JP2610367B2 - 多種燃料噴射装置 - Google Patents
多種燃料噴射装置Info
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Landscapes
- Fuel-Injection Apparatus (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、多種の燃料を高圧噴射
させる多種燃料噴射装置に関する。
させる多種燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、多種燃料噴射装置としては、圧縮
自己着火しにくい燃料を主燃料として使用する場合、圧
縮自己着火性に優れた燃料(例えば、軽油等)を補助燃
料として最初に噴射着火させ、ついで、主燃料を噴射さ
せるようにしたものが種々提案されており、例えば、特
公平1−20307号公報、実公平3−4782号公
報、実公平3−4783号公報、実公平3−4784号
公報に開示されたものがある。
自己着火しにくい燃料を主燃料として使用する場合、圧
縮自己着火性に優れた燃料(例えば、軽油等)を補助燃
料として最初に噴射着火させ、ついで、主燃料を噴射さ
せるようにしたものが種々提案されており、例えば、特
公平1−20307号公報、実公平3−4782号公
報、実公平3−4783号公報、実公平3−4784号
公報に開示されたものがある。
【0003】ここで、特公平1−20307号公報、実
公平3−4783号公報、実公平3−4784号公報に
開示された多種燃料噴射装置は主燃料としてアルコール
を想定したもので、特公平1−20307号公報に開示
された多種燃料噴射装置においては、一つ前の気筒への
主燃料の噴射脈動圧を利用して補助燃料圧送器を作動さ
せることにより、補助燃料を燃料噴射ノズルに充填させ
ている。一方、実公平3−4783号公報や実公平3−
4784号公報に開示された多種燃料噴射装置は、特公
平1−20307号公報に開示された補助燃料圧送器に
相当する機構を燃料噴射ポンプ内に設けたものである。
そして、これらの多種燃料噴射装置は、いずれも燃料噴
射ノズルの燃料噴射孔近辺に補助燃料を噴射しない程度
の低圧で充填しておき、ついで、主燃料を燃料噴射孔の
近辺へ圧送するとともにその圧力で燃料不噴射孔を閉止
しているニードル弁を開弁させ、補助燃料と主燃料とを
層状に噴射させている。
公平3−4783号公報、実公平3−4784号公報に
開示された多種燃料噴射装置は主燃料としてアルコール
を想定したもので、特公平1−20307号公報に開示
された多種燃料噴射装置においては、一つ前の気筒への
主燃料の噴射脈動圧を利用して補助燃料圧送器を作動さ
せることにより、補助燃料を燃料噴射ノズルに充填させ
ている。一方、実公平3−4783号公報や実公平3−
4784号公報に開示された多種燃料噴射装置は、特公
平1−20307号公報に開示された補助燃料圧送器に
相当する機構を燃料噴射ポンプ内に設けたものである。
そして、これらの多種燃料噴射装置は、いずれも燃料噴
射ノズルの燃料噴射孔近辺に補助燃料を噴射しない程度
の低圧で充填しておき、ついで、主燃料を燃料噴射孔の
近辺へ圧送するとともにその圧力で燃料不噴射孔を閉止
しているニードル弁を開弁させ、補助燃料と主燃料とを
層状に噴射させている。
【0004】つぎに、実公平3−4782号公報に開示
された多種燃料噴射装置は、A燃料とB燃料とを別個の
ポンプで調量した後にそれぞれ別個の増圧器内に蓄えて
おき、さらに、増圧器内に蓄えたA燃料とB燃料とを別
のポンプを使用して加圧するとともにこれらのA燃料と
B燃料とを相前後させて同一の燃料噴射ノズルから噴射
させるようにしたものである。
された多種燃料噴射装置は、A燃料とB燃料とを別個の
ポンプで調量した後にそれぞれ別個の増圧器内に蓄えて
おき、さらに、増圧器内に蓄えたA燃料とB燃料とを別
のポンプを使用して加圧するとともにこれらのA燃料と
B燃料とを相前後させて同一の燃料噴射ノズルから噴射
させるようにしたものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】圧縮自己着火しにくい
メタノール等の燃料を主燃料とする場合、圧縮自己着火
し易い補助燃料を火種とし、かつ、主燃料及び副燃料の
調量、噴射順序、噴射時期等をコントロールする必要が
ある。そして、特公平1−20307号公報に開示され
た多種燃料噴射装置においては、補助燃料の調量と低圧
力での燃料噴射ノズル内への充填とを行う補助燃料圧送
器を一つ前の気筒への主燃料の噴射脈動圧を利用して作
動させているため、気筒数に応じた数の補助燃料圧送器
が必要であるとともに燃料の配管が複雑になるという欠
点がある。また、この多種燃料噴射装置は、単気筒のエ
ンジンでは使用できないという欠点がある。
メタノール等の燃料を主燃料とする場合、圧縮自己着火
し易い補助燃料を火種とし、かつ、主燃料及び副燃料の
調量、噴射順序、噴射時期等をコントロールする必要が
ある。そして、特公平1−20307号公報に開示され
た多種燃料噴射装置においては、補助燃料の調量と低圧
力での燃料噴射ノズル内への充填とを行う補助燃料圧送
器を一つ前の気筒への主燃料の噴射脈動圧を利用して作
動させているため、気筒数に応じた数の補助燃料圧送器
が必要であるとともに燃料の配管が複雑になるという欠
点がある。また、この多種燃料噴射装置は、単気筒のエ
ンジンでは使用できないという欠点がある。
【0006】つぎに、実公平3−4783号公報及び実
公平3−4784号公報に開示された多種燃料噴射装置
においては、特開平1−20307号公報に開示された
補助燃料圧送器に相当する機構を燃料噴射ポンプ内に設
けたものであり、補助燃料圧送器に相当する機構が一つ
になるために部品点数が減少するとともに燃料用配管の
複雑さはなくなるが、燃料噴射ポンプ内に補助燃料圧送
器に相当する機構を設けることによって燃料噴射ポンプ
が複雑な構造となり、しかも、従来の燃料噴射ポンプを
使用することができないという欠点がある。また、特開
平1−20307号公報に開示された多種燃料噴射装置
と同様に、単気筒のエンジンでは使用できないという欠
点がある。
公平3−4784号公報に開示された多種燃料噴射装置
においては、特開平1−20307号公報に開示された
補助燃料圧送器に相当する機構を燃料噴射ポンプ内に設
けたものであり、補助燃料圧送器に相当する機構が一つ
になるために部品点数が減少するとともに燃料用配管の
複雑さはなくなるが、燃料噴射ポンプ内に補助燃料圧送
器に相当する機構を設けることによって燃料噴射ポンプ
が複雑な構造となり、しかも、従来の燃料噴射ポンプを
使用することができないという欠点がある。また、特開
平1−20307号公報に開示された多種燃料噴射装置
と同様に、単気筒のエンジンでは使用できないという欠
点がある。
【0007】つぎに、実公平3−4782号公報に開示
された多種燃料噴射装置においては、A燃料とB燃料と
の調量を別個のポンプで行い、各増圧器内に蓄えられた
燃料をそれぞれ別のポンプを使用して加圧するとともに
燃料噴射ノズルから噴射させているため、エンジンのク
ランク軸の回転に同期させなければならないポンプが1
気筒につき4個必要であり、また、増圧器も1気筒につ
き2個必要であり、部品構成と燃料配管とが相当に複雑
で高価な多種燃料噴射装置になるとともに従来の燃料噴
射ポンプを使用することができないという欠点がある。
された多種燃料噴射装置においては、A燃料とB燃料と
の調量を別個のポンプで行い、各増圧器内に蓄えられた
燃料をそれぞれ別のポンプを使用して加圧するとともに
燃料噴射ノズルから噴射させているため、エンジンのク
ランク軸の回転に同期させなければならないポンプが1
気筒につき4個必要であり、また、増圧器も1気筒につ
き2個必要であり、部品構成と燃料配管とが相当に複雑
で高価な多種燃料噴射装置になるとともに従来の燃料噴
射ポンプを使用することができないという欠点がある。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明で
は、第1燃料を調量するコントロール機構と、調量され
た第1燃料を高圧で送出する燃料噴射ポンプと、第2燃
料を昇圧させるアキュムレータと、燃料噴射孔を開閉す
るニードル弁をノズル本体内に摺動自在に収納した燃料
噴射ノズルと、前記ノズル本体内に形成されるとともに
第1燃料が供給される第一圧力室と前記燃料噴射孔に連
通された第二圧力室と、前記第一圧力室と前記第二圧力
室とを連通させるとともに前記ニードル弁内に形成され
た第1燃料流路と、前記第1燃料流路を開閉するととも
に閉弁方向へ付勢された第一止め弁と、前記第2燃料が
供給されるとともに前記第一止め弁を閉弁方向へ付勢す
る力を作用させる加圧室と、前記加圧室と前記第二圧力
室とを連通する第2燃料流路と、第1燃料を第1燃料貯
蔵部へ戻す第1燃料戻し流路と前記第一圧力室とを連通
させるとともに前記第一止め弁に形成された戻し流路と
を設け、前記加圧室内に第2燃料が供給される前には前
記第一圧力室内の圧力が第一設定圧以上に上昇すること
に伴って前記第一止め弁を開弁させるとともに前記第一
圧力室内の圧力が第二設定圧以上に上昇することに伴っ
て前記ニードル弁を摺動させて前記燃料噴射孔を開口さ
せ、前記加圧室内に第2燃料が供給された後には前記第
一圧力室内の圧力が第二設定圧以上に上昇することに伴
って前記第一止め弁を閉弁させたままの状態で前記ニー
ドル弁を摺動させて前記燃料噴射孔を開口させるととも
に前記戻し流路によって前記第一圧力室と前記第1燃料
戻し流路とを連通させるようにした。
は、第1燃料を調量するコントロール機構と、調量され
た第1燃料を高圧で送出する燃料噴射ポンプと、第2燃
料を昇圧させるアキュムレータと、燃料噴射孔を開閉す
るニードル弁をノズル本体内に摺動自在に収納した燃料
噴射ノズルと、前記ノズル本体内に形成されるとともに
第1燃料が供給される第一圧力室と前記燃料噴射孔に連
通された第二圧力室と、前記第一圧力室と前記第二圧力
室とを連通させるとともに前記ニードル弁内に形成され
た第1燃料流路と、前記第1燃料流路を開閉するととも
に閉弁方向へ付勢された第一止め弁と、前記第2燃料が
供給されるとともに前記第一止め弁を閉弁方向へ付勢す
る力を作用させる加圧室と、前記加圧室と前記第二圧力
室とを連通する第2燃料流路と、第1燃料を第1燃料貯
蔵部へ戻す第1燃料戻し流路と前記第一圧力室とを連通
させるとともに前記第一止め弁に形成された戻し流路と
を設け、前記加圧室内に第2燃料が供給される前には前
記第一圧力室内の圧力が第一設定圧以上に上昇すること
に伴って前記第一止め弁を開弁させるとともに前記第一
圧力室内の圧力が第二設定圧以上に上昇することに伴っ
て前記ニードル弁を摺動させて前記燃料噴射孔を開口さ
せ、前記加圧室内に第2燃料が供給された後には前記第
一圧力室内の圧力が第二設定圧以上に上昇することに伴
って前記第一止め弁を閉弁させたままの状態で前記ニー
ドル弁を摺動させて前記燃料噴射孔を開口させるととも
に前記戻し流路によって前記第一圧力室と前記第1燃料
戻し流路とを連通させるようにした。
【0009】請求項2記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第1燃料流路と第2燃料流路とにそれぞ
れ第二圧力室への燃料の流入を許容する逆止弁を設ける
とともに少なくとも一方の逆止弁をデリバリバルブとし
た。
発明において、第1燃料流路と第2燃料流路とにそれぞ
れ第二圧力室への燃料の流入を許容する逆止弁を設ける
とともに少なくとも一方の逆止弁をデリバリバルブとし
た。
【0010】請求項3記載の発明では、請求項1記載の
発明において、戻し流路と第一圧力室とを連通させると
ともにニードル弁に形成された流入孔と、前記戻し流路
と第1燃料戻し流路とを連通させるとともに前記ニード
ル弁に形成された流出孔と、加圧室に連通されるととも
に前記ニードル弁に形成された第2燃料流入孔と、前記
加圧室と第2燃料流路とを連通させるとともに前記ニー
ドル弁に形成された第2燃料流出孔との少なくとも一つ
に傾斜カットのリード部を形成し、前記ニードル弁を回
動自在に設けた。
発明において、戻し流路と第一圧力室とを連通させると
ともにニードル弁に形成された流入孔と、前記戻し流路
と第1燃料戻し流路とを連通させるとともに前記ニード
ル弁に形成された流出孔と、加圧室に連通されるととも
に前記ニードル弁に形成された第2燃料流入孔と、前記
加圧室と第2燃料流路とを連通させるとともに前記ニー
ドル弁に形成された第2燃料流出孔との少なくとも一つ
に傾斜カットのリード部を形成し、前記ニードル弁を回
動自在に設けた。
【0011】請求項4記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第1燃料戻し流路中に第1燃料貯蔵部へ
戻る第1燃料を加圧する加圧弁を設け、この加圧弁によ
り加圧された第1燃料の圧力によって開弁する第二止め
弁を第2燃料流路中に設けた。
発明において、第1燃料戻し流路中に第1燃料貯蔵部へ
戻る第1燃料を加圧する加圧弁を設け、この加圧弁によ
り加圧された第1燃料の圧力によって開弁する第二止め
弁を第2燃料流路中に設けた。
【0012】請求項5記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第一圧力室と第二圧力室とを常時連通さ
せる小径孔を形成した。
発明において、第一圧力室と第二圧力室とを常時連通さ
せる小径孔を形成した。
【0013】請求項6記載の発明では、請求項1記載の
発明において、第一圧力室への第1燃料の流入を許容す
る逆止弁を設けた。
発明において、第一圧力室への第1燃料の流入を許容す
る逆止弁を設けた。
【0014】
【作用】請求項1記載の発明では、加圧室内に第2燃料
が供給される前の状態において、第一圧力室に第1燃料
が供給されて第一圧力室内の圧力が第一設定圧以上に上
昇すると、第一止め弁が開弁されるとともに第1燃料が
第1燃料流路を通って第二圧力室へ供給される。さら
に、第一圧力室内の圧力が上昇して第二設定圧以上にな
ると、ニードル弁が摺動して燃料噴射孔が開口され、第
二圧力室内の第1燃料が燃料噴射孔から噴射される。一
方、加圧室内に第2燃料が供給された後には、止め弁が
閉弁されて第1燃料の第二圧力室への供給が遮断される
とともに第二圧力室へは第2燃料流路を通って第2燃料
が供給される。さらに、第一圧力室への第1燃料の供給
によって第一圧力室の圧力が第二設定圧以上に上昇する
と、ニードル弁が摺動して燃料噴射孔が開口され、第二
圧力室内の第2燃料が燃料噴射孔から噴射される。そし
て、第2燃料の噴射が行なわれている場合においては、
第一圧力室内へ供給された第1燃料は、止め弁に形成さ
れた戻し流路と第1燃料戻し流路とを経て第1燃料貯蔵
部へ戻る。なお、燃料噴射ポンプによる第1燃料の圧送
が停止されると、第一圧力室内の圧力が第二設定圧以下
に下降するため、ニードル弁が摺動して燃料噴射孔が閉
口され、第1燃料又は第2燃料の噴射が終了する。
が供給される前の状態において、第一圧力室に第1燃料
が供給されて第一圧力室内の圧力が第一設定圧以上に上
昇すると、第一止め弁が開弁されるとともに第1燃料が
第1燃料流路を通って第二圧力室へ供給される。さら
に、第一圧力室内の圧力が上昇して第二設定圧以上にな
ると、ニードル弁が摺動して燃料噴射孔が開口され、第
二圧力室内の第1燃料が燃料噴射孔から噴射される。一
方、加圧室内に第2燃料が供給された後には、止め弁が
閉弁されて第1燃料の第二圧力室への供給が遮断される
とともに第二圧力室へは第2燃料流路を通って第2燃料
が供給される。さらに、第一圧力室への第1燃料の供給
によって第一圧力室の圧力が第二設定圧以上に上昇する
と、ニードル弁が摺動して燃料噴射孔が開口され、第二
圧力室内の第2燃料が燃料噴射孔から噴射される。そし
て、第2燃料の噴射が行なわれている場合においては、
第一圧力室内へ供給された第1燃料は、止め弁に形成さ
れた戻し流路と第1燃料戻し流路とを経て第1燃料貯蔵
部へ戻る。なお、燃料噴射ポンプによる第1燃料の圧送
が停止されると、第一圧力室内の圧力が第二設定圧以下
に下降するため、ニードル弁が摺動して燃料噴射孔が閉
口され、第1燃料又は第2燃料の噴射が終了する。
【0015】請求項2記載の発明では、第1燃料流路に
逆止弁を設けることにより、第二圧力室へ供給された第
2燃料が第1燃料流路を逆流して第一圧力室内へ流入す
るということが防止され、また、第2燃料流路に逆止弁
を設けることにより、第二圧力室へ供給された第1燃料
が第2燃料流路を逆流して加圧室内へ流入するというこ
とが防止される。さらに、少なくともいずれか一方の逆
止弁をデリバリバルブとすることにより、燃料噴射終了
時における燃料噴射孔からの第1燃料又は第2燃料の後
ダレが防止される。
逆止弁を設けることにより、第二圧力室へ供給された第
2燃料が第1燃料流路を逆流して第一圧力室内へ流入す
るということが防止され、また、第2燃料流路に逆止弁
を設けることにより、第二圧力室へ供給された第1燃料
が第2燃料流路を逆流して加圧室内へ流入するというこ
とが防止される。さらに、少なくともいずれか一方の逆
止弁をデリバリバルブとすることにより、燃料噴射終了
時における燃料噴射孔からの第1燃料又は第2燃料の後
ダレが防止される。
【0016】請求項3記載の発明では、ニードル弁を回
動させ、その回動位置を変更することにより、第1燃料
を第1燃料貯蔵部へ戻すための流路や、第2燃料を第二
圧力室へ供給するための流路が連通されるタイミングや
それらの流路の連通部の面積が変更され、第2燃料の噴
射タイミングや噴射量の調整が行なわれる。
動させ、その回動位置を変更することにより、第1燃料
を第1燃料貯蔵部へ戻すための流路や、第2燃料を第二
圧力室へ供給するための流路が連通されるタイミングや
それらの流路の連通部の面積が変更され、第2燃料の噴
射タイミングや噴射量の調整が行なわれる。
【0017】請求項4記載の発明では、第1燃料貯蔵部
へ戻る第1燃料が第1燃料戻し流路中に設けた加圧弁に
よって加圧され、加圧弁により加圧された第1燃料の圧
力によって第2燃料流路中に設けた第二止め弁が開弁さ
れ、加圧室から第二圧力室への第2燃料の供給が行なわ
れる。このため、第1燃料の供給を停止させることによ
って第二止め弁が閉弁され、第2燃料の第二圧力室への
供給及び噴射が停止される。従って、第2燃料の噴射中
にニードル弁が燃料噴射孔を開口した状態でスティック
を起こしても、第2燃料が燃料噴射孔から流出を続ける
ということが防止される。
へ戻る第1燃料が第1燃料戻し流路中に設けた加圧弁に
よって加圧され、加圧弁により加圧された第1燃料の圧
力によって第2燃料流路中に設けた第二止め弁が開弁さ
れ、加圧室から第二圧力室への第2燃料の供給が行なわ
れる。このため、第1燃料の供給を停止させることによ
って第二止め弁が閉弁され、第2燃料の第二圧力室への
供給及び噴射が停止される。従って、第2燃料の噴射中
にニードル弁が燃料噴射孔を開口した状態でスティック
を起こしても、第2燃料が燃料噴射孔から流出を続ける
ということが防止される。
【0018】請求項5記載の発明では、第2燃料が加圧
室内に供給されて第一止め弁が閉弁された後において
も、第1燃料は第一圧力室から小径孔を経て第二圧力室
へ供給されるため、第1燃料と第2燃料との混合噴射を
行なえる。
室内に供給されて第一止め弁が閉弁された後において
も、第1燃料は第一圧力室から小径孔を経て第二圧力室
へ供給されるため、第1燃料と第2燃料との混合噴射を
行なえる。
【0019】請求項6記載の発明では、第1燃料の圧送
が終了した際において、すでに第一圧力室に流入してい
る第1燃料は逆止弁により第1燃料貯蔵部側への戻りが
阻止される。そして、ニードル弁が閉弁され、ついで、
第一止め弁が閉弁される際に、この第一止め弁の閉弁動
作によって第1燃料の一部が第二圧力室内に低圧で充填
される。このため、加圧室を介して第2燃料を第二圧力
室へ送出して第2燃料の噴射を行なう場合、第2燃料の
噴射に先立って第1燃料を噴射する層状噴射が行なわれ
る。
が終了した際において、すでに第一圧力室に流入してい
る第1燃料は逆止弁により第1燃料貯蔵部側への戻りが
阻止される。そして、ニードル弁が閉弁され、ついで、
第一止め弁が閉弁される際に、この第一止め弁の閉弁動
作によって第1燃料の一部が第二圧力室内に低圧で充填
される。このため、加圧室を介して第2燃料を第二圧力
室へ送出して第2燃料の噴射を行なう場合、第2燃料の
噴射に先立って第1燃料を噴射する層状噴射が行なわれ
る。
【0020】
【実施例】本発明の一実施例を図面に基づいて説明す
る。まず、第1燃料(圧縮自己着火性に優れた副燃料)
1を貯蔵する第1燃料貯蔵部である燃料タンク2と、こ
の第1燃料1を燃料噴射ノズル3へ向けて高圧で送出す
る燃料噴射ポンプ4とが設けられ、前記燃料噴射ポンプ
4にはコントロールラック5が取付けられ、このコント
ロールラック5には第1燃料1の調量やエンジン回転数
の制御を行なう調速装置等のコントロール機構6が連結
されている。なお、前記燃料タンク2内の第1燃料1は
燃料供給ポンプ7により前記燃料噴射ポンプ4へ供給さ
れ、さらに、燃料噴射ポンプ4から流路8により前記燃
料噴射ノズル3へ供給される。また、前記燃料噴射ノズ
ル3へ供給された第1燃料1のうち燃焼室(図示せず)
内へ噴射されなかったものは戻りの流路9を経て前記燃
料タンク2内へ戻る。
る。まず、第1燃料(圧縮自己着火性に優れた副燃料)
1を貯蔵する第1燃料貯蔵部である燃料タンク2と、こ
の第1燃料1を燃料噴射ノズル3へ向けて高圧で送出す
る燃料噴射ポンプ4とが設けられ、前記燃料噴射ポンプ
4にはコントロールラック5が取付けられ、このコント
ロールラック5には第1燃料1の調量やエンジン回転数
の制御を行なう調速装置等のコントロール機構6が連結
されている。なお、前記燃料タンク2内の第1燃料1は
燃料供給ポンプ7により前記燃料噴射ポンプ4へ供給さ
れ、さらに、燃料噴射ポンプ4から流路8により前記燃
料噴射ノズル3へ供給される。また、前記燃料噴射ノズ
ル3へ供給された第1燃料1のうち燃焼室(図示せず)
内へ噴射されなかったものは戻りの流路9を経て前記燃
料タンク2内へ戻る。
【0021】つぎに、第2燃料(圧縮自己着火しにくい
主燃料)である液体燃料10を貯蔵する燃料タンク11
と第2燃料(圧縮自己着火しにくい主燃料)である気体
燃料12を貯蔵する燃料ボンベ13とが設けられてお
り、さらに、燃料供給ポンプ14と第一切換弁15とを
介して前記液体燃料10が供給されるアキュムレータ1
6と、燃料供給ポンプ17と第一切換弁18とを介して
前記気体燃料12が供給されるアキュムレータ19とが
設けられている。なお、本実施例においては、液体燃料
10用のアキュムレータ16と気体燃料12用のアキュ
ムレータ19とを別個に設けたが、共用するアキュムレ
ータを一つ設けるものであってもよい。また、気体燃料
12が都市ガス等の配管によって供給されるものである
場合には、その配管を直接燃料供給ポンプ17へ接続す
る。前記アキュムレータ16,19において昇圧された
第2燃料10,12は、第二切換弁20を経て流路21
により前記燃料噴射ノズル3へ供給され、前記燃料噴射
ノズル3へ供給された第2燃料10,12のうち燃焼室
(図示せず)内へ噴射されなかったものは戻りの流路2
2を経て前記燃料タンク11又は前記燃料供給ポンプ1
7の入力側へ戻る。なお、本実施例においては、上記の
ように第2燃料として液体燃料10と気体燃料12とを
選択的に用いることができる。
主燃料)である液体燃料10を貯蔵する燃料タンク11
と第2燃料(圧縮自己着火しにくい主燃料)である気体
燃料12を貯蔵する燃料ボンベ13とが設けられてお
り、さらに、燃料供給ポンプ14と第一切換弁15とを
介して前記液体燃料10が供給されるアキュムレータ1
6と、燃料供給ポンプ17と第一切換弁18とを介して
前記気体燃料12が供給されるアキュムレータ19とが
設けられている。なお、本実施例においては、液体燃料
10用のアキュムレータ16と気体燃料12用のアキュ
ムレータ19とを別個に設けたが、共用するアキュムレ
ータを一つ設けるものであってもよい。また、気体燃料
12が都市ガス等の配管によって供給されるものである
場合には、その配管を直接燃料供給ポンプ17へ接続す
る。前記アキュムレータ16,19において昇圧された
第2燃料10,12は、第二切換弁20を経て流路21
により前記燃料噴射ノズル3へ供給され、前記燃料噴射
ノズル3へ供給された第2燃料10,12のうち燃焼室
(図示せず)内へ噴射されなかったものは戻りの流路2
2を経て前記燃料タンク11又は前記燃料供給ポンプ1
7の入力側へ戻る。なお、本実施例においては、上記の
ように第2燃料として液体燃料10と気体燃料12とを
選択的に用いることができる。
【0022】つぎに、前記燃料噴射ノズル3について説
明する。まず、上部本体23と下部本体24とからなる
ノズル本体25が設けられており、前記下部本体24の
下端部には燃料噴射孔26が形成され、この燃料噴射孔
26を開閉するニードル弁27が摺動自在及び回動自在
に前記ノズル本体25内に収納されている。なお、前記
ニードル弁27は、上部ニードル弁体28と下部ニード
ル弁体29とスプリング受け金具30とを一体的に嵌合
させることにより構成されており、前記スプリング受け
金具30には、前記ニードル弁27を回動調節するため
の回動角制御機構31がコントロールシャフト32を介
して連結されている。さらに、前記スプリング受け金具
30には、前記燃料噴射孔26を閉じる方向へ前記ニー
ドル弁27を付勢するスプリング33の一端が当接され
ている。なお、前記燃料噴射孔26の開閉は、前記ニー
ドル弁27の先端部に形成されたテーパ面34を前記下
部本体24に形成されたテーパ状のシート面35へ接離
させることにより行なわれている。
明する。まず、上部本体23と下部本体24とからなる
ノズル本体25が設けられており、前記下部本体24の
下端部には燃料噴射孔26が形成され、この燃料噴射孔
26を開閉するニードル弁27が摺動自在及び回動自在
に前記ノズル本体25内に収納されている。なお、前記
ニードル弁27は、上部ニードル弁体28と下部ニード
ル弁体29とスプリング受け金具30とを一体的に嵌合
させることにより構成されており、前記スプリング受け
金具30には、前記ニードル弁27を回動調節するため
の回動角制御機構31がコントロールシャフト32を介
して連結されている。さらに、前記スプリング受け金具
30には、前記燃料噴射孔26を閉じる方向へ前記ニー
ドル弁27を付勢するスプリング33の一端が当接され
ている。なお、前記燃料噴射孔26の開閉は、前記ニー
ドル弁27の先端部に形成されたテーパ面34を前記下
部本体24に形成されたテーパ状のシート面35へ接離
させることにより行なわれている。
【0023】前記ノズル本体25内には、第一圧力室3
6と第二圧力室37とが前記ニードル弁27の外周部に
位置して形成されており、これらの第一圧力室36と第
二圧力室37とは前記ニードル弁27によって仕切られ
ている。ここで、前記第一圧力室36には前記上部本体
23内に形成された複数の流路38の一端が接続され、
これらの流路38の他端は前記流路8に接続されてい
る。一方、前記第二圧力室37は前記燃料噴射孔26に
連通されている。また、前記ニードル弁27の外径寸法
は、前記上部本体23に摺接する部分が大径とされると
ともに前記下部本体24に摺接する部分が小径とされ、
その境界部には前記第一圧力室36に臨んだテーパ状の
圧力受部39が形成されている。
6と第二圧力室37とが前記ニードル弁27の外周部に
位置して形成されており、これらの第一圧力室36と第
二圧力室37とは前記ニードル弁27によって仕切られ
ている。ここで、前記第一圧力室36には前記上部本体
23内に形成された複数の流路38の一端が接続され、
これらの流路38の他端は前記流路8に接続されてい
る。一方、前記第二圧力室37は前記燃料噴射孔26に
連通されている。また、前記ニードル弁27の外径寸法
は、前記上部本体23に摺接する部分が大径とされると
ともに前記下部本体24に摺接する部分が小径とされ、
その境界部には前記第一圧力室36に臨んだテーパ状の
圧力受部39が形成されている。
【0024】前記ニードル弁27内には前記第一圧力室
36と前記第二圧力室37とを連通する第1燃料流路4
0が形成され、さらに、この第1燃料流路40を開閉す
るとともに調整スプリング41により閉弁方向へ付勢さ
れた第一止め弁42が摺動自在に設けられている。ま
た、前記第1燃料流路40中には、スプリング43によ
り付勢されるとともに前記第二圧力室37から前記第一
圧力室36への第1燃料1又は第2燃料10,12の逆
流を阻止するための逆止弁44が設けられている。
36と前記第二圧力室37とを連通する第1燃料流路4
0が形成され、さらに、この第1燃料流路40を開閉す
るとともに調整スプリング41により閉弁方向へ付勢さ
れた第一止め弁42が摺動自在に設けられている。ま
た、前記第1燃料流路40中には、スプリング43によ
り付勢されるとともに前記第二圧力室37から前記第一
圧力室36への第1燃料1又は第2燃料10,12の逆
流を阻止するための逆止弁44が設けられている。
【0025】また、前記ノズル本体25内には、前記燃
料噴射孔26から噴射されなかった第1燃料1を前記燃
料タンク2へ戻すための第1燃料戻し流路45が形成さ
れ、この第1燃料戻し流路45と前記流路38とを連通
させる戻し流路46が前記第一止め弁42内又は外周部
に形成されている。さらに、前記ニードル弁27には、
前記戻し流路46と前記流路38とを連通させる流入孔
47と、前記戻し流路46と前記第1燃料戻し流路45
とを連通させる流出孔48とが形成されている。
料噴射孔26から噴射されなかった第1燃料1を前記燃
料タンク2へ戻すための第1燃料戻し流路45が形成さ
れ、この第1燃料戻し流路45と前記流路38とを連通
させる戻し流路46が前記第一止め弁42内又は外周部
に形成されている。さらに、前記ニードル弁27には、
前記戻し流路46と前記流路38とを連通させる流入孔
47と、前記戻し流路46と前記第1燃料戻し流路45
とを連通させる流出孔48とが形成されている。
【0026】また、前記ニードル弁27内には、前記第
2燃料10,12が供給されるとともに供給された第2
燃料10,12の圧力を前記調整スプリング41の付勢
力とともに前記第一止め弁42を閉弁する方向へ作用さ
せる加圧室49が形成されている。なお、前記ノズル本
体25には、前記第2燃料10,12を前記加圧室49
内へ流入させるための流路50と、加圧室49内に流入
した第2燃料10,12を前記第二圧力室37へ供給す
るための第2燃料流路51とが形成されている。さら
に、前記ニードル弁27には、前記流路50と前記加圧
室49とを連通させる第2燃料流入孔52と、前記加圧
室49と前記第2燃料流路51とを連通させる第2燃料
流出孔53とが形成されており、これらの第2燃料流入
孔52と第2燃料流出孔53とには図7及び図8に示す
ような傾斜カットのリード部52a,53aが形成され
ている。また、前記第2燃料流路51中には、スプリン
グ54により付勢されるとともに前記第二圧力室37か
ら前記加圧室49への第2燃料10,12又は第1燃料
1の逆流を阻止するための逆止弁55が設けられてい
る。
2燃料10,12が供給されるとともに供給された第2
燃料10,12の圧力を前記調整スプリング41の付勢
力とともに前記第一止め弁42を閉弁する方向へ作用さ
せる加圧室49が形成されている。なお、前記ノズル本
体25には、前記第2燃料10,12を前記加圧室49
内へ流入させるための流路50と、加圧室49内に流入
した第2燃料10,12を前記第二圧力室37へ供給す
るための第2燃料流路51とが形成されている。さら
に、前記ニードル弁27には、前記流路50と前記加圧
室49とを連通させる第2燃料流入孔52と、前記加圧
室49と前記第2燃料流路51とを連通させる第2燃料
流出孔53とが形成されており、これらの第2燃料流入
孔52と第2燃料流出孔53とには図7及び図8に示す
ような傾斜カットのリード部52a,53aが形成され
ている。また、前記第2燃料流路51中には、スプリン
グ54により付勢されるとともに前記第二圧力室37か
ら前記加圧室49への第2燃料10,12又は第1燃料
1の逆流を阻止するための逆止弁55が設けられてい
る。
【0027】前記第1燃料戻し流路45中には前記燃料
タンク2へ戻る第1燃料1を加圧する加圧弁56が設け
られており、前記第2燃料流路51中にはこの第2燃料
流路51を開閉するとともに前記加圧弁56により加圧
された第1燃料1の圧力を受けて開弁する第二止め弁5
7が前記逆止弁55より上流側に位置して設けられてい
る。なお、前記ノズル本体25内には、前記第二止め弁
57により開閉されるとともに前記燃料噴射孔26から
噴射されずに前記第2燃料流路51中に残った第2燃料
10,12を前記燃料タンク11や前記燃料供給ポンプ
17側へ戻すとともに前記流路22に接続された流路5
8が形成されている。
タンク2へ戻る第1燃料1を加圧する加圧弁56が設け
られており、前記第2燃料流路51中にはこの第2燃料
流路51を開閉するとともに前記加圧弁56により加圧
された第1燃料1の圧力を受けて開弁する第二止め弁5
7が前記逆止弁55より上流側に位置して設けられてい
る。なお、前記ノズル本体25内には、前記第二止め弁
57により開閉されるとともに前記燃料噴射孔26から
噴射されずに前記第2燃料流路51中に残った第2燃料
10,12を前記燃料タンク11や前記燃料供給ポンプ
17側へ戻すとともに前記流路22に接続された流路5
8が形成されている。
【0028】このような構成において、図2は第1燃料
1と第2燃料10,12とがともに供給されていない状
態を示す。ニードル弁27はスプリング33の付勢力に
よって燃料噴射孔26を閉じ、第一止め弁42は調整ス
プリング41の付勢力によって第1燃料流路40を閉
じ、第二止め弁57はスプリング59の付勢力によって
第2燃料流路51を閉じている。
1と第2燃料10,12とがともに供給されていない状
態を示す。ニードル弁27はスプリング33の付勢力に
よって燃料噴射孔26を閉じ、第一止め弁42は調整ス
プリング41の付勢力によって第1燃料流路40を閉
じ、第二止め弁57はスプリング59の付勢力によって
第2燃料流路51を閉じている。
【0029】つぎに、図3はエンジンの始動操作に伴っ
て第1燃料1の供給が開始された状態を示す。燃料噴射
ポンプ4から圧送された第1燃料1は、流路8及び流路
38を経て矢印で示すように第一圧力室36へ供給され
る。そして、第一圧力室36内の圧力が第一設定圧以上
に上昇して調整スプリング41の付勢力を上回ると、第
一止め弁42が上方へ押上げられて開弁する。すると、
第一圧力室36内の第1燃料1は第1燃料流路40を通
り、逆止弁44を開弁させて第二圧力室37内へ供給さ
れる。なお、図3及び後述する図4に示す状態において
は、第二切換弁20が閉止されているか、又は、流路5
0と第2燃料流入孔52とが連通されていないため、第
2燃料10,12の加圧室49内への供給は行なわれな
い。
て第1燃料1の供給が開始された状態を示す。燃料噴射
ポンプ4から圧送された第1燃料1は、流路8及び流路
38を経て矢印で示すように第一圧力室36へ供給され
る。そして、第一圧力室36内の圧力が第一設定圧以上
に上昇して調整スプリング41の付勢力を上回ると、第
一止め弁42が上方へ押上げられて開弁する。すると、
第一圧力室36内の第1燃料1は第1燃料流路40を通
り、逆止弁44を開弁させて第二圧力室37内へ供給さ
れる。なお、図3及び後述する図4に示す状態において
は、第二切換弁20が閉止されているか、又は、流路5
0と第2燃料流入孔52とが連通されていないため、第
2燃料10,12の加圧室49内への供給は行なわれな
い。
【0030】つぎに、図4は第1燃料1が燃料噴射孔2
6から噴射された状態を示す。図3の状態から引き続き
第1燃料1の供給が続行されると、第一圧力室36内の
圧力がさらに上昇し、その圧力は圧力受部39に作用す
る。そして、第一圧力室36内の圧力が第二設定圧以上
に上昇してスプリング33の付勢力を上回ると、ニード
ル弁27が上方へ押上げられるとともにテーパ面34が
シート面35から離反し、燃料噴射孔26が開口されて
第1燃料1が噴射される。そして、燃料噴射ポンプ4か
らの第1燃料1の圧送が終了すると、第一圧力室36内
の圧力が第二設定圧以下に低下することに伴ってニード
ル弁27が下降し、燃料噴射孔26が閉じられることに
よって第1燃料1の一回の噴射が終了する。従って、以
上の動作を繰り返すことにより第1燃料1のみを噴射さ
せる通常のエンジンと同様に使用することができる。
6から噴射された状態を示す。図3の状態から引き続き
第1燃料1の供給が続行されると、第一圧力室36内の
圧力がさらに上昇し、その圧力は圧力受部39に作用す
る。そして、第一圧力室36内の圧力が第二設定圧以上
に上昇してスプリング33の付勢力を上回ると、ニード
ル弁27が上方へ押上げられるとともにテーパ面34が
シート面35から離反し、燃料噴射孔26が開口されて
第1燃料1が噴射される。そして、燃料噴射ポンプ4か
らの第1燃料1の圧送が終了すると、第一圧力室36内
の圧力が第二設定圧以下に低下することに伴ってニード
ル弁27が下降し、燃料噴射孔26が閉じられることに
よって第1燃料1の一回の噴射が終了する。従って、以
上の動作を繰り返すことにより第1燃料1のみを噴射さ
せる通常のエンジンと同様に使用することができる。
【0031】つぎに、図5は、図4に示したように第1
燃料1の噴射が繰り返されている途中において、回動角
制御機構31によってニードル弁27を回動させ、第2
燃料流入孔52と流路50とをリード部52aを介して
連通させた状態を示す。流路50と第2燃料流入孔52
とが連通されることにより、アキュムレータ16,19
によってエンジンの最高燃焼圧力以上に昇圧された第2
燃料10,12は加圧室49内に供給される。第2燃料
10,12が加圧室49内に供給されると、第2燃料1
0,12の圧力と調整スプリング41の付勢力との和が
第一止め弁42を開弁させる力よりも大きくなり、第一
止め弁42が瞬時に閉弁される。さらに、第一止め弁4
2が閉弁されると同時に逆止弁44も閉弁され、燃料噴
射孔26からの第1燃料1の噴射が終了する。なお、逆
止弁44を吸い戻し機能を有するデリバリバルブとする
ことにより、噴射終了直後の第二圧力室37内が低圧又
は負圧となり、第1燃料1の後ダレが防止される。
燃料1の噴射が繰り返されている途中において、回動角
制御機構31によってニードル弁27を回動させ、第2
燃料流入孔52と流路50とをリード部52aを介して
連通させた状態を示す。流路50と第2燃料流入孔52
とが連通されることにより、アキュムレータ16,19
によってエンジンの最高燃焼圧力以上に昇圧された第2
燃料10,12は加圧室49内に供給される。第2燃料
10,12が加圧室49内に供給されると、第2燃料1
0,12の圧力と調整スプリング41の付勢力との和が
第一止め弁42を開弁させる力よりも大きくなり、第一
止め弁42が瞬時に閉弁される。さらに、第一止め弁4
2が閉弁されると同時に逆止弁44も閉弁され、燃料噴
射孔26からの第1燃料1の噴射が終了する。なお、逆
止弁44を吸い戻し機能を有するデリバリバルブとする
ことにより、噴射終了直後の第二圧力室37内が低圧又
は負圧となり、第1燃料1の後ダレが防止される。
【0032】つぎに、図6は、図5に示したように第2
燃料10,12が加圧室49内に供給されて第一止め弁
42が閉弁された状態において、引き続き第1燃料1の
供給が続行されることに伴って第2燃料10,12が燃
料噴射孔26から噴射された状態を示す。図5に示した
ように第一止め弁42が第2燃料10,12の圧力の作
用を受けて閉弁した状態で第一圧力室36への第1燃料
1の供給が行なわれると、第一圧力室36内の圧力が第
一設定圧に達しても第一止め弁42は開弁されず、さら
に、第一圧力室36内の圧力が第二設定圧以上に上昇し
てスプリング33の付勢力を上回ると、ニードル弁27
が上方へ押上げられるとともにテーパ面34がシート面
35から離反して燃料噴射孔26が開口される。
燃料10,12が加圧室49内に供給されて第一止め弁
42が閉弁された状態において、引き続き第1燃料1の
供給が続行されることに伴って第2燃料10,12が燃
料噴射孔26から噴射された状態を示す。図5に示した
ように第一止め弁42が第2燃料10,12の圧力の作
用を受けて閉弁した状態で第一圧力室36への第1燃料
1の供給が行なわれると、第一圧力室36内の圧力が第
一設定圧に達しても第一止め弁42は開弁されず、さら
に、第一圧力室36内の圧力が第二設定圧以上に上昇し
てスプリング33の付勢力を上回ると、ニードル弁27
が上方へ押上げられるとともにテーパ面34がシート面
35から離反して燃料噴射孔26が開口される。
【0033】ここで、第一止め弁42が閉弁されている
場合には、図6及び図2に示すように、第一止め弁42
内に形成された戻し流路46が流入孔47と流出孔48
とに連通されている。さらに、この状態でニードル弁2
7が上昇することにより、図6に示すように流入孔47
が流路38に連通されるとともに流出孔48が第1燃料
戻し流路45に連通される。従って、燃料噴射ポンプ4
から圧送された第1燃料1は、圧力受部39に対して第
二設定圧以上の圧力を作用させた後、戻し流路46と第
1燃料戻し流路45及び流路9を通って燃料タンク2へ
戻る。
場合には、図6及び図2に示すように、第一止め弁42
内に形成された戻し流路46が流入孔47と流出孔48
とに連通されている。さらに、この状態でニードル弁2
7が上昇することにより、図6に示すように流入孔47
が流路38に連通されるとともに流出孔48が第1燃料
戻し流路45に連通される。従って、燃料噴射ポンプ4
から圧送された第1燃料1は、圧力受部39に対して第
二設定圧以上の圧力を作用させた後、戻し流路46と第
1燃料戻し流路45及び流路9を通って燃料タンク2へ
戻る。
【0034】一方、第2燃料流入孔52と第2燃料流出
孔53とにはそれぞれリード部52a,53aが形成さ
れているため、ニードル弁27が上昇した場合であって
も図6に示すように流路50と加圧室49、及び、加圧
室49と第2燃料流路51とは連通された状態に維持さ
れている。
孔53とにはそれぞれリード部52a,53aが形成さ
れているため、ニードル弁27が上昇した場合であって
も図6に示すように流路50と加圧室49、及び、加圧
室49と第2燃料流路51とは連通された状態に維持さ
れている。
【0035】つぎに、燃料タンク2へ戻される第1燃料
1は加圧弁56によって加圧され、この圧力が設定圧に
達すると第二止め弁57が開弁され、加圧室49内に供
給されていた第2燃料10,12が破線の矢印で示すよ
うに第2燃料流路51を通り、逆止弁55を開弁させて
第二圧力室37へ供給され、さらに、開口されている燃
料噴射孔26から噴射される。なお、加圧弁56により
加圧された第1燃料1の圧力が第二止め弁57を開弁さ
せる設定圧に達した場合には、同時に加圧弁56を開弁
させて第1燃料1の燃料タンク2への戻りが開始され
る。
1は加圧弁56によって加圧され、この圧力が設定圧に
達すると第二止め弁57が開弁され、加圧室49内に供
給されていた第2燃料10,12が破線の矢印で示すよ
うに第2燃料流路51を通り、逆止弁55を開弁させて
第二圧力室37へ供給され、さらに、開口されている燃
料噴射孔26から噴射される。なお、加圧弁56により
加圧された第1燃料1の圧力が第二止め弁57を開弁さ
せる設定圧に達した場合には、同時に加圧弁56を開弁
させて第1燃料1の燃料タンク2への戻りが開始され
る。
【0036】ここで、コントロール機構6がコントロー
ルラック5を通じて調量した第1燃料1が燃料噴射ポン
プ4から圧送されている間はニードル弁27が開弁され
ており、その間第2燃料10,12の噴射が続行され
る。
ルラック5を通じて調量した第1燃料1が燃料噴射ポン
プ4から圧送されている間はニードル弁27が開弁され
ており、その間第2燃料10,12の噴射が続行され
る。
【0037】つぎに、第2燃料10,12の噴射の終了
について説明する。第1燃料1の圧送が終了すると、燃
料噴射ポンプ4内のデリバリバルブ(図示せず)により
第一圧力室36内の圧力が急激に低下し、ニードル弁2
7と第二止め弁57とが同時に閉弁されることにより第
2燃料10,12の噴射が終了する。なお、第2燃料1
0,12が特に液体燃料10である場合には、逆止弁5
5をデリバリバルブとして噴射の終了と同時に第二圧力
室37内を低圧又は負圧にすることにより、第2燃料1
0,12の後ダレが防止される。吸い戻された第2燃料
10,12は、流路58及び流路22を経て燃料タンク
11や燃料供給ポンプ17の入口側へ戻る。
について説明する。第1燃料1の圧送が終了すると、燃
料噴射ポンプ4内のデリバリバルブ(図示せず)により
第一圧力室36内の圧力が急激に低下し、ニードル弁2
7と第二止め弁57とが同時に閉弁されることにより第
2燃料10,12の噴射が終了する。なお、第2燃料1
0,12が特に液体燃料10である場合には、逆止弁5
5をデリバリバルブとして噴射の終了と同時に第二圧力
室37内を低圧又は負圧にすることにより、第2燃料1
0,12の後ダレが防止される。吸い戻された第2燃料
10,12は、流路58及び流路22を経て燃料タンク
11や燃料供給ポンプ17の入口側へ戻る。
【0038】以上のように、第2燃料10,12の噴射
期間は、調量と噴射期間がコントロールされている第1
燃料1を噴射した場合と全く同一か、又は、比例して設
定することができる。従って、エンジン運転中に、噴射
する燃料を第1燃料1から第2燃料10,12へ切替
え、又は、その逆が可能となる。なお、第1燃料1を噴
射する場合と第2燃料10,12を噴射する場合とにお
ける発熱量の相違等の修正は、リード部52a,53a
を介して行なう連通部分の面積を変え、又は、第2燃料
10,12の圧送圧力を変えることによって行なえる。
期間は、調量と噴射期間がコントロールされている第1
燃料1を噴射した場合と全く同一か、又は、比例して設
定することができる。従って、エンジン運転中に、噴射
する燃料を第1燃料1から第2燃料10,12へ切替
え、又は、その逆が可能となる。なお、第1燃料1を噴
射する場合と第2燃料10,12を噴射する場合とにお
ける発熱量の相違等の修正は、リード部52a,53a
を介して行なう連通部分の面積を変え、又は、第2燃料
10,12の圧送圧力を変えることによって行なえる。
【0039】また、ニードル弁27に形成された第1燃
料流路40の先端部を燃料噴射孔26に近接したテーパ
面34に開口させておき、ニードル弁27の回動調節
を、ニードル弁27が若干開弁されて第1燃料1が噴射
した直後に流路50と加圧室49と第2燃料流路51と
が連通するようにすることにより、第1燃料1が第2燃
料10,12の噴射に先立って噴射する層状噴射が行な
われる。
料流路40の先端部を燃料噴射孔26に近接したテーパ
面34に開口させておき、ニードル弁27の回動調節
を、ニードル弁27が若干開弁されて第1燃料1が噴射
した直後に流路50と加圧室49と第2燃料流路51と
が連通するようにすることにより、第1燃料1が第2燃
料10,12の噴射に先立って噴射する層状噴射が行な
われる。
【0040】また、第一圧力室36と第二圧力室37と
を常時連通する小径孔(図示せず)を形成することによ
り、第2燃料10,12の圧力によって第一止め弁42
が閉弁された後においても、第1燃料1が毎回の噴射ご
とに第二圧力室37へ供給されることとなり、第1燃料
1と第2燃料10,12との混合噴射を行なえる。な
お、この場合において、第1燃料1の割合を多くし、第
2燃料として水や不活性ガス等を用いることにより、ク
リーンな排出ガスとするための手段として用いることも
できる。
を常時連通する小径孔(図示せず)を形成することによ
り、第2燃料10,12の圧力によって第一止め弁42
が閉弁された後においても、第1燃料1が毎回の噴射ご
とに第二圧力室37へ供給されることとなり、第1燃料
1と第2燃料10,12との混合噴射を行なえる。な
お、この場合において、第1燃料1の割合を多くし、第
2燃料として水や不活性ガス等を用いることにより、ク
リーンな排出ガスとするための手段として用いることも
できる。
【0041】また、第2燃料10,12の噴射時におい
て、ニードル弁27と同期して開閉する第二止め弁57
を設けているため、ニードル弁27が燃料噴射孔26を
開口した状態でスティックした場合であっても、第二止
め弁57の開閉によって不完全ながらも第2燃料10,
12の噴射を継続することができるとともにエンジンの
運転を続行することができ、従って、燃料噴射系が若干
の異常を発生しても余裕をもってエンジンの停止を含む
対処が可能となる。特に、第2燃料として気体燃料12
を使用する場合には、生燃料の吹き抜けによるマフラー
を含む外部での爆発等の事故が防止される。
て、ニードル弁27と同期して開閉する第二止め弁57
を設けているため、ニードル弁27が燃料噴射孔26を
開口した状態でスティックした場合であっても、第二止
め弁57の開閉によって不完全ながらも第2燃料10,
12の噴射を継続することができるとともにエンジンの
運転を続行することができ、従って、燃料噴射系が若干
の異常を発生しても余裕をもってエンジンの停止を含む
対処が可能となる。特に、第2燃料として気体燃料12
を使用する場合には、生燃料の吹き抜けによるマフラー
を含む外部での爆発等の事故が防止される。
【0042】また、第一圧力室36への第1燃料1の流
入を許容する逆止弁(図示せず)を設けることにより、
第1燃料1の圧送が終了した際において、すでに第一圧
力室36に流入している第1燃料1は逆止弁により流路
38側への戻りが阻止される。そして、ニードル弁27
が閉弁され、ついで、第一止め弁42が閉弁される際
に、この第一止め弁42の閉弁動作によって第1燃料1
の一部が第二圧力室37内に低圧で充填される。このた
め、流路50と加圧室49と第2燃料流路51とを連通
させて第2燃料10,12を第二圧力室37へ供給し、
燃料噴射孔26から噴射させる場合には、第2燃料1
0,12の噴射に先立って第1燃料1を噴射する層状噴
射が行なわれる。この場合の第1燃料1の噴射量は常に
一定となって可変できないものであるが、ニードル弁2
7を回動調節するための回動調節機構31やコントロー
ルシャフト32を用いることなく簡単な構造により層状
噴射を達成できる。
入を許容する逆止弁(図示せず)を設けることにより、
第1燃料1の圧送が終了した際において、すでに第一圧
力室36に流入している第1燃料1は逆止弁により流路
38側への戻りが阻止される。そして、ニードル弁27
が閉弁され、ついで、第一止め弁42が閉弁される際
に、この第一止め弁42の閉弁動作によって第1燃料1
の一部が第二圧力室37内に低圧で充填される。このた
め、流路50と加圧室49と第2燃料流路51とを連通
させて第2燃料10,12を第二圧力室37へ供給し、
燃料噴射孔26から噴射させる場合には、第2燃料1
0,12の噴射に先立って第1燃料1を噴射する層状噴
射が行なわれる。この場合の第1燃料1の噴射量は常に
一定となって可変できないものであるが、ニードル弁2
7を回動調節するための回動調節機構31やコントロー
ルシャフト32を用いることなく簡単な構造により層状
噴射を達成できる。
【0043】なお、本実施例においては、主に副室式デ
ィーゼルエンジンに用いられるピン形ノズルと呼ばれる
燃料噴射ノズル3を例に挙げて説明したが、主として直
接噴射式ディーゼルエンジンにおいて用いられるホール
形ノズルと呼ばれる燃料噴射ノズルは燃料噴射孔の形状
が異なるのみであり、本発明を適用することができる。
ィーゼルエンジンに用いられるピン形ノズルと呼ばれる
燃料噴射ノズル3を例に挙げて説明したが、主として直
接噴射式ディーゼルエンジンにおいて用いられるホール
形ノズルと呼ばれる燃料噴射ノズルは燃料噴射孔の形状
が異なるのみであり、本発明を適用することができる。
【0044】
【発明の効果】請求項1乃至6記載の発明においては、
上述のように従来の構造と同一の燃料噴射ポンプやコン
トロール機構をそのまま用いることができ、従って、エ
ンジンの形態を大幅に変更することなく多種燃料噴射装
置を達成することができ、しかも、単気筒のエンジンに
おいても多種燃料噴射を行なわせることができ、さら
に、請求項2記載の発明のように第1燃料流路や第2燃
料流路に逆止弁を設けたことによって第1燃料が加圧室
に逆流することや第2燃料が第一圧力室へ逆流すること
を防止することができ、しかも、これらの逆止弁をデリ
バリバルブとすることによって燃料の後ダレを防止する
ことができ、さらに、請求項3記載の発明のように、ニ
ードル弁の回動位置を変更することにより傾斜カットの
リード部を介して連通される第1燃料を第1燃料貯蔵部
へ戻すための流路や第2燃料を第二圧力室へ供給するた
めの流路の連通部の面積や連通のタイミングを調節する
ことができ、この調節によって第2燃料の噴射量や噴射
タイミングを制御することができ、さらに、請求項4記
載の発明のように第1燃料貯蔵部へ戻る第1燃料の圧力
によって開閉される第二止め弁を第2燃料流路中に設け
たことにより、第2燃料を噴射している運転時にニード
ル弁が燃料噴射孔を開口した状態でスティックを起こし
ても第二止め弁の開閉動作によってエンジンの運転を続
行させることができるとともに第2燃料の吹き抜けによ
るトラブルの発生を防止することができ、さらに、請求
項5記載の発明のように第一圧力室と第二圧力室とを常
時連通する小径孔を設けたことによって第2燃料の圧力
で第一止め弁が閉弁された後においても第一燃料を第二
圧力室へ供給し、第1燃料と第2燃料との混合噴射を行
なわせることができ、さらに、請求項6記載の発明のよ
うに第一圧力室への第1燃料の流入を許容する逆止弁を
設けるという簡単な構造により第1燃料と第2燃料とを
層状噴射させることができる等の効果を有する。
上述のように従来の構造と同一の燃料噴射ポンプやコン
トロール機構をそのまま用いることができ、従って、エ
ンジンの形態を大幅に変更することなく多種燃料噴射装
置を達成することができ、しかも、単気筒のエンジンに
おいても多種燃料噴射を行なわせることができ、さら
に、請求項2記載の発明のように第1燃料流路や第2燃
料流路に逆止弁を設けたことによって第1燃料が加圧室
に逆流することや第2燃料が第一圧力室へ逆流すること
を防止することができ、しかも、これらの逆止弁をデリ
バリバルブとすることによって燃料の後ダレを防止する
ことができ、さらに、請求項3記載の発明のように、ニ
ードル弁の回動位置を変更することにより傾斜カットの
リード部を介して連通される第1燃料を第1燃料貯蔵部
へ戻すための流路や第2燃料を第二圧力室へ供給するた
めの流路の連通部の面積や連通のタイミングを調節する
ことができ、この調節によって第2燃料の噴射量や噴射
タイミングを制御することができ、さらに、請求項4記
載の発明のように第1燃料貯蔵部へ戻る第1燃料の圧力
によって開閉される第二止め弁を第2燃料流路中に設け
たことにより、第2燃料を噴射している運転時にニード
ル弁が燃料噴射孔を開口した状態でスティックを起こし
ても第二止め弁の開閉動作によってエンジンの運転を続
行させることができるとともに第2燃料の吹き抜けによ
るトラブルの発生を防止することができ、さらに、請求
項5記載の発明のように第一圧力室と第二圧力室とを常
時連通する小径孔を設けたことによって第2燃料の圧力
で第一止め弁が閉弁された後においても第一燃料を第二
圧力室へ供給し、第1燃料と第2燃料との混合噴射を行
なわせることができ、さらに、請求項6記載の発明のよ
うに第一圧力室への第1燃料の流入を許容する逆止弁を
設けるという簡単な構造により第1燃料と第2燃料とを
層状噴射させることができる等の効果を有する。
【図1】本発明の一実施例の全体の構成を示す全体構成
図である。
図である。
【図2】燃料噴射ノズルの縦断正面図である。
【図3】燃料噴射ノズルの縦断正面図である。
【図4】燃料噴射ノズルの縦断正面図である。
【図5】燃料噴射ノズルの縦断正面図である。
【図6】燃料噴射ノズルの縦断正面図である。
【図7】ニードル弁を示す正面図である。
【図8】図7におけるA−A線断面図である。
1 第1燃料 2 第1燃料貯蔵部 3 燃料噴射ノズル 4 燃料噴射ポンプ 6 コントロール機構 10,12 第2燃料 16,19 アキュムレータ 25 ノズル本体 26 燃料噴射孔 27 ニードル弁 36 第一圧力室 37 第二圧力室 40 第1燃料流路 42 第一止め弁 44 逆止弁 45 第1燃料戻し流路 46 戻し流路 47 流入孔 48 流出孔 49 加圧室 51 第2燃料流路 52 第2燃料流入孔 52a リード部 53 第2燃料流出孔 53a リード部 55 逆止弁 56 加圧弁 57 第二止め弁
Claims (6)
- 【請求項1】 第1燃料を調量するコントロール機構
と、調量された第1燃料を高圧で送出する燃料噴射ポン
プと、第2燃料を昇圧させるアキュムレータと、燃料噴
射孔を開閉するニードル弁をノズル本体内に摺動自在に
収納した燃料噴射ノズルと、前記ノズル本体内に形成さ
れるとともに第1燃料が供給される第一圧力室と前記燃
料噴射孔に連通された第二圧力室と、前記第一圧力室と
前記第二圧力室とを連通させるとともに前記ニードル弁
内に形成された第1燃料流路と、前記第1燃料流路を開
閉するとともに閉弁方向へ付勢された第一止め弁と、前
記第2燃料が供給されるとともに前記第一止め弁を閉弁
方向へ付勢する力を作用させる加圧室と、前記加圧室と
前記第二圧力室とを連通する第2燃料流路と、第1燃料
を第1燃料貯蔵部へ戻す第1燃料戻し流路と前記第一圧
力室とを連通させるとともに前記第一止め弁に形成され
た戻し流路とを設け、前記加圧室内に第2燃料が供給さ
れる前には前記第一圧力室内の圧力が第一設定圧以上に
上昇することに伴って前記第一止め弁を開弁させるとと
もに前記第一圧力室内の圧力が第二設定圧以上に上昇す
ることに伴って前記ニードル弁を摺動させて前記燃料噴
射孔を開口させ、前記加圧室内に第2燃料が供給された
後には前記第一圧力室内の圧力が第二設定圧以上に上昇
することに伴って前記第一止め弁を閉弁させたままの状
態で前記ニードル弁を摺動させて前記燃料噴射孔を開口
させるとともに前記戻し流路によって前記第一圧力室と
前記第1燃料戻し流路とを連通させるようにしたことを
特徴とする多種燃料噴射装置。 - 【請求項2】 第1燃料流路と第2燃料流路とにそれぞ
れ第二圧力室への燃料の流入を許容する逆止弁を設ける
とともに少なくとも一方の逆止弁をデリバリバルブとし
たことを特徴とする請求項1記載の多種燃料噴射装置。 - 【請求項3】 戻し流路と第一圧力室とを連通させると
ともにニードル弁に形成された流入孔と、前記戻し流路
と第1燃料戻し流路とを連通させるとともに前記ニード
ル弁に形成された流出孔と、加圧室に連通されるととも
に前記ニードル弁に形成された第2燃料流入孔と、前記
加圧室と第2燃料流路とを連通させるとともに前記ニー
ドル弁に形成された第2燃料流出孔との少なくとも一つ
に傾斜カットのリード部を形成し、前記ニードル弁を回
動自在に設けたことを特徴とする請求項1記載の多種燃
料噴射装置。 - 【請求項4】 第1燃料戻し流路中に第1燃料貯蔵部へ
戻る第1燃料を加圧する加圧弁を設け、この加圧弁によ
り加圧された第1燃料の圧力によって開弁する第二止め
弁を第2燃料流路中に設けたことを特徴とする請求項1
記載の多種燃料噴射装置。 - 【請求項5】 第一圧力室と第二圧力室とを常時連通さ
せる小径孔を形成したことを特徴とする請求項1記載の
多種燃料噴射装置。 - 【請求項6】 第一圧力室への第1燃料の流入を許容す
る逆止弁を設けたことを特徴とする請求項1記載の多種
燃料噴射装置。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17865091A JP2610367B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 多種燃料噴射装置 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP17865091A JP2610367B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 多種燃料噴射装置 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0526127A JPH0526127A (ja) | 1993-02-02 |
| JP2610367B2 true JP2610367B2 (ja) | 1997-05-14 |
Family
ID=16052175
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP17865091A Expired - Lifetime JP2610367B2 (ja) | 1991-07-19 | 1991-07-19 | 多種燃料噴射装置 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2610367B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP6164601B2 (ja) * | 2012-12-28 | 2017-07-19 | 国立研究開発法人 海上・港湾・航空技術研究所 | 多種燃料に対応可能な燃料噴射用接続装置、同接続装置を用いた燃料噴射システム、及び同接続装置を用いた接続方法 |
-
1991
- 1991-07-19 JP JP17865091A patent/JP2610367B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0526127A (ja) | 1993-02-02 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19970107 |