JP2954758B2 - 多種流体噴射装置 - Google Patents

多種流体噴射装置

Info

Publication number
JP2954758B2
JP2954758B2 JP23608591A JP23608591A JP2954758B2 JP 2954758 B2 JP2954758 B2 JP 2954758B2 JP 23608591 A JP23608591 A JP 23608591A JP 23608591 A JP23608591 A JP 23608591A JP 2954758 B2 JP2954758 B2 JP 2954758B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
fluid
pressure
pressure chamber
plunger
chamber
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP23608591A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0579420A (ja
Inventor
正富 二條
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
IHI Shibaura Machinery Corp
Original Assignee
IHI Shibaura Machinery Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by IHI Shibaura Machinery Corp filed Critical IHI Shibaura Machinery Corp
Priority to JP23608591A priority Critical patent/JP2954758B2/ja
Publication of JPH0579420A publication Critical patent/JPH0579420A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2954758B2 publication Critical patent/JP2954758B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多種流体、例えば二種
類の燃料を一つの噴射孔から噴射させる多種流体噴射装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多種流体噴射装置としては種々の
ものがあり、例えば、特公平1−20307号公報、実
公平3−4782号公報、実公平3−4783号公報、
実公平3−4784号公報に開示されたような多種燃料
噴射装置がある。
【0003】ここで、特公平1−20307号公報、実
公平3−4783号公報、実公平3−4784号公報に
開示された多種燃料噴射装置は、主燃料として圧縮自己
着火性の悪いアルコールを用い、補助燃料として圧縮自
己着火性の良い軽油を用い、これらの二種類の燃料を同
一の噴射孔から噴射させるものである。補助燃料の調量
及び圧送に関して、特公平1−20307号公報に開示
された多種燃料噴射装置では、一つ前の気筒への主燃料
の噴射脈動圧を利用して補助燃料圧送器を作動させるこ
とにより補助燃料を噴射ノズルに充填させている。一
方、実公平3−4783号公報や実公平3−4784号
公報に開示された多種燃料噴射装置では、特公平1−2
0307号公報に開示された補助燃料圧送器に相当する
機構を燃料噴射ポンプ内に設けたものである。そして、
これらの多種燃料噴射装置では、いずれも噴射ノズルの
噴射孔近辺に補助燃料を噴射しない程度の低圧で充填し
ておき、ついで、主燃料を噴射孔の近辺へ圧送するとと
もにその圧力で噴射孔を閉弁しているニードル弁を開弁
させ、補助燃料と主燃料とを層状に噴射させている。
【0004】つぎに、実公平3−4782号公報に開示
された多種燃料噴射装置では、二種類の燃料(A燃料と
B燃料)を別個のポンプで調量した後にそれぞれ別個の
増圧器内に蓄えておき、さらに、増圧器内に蓄えた二種
類の燃料を別のポンプを使用して加圧するとともにこれ
らの燃料を相前後して同一の噴射ノズルから噴射させて
いる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】圧縮自己着火性の悪い
メタノール等の燃料を主燃料とする場合、圧縮自己着火
性の良い補助燃料を火種とし、かつ、主燃料及び補助燃
料の調量、噴射順序、噴射時期等をコントロールする必
要がある。そして、特公平1−20307号公報に開示
された多種燃料噴射装置においては、補助燃料の調量と
低圧力での噴射ノズル内への充填とを行う補助燃料圧送
器を設け、その補助燃料圧送器を一つ前の気筒への主燃
料の噴射脈動圧を利用して作動させている。このため、
気筒数に応じた数の補助燃料圧送器が必要であるととも
に燃料の配管が複雑になるという欠点がある。また、こ
の多種燃料噴射装置は、単気筒のエンジンでは使用でき
ないという欠点がある。
【0006】つぎに、実公平3−4783号公報及び実
公平3−4784号公報に開示された多種燃料噴射装置
においては、特開平1−20307号公報に開示された
補助燃料圧送器に相当する機構を燃料噴射ポンプ内に設
けたものであり、燃料噴射ポンプが複雑な構造となり、
しかも、従来の燃料噴射ポンプを使用することができな
いという欠点がある。また、特開平1−20307号公
報に開示された多種燃料噴射装置と同様に、単気筒のエ
ンジンでは使用できないという欠点がある。
【0007】つぎに、実公平3−4782号公報に開示
された多種燃料噴射装置においては、A燃料とB燃料と
の調量を別個のポンプで行い、各増圧器内に蓄えられた
燃料をそれぞれ別のポンプを使用して加圧するとともに
噴射ノズルから噴射させているため、エンジンのクラン
ク軸の回転に同期させなければならないポンプが1気筒
につき4個必要であり、また、増圧器も1気筒につき2
個必要である。従って、部品構成と燃料配管とが相当に
複雑で高価な多種燃料噴射装置になるとともに、従来の
燃料噴射ポンプを使用することができないという欠点が
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、第1流体を圧送する第1流体圧送部と、第2流体を
調量して圧送する第2流体調量圧送部と、第2流体の圧
力により摺動するニードル弁によって開閉される噴射孔
を有する噴射ノズルとを設け、第2流体が供給される第
一圧力室と前記ニードル弁の開弁時に前記噴射孔に連通
される第二圧力室とを前記噴射ノズル内に形成し、前記
第1流体圧送部から圧送された第1流体を蓄えるととも
に第一逆止弁を備えた第一流路を介して前記第二圧力室
へ連通されたプランジャ室と、前記第一圧力室と前記第
二圧力室とを連通するとともに第二逆止弁を備えた第二
流路と、前記第一圧力室へ供給された第2流体の圧力に
よって前記プランジャ室内の第1流体を加圧する方向へ
摺動するプランジャとを設け、第2流体の供給により前
記第一圧力室内の圧力が第一設定圧に上昇することに伴
って前記プランジャにより加圧された前記プランジャ室
内の第1流体を前記第一逆止弁を開弁させて前記第二圧
力室へ供給し、前記第一圧力室内の圧力がさらに上昇し
て第二設定圧に達することに伴って前記第二逆止弁を開
弁させて第2流体を前記第二圧力室へ供給し、前記第一
圧力室内の圧力がさらに上昇して第三設定圧に達するこ
とに伴って前記ニードル弁を開弁させて前記第二圧力室
内の第1流体と第2流体とを前記噴射孔から噴射させる
ようにした。
【0009】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第二逆止弁をデリバリバルブとした。
【0010】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第1流体がプランジャ室に至る噴射ノズ
ル内の第1流体流入路中に第三逆止弁を設け、プランジ
ャの外周部に傾斜カットのリード溝を形成するとともに
このリード溝と前記プランジャ室とを前記プランジャ内
に形成した第一連通路により連通し、一端が前記第1流
体流入路の前記第三逆止弁より上流側に連通されるとと
もに他端が前記ニードル弁の外周面に開口した戻し流路
を形成し、一端が前記戻し流路の他端に常時連通される
とともに他端が前記プランジャの摺動動作に伴って前記
リード溝に連通される第二連通路を前記ニードル弁に形
成し、前記プランジャを回動させる回動調節手段を設け
た。
【0011】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第二圧力室の近傍における前記ニードル
弁の外周部と前記ニードル弁が摺接する前記噴射ノズル
の壁面部とのいずれか一方にリング状の円形溝を形成
し、第一流路における第一逆止弁の下流側と前記円形溝
とを潤滑流路を介して連通させた。
【0012】
【作用】請求項1記載の発明では、第1流体圧送部によ
って第1流体をプランジャ室へ供給しておき、ついで、
第2流体調量圧送部によって調量した所定量の第2流体
を圧送する。圧送された第2流体は第一圧力室へ供給さ
れ、第一圧力室内の圧力が第一設定圧に上昇すると、プ
ランジャがプランジャ室内の第1流体を圧縮する方向へ
摺動し、プランジャの摺動により加圧された第1流体は
第一逆止弁を開弁するとともに第一流路内を通って第二
圧力室へ流入する。第一圧力室内の圧力がさらに上昇し
て第二設定圧に達すると、第二逆止弁が開弁されるとと
もに第2流体が第二流路を通って第二圧力室内へ流入
し、第二圧力室内には第1流体と第2流体とが積層状態
で充填される。第一圧力室内の圧力が引き続き上昇して
第三設定圧に達すると、噴射孔を閉弁しているニードル
弁が開弁されるとともに第二圧力室内に充填されていた
第1流体と第2流体とが噴射孔から層状に噴射される。
なお、第一圧力室への第2流体の供給が終了すると、第
一圧力室内の圧力の低下に伴ってニードル弁が噴射孔を
閉弁する位置へ摺動し、第二逆止弁が第二流路を閉弁
し、プランジャがプランジャ室内の第1流体の圧縮状態
を解除する位置へ摺動する。
【0013】請求項2記載の発明では、第二逆止弁をデ
リバリバルブとすることにより、噴射終了時における第
二圧力室内の負圧が増大され、噴射孔からの後ダレが防
止されるとともに次回の噴射行程時における第1流体の
第二圧力室への充填を良好に行なえる。
【0014】請求項3記載の発明では、第一圧力室内へ
の第2流体の供給に伴ってプランジャが摺動すると、プ
ランジャ室内の第1流体が加圧されて第一逆止弁を開弁
させ、第1流体が第一流路を通って第二圧力室内へ流入
するが、プランジャの摺動に伴ってリード溝が第二連通
路に連通されると、プランジャ室が、第一連通路とリー
ド溝と第二連通路と戻し流路とを介して第1流体流入路
における第三逆止弁の上流側に連通されるため、プラン
ジャ室内の圧力が低下するとともに第一逆止弁が閉弁さ
れ、第1流体の第二圧力室への流入が停止される。な
お、回動調節手段によってプランジャを回動させると、
プランジャの摺動に伴ってリード溝が第二連通路に連通
されるタイミングが変化し、この変化によって第二圧力
室へ充填させる第1流体の量が調節される。
【0015】請求項4記載の発明では、第1流体の一部
が潤滑流路を介して円形溝へ供給され、第1流体によっ
てニードル弁の外周部の潤滑が行なわれる。
【0016】
【実施例】請求項1又は2記載の発明の一実施例を図1
及び図2に基づいて説明する。まず、第1流体(圧縮自
己着火性の良い補助燃料)1を補助燃料供給管2を介し
て噴射ノズル3へ向けて低圧で圧送する第1流体圧送部
である補助燃料圧送部4が設けられており、この補助燃
料圧送部4は、補助燃料1を貯蔵するタンク5と、圧送
ポンプ6と、コック7とによって構成されている。な
お、前記補助燃料圧送部4には自給作用があるため、圧
送ポンプ6を省略することも可能である。
【0017】つぎに、第2流体(圧縮自己着火性の悪い
主燃料)8を調量するとともに調量した主燃料8を前記
噴射ノズル3へ向けて高圧で圧送する第2流体調量圧送
部である噴射ポンプ9が設けられており、この噴射ポン
プ9と前記噴射ノズル3との間には主燃料供給管10が
配管されている。主燃料8としては、タンク11に貯蔵
された液体燃料8aやボンベ12に貯蔵された液化ガス
燃料8b等が用いられ、これらのタンク11やボンベ1
2と前記噴射ポンプ9との間には、コック13,14と
フィードポンプ15とが設けられている。また、前記噴
射ポンプ9には、圧送する主燃料8を調量するためのコ
ントロールラック16が設けられており、このコントロ
ールラック16にはコントロール機構17が連結されて
いる。さらに、前記噴射ポンプ9と前記フィードポンプ
15の入口側との間には、前記噴射ノズル3において溢
流した主燃料8を還流させるための主燃料戻し管18が
配管されている。なお、前記噴射ポンプ9の構造、及
び、この噴射ポンプ9に対するフィードポンプ15やタ
ンク11等の配置は、従来の単一燃料噴射装置と同一で
ある。
【0018】つぎに、前記噴射ノズル3について説明す
る。まず、上部本体19と下部本体20とからなるノズ
ル本体21が設けられており、前記下部本体20の下端
部には噴射孔22が形成され、この噴射孔22を開閉す
るニードル弁23が摺動自在に前記ノズル本体21内に
収納されている。なお、前記ニードル弁23は、下部ニ
ードル弁体24と上部ニードル弁体25とスプリング受
け金具26とを一体的に嵌合させることにより構成され
ており、前記スプリング受け金具26には、前記噴射孔
22を閉弁する方向へ前記ニードル弁23を付勢するス
プリング27の一端が当接されている。
【0019】前記ノズル本体21内には、前記ニードル
弁23の外周側に位置して第一圧力室28と第二圧力室
29とが形成されており、これらの第一圧力室28と第
二圧力室29とは前記ニードル弁23によって仕切られ
ている。なお、前記第一圧力室28には前記上部本体1
9内に形成された複数個の主燃料流入路30の一端が連
通され、主燃料流入路30の他端には前記主燃料供給管
10が接続されている。一方、前記第二圧力室29は前
記ニードル弁23の開弁時において前記噴射孔22に連
通される。また、前記ニードル弁23の外径寸法は、前
記上部本体19に摺接する部分が大径とされるとともに
前記下部本体20に摺接する部分が小径とされ、その境
界部には前記第一圧力室28に臨んだテーパ状の圧力受
部31が形成されている。
【0020】前記ニードル弁23内には、前記第一圧力
室28と前記第二圧力室29とを連通する第二流路32
が形成されており、この第二流路32中には、スプリン
グ33により閉弁方向へ付勢されるとともに第一圧力室
28から第二圧力室29への主燃料8の流入のみを許容
する第二逆止弁34が設けられている。さらに、前記ニ
ードル弁23内には、前記補助燃料圧送部4から圧送さ
れた補助燃料1を蓄えるプランジャ室35が形成されて
おり、このプランジャ室35には前記上部本体19に形
成された第1流体流入路である補助燃料流入路36の一
端が連通され、補助燃料流入路36の他端には前記補助
燃料供給管2が接続されている。また、この補助燃料流
入路36中には、スプリング37により閉弁方向へ付勢
されるとともに補助燃料1が前記プランジャ室35へ流
入することのみを許容する第三逆止弁38が設けられて
いる。
【0021】前記プランジャ室35には、前記ノズル本
体21内に形成された第一流路39の一端が連通されて
おり、この第一流路39の他端は前記第二圧力室29に
おける前記噴射孔22に近接した位置に連通されてい
る。そして、この第一流路39中には、スプリング40
により閉弁方向へ付勢されるとともに補助燃料1が前記
第二圧力室29へ流入することのみを許容する第一逆止
弁41が設けられている。
【0022】また、前記ニードル弁23内には、前記第
一圧力室28へ流入した主燃料8の圧力によって前記プ
ランジャ室35内の補助燃料1を加圧する方向へ摺動す
るプランジャ42が摺動自在に設けられている。なお、
前記プランジャ室35内には前記プランジャ42を加圧
方向と逆向きに付勢するスプリング43が収納されてい
る。
【0023】ここで、前記噴射ノズル3の外形形状は従
来の単一燃料噴射装置において使用する噴射ノズルと同
一であり、従来の噴射ノズルにおけるニードル弁の内部
や外部の構成を変更したものである。
【0024】このような構成において、エンジン(図示
せず)の始動に伴って圧送ポンプ6が駆動され、補助燃
料1が補助燃料圧送部4から補助燃料供給管2を経て噴
射ノズル3へ低圧で圧送される。補助燃料圧送部4から
圧送された補助燃料1は、その圧力によって第三逆止弁
38を開弁させ、補助燃料流入路36における第三逆止
弁38の下流側とプランジャ室35と第一流路39にお
ける第一逆止弁41の上流側とに充填される。なお、第
一逆止弁41を閉弁方向へ付勢しているスプリング40
の付勢力が補助燃料1の供給圧力より大きいため、第一
逆止弁41は閉弁状態に維持される。また、補助燃料1
の供給によって第三逆止弁38の上流側と下流側との圧
力が等しくなると、第三逆止弁38はスプリング37の
付勢力によって閉弁される。
【0025】一方、エンジンの始動に伴ってフィードポ
ンプ15や噴射ポンプ9も駆動され、調量された所定量
の主燃料8が噴射ポンプ9から主燃料供給管10を経て
噴射ノズル3へ高圧で圧送され、この主燃料8は主燃料
流入路30から第一圧力室28へ供給される。主燃料8
の供給により第一圧力室28内の圧力が次第に上昇し、
この圧力が第一設定圧に達すると、この圧力の作用を受
けたプランジャ42が摺動するとともにプランジャ室3
5等に充填された補助燃料1が加圧される。そして、補
助燃料1の圧力が所定圧に達すると第一逆止弁41が開
弁され、補助燃料1が第一流路39を経て第二圧力室2
9へ供給される。なお、この状態においては噴射孔22
がニードル弁23によって閉弁されており、第二圧力室
29へ供給された補助燃料1は第二圧力室29内におけ
る噴射孔22に近接した側に充填される。また、補助燃
料1の第二圧力室29への供給によって第一逆止弁41
の上流側と下流側との圧力が等しくなると、第一逆止弁
41はスプリング40の付勢力によって閉弁される。
【0026】第一圧力室28への主燃料8の供給が引き
続き続行され、第一圧力室28内の圧力がさらに上昇す
るとともに第二設定圧に達すると、第二逆止弁34が開
弁されるとともに主燃料8が第二流路32を経て第二圧
力室29へ供給される。そして、第二圧力室29におい
ては、既に噴射孔22の近傍位置へ供給されている補助
燃料1と後から供給された主燃料8とが積層状態で充填
されることになる。
【0027】第一圧力室28への主燃料8の供給が引き
続き続行され、第一圧力室28内の圧力がさらに上昇す
るとともに第三設定圧に達すると、圧力受部31に作用
する圧力によってニードル弁23が開弁方向へ摺動し、
第二圧力室29内に積層状態で充填されていた補助燃料
1と主燃料8とが噴射孔22から層状噴射される。ここ
で、最初に噴射される補助燃料1は圧縮自己着火性の良
い燃料であるため、主燃料8として圧縮自己着火性の悪
い燃料を用いた場合であっても、この主燃料8の円滑な
燃焼が達成される。
【0028】また、噴射ポンプ9からの調量された所定
量の主燃料8の圧送が終了すると、第一圧力室28内の
圧力が低下することに伴ってニードル弁23が閉弁され
て燃料噴射が終了し、さらに、第二逆止弁34が閉弁さ
れるとともにプランジャ42が当初の位置へ戻り、次の
燃料噴射に備える。
【0029】なお、本実施例において説明した第二逆止
弁34をデリバリバルブとすることにより、燃料噴射終
了時における第二圧力室29内の負圧が増大し、噴射孔
22からの燃料1,8の後ダレが防止されるとともに、
次回の燃料噴射時における補助燃料1の第二圧力室29
への供給を良好に行なえる。
【0030】ついで、請求項3又は4記載の発明の一実
施例を図3及び図4に基づいて説明する。なお、図1及
び図2において説明した部分と同一部分は同一符号で示
し、説明も省略する。まず、ノズル本体21内には噴射
孔22を開閉するニードル弁44が摺動自在に収納され
ており、このニードル弁44は、下部ニードル弁体45
と中部ニードル弁体46と上部ニードル弁体47とスプ
リング受け金具48とによって構成されており、ニード
ル弁44の外周側に形成された第二圧力室29内には、
上部ニードル弁体47の摺動動作に対する中部ニードル
弁体46と下部ニードル弁体45との追従性を向上させ
るためのスプリング49が挿入されている。
【0031】前記上部ニードル弁体47の上部側には略
U字形の切欠溝50が形成されており、上部本体19に
形成されたピン穴51に挿入した止めピン52の先端部
を前記切欠溝50に挿入することによって前記上部ニー
ドル弁体47が回り止めされている。一方、前記スプリ
ング受け金具48は前記ニードル弁44の摺動方向と直
交する面内で回動自在に設けられており、このスプリン
グ受け金具48には前記ニードル弁44の摺動方向と直
交する向きに突出したピン53が固定されている。そし
て、噴射ノズル3の外部には、前記ピン53を介して前
記スプリング受け金具48をプランジャ54とともに回
動させる回動調節手段である回動コントロール機構(図
1において図示)55が設けられている。
【0032】ここで、前記プランジャ54は図1及び図
2において説明したプランジャ42と同様に、第一圧力
室28内に供給された主燃料8の圧力により摺動してプ
ランジャ室35等に蓄えられた補助燃料1を加圧する働
きをするものであり、前記ニードル弁44内に摺動自在
に設けられている。前記プランジャ54の外周部にはプ
ランジャ54の摺動方向にそって傾斜カットされたリー
ド溝56が形成されており、このリード溝56と前記プ
ランジャ室35とは前記プランジャ54内に形成された
第一連通路57によって連通されている。なお、前記プ
ランジャ54の上端部には角形溝58が形成されてお
り、この角形溝58に前記スプリング受け金具48に一
体的に形成した角形突部59が係合され、この係合によ
って前記スプリング受け金具48と前記プランジャ54
とが一体的に回動するように連結されている。
【0033】つぎに、前記上部本体19には、前記上部
ニードル弁体47の外周面を囲んだ円形溝60が形成さ
れており、さらに、一端が補助燃料流入路36における
第三逆止弁38より上流側に連通されるとともに他端が
この円形溝60に連通された戻し流路61が形成されて
いる。また、前記上部ニードル弁体47には、一端が前
記円形溝60に常時連通されるとともに他端が前記プラ
ンジャ54の外周面に開口するとともにこのプランジャ
54の摺動動作に伴って前記リード溝56に連通される
第二連通路62が形成されている。
【0034】一方、下部本体20には、前記第二圧力室
29の近傍に位置するとともに前記中部ニードル弁体4
6の外周面を囲んだリング状の円形溝63が形成されて
おり、さらに、一端が第一流路39における第一逆止弁
41より下流側に連通されるとともに他端が前記円形溝
63に連通された潤滑流路64が形成されている。
【0035】このような構成において、プランジャ室3
5等へ補助燃料1が充填された後に第一圧力室28への
主燃料8の供給が行なわれ、第一圧力室28内の圧力が
第一設定圧に上昇すると、この圧力の作用を受けたプラ
ンジャ54が摺動するとともにプランジャ室35等に充
填された補助燃料1が加圧される。そして。補助燃料1
の圧力が所定圧に達すると第一逆止弁41が開弁され、
補助燃料1が第一流路39を経て第二圧力室29へ供給
される。
【0036】一方、プランジャ54が所定位置まで摺動
すると、リード溝56と第二連通路62とが連通され
る。そして、リード溝56と第二連通路62とが連通さ
れた状態においては、プランジャ室35が、第一連通路
57とリード溝56と第二連通路62と円形溝60と戻
し流路61とを介して補助燃料流入路36における第三
逆止弁38より上流側に連通され、プランジャ室35内
の加圧された補助燃料1は補助燃料流入路36における
第三逆止弁38より上流側へ戻り、第一逆止弁41が閉
弁されるとともに第二圧力室29への補助燃料1の供給
が終了する。
【0037】ここで、回動コントロール機構55によっ
てスプリング受け金具48を回動させると、スプリング
受け金具48の角形突部59とプランジャ54の角形溝
58との係合によりプランジャ54も一体的に回動す
る。そして、プランジャ54を回動させることにより、
プランジャ54の摺動に伴ってリード溝56と第二連通
路62とが連通されるタイミングが変化し、この変化に
よって第二圧力室へ供給される補助燃料1の量が調節さ
れる。従って、使用する補助燃料1や主燃料8の種類に
よって第二圧力室29へ充填する補助燃料1や主燃料8
の割合を変更することができ、使用する燃料1,8の種
類が異なる場合であっても噴射した燃料1,8の燃焼を
良好に行なわせることができる。
【0038】また、補助燃料1の一部が潤滑流路64を
経て円形溝63へ供給され、この補助燃料1がニードル
弁44が摺動する際の潤滑油として使用されるため、ニ
ードル弁44の摺動動作が円滑に行なわれる。
【0039】
【発明の効果】請求項1記載の発明のように、従来の単
一流体噴射装置の構成部品である流体調量圧送部をその
まま第2流体調量圧送部として使用し、また、噴射ノズ
ルは従来の単一流体噴射装置の構成部品である噴射ノズ
ルにおけるニードル弁の内部や外部の構成を変更するの
みで外形形状を同一にすることができるため、従来の単
一流体噴射装置を大幅な設計変更することなく多種流体
噴射装置に変更することができ、しかも、単気筒のエン
ジンにおいても本発明の多種流体噴射装置を適用するこ
とができ、さらに、請求項2記載の発明のように、第二
逆止弁をデリバリバルブとすることによって噴射終了時
における第二圧力室内の負圧を増大させることができ、
従って、噴射孔からの後ダレを防止することができると
ともに次回の噴射行程時における第1流体の第二圧力室
への供給を良好に行なわせることができ、さらに、請求
項3記載の発明のように、回動調節手段によってプラン
ジャを回動させることにより第二圧力室に供給する第1
流体の供給量を調節することができ、従って、第1流体
と第2流体との噴射量の割合を種々の条件に応じて変更
することができ、さらに、請求項4記載の発明のよう
に、第1流体の一部を潤滑流路を介して円形溝へ供給す
ることによってニードル弁の摺動動作を円滑に行なわせ
ることができる等の効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1又は2記載の発明の一実施例を示す全
体構成図である。
【図2】噴射ノズルを示す縦断正面図である。
【図3】請求項3又は4記載の発明の一実施例における
噴射ノズルを示す縦断正面図である。
【図4】ニードル弁の構成を分解して示す正面図であ
る。
【符号の説明】
1 第1流体 3 噴射ノズル 4 第1流体圧送部 8 第2流体 9 第2流体調量圧送部 22 噴射孔 23,44 ニードル弁 28 第一圧力室 29 第二圧力室 32 第二流路 34 第二逆止弁 35 プランジャ室 36 第1流体流入路 38 第三逆止弁 39 第一流路 41 第一逆止弁 42,54 プランジャ 55 回動調節手段 56 リード溝 57 第一連通路 61 戻し流路 62 第二連通路 63 円形溝 64 潤滑流路

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1流体を圧送する第1流体圧送部と、
    第2流体を調量して圧送する第2流体調量圧送部と、第
    2流体の圧力により摺動するニードル弁によって開閉さ
    れる噴射孔を有する噴射ノズルとを設け、第2流体が供
    給される第一圧力室と前記ニードル弁の開弁時に前記噴
    射孔に連通される第二圧力室とを前記噴射ノズル内に形
    成し、前記第1流体圧送部から圧送された第1流体を蓄
    えるとともに第一逆止弁を備えた第一流路を介して前記
    第二圧力室へ連通されたプランジャ室と、前記第一圧力
    室と前記第二圧力室とを連通するとともに第二逆止弁を
    備えた第二流路と、前記第一圧力室へ供給された第2流
    体の圧力によって前記プランジャ室内の第1流体を加圧
    する方向へ摺動するプランジャとを設け、第2流体の供
    給により前記第一圧力室内の圧力が第一設定圧に上昇す
    ることに伴って前記プランジャにより加圧された前記プ
    ランジャ室内の第1流体を前記第一逆止弁を開弁させて
    前記第二圧力室へ供給し、前記第一圧力室内の圧力がさ
    らに上昇して第二設定圧に達することに伴って前記第二
    逆止弁を開弁させて第2流体を前記第二圧力室へ供給
    し、前記第一圧力室内の圧力がさらに上昇して第三設定
    圧に達することに伴って前記ニードル弁を開弁させて前
    記第二圧力室内の第1流体と第2流体とを前記噴射孔か
    ら噴射させるようにしたことを特徴とする多種流体噴射
    装置。
  2. 【請求項2】 第二逆止弁をデリバリバルブとしたこと
    を特徴とする請求項1記載の多種流体噴射装置。
  3. 【請求項3】 第1流体がプランジャ室に至る噴射ノズ
    ル内の第1流体流入路中に第三逆止弁を設け、プランジ
    ャの外周部に傾斜カットのリード溝を形成するとともに
    このリード溝と前記プランジャ室とを前記プランジャ内
    に形成した第一連通路により連通し、一端が前記第1流
    体流入路の前記第三逆止弁より上流側に連通されるとと
    もに他端が前記ニードル弁の外周面に開口した戻し流路
    を形成し、一端が前記戻し流路の他端に常時連通される
    とともに他端が前記プランジャの摺動動作に伴って前記
    リード溝に連通される第二連通路を前記ニードル弁に形
    成し、前記プランジャを回動させる回動調節手段を設け
    たことを特徴とする請求項1記載の多種流体噴射装置。
  4. 【請求項4】 第二圧力室の近傍における前記ニードル
    弁の外周部と前記ニードル弁が摺接する前記噴射ノズル
    の壁面部とのいずれか一方にリング状の円形溝を形成
    し、第一流路における第一逆止弁の下流側と前記円形溝
    とを潤滑流路を介して連通させたことを特徴とする請求
    項1記載の多種流体噴射装置。
JP23608591A 1991-09-17 1991-09-17 多種流体噴射装置 Expired - Lifetime JP2954758B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23608591A JP2954758B2 (ja) 1991-09-17 1991-09-17 多種流体噴射装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP23608591A JP2954758B2 (ja) 1991-09-17 1991-09-17 多種流体噴射装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0579420A JPH0579420A (ja) 1993-03-30
JP2954758B2 true JP2954758B2 (ja) 1999-09-27

Family

ID=16995500

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP23608591A Expired - Lifetime JP2954758B2 (ja) 1991-09-17 1991-09-17 多種流体噴射装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2954758B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7149107B2 (ja) * 2018-05-30 2022-10-06 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション 燃料噴射弁
JP6615943B2 (ja) * 2018-05-30 2019-12-04 株式会社ジャパンエンジンコーポレーション 燃料噴射弁
CN114352452B (zh) * 2022-02-18 2022-09-20 吉林大学 一种压力控制的带有安全保护的双路喷油器

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0579420A (ja) 1993-03-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4167168A (en) Fuel injection apparatus
GB2268225A (en) Valve in or for an i.c.engine fuel injection supply
JPH06323220A (ja) 内燃機関の燃料噴射装置
WO2002040856A1 (fr) Dispositif d'injection de carburant a commande electronique
JP2009138597A (ja) 燃料供給装置
JPH0118260B2 (ja)
JPH02221672A (ja) 燃料噴射装置
US4969600A (en) Fuel injection nozzle
US20060185647A1 (en) Fuel injection system for combustion engines
JPH0718391B2 (ja) エンジンの燃料噴射装置
US4485787A (en) Fuel injection system
JP3334933B2 (ja) 内燃機関の燃料噴射装置、特にポンプノズル
US4469069A (en) Fuel injection device
JP2954758B2 (ja) 多種流体噴射装置
JPH1061523A (ja) 燃料と添加液とを組み合わせて噴射するための噴射装置
GB997966A (en) Improvements in or relating to fuel injectors
JPS58183861A (ja) 燃料インゼクタ
JPH0474541B2 (ja)
US4593664A (en) Fuel injection apparatus
JP2610367B2 (ja) 多種燃料噴射装置
JPS6233983Y2 (ja)
JPS58172459A (ja) 低圧密封装置
JPS58206859A (ja) 副燃料供給装置
JPH031505B2 (ja)
JPS6338365Y2 (ja)

Legal Events

Date Code Title Description
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 19990706