<第1実施形態>
以下、本発明を図面に示した実施形態により詳細に説明する。図1は、本発明に係る画像形成装置の一例であるMFP(Multifunction Peripheral/Product/Printer)1の概略構成を説明するための図である。
図1に示す通り、MFP1は、手差しトレイ36および給紙トレイ34を具備する。手差しトレイ36から給紙された印刷用紙(記録媒体の一例)は給紙コロ37により直接レジストローラ23へ搬送される。一方、給紙トレイ34から給紙された印刷用紙は、給紙コロ35により中間ローラ39を経てレジストローラ23へ搬送される。
MFP1は、感光体ドラム14(B、C、M、Y)を具備する。図1に示す通り、感光体ドラム14は、黒色の画像が作像される感光体ドラム14B、シアン色の画像が作像される感光体ドラム14C、マゼンタ色の画像が作像される感光体ドラム14M、および、黄色の画像が作像される感光体ドラム14Yを含む。感光体ドラム14の各々は、書込みユニット16により照射され、印刷される画像に対応した静電潜像が作像される。
レジストローラ23へ搬送された印刷用紙は、感光体ドラム14に作像された静電潜像が当該印刷用紙の先端に一致するタイミングで転写ベルト18(画像担持手段)へ搬送される。転写ベルト18へ搬送された印刷用紙は、転写ベルト18および紙吸着ローラ41によって構成される紙吸着ニップを通過する。また、以上の紙吸着ニップを印刷用紙が通過する際、吸着ローラ41に印加されたバイアスにより転写ベルト18に当該印刷用紙が吸着される。以上の印刷用紙は、例えば、約125mm/secで搬送される。
図1に示す通り、MFP1には複数の転写ブラシ21(B、C、M、Y)が設けられる。以上の転写ブラシ21は、当該転写ブラシ21に対応する感光体ドラム14と転写ベルト18を介して対向する。また、転写ブラシ21には、トナーの帯電極性(マイナス)と逆極性の転写バイアス(プラス)が印加される。
図1に示す通り、転写ベルト18を感光体ドラム14に対して所定圧で保持する加圧ローラ20(B、C、M、Y)が設けられる。感光体ドラム14の画像は、当該感光体ドラム14に対応する転写ブラシ21により、転写ベルト18の画像担持面Mへ転写される。本実施形態では、感光体ドラム14の各々に作像された各色の画像が黄色、黒色、シアン色、マゼンタ色の順に印刷用紙に転写される。
全ての感光体ドラム14の画像が転写された印刷用紙は、駆動ローラ19で転写ベルト18から曲率分離され、定着部24へ搬送される。図1に示す通り、定着部24は、定着ベルト25および加圧ローラ26を含んで構成される。以上の定着部24を印刷用紙が通過することで、当該印刷用紙に転写された画像が定着される。定着部24を通過した印刷用紙は、排紙ローラ31からFDトレイ30へと排出される。
図1に示す通り、MFP1にはフォトセンサ40が設けられる。具体的には、フォトセンサ40(センサ手段)は、転写ベルト18の画像担持面Mに対向して設けられる。フォトセンサ40には画像担持面Mで反射した光が入射する。フォトセンサ40に入射する光の光量に応じて検知情報Dが生成される。検知情報Dは、フォトセンサ40に入射する光の光量に応じて生成される電圧の大きさを示す。
MFP1は、位置補正モード、濃度補正モードまたは傾き補正モード(以下、「補正モード」と総称する場合がある)へ移行可能である。補正モードでは、画像担持面Mに補正用パターンP(特定画像)が形成される(後述の図2(a)参照)。また、補正モードでは、フォトセンサ40により検知される位置へ補正用パターンPが移動する。フォトセンサ40により補正用パターンPが検知されると検知情報Dが変化する(後述の図5(b)参照)。
位置補正モードでは、検知情報Dに応じて、位置ずれ補正が実行される。また、濃度補正モードでは、検知情報Dに応じて、画像担持面Mに形成される画像の濃度が補正(以下、単に「濃度補正」という)される。
以上の位置ずれ補正および濃度補正を高精度に実行するためには、画像担持面Mに対して予め定められた基準角度でフォトセンサ40が設置される必要がある。本実施形態の基準角度は約90度である(後述の図2(b)参照)。以下、上述の基準角度(理想的な角度)と区別するため、画像担持面Mに対するフォトセンサ40の実際の角度を「設置角度」という。
仮に、フォトセンサ40の設置角度が基準角度と相違する場合、設置角度を基準角度に調整する作業(調整作業)が必要になる。しかし、設置角度と基準角度との差の大きさは、目視では判断し難い。
以上の事情を考慮して、本実施形態では、設置角度と基準角度との差の大きさが傾き情報Bとして決定されるとともに、傾き情報Bを報知可能な構成を採用した。以上の傾き情報Bは傾き補正モードにおいて決定される。以上の本実施形態によれば、設置角度と基準角度との差の大きさが容易に把握できる。
図2(a)は、補正用パターンP(Y、B、C、M)を説明するための図である。図2(a)の矢印は、画像担持面Mに形成された画像が移動する方向(以下、単に「移動方向」という)である。図2(a)では、説明のため、各構成の縮尺は適宜に変更して示す。
上述した通り、補正用パターンPは、補正モードにおいて画像担持面Mに形成される。画像担持面Mに形成された補正用パターンPは、移動方向へ予め定められた特定速度(例えば、約125mm/sec)で移動する。図2(a)に示す通り、補正用パターンPは、移動方向からみて転写ベルト18の左端側および右端側の双方に形成される。本実施形態では、2個のフォトセンサ40により、補正用パターンPの各々が検知される。
図2(a)に示す通り、補正用パターンPは、感光体ドラム14Yで形成される黄色画像PY、感光体ドラム14Bで形成される黒色画像PB、感光体ドラム14Cで形成されるシアン色画像PCおよび感光体ドラム14Mで形成されるマゼンタ色画像PMを含む。補正用パターンPの各画像は、例えば、略矩形の細長い画像であり、長辺が移動方向と略垂直に形成される。なお、補正用パターンPは上述の例に限定されない。例えば、補正用パターンPの各画像の長辺が移動方向に対して傾いている構成としてもよい。
補正用パターンPの各画像は、フォトセンサ40からみて黄色画像PY、黒色画像PB、シアン色画像PC、マゼンタ色画像PMの順序で移動方向に沿って形成される。以上の構成では、補正用パターンPが移動方向へ移動した場合、補正用パターンPの各画像のうち黄色画像PYが最初にフォトセンサ40で検知される。その後、黒色画像PB、シアン色画像PC、マゼンタ色画像PMの順にフォトセンサ40で検知される。補正用パターンPがフォトセンサ40で検知されると、上述した検知情報Dの大きさが変化する(後述の図5(b)参照)。
図2(b)は、本実施形態のフォトセンサ40の詳細な構成を説明するための図である。なお、図2(b)には、フォトセンサ40の断面図および転写ベルト18(画像担持面M)の一部分が示される。また、図2(b)には、画像担持面Mに形成された画像(補正用パターンP)が移動する移動方向が矢印で示される。
図2(b)に示す通り、フォトセンサ40には、発光素子41および受光素子(第1受光素子42、第2受光素子43)含む各光電素子が設けられる。フォトセンサ40の各光電素子は、図2(b)に示す順序(第1受光素子42、発光素子41、第2受光素子43の順序)で移動方向へ一列に設けられる。また、フォトセンサ40にはスリットSが設けられる。発光素子41から出射された光は、画像担持面Mで反射し、スリットSを通過して受光素子に入射する。
図2(b)に示す通り、フォトセンサ40の受光素子は、第1受光素子42および第2受光素子43を含む。仮に、画像担持面Mに対してフォトセンサ40が基準角度(約90度)で設置される場合を想定する。以上の場合、第1受光素子42には、発光素子41から出射された光のうち、画像担持面Mまたは画像担持面Mに形成された画像で正反射した光が入射される。一方、第2受光素子43には、発光素子41から出射された光のうち、画像担持面Mまたは画像担持面Mに形成された画像で拡散反射した光が入射される。
受光素子に光が入射した場合、当該光の光量に応じた検知情報D(1、2)が生成される。具体的には、第1受光素子42に入射した光の光量に応じて、第1検知情報D1が生成される。また、第2受光素子43に入射した光の光量に応じて、第2検知情報D2が生成される。
以上の本実施形態において、第1受光素子42は、上述の位置ずれ補正のために設けられる。また、第2受光素子43は、上述の濃度補正のために設けられる。詳細には後述するが、上述の傾き情報Bを決定する際は、第1受光素子42および第2受光素子43の双方が用いられる。
図3は、MFP1のハードウェア構成図である。図3に示されているように、MFP1は、コントローラ210、近距離通信回路220、エンジン制御部230、操作パネル240、ネットワークI/F250を備えている。
コントローラ210は、コンピュータの主要部であるCPU201、システムメモリ(MEM-P)202、ノースブリッジ(NB)203、サウスブリッジ(SB)204、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)206、記憶部であるローカルメモリ(MEM-C)207、HDDコントローラ208、及び、記憶部であるHD209を有し、NB203とASIC206との間をAGP(Accelerated Graphics Port)バス221で接続した構成となっている。
CPU201は、MFP1の全体制御を行う制御部である。NB203は、CPU201と、MEM-P202、SB204、及びAGPバス221とを接続するためのブリッジであり、MEM-P202に対する読み書きなどを制御するメモリコントローラと、PCI(Peripheral Component Interconnect)マスタ及びAGPターゲットとを有する。
MEM-P202は、コントローラ210の各機能を実現させるプログラムやデータの格納用メモリであるROM202a、プログラムやデータの展開、及びメモリ印刷時の描画用メモリなどとして用いるRAM202bとからなる。なお、RAM202bに記憶されているプログラムは、インストール可能な形式又は実行可能な形式のファイルでCD-ROM、CD-R、DVD等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して提供するように構成してもよい。
SB204は、NB203とPCIデバイス、周辺デバイスとを接続するためのブリッジである。ASIC206は、画像処理用のハードウェア要素を有する画像処理用途向けのIC(Integrated Circuit)であり、AGPバス221、PCIバス222、HDD208およびMEM-C207をそれぞれ接続するブリッジの役割を有する。
ASIC206は、PCIターゲットおよびAGPマスタ、ASIC206の中核をなすアービタ(ARB)、MEM-C207を制御するメモリコントローラ、ハードウェアロジックなどにより画像データの回転などを行う複数のDMAC(Direct Memory Access Controller)、並びに、スキャナ部231及びプリンタ部232との間でPCIバス222を介したデータ転送を行うPCIユニットとからなる。なお、ASIC206には、USB(Universal Serial Bus)のインターフェースや、IEEE1394(Institute of Electrical and Electronics Engineers 1394)のインターフェースを接続するようにしてもよい。
MEM-C207は、コピー用画像バッファ及び符号バッファとして用いるローカルメモリである。HD209は、画像データの蓄積、印刷時に用いるフォントデータの蓄積、フォームの蓄積を行うためのストレージである。HD209は、CPU201の制御にしたがってHD209に対するデータの読出又は書込を制御する。AGPバス221は、グラフィック処理を高速化するために提案されたグラフィックスアクセラレータカード用のバスインタフェースであり、MEM-P202に高スループットで直接アクセスすることにより、グラフィックスアクセラレータカードを高速にすることができる。
また、近距離通信回路220には、近距離通信回路220aが備わっている。近距離通信回路220は、NFC、Bluetooth(登録商標)等の通信回路である。更に、エンジン制御部230は、スキャナ部231及びプリンタ部232によって構成されている。また、操作パネル240は、現在の設定値や選択画面等を表示させ、操作者からの入力を受け付けるタッチパネル等のパネル表示部240a、並びに、濃度の設定条件などの画像形成に関する条件の設定値を受け付けるテンキー及びコピー開始指示を受け付けるスタートキー等からなる操作パネル240bを備えている。
コントローラ210は、MFP1全体の制御を行い、例えば、描画、通信、操作パネル240からの入力等を制御する。スキャナ部231又はプリンタ部232には、誤差拡散やガンマ変換などの画像処理部分が含まれている。
なお、MFP1は、操作パネル240のアプリケーション切り替えキーにより、ドキュメントボックス機能、コピー機能、プリンタ機能、およびファクシミリ機能を順次に切り替えて選択することが可能となる。ドキュメントボックス機能の選択時にはドキュメントボックスモードとなり、コピー機能の選択時にはコピーモードとなり、プリンタ機能の選択時にはプリンタモードとなり、ファクシミリモードの選択時にはファクシミリモードとなる。
また、ネットワークI/F250は、通信ネットワークを利用してデータ通信をするためのインターフェースである。近距離通信回路220及びネットワークI/F250は、PCIバス222を介して、ASIC206に電気的に接続されている。
図4は、画像形成装置100(MFP1)の機能ブロック図である。図4に示す通り、画像形成装置100は、画像形成部101、画像移動部102、検知情報生成部103(a、b)、時間差情報生成部104、傾き情報テーブル記憶部105、傾き情報決定部106、傾き補正モード移行部107、位置補正モード移行部108、位置補正部109、濃度補正モード移行部110および濃度補正部111として機能する。上述のCPU201がプログラムを実行することで、以上の各機能が実現される。また、画像形成装置100は、画像担持手段として機能する上述の転写ベルト18およびセンサ手段として機能するフォトセンサ40を具備する。
画像形成部101は、各種の画像を画像担持面Mに形成する。例えば、上述した画像データに応じた画像を画像担持面Mに形成する。画像担持面に形成された画像は、上述した通り、印刷用紙に転写される。また、画像形成部101は、補正モード(位置補正モード、濃度補正モード、傾き補正モード)に移行した場合、上述の補正用パターンPを画像担持面Mに形成する(図2(a)参照)。
画像移動部102は、補正モードにおいて、補正用パターンPを予め定められた特定速度で移動させる。具体的には、画像移動部102は、フォトセンサ40により画像が検知可能な領域(検知領域)へ補正用パターンPを移動させる。
検知情報生成部103は、補正モードにおいて、フォトセンサ40の受光素子(42、43)に入射した光の光量に応じた検知情報Dを生成する。具体的には、検知情報生成部103は、第1検知情報生成部103aおよび第2検知情報生成部103bを含む。第1検知情報生成部103aは、フォトセンサ40の受光素子のうち第1受光素子42に入射した光の光量に応じた第1検知情報D1を生成する。第2検知情報生成部103bは、フォトセンサ40の受光素子のうち第2受光素子43に入射した光の光量に応じた第2検知情報D2を生成する。
時間差情報生成部104は、傾き補正モードにおいて時間差情報Aを生成する。詳細には後述するが、時間差情報Aは、フォトセンサ40により画像が検知される検知領域へ補正用パターンPが特定速度で移動した場合において、第1検知情報D1が予め定められた閾値(閾値電圧Vt)に達してから第2検知情報D2が予め定められた閾値(閾値電圧Vt)に達するまでの時間差を特定可能な数値である(後述の図5(b)参照)。
以上の時間差情報Aは、画像担持面Mに対するフォトセンサ40の設置角度に応じて変化する。すなわち、フォトセンサ40の設置角度が基準角度の場合と、設置角度が基準角度からずれた場合とでは、時間差情報Aが相違する。具体的には、設置角度と基準角度との差が大きいほど(傾きが大きいほど)時間差情報Aは大きくなる。以上の時間差情報Aによれば、設置角度と基準角度との差を特定(推測)可能である。
傾き情報テーブル記憶部105は、時間差情報テーブル(T)を予め記憶する。上述した通り、時間差情報Aによれば、フォトセンサ40の設置角度と基準角度との差が特定される。傾き情報テーブルは、複数の時間差情報Aを複数の傾き情報Bに対応させる(後述の図7参照)。時間差情報Aに対応する傾き情報Bは、当該時間差情報Aから推測される設置角度と基準角度との差を示す。
傾き情報決定部106は、時間差情報Aが生成された場合、傾き情報テーブルから当該時間差情報Aに対応する傾き情報Bを決定する。本実施形態では、傾き情報決定部106が決定した傾き情報Bが報知される。例えば、傾き情報決定部106が決定した傾き情報Bは、上述のパネル表示部240aに表示される。
以上の本実施形態によれば、作業者は、パネル表示部240aに表示される傾き情報Bが示す角度だけフォトセンサ40の設置角度を調整し、フォトセンサ40の設置角度を基準角度に修正出来る。なお、傾き情報Bを報知するための構成は上述の例に限定されない。例えば、画像形成装置100にデバックコンソールを接続可能とし、当該デバックコンソールのディスプレイに傾き情報Bを表示可能な構成としてもよい。
傾き補正モード移行部107は、画像形成装置100を傾き補正モードへ移行させる。例えば、画像形成装置100へ電源が供給開始された契機で、画像形成装置100が傾き補正モードへ移行する。ただし、傾き補正モードへ移行する契機は上述の例に限定されない。例えば、利用者の操作に応じて傾き補正モードへ移行する構成としてもよい。傾き補正モードでは、上述の時間差情報Aが生成され、当該時間差情報Aに対応する傾き情報Bが決定される。
位置補正モード移行部108は、画像形成装置100を位置補正モードへ移行させる。詳細な説明は省略するが、位置補正部109は、位置補正モードにおいて、第1検知情報D1に応じて、画像形成部101が画像を形成開始する画像担持面Mにおける位置を補正する。以上の構成としては、例えば特開2014-59476号公報に記載の技術が好適に採用される得る。
濃度補正モード移行部110は、画像形成装置100を濃度補正モードへ移行させる。詳細な説明は省略するが、濃度補正部111は、濃度補正モードにおいて、第2検知情報D2に応じて、画像形成部101が形成する画像の濃度を補正する。以上の構成としては、例えば上述の特開2014-59476号公報に記載の技術が好適に採用され得る。なお、位置補正モードへ移行する契機および濃度補正モードへ移行する契機は適宜に設定される。例えば、印刷用紙に画像が転写される直前に、位置補正モードおよび濃度補正モードへ移行する構成が考えられる。
図5(a)および図5(b)は、傾き補正モードの具体例を説明するための図である。図5(a)および図5(b)の具体例では、フォトセンサ40の設置角度が基準角度からずれていない場合を想定する。すなわち、フォトセンサ40が画像担持面Mに対して約90度で設置される場合を想定する(上述の図2(b)参照)。
図5(a)には、傾き補正モードにおける画像担持面Mの一部分が抜粋して示される。また、図5(a)には、フォトセンサ40の検知領域R(1、2)の外縁(視野径)が破線で示される。図5(a)に示す通り、検知領域Rは第1検知領域R1および第2検知領域R2を含む。
フォトセンサ40の発光素子41から照射された光のうち、第1検知領域R1で反射した光は第1受光素子42に入射可能である。すなわち、第1検知領域R1は、第1受光素子42の視野径とも換言される。一方、フォトセンサ40の発光素子41から照射された光のうち、第2検知領域R2で反射した光は、第2受光素子43に入射可能である。すなわち、第2検知領域R2は、第2受光素子43の視野径とも換言される。
本実施形態では、説明のため、第1検知領域R1の移動方向逆側の端部を端部E1という。また、フォトセンサ40が基準角度で設置される場合の端部E1を端部E1xと記載する場合がある。同様に、第2検知領域R2の移動方向逆側の端部を端部E2という。また、フォトセンサ40が基準角度で設置される場合の端部E2を端部E2xと記載する場合がある。図5(a)に示す通り、端部E1xから端部E2xまでの移動方向上の距離は距離dxである。
傾き補正モードでは、画像担持面Mに補正用パターンPが形成される。図5(a)の具体例では、補正用パターンPのうち黄色画像PYが抜粋して示される。補正用パターンPは、上述の検知領域Rへ特定速度で移動する。以下、説明のため、補正用パターンPのうち最初に検知領域Rに到達する部分(黄色画像PYの移動方向側の長辺)を端部Peという場合がある。本実施形態では、補正用パターンPが移動開始する時点での画像担持面M上の端部Peの位置は予め定められている。また、補正用パターンPの移動が開始されてからの時間がタイマによりカウントされる。
図5(b)は第1検知情報D1および第2検知情報D2の、傾き補正モードにおける時間変化を説明するための図である。図5(b)には、補正用パターンPの移動開始後の各時点における第1検知情報D1および第2検知情報D2の大きさ(電圧)が示される。また、図5(b)には、閾値電圧Vtが示される。
発光素子41からの光が補正パターンP(端部Pe)に照射されるまで、第1受光素子41へ入射する光の光量は略一定である。したがって、発光素子41からの光が補正パターンPに照射されるまで、第1検知情報D1は変化しない。同様に、発光素子41からの光が補正パターンPに照射されるまで、第2受光素子43へ入射する光の光量は略一定である。したがって、発光素子41からの光が補正パターンPに照射されるまで、第2検知情報D2は変化しない。本実施形態では、第2検知情報D2は、発光素子41からの光が補正パターンPに照射されるまで電圧Vbで略一定である。
補正用パターンPの移動開始後、発光素子41からの光が補正パターンPに照射された場合、発光素子4からの光が拡散反射し、第2検知情報D2の電圧が上昇を開始する。その後、第2検知情報D2の電圧は、閾値電圧Vtに達する。本実施形態では、補正用パターンPの移動を開始してから第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達するまでの時間を時間T2という。
補正用パターンPの移動開始後、発光素子41の光が補正用パターンPで拡散反射すると、第1受光素子42へ入射する光量が減少し、第1検知情報D1の電圧が減少する。その後、第1検知情報D1は閾値電圧Vtに達する。本実施形態では、補正用パターンPの移動を開始してから第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達するまでの時間を時間T1という。
第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達するまでの時間T1、および、第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達するまでの時間T2は、画像形成装置100により記憶される。また、画像形成装置100(時間差情報生成部104)は、時間T1から時間T2を減算し、減算結果を時間差情報Aとして記憶する(T1-T2=A)。
図5(b)に示す通り、本実施形態のフォトセンサ40では、設置角度が基準角度の場合、第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達するまでの時間T1、および、第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達するまでの時間T2の差は、略2.2ミリ秒になる。したがって、フォトセンサ40の設置角度が基準角度の場合、時間差情報Aは略数値「2.2」になる。
図6(a)は、フォトセンサ40の設置角度が基準角度からずれている場合を説明するための図である。本実施形態では、説明のため、設置角度と基準角度との差を「傾きθ」と記載する場合がある。画像形成装置100(傾き情報決定部106)は、傾き補正モードにおいて、傾きθを示す傾き情報Bを決定可能である。
図6(b)および図6(c)は、傾き補正モードの他の具体例を説明するための図である。上述の図5(a)および図5(b)の具体例では、フォトセンサ40の設置角度が基準角度からずれていない場合を想定した。図6(b)および図6(c)の具体例では、上述の図6(a)の具体例と同様に、フォトセンサ40の設置角度が基準角度からずれている場合を想定する。
図6(b)には、上述の図5(a)と同様に、傾き補正モードにおける画像担持面Mの一部分が抜粋して示され、フォトセンサ40の検知領域R(1、2)の外縁(視野径)が破線で示される。
本実施形態では、説明のため、フォトセンサ40の設置角度が基準角度からずれている場合の端部E1(第1検知領域R1の移動方向逆側の端部)を端部E1yと記載する場合がある。また、フォトセンサ40の設置角度が基準角度からずれている場合の端部E2(第2検知領域R2の移動方向逆側の端部)を端部E2yと記載する場合がある。図6(b)に示す通り、端部E1yから端部E2yまでの移動方向上の距離は距離dyである。
フォトセンサ40の設置角度が基準角度からずれている場合、第1検知領域R1(第1受光素子42の視野径)の移動方向における位置が変化する。また、第2検知領域R2(第2受光素子43の視野径)の移動方向における位置が変化する。以上の場合、第1検知領域R1および第2検知領域R2の移動方向における位置関係が変化する。
例えば、フォトセンサ40の設置角度が基準角度の状態(上述の図2(b)の状態)からフォトセンサ40の設置角度が基準角度から傾きθずれた状態(上述の図6(a)の状態)へ変化した場合を想定する。以上の場合、図6(b)に示す通り、第1検知領域R1の端部E1から第2検知領域R2の端部E2までの距離は、距離dx(図5(a)参照)から距離dyへ変化する(長くなる)。
詳細には後述の図6(c)を用いて説明するが、第1検知領域R1および第2検知領域R2の移動方向における位置関係が変化すると、第1検知情報D1および第2検知情報D2の位相差が変化する。すなわち、第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達するまでの時間T1と、第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達するまでの時間T2との差である時間差情報Aが変化する。
図6(c)は、上述の図5(b)と同様に、第1検知情報D1および第2検知情報D2の時間変化を説明するための図である。ただし、図5(b)は、フォトセンサ40の設置角度が基準角度である場合を想定するのに対し、図6(c)は、フォトセンサ40の設置角度が基準角度からずれている場合を想定する。具体的には、図6(c)は、上述の図6(a)に示す態様でフォトセンサ40が傾いた具体例を想定する。
以上の図6(c)の具体例では、上述の図5(b)に示したフォトセンサ40の設置角度が基準角度である具体例と比較して、第1検知情報D1および第2検知情報D2の位相差が大きくなる。したがって、第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達するまでの時間T1と第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達するまでの時間T2との差が大きくなる。すなわち、フォトセンサ40の設置角度が基準角度である場合と比較して、設置角度が基準角度からずれている場合(傾きθ>0度)は時間差情報Aが大きくなる。
以上の説明から理解される通り、フォトセンサ40の設置角度と基準角度との差(傾きθ)に応じて、時間差情報Aが変化する。出願人は、傾きθと時間差情報Aとが一定の関係性を有することに着目した。以上の関係性から、時間差情報Aから傾きθを特定(推測)出来る。本実施形態の画像形成装置100(傾き情報テーブル記憶部105)は、以上の関係性に基づいて予め特定された傾き情報Bと時間差情報Aとを対応させる傾き情報テーブルを記憶する。
図7は、傾き情報テーブルの概念図である。図7に示す通り、傾き情報テーブルは、時間差情報Aおよび当該時間差情報Aに対応する傾き情報Bを含んで構成される。画像形成装置100(傾き情報決定部106)は、傾き補正モードにおいて時間差情報Aが生成された場合、傾き情報テーブルを参照して傾き情報Bを決定する。
例えば、フォトセンサ40の傾きθが略0度(設置角度=基準角度=90度)であると仮定する。以上の場合、本実施形態のフォトセンサ40では、第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達するまでの時間T1と第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達するまでの時間T2との差が略2.2ミリ秒になる。以上の事情を考慮して、本実施形態では、時間差情報A(T1-T2)が範囲「1.45≦A<2.95」(数値「2.2」を含む)の場合、傾きθが略0度であることを示す傾き情報「0」が決定される。
また、フォトセンサ40の傾きθが略1度であると仮定する。以上の場合、本実施形態のフォトセンサ40では、第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達するまでの時間T1と第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達するまでの時間T2との差が略3.7ミリ秒になる。以上の事情を考慮して、時間差情報A(T1-T2)が範囲「2.95≦A<4.45」(数値「3.7」を含む)の場合、傾きθが略1度であることを示す傾き情報「1」が決定される。
フォトセンサ40の傾きθが略2度であると仮定する。以上の場合、本実施形態のフォトセンサ40では、第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達するまでの時間T1と第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達するまでの時間T2との差が略5.2ミリ秒になる。以上の事情を考慮して、時間差情報A(T1-T2)が範囲「4.45≦A<5.95」(数値「5.2」を含む)の場合、傾きθが略2度であることを示す傾き情報「2」が決定される。
同様に、フォトセンサ40の傾きθが略3度の場合、本実施形態のフォトセンサ40では、時間T1と時間T2との差が略6.7ミリ秒になる。以上の事情を考慮して、時間差情報Aが範囲「5.95≦A<7.45」(数値「6.7」を含む)の場合、傾きθが略3度であることを示す傾き情報「3」が決定される。また、フォトセンサ40の傾きθが略4度の場合、本実施形態のフォトセンサ40では、時間T1と時間T2との差が略8.2ミリ秒になる。以上の事情を考慮して、時間差情報Aが範囲「7.45≦A<8.95」(数値「8.2」を含む)の場合、傾きθが略4度であることを示す傾き情報「4」が決定される。
フォトセンサ40の傾きθが略5度の場合、本実施形態のフォトセンサ40では、時間T1と時間T2との差が略9.7ミリ秒になる。以上の事情を考慮して、時間差情報Aが範囲「8.95≦A<10.45」(数値「9.7」を含む)の場合、傾きθが略5度であることを示す傾き情報「5」が決定される。なお、数値「0~5」以外の傾き情報が決定可能な構成としてもよい。また、傾き補正モードにおける補正用パターンPの移動速度、フォトセンサ40の構造等を考慮して、時間差情報Aおよび傾き情報Bは適宜に設定される。上述した通り、画像形成装置100は、傾き情報決定部106が決定した傾き情報を報知可能である。
以上の本実施形態によれば、作業者は、報知された傾き情報Bが示す角度だけフォトセンサ40の設置角度を調整することで、フォトセンサ40の設置角度を基準角度に修正出来る。したがって、例えば傾き情報Bが決定されない構成と比較して、フォトセンサ40の設置角度の調整が容易になる。
また、本実施形態の傾き情報Bは、フォトセンサ40の傾きθと時間差情報Aとの関係性から予め求められ記憶される。したがって、補正モードにおける傾き情報Bを決定するのに要する演算処理(例えば、時間T1から時間T2を減算する処理)が比較的簡単になるため、傾き情報Bが決定されるまでの処理量が削減されるという利点がある。
なお、本実施形態では、時間T1が記憶される閾値電圧Vtおよび時間T2が記憶される閾値電圧Vtを共通とした。しかし、時間T1が記憶される閾値電圧Vtおよび時間T2が記憶される閾値電圧Vtが相違する構成としてもよい。以上の構成で生成された時間差情報Aからも、フォトセンサ40の設置角度と基準角度との差が特定(推測)出来る。以上の構成では、本実施形態と同様に、時間差情報Aから特定される設置角度と基準角度との差を示す傾き情報Bが当該時間差情報Aと対応して記憶される。
図8は、傾き補正モード処理のフローチャートである。画像形成装置100(CPU201)は、傾き補正モードへ移行すると傾き補正モード処理を開始する。
傾き補正モード処理を開始すると、画像形成装置100は、開始時処理(S101)を実行する。開始時処理では、画像担持面M(転写ベルト18)に補正用パターンPが形成され、その後、当該補正用パターンPが移動を開始する。上述した通り、補正用パターンPは予め定められた特定速度で移動する。また、補正用パターンPが移動を開始したことに伴い、タイマの更新を開始する。以上のタイマは、検知情報D(1、2)が閾値電圧Vtに達するまでの時間T(1、2)の計測に用いられる。
画像形成装置100は、開始時処理を実行した後に、第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達したか否かを判定する(S102)。画像形成装置100は、第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達したと判断するまでステップ102を繰返し実行する(S102:NO)。第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達したと判断した場合(S102:YES)、画像形成装置100は、上述のタイマの現在値を時間T2として記憶する(S103)。
時間T2を記憶した後に、画像形成装置100は、第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達したか否かを判定する(S104)。画像形成装置100は、第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達したと判断するまでステップ104を繰返し実行する(S104:NO)。第1検知情報D1が閾値電圧Vtに達したと判断した場合(S104:YES)、画像形成装置100は、上述のタイマの現在値を時間T1として記憶する(S105)。
時間T1を記憶した後に、画像形成装置100は、時間差情報生成処理(S106)を実行する。時間差情報生成処理では、時間差情報Aが生成される。具体的には、時間差情報生成処理において、画像形成装置100は、上述のステップS103で記憶した時間T2をステップS105で記憶した時間T1に減算し、減算結果を時間差情報Aとして記憶する(T1-T2=A)。
時間差情報生成処理を実行した後に、画像形成装置100は、傾き情報決定処理(S107)を実行する。傾き情報決定処理では、傾き情報Bが決定される。具体的には、傾き情報決定処理において、上述の時間差情報生成処理で生成した時間差情報Aに対応する傾き情報Bが傾き情報テーブル(上述の図7参照)を用いて決定される。
傾き情報決定処理を実行した後に、画像形成装置100は、傾き情報報知処理(S108)を実行する。画像形成装置100は、傾き情報報知処理において、上述した傾き情報決定処理で決定した傾き情報Bを報知する。具体的には、傾き情報決定処理で決定された傾き情報Bがパネル表示部240aに表示される。例えば、画像形成装置100は、パネル表示部240aに対して所定の操作がされた場合、傾き情報Bを非表示にして傾き補正モード処理を終了する。
<第2実施形態>
本発明の他の実施形態を以下に説明する。なお、以下に例示する各形態において作用や機能が第1実施形態と同等である要素については、第1実施形態の説明で参照した符号を流用して各々の詳細な説明を適宜に省略する。
第2実施形態の画像形成装置100は、第1実施形態の画像形成装置100と同様に、画像形成部101、画像移動部102、検知情報生成部103(a、b)、時間差情報生成部104、傾き情報テーブル記憶部105、傾き情報決定部106、傾き補正モード移行部107、位置補正モード移行部108、位置補正部109、濃度補正モード移行部110および濃度補正部111を具備する(上述の図4参照)。
第2実施形態の画像形成装置100は、上述の各構成に加え、光量調整部を具備する。光量調整部は、フォトセンサ40の発光素子41から出射される光の光量を調整する。例えば、光量調整部は、濃度補正モードにおいて、発光素子41から出射される光の光量を、画像担持面Mに形成される画像の濃度が高精度に補正できる大きさに調整する。以上の濃度補正モードで生成される第2検知情報D2の波形は正弦波になる(上述の図5(b)と同様)。
ところで、仮に第2検知情報D2にノイズが重畳した場合、第2検知情報D2が閾値電圧Vtに本来達する時点より前に、第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達したと判断され得る。以上の場合、時間T2(時間差情報A)に誤差が生じ、正確な傾き情報Bが決定されない不都合が生じ得る。
以上の不都合を抑制するため、第2実施形態の光量調整部は、濃度補正モードにおける発光素子41の光量と比較して、傾き補正モードにおける発光素子41の光量を大きくする構成とした。具体的には、傾き補正モードにおける第2検知情報D2が矩形波となる様に、発光素子41の光量を調整可能な構成を採用した。
図9は、第2実施形態の傾き補正モードにおける検知情報(第1検知情報D1、第2検知情報D2)の時間変化を説明するための図である。図9は、第1実施形態で説明した図5(b)に対応する。
図9に示す通り、傾き補正モードの第2検知情報D2は矩形波になる。以上の第2検知情報D2は、増加を開始した直後(略同時)に閾値電圧Vtに達する。すなわち、仮に第2検知情報D2が正弦波の場合(第1実施形態の図5(b)参照)と比較して、第2検知情報D2が増加を開始してから閾値電圧Vtに達するまでの期間が短くなるため、当該期間においてノイズが第2検知情報D2に重畳し難くなる。
以上の第2実施形態によれば、第2検知情報D2が閾値電圧Vtに本来達する時点より前に、第2検知情報D2が閾値電圧Vtに達したと判断され難くなる。したがって、時間T2(時間差情報A)の誤差が抑制されるという効果が奏せられる。
<本実施形態の態様例の作用、効果のまとめ>
<第1態様>
本態様の画像形成装置200は、特定画像を含む各種の画像を形成する画像形成手段(画像形成部101)と、画像形成手段により形成された画像を担持する画像担持面(M)が設けられる画像担持手段(転写ベルト18)と、画像担持面における第1検知領域(R1)および第2検知領域(R2)へ特定画像を移動させる画像移動手段(画像移動部102)と、画像担持面へ検知光を出射する発光素子(41)、第1検知領域で反射した検知光が入射する第1受光素子(42)、および、第2検知領域で反射した検知光が入射する第2受光素子(43)を備え、画像担持面に対して設置角度で対向するセンサ手段(フォトセンサ40)と、第1受光素子に入射した検知光の光量に応じた第1検知情報(D1)、および、第2受光素子に入射した検知光の光量に応じた第2検知情報(D2)を含む検知情報を生成する検知情報生成手段(検知情報生成部103)と、画像移動手段が特定画像を移動した際の第1検知情報が予め定められた閾値に達した時点から第2検知情報が予め定められた閾値に達した時点までの時間差に応じて、時間差情報(A)を生成する時間差情報生成手段(時間差情報生成部104)と、設置角度と基準角度との差を示す傾き情報(B)に時間差情報を対応させた傾き情報テーブル(T)を予め記憶する傾き情報テーブル記憶手段(傾き情報テーブル記憶部105)と、傾き情報テーブルを利用して、時間差情報生成手段が生成した時間差情報に対応する傾き情報を決定する傾き情報決定手段(傾き情報決定部106)とを具備することを特徴とする。
<第2態様>
本態様の画像形成装置200は、検知情報に応じて、画像形成手段が形成する画像の濃度を補正可能な濃度補正手段を具備することを特徴とする。以上の態様では、画像の濃度を補正するためのセンサ手段と、時間差情報を生成するためのセンサ手段とを共通に出来るという利点がある。
<第3態様>
本態様の画像形成装置200は、時間差情報を生成するための検知情報が生成される場合、濃度補正手段が画像の濃度を補正するための検知情報が生成される場合と比較して、発光素子から出射される光の光量を大きくする光量調整手段を具備することを特徴とする。以上の構成では、濃度補正手段が画像の濃度を補正するための検知情報を適切な強度に維持しつつ、時間差情報を生成するための検知情報を矩形波にすることで、時間差情報の誤差を抑制出来る。
<第4態様>
本態様の画像形成装置の制御方法は、各種の画像が形成される画像担持面が設けられる画像担持手段と、画像担持面へ検知光を出射する発光素子、画像担持面の第1検知領域で反射した検知光が入射する第1受光素子、および、画像担持面の第2検知領域で反射した検知光が入射する第2受光素子を備え、画像担持面に対して設置角度で対向するセンサ手段とを具備する画像形成装置の制御方法であって、第1受光素子に入射した検知光の光量に応じた第1検知情報、および、第2受光素子に入射した検知光の光量に応じた第2検知情報を含む検知情報を生成するステップと、特定画像を画像担持面に形成するステップと、第1検知領域および第2検知領域へ特定画像を移動させるステップと、第1検知領域および第2検知領域へ特定画像が移動した際の第1検知情報が予め定められた閾値に達するまでの時間と、第2検知情報が予め定められた閾値に達するまでの時間との時間差に応じて、時間差情報を生成するステップと、設置角度と基準角度との差を示す傾き情報に時間差情報を対応させた傾き情報テーブルを利用して、生成された時間差情報に対応する傾き情報を決定するステップとを具備することを特徴とする。以上の画像形成装置の制御方法によれば、上述の第1態様と同様な効果が奏せられる。
<第5態様>
本態様のプログラムは、上述の第4態様の画像形成装置の制御方法における各ステップをコンピュータに実行させることを特徴とする。以上のプログラムによれば、上述の第1態様と同様な効果が奏せられる。