JP7149107B2 - 燃料噴射弁 - Google Patents

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Description

本発明は、船舶に搭載される舶用ディーゼルエンジンの燃料噴射に適用される燃料噴射弁に関するものである。
従来、船舶の分野においては、舶用ディーゼルエンジンの機関内燃焼の際に生成される窒素酸化物(NOx)を低減する手法として、シリンダ内の燃焼室に燃料および水を同一の燃料噴射弁から噴射することが有効とされている。例えば、特許文献1には、弁本体内の水路から注水逆止弁を通った高圧の水を、燃料噴射ポンプから燃料油路内に圧送された燃料中に注入し、シリンダ内の燃焼室に対して、1サイクルの噴射で燃料および水を燃料-水-燃料の順となるよう3段階に噴射する燃料噴射弁が提案されている。
このような燃料噴射弁では、一般に、燃料油路と噴孔(噴射口)との連通が針弁によって開放可能に遮断されようになっている。具体的には、針弁は、燃料噴射弁の内部に摺動自在に設けられ、燃料油路と噴孔とを連通するサック部(液溜まり部)を、針弁ばねの付勢力を利用して開放可能に閉塞する。このサック部には燃料噴射ポンプから圧送された燃料が残留しており、この燃料の圧力が、針弁に付与される針弁ばねの付勢力以下である場合、サック部は針弁によって閉塞される。この場合、燃料油路と噴孔との連通は遮断された状態となる。一方、燃料噴射ポンプから圧送された燃料が燃料油路を通じてサック部内に新たに導入され、これにより、サック部内の燃料の圧力が昇圧されて上記針弁ばねの付勢力を超えた場合、針弁は、針弁ばねの付勢力に抗して摺動し、これにより、サック部を開放する。この場合、燃料油路と噴孔との連通は開放された状態となり、上述したように、燃料噴射ポンプから燃料油路内に圧送された燃料と、弁本体内の水路から注水逆止弁を通って燃料油路内に注入された水とが、噴孔から燃焼室へ噴射される。
特開平6-66217号公報
しかしながら、上述した従来技術では、燃料噴射ポンプによって昇圧された高圧(例えば800~1000barの圧力)の燃料が燃料油路を通じてサック部内に片側から導入されるので、このサック部内の針弁に高圧の燃料の圧力が偏ってかかり、これに起因して、針弁が傾いた状態で摺動する場合がある。この場合、摺動する針弁自体のみならず、この針弁の摺動によって擦られる被摺動面(例えば燃料噴射弁内で針弁を収容する収容部品の内壁面等)や、針弁とともに摺動する摺動部品(例えば針弁ばねの付勢力を針弁に伝える部品等)が摩耗して破損し易くなる恐れがある。
また、上述した従来技術では、弁本体内の水路から注水逆止弁を通った水が燃料油路内に片側から注入されるので、この燃料油路内の燃料中に水を均一に注入することが困難となる場合が多い。シリンダ内の燃焼室に対して燃料および水を交互に噴射する水噴射技術においては、舶用ディーゼルエンジンの燃費性能およびNOx低減性能を改善するという観点から、燃料油路内の燃料中に水を均一に注入して、1サイクルの噴射における燃料層(燃料油路内に形成された燃料の層)の中に均一な注水層(燃料油路内に注入された水の層)を形成することが好ましい。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、針弁等の摺動部品が摺動方向に対して傾く事態を抑制するとともに、燃料油路内の燃料中に水を均一に注入することができる燃料噴射弁を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る燃料噴射弁は、舶用ディーゼルエンジンのシリンダ内の燃焼室へ燃料および水を噴孔から噴射する燃料噴射弁において、燃料噴射ポンプから圧送された前記燃料を流通させる燃料油路と、前記燃料油路と前記噴孔との連通を開放可能に遮断する針弁と、前記燃料油路と前記噴孔との連通を遮断するように前記針弁を前記噴孔側に付勢する針弁ばねと、前記燃料油路の所定の位置に前記水を注入するための注水路と、前記針弁と前記針弁ばねとの間に介在し、前記燃料油路と前記注水路との連通を開放可能に遮断する注水逆止弁と、を備え、前記注水路は、前記注水逆止弁の動作方向中心軸について軸対称に形成され、前記注水逆止弁と対向する吐出口を有する対称注水路を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料噴射弁は、上記の発明において、前記注水逆止弁は、外周に亘って前記対称注水路からの前記水の圧力を受ける受圧部が設けられた弁体を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料噴射弁は、上記の発明において、前記対称注水路は、前記注水逆止弁の動作方向中心軸の周りに等角度間隔で形成される複数の水路からなることを特徴とする。
また、本発明に係る燃料噴射弁は、上記の発明において、前記注水路は、前記注水逆止弁を囲む環状に形成された環状注水路を有することを特徴とする。
本発明によれば、針弁等の摺動部品が摺動方向に対して傾く事態を抑制するとともに、燃料油路内の燃料中に水を均一に注入することができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施形態に係る燃料噴射弁の一構成例を示す断面模式図である。 図2は、図1に示す燃料噴射弁のA-A線断面模式図である。 図3は、図1に示す燃料噴射弁のB-B線断面模式図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明に係る燃料噴射弁の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、本実施形態により、本発明が限定されるものではない。また、図面は模式的なものであり、各要素の寸法の関係、各要素の比率などは、現実のものとは異なる場合があることに留意する必要がある。図面の相互間においても、互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれている場合がある。また、各図面において、同一構成部分には同一符号が付されている。
(燃料噴射弁の構成)
まず、本発明の実施形態に係る燃料噴射弁の構成について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る燃料噴射弁の一構成例を示す断面模式図である。図2は、図1に示す燃料噴射弁のA-A線断面模式図である。図3は、図1に示す燃料噴射弁のB-B線断面模式図である。図1において、軸方向F1は、燃料噴射弁100の長手方向中心軸の方向である。本実施形態では、燃料噴射弁100の構成を説明し易くするために、軸方向F1の正側は燃料噴射弁100の先端側とし、軸方向F1の負側は燃料噴射弁100の後端側とする。径方向F2は、燃料噴射弁100の径方向であり、燃料噴射弁100の長手方向中心軸に対して垂直な方向である。
本実施形態に係る燃料噴射弁100は、舶用ディーゼルエンジンのシリンダ(図示せず)に取り付けられ、燃料噴射ポンプ(図示せず)から圧送された燃料と注水ポンプ(図示せず)から圧送された水とを当該シリンダ内の燃焼室へ順次噴射(例えば層状に噴射)するためのものである。図1に示すように、燃料噴射弁100は、先端に位置するノズル1と、ノズル1の後端側に位置する噴射弁本体11と、この噴射弁本体11の後端側に位置する噴射弁本体40とを備える。ノズル1と噴射弁本体11とは、ナット状のノズル締付金物10によって外周から締結されることにより、軸方向F1に連結した状態で固定されている。また、この噴射弁本体11と後端側の噴射弁本体40とは、ナット状の弁本体締付金物30によって外周から締結されることにより、軸方向F1に連結した状態で固定されている。
ノズル1は、燃料噴射弁100の先端部分を構成するものである。図1に示すように、ノズル1内には、軸方向F1に長手となる孔状の針弁収容部2が設けられる。この針弁収容部2内には、燃料噴射弁100の燃料油路と噴孔4との連通を開放可能に遮断する針弁6が摺動自在に収容される。針弁6内には、軸方向F1に長手となる針弁内油路7が設けられている。これら針弁収容部2の先端側と針弁6の先端側との間には、貯留部3が形成される。針弁6の先端には、針弁内油路7と貯留部3とを連通させる連通孔8が設けられている。また、ノズル1の先端側には、噴孔4および先端油路5が設けられる。先端油路5の一端は、燃料噴射弁100の燃料油路(具体的には、燃料噴射弁100の燃料油路の一部となる針弁内油路7)に通じている。先端油路5の他端は、噴孔4に通じている。
噴射弁本体11は、先端側のノズル1と後端側の噴射弁本体40との間の中間部分を構成するものである。図1に示すように、噴射弁本体11内には、軸方向F1に長手となる孔状の逆止弁収容部12が設けられている。この逆止弁収容部12内には、燃料噴射弁100の第1の注水路に対応する注水逆止弁20が収容されている。本実施形態において、第1の注水路は、燃料噴射弁100の燃料油路における所定の位置(図1に示す第1注水位置P1)に水を注入するための水路である。
注水逆止弁20は、燃料噴射弁100の第1の注水路を開閉可能に閉塞する逆止弁(第1の注水逆止弁)である。図1に示すように、注水逆止弁20は、弁体21と、弁座24と、逆止弁ばね26と、弁体受け部27とによって構成され、後述の針弁ばね50よりも噴孔4側に配置される。
弁体21は、図1に示すように、第1の注水路からの水の圧力を受ける受圧部23を有し、弁体受け部27内に摺動自在に収容される。受圧部23は、図1、2に示すように、弁体21の先端部近傍の外周に亘って環状に形成される。また、弁体21内には、燃料噴射弁100の燃料油路の一部となる弁体内油路22が設けられている。弁座24は、図1に示すように、弁体受け部27の先端部に締結等によって固定される。弁座24内には、燃料噴射弁100の燃料油路の一部となる弁座内油路25が設けられている。逆止弁ばね26は、図1に示すように、弁体21の後端部と弁体受け部27との間に配置される。逆止弁ばね26は、弁座24側に付勢する付勢力を弁体21に付与する。注水逆止弁20は、この逆止弁ばね26の付勢力を利用して、弁体21を弁座24に押し付け、これにより、燃料噴射弁100の燃料油路と第1の注水路との連通を開放可能に遮断する。
また、本実施形態において、注水逆止弁20は、上記の逆止弁としての機能と、針弁6に針弁ばね50の付勢力を伝える押し棒としての機能とを兼ね備える。詳細には、図1に示すように、注水逆止弁20は、針弁6と針弁ばね50との間に介在する。例えば、注水逆止弁20は、弁体受け部27の後端部に針弁ばね50を受けるとともに、弁座24の先端部を針弁6の後端部に押し当てた状態となっている。注水逆止弁20は、逆止弁収容部12内において軸方向F1に摺動自在であり、針弁ばね50の付勢力を利用して、針弁6を先端油路5に押し付ける。また、注水逆止弁20は、貯留部3内の燃料の圧力を利用して先端油路5から離間する方向に摺動する針弁6とともに、針弁ばね50の付勢力に抗する方向(針弁ばね50を圧縮する方向)に摺動する。
また、図1に示すように、噴射弁本体11には柱状注水路72と環状注水路73、75と対称注水路74とが設けられ、注水逆止弁20の弁体受け部27には対称注水路76が設けられる。柱状注水路72は、柱状をなす水路であり、噴射弁本体11の後端部内に穿設される。環状注水路73は、弁本体締付金物30の内壁面と噴射弁本体11の外壁面との間の隙間によって構成され、例えば図1、2に示すように、注水逆止弁20(弁受け部27等)を囲む環状に形成される。対称注水路74は、注水逆止弁20の動作方向中心軸について軸対称に形成される水路である。本実施形態では、図1、2に示すように、対称注水路74は、注水逆止弁20の動作方向中心軸の周りに等角度間隔で噴射弁本体11内に形成(穿設)される複数(例えば4つ)の水路からなる。環状注水路75は、例えば、噴射弁本体11の内周面(逆止弁収容部12の内壁面)に設けられた溝等によって構成される。環状注水路75は、図1、2に示すように、対称注水路74の出口端と対称注水路76の入口端との間に位置し、注水逆止弁20(弁受け部27等)を囲む環状に形成される。対称注水路76は、注水逆止弁20の動作方向中心軸について軸対称に形成され、注水逆止弁20(具体的には弁体21の受圧部23)と対向する吐出口を有する水路である。本実施形態では、図1、2に示すように、対称注水路76は、注水逆止弁20の動作方向中心軸の周りに等角度間隔で弁体受け部27内に形成(穿設)される複数(例えば4つ)の水路からなる。
なお、注水逆止弁20の動作方向中心軸は、弁体21の摺動方向の中心軸である。本実施形態において、注水逆止弁20の動作方向中心軸は、燃料噴射弁100の長手方向中心軸と一致または当該長手方向中心軸に平行である。
上述した柱状注水路72、環状注水路73、75および対称注水路74、76は、各々、燃料噴射弁100の第1の注水路の一部となる水路である。図1、2に示すように、柱状注水路72は環状注水路73に通じ、環状注水路73は対称注水路74に通じ、対称注水路74は環状注水路75に通じ、環状注水路75は対称注水路76に通じている。また、対称注水路76は、弁体21が弁座24から離間した場合に、燃料噴射弁100の燃料油路における第1注水位置P1に通じる。また、図1に示すように、噴射弁本体11の外壁面には、環状注水路73と弁本体締付金物30の先端部との間の位置に、環状注水路73等からの漏水を防止するためのOリング91が設けられている。
一方、噴射弁本体40は、燃料噴射弁100の後端部分を構成するものである。図1に示すように、噴射弁本体40内には、軸方向F1に長手となる孔状の収容部41が設けられている。この収容部41内には、針弁ばね50と、ばね受け部51と、燃料噴射弁100の第2の注水路に対応する注水逆止弁60とが収容されている。本実施形態において、第2の注水路は、燃料噴射弁100の燃料油路のうち、第1の注水路よりも燃料の圧送方向上流側の位置(例えば図1に示す第2注水位置P2)に水を注入するための水路である。
針弁ばね50は、先端油路5を閉塞するように針弁6を噴孔4側に付勢するものである。図1に示すように、針弁ばね50は、例えばコイルばねによって構成され、ばね受け部51に取り付けられた状態で収容部41内に収容される。ばね受け部51は、針弁ばね50を受けた状態で収容部41内に収容され、上述した注水逆止弁20の弁体受け部27の後端部に形成されている挿入孔29内に摺動自在に取り付けられる。ばね受け部51は、針弁ばね50の一端部を受けるとともに針弁ばね50の他端部を弁体受け部27の後端部に押し付け、これにより、針弁ばね50を圧縮して付勢力を発生させる。また、ばね受け部51内には、燃料噴射弁100の燃料油路の一部となる、ばね受け部内油路52が設けられている。
注水逆止弁60は、燃料噴射弁100の第2の注水路を開閉可能に閉塞する逆止弁(第2の注水逆止弁)である。図1に示すように、注水逆止弁60は、弁体61と、弁座64と、逆止弁ばね66と、弁体受け部67とによって構成され、針弁ばね50を基準に噴孔4とは反対側に配置される。本実施形態では、第2の注水路に対応する注水逆止弁60と第1の注水路に対応する注水逆止弁20とが、針弁ばね50を挟んで互いに軸方向F1の反対側に配置される。この際、これら2つの注水逆止弁20、60は、軸方向F1に同一軸上に配置されることが好ましい。
弁体61は、図1に示すように、第2の注水路からの水の圧力を受ける受圧部63を有し、弁体受け部67内に摺動自在に収容される。受圧部63は、図1、3に示すように、弁体61の先端部近傍の外周に亘って環状に形成される。また、弁体61内には、燃料噴射弁100の燃料油路の一部となる弁体内油路62が設けられている。弁座64は、図1に示すように、弁体受け部67の先端部に締結等によって固定される。弁座64内には、燃料噴射弁100の燃料油路の一部となる弁座内油路65が設けられている。逆止弁ばね66は、図1に示すように、弁体61の後端部と弁体受け部67との間に配置される。逆止弁ばね66は、弁座64側に付勢する付勢力を弁体61に付与する。注水逆止弁60は、この逆止弁ばね66の付勢力を利用して、弁体61を弁座64に押し付け、これにより、燃料噴射弁100の燃料油路と第2の注水路との連通を開放可能に遮断する。弁体受け部67は、噴射弁本体40の収容部41内に螺挿し得るように構成される。この弁体受け部67内には、燃料噴射弁100の燃料油路の一部となる受け部内油路68が設けられている。また、弁体受け部67の後端部には、図1に示すように、受け部内油路68に通じる燃料供給管90が連結されている。燃料供給管90は、燃料噴射ポンプ(図示せず)によって圧送された燃料を燃料噴射弁100の燃料油路内に導入するための配管である。
また、本実施形態において、注水逆止弁60は、上記の逆止弁としての機能と、針弁ばね50の付勢力(すなわち針弁6の開弁圧)を調整する調整ねじとしての機能とを兼ね備える。詳細には、図1に示すように、注水逆止弁60は、弁体受け部67を噴射弁本体40の収容部41内に螺挿することによって取り付けられる。収容部41内に螺挿された注水逆止弁60は、弁座64の先端部をばね受け部51の後端部に当接させた状態となる。注水逆止弁60は、収容部41内へのねじ込み量を調整することによって、針弁ばね50の付勢力を調整する。具体的には、注水逆止弁60は、収容部41内へのねじ込み量を増やして、噴孔4側へのばね受け部51の押し込み量を増やすことにより、針弁ばね50の圧縮量を増やして付勢力を強く調整する。一方、注水逆止弁60は、収容部41内へのねじ込み量を減らして、噴孔4側へのばね受け部51の押し込み量を減らすことにより、針弁ばね50の圧縮量を減らして付勢力を弱く調整する。
また、図1、3に示すように、噴射弁本体40には柱状注水路71、81が設けられ、注水逆止弁60の弁体受け部67には環状注水路82と対称注水路84とが設けられる。柱状注水路71、81は、柱状をなす水路であり、噴射弁本体40内の互いに異なる位置に各々穿設される。環状注水路82は、例えば、弁体受け部67の外周面に設けられた溝等によって構成される。環状注水路82は、図3に示すように、柱状注水路81の出口端と対称注水路84の入口端との間に位置し、注水逆止弁60(弁体61等)を囲む環状に形成される。対称注水路84は、注水逆止弁60の動作方向中心軸について軸対称に形成され、注水逆止弁60(具体的には弁体61の受圧部63)と対向する吐出口を有する水路である。本実施形態では、図1、3に示すように、対称注水路84は、注水逆止弁60の動作方向中心軸の周りに等角度間隔で弁体受け部67内に形成(穿設)される複数(例えば4つ)の水路からなる。
なお、注水逆止弁60の動作方向中心軸は、弁体61の摺動方向の中心軸である。本実施形態において、注水逆止弁60の動作方向中心軸は、燃料噴射弁100の長手方向中心軸と一致または当該長手方向中心軸に平行である。
上述した柱状注水路71は、燃料噴射弁100の第1の注水路の一部となる水路である。図1に示すように、柱状注水路71は、上述した噴射弁本体11内の柱状注水路72に通じている。一方、上述した柱状注水路81、環状注水路82および対称注水路84は、各々、燃料噴射弁100の第2の注水路の一部となる水路である。図1、3に示すように、柱状注水路81は環状注水路82に通じ、環状注水路82は対称注水路84に通じている。また、対称注水路84は、弁体61が弁座64から離間した場合に、燃料噴射弁100の燃料油路における第2注水位置P2に通じる。また、図1に示すように、弁体受け部67の外周面には、環状注水路82を挟む各位置に、環状注水路82等からの漏水を防止するためのOリング92、93が設けられている。
(燃料油路)
つぎに、本実施形態に係る燃料噴射弁100の燃料油路について説明する。燃料噴射弁100の燃料油路は、燃料噴射ポンプから圧送された燃料を流通させる通路(油路)である。本実施形態において、燃料噴射弁100の燃料油路は、図1に示す針弁内油路7と、弁体内油路22、62と、弁座内油路25、65と、受け部内油路28、68と、ばね受け部内油路52とによって構成される。
具体的には、図1に示すように、燃料噴射弁100の燃料油路において、針弁内油路7は、弁座内油路25と連通し、弁座内油路25は、弁体内油路22と連通し、弁体内油路22は、受け部内油路28と連通する。また、受け部内油路28は、ばね受け部内油路52と連通し、ばね受け部内油路52は、弁座内油路65と連通する。さらに、弁座内油路65は、弁体内油路62と連通し、弁体内油路62は、受け部内油路68と連通する。これらの油路によって構成される燃料噴射弁100の燃料油路は、例えば図1に示すように、燃料噴射弁100の長手方向中心軸(図1中の一点鎖線を参照)を通るように配置されている。また、燃料噴射弁100の燃料油路の先端側(噴孔4側)は、針弁内油路7から針弁6の連通孔8を介して貯留部3に通じている。燃料噴射弁100の燃料油路の後端側(燃料噴射ポンプ側)は、受け部内油路68を介して燃料供給管90に通じている。
(第1の注水路および第2の注水路)
つぎに、本実施形態に係る燃料噴射弁100の第1の注水路および第2の注水路について説明する。本実施形態において、第1の注水路は、注水ポンプから圧送された水を、注水逆止弁20を介して燃料噴射弁100の燃料油路の第1注水位置P1に注入するための通路(水路)である。第1の注水路は、図1、2に示すように、柱状注水路71と柱状注水路72と環状注水路73と対称注水路74と環状注水路75と対称注水路76とをこの順に連通させることによって構成される。また、第1の注水路は、柱状注水路71から給水管(図示せず)を介して注水ポンプに通じている。また、環状注水路73は、注水逆止弁20を囲む環状をなすようにして、水の流通範囲を柱状注水路71、72よりも広くしている。このため、環状注水路73は、径方向F2の水路幅を柱状注水路71、72よりも小さくしても、軸方向F1の単位長さ当たりの水路容積を、柱状注水路71、72と同等に維持している。
また、本実施形態において、第2の注水路は、注水ポンプから圧送された水を、注水逆止弁60を介して燃料噴射弁100の燃料油路の第2注水位置P2に注入するための通路(水路)である。第2の注水路は、図1、3に示すように、柱状注水路81と環状注水路82と対称注水路84とをこの順に連通させることによって構成される。また、第2の注水路は、柱状注水路81から給水管(図示せず)を介して注水ポンプに通じている。なお、この第2の注水路に水を圧送する注水ポンプは、上述した第1の注水路に水を圧送する注水ポンプと同一のものであってもよいし、異なるものであってもよい。
(燃料噴射弁の作用)
つぎに、本実施形態に係る燃料噴射弁100の作用について説明する。燃料噴射弁100は、舶用ディーゼルエンジンのシリンダ内の燃焼室に対し、1サイクルの噴射で噴孔4から燃料および水を層状に噴射する。
この1サイクルの噴射が終了してから次回の噴射が行われるまでの期間(以下、非燃料噴射期間という)、燃料噴射弁100の燃料油路から貯留部3を介して先端油路5に亘る流通経路内および燃料供給管90内には、燃料噴射ポンプから圧送された燃料が残留している。この段階において、貯留部3内に残留している燃料の圧力は、針弁6の開弁圧よりも低い。したがって、針弁6は、先端油路5を開閉可能に閉塞した状態となっている。なお、針弁6の開弁圧は、針弁6を開放するために必要な圧力であり、注水逆止弁20を介して針弁6に伝わる針弁ばね50の付勢力によって設定される。
また、この非燃料噴射期間、燃料噴射弁100の第1の注水路および第2の注水路の各内部には、注水ポンプから圧送された水が残留している。この段階において、第1の注水路内に残留している水の圧力は、注水逆止弁20の開弁圧よりも低い。したがって、注水逆止弁20は、燃料噴射弁100の燃料油路と第1の注水路との連通を開放可能に遮断した状態となっている。これと同様に、第2の注水路内に残留している水の圧力は注水逆止弁60の開弁圧よりも低いため、注水逆止弁60は、燃料噴射弁100の燃料油路と第2の注水路との連通を開放可能に遮断した状態となっている。なお、注水逆止弁20の開弁圧は、注水逆止弁20を開放するために必要な圧力であり、弁体21を弁座24に押し付ける逆止弁ばね26の付勢力によって設定される。注水逆止弁60の開弁圧は、注水逆止弁60を開放するために必要な圧力であり、弁体61を弁座64に押し付ける逆止弁ばね66の付勢力によって設定される。
ここで、この非燃料噴射期間において、注水逆止弁20の開弁圧を超える高圧の水が注水ポンプから燃料噴射弁100の第1の注水路内に圧送された場合、この高圧の水は、図1、2に示す柱状注水路71、72、環状注水路73、対称注水路74、環状注水路75および対称注水路76の各内部をこの順に流通する。そして、この高圧の水は、対称注水路76の吐出口を通じて、注水逆止弁20の動作方向中心軸に対する軸対称の方向から弁体21を押圧するように流れる。すなわち、弁体21は、この高圧の水の圧力(水圧)を受圧部23で軸対称に受ける。この水圧は注水逆止弁20の開弁圧よりも高圧であるため、弁体21は、この水圧を利用して、逆止弁ばね26の付勢力に抗して摺動し、弁座24から離間する。このようにして、注水逆止弁20は、燃料噴射弁100の燃料油路と第1の注水路との連通を開放する。
この段階において、第1の注水路内の水は、注水逆止弁20の配置位置から燃料噴射弁100の燃料油路内に注入される。詳細には、第1の注水路内の水は、燃料噴射弁100の燃料油路の燃料流通方向中心軸(例えば燃料噴射弁100の長手方向中心軸)に対する軸対称の方向から、この燃料油路内の第1注水位置P1に注入される。この注入された水は、この燃料油路内に軸対称(径方向F2に均一)に拡がりながら、この燃料油路内の残留燃料を軸方向F1の後端側(燃料噴射ポンプ側)に押し戻す。この結果、この燃料油路内に1層目の注水層となる第1注水層が形成される。なお、この第1注水層の下流側(噴孔4側)には、第1注水位置P1よりも噴孔4側の燃料油路内に残留する燃料からなる第1燃料層が形成される。
一方、この非燃料噴射期間において、注水逆止弁60の開弁圧を超える高圧の水が注水ポンプから燃料噴射弁100の第2の注水路内に圧送された場合、この高圧の水は、図1、3に示す柱状注水路81、環状注水路82および対称注水路84の各内部をこの順に流通する。そして、この高圧の水は、対称注水路84の吐出口を通じて、注水逆止弁60の動作方向中心軸に対する軸対称の方向から弁体61を押圧するように流れる。すなわち、弁体61は、この高圧の水の水圧を受圧部63で軸対称に受ける。この水圧は注水逆止弁60の開弁圧よりも高圧であるため、弁体61は、この水圧を利用して、逆止弁ばね66の付勢力に抗して摺動し、弁座64から離間する。このようにして、注水逆止弁60は、燃料噴射弁100の燃料油路と第2の注水路との連通を開放する。
この段階において、第2の注水路内の水は、注水逆止弁60の配置位置から燃料噴射弁100の燃料油路内に注入される。詳細には、第2の注水路内の水は、燃料噴射弁100の燃料油路の燃料流通方向中心軸に対する軸対称の方向から、この燃料油路内の第2注水位置P2に注入される。この注入された水は、この燃料油路内に軸対称(径方向F2に均一)に拡がりながら、この燃料油路内の残留燃料を軸方向F1の後端側(燃料噴射ポンプ側)に押し戻す。この結果、この燃料油路内に2層目の注水層となる第2注水層が形成される。なお、この第2注水層と上述の第1注水層との間には、燃料油路内に残留する燃料からなる第2燃料層が形成される。また、この第2注水層の上流側(燃料噴射ポンプ側)には、第2注水位置P2よりも燃料噴射ポンプ側の燃料油路内に残留する燃料からなる第3燃料層が形成される。
上述した非燃料噴射期間の後、燃料噴射ポンプから燃料噴射弁100の燃料油路内に燃料が圧送されて、舶用ディーゼルエンジンのシリンダ内の燃焼室に対し、1サイクルでの燃料および水の噴射が行われる。
詳細には、この噴射が行われる期間(以下、燃料噴射期間という)、針弁6の開弁圧を超える高圧の燃料が燃料噴射ポンプから燃料供給管90を介して燃料噴射弁100の燃料流路内に圧送される。この場合、燃料噴射ポンプから圧送された燃料の圧力は、燃料噴射弁100の燃料流路内に存在する流体(残留していた燃料および注入された水)を通じて、針弁6の連通孔8から貯留部3内の燃料に伝わる。この結果、貯留部3内の燃料の圧力は、針弁6の開弁圧よりも高圧に昇圧される。針弁6は、この貯留部3内の昇圧された燃料の圧力を先端部で受け、この燃料の圧力を利用して、針弁ばね50の付勢力に抗して摺動し、先端油路5の開口部(シート部)から離間する。この際、注水逆止弁20は、針弁6とともに、針弁ばね50の付勢力に抗する方向(軸方向F1の後端側)に摺動する。このようにして、針弁6は、燃料噴射弁100の燃料油路と噴孔4との連通を開放する。
この段階において、燃料噴射弁100は、舶用ディーゼルエンジンのシリンダ内の燃焼室に1サイクル分の燃料および水を噴射する。例えば、燃料噴射弁100は、燃料油路内の第1燃料層、第1注水層、第2燃料層、第2注水層および第3燃料層を、この順序で噴孔4からシリンダ内の燃焼室へ層状に噴射する。その後、貯留部3内の燃料の圧力は、針弁6の開弁圧以下に減圧される。この場合、針弁6は、針弁ばね50の付勢力を利用して、噴孔4側に摺動し、再び先端油路5のシート部と接触して先端油路5を開閉可能に閉塞する。このようにして、針弁6は、燃料噴射弁100の燃料油路と噴孔4との連通を開放可能に遮断する。
以上、説明したように、本発明の実施形態に係る燃料噴射弁100では、燃料噴射ポンプから圧送された燃料を流通させる燃料油路と噴孔4との連通を開放可能に遮断する針弁6と、針弁6を噴孔4側に付勢する針弁ばね50と、前記燃料油路の第1注水位置P1に水を注入するための第1の注水路と前記燃料油路との連通を開放可能に遮断する注水逆止弁20と、を備え、注水逆止弁20を針弁6と針弁ばね50との間に介在するように配置している。また、前記第1の注水路は、注水逆止弁20の動作方向中心軸について軸対称に形成された吐出口を有する対称注水路76を備えるように構成し、対称注水路76は、前記吐出口と注水逆止弁20とが対向するように配置している。
このため、針弁ばね50の付勢力によって注水逆止弁20を針弁6に押し付けて、これら注水逆止弁20と針弁6とを一体的に連結した状態とすることができる。これにより、針弁6の摺動方向に対する傾き(変形)を、針弁ばね50の付勢力を利用して針弁6を押圧する注水逆止弁20の押圧作用によって抑制することができる。さらには、注水逆止弁20を開弁する際、注水逆止弁20に対して、第1の注水路からの水の圧力を軸対称に加えることができ、これにより、注水逆止弁20の動作方向中心軸に対する注水逆止弁20の傾きを抑制することができる。この注水逆止弁20の傾きの抑制を通して、注水逆止弁20と一体的に連結した状態にある針弁6の摺動方向に対する傾きを抑制することができる。この結果、針弁6および針弁6と一体的に摺動する注水逆止弁20等の摺動部品が摺動方向に対して傾く事態を抑制することができ、摺動部品の摩耗等による破損を抑制することができる。
また、上述したように摺動部品の傾きを抑制するとともに、第1の注水路の上記吐出口から注水逆止弁20を通じて燃料油路内の第1注水位置P1に水を軸対称に注入することができる。これにより、当該燃料油路内の燃料中に水を均一に注入して、燃料中に均一な注水層を形成することができる。この結果、1サイクルでの燃料および水の噴射でシリンダ内の燃焼室に均一な燃料層と注水層とを順次投入できることから、舶用ディーゼルエンジンの燃費性能およびNOx低減性能の改善に寄与することができる。
また、本発明の実施形態に係る燃料噴射弁100では、注水逆止弁の弁体に、外周に亘って対称注水路からの水の圧力を受ける受圧部を設けている。このため、注水逆止弁の弁体は、対称注水路からの水の圧力を受圧部によって軸対称に効率よく受けることができる。この結果、弁体の摺動方向に対する傾きを抑制しながら、効率よく弁体を摺動させることができる。
また、本発明の実施形態に係る燃料噴射弁100では、第1の注水路を、注水逆止弁20を囲む環状に形成された環状注水路73を有するように構成している。ここで、環状注水路73は、水の流通範囲を環状に拡げることができるから、径方向F2の水路幅を柱状の水路に比べて小さくしても、軸方向F1の単位長さ当たりの水路容積を柱状の水路と同等にすることができる。このため、第1の注水路内における水の流通を阻害することなく、第1の注水路のうち環状注水路73の領域における水路幅を低減することができ、この結果、燃料噴射弁100の径方向F2の小型化を促進することができる。
なお、上述した実施形態では、注水逆止弁の弁体に水を吐出する対称注水路の一例として、注水逆止弁の動作方向中心軸の周りに等角度間隔で形成される4つの水路からなる対称注水路を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、対称注水路は、注水逆止弁の動作方向中心軸の周りに等角度間隔で形成される2つ以上(複数)の水路からなるものであってもよいし、注水逆止弁の動作方向中心軸の周りに連続する環状吐出口をもつ単一の環状水路からなるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、第1の注水路および第2の注水路の一例として環状注水路を有するものを例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、第1の注水路および第2の注水路は、注水逆止弁の弁体に吐出口を向けている対称注水路と、注水ポンプから圧送された水を受け入れる柱状注水路とを直接連通させたものであってもよい。
また、上述した実施形態では、注水逆止弁の弁体の一例として、対称注水路の吐出口から吐出された水の圧力を受ける受圧部を外周に備えた弁体を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。例えば、注水逆止弁の弁体は、受圧部が設けられたものではなく、外周部または先端部に水の圧力を受けるものであってもよい。
また、上述した実施形態では、2つの注水逆止弁が設けられた燃料噴射弁を例示したが、本発明は、これに限定されるものではない。本発明において、燃料噴射弁に設ける注水逆止弁の数は、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。例えば、3つめ以上の注水逆止弁は、燃料噴射弁の噴射弁本体後端部に設けてもよいし、燃料噴射ポンプからの配管と注水ポンプからの配管との合流部分等に設けてもよい。
また、上述した実施形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施形態、実施例および運用技術等は全て本発明の範疇に含まれる。
1 ノズル
2 針弁収容部
3 貯留部
4 噴孔
5 先端油路
6 針弁
7 針弁内油路
8 連通孔
10 ノズル締付金物
11 噴射弁本体
12 逆止弁収容部
20 注水逆止弁
21 弁体
22 弁体内油路
23 受圧部
24 弁座
25 弁座内油路
26 逆止弁ばね
27 弁体受け部
28 受け部内油路
29 挿入孔
30 弁本体締付金物
40 噴射弁本体
41 収容部
50 針弁ばね
51 ばね受け部
52 ばね受け部内油路
60 注水逆止弁
61 弁体
62 弁体内油路
63 受圧部
64 弁座
65 弁座内油路
66 逆止弁ばね
67 弁体受け部
68 受け部内油路
71、72、81 柱状注水路
73、75、82 環状注水路
74、76、84 対称注水路
90 燃料供給管
91、92、93 Oリング
100 燃料噴射弁
F1 軸方向
F2 径方向
P1 第1注水位置
P2 第2注水位置

Claims (3)

  1. 舶用ディーゼルエンジンのシリンダ内の燃焼室へ燃料および水を噴孔から噴射する燃料噴射弁において、
    燃料噴射ポンプから圧送された前記燃料を流通させる燃料油路と、
    前記燃料油路と前記噴孔との連通を開放可能に遮断する針弁と、
    前記燃料油路と前記噴孔との連通を遮断するように前記針弁を前記噴孔側に付勢する針弁ばねと、
    前記燃料油路の所定の位置に前記水を注入するための注水路と、
    前記針弁と前記針弁ばねとの間に介在し、前記燃料油路と前記注水路との連通を開放可能に遮断する注水逆止弁と、
    を備え、
    前記注水路は、前記注水逆止弁の動作方向中心軸について軸対称に形成され、前記注水逆止弁と対向する吐出口を有する対称注水路を備え
    前記注水逆止弁は、外周に亘って前記対称注水路からの前記水の圧力を受ける受圧部が設けられた弁体を備える、
    ことを特徴とする燃料噴射弁。
  2. 前記対称注水路は、前記注水逆止弁の動作方向中心軸の周りに等角度間隔で形成される複数の水路からなることを特徴とする請求項に記載の燃料噴射弁。
  3. 前記注水路は、前記注水逆止弁を囲む環状に形成された環状注水路を有することを特徴とする請求項1または2に記載の燃料噴射弁。
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