硬化温度T2以上に加熱されることにより、硬化するように構成されている。固定層20cを構成する熱硬化性樹脂20eは、たとえば、エポキシ樹脂である。そして、固定層20cは、加熱された際に、熱硬化性樹脂20eが硬化することにより、第2脚部81と壁部11aおよび周方向側面13aとを接着して固定するように構成されている。
図14に示すように、第1実施形態では、発泡された状態の発泡剤20dを含む固定層20cにより、接合部90に対応する軸方向の位置P1とは異なる位置P2において、第2脚部81の少なくとも一部と、スロット12を構成する壁部11aおよび周方向側面13aとの間が満たされている。詳細には、第1実施形態では、固定層20cは、絶縁層20aのうちの接合部90に対応する軸方向の位置P1よりも軸方向の他方側(Z1方向側)の部分20bに重ねて設けられている。言い換えると、固定層20cは、絶縁層20aのうちの軸方向の一方側(Z2方向側)の端面10aの近傍よりも軸方向の他方側の部分20bに重ねて設けられている。また、固定層20cは、スロット12内において、絶縁層20aのうちの第2脚部81とステータコア10との間に配置される部分20bに重ねて設けられている。たとえば、図16に示すように、固定層20cは、絶縁層20aのうちの接合部90に対応する軸方向の位置とは異なる位置の部分20bにおいて、絶縁層20aを挟み込むように重ねて設けられている。
また、第1実施形態では、図15に示すように、スロット12とコイル部30との間に設けられる第1絶縁部材20と、第1絶縁部材20とは別個に設けられる第2絶縁部材21とが設けられている。そして、図19に示すように、1つのスロット12において径方向に隣接するコイル間における第1導体70と第2導体80とが接合された接合部90同士は、第1絶縁部材20とは別個に設けられるシート状の第2絶縁部材21により絶縁されている。なお、「径方向に隣接するコイル」とは、コイル部30における、第1導体70と第2導体80とが接合された後のスロット12内に配置される直線状の部分を意味する。
ここで、第1実施形態では、図19に示すように、第2絶縁部材21は、たとえば、ノーメックスなどの1枚のシート状の絶縁部材が折りたたまれて形成されている。そして、第2絶縁部材21は、径方向に隣り合う接合部90の対向面90aを覆う、少なくとも2つ以上の対向面絶縁部分21aと、対向面絶縁部分21aの周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う接合部90の周方向面90bのうちのいずれか一方を少なくとも絶縁距離分覆う周方向面絶縁部分21bとを含む。なお、接合部90の対向面90aとは、径方向に隣り合う接合部90の互いに対向する径方向外側の面および径方向内側の面を意味する。また、絶縁距離とは、周方向面絶縁部分21bの径方向に沿った長さであるとともに、径方向に隣り合う接合部90同士を絶縁するために十分な距離(沿面距離)を意味する。また、周方向面90bとは、接合部90のうち、周方向と交差する面を意味する。言い換えると、周方向面90bとは、径方向および軸方向に延びる面を意味する。なお、絶縁距離は、請求の範囲の「所定距離」の一例である。
なお、図20に示すように、第2絶縁部材21は、最外径側に配置される接合部90の径方向外側を覆う部分21cと、最内径側に配置される接合部90の径方向内側を覆う部分21dとを含む。
また、第2絶縁部材21では、径方向に隣り合う対向面絶縁部分21aは、周方向の一方または他方において周方向面絶縁部分21bにより連結されている。具体的には、径方向に隣り合うように配置される一対の対向面絶縁部分21aのうちの径方向外側の対向面絶縁部分21aと、周方向の一方側に設けられる周方向面絶縁部分21bと、一対の対向面絶縁部分21aのうちの径方向内側の対向面絶縁部分21aと、周方向の他方側に設けられる周方向面絶縁部分21bとが連続するように形成されている。つまり、接合部90のA1方向側の周方向面90bと、接合部90のA2方向側の周方向面90bとが交互に、周方向面絶縁部分21bにより覆われる。言い換えると、第2絶縁部材21は、径方向に沿って隣り合うように配置される複数の接合部90の周方向面90bを連続して覆わないように構成されている。
ここで、第1実施形態では、第2絶縁部材21の対向面絶縁部分21aは、径方向から見て、接合部90の対向面90aの全面とオーバラップするように設けられている。すなわち、対向面絶縁部分21aの周方向の長さL4(図19参照)は、対向面90aの周方向の長さL5(図19参照)よりも大きい。
また、第2絶縁部材21の周方向面絶縁部分21bは、周方向から見て、接合部90の周方向面90bとオーバラップするように設けられている。具体的には、周方向面絶縁部分21bは、周方向から見て、接合部90の周方向面90bの全面とオーバラップするように設けられている。詳細には、周方向面絶縁部分21bの径方向の長さL6(図19参照)は、周方向面90bの径方向の長さL7(図19参照)よりも大きい。
このように、第2絶縁部材21は、中心軸線方向から見て、蛇行形状(蛇腹形状)を有する。また、1つの第2絶縁部材21によって、1つのスロット12内に配置される全ての接合部90同士が絶縁される。これにより、1つのスロット12内に配置される複数の接合部90を個別に絶縁部材により覆う場合と比べて、第2絶縁部材21を配置するための工程数を低減することが可能になる。
また、第1実施形態では、図20に示すように、第2絶縁部材21は、径方向に沿って伸縮可能に構成されている。第2絶縁部材21は、柔軟性を有するシート状の絶縁部材により構成されているとともに、径方向に沿って隣り合うように配置される複数の接合部90の周方向面90bを連続して覆わないように構成されているためである。これにより、第1脚部71と第2脚部81との接合する際に、第1脚部71および第2脚部81が径方向または軸方向に沿って押圧されても、第1脚部71および第2脚部81の移動とともに第2絶縁部材21は変形可能である。
また、図15に示すように、第2絶縁部材21は、軸方向における一方側の縁部が、ステータコア10の中心軸線方向の端面10aから外側に突出するように配置されている。具体的には、中心軸線方向において、第2絶縁部材21のZ2方向側は、ステータコア10の端面10aから外側に突出しており、Z1方向側は、スロット12内に配置されている。
また、図15に示すように、第1絶縁部材20も、第2絶縁部材21と共に、ステータコア10の中心軸線方向の端面10aから外側に突出するように配置されている。そして、第2絶縁部材21のステータコア10の端面10aから外側に突出した部分の高さ位置h1と、第1絶縁部材20のステータコア10の端面10aから外側に突出した部分の高さ位置h2とは、略等しい。また、第1絶縁部材20および第2絶縁部材21の、ステータコア10の端面10aからの突出量は、第1絶縁部材20および第2絶縁部材21が、第2セグメント導体80の第2コイルエンド部82に接触して折れ曲がらない程度に調整されている。
また、図3に示すように、中心軸線方向において、第2絶縁部材21の長さL12は、第1絶縁部材20の長さL11よりも小さい。具体的には、第1絶縁部材20の長さL11は、中心軸線方向におけるステータコア10の長さL3よりも大きい。また、第2絶縁部材21の長さL12は、ステータコア10の長さL3よりも小さい。また、第2絶縁部材21は、接合部90を覆うとともに、接合部90からZ1方向側とZ2方向側とに延びるように設けられている。第2絶縁部材21の長さL12は、コイル部30に印加される電圧の大きさなどに基づいて(必要な沿面距離に基づいて)調整される。
また、第2絶縁部材21の長さL12が第1絶縁部材20の長さL11よりも小さいので、図21に示すように、第1絶縁部材20は、径方向から見て、第2絶縁部材21にオーバラップする部分20fと、オーバラップしない部分20bとを含む。具体的には、スロット12内における中心軸線方向の端部(端面10a)近傍において、第1絶縁部材20は、第2絶縁部材21にオーバラップしている。そして、第1絶縁部材20の第2絶縁部材21にオーバラップする部分20fの厚みt11は、第1絶縁部材20の第2絶縁部材21にオーバラップしない部分20bの厚みt12よりも小さい。
また、第2絶縁部材21の厚みt13は、厚みt11よりも小さい。また、厚みt12は、厚みt11に固定層20cの厚みt3の2枚分(t3×2)を加えたものである。
また、第1実施形態では、第2絶縁部材21は、第1絶縁部材20の固定層20cよりも軸方向の一方側(Z2方向側)で、かつ、接合部90同士の径方向の間に配置され、接合部90同士を絶縁するように構成されている。具体的には、固定層20cは、絶縁層20aのうちの第2絶縁部材21と径方向に見てオーバラップしない部分20bに重ねて設けられている。また、絶縁層20aは、第2絶縁部材21と、径方向に見てオーバラップする部分20fに配置されている。
[第2実施形態]
次に、図4、および、図22~図31を参照して、第2実施形態によるステータ200について説明する。第2実施形態のステータ200では、互いに別個に設けられる第1絶縁部材20および第2絶縁部材21を備える上記第1実施形態のステータ100と異なり、一体的に形成された絶縁部材(121、122)が設けられている。なお、上記第1実施形態と同様の構成は、第1実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
[ステータの構造]
図4、および、図22~図31を参照して、第2実施形態によるステータ200の構造について説明する。なお、ステータ200は、請求の範囲の「電機子」の一例である。
図22に示すように、ステータ200は、シート状の絶縁部材121と、コイル部130とを備える。また、コイル部130は、第1コイルアッセンブリ130a(反リード側コイル)と第2コイルアッセンブリ130b(リード側コイル)とを含む。また、コイル部130は、複数のセグメント導体140(図24AおよびB参照)からなる。なお、絶縁部材121は、請求の範囲の「接合部絶縁部材」の一例である。
また、図23に示すように、中心軸線方向において、絶縁部材121(後述する接触部絶縁部分121c)、および、後述するコア脚部絶縁部分122の各々は等しい長さL22を有する。長さL22は、中心軸線方向におけるステータコア10の長さL3よりも大きい。なお、図23では、第1導体70および第2導体80の図示は、簡略化のため省略している。また、図23では、絶縁部材121およびコア脚部絶縁部分122の各々の形状を概略的に図示している。
(セグメント導体の構造)
図24AおよびBに示すように、セグメント導体140は、横断面が略矩形形状を有する平角導線として構成されている。そして、セグメント導体140のうち、後述する第1脚部171(第2脚部181)は、絶縁被膜により被覆されずに導体表面140bが露出(図24A参照)している。一方、セグメント導体140のうち、後述する第1コイルエンド部172(第2コイルエンド部182)の導体表面140bには、厚みt21を有する絶縁被膜140a(図24B参照)が設けられている。絶縁被膜140aの厚みt21は、たとえば、相間絶縁性能(第1コイルエンド部172同士の絶縁、第2コイルエンド部182同士の絶縁{図25AおよびB、図26AおよびB参照})を確保することが可能な程度に設定されている。なお、図24AおよびBでは、説明のために、厚み等の大小関係を強調して図示しているが、この図示の例に限られない。また、図24AおよびBでは、後述する第1導体170についてのみ図示しているが、第2導体180についても同様であるので図示は省略する。なお、導体表面140bは、請求の範囲の「金属表面」の一例である。
〈第1導体および第2導体の構造〉
図25A(B)および図26A(B)に示すように、複数のセグメント導体140は、ステータコア10の軸方向の一方側(Z2方向側)に配置される複数の第1導体170と、ステータコア10の軸方向の他方側(Z1方向側)に配置される複数の第2導体180とを含む。第1導体170と第2導体180とは、中心軸線方向に互いに対向して配置されている。また、第1導体170は、軸方向の長さL31を有する第1脚部171を含む。第1脚部171は、中心軸線方向の他方側(Z1方向側)に延びている。また、第2導体180は、軸方向に長さL32を有する第2脚部181を含む。第2脚部181は、中心軸線方向の一方側(Z2方向側)に延びている。なお、第1脚部171の長さL31と、第2脚部181の長さL32とは、略等しい。また、第1脚部171および第2脚部181の各々は、スロット12に挿入されている。なお、第1導体170および第2導体180は、それぞれ、請求の範囲の「第1セグメント導体」および「第2セグメント導体」の一例である。
図25Aおよび図25Bに示すように、複数の第1導体170は、それぞれ、互いに異なるスロット12に配置される一対の第1脚部171が互いに接続されることにより、径方向に見てU字形状(略U字形状)を有するように形成されている。第1導体170のコイルピッチは6である。すなわち、一対の第1脚部171は、スロット12が6つ分、周方向に異なる位置に配置される。すなわち、一対の第1脚部171のうちの一方の第1脚部171が配置されているスロット12と、他方の第1脚部171が配置されているスロット12との間に、5つのスロット12が設けられている。具体的には、第1導体170は、互いに異なるスロット12に配置され、それぞれ軸方向に沿って直線状に形成されている一対の第1脚部171と、第1コイルエンド部172とを含む。第1脚部171とは、ステータコア10の中心軸線方向における端面10a(図2参照)の軸方向位置からスロット12の内に配置されている部分を意味し、第1コイルエンド部172は、第1脚部171に連続して形成され、ステータコア10の端面10aよりも軸方向外側に配置されている部分を意味するものとする。また、第1コイルエンド部172は、軸方向に折れ曲がる屈曲形状を有する。また、第1コイルエンド部172は、軸方向から見て、径方向に1本のセグメント導体140の幅分、階段状に屈曲するクランク状に形成された第1クランク部分173を有する。つまり、第1クランク部分173の径方向の幅は、1本のセグメント導体140の幅の2倍である。
また、一対の第1脚部171の軸方向長さL31は互いに略等しい。なお、軸方向長さL31とは、第1導体170のうちスロット12内において中心軸線方向に直線状に延びている部分の長さを意味する。また、軸方向長さL31は、ステータコア10(スロット12)の中心軸線方向の長さL3(図23参照)よりも小さい。
同様に、図26Aおよび図26Bに示すように、第2導体180は、スロット12に配置される一対の第2脚部181と、第2コイルエンド部182とを含む。また、第2コイルエンド部182は、第2クランク部分183を有する。また、第2導体180は、互いに異なるスロット12に配置される一対の第2脚部181が互いに接続されることにより、U字形状を有するように形成されている。また、第2導体180の一対の第2脚部181の軸方向長さL32は互いに略等しい。なお、軸方向長さL32とは、第2導体180のうちスロット12内において中心軸線方向に直線状に延びている部分の長さを意味する。
図27に示すように、第1脚部171は、複数のスロット12の各々において、ステータコア10の径方向に隣り合って複数設けられている。また、第2脚部181は、複数のスロット12の各々において、ステータコア10の径方向に隣り合って複数設けられている。
また、1つのスロット12内において、第1脚部171に設けられる第1面171a、および、第2脚部181に設けられる第2面181aは、径方向に沿って交互に複数配列されている。第1面171aは、第1脚部171の先端部171b側に設けられている。また、第2面181aは、第2脚部181の先端部181b側に設けられている。なお、第1面171aおよび第2面181aは、後述するように互いに接触するように設けられており、互いに接触する第1面171aと第2面181aとは、径方向に対向するように配置されている。
また、ステータ200は、複数のスロット12の各々において、コイル部130とスロット12の開口部12a(凸部13b)との間に挟まれるように設けられるばね部材210を備える。すなわち、ばね部材210は、スロット12内の径方向内側に設けられる先端隙12bに設けられている。
ばね部材210は、第1導体170の第1脚部171の第1面171aと、第2導体180の第2脚部181の第2面181aとが接触するように、コイル部130を径方向内側から押圧するように構成されている。第1脚部171の第1面171aと、第2脚部181の第2面181aとが接触することにより接触部190が形成されている。なお、接触部190は、請求の範囲の「接合部」の一例である。
第1面171aおよび第2面181aは、第1面171aと第2面181aとの間に接合剤を介さずに、ばね部材210により押圧されることにより互いに接触されている。すなわち、第1面171aと第2面181aとは接合されておらず、第1面171aと第2面181aとの接触状態は、ばね部材210による押圧力によって維持されている。
また、1つのスロット12内には、互いに接触している第1面171aと第2面181aとの複数(第2実施形態では8つ)の組が設けられている。すなわち、1つのスロット12内には、複数の接触部190が設けられている。複数の接触部190同士は、1つのスロット12内において、径方向に隣り合って配置されている。
具体的には、複数の接触部190は、径方向から見て、互いにオーバラップするように配置されている。つまり、1つのスロット12内に配置される全ての接触部190が水平方向に沿って並んだ状態で配置されている。言い換えると、1つのスロット12内において、中心軸線方向における複数の接触部190の各々の位置は、互いに略等しい。
ここで、第2実施形態では、複数の接触部190の各々は、スロット12内において、ステータコア10の中心軸線方向における中央部に配置されている。また、ばね部材210も、ステータコア10の中心軸線方向における中央部に配置されている。具体的には、ばね部材210は、径方向から見て、複数の接触部190の各々とオーバラップするように設けられている。
また、第1面171aおよび第2面181aの各々は、メッキ処理されている。すなわち、メッキ処理された面同士(第1面171aおよび第2面181a)が接触されている。
また、メッキ処理においては、たとえば、Ni、Ag、Au、および、Sn等の金属が用いられる。なお、上記の金属のうちの複数の金属(たとえば、NiとAg)を用いてメッキ処理を行ってもよい。
図28に示すように、第1脚部171は、第1面171aが形成されている第1面形成部171cを含む。第1面形成部171c(第1面171a)は、中心軸線方向に沿って延びるように設けられている。また、第1脚部171は、第1面形成部171cから連続して第1面形成部171cの中心軸線方向の一方側(Z2方向側)に設けられる第1脚部本体部171dを含む。第1面形成部171cは、径方向の厚みt31を有する。また、第1脚部本体部171dは、径方向の厚みt32を有する。第1脚部本体部171dの径方向の厚みt32は、第1面形成部171cの径方向の厚みt31よりも大きい。
また、第1脚部171は、第1面形成部171cと第1脚部本体部171dとの間に設けられる第1段差部171eを含む。第1段差部171eと、第2脚部181の先端部181bとの間には、隙間部171fが設けられている。
第2脚部181は、第2面181aが形成されている第2面形成部181cを含む。第2面形成部181c(第2面181a)は、中心軸線方向に沿って延びるように設けられている。また、第2脚部181は、第2面形成部181cから連続して第2面形成部181cの中心軸線方向の他方側(Z1方向側)に設けられる第2脚部本体部181dを含む。第2面形成部181cは、径方向の厚みt33を有する。また、第2脚部本体部181dは、径方向の厚みt34を有する。第2脚部本体部181dの径方向の厚みt34は、第2面形成部181cの径方向の厚みt33よりも大きい。
また、第2脚部181は、第2面形成部181cと第2脚部本体部181dとの間に設けられる第2段差部181eを含む。第2段差部181eと、第1脚部171の先端部171bとの間には、隙間部181fが設けられている。
なお、第1面形成部171cの径方向の厚みt31と、第2面形成部181cの径方向の厚みt33とは、略等しい。また、第1脚部本体部171dの径方向の厚みt32と、第2脚部本体部181dの径方向の厚みt34とは、略等しい。なお、図28では、絶縁部材121を強調して図示するために、実際よりも大きい厚みを有しているように図示している。
ここで、第2実施形態では、図29に示すように、シート状の絶縁部材121は、1つのスロット12において径方向に隣接するコイル間における、導体表面140bが露出した第1脚部171と導体表面140b(図24AおよびB参照)が露出した第2脚部181とが接合剤を介さずに接触された接触部190同士を絶縁するように設けられている。具体的には、絶縁部材121は、スロット12内において径方向に複数(第2実施形態では8つ)配列されているコイル(互いに接触する第1脚部171と第2脚部181との組)同士の間のそれぞれに設けられている。
詳細には、絶縁部材121は、たとえば、ノーメックスなどの1枚のシート状の絶縁部材が折りたたまれて形成されている。そして、絶縁部材121は、径方向に隣り合う接触部190の対向面190aを覆う対向面絶縁部分121aと、対向面絶縁部分121aの周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う接触部190の周方向面190bのうちのいずれか一方を少なくとも絶縁距離分覆う周方向面絶縁部分121bとを含む。なお、接触部190の対向面190aとは、径方向に隣り合う接触部190の互いに対向する径方向外側の面および径方向内側の面を意味する。また、絶縁距離とは、周方向面絶縁部分121bの径方向に沿った長さであるとともに、径方向に隣り合う接触部190同士を絶縁するために十分な距離(沿面距離)を意味する。また、周方向面190bとは、接触部190のうち、周方向と交差する面を意味する。言い換えると、周方向面190bとは、径方向および軸方向に延びる面を意味する。
また、絶縁部材121は、径方向に隣り合うように配置される一対の対向面絶縁部分121aのうちの径方向外側の対向面絶縁部分121aと、周方向の一方側に設けられる周方向面絶縁部分121bと、一対の対向面絶縁部分121aのうちの径方向内側の対向面絶縁部分121aと、周方向の他方側に設けられる周方向面絶縁部分121bとが連続するように形成されている接触部絶縁部分121cを含む。なお、接触部絶縁部分121cは、請求の範囲の「接合部絶縁部分」の一例である。
ここで、第2実施形態では、ステータ200は、スロット12とコイル部130との間に設けられ、接触部絶縁部分121cと一体的に形成されているコア脚部絶縁部分122を備える。すなわち、コア脚部絶縁部分122は、接触部絶縁部分121cと同様にシート状であるとともに、接触部絶縁部分121cと同じ材質により形成されている。また、接触部絶縁部分121cとコア脚部絶縁部分122とは等しい大きさの厚み(図示せず)を有している。また、接触部絶縁部分121cとコア脚部絶縁部分122とは、中心軸線方向において等しい長さL22(図27参照)を有する。
具体的には、コア脚部絶縁部分122は、最外径の対向面絶縁部分121aと連続するとともに、スロット12の周方向の一方側(図29では左側)において、スロット12(周方向側面13a)とコイル部130(周方向面190b)との間に設けられる一方側絶縁部分122aを有する。また、コア脚部絶縁部分122は、最内径の対向面絶縁部分121aと連続するとともに、スロット12の周方向の他方側(図29では右側)において、スロット12(周方向側面13a)とコイル部130(周方向面190b)との間に設けられる他方側絶縁部分122bを有する。
詳細には、一方側絶縁部分122a(他方側絶縁部分122b)は、スロット12の周方向側面13aとコイル部130の周方向面190bとにより挟まれる部分と、スロット12の周方向側面13aとコイル部130の周方向面190bを覆う周方向面絶縁部分121bとにより挟まれる部分とが、径方向に沿って交互に存在する。
また、第2実施形態では、一方側絶縁部分122aは、スロット12内のコイル部130の径方向外側の端部230aから径方向内側の端部230bまで(端部230bに亘るように)延びている。また、他方側絶縁部分122bは、スロット12内のコイル部130の径方向内側の端部230bから径方向外側の端部230aまで(端部230aに亘るように)延びている。すなわち、スロット12内のコイル部130は、最外径の対向面絶縁部分121aと、最内径の対向面絶縁部分121aと、一方側絶縁部分122aと、他方側絶縁部分122bとにより取り囲まれるように設けられている。
また、コア脚部絶縁部分122は、一方側絶縁部分122aと連続するとともに、最内径の対向面絶縁部分121aを径方向内側から覆うように設けられる径方向内側絶縁部分122cを含む。また、コア脚部絶縁部分122は、他方側絶縁部分122bと連続するとともに、最外径の対向面絶縁部分121aを径方向外側から覆うように設けられる径方向外側絶縁部分122dを有する。
具体的には、径方向内側絶縁部分122cは、最内径の対向面絶縁部分121aとばね部材210とにより挟まれるように設けられている。すなわち、コイル部130とばね部材210とは、最内径の対向面絶縁部分121aと径方向内側絶縁部分122cとにより絶縁されている。また、径方向外側絶縁部分122dは、最外径の対向面絶縁部分121aとスロット12の壁部11aとにより挟まれるように設けられている。すなわち、コイル部130とスロット12の壁部11a(ステータコア10)とは、最外径の対向面絶縁部分121aと径方向外側絶縁部分122dとにより絶縁されている。
また、径方向内側絶縁部分122cは、周方向において長さL41を有する。また、径方向外側絶縁部分122dは、周方向において長さL42を有する。径方向内側絶縁部分122cの長さL41、および、径方向外側絶縁部分122dの長さL42の各々は、たとえばスロット12の幅W2(図4参照)の1/2よりも大きい。
また、第2実施形態では、図27に示すように、接触部絶縁部分121c(図29参照)およびコア脚部絶縁部分(図29参照)の各々の中心軸線方向の長さL22は、スロット12の中心軸線方向の長さL62よりも大きい。なお、スロット12の中心軸線方向の長さL62は、ステータコア10の中心軸線方向の長さL3(図22参照)と等しい。また、接触部絶縁部分121cおよびコア脚部絶縁部分122の各々は、中心軸線方向における両側の縁部が、ステータコア10の中心軸線方向の端面(10a、10b)から外側に突出するように配置されている。これにより、接触部絶縁部分121cおよびコア脚部絶縁部分122の各々は、中心軸線方向において、スロット12の全体に渡って設けられている。
また、図30に示すように、接触部絶縁部分121cは、絶縁層123aと、熱によって発泡する発泡剤123cを含み、発泡剤123cが発泡することによって膨張することによりコイル(互いに接触する第1脚部171と第2脚部181との組)を径方向に隣接するコイルに対して少なくとも中心軸線方向に固定する固定層123bと、を含む。固定層123bは、絶縁層123aの両面に設けられている。固定層123bは、加熱された際に、熱硬化性樹脂123dが硬化する。これにより、接触部絶縁部分121cの固定層123bは、隣接するコイル同士を接着して固定する。また、図30では、ステータコア10等の図示は、簡略化のため省略している。なお、絶縁層123aおよび固定層123bは、それぞれ、請求の範囲の「第4絶縁層」および「第4固定層」の一例である。また、発泡剤123cは、請求の範囲の「第4発泡層」の一例である。
また、図31に示すように、コア脚部絶縁部分122は、絶縁層124aと、熱によって発泡する発泡剤124cを含み、発泡剤124cが発泡することによって膨張することにより第1脚部171および第2脚部181の各々をステータコア10に対して少なくとも中心軸線方向に固定する固定層124bと、を含む。コア脚部絶縁部分122の固定層124bは、第1脚部171および第2脚部181の各々とステータコア10とを接着して固定するように構成されている。これにより、第1脚部171および第2脚部181の各々を固定するのにワニス等を用いる必要がない。また、図30および図31では、絶縁部材121およびコア脚部絶縁部分122を強調して図示するために、実際よりも大きい厚みを有しているように図示している。なお、絶縁層123a(124a)および固定層123b(124b)は、それぞれ、上記第1実施形態の絶縁層20aおよび固定層20cと同一の構成(素材)であるので、詳細な説明は省略する。また、絶縁層124aおよび固定層124bは、それぞれ、請求の範囲の「第3絶縁層」および「第3固定層」の一例である。また、発泡剤124cは、請求の範囲の「第3発泡層」の一例である。
ここで、第2実施形態では、固定層124b(固定層123b)は、絶縁層124a(絶縁層123a)の全面に重ねて設けられている。具体的には、固定層124b(固定層123b)は、接触部190に対応する中心軸線方向の位置、および、脚部(171、181)のうちの接触部190以外の部分に対応する中心軸線方向の位置の各々において、絶縁層124a(絶縁層123a)と重ねて設けられている。
(ステータの製造工程)
次に、図32を参照して、ステータ200の製造工程について説明する。
図32に示すように、まず、ステップS1において、絶縁部材121(接触部絶縁部分121c)とコア脚部絶縁部分122とが一体的にスロット12内に挿入(配置)される。
次に、ステップS2において、中心軸線方向の他方側(Z1方向側)から、第2導体180の第2脚部181(図27参照)がスロット12内に挿入される。
次に、ステップS3において、中心軸線方向の一方側(Z2方向側)から、第1導体170の第1脚部171(図27参照)がスロット12内に挿入される。この際、第1脚部171の第1面171aと第2脚部181の第2面181aとが対向するように第1脚部171が配置される。
次に、ステップS4において、ばね部材210(図27参照)が、スロット12の開口部12aを介して、径方向内側からスロット12内に挿入される。
そして、ステップS5において、ステータコア10が加熱されるとともに固定層123bが加熱されることにより、発泡剤123cが発泡するとともに固定層123bが膨張される。これにより、コイル部130が、スロット12に対して少なくとも中心軸線方向に固定される。
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
[第3実施形態]
次に、図33~図37を参照して、第3実施形態によるステータ300について説明する。第3実施形態のステータ300では、固定層123bが絶縁層123aの全面に設けられている上記第2実施形態と異なり、固定層223bが絶縁層223aに部分的に設けられている。なお、上記第2実施形態と同様の構成は、第2実施形態と同じ符号を付して図示するとともに説明を省略する。
[ステータの構造]
図33~図37を参照して、第3実施形態によるステータ300の構造について説明する。なお、ステータ300は、請求の範囲の「電機子」の一例である。
図33および図34に示すように、ステータ300は、シート状の絶縁部材221と、コイル部130とを備える。なお、絶縁部材221は、請求の範囲の「接合部絶縁部材」の一例である。
図35に示すように、絶縁部材221は、径方向に隣り合うように配置される一対の対向面絶縁部分221aのうちの径方向外側の対向面絶縁部分221aと、周方向の一方側に設けられる周方向面絶縁部分221bと、一対の対向面絶縁部分221aのうちの径方向内側の対向面絶縁部分221aと、周方向の他方側に設けられる周方向面絶縁部分221bとが連続するように形成されている接触部絶縁部分221cを含む。なお、接触部絶縁部分221cは、請求の範囲の「接合部絶縁部分」の一例である。
また、ステータ300は、スロット12とコイル部130との間に設けられ、接触部絶縁部分221cと一体的に形成されているコア脚部絶縁部分222を備える。
具体的には、コア脚部絶縁部分222は、最外径の対向面絶縁部分221aと連続するとともに、スロット12の周方向の一方側(図35では左側)において、スロット12(周方向側面13a)とコイル部130(周方向面190b)との間に設けられる一方側絶縁部分222aを有する。また、コア脚部絶縁部分222は、最内径の対向面絶縁部分221aと連続するとともに、スロット12の周方向の他方側(図35では右側)において、スロット12(周方向側面13a)とコイル部130(周方向面190b)との間に設けられる他方側絶縁部分222bを有する。
また、コア脚部絶縁部分222は、一方側絶縁部分222aと連続するとともに、最内径の対向面絶縁部分221aを径方向内側から覆うように設けられる径方向内側絶縁部分222cを含む。また、コア脚部絶縁部分222は、他方側絶縁部分222bと連続するとともに、最外径の対向面絶縁部分221aを径方向外側から覆うように設けられる径方向外側絶縁部分222dを有する。
また、図36に示すように、接触部絶縁部分221cは、絶縁層223aと、熱によって発泡する発泡剤223cを含み、発泡剤223cが発泡することによって膨張することによりコイルを径方向に隣接するコイルを固定する固定層223bと、を含む。固定層223bは、絶縁層223aの両面に設けられている。固定層223bは、加熱された際に、熱硬化性樹脂223dが硬化する。これにより、接触部絶縁部分221cの固定層223bは、隣接するコイル同士を接着して固定する。なお、図36では、ステータコア10等の図示は、簡略化のため省略している。また、絶縁層223aおよび固定層223bは、それぞれ、請求の範囲の「第2絶縁層」および「第2固定層」の一例である。また、発泡剤223cは、請求の範囲の「第2発泡層」の一例である。
また、図37に示すように、コア脚部絶縁部分222は、絶縁層224aと、熱によって発泡する発泡剤224cを含み、発泡剤224cが発泡することによって膨張することにより第1脚部171および第2脚部181の各々をステータコア10に対して少なくとも中心軸線方向に固定する固定層224bと、を含む。コア脚部絶縁部分222の固定層224bは、第1脚部171および第2脚部181の各々とステータコア10とを接着して固定するように構成されている。なお、図36および図37では、絶縁部材221およびコア脚部絶縁部分222を強調して図示するために、実際よりも大きい厚みを有しているように図示している。また、絶縁層224aおよび固定層224bは、それぞれ、請求の範囲の「第1絶縁層」および「第1固定層」の一例である。また、発泡剤224cは、請求の範囲の「第1発泡層」の一例である。
ここで、第3実施形態では、固定層224b(固定層223b)は、接触部190に対応する中心軸線方向の位置とは異なる位置の絶縁層224a(絶縁層223a)の部分に重ねて設けられている。言い換えると、コア脚部絶縁部分222(接触部絶縁部分221c)において、接触部190に対応する中心軸線方向の位置には、絶縁層224a(絶縁層223a)しか設けられていない。具体的には、固定層224b(固定層223b)は、第1段差部171e(図36参照)よりも中心軸線方向の一方側(Z2方向側)の部分と、第2段差部181e(図36参照)よりも中心軸線方向の他方側(Z1方向側)の部分との2つの部分に分離して設けられている。
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
[第1~第3実施形態の効果]
第1~第3実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
第1~第3実施形態では、上記のように、接合部(90、190)同士を絶縁する接合部絶縁部材(21、121、221)がシート状であるので、シート状の絶縁部材を折り曲げることにより、容易に、接合部絶縁部材(21、121、221)を形成することができる。その結果、容易に形成可能な接合部絶縁部材(21、121、221)により接合部(90、190)同士を絶縁することができる。なお、接合部絶縁部材(21、121、221)は、径方向に隣り合う接合部(90、190)の対向面(90a、190a)を覆う対向面絶縁部分(21a、121a、221a)と、対向面絶縁部分(21a、121a、221a)の周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う接合部(90、190)の周方向面(90b、190b)のうちのいずれか一方を少なくとも径方向に沿った所定距離分覆う周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)とを含むので、径方向に隣り合う接合部(90、190)は、接合部絶縁部材(21、121、221)によって絶縁される。また、径方向に隣り合う対向面絶縁部分(21a、121a、221a)は、周方向の一方または他方において周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)により連結されているので、径方向に隣り合う対向面絶縁部分(21a、121a、221a)が周方向の両方で周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)により連結されている場合と異なり、接合部絶縁部材(21、121、221)を径方向に容易に伸縮させることができる。また、接合部絶縁部材(21、121、221)が比較的厚みの薄いシート状であるので、スロット(12)内のコイル部(30、130)の占積率を高めることができる。なお、接合部(90、190)とは、接合剤を介して接合されている部分のみならず、接合剤を介さずに接触しているだけの部分を含む広い意味である。
また、第1~第3実施形態では、上記のように、接合部絶縁部材(21、121、221)は、径方向に隣り合うように配置される一対の対向面絶縁部分(21a、121a、221a)のうちの径方向外側の対向面絶縁部分(21a、121a、221a)と、周方向の一方側に設けられる周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)と、一対の対向面絶縁部分(21a、121a、221a)のうちの径方向内側の対向面絶縁部分(21a、121a、221a)と、周方向の他方側に設けられる周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)とが連続するように形成されている。このように構成すれば、対向面絶縁部分(21a、121a、221a)および周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)を一体的に、1回の工程でスロット内に配置することができるので、接合部絶縁部材(21、121、221)をスロットに容易に配置することができる。
また、第1~第3実施形態では、上記のように、接合部絶縁部材(21、121、221)は、1枚のシート状の絶縁部材が折りたたまれて形成されている。このように構成すれば、接合部絶縁部材(21、121、221)を、径方向に沿って伸縮可能に構成することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、第1セグメント導体(70)と第2セグメント導体(80)とが接合された接合部(90)は、スロット(12)内において、電機子コア(10)の中心軸線方向における中心よりも一方の端部側に配置されており、複数の接合部(90)は、径方向から見て、オーバラップするように構成されている。このように構成すれば、複数の第1セグメント導体(70)の第1脚部(71)の長さ(L1)が互いに略同じになるとともに、複数の第2セグメント導体(80)の第2脚部(81)の長さ(L2)が互いに略同じになる。これにより、第1セグメント導体(70)および第2セグメント導体(80)を容易に形成することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、接合部絶縁部材(21)は、中心軸線方向における一方側の縁部が、電機子コア(10)の中心軸線方向の端面(10a)から外側に突出するように配置されている。このように構成すれば、接合部(90)を、スロット(12)内において中心軸線方向の端部近傍に配置した場合でも、電機子コア(10)の端面(10a)と接合部(90)との間の沿面距離を大きくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、接合部絶縁部材(21)とコア脚部絶縁部材(20)とは、共に、電機子コア(10)の中心軸線方向の端面(10a)から外側に突出するように配置されている。このように構成すれば、電機子コア(10)の端面(10a)と接合部(90)との間を、接合部絶縁部材(21)とコア脚部絶縁部材(20)との両方によって絶縁することができる。
また、第1実施形態では、上記のように、中心軸線方向において、接合部絶縁部材(21)の長さ(L12)は、コア脚部絶縁部材(20)の長さ(L11)よりも小さい。このように構成すれば、接合部絶縁部材(21)の長さ(L12)が小さくなる分、接合部絶縁部材(21)を形成する材料を少なくすることができる。
また、第1実施形態では、上記のように、コア脚部絶縁部材(20)の接合部絶縁部材(21)にオーバラップする部分(20f)の厚み(t11)は、コア脚部絶縁部材(20)の接合部絶縁部材(21)にオーバラップしない部分(20b)の厚み(t12)よりも小さい。このように構成すれば、コア脚部絶縁部材(20)と接合部絶縁部材(21)とがオーバラップするように重ねて配置された場合もで、コア脚部絶縁部材(20)と接合部絶縁部材(21)との合計の厚みが大きくなるのを防止することができる。その結果、コア脚部絶縁部材(20)と接合部絶縁部材(21)とがオーバラップしている部分(20f)に配置される第1脚部(71)および第2脚部(81)が、コア脚部絶縁部材(20)と接合部絶縁部材(21)とがオーバラップしていない部分(20b)に配置される第1脚部(71)および第2脚部(81)に対して湾曲する(径方向内側に湾曲する)のを防止することができる。
また、第2および第3実施形態では、上記のように、複数の第1セグメント導体(170)の各々は、中心軸線方向の他方側に延びるとともにスロット(12)に挿入され、絶縁被膜により被覆されず金属表面(140b)が露出している第1脚部(171)を含む。また、複数の第2セグメント導体(180)の各々は、中心軸線方向の一方側に延びるとともにスロット(12)に挿入され、絶縁被膜により被覆されず金属表面(140b)が露出している第2脚部(181)を含む。また、シート状の接合部絶縁部材(121、221)は、1つのスロット(12)において径方向に隣接するコイル間における、金属表面(140b)が露出した第1脚部(171)と金属表面(140b)が露出した第2脚部(181)とが接合剤を介さずに接触された接合部(190)同士を絶縁するように設けられている。このように構成すれば、コイルエンド部(172、182)同士が絶縁被膜(140a)により絶縁されるとともに、脚部(171、181)同士(接合部(190)同士)が接合部絶縁部材(121、221)により絶縁されるので、互いを異なる部材により絶縁することができる。これにより、コイルエンド部(172、182)の絶縁被膜(140a)および接合部絶縁部材(121、221)の各々の厚みを個別に調整することができる。その結果、コイルエンド部(172、182)、および、脚部(171、181)においてかかる電圧が互いに異なる場合でも、絶縁被膜(140a)および接合部絶縁部材(121、221)の各々の厚みを適切に調整することにより、それぞれを適切に絶縁することができる。
また、接合部絶縁部材(121、221)はシート状であり、剛体に比べて柔軟性を有しているので、径方向内側から押圧することにより第1脚部(171)と第2脚部(181)とを接触させる場合に、径方向内側からの押圧力を径方向に並ぶ複数の接合部(190)全体に容易に伝達することができる。
また、第2および第3実施形態では、上記のように、接合部絶縁部材(121、221)は、径方向に隣り合うように配置される一対の対向面絶縁部分(121a、221a)のうちの径方向外側の対向面絶縁部分(121a、221a)と、周方向の一方側に設けられる周方向面絶縁部分(121b、221b)と、一対の対向面絶縁部分(121a、221a)のうちの径方向内側の対向面絶縁部分(121a、221a)と、周方向の他方側に設けられる周方向面絶縁部分(121b、221b)とが連続するように形成されている接合部絶縁部分(121c、221c)を含む。また、電機子(200、300)は、スロット(12)とコイル部(130)との間に設けられ、接合部絶縁部分(121c、221c)と一体的に形成されているコア脚部絶縁部分(122、222)を備える。このように構成すれば、接合部絶縁部分(121c、221c)およびコア脚部絶縁部分(122、222)を一体的に、1回の工程でスロット(12)内に配置することができるので、接合部絶縁部分(121c、221c)およびコア脚部絶縁部分(122、222)をスロット(12)に容易に配置することができる。
また、第2および第3実施形態では、上記のように、コア脚部絶縁部分(122、222)は、最外径の対向面絶縁部分(121a、221a)と連続するとともに、スロット(12)の周方向の一方側において、スロット(12)とコイル部(130)との間に設けられる一方側絶縁部分(122a、222a)を有する。また、コア脚部絶縁部分(122、222)は、最内径の対向面絶縁部分(121a、221a)と連続するとともに、スロット(12)の周方向の他方側において、スロット(12)とコイル部(130)との間に設けられる他方側絶縁部分(122b、222b)を有する。このように構成すれば、一方側絶縁部分(122a、222a)および他方側絶縁部分(122b、222b)の各々によって、スロット(12)(電機子コア(10))とコイル部(130)とが周方向において導通するのを防止することができる。また、一方側絶縁部分(122a、222a)および他方側絶縁部分(122b、222b)の各々が接合部絶縁部分(121c、221c)と連続しているので、一方側絶縁部分(122a、222a)および他方側絶縁部分(122b、222b)の各々を接合部絶縁部分(121c、221c)と同時にスロット(12)に配置することができる。
また、第2および第3実施形態では、上記のように、一方側絶縁部分(122a、222a)は、スロット(12)内のコイル部(130)の径方向外側の端部(230a)から径方向内側の端部(230b)まで延びており、他方側絶縁部分(122b、222b)は、スロット(12)内のコイル部(130)の径方向内側の端部(230b)から径方向外側の端部(230a)まで延びている。このように構成すれば、一方側絶縁部分(122a、222a)および他方側絶縁部分(122b、222b)の各々によって、スロット(12)(電機子コア(10))とコイル部(130)とが周方向において導通するのをより確実に防止することができる。
また、第2および第3実施形態では、上記のように、コア脚部絶縁部分(122、222)は、一方側絶縁部分(122a、222a)と連続するとともに、最内径の対向面絶縁部分(121a、221a)を径方向内側から覆うように設けられる径方向内側絶縁部分(122c、222c)と、他方側絶縁部分(122b、222b)と連続するとともに、最外径の対向面絶縁部分(121a、221a)を径方向外側から覆うように設けられる径方向外側絶縁部分(122d、222d)と、を有する。このように構成すれば、径方向内側絶縁部分(122c、222c)および径方向外側絶縁部分(122d、222d)により、コイル部(130)が、コイル部(130)の径方向両側の端部(230a、230b)を介してスロット(12)(電機子コア(10))等と導通するのをより確実に防止することができる。
また、径方向内側絶縁部分(122c、222c)および径方向外側絶縁部分(122d、222d)により接合部絶縁部分(121c、221c)が径方向に挟まれていることによって、接合部絶縁部分(121c、221c)が径方向に広がろうと変形するのを防止することができる。その結果、接合部絶縁部分(121c、221c)をスロット(12)内に挿入する作業を容易化することができる。
また、第2および第3実施形態では、上記のように、接合部絶縁部分(121c、221c)およびコア脚部絶縁部分(122、222)の各々の中心軸線方向の長さ(L22)は、スロット(12)の中心軸線方向の長さ(L62)よりも大きい。また、接合部絶縁部分(121c、221c)およびコア脚部絶縁部分(122、222)の各々は、中心軸線方向における両側の縁部が、電機子コア(10)の中心軸線方向の端面(10a、10b)から外側に突出するように配置されている。このように構成すれば、接合部絶縁部分(121c、221c)およびコア脚部絶縁部分(122、222)の各々が中心軸線方向においてスロット(12)の全体に設けられるので、接合部絶縁部分(121c、221c)により脚部(171、181)同士(接合部(190)同士)をより確実に絶縁することができるとともに、コア脚部絶縁部分(122、222)により脚部(171、181)とスロット(12)(電機子コア(10))とをより確実に絶縁することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、コア脚部絶縁部分(222)は、第1絶縁層(224a)と、熱によって発泡する第1発泡剤(224c)を含み、第1発泡剤(224c)が発泡することによって膨張することにより電機子コア(10)と第1脚部(171)および第2脚部(181)の各々とを中心軸線方向に固定する第1固定層(224b)と、を含む。また、第1固定層(224b)は、接合部(190)に対応する中心軸線方向の位置とは異なる位置の第1絶縁層(224a)の部分に重ねて設けられている。このように構成すれば、第1固定層(224b)が膨張することにより、第1固定層(224b)が第1脚部(171)と第2脚部(181)との間に入り込むのを防止することができる。
また、第3実施形態では、上記のように、接合部絶縁部分(221c)は、第2絶縁層(223a)と、熱によって発泡する第2発泡剤(223c)を含み、第2発泡剤(223c)が発泡することによって膨張することによりコイルを径方向に隣接するコイルに対して少なくとも中心軸線方向に固定する第2固定層(223b)と、を含む。また、第2固定層(223b)は、接合部(190)に対応する中心軸線方向の位置とは異なる位置の第2絶縁層(223a)の部分に重ねて設けられている。このように構成すれば、第2固定層(223b)が膨張することにより、第2固定層(223b)が接合部(190)(たとえば隙間部(171f、181f))に入り込むのを防止することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、コア脚部絶縁部分(122)は、第3絶縁層(124a)と、熱によって発泡する第3発泡剤(124c)を含み、第3発泡剤(124c)が発泡することによって膨張することにより第1脚部(171)および第2脚部(181)の各々を電機子コア(10)に対して少なくとも中心軸線方向に固定する第3固定層(124b)と、を含む。また、第3固定層(124b)は、第3絶縁層(124a)の全面に重ねて設けられている。このように構成すれば、第3固定層(124b)が第3絶縁層(124a)の一部にのみ重ねて設けられている場合に比べて、第3固定層(124b)により、第1脚部(171)および第2脚部(181)の各々を電機子コア(10)に対してより安定的に固定することができる。
また、第2実施形態では、上記のように、接合部絶縁部分(121c)は、第4絶縁層(123a)と、熱によって発泡する第4発泡剤(123c)を含み、第4発泡剤(123c)が発泡することによって膨張することによりコイルを径方向に隣接するコイルに対して固定する第4固定層(123b)と、を含む。また、第4固定層(123b)は、第4絶縁層(123a)の全面に重ねて設けられている。このように構成すれば、第4固定層(123b)が第4絶縁層(123a)の一部にのみ重ねて設けられている場合に比べて、第4固定層(123b)により、互いに隣接するコイル同士をより安定的に固定することができる。
また、第2および第3実施形態では、上記のように、複数の接合部(190)の各々は、スロット(12)内において、電機子コア(10)の中心軸線方向における中央部に配置されている。このように構成すれば、第1脚部(171)および第2脚部(181)のいずれか一方が他方に比べて過度に重くなるのを防止することができる。その結果、第1脚部(171)および第2脚部(181)のいずれかが固定層(124b、224b)により固定できないほど重くなるのを防止することができる。
また、第1~第3実施形態では、上記のように、周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)は、径方向に隣り合う接合部(90、190)の周方向面(190b)のうちのいずれか一方を、少なくとも径方向に沿った所定距離としての絶縁距離分覆うように設けられている。このように構成すれば、周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)により、径方向に隣り合う接合部(90、190)同士をより確実に絶縁することができる。
また、第1~第3実施形態では、上記のように、接合部絶縁部材(21、121、221)の対向面絶縁部分(21a、121a、221a)は、径方向から見て、接合部(90、190)の対向面(190a)の全面とオーバラップするように設けられている。このように構成すれば、対向面絶縁部分(21a、121a、221a)により、径方向に隣り合う接合部(90、190)同士をより一層確実に絶縁することができる。
また、第1~第3実施形態では、上記のように、接合部絶縁部材(21、121、221)の周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)は、周方向から見て、接合部(90、190)の周方向面(190b)とオーバラップするように設けられている。このように構成すれば、周方向面絶縁部分(21b、121b、221b)により、接合部(90、190)の周方向面(190b)とスロット(12)(電機子コア(10))とをより確実に絶縁することができる。
[変形例]
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更(変形例)が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、径方向に隣り合うように配置される対向面絶縁部分が、周方向の一方側と他方側とにおいて、交互に周方向面絶縁部分により連結されている(つまり、第2絶縁部材が一体的に形成されている)例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、図38に示す第1変形例による第2絶縁部材321のように、対向面絶縁部分321a同士が、周方向の一方(または他方)において、周方向面絶縁部分321bにより連結され、周方向の他方(または一方)において、絶縁距離L21分だけR1方向(またはR2方向)に延びる周方向面絶縁部分321cに連結されていてもよい。この場合、1つのスロット12内に複数の第2絶縁部材321が設けられている。なお、第2絶縁部材321は、請求の範囲の「接合部絶縁部材」の一例である。また、第2および第3実施形態の絶縁部材(121、221)が同様の形状であってもよい。
また、図39に示す第2変形例による第2絶縁部材421のように、対向面絶縁部分421a同士が、周方向の一方において、周方向面絶縁部分421bにより連結され、周方向の他方において、絶縁距離L21分だけR2方向に延びる周方向面絶縁部分421cに連結されていてもよい。この場合も、1つのスロット12内に複数の第2絶縁部材421が設けられている。なお、第2絶縁部材421は、請求の範囲の「接合部絶縁部材」の一例である。また、第2および第3実施形態の絶縁部材(121、221)が同様の形状であってもよい。
また、上記第1実施形態では、第1セグメント導体と第2セグメント導体とが接合された接合部は、スロット内において、Z2方向側の端部近傍に配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接合部は、スロット内において、中心軸線方向の中央部近傍、または、Z1方向側の端部近傍に配置されていてもよい。また、上記第2および第3実施形態において、接触部が、スロット内において、Z1方向側またはZ2方向側の端部近傍に配置されていてもよい。
また、上記第1~第3実施形態では、1つのスロットに配置されている全ての接合部(接触部)が、径方向から見て、オーバラップするように構成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、径方向から見て、少なくとも径方向に隣り合う接合部(接触部)がオーバラップするように構成されていればよい。たとえば、1つのスロット内において、最内径側に配置される接合部(接触部)と最外径側に配置される接合部(接触部)とが径方向から見てオーバラップしていなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、第2絶縁部材が、ステータコアの中心軸線方向の端面から外側に突出するように配置されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2絶縁部材は、ステータコアの中心軸線方向の端面から外側に突出しないように配置されていてもよい。また、第2および第3実施形態においても、絶縁部材の縁部がステータコアの中心軸線方向の端面から突出していなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1絶縁部材の第2絶縁部材にオーバラップする部分の厚みが、第1絶縁部材の第2絶縁部材にオーバラップしない部分の厚みよりも小さい例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1絶縁部材の第2絶縁部材にオーバラップする部分の厚みと、第1絶縁部材の第2絶縁部材にオーバラップしない部分の厚みとが略同じであってもよい。
また、上記第1実施形態では、第1セグメント導体と第2セグメント導体とがスロット内において接合されている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1セグメント導体と第2セグメント導体とがスロットの中心軸線方向の外側において接合されていてもよい。
また、上記第1実施形態では、第2絶縁部材は、最外径側に配置される接合部の径方向外側と、最内径側に配置される接合部の径方向内側とを覆う例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第2絶縁部材が、最外径側に配置される接合部の径方向外側と、最内径側に配置される接合部の径方向内側とのうちの一方(または両方)を覆わなくてもよい。
また、上記第1実施形態では、第1絶縁部材と第2絶縁部材とが別個に設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、第1絶縁部材と第2絶縁部材とが一体的に設けられていてもよい。
また、上記第1実施形態では、接着層として構成された固定層を含む第1絶縁部材を用いる例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、接着層とは異なる膨張材(膨張層)を含む第1絶縁部材を用いて、接着せずに壁部および周方向側面と第2脚部とを押圧させ合うこと(押圧力)により固定させてもよい。また、第2および第3実施形態においても同様に、固定層が接着力を有していなくてもよい。
また、上記第2および第3実施形態では、接触部絶縁部分とコア脚部絶縁部分とが一体的に形成されている例を示したが、本発明はこれに限られない。接触部絶縁部分とコア脚部絶縁部分とが分離して(別個に)設けられていてもよい。
また、上記第2および第3実施形態では、一方側絶縁部分と径方向内側絶縁部分とが連続するとともに、他方側絶縁部分と径方向外側絶縁部分とが連続する例を示したが、本発明はこれに限られない。一方側絶縁部分と径方向内側絶縁部分、および、他方側絶縁部分と径方向外側絶縁部分のうちの少なくとも一方が分離して(別個に)設けられていてもよい。
また、上記第2および第3実施形態では、固定層が絶縁層の縁部まで設けられている例を示したが、本発明はこれに限られない。たとえば、固定層は、スロット内に収容されている絶縁層の部分にのみ設けられていてもよい。
10 ステータコア(電機子コア)
10a、10b 端面
12 スロット
20 第1絶縁部材(コア脚部絶縁部材)
20f (接合部絶縁部材にオーバラップする)部分
20b (接合部絶縁部材にオーバラップしない)部分
21、321、421 第2絶縁部材(接合部絶縁部材)
21a、121a、221a 対向面絶縁部分
21b、121b、221b 周方向面絶縁部分
30、130 コイル部
40、140 セグメント導体
70、170 第1導体(第1セグメント導体)
80、180 第2導体(第2セグメント導体)
90 接合部
90a、190a 対向面
90b、190b 周方向面
100、200、300 ステータ(電機子)
121、221 絶縁部材(接合部絶縁部材)
121c、221c 接触部絶縁部分(接合部絶縁部分)
122、222 コア脚部絶縁部分
122a、222a 一方側絶縁部分
122b、222b 他方側絶縁部分
122c、222c 径方向内側絶縁部分
122d、222d 径方向外側絶縁部分
123a 絶縁層(第4絶縁層)
123b 固定層(第4固定層)
123c 発泡層(第4発泡層)
124a 絶縁層(第3絶縁層)
124b 固定層(第3固定層)
124c 発泡層(第3発泡層)
140b 導体表面(金属表面)
171 第1脚部
181 第2脚部
190 接触部(接合部)
223a 絶縁層(第2絶縁層)
223b 固定層(第2固定層)
223c 発泡剤(第2発泡剤)
224a 絶縁層(第1絶縁層)
224b 固定層(第1固定層)
224c 発泡剤(第1発泡剤)
230a 端部(コイル部の径方向外側の端部)
230b 端部(コイル部の径方向内側の端部)
L22 長さ(接合部絶縁部分およびコア脚部絶縁部分の長さ)
L62 長さ(スロットの長さ)

Claims (22)

  1. 中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられている電機子コアと、
    前記電機子コアの前記中心軸線方向の一方側に配置される複数の第1セグメント導体と、前記電機子コアの前記中心軸線方向の他方側で、且つ、前記第1セグメント導体に対して前記中心軸線方向に対向して配置される複数の第2セグメント導体とを含み、
    1つの前記スロット内または1つの前記スロットの前記中心軸線方向の外側において、複数の前記第1セグメント導体と複数の前記第2セグメント導体とが接合されることにより形成されるコイル部と、
    1つの前記スロットにおいて径方向に隣接するコイル間における前記第1セグメント導体と前記第2セグメント導体とが接合された接合部同士を絶縁するシート状の接合部絶縁部材と、を備え、
    前記接合部絶縁部材は、径方向に隣り合う前記接合部の対向面を覆う、少なくとも2つ以上の対向面絶縁部分と、前記対向面絶縁部分の周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う前記接合部の周方向面のうちのいずれか一方を少なくとも径方向に沿った所定距離分覆う周方向面絶縁部分とを含み、径方向に隣り合う前記対向面絶縁部分は、周方向の一方または他方において前記周方向面絶縁部分により連結されており、
    前記スロットと前記コイル部との間に設けられるシート状のコア脚部絶縁部材をさらに備え、
    前記コア脚部絶縁部材は、径方向から見て、前記接合部絶縁部材にオーバラップする部分と、オーバラップしない部分とを含み、
    前記コア脚部絶縁部材の前記接合部絶縁部材にオーバラップする部分の厚みは、前記コア脚部絶縁部材の前記接合部絶縁部材にオーバラップしない部分の厚みよりも小さい、電機子。
  2. 前記接合部絶縁部材は、径方向に隣り合うように配置される一対の前記対向面絶縁部分のうちの径方向外側の前記対向面絶縁部分と、周方向の一方側に設けられる前記周方向面絶縁部分と、一対の前記対向面絶縁部分のうちの径方向内側の前記対向面絶縁部分と、周方向の他方側に設けられる前記周方向面絶縁部分とが連続するように形成されている、請求項1に記載の電機子。
  3. 前記接合部絶縁部材は、1枚のシート状の絶縁部材が折りたたまれて形成されている、請求項2に記載の電機子。
  4. 前記第1セグメント導体と前記第2セグメント導体とが接合された前記接合部は、前記スロット内において、前記電機子コアの前記中心軸線方向における中心よりも一方の端部側に配置されており、
    前記複数の接合部は、径方向から見て、オーバラップするように構成されている、請求項1~3のいずれか1項に記載の電機子。
  5. 前記接合部絶縁部材は、前記中心軸線方向における一方側の縁部が、前記電機子コアの前記中心軸線方向の端面から外側に突出するように配置されている、請求項4に記載の電機子。
  6. 記接合部絶縁部材と前記コア脚部絶縁部材とは、共に、前記電機子コアの前記中心軸線方向の前記端面から外側に突出するように配置されている、請求項5に記載の電機子。
  7. 前記中心軸線方向において、前記接合部絶縁部材の長さは、前記コア脚部絶縁部材の長さよりも小さい、請求項6に記載の電機子。
  8. 前記複数の第1セグメント導体の各々は、前記中心軸線方向の他方側に延びるとともに前記スロットに挿入され、絶縁被膜により被覆されず金属表面が露出している第1脚部を含み、
    前記複数の第2セグメント導体の各々は、前記中心軸線方向の一方側に延びるとともに前記スロットに挿入され、絶縁被膜により被覆されず金属表面が露出している第2脚部を含み、
    シート状の前記接合部絶縁部材は、1つの前記スロットにおいて径方向に隣接する前記コイル間における、前記金属表面が露出した前記第1脚部と前記金属表面が露出した前記第2脚部とが接合剤を介さずに接触された前記接合部同士を絶縁するように設けられている、請求項1~3のいずれか1項に記載の電機子。
  9. 前記接合部絶縁部材は、径方向に隣り合うように配置される一対の前記対向面絶縁部分のうちの径方向外側の前記対向面絶縁部分と、周方向の一方側に設けられる前記周方向面絶縁部分と、一対の前記対向面絶縁部分のうちの径方向内側の前記対向面絶縁部分と、周方向の他方側に設けられる前記周方向面絶縁部分とが連続するように形成されている接合部絶縁部分を含み、
    前記スロットと前記コイル部との間に設けられ、前記接合部絶縁部分と一体的に形成されているコア脚部絶縁部分をさらに備える、請求項に記載の電機子。
  10. 前記コア脚部絶縁部分は、最外径の前記対向面絶縁部分と連続するとともに、前記スロットの周方向の一方側において、前記スロットと前記コイル部との間に設けられる一方側絶縁部分と、最内径の前記対向面絶縁部分と連続するとともに、前記スロットの周方向の他方側において、前記スロットと前記コイル部との間に設けられる他方側絶縁部分と、を有する、請求項に記載の電機子。
  11. 前記一方側絶縁部分は、前記スロット内の前記コイル部の径方向外側の端部から径方向内側の端部まで延びており、
    前記他方側絶縁部分は、前記スロット内の前記コイル部の径方向内側の端部から径方向外側の端部まで延びている、請求項10に記載の電機子。
  12. 前記コア脚部絶縁部分は、前記一方側絶縁部分と連続するとともに、最内径の前記対向面絶縁部分を径方向内側から覆うように設けられる径方向内側絶縁部分と、前記他方側絶縁部分と連続するとともに、最外径の前記対向面絶縁部分を径方向外側から覆うように設けられる径方向外側絶縁部分と、をさらに有する、請求項11に記載の電機子。
  13. 前記接合部絶縁部分および前記コア脚部絶縁部分の各々の前記中心軸線方向の長さは、前記スロットの前記中心軸線方向の長さよりも大きく、
    前記接合部絶縁部分および前記コア脚部絶縁部分の各々は、前記中心軸線方向における両側の縁部が、前記電機子コアの前記中心軸線方向の端面から外側に突出するように配置されている、請求項12のいずれか1項に記載の電機子。
  14. 前記コア脚部絶縁部分は、第1絶縁層と、熱によって発泡する第1発泡剤を含み、前記第1発泡剤が発泡することによって膨張することにより前記第1脚部および前記第2脚部の各々を前記電機子コアに対して少なくとも前記中心軸線方向に固定する第1固定層と、を含み、
    前記第1固定層は、前記接合部に対応する前記中心軸線方向の位置とは異なる位置の前記第1絶縁層の部分に重ねて設けられている、請求項13のいずれか1項に記載の電機子。
  15. 前記接合部絶縁部分は、第2絶縁層と、熱によって発泡する第2発泡剤を含み、前記第2発泡剤が発泡することによって膨張することにより前記コイルを径方向に隣接する前記コイルに対して少なくとも前記中心軸線方向に固定する第2固定層と、を含み、
    前記第2固定層は、前記接合部に対応する前記中心軸線方向の位置とは異なる位置の前記第2絶縁層の部分に重ねて設けられている、請求項14に記載の電機子。
  16. 前記コア脚部絶縁部分は、第3絶縁層と、熱によって発泡する第3発泡剤を含み、前記第3発泡剤が発泡することによって膨張することにより前記電機子コアと前記第1脚部および前記第2脚部の各々とを前記中心軸線方向に固定する第3固定層と、を含み、
    前記第3固定層は、前記第3絶縁層の全面に重ねて設けられている、請求項13のいずれか1項に記載の電機子。
  17. 前記接合部絶縁部分は、第4絶縁層と、熱によって発泡する第4発泡剤を含み、前記第4発泡剤が発泡することによって膨張することにより前記コイルを径方向に隣接する前記コイルに対して少なくとも前記中心軸線方向に固定する第4固定層と、を含み、
    前記第4固定層は、前記第4絶縁層の全面に重ねて設けられている、請求項16に記載の電機子。
  18. 前記複数の接合部の各々は、前記スロット内において、前記電機子コアの前記中心軸線方向における中央部に配置されている、請求項17のいずれか1項に記載の電機子。
  19. 前記周方向面絶縁部分は、径方向に隣り合う前記接合部の前記周方向面のうちのいずれか一方を、少なくとも径方向に沿った前記所定距離としての絶縁距離分覆うように設けられている、請求項1~18のいずれか1項に記載の電機子。
  20. 前記接合部絶縁部材の前記対向面絶縁部分は、径方向から見て、前記接合部の前記対向面の全面とオーバラップするように設けられている、請求項1~19のいずれか1項に記載の電機子。
  21. 前記接合部絶縁部材の前記周方向面絶縁部分は、周方向から見て、前記接合部の前記周方向面とオーバラップするように設けられている、請求項1~20のいずれか1項に記載の電機子。
  22. 中心軸線方向に延びる複数のスロットが設けられている電機子コアと、
    前記電機子コアの前記中心軸線方向の一方側に配置される複数の第1セグメント導体と、前記電機子コアの前記中心軸線方向の他方側で、且つ、前記第1セグメント導体に対して前記中心軸線方向に対向して配置される複数の第2セグメント導体とを含み、
    1つの前記スロット内または1つの前記スロットの前記中心軸線方向の外側において、複数の前記第1セグメント導体と複数の前記第2セグメント導体とが接合されることにより形成されるコイル部と、
    1つの前記スロットにおいて径方向に隣接するコイル間における前記第1セグメント導体と前記第2セグメント導体とが接合された接合部同士を絶縁するシート状の接合部絶縁部材と、を備え、
    前記接合部絶縁部材は、径方向に隣り合う前記接合部の対向面を覆う対向面絶縁部分と、前記対向面絶縁部分の周方向の両端部から連続し、かつ、径方向に隣り合う前記接合部の周方向面のうちのいずれか一方を少なくとも絶縁距離分覆う周方向面絶縁部分とを含み、径方向に隣り合う前記対向面絶縁部分は、周方向の一方または他方において前記周方向面絶縁部分により連結されており、
    前記スロットと前記コイル部との間に設けられるシート状のコア脚部絶縁部材をさらに備え、
    前記コア脚部絶縁部材は、径方向から見て、前記接合部絶縁部材にオーバラップする部分と、オーバラップしない部分とを含み、
    前記コア脚部絶縁部材の前記接合部絶縁部材にオーバラップする部分の厚みは、前記コア脚部絶縁部材の前記接合部絶縁部材にオーバラップしない部分の厚みよりも小さい、電機子。
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