本発明に係る第1の態様の加熱調理器は、
被調理物を加熱する加熱庫と、
前記加熱庫の内部の被調理物に対する加熱調理条件を設定する設定部と、
前記加熱庫の天井壁を加熱し、前記天井壁から前記加熱庫に対して熱放射するよう構成された輻射加熱部と、
前記加熱庫の内部に配置され、被調理物を載置する反射型調理皿と、
前記天井壁の温度を検知する天井壁温度検出部と、
前記設定部からの加熱調理条件情報および前記天井壁温度検出部からの温度情報に基づいて前記輻射加熱部を駆動制御する加熱制御部と、を備え、
前記反射型調理皿の天井側は、金属粉末を含有し、前記輻射加熱部からの熱放射を上方の前記天井壁の方向へ反射する熱反射層を有する構成である。
このように構成された第1の態様の加熱調理器は、定格電力内において、輻射加熱部を加熱調理手段として用いて加熱調理を効率高く行うことができ、加熱庫の庫内温度を設定温度まで早く立ち上げることが可能な構成である。
本発明に係る第2の態様の加熱調理器においては、前記の第1の態様における前記熱反射層の金属粉末が、少なくともチタン粉末またはアルミニウム粉末でもよい。
本発明に係る第3の態様の加熱調理器においては、前記の第1または第2の態様における前記天井壁が、加熱庫側が凹面となり、前記天井壁の中央部分が最も凹んだ3次元曲面形状を有し、前記天井壁からの熱放射が前記加熱庫の内部の前記反射型調理皿の上面を照射するよう構成されてもよい。
本発明に係る第4の態様の加熱調理器においては、前記の第1乃至第3の態様のいずれかの態様における前記加熱庫の底面側に設けられ、前記加熱庫の内部の前記反射型調理皿に対してマイクロ波加熱を行うためのマイクロ波加熱部を更に備え、
前記反射型調理皿の下面側は、マイクロ波を吸収して発熱する発熱体で構成されてもよい。
本発明に係る第5の態様の加熱調理器においては、前記の第4の態様における前記反射型調理皿の下面側の発熱体が、フェライト粉末を含有した組成物で構成されてもよい。
本発明に係る第6の態様の加熱調理器においては、前記の第1乃至第5の態様のいずれかの態様における前記加熱庫の側面を構成する壁面が、金属粉末を含有し、前記輻射加熱部からの熱放射を反射する側面熱反射層を有してもよい。
本発明に係る第7の態様の加熱調理器においては、前記の第6の態様における前記側面熱反射層が、少なくともチタン粉末またはアルミニウム粉末の金属粉末を含有する構成でもよい。
以下、本発明の加熱調理器に係る実施形態として、加熱調理手段として少なくとも輻射加熱を加熱源として用いた加熱調理器について、添付の図面を参照しながら説明する。なお、本発明の加熱調理器は、以下の実施形態に記載した加熱調理器の構成に限定されるものではなく、以下の実施形態において説明する技術的思想と同等の加熱調理器の構成を含むものである。以下で説明する実施形態は、本発明の一例を示すものであって、実施形態において示される構成、機能、動作などは、例示であり、本発明を限定するものではない。以下の実施形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
以下、本発明に係る本実施形態の加熱調理器について添付の図面を参照して説明する。図1は、本実施形態の加熱調理器の外観を示す斜視図である。図2は、図1の本実施形態の加熱調理器における扉が開いた状態を示す斜視図である。
図1および図2に示すように、加熱調理器は、本体1の内部に設けられた加熱庫4の正面開口が扉2により開閉可能に構成されている。扉2の上方端部には把手3が設けられており、把手3を使用者が握持して扉2を回動し、加熱庫4の正面開口を上開きに開閉する。加熱庫4の内部は扉2の閉成により実質的に密閉状態となり、加熱庫4の内部に配置された被調理物(食品)が実質的な密閉状態で加熱調理される。
図1に示すように、加熱調理器の正面には、上開きの扉2に加熱調理の調理温度設定、調理時間設定、調理メニューなどの各種加熱調理条件を設定するための設定部5が設けられている。また、加熱調理器の正面に設けられた設定部5は、各種加熱調理条件および加熱調理中の加熱状態などを表示する表示部などを有している。
本実施形態の加熱調理器における加熱調理手段としては、天井壁面上に輻射加熱部8(図10参照)が設けられている。天井壁面上に設けられた輻射加熱部8において天井壁10を輻射加熱し、輻射加熱された天井壁10から放射された熱により加熱庫内部の被調理物に対して加熱調理する構成である。このように、加熱調理器の本体1の天井壁側には、加熱庫4の天井壁10を含む輻射加熱部8(図10、11参照)が設けられている。
また、本実施形態の加熱調理器における加熱調理手段としては、輻射加熱部8の他にマイクロ波を放射して被調理物を加熱するマイクロ波加熱部、水蒸気により被調理物を加熱するスチーム加熱部、および加熱庫4の内部に熱風を循環させて被調理物を加熱する熱風循環部が設けられている。マイクロ波加熱部は、マイクロ波を放射するアンテナが加熱庫4の底面壁下に設けられており、指向性を有するアンテナによりマイクロ波が加熱庫4の内部に対して所望の方向に放射可能な構成である。スチーム加熱部は、本体1の内部に水タンクを有し、水タンクからの水をボイラーのスチームヒーターにより高温度に加熱して水蒸気を生成し、生成された水蒸気を加熱庫4の内部に集中的に噴射する構成である。熱風循環部は、加熱庫4の背面側に設けられた背面ヒーターにより加熱庫4から吸引した空気を加熱して、加熱された熱風が加熱庫4の内部に供給され循環される構成である。
本実施形態の加熱調理器においては、上記のように複数の加熱調理手段が設けられており、使用者が所望の加熱調理手段を選択することにより、または使用者が調理内容を選択することにより、適切な加熱調理手段が選択される構成である。使用者が加熱調理器の加熱庫内に被調理物を配置して扉2を閉成し、設定部5において加熱調理手段や調理内容などの加熱調理条件を設定して開始ボタンを押圧することにより調理動作が開始される。
なお、本実施形態の加熱調理器では複数の加熱調理手段を設けた構成で説明するが、本発明の加熱調理器としては、少なくとも天井壁10を加熱する輻射加熱部8、例えば熱源としてヒーターが設けられた構成であり、他の加熱調理手段が適宜組み合わされて構成されてもよい。
図3は、本実施形態の加熱調理器において、本体1から前面の扉2を取り外した状態を示す正面図である。図3に示すように、本実施形態の加熱調理器においては、加熱庫4の内部に被加熱物が載置される反射型調理皿6を収納できるように構成されている。反射型調理皿6は、被調理物(食品)を載置して加熱庫内部でグリル調理するときに使用する、所謂グリル皿であるが、少なくとも天井側が熱反射の機能を有する調理皿である。反射型調理皿6は、加熱庫4の内部において、例えば上段、中段、または下段に収納配置されて、反射型調理皿6上の被調理物(食品)が加熱調理される。加熱庫4の両側の側面壁には、反射型調理皿6が前後方向に摺動可能であり、反射型調理皿6の底面両側を支持することができる複数の段差4aが形成されている。
図4から図7は、本実施形態の加熱調理器において用いられる反射型調理皿6の具体的な構成を示す図である。図4は反射型調理皿6の上面である天井側が見える斜視図であり、図5は反射型調理皿6の上面を示す平面図である。図6は反射型調理皿6の下面側が見える斜視図であり、図7は反射型調理皿6の下面を示す裏面図である。
図4から図7に示すように、反射型調理皿6は、加熱庫4の形状に適合するよう平面視が長方形形状であり、外縁部6aが外側に広がったフランジ形状である。外縁部6aの内側領域が凹形状を有しており、その内側領域の底面部分が載置面6bとなっている。載置面6bは、載置された被調理物(食品)が略水平状態となるように支持する凹凸形状を有している。載置面6bにおける凹凸形状は、載置面6bの左右方向(当該加熱調理器の左右方向)に対して斜行して延びる谷部と峰部が交互に形成されている。したがって、峰部の頂部が被調理物を水平に支持するよう構成されている。本実施形態においては、斜行した谷部と峰部が左右方向に対して略45度の角度を有して延設されている。また、谷部である斜行して形成された溝部分は、中央部分が高く、外縁部6aに近づくにしたがって、徐々に低くなるよう形成されている。これは、調理時に生じる被調理物からの液状物(肉汁など)を載置面6bの外周部分に形成された凹部の溜まり領域に導くためである。
また、反射型調理皿6の載置面6bの中央部分には、長方形の領域を示す領域境界マーク9が形成されている。領域境界マーク9の内側は、スピード加熱領域であり、後述する輻射加熱部8における特定のヒーター(内ヒーター20)により被調理物に対して集中的にスピード加熱調理する領域を示している。従って、使用者は、被調理物を反射型調理皿6における領域境界マーク9の内側のスピード加熱領域に載置して、スピード加熱調理を行うことができる。なお、領域境界マーク9としては、凸形状、凹形状、または印刷などにより、視覚および触覚により容易に確認できる構成であればよい。
本実施形態においては、加熱庫4の内部に反射型調理皿6が収納配置されることにより、反射型調理皿6における載置面6bおよび外縁部6aのフランジ部分は実質的に水平に配置され、加熱庫4の天井壁10に対向して配置される。
図4から図7に示すように、反射型調理皿6は、加熱庫4の内部形状に応じた形状を有しており、平面視で略長方形形状を有している。本実施形態においては、加熱庫4の正面側が長手となっている。反射型調理皿6は、外縁部6aにおける短手方向に延設する部分の外側にハンドル6cが設けられている。このハンドル6cが耐熱性樹脂で形成されており、加熱庫4の側面に設けられた段差6bを摺動して、段差6bに支持される構成である。
図4および図5に示す反射型調理皿6の上面である天井側(上面側)には、輻射加熱部8からの熱を効率高く反射する熱反射層50が形成されている。即ち、反射型調理皿6の上面側は、熱反射を行う材料により熱反射層50が形成されている。このように反射型調理皿6の上面側が熱反射機能を有する材料による熱反射層50が形成されている。このため、天井壁側の輻射加熱部8から放射された熱は、反射型調理皿6上の被調理物を直接加熱すると共に、反射型調理皿6の上面側において被調理物以外の領域では反射されることになる。反射型調理皿6の上面側において反射された熱は、基本的には上方側に設けられた輻射加熱部8の天井壁10に戻される。その結果、天井壁10は反射型調理皿6の上面側からの反射熱により加熱される。
上記のように、輻射加熱部8における天井壁10は、輻射加熱部8自体の熱源(ヒーターユニット11(図11参照))により加熱されると共に、反射型調理皿6からの反射熱により加熱される構成となる。
反射型調理皿6の上面側に形成される熱反射膜40としては、熱反射の高い金属粉末を含有した材料で形成されており、例えばチタン粉末、アルミニウム粉末、およびこれらの混合粉末を含有した組成物が用いられる。
上記のように、本実施形態においては加熱庫4の内部に反射型調理皿6を配置することにより、輻射加熱部8における天井壁10は、輻射加熱部8自体の熱源であるヒーターユニット11のみを熱源とした場合に比べて、反射型調理皿6からの反射熱が二次的な熱源となり、温度上昇が格段に早まる構成となる。
図8は、輻射加熱部8における天井壁10の温度上昇の一例を示す実験結果を示すグラフである。図8において、破線は本実施形態の加熱調理器の加熱庫4に従来の一般的なグリル皿を配置した場合の温度上昇曲線であり、実線は加熱庫4に本実施形態の反射型調理皿6を配置した場合の温度上昇曲線である。図8に示すように、輻射加熱部8における天井壁10は、従来の一般的なグリル皿を用いた場合に比べて、反射型調理皿6を用いた場合には短時間で所定温度(480℃)に到達しており、発明者の実験によれば、10%以上早い時間で所定温度に到達した。なお、反射型調理皿6の熱反射膜40がチタン粉末を含有した組成物で形成した例においては、従来の一般的なグリル皿に比べて遠赤外線の反射率が飛躍的に向上しており、約2倍以上の反射率を示した。
一方、図6および図7に示す反射型調理皿6の裏面側(下面側)は、加熱庫4の底面側から放射されたマイクロ波を吸収して発熱する材料で構成された発熱層50が形成されている。マイクロ波を吸収して発熱する材料としては、例えば、フェライト粉末を含有した組成物であり、ニッケル系フェライト素材が用いられて、発熱層50が構成されている。発熱層50は、反射型調理皿6の裏面側において、外縁部6bのフランジ部分以外の領域に形成されている。マイクロ波加熱された発熱層50の熱が反射型調理皿6の基材に熱伝導して、当該反射型調理皿6が加熱される構成である。
図9は、従来の一般的なグリル皿と、反射型調理皿6とに対してマイクロ波加熱による昇温性能の比較実験を行った結果を示すグラフである。図9において、破線は本実施形態の加熱調理器の加熱庫4に従来の一般的なグリル皿を配置した場合の昇温性能曲線であり、実線は加熱庫4に反射型調理皿6を配置した場合の昇温性能曲線である。図9のグラフから明らかなように、加熱庫4に配置された反射型調理皿6は従来の一般的なグリル皿に比べて大幅な温度上昇が見られた。発明者の実験によれば、従来の一般的なグリル皿に比べて、反射型調理皿6においては加熱庫4の庫内温度が10分経過時点で30℃以上の温度差が見られた。
以上のように、本実施形態においては、反射型調理皿6においては、熱伝導が優れた特性を有する基材に対して、その基材の上側には熱反射の高い金属粉末を含有した材料の熱反射層40が形成されており、基材の下側にはマイクロ波を吸収して発熱する材料の発熱層50が形成された構成となる。
なお、本実施形態においては、反射型調理皿6の下面側にマイクロ波を吸収して発熱する材料で発熱層50を形成した構成で説明するが、反射型調理皿6の下面側の素材としてマイクロ波を吸収して、発熱する発熱体、例えばフェライト素材を埋設する構成でもよい。なお、発熱体は発熱層50を含むものとする。また、反射型調理皿6を構成する基材となる材料としては、熱伝導が優れた特性を有するものであればよく、金属またはセラミックで構成してもよい。
上記のように反射型調理皿6の基材として熱伝導が優れた特性を有する材料で形成されているため、反射型調理皿6はマイクロ波加熱を始め、スチーム加熱、および熱風循環加熱による熱が反射型調理皿6の全面に効率高く伝動して、反射型調理皿6に載置された被調理物(食品)を効率高く加熱することができる構成となる。また、反射型調理皿6の上面側に形成された熱反射層40には、例えばチタン粉末、アルミニウム粉末などの金属粉末が含有されているため、熱反射層40における効率高い熱伝導機能が確保されている。
本実施形態においては、反射型調理皿6が加熱庫4の側面壁の段差4aにより支持される構成で説明したが、加熱庫4の天井壁10からの吊り下げる構成、反射型調理皿6の下側に下方に突出する足を設けて加熱庫4の底面壁に載置する構成でもよい。
なお、加熱庫4の内部にマイクロ波を放射するアンテナ(図示なし)は、加熱庫4の底面壁の略中央の直下に配設されている。本実施形態におけるアンテナは、マイクロ波の放射方向に指向性を有すると共に、アンテナから円偏波を放射可能な構成を有している。本実施形態におけるアンテナにおいては、加熱庫4の内部をマイクロ波が均一に放射されるように構成されており、例えばアンテナのマイクロ波の放射部が回転するよう構成されている。
加熱庫4の底面壁は、アンテナからのマイクロ波が透過する材料で形成されており、加熱庫4におけるその他の壁面である、側面壁、背面壁、および天井壁は、鉄鋼、ステンレス鋼(SUS)、またはアルミニウムメッキ鋼板が用いられる。また、それぞれの壁面には、例えばフッ素樹脂、シリコン樹脂などの非粘着性を有する被膜層が形成されていてもよい。このような被膜層を形成することにより、調理時に飛散した油脂分、調理かすなどの汚れの付着を防止することができると共に、汚れが付着したとしても、汚れを拭き取りやすい構成となる。さらに、加熱庫4のそれぞれの壁面においては、調理時の加熱により、調理時に飛散した油脂分を分解し、自動的に清掃するセルフクリーニング機能を持つ被覆層を形成してもよい。被覆層にセルフクリーニング機能を持たす方法としては、例えば酸化分解作用を促進する酸化マンガン系の触媒種などを被膜層に配合する方法、低温度での酸化分解作用に顕著な効果を発揮する白金または中高温域での活性が高いパラジウムなどを添加する方法を用いてもよい。さらに、吸着作用のあるセリウムなどを添加する方法を用いてもよい。
上記のように、加熱庫4の内部の反射型調理皿6に載置された被調理物(食品)は、輻射加熱部8の天井壁10から放射される熱により加熱されると共に、反射型調理皿6において熱反射層40により反射された熱は上方に放射され、天井壁10が加熱される。この結果、天井壁10からの放射熱は、輻射加熱部8自体の熱と、反射型調理皿6からの反射熱が加わって高温度となり、反射型調理皿6上の被調理物が高温度で加熱される。また、反射型調理皿6の裏面(下面)においては発熱層50がマイクロ波加熱されて発熱し、反射型調理皿6を加熱可能である。このように反射型調理皿6を加熱することにより、反射型調理皿6が高温度となり、反射型調理皿6に載置された被調理物(食品)の上面側および下面側の両方が加熱される状態となり、被調理物を一度にグリル調理できる構成となる。
なお、本実施形態においては、反射型調理皿6の上面側に熱反射層40を形成した構成であるが、加熱庫4の側面を構成する側面壁、背面壁、および/または正面壁(扉の裏面壁)の少なくとも一部に側面熱反射層を形成してもよい。この側面熱反射層は、反射型調理皿6に形成された熱反射層40と同じ材料で形成され、同様に形成される。このように加熱庫4の側面を構成する壁面に側面熱反射層を形成することにより、輻射加熱部8により発生した熱が反射型調理皿6上の被調理物を加熱すると共に、反射型調理皿6および加熱庫4の側面において熱反射される構成となり、更に効率の高い加熱調理が可能となる。
図10は、本実施形態の加熱調理器の本体1における外カバーを外した状態を示す斜視図である。図10に示すように、加熱調理器の本体1の天井壁側には、即ち加熱庫4の天井壁を含む部分には輻射加熱部8が設けられている。図10に示すように、加熱調理器の本体1における加熱庫4の上部が輻射加熱部8で構成されている。加熱庫4の内部の庫内温度を検出するための庫内温度検出部18、例えば赤外線センサー、サーミスタが加熱庫4の右奥のコーナー部分に設けられている。庫内温度検出部18が検出した庫内温度情報は、後述する加熱制御部7(図12参照)に伝送されて、各種加熱調理動作における駆動制御に用いられる。
図11は、輻射加熱部8を分解して示す分解斜視図である。図11に示すように、輻射加熱部8は、図11の下側から、加熱庫4の天井面を形成する天井壁10と、天井壁10の上面に密着されるヒーターユニット11と、ヒーターユニット11から上方への熱伝導を遮断する第1断熱板12と、ヒーターユニット11を天井壁10に第1断熱板12を介して押圧する押え板13とを有している。また、輻射加熱部8には、ヒーターユニット11の端子部24などを電気的に絶縁する絶縁シート14、および輻射加熱部8の熱が本体1の外カバーへ伝熱されるのを確実に遮断する第2断熱板15が設けられている。このように、輻射加熱部8は、積み上げ方式の組み立て構造であり、保守時には、各部品をすべて交換できる構成であり、保守点検性に優れた構成を有している。
さらに、輻射加熱部8には、ヒーターユニット11により直接的に加熱され、加熱庫4に配置された反射型調理皿6からの反射熱により加熱される天井壁10の温度を検出する天井壁温度検出部19、例えばサーミスタが設けられている。
図12は、輻射加熱部8において加熱庫4の天井面を構成する天井壁10を示す図である。図12において、(a)は天井壁10の平面図であり、(b)は(a)に示した天井壁10における(b)-(b)線による端面図であり、(c)は(a)に示した天井壁10における(c)-(c)線による端面図である。
図12に示すように、加熱庫4の天井を構成する天井壁10の外周縁以外の中央部分は、平面視で長方形形状を有している。この長方形形状は加熱庫側(下側)が凹面となる曲面形状を有しており、ヒーターユニット11が密着して配設される加熱領域10aとなる。本実施形態の加熱庫4は正面側が長手となる直方体形状を有しており、天井壁10の加熱領域10aが加熱庫4の天井の略全面となっている。加熱庫4の形状に対応する長方形形状のヒーターユニット11は、曲面形状の加熱領域10aの全面に密着するよう配設されている。このため、加熱庫4の天井壁10の全面が、ヒーターユニット11により加熱される発熱体となる。
図12の(b)の端面図に示すように、天井壁10における加熱領域10aの長手方向(図12の(a)の左右方向)の断面は、曲線で構成されている。同様に、図6の(c)の端面図に示すように、天井壁10における加熱領域10aの短手方向(図12の(a)の上下方向)の断面も、曲線で構成されている。従って、天井壁10における加熱領域10aは、加熱庫側(下側)が凹面となり、その略中央部分が最も凹んだ3次元曲面を有している。本実施形態においては、加熱領域10aの長手方向の曲線の曲率は、加熱領域10aの短手方向の曲線の曲率と異なっており、長手方向の曲率が短手方向の曲率より小さくなっている。
図12の(a)の平面図に示すように、天井壁10において、ヒーターユニット11が密接して装着される加熱領域10aは、複数の正六角形形状(ハニカム形状)の領域(ハニカム領域)で構成されている。本実施形態においては、天井壁10におけるハニカム領域の境界が加熱庫側(下側)に突出する溝により形成されている。それぞれのハニカム領域は実質的に同じ面積を有している。このように構成された天井壁10はプレス加工により形成される。
天井壁10における加熱領域10aは、複数のハニカム領域を有して形成されているため、加熱領域10aは、ヒーターユニット11の熱により膨張し、またはヒーターユニット11が遮断されたオフ状態のとき収縮するが、そのとき生じる膨張/収縮の全方向の変形力がそれぞれのハニカム領域の構成において吸収され得る構成である。天井壁10の加熱領域10aは密着したヒーターユニット11により加熱されるが、加熱領域10aの全面が平面ヒーター11により均一に加熱されることはなく、加熱領域10aにおける発熱分布は不均一となる。このため、加熱領域10aにおける膨張/収縮の変形力はそれぞれの領域において異なる大きさとなる可能性がある。もし、加熱庫4の天井壁10が平坦な形状であり、膨張/収縮の変形力を吸収できる領域がなければ、天井壁10が局所的に加熱されて不均一に変形した場合には、天井壁10とヒーターユニット11との間に隙間ができて、ヒーターユニット11からの熱が伝わり難い構造となる。
しかしながら、本実施形態における天井壁10は、複数のハニカム領域を有して形成されており、膨張/収縮の全方向の変形力が吸収される構成であるため、天井壁10とヒーターユニット11との間は一定に保持され、隙間ができることが防止されている。
さらに、本実施の形態の構成においては、上記のように天井壁10がその略中央部分が上方へ最も凹んだ3次元曲面を有しているため、天井壁10の加熱領域10aから放射される熱が、加熱庫4の内部において天井壁10の加熱領域10aの直下に配置された反射型調理皿に対して効果的に照射される構成となり、加熱庫4の側面側の壁面への熱放射が低減された構成となっている。
上記のように、本実施形態においては、天井壁10における加熱領域10aが局所的に変形することが防止されており、天井壁10が加熱されて膨張しても、加熱領域10aが全体的に同様の形状を維持して全体的に持ち上がる構成であるため、ヒーターユニット11が加熱領域10aに密接した状態が確実に維持される構成となる。
なお、本実施形態においては、天井壁10における加熱領域10aを複数の正六角形形状(ハニカム形状)で区切った構成で説明したが、その領域としてはハニカム形状に特定されるものではなく、加熱領域10aにおける局所的な膨張/収縮の変形力を分散して吸収できる構成であればよい。膨張/収縮の変形力を吸収する複数の領域としては、三角、四角など多角形形状の領域、曲線で構成された領域などでも対応可能である。
本実施形態における天井壁10は、鉄鋼、ステンレス鋼(SUS)、またはアルミニウムメッキ鋼板が用いられている。天井壁10の両面には、例えばシリコン樹脂などによる黒色の膜体が形成されている。このように黒色の膜体がヒーターユニット側の面に形成することにより、ヒーターユニット11からの熱を効率高く吸収できる構成となる。なお、本実施形態においては、天井壁10の加熱庫側(下側)の面には、調理時の加熱により、調理時に飛散した油脂分を分解し、自動的に清掃するセルフクリーニング機能を持つ被覆層が形成されている。セルフクリーニング機能を有する被覆層の形成方法としては、前述したのでここでは省略する。なお、本実施形態においては、セルフクリーニング機能を持つ被覆層が、加熱庫4における両側面壁および背面壁にも形成されている。
図13は、天井壁10の加熱領域10aに密着して装着されるヒーターユニット11を示す分解斜視図である。図13に示すように、ヒーターユニット11における熱源であるヒーター25は、内側のヒーター(内ヒーター)20と、外側のヒーター(外ヒーター)21とに分かれている。内ヒーター20と外ヒーター21は、実質的に同一面上となるように配置され、外ヒーター21が内ヒーター20を取り囲むように配置されて、それぞれが個別に駆動制御される。本実施形態においては、内ヒーター20が300Wから900Wの範囲で無段階で可変制御される構成であり、外ヒーター21が700Wでオンオフ制御される構成である。
図13に示すように、ヒーターユニット11は、内ヒーター20と外ヒーター21により輻射熱を生じる1つの熱源として構成されたヒーター25を上側絶縁材22と下側絶縁材23の2枚のマイカの板材により両側から挟んで形成されている。上側絶縁材22および下側絶縁材23においては、内ヒーター20に対向する部分が内ヒーター領域11aとなり、外ヒーター21に対向する部分が外ヒーター領域11bとなっている。上側絶縁材22および下側絶縁材23における内ヒーター領域11aと外ヒーター領域11bとの間にはスリットが形成されており、内ヒーター領域11aと外ヒーター領域11bとの間で直接的に熱伝導することが防止されている。
図11の輻射加熱部8に示したように、ヒーターユニット11を覆うように第1断熱板12が配設されている。第1断熱板12は、ヒーターユニット11の上面からの熱を遮断する機能を有しており、例えば、ガラスウールにより形成されている。第1断熱板12は、天井壁10における少なくとも加熱領域10aの全面を覆うことができる形状を有している。また、第1断熱板12は、実質的に同一の厚みを有しており、少なくとも厚み方向に弾性力(復元力)を有している。
図11に示すように、輻射加熱部8においては、天井壁10に装着される押え板13には、天井壁10における曲面で形成された加熱領域10aと同様の曲面を有する曲面領域13aが形成されている。押え板13は、ヒーターユニット11に対して第1断熱板12を介して天井壁10の加熱領域10aに押し付ける機能を有している。押え板13を取り付けることにより、ヒーターユニット11の全面が天井壁10の加熱領域10aに対して隙間なく密着されている。
図11に示すように、押え板13にはヒーターユニット11からの熱により直接的に加熱される天井壁10の加熱領域10aの温度を検出する天井壁温度検出部19、例えばサーミスタが設けられている。本実施形態においては、天井壁温度検出部19が、ヒーターユニット11における内ヒーター20の近傍に配設されており、内ヒーター20により直接的に加熱される天井壁10の加熱領域10a(加熱空間)の温度を検出する構成である。天井壁温度検出部19は、内ヒーター20により直接的に加熱された加熱領域10aの温度を検出するため、この天井壁温度情報、および加熱庫4の内部の温度を検出する庫内温度検出部18からの庫内温度情報に基づいて、加熱制御部7はヒーターユニット11などの当該加熱調理器に用いられている各種加熱調理手段の熱源を駆動制御する。
また、天井壁温度検出部19が内ヒーター20により直接的に加熱される加熱領域10a(加熱空間)の温度を検出するため、加熱制御部7は天井壁温度検出部19からの高精度の温度情報に基づいて、内ヒーター20による加熱調理動作の温度制御を行うことができる。本実施形態においては、後述するように、ヒーター出力が大きな内ヒーター20により加熱庫4を急激に温度上昇させるスピード加熱動作を行っているため、このスピード加熱動作においては天井壁温度検出部19からの温度情報が有効である。
従来の加熱調理器においては、検出された庫内温度情報に基づいて、加熱庫内部が設定温度となるように、加熱庫を加熱するためのヒーターに対するオンオフ制御を行う構成である。このため、従来の加熱調理器においては、庫内温度が設定温度に到達するより遙かに前にヒーターを一旦オフ状態として、それ以降はヒーターのオンオフ動作を繰り返すことにより、庫内温度を徐々に設定温度に近づける構成であった。従って、ヒーターを用いて庫内温度を素早く、そして精度高く設定温度とすることが困難であった。
本実施形態の加熱調理器においては、加熱制御部7が、設定部5で設定された加熱調理条件情報、庫内温度検出部18からの庫内温度情報および天井壁温度検出部19からの天井壁温度情報などに基づいて加熱調理動作における温度制御を行う構成である。特に、加熱庫4の天井壁10を急激に温度上昇させて、設定温度に短時間で到達させるスピード加熱動作においては、内ヒーター20により加熱された天井壁10の加熱領域10aの温度を示す天井壁温度検出部19からの天井壁温度情報に基づいて制御動作が行われる構成である。このため、天井壁温度検出部19が内ヒーター20により加熱される天井壁10の温度を精度高く検知しているため、加熱制御部7は加熱庫4の内部を設定温度まで急激に温度上昇させる駆動制御が可能となる。
図14は、本実施形態の加熱調理器における加熱調理手段を制御する回路図の一部を示す例示である。図14においては、本実施形態の加熱調理器における加熱調理手段における熱源として、輻射加熱部8における内ヒーター20および外ヒーター21、スチーム加熱部におけるスチームヒーター26、熱風循環部における背面ヒーター27、およびマイクロ波加熱部におけるマグネトロン28が設けられた例を示している。また、熱風循環部においては送風源としてファンモータ29が用いられている。
図14の回路図に示すように、内ヒーター20、外ヒーター21、スチームヒーター26、背面ヒーター27、およびファンモータ29がオンオフ制御されるようにスイッチング素子にそれぞれ接続されている。また、マイクロ波加熱部におけるマイクロ波生成手段であるマグネトロン28は、その駆動電源としてインバータ回路32に接続されている。本実施形態においては、内ヒーター20の駆動制御をスイッチング素子としてトライアック30を用いており、内ヒーター20に入力する電流を所望の値に無段階で可変制御できる構成を有している。外ヒーター21は、単純にオン/オフを切り替えるスイッチング素子としてリレー31が用いられている。なお、本実施形態における外ヒーター21は、単純にオン/オフを切り替えるスイッチング素子としてリレー31を用いた構成で説明するが、内ヒーター20と同様にスイッチング素子としてトライアックを用いて入力電力を無段階に可変制御できる構成でもよい。
加熱調理器においては、予め決められた定格電力があり、その定格電力以上の電力を使用することはできない。本実施形態の加熱調理器において、複数の加熱調理手段を用いて加熱調理することが可能な構成であり、起動する熱源などの消費電力が常に定格電力以内となるように加熱制御部7において制御される。特に、本実施形態の加熱調理器における輻射加熱部8においては特徴的な制御を行っている。
輻射加熱部8におけるヒーター25は、内ヒーター20と外ヒーター21により1つの熱源を構成しているが、本実施形態においては内ヒーター20の最大ヒーター出力が、例えば900Wであり、外ヒーター21の最大ヒーター出力が、例えば700Wである。そのため、内ヒーター20と外ヒーター21の最大ヒーター出力の合計は、一般的な家庭における定格電力(1500W=15A(定格電流)×100V)を越えている。本実施形態の加熱調理器においては、図14に示したように、内ヒーター20がスイッチング素子としてトライアック30により駆動制御される構成を有している。このため、内ヒーター20は、トライアック30に入力する制御信号により、例えば300~900Wの範囲内を無段階で可変できるヒーター出力で駆動制御される。
輻射加熱部8のみを用いて加熱庫4を天井壁10の略全面を熱源として加熱調理する場合には、例えば、ヒーターユニット11の内ヒーター20を700Wのヒーター出力で駆動制御し、外ヒーター21を700Wのヒーター出力で駆動制御することにより、ヒーターユニット11として合計1400Wのヒーター出力により加熱庫4を加熱することができる。
また、加熱庫4の天井壁側の輻射加熱部8と、加熱庫4の底面側のマイクロ波加熱部を用いて加熱庫4に対して天井壁10および底面壁の両側からのヒーター加熱およびマイクロ波加熱により加熱調理を行う場合には、例えば、ヒーターユニット11の内ヒーター20を900Wの最大ヒーター出力とし、外ヒーター21をオフ状態(0W)として、ヒーターユニット11として合計900Wのヒーター出力により加熱庫4を上方から加熱する。一方、他の加熱調理手段として用いるマイクロ波加熱部においては、マグネトロン28などの消費電力として、例えば450Wを使用して、加熱庫4に収納された反射型調理皿6をマイクロ波加熱して、反射型調理皿6に載置された被調理物(食品)を加熱調理することができる。このとき、反射型調理皿6においては、内ヒーター20により加熱された天井壁10から放射された熱が反射されて、天井壁10を照射しており、天井壁10が反射熱により加熱されている状態である。この結果、外ヒーター21がオフ状態(0W)であっても、天井壁10は反射型調理皿6からの反射熱により加熱されて温度が上昇しており、熱源としての機能を更に高い温度で発揮できる構成となる。このとき、天井壁10の温度は、天井壁温度検出部19により高精度に検出されているため、加熱制御部7は、天井壁温度検出部19からの温度情報に基づいて、加熱庫4の庫内温度を高精度に制御することができる。このように、本実施形態の加熱調理器においては、加熱庫4の内部に反射型調理皿6を用いることにより、ヒーター出力が小さくても加熱庫4の庫内温度を素早く上昇させることが可能であり、小さいヒーター出力で設定温度を維持することが可能となる。このように、本実施形態の加熱調理器は、省エネルギー機器として経済的に優れた特徴を有する調理機器となる。
上記のように、本実施形態の加熱調理器においては、加熱庫4の内部に反射型調理皿6を配置することにより、加熱庫4の上方からの輻射加熱部8により、定格電力内において、効率の高い加熱調理を行うことができる。また、本実施形態の加熱調理器においては、輻射加熱部8およびマイクロ波加熱部を用いることにより、加熱庫4に収納された反射型調理皿6上の被調理物に対して、上方および下方から急激に温度上昇させることが可能であり、所望の庫内温度で短時間で加熱調理することが可能な構成となる。
本実施形態の加熱調理器においては、前述のように、天井壁10の加熱領域10aがヒーターユニット11による加熱と共に、加熱庫4に収納された反射型調理皿6からの反射熱により加熱される構成であるため、天井壁10の加熱領域10aの温度上昇の立ち上がりが早くなる構成である。また、このように温度上昇する天井壁10の加熱領域10aの近傍(加熱空間)には天井壁温度検出部19が設けられているため、加熱領域10aの温度は天井壁温度検出部19からの温度情報により高精度に検知できる。特に、本実施形態の加熱調理器においては、設定温度に短時間で到達させるスピード加熱動作においては、内ヒーター20による加熱と共に、反射型調理皿6からの反射熱が加わるため、スピード加熱調理をより早く行うことが可能な構成となる。
本実施形態の加熱調理器においては、前述のように、スピード加熱調理を行うために、反射型調理皿6の載置面6bの中央部分に領域境界マーク9が形成されている。領域境界マーク9の内側が、スピード加熱調理を行う加熱領域であり、輻射加熱部8の内ヒーター20の直下の位置に対応している。反射型調理皿6の載置面6bの領域境界マーク9の内側に載置された被調理物は、輻射加熱部8の内ヒーター20の発熱により加熱された天井壁10の中央部分からの熱放射により加熱調理される。また、反射型調理皿6の載置面6bにおいて、被調理物が載置されていない加熱領域における反射熱により天井壁10が加熱されて、熱源となる天井壁10の温度が上昇する。結果として、天井壁10から放射される熱量が多くなり、スピード調理における調理時間が短縮されることになる。
上記のように、実施形態において具体的に説明したように、本発明の加熱調理器においては、定格電力内において、少なくとも輻射加熱部を加熱調理手段として用いた加熱調理を効率高く行うことができる構成を有する。本発明の加熱調理器においては、加熱庫の内部に反射型調理皿を配置することにより、反射型調理皿に載置された被調理物に対して、定格電力内において、所望のグリル調理を素早く行うことが可能である。本発明の加熱調理器においては、反射型調理皿が少なくとも上面側に熱反射層が形成されているため、加熱調理器における加熱庫の上側熱源から放射された熱を反射型調理皿において反射して、加熱庫の上側熱源を加熱する構成となり、上側熱源の温度を効率高く上昇させる構成である。この結果、本発明の加熱調理器においては、上側の熱源により、定格電力内において、加熱庫内部を所望の高火力で急激に立ち上げて急速に加熱調理することが可能な構成となる。
本発明の加熱調理器は、庫内温度の立ち上がりを早くすることが可能であると同時に、庫内温度を一定温度に維持することが可能な構成を有する。また、本発明の加熱調理器においては、天井壁温度を精度高く検出することが可能であり、天井壁が熱源となる加熱庫の庫内温度を設定温度に高精度に維持することができる。さらに、本発明の加熱調理器においては、庫内温度が設定温度に到達するまでの時間を短くすることができるため、調理時間の短縮を達成することができる構成となる。
上記のように、本発明の加熱調理器においては、加熱調理手段の熱源として少なくとも加熱庫の上側の熱源(天井壁)からの熱を用いて、加熱庫内の調理皿上の被調理物を効率高く加熱調理することができ、加熱庫の庫内温度を設定温度まで素早く立ち上げることができ、且つ比較的に少ない消費電力で庫内温度を設定温度に維持することができる。