JP7143149B2 - 椅子 - Google Patents

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本発明は、椅子に関するものである。
従来、劇場やホール、スタジアム等に設置される椅子において、座や肘掛けが回動する跳ね上げ式の椅子が提案されている。
例えば特許文献1には、左右方向を向く座支持軸により、両側脚間に配置された座を、ほぼ水平の使用位置と、上向きの不使用位置と、に回動可能に支持する座跳ね上げ式の椅子が開示されている。座支持軸に設けられたねじりコイルばねにより、座は常時上向きに付勢されている。
一方、特許文献2には、脚部と、座と、背凭れと、左右一対の可動式肘掛けと、を有する肘掛け跳ね上げ式の椅子が開示されている。可動式肘掛けは、肘掛けの先端が前方を向く状態と、肘掛けの先端が上方を向く状態と、の間で回動可能とされている。
特許第5260181号公報 実用新案登録第3215243号公報
ところで、特許文献1及び特許文献2に記載の技術を組み合わせることで、座及び肘掛けの両方が回動可能な座及び肘掛け跳ね上げ式の椅子が考えられる。
しかしながら、例えば講堂やホール等に複数の椅子が設置される場合、通路の空間を確保するために多数の肘掛けを先端部が上方を向く状態まで戻す作業が必要となり、作業者の手間が増加するおそれがある。
そこで、本発明は、座及び肘掛けの両方が跳ね上げ可能な、座及び肘掛け跳ね上げ式の椅子において、肘掛けを回動する手間を抑えた椅子を提供することを目的とする。
上記課題の解決手段として、本発明は、座面を有する座と、肘載せ面を有する肘掛けと、前記座及び前記肘掛けを支持する支持構造体と、を備え、前記座は、前記座面を上方に向けた座使用位置と、前記座使用位置に対して前部を上方に移動させた座跳ね上げ位置と、の間で第一軸線回りに回動可能であり、前記肘掛けは、前記肘載せ面を上方に向けた肘掛け使用位置と、前記肘掛け使用位置に対して前部を上方に移動させた肘掛け跳ね上げ位置と、の間で第二軸線回りに回動可能であり、前記座は、前記座使用位置から前記座跳ね上げ位置に回動する際に、前記肘掛け使用位置にある前記肘掛けに作用し、前記座の回動に連動して前記肘掛けを前記肘掛け跳ね上げ位置側へ回動させる駆動部を有し、前記肘掛けは、前記座の前記駆動部に接触して前記座と前記肘掛けとを連動可能とする被駆動部を備え、前記被駆動部は、前記駆動部の回動軌跡内に配置されるとともに、前記肘掛け使用位置にある前記肘掛けを側面から見て上方に凸となる弧状に形成されている、椅子を提供する。
この構成によれば、座及び肘掛けはそれぞれ使用位置から跳ね上げ位置まで回動可能に構成され、座には駆動部が設けられているので、座は、座使用位置から座跳ね上げ位置へ向かって回動する動作中における少なくとも一部で、肘掛け使用位置にある肘掛けに接触して押し上げる等の作用を及ぼす。これにより、肘掛け使用位置にある肘掛けには、座からの作用を受けることにより肘掛け跳ね上げ位置へ回動する向きの力が働くので、座の回動に伴い肘掛けを回動させることができる。このように、肘掛けは、座の回動と連動して肘掛け跳ね上げ位置まで回動されるので、肘掛けと座とをそれぞれ別個に回動させる場合と比較して、肘掛けを肘掛け跳ね上げ位置まで引き起こす手間が省ける。また、座及び肘掛けがこれらと別体の部品を介さず直接的に作用し合う構成であれば、座及び肘掛けにより連動機構を構成できるので、連動機構として他の部品を設ける必要がなく、部品点数を削減できるとともに、組み立てにかかるコストを低減できる。
したがって、本構成によれば、座及び肘掛けの両方が跳ね上げ可能な、座及び肘掛け跳ね上げ式の椅子において、簡素な構成により、肘掛けを回動する手間を抑えた椅子を提供することができる。
本発明は、座面を有する座と、肘載せ面を有する肘掛けと、前記座及び前記肘掛けを支持する支持構造体と、を備え、前記座は、前記座面を上方に向けた座使用位置と、前記座使用位置に対して前部を上方に移動させた座跳ね上げ位置と、の間で第一軸線回りに回動可能であり、前記肘掛けは、前記肘載せ面を上方に向けた肘掛け使用位置と、前記肘掛け使用位置に対して前部を上方に移動させた肘掛け跳ね上げ位置と、の間で第二軸線回りに回動可能であり、前記座は、前記座使用位置から前記座跳ね上げ位置に回動する際に、前記肘掛け使用位置にある前記肘掛けに作用し、前記座の回動に連動して前記肘掛けを前記肘掛け跳ね上げ位置側へ回動させる駆動部を有し、前記座を前記座使用位置から前記座跳ね上げ位置へ回動させる向きに力を付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に逆らって前記座の回動速度を減速する減速機構と、を備え、前記減速機構は、前記肘掛けを含み、前記肘掛け跳ね上げ位置における前記肘掛けには、前記肘掛けの自重により前記肘掛けを前記肘掛け使用位置へ回動させる復帰方向の付勢力が作用し、前記復帰方向の付勢力の大きさは、前記座跳ね上げ位置に付勢された前記座から受ける前記肘掛け跳ね上げ位置への付勢力の大きさと比べて同一又は小さい、椅子を提供する
この構成によれば、座を座使用位置から座跳ね上げ位置へ回動させる向きに力を付勢する付勢部材を備えるので、着座者が座から離れると、座は付勢部材の付勢力により自動で座跳ね上げ位置へ移動する。これにより、座を座跳ね上げ位置まで引き起こす手間が省ける。また、付勢部材の付勢力に逆らって座の回動速度を減速する減速機構を備えるので、座には、座跳ね上げ位置への回動方向と反対向きの力が働く。これにより、座の回動速度が加速するのを抑制し、座の回動速度を減速させることができる。そして、減速機構は肘掛けを含むので、肘掛けから座に直接減速力を付与することが可能となる。すなわち、座は、回動の途中で肘掛けに作用するとともに肘掛けからの反力を受けることで、回動速度が減速される。このとき、座及び肘掛けが別部品を介さず直接作用し合う構成であれば、減速機構として他の部品を設ける必要がなく、部品点数を削減できるとともに、組み立てにかかるコストを低減できる。
また、肘掛けが、座の回動と連動して跳ね上げ位置まで回動する構成であれば、着座者が椅子から離れるだけで、座及び肘掛けの両方を自動で跳ね上げ位置まで戻すことができる。
したがって、本構成によれば、簡素な構成により座の回動速度を減速可能とし、かつ、座及び肘掛けを戻す手間を抑えた椅子を提供することができる。
本発明において、前記肘掛け跳ね上げ位置における前記肘掛けには、前記肘掛けの自重により前記肘掛けを前記肘掛け使用位置へ回動させる復帰方向の付勢力が作用し、前記復帰方向の付勢力の大きさは、前記座跳ね上げ位置に付勢された前記座から受ける前記肘掛け跳ね上げ位置への付勢力の大きさと比べて同一又は小さい構成としてもよい。
この構成によれば、肘掛け跳ね上げ位置にある肘掛けには、自重により前記肘掛けを前記肘掛け使用位置へ回動させる復帰方向の付勢力が作用している。これにより、座を座使用位置へ引き下げるだけで、肘掛けの自重により肘掛けを自動で肘掛け使用位置まで回動させることができる。このように、肘掛けは、座の回動と連動して肘掛け使用位置まで回動されるので、肘掛けと座とをそれぞれ別個に回動させる場合と比較して、肘掛けを肘掛け使用位置まで引き下げる手間を省くことができる。
また、肘掛けの復帰方向の付勢力の大きさは、座から受ける肘掛け跳ね上げ位置への付勢力の大きさと比べて同一又は小さいとされているので、肘掛け及び座が跳ね上げ位置にあるとき、肘掛けの自重により肘掛けが意図せずに使用位置へ回動してしまうことがない。よって、座を座跳ね上げ位置へ回動させるだけで、座及び肘掛けを跳ね上げ位置の状態に維持することができる。
したがって、肘掛けを引き下げる手間を抑えた椅子を提供することができる。
本発明において、前記減速機構の減速力は、前記肘掛けにおける自重及び前記第二軸線回りの摩擦力の少なくとも一方を含む構成としてもよい。
この構成によれば、肘掛けには、自重及び第二軸線回りの摩擦力が働くので、座が肘掛けに作用した際に、座及び肘掛けには、回動方向に逆らう向きの力が作用する。これにより、座が座跳ね上げ位置へ向かって加速することを抑制し、効果的に座の回動速度を減速させることができる。また、複雑な構成を用いずに回動に対向する向きの力を発生させることができるので、減速機構を簡素化できる。
したがって、簡素な構成により優れた減速機構を備えた椅子を提供することができる。
本発明において、前記支持構造体は、設置面に設置される脚体と、前記脚体に支持される背凭れと、を備え、前記脚体は、前記椅子の幅方向に離間して並ぶ一対の脚部材を備え、前記座は、前記一対の脚部材間に架設され、前記肘掛けは、前記一対の脚部材のそれぞれに支持されて一対配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、肘掛けは、座の幅方向外側に設けられた一対の脚部材のそれぞれに支持されて一対配置されているので、座の幅方向における両端部が肘掛けに作用する。これにより、座と肘掛けとを確実に作用させるとともに、座の回動速度を効果的に減速できる。
本発明において、前記肘掛けは、前記座の前記駆動部に接触して前記座と前記肘掛けとを連動可能とする被駆動部を備え、前記被駆動部は、前記駆動部の回動軌跡内に配置されている構成としてもよい。
この構成によれば、肘掛けは駆動部と接触する被駆動部を備えるので、肘掛けは、座の駆動部と接触することにより、座と連動して肘掛け跳ね上げ位置へ移動する。これにより、肘掛けを跳ね上げ位置まで引き起こす手間が省ける。
また、被駆動部は、座の回動軌跡内に配置されているので、肘掛けと座とを確実に当接させることができる。したがって、肘掛けに確実に作用する、安定的な連動機構とすることができる。
本発明において、前記座は、前記肘掛けに向かって突出する突出部を有し、前記突出部に前記駆動部が設けられる構成としてもよい。
この構成によれば、座の突出部に駆動部が設けられるので、座と肘掛けとをより確実に当接させることができる。また、座に設けられた突出部及び肘掛けによって減速作用を奏することができるので、簡素な構成により座の回動速度を減速する減速機構を備えた椅子とすることができる。
本発明において、前記突出部は、前記座の幅方向両端部における少なくとも一方から、前記幅方向の外側に向けて突出し、前記座面における前記幅方向の外側には、前記突出部により前記幅方向の外側に張り出して形成された座面張出し部を有する構成としてもよい。
この構成によれば、座は、幅方向に張り出した突出部に駆動部を有するので、駆動部と肘掛けとを確実に当接させて、座の回動速度を減速できる。また、座面の幅方向外側に座面張出し部を有するので、座面に凹凸等が生じることがなく、着座感を良好に保つことができる。さらに、座(座面)の幅方向の長さが拡張されるので、使用者の着座面積を増やすことができ、着座感を一層良好にすることができる。
本発明において、前記第一軸線および前記第二軸線は、前記椅子の幅方向に沿って延びる構成としてもよい。
この構成によれば、第一軸線と第二軸線とが略平行となり、跳ね上げ式の座の回動方向と肘掛けの回動方向とが略同一となるので、座の回動による作用力を肘掛けに効率的に連動させることができる。したがって、優れた連動作用を奏することができる椅子とすることができる。
本発明によれば、座及び肘掛けの両方が跳ね上げ可能な、座及び肘掛け跳ね上げ式の椅子において、簡素な構成により座の回動速度を減速可能とし、かつ肘掛けを回動する手間を抑えた椅子を提供することができる。
本発明の実施形態における椅子の外観斜視図である。 上記椅子の平面図である。 上記椅子の正面図である。 上記椅子の側面図である。 上記椅子の背面図である。 座が座跳ね上げ位置にあるときの上記椅子の平面図である。 座が座跳ね上げ位置にあるときの上記椅子の正面図である。 座が座跳ね上げ位置にあるときの上記椅子の側面図である。 上記椅子の回動機構の斜視図である。 第1変形例における上記椅子の側面図である。 第2変形例における上記椅子の側面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。なお、以下の説明において、前後上下左右等の向きは、水平な床面(設置面)F上に設置された状態の椅子1において、正規姿勢で着座した着座者の正面側を「前」、その逆側を「後」とし、上下左右も着座者から見た向きと同一とする。また、図中において、矢印UPは上方を示し、矢印FRは前方を示し、矢印LHは左方を示している。
図1~図5は、着座者が着座したときの椅子1の状態を示している。図6~図8は、着座者が離席したときの椅子1の状態を示している。
図1及び図4に示すように、本実施形態の椅子1は、座3と、肘掛け5と、座3及び肘掛け5を支持する支持構造体10と、を備えている。支持構造体10は、脚体2と、背凭れ4と、座回動機構6と、を備えている。また、椅子1は、減速機構11を有する。
脚体2は、設置面Fに設置され、椅子1の幅方向(左右方向)に離間して一対配置されている。脚体2は、前脚20(請求項の脚部材20)と、前脚20の前後方向後方に離間して配置された後脚25(請求項の脚部材25)と、支持部材7と、フランジ支持体62(図9参照)と、座回転軸61(図9参照)と、を備えている。
前脚20は、前脚本体21と、前脚カバー22と、前脚連結部材23と、を備える。
前脚本体21は、設置面Fに対して略垂直に延びて上方に起立する起立部21aと、起立部21aの下端から前後方向に沿って前方に延びる並行部21bと、起立部21aの上端に設けられた前脚屈曲部21cと、前脚屈曲部21cの上端に設けられた前脚後傾部21dと、を有する。起立部21aの下端は並行部21bに連結し、起立部21aと並行部21bとが側面から見てL字状に形成されている。前脚屈曲部21cは、起立部21aの上端に設けられ、前方に向かって凸となるように屈曲している。前脚後傾部21dは、前脚屈曲部21cの上端に設けられ、下方から上方へ延びるにしたがい後脚25側に位置するように後傾して直線状に延びている。前脚本体21は、例えば角鋼管を曲げることにより一体として形成されている。
前脚カバー22は、例えば合成樹脂や不織布等のパッド部材である。前脚カバー22は、並行部21bと設置面Fとの間で、並行部21bに沿って前後方向に延在している。換言すれば、前脚本体21は、前脚カバー22を介して設置面Fに当接している。なお、前脚カバー22はなくてもよい。
前脚連結部材23は、前脚後傾部21dの上端に接続され、前脚後傾部21dと略平行に延びている。前脚連結部材23の上端には、後述する肘掛け5を枢支するための枢軸挿通部29が形成されている。枢軸挿通部29には、例えば幅方向に沿って貫通した不図示の孔が形成されている。なお、枢軸挿通部29には、幅方向に貫通しない穴又は陥凹部が形成されていてもよい。
前脚20は、椅子1における左右方向の最外側に配置されている。前脚20は、複数の椅子1が左右方向に隣接して配列されたときに、隣り合う椅子1の前脚20と隙間なく当接可能である。
後脚25は、後脚本体26と、後脚カバー27と、後脚連結部材28と、を備える。
後脚本体26は、上方へ延びるにしたがい前脚20側に位置するように前傾して直線状に延びている。後脚本体26は、例えば角鋼管で形成されている。後脚本体26は、幅方向において、前脚20の内側面21aaよりも内側に位置している(図3も参照)。これにより、複数の椅子1が入れ子状に前後方向にスタッキングされたとき(重ね合わされたとき)に、後脚25が後方の椅子1の前脚20の間に入り込み、前後方向に複数の椅子1が間隔を詰めて重ねられる。
後脚カバー27は、例えば合成樹脂や不織布等のパッド部材である。後脚カバー27は、後脚本体26の下端部26aと設置面Fとの間に設けられている。換言すれば、後脚本体26は、後脚カバー27を介して設置面Fに当接している。なお、後脚カバー27はなくてもよい。
後脚連結部材28は、後脚本体26の上端に接続されている(図4も参照)。後脚連結部材28は、側面から見て、前脚20よりも後方の位置で、後方に向かって屈曲している。後脚連結部材28の上端は、側面から見て前脚20の前脚連結部材23と略平行に延びている。また、図5に示すように、後脚連結部材28は、後方に向かって屈曲する部分で後脚連結部材28の外側面を後方に向けるように捩れつつ、幅方向の外側に変位している。これにより、後脚連結部材28は、正面から見て前脚20と重なるように形成されている。
脚部材20,25の上下中間部の間は、幅方向と直交する板状をなす支持部材7を介して連結されている。本願における「中間」とは、対象部品の両端間の中央に限らず、両端間の内側にある部位を含む。椅子1が椅子設置面F上に起立するとき、椅子1の前後方向は椅子1の奥行方向となる。前後方向前方は奥行方向手前側に相当し、前後方向後方は奥行方向奥側に相当する。左右の支持部材7は、座3の左右および背凭れ4の左右側部を支持する部材である。
脚体2は、上述したように、前脚カバー22及び後脚カバー27を介して設置面Fに当接している。座3、背凭れ4、及び肘掛け5は、左右の脚体2に支持されている。また、脚体2は、着座者がいるときには着座者の体重を支える。
図9は、椅子1の左前方から見たときの、椅子1の右側部分を示す斜視図である。なお、フランジ支持体62、座回転軸61、及び座フレーム65は左右対称に構成されているので、図9に示す部分と対象となる部分が左側にも設けられている。また、説明のために一部の部品が省略されている。
フランジ支持体62及び座回転軸61は、後述する座3を支持及び回動させるために脚体2に設けられた部材である。フランジ支持体62は、脚体2における前脚20と後脚25との間に位置する支持部材7の幅方向内側の面に取り付けられ、左右に一対配置されている。フランジ支持体62は、円筒部62aと、円筒部62aの幅方向外側を閉塞する底部62bと、底部62bから円筒部62aの軸線方向と直交する径方向の外側に延びるフランジ部62cと、を有する有底円筒状に形成されている。フランジ支持体62は、円筒部62aの軸線が幅方向に沿うようにして、開口側を幅方向の内側に向けて配置されている。
座回転軸61は、フランジ支持体62の円筒部62aの軸線方向と同軸となるように、脚体2の幅方向に沿って延在している。座回転軸61には、フランジ63と、第一ギヤ64と、が設けられている。
フランジ63は、座回転軸61の両端部に設けられている。座回転軸61及びフランジ63は、幅方向において椅子1の内側からフランジ支持体62の円筒部62aの内部に挿入され、円筒部62a内部の底部62bと、フランジ63と、が接続されている。これにより、座回転軸61は、脚体2に対して回転不能に固定されている。
また、座回転軸61は、第一ギヤ64を有する。第一ギヤ64は、外周縁の一部にギヤ部64aを有する。第一ギヤ64は、左右に一対配置され、座回転軸61に対して回転不能に取り付けられている。
座3(図1参照)は、一対の脚体2の間に架設されている。座3は、着座者が着座する座面3aを有する。座3は、幅方向に沿う第一軸線C1を回転中心として、脚体2に対して回動可能に支持されている。座3は、座面3aを上方に向けた座使用位置PZ1(図4参照)と、座使用位置PZ1に対して前部3eを上方に移動させた座跳ね上げ位置PZ2(図8参照)と、の間で第一軸線C1回りに回動可能とされている。
図1及び図2に示すように、座3は、座面3aを有する座本体33と、座本体33から幅方向外側に突出する突出部3bと、を有する。
座本体33は、座フレーム65と、不図示のクッション支持部材を介して座フレーム65に取り付けられるクッション材30と、表皮材31と、を備える。
図9に示すように、座フレーム65は、フランジ支持体62よりも幅方向の内側において、左右に一対配置されている。なお、以降の説明では、座3が座使用位置PZ1にある状態における座フレーム65について説明する。座フレーム65は、座フレーム枢支部65aと、座回転軸61と交差する部位に設けられた付勢機構収容部65vと、座使用位置PZ1において付勢機構収容部65vから前方に向かって延びる座フレーム本体65bと、を有する。
座フレーム枢支部65aは、フランジ支持体62の円筒部62aと同軸に配置された半円筒状で、幅方向外側の一端部が、円筒部62aの内周面に回転可能に取り付けられている。座フレーム枢支部65aの幅方向内側の他端部は、付勢機構収容部65vと軸線C1回りに回転不能に接続されている。
付勢機構収容部65vは、上方に開口を有し、座回転軸61に直交する前後方向に延びる箱状に形成されている。付勢機構収容部65vの幅方向外側の側面は、座フレーム枢支部65aの他端部と軸線C1回りに回転不能に接続されている。
付勢機構収容部65vは、座回転軸61と交差する部位に、座回転軸61と同軸になるようにU字状に切り欠いた回避部65cを有する。回避部65cは、座回転軸61を収容する十分な深さを有し、幅方向に沿って貫通している。回避部65cの内径は、座回転軸61の外径よりも大きく、回避部65cの内部には、座回転軸61が非接触に貫通している。回避部65cの間には、座回転軸61に固定された第一ギヤ64が配置されている。また、付勢機構収容部65vは、回避部65cの後方に軸固定孔65dを有する。軸固定孔65dは、幅方向に沿って付勢機構収容部65vを貫通している。
付勢機構収容部65vは、内部に付勢機構16を有する。付勢機構16は、軸部材67と、付勢部材66と、第二ギヤ68と、座回転軸61に取り付けられた第一ギヤ64と、を備える。
軸部材67は、軸固定孔65dに挿入され、座回転軸61と平行に延設されている。軸部材67は、付勢機構収容部65vに対して回転可能に軸支されている。
付勢部材66は、座3を座使用位置PZ1から座跳ね上げ位置PZ2へ回動させる向きに付勢する渦巻ばね66である。渦巻ばね66は、側面から見て、軸部材67を中心とした渦巻状に構成されている。渦巻ばね66の径方向内側端部は、軸部材67に固定されている。渦巻ばね66の径方向外側端部は、付勢機構収容部65vの内壁に固定されている。渦巻ばね66は、座3が座跳ね上げ位置PZ2にあるときに、初期付勢力が座使用位置PZ1から座跳ね上げ位置PZ2に回転する向きに作用している。
第二ギヤ68は、渦巻ばね66よりも幅方向内側に配置され、径方向の中心部が軸部材67に回転不能に固定されている。第二ギヤ68は、外周部にギヤ部68aを有する。第二ギヤ68のギヤ部68aと、第一ギヤ64のギヤ部64aと、が噛合している。
座フレーム本体65bは、正面視において開口を上方に向けたコの字状の断面を有し、付勢機構収容部65vの前端部から前方に向かって延設されている。座フレーム本体65bには、両側の座フレーム本体65bに亘って架設される不図示のクッション支持部材を介して、クッション材30(図1参照)が取り付けられている。クッション材30は、クッション材30を包むようにして表皮材31で覆われている。
突出部3bは、座3における前後方向前方で、肘掛け内側面53cよりも幅方向外側に向けて突出している。突出部3bは、座本体33と一体に形成されている。突出部3bの上面3d(請求項の座面張出し部3d)は、座本体33の座面3aから延びるようにして形成されている。換言すれば、突出部3bの上面3dは、座本体33の座面3aとともに着座者が着座する面を構成している。
また、座3は、座使用位置PZ1から座跳ね上げ位置PZ2に回動する際に、肘掛け使用位置PH1にある肘掛け5に当接する駆動部3cを有する。本実施形態では、突出部3bの回動軌跡内に肘掛け5が配置されていて、座3の回動によって突出部3bの上面3dの一部が肘掛け5に当接する。すなわち、突出部3bの上面3dの一部は、駆動部3cとして機能する。
図4に戻って、背凭れ4は、支持部材7に固定されており、座3よりも上方にて脚体2に支持されている。背凭れ4は、着座者がいるときには着座者の背中を後方から支える。
肘掛け5は、着座者の腕を支えるものであり、被枢支部51と、肘掛け本体部53と、を備え、左右に一対配置されている。
被枢支部51は、第二枢軸42を有する。第二枢軸42は、中心軸として幅方向と平行な第二軸線C2を有する。第二枢軸42は、前脚連結部材23の上端に設けられた枢軸挿通部29に挿入されている。これにより、被枢支部51は、枢軸挿通部29に対して第二枢軸42回りに回転可能とされている。肘掛け5が回転する際、被枢支部51の第二枢軸42には、枢軸挿通部29との間で回転摩擦力が働いている。枢軸挿通部29は、肘掛け5の下方及び上方への回動速度を減速する不図示のダンパーを備えている。
肘掛け本体部53は、被枢支部51から椅子1の前方側に延設されている。すなわち、肘掛け本体部53の前部53eは、被枢支部51よりも前方に位置している。肘掛け5には、自重により常に下方向きの力が働いている。肘掛け本体部53は、肘掛け上面53aと、肘掛け下面53bと、幅方向内側に面する肘掛け内側面53cと、幅方向外側に面する肘掛け外側面53dと、を有する。肘掛け上面53aは、着座者の腕を載せる肘載せ面53aとされている。肘掛け下面53bは、被駆動部53bとされている。被駆動部53bは、側面から見て上方に凸となるような緩やかな弧状に形成されている。被駆動部53bは、座3の駆動部3cの回動軌跡内に配置されている。被駆動部53bは、座3が座使用位置PZ1から座跳ね上げ位置PZ2まで回動する際に、座3の駆動部3cが当接することで、座3と肘掛け5とが連動可能とされている。
肘掛け5は、全体として、脚体2の上端から前方に向けて延設されており、かつ座回動機構6よりも上方に配置されている。肘掛け5は、一対の脚体2のそれぞれに支持されて一対配置されている。肘掛け5は、肘載せ面53aを上方に向けた肘掛け使用位置PH1と、肘掛け使用位置PH1に対して肘掛け5の前部53eを上方に移動させた肘掛け跳ね上げ位置PH2と、の間で第二軸線C2回りに回動可能に構成されている。
また、肘掛け5は、座3の駆動部3cに当接することにより座3の回動速度を減速させる減速機構11とされている。具体的に、肘掛け5の自重、第二枢軸42回りの回転摩擦力、及びダンパーが減速力として作用する。すなわち、椅子1の減速機構11は、肘掛け5を含んでいる。
また、肘掛け使用位置PH1よりも上方に位置するときの肘掛け5には、肘掛け5の自重により肘掛け5を肘掛け使用位置PH1へ回動させる復帰方向の付勢力が作用している。この肘掛け5の復帰方向の付勢力の大きさは、座3から受ける肘掛け跳ね上げ位置PH2への付勢力の大きさと比べて同一又は小さいとされている。
次に、上述した椅子1の作用について説明する。
着座者が椅子1を使用する前の状態において、座3は、渦巻ばね66の付勢力により座跳ね上げ位置PZ2に位置している。また、肘掛け5は、座3に当接して上方に付勢されることにより、肘掛け跳ね上げ位置PH2に位置している。換言すれば、座跳ね上げ位置PZ2における座3の渦巻ばね66による付勢力と、肘掛け跳ね上げ位置PH2における肘掛け5の自重による肘掛け使用位置PH1への復帰方向の付勢力と、が釣り合っている。また、このとき、肘掛け5の前部53eは、座3の前部3eよりも後方に位置している。
着座者が椅子1に着座するとき、着座者はまず、座回動機構6の付勢部材66の付勢力に逆らって座3を座使用位置PZ1まで引き下げる。座3が引き下げられると、肘掛け5は、自重により肘掛け使用位置PH1へ回動する。着座者が座3に着座すると、着座者の体重により座3が座使用位置PZ1に留まるので、着座者は安定的に椅子1に着座することができる。また、着座者は肘掛け使用位置PH1にある肘掛け5を使用できる。
次に、着座者が座面3aから離れると、座3には、コイルばね66の付勢力により座跳ね上げ位置PZ2へ戻る方向の力が働くので、座3は、座使用位置PZ1から座跳ね上げ位置PZ2へ向かって自動で回動する。そして、座3は、座使用位置PZ1から座跳ね上げ位置PZ2まで回動する間で肘掛け5に当接する。座3が肘掛け5に当接した後、座3の駆動部3cが肘掛け5の被駆動部53bに沿って滑るように移動しながら、座3及び肘掛け5が連動して跳ね上げ位置PZ2,PH2まで回動する。このとき、肘掛け下面53b(すなわち被駆動部53b)は、側面から見て上方に凸となるような緩やかな弧状に形成されているので、座3の回動中心から被駆動部53bまでの距離が、座3の回動角度によらずほぼ均一となる。これにより、肘掛け下面53bが側面から見て直線状に形成されている場合等と比較して、座3が肘掛け5から受ける力の向きや大きさが回動中ほぼ一定に保たれるので、座3の回動が阻害されにくい。したがって、座3と肘掛け5とを滑らかに連動させることができる。
ここで、座3は突出部3bを有し、突出部3bの上面3dが駆動部3cとして機能するとともに、肘掛け使用位置PH1において肘掛け5の被駆動部53bは座3の駆動部3cの回動軌跡内に配置されている。ここでいう駆動部3cの回動軌跡とは、座3が座使用位置PZ1から座跳ね上げ位置PZ2まで回動する間に、駆動部3cが通過する空間全体を含む3次元の空間領域である。肘掛け5は、この駆動部3cの回動軌跡内に配置されているので、座3は、座使用位置PZ1から座跳ね上げ位置PZ2へ向かって回動する動作中における少なくとも一部で、肘掛け使用位置PH1にある肘掛け5に当接する。すなわち、座3は、座3の回動軌跡の少なくとも途中の一部で肘掛け5に当接する。これにより、座3には、肘掛け5からの反力により、座跳ね上げ位置PZ2への回動方向と反対向きの力が働く。よって、座3の回動速度が加速するのを抑制し、座3の回動速度を減速させることができる。
肘掛け5から座3に直接減速力を付与している。すなわち、座3は、回動の途中で肘掛け5に作用するとともに肘掛け5からの反力を受けることで、回動速度が減速される。このように、座3及び肘掛け5が別部品を介さず直接作用し合う構成であるので、減速機構11として他の部品を設ける必要がなく、部品点数を削減できるとともに、組み立てにかかるコストを低減できる。
一方、肘掛け跳ね上げ位置PH2にある肘掛け5には、自重による下方向きの力、すなわち肘掛け使用位置PH1への復帰方向の付勢力が働いている。これにより、座3を座使用位置PZ1へ引き下げるだけで、肘掛け5の自重により肘掛け5を自動で肘掛け使用位置PH1まで回動させることができる。このように、肘掛け5は、座3の回動と連動して肘掛け使用位置PH1まで回動されるので、肘掛け5と座3とをそれぞれ別個に回動させる場合と比較して、肘掛け5を肘掛け使用位置PH1まで引き下げる手間を省くことができる。
また、肘掛けの復帰方向の付勢力の大きさは、座から受ける肘掛け跳ね上げ位置への付勢力の大きさと比べて同一又は小さいとされているので、肘掛け5及び座3が跳ね上げ位置PH2,PZ2にあるとき、肘掛け5の自重により肘掛け5が意図せずに肘掛け使用位置PH1へ回動してしまうことがない。よって、座3を座跳ね上げ位置PZ2へ回動させるだけで、座3及び肘掛け5を跳ね上げ位置PZ2,PH2の状態に維持することができる。
したがって、肘掛け5を引き下げる手間を抑えた椅子1を提供することができる。
さらに、肘掛け使用位置PH1よりも上方に位置するときの肘掛け5には、肘掛け使用位置PH1への復帰方向の付勢力が作用しているので、無負荷状態において肘掛け5が肘掛け使用位置PH1以外の途中地点で止まることがない。これにより、例えばテーブル等の天板付き什器の下方に椅子1を収容する際に、途中地点に位置する肘掛け5の前部53eと天板とが当接することによる肘掛け5と天板との双方の破損を抑制できる。また、これにより、肘掛け上面53aの高さ位置が常に天板の下方に潜り込むような高さ位置に設計する必要がなく、椅子1の設計の自由度を向上できる。
本構成によれば、枢軸挿通部29はダンパーを備えるので、肘掛け5が勢いよく下方へ回動し、被枢支部51に大きな衝撃力がかかるのを抑制することができる。
また、着座者が離席した際には、肘掛け5の被駆動部53bに座3の駆動部3cが接触することにより、肘掛け5に上方向きの力が働く。これにより、肘掛け5は、肘掛け使用位置PH1から肘掛け跳ね上げ位置PH2へ回動する。このように、肘掛け5は、座3の回動と連動して肘掛け跳ね上げ位置PH2まで回動されるので、肘掛け5と座3とをそれぞれ別個に回動させる場合と比較して、肘掛け5を肘掛け跳ね上げ位置PH2まで引き起こす手間を省くことができる。また、座3及び肘掛け5がこれらと別体の部品を介さず直接的に当接することで、座3及び肘掛け5により連動機構を構成できるので、連動機構として他の部品を設ける必要がない。よって、部品点数を削減できるとともに、組み立てにかかるコストを低減できる。
したがって、座3及び肘掛け5の両方が跳ね上げ可能な、座3及び肘掛け5跳ね上げ式の椅子1において、簡素な構成により、肘掛け5を回動する手間を抑えた椅子1を提供することができる。
特に、座3が付勢部材66を備える場合、着座者が椅子1から離れるだけで、座3及び肘掛け5の両方を自動で跳ね上げ位置PZ2,PH2まで戻すことができる。これにより、座3を座跳ね上げ位置PZ2まで引き起こす手間が省ける。また、付勢部材66の付勢力に逆らって座3の回動速度を減速する減速機構11を備えるので、座3には、座跳ね上げ位置PZ2への回動方向と反対向きの力が働く。これにより、座3の回動速度が加速するのを抑制し、座3の回動速度を減速させることができる。そして、減速機構11は肘掛け5を含むので、肘掛け5から座3に直接減速力を付与することが可能となる。すなわち、座3は、回動の途中で肘掛け5に作用するとともに肘掛け5からの反力を受けることで、回動速度が減速される。このとき、座3及び肘掛け5が別部品を介さず直接作用し合う構成であるので、減速機構11として他の部品を設ける必要がなく、部品点数を削減できるとともに、組み立てにかかるコストを低減できる。
したがって、本構成によれば、簡素な構成により座3の回動速度を減速可能とし、かつ、座3及び肘掛け5を回動する手間を抑えた椅子1を提供することができる。
座3が肘掛け5に当接すると、座3及び肘掛け5には、肘掛け5の自重、肘掛け5が第二軸線C2回りに回転する際の摩擦力、及び肘掛け5のダンパーによる減速力が働くので、座3及び肘掛け5には、回動方向に逆らう向きの力が作用する。また、座3には、駆動部3cが肘掛け5の被駆動部53bを滑る際の摺動摩擦が作用する。これにより、座3が座跳ね上げ位置PZ2へ向かって加速することを抑制し、効果的に座の回動速度を減速させることができる。また、複雑な構成を用いずに回動に対向する向きの力を発生させることができるので、減速機構11を簡素化できる。
したがって、簡素な構成により優れた減速機構11を備えた椅子1を提供することができる。
本構成によれば、肘掛け5は、一対の脚体2のそれぞれに支持されて一対に配置されているので、座3の幅方向における両端部に位置する駆動部3cが肘掛け5に当接する。これにより、座3と肘掛け5とを確実に当接させるとともに、座3の回動速度を効果的に減速できる。
また、被駆動部53bは、座3の回動軌跡内に配置されているので、肘掛け5と座3とを確実に当接させることができる。したがって、座3が肘掛け5に確実に当接する、安定的な連動機構とすることができる。
また、座3の突出部3bに駆動部3cが設けられるので、座3と肘掛け5とをより確実に当接させることができる。また、座3に設けられた突出部3b及び肘掛け5によって減速作用を奏することができるので、簡素な構成により座3の回動速度を減速する減速機構を備えた椅子1とすることができる。
本構成によれば、突出部3bの座面張出し部3d(上面3d)は座面3aから延びるようにして形成されているので、座面3aに凹凸等が生じることがなく、着座感を良好に保つことができる。さらに、座面3aの幅方向の長さが拡張されるので、使用者の着座面積を増やすことができ、着座感を一層良好にすることができる。
また、座3の回転中心である第一軸線C1と、肘掛け5の回転中心である第二軸線C2とが略平行となり、座3の回動方向と肘掛け5の回動方向とが略同一となるので、座3の回動による作用力を肘掛け5に効率的に連動させることができる。したがって、優れた連動作用を奏することができる椅子1とすることができる。
また、肘掛け跳ね上げ位置PH2において、肘掛け5の前部53eを上方に向けることにより、椅子1の前後方向の寸法を小さく抑えることができる。
これにより、複数の椅子1を前後方向へ重ねる(スタッキング又はネスティング)際に、スタッキングされた椅子1全体の寸法を小さくすることができる。
また、例えば天板の高さが変更可能な昇降天板付き什器の下方に椅子1を収容する際に、椅子1を使用者から見て奥側に配置することができる。これにより、使用者が起立状態で作業するときに椅子1が昇降天板付き什器よりも使用者のいる外側に飛び出す範囲を小さく抑えることができる。
次に、本発明に係る第1変形例及び第2変形例について説明する。第1変形例及び第2変形例では、側面から見たときの肘掛け5の形状が上述した実施形態と相違している。以下の説明において、上述した第1実施形態と同様の構成については、同一の符号を付して適宜説明を省略する。
(第1変形例)
図10は、本発明の第1変形例に係る肘掛け跳ね上げ位置PH2における肘掛け5の側面図である。図10に記載された以外の構成に係る符号については、適宜図1から図9を参照されたい。
肘掛け跳ね上げ位置PH2において、肘掛け5は、側面から見て、被枢支部51に比べて前部53eが太くなるように、かつ肘掛け下面53b側に膨出するように形成されている。被枢支部51は、肘掛け5の重心Mよりも長さLだけ後方側に設けられている。
本構成によれば、肘掛け跳ね上げ位置PH2において肘掛け5を直立させた場合であっても、被枢支部51より前方側に肘掛け5の重心Mを配置できるので、肘掛け5の自重により肘掛け使用位置PH1への復帰方向の付勢力を得ることができる。また、肘掛け5を直立させることができるので、座3をより一層大きな角度まで跳ね上げることができ、跳ね上げ状態における椅子1の前後方向の寸法を小さく抑えることができる。
このように、本構成によれば、肘掛け5の形状を変更することにより復帰方向の付勢力を得ることができる。
(第2変形例)
図11は、本発明の第2変形例に係る肘掛け跳ね上げ位置PH2における肘掛け5の側面図である。図11に記載された以外の構成に係る符号については、適宜図1から図9を参照されたい。
肘掛け跳ね上げ位置PH2において、肘掛け5は、側面から見て矩形状に形成されている。被枢支部51は、肘掛け5の重心Mよりも長さLだけ後方側に設けられている。
本構成によれば、単純な矩形状の肘掛け5を肘掛け跳ね上げ位置PH2において直立させた場合であっても、被枢支部51より前方側に肘掛け5の重心Mを配置できるので、肘掛け5の自重により肘掛け使用位置PH1への復帰方向の付勢力を得ることができる。また、肘掛け5を直立させることができるので、座3をより一層大きな角度まで跳ね上げることができ、跳ね上げ状態における椅子1の前後方向の寸法を小さく抑えることができる。
このように、本構成によれば、被枢支部51の位置を変更することにより復帰方向の付勢力を得ることができる。
なお、肘掛け使用位置PH1への復帰方向の付勢力を得る方法として、肘掛け5の形状を変更する方法(第1変形例)及び被枢支部51の位置を変更する方法(第2変形例)を例に挙げたが、具体的な肘掛け5の形状や被枢支部51の位置については、適宜変更が可能である。
以上、本発明の好ましい実施例を説明したが、本発明はこれら実施例に限定されることはない。本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、構成の付加、省略、置換、およびその他の変更が可能である。本発明は前述した説明によって限定されることはなく、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。
例えば、上述した実施形態では、座3が付勢部材66を有する場合について説明したが、この構成のみに限られない。付勢部材66を有さない、座跳ね上げ式の椅子1であってもよい。この場合、椅子を使用した後に着座者が手動で座3を座跳ね上げ位置PZ2まで引き上げる必要があるが、この場合であっても、座3と肘掛け5とが当接することによる肘掛け5の連動作用及び座3の減速作用を奏することができる。
なお、本実施形態では、前脚20に枢軸挿通部29が形成された構成としたが、後脚25の上端に枢軸挿通部29が形成された構成としてもよい。
また、設置面Fは、水平な床面に限らない。脚体2は、傾斜面又は垂直面に設置されてもよい。さらに、脚体2は、設置面にアンカーボルト等により固定された固定椅子であってもよい。
また、背凭れ4はリクライニング式であってもよい。なお、背凭れ4はなくてもよい。
本実施形態では、肘掛け5が脚体2の上端に取り付けられた構成としたが、これに限らない。肘掛け5は、背凭れ4に支持されていてもよい。すなわち、椅子1の支持構造体10のいずれかに支持される構成であればよい。
また、肘掛け5は幅方向の一方側にのみ設けられていてもよい。
また、脚体2の枢軸挿通部29に肘掛け5の下方への回動速度を減速するためのダンパーが設けられる構成としたが、ダンパーは例えば肘掛け5の被枢支部51に設けられてもよい。また、ダンパーはなくてもよい。
本実施形態では、座3は、肘掛け5が肘掛け使用位置PH1から肘掛け跳ね上げ位置PH2へ回動するストロークにおいて常に肘掛け5と当接する構成としたが、肘掛け5のストロークのうちの一部において当接する構成としてもよい。例えば、座3が座跳ね上げ位置PZ2で停止した状態から、肘掛け5のみがさらに上方へ回動可能に構成されていてもよい。
また、第二軸線C2は、第一軸線C1に対して角度をもっていてもよい。
また、本実施形態では、座3に突出部3bが設けられる構成としたが、肘掛け5に座3に向かって突出する突出部が設けられている構成としてもよい。
また、座3の駆動部3cは肘掛け下面53bに当接して肘掛け5を押し上げる構成としたが、これに限らない。座3は、肘掛け5の角部又は肘掛け内側面53cに当接又は接触することにより、肘掛け5を上方へ連動可能な構成としてもよい。
さらに、本実施形態では突出部3bが座面3aと一体とされたが、例えば座3の下面に幅方向へ突出する棒状の部材を取り付ける等、座3と別部材の突出部が設けられていてもよい。
また、座3の駆動部3c及び肘掛け5の被駆動部53bはそれぞれ磁石を備え、磁石の反発力により非接触で連動する構成としてもよい。
なお、付勢部材66は渦巻ばね66に限らない。例えばコイルばね、板バネ等の弾性部材や、ガススプリング等の付勢力を生じさせる部品により構成されていてもよい。
また、肘掛け5を肘掛け使用位置PH1へ回動させる向きに力を付勢するバネが設けられてもよい。この場合、肘掛け5には、自重及びバネにより肘掛け使用位置PH1への復帰方向の付勢力が作用し、この付勢力の大きさは、座跳ね上げ位置PZ2に付勢された座から受ける肘掛け跳ね上げ位置PH2への付勢力の大きさと比べて同一又は小さい。
その他、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態における構成要素を周知の構成要素に置き換えることは適宜可能である。
1 椅子
2 脚体
3 座
3a 座面
3b 突出部
3c 駆動部
3d 上面(座面張出し部)
4 背凭れ
5 肘掛け
6 座回動機構
10 支持構造体
11 減速機構
20 前脚(脚部材)
25 後脚(脚部材)
53a 肘載せ面(肘掛け上面)
53b 被駆動部(肘掛け下面)
53e 前部
66 付勢部材
C1 第一軸線
C2 第二軸線
PZ1 座使用位置
PZ2 座跳ね上げ位置
PH1 肘掛け使用位置
PH2 肘掛け跳ね上げ位置

Claims (7)

  1. 座面を有する座と、
    肘載せ面を有する肘掛けと、
    前記座及び前記肘掛けを支持する支持構造体と、
    を備え、
    前記座は、前記座面を上方に向けた座使用位置と、前記座使用位置に対して前部を上方に移動させた座跳ね上げ位置と、の間で第一軸線回りに回動可能であり、
    前記肘掛けは、前記肘載せ面を上方に向けた肘掛け使用位置と、前記肘掛け使用位置に対して前部を上方に移動させた肘掛け跳ね上げ位置と、の間で第二軸線回りに回動可能であり、
    前記座は、前記座使用位置から前記座跳ね上げ位置に回動する際に、前記肘掛け使用位置にある前記肘掛けに作用し、前記座の回動に連動して前記肘掛けを前記肘掛け跳ね上げ位置側へ回動させる駆動部を有し、
    前記肘掛けは、前記座の前記駆動部に接触して前記座と前記肘掛けとを連動可能とする被駆動部を備え、
    前記被駆動部は、前記駆動部の回動軌跡内に配置されるとともに、前記肘掛け使用位置にある前記肘掛けを側面から見て上方に凸となる弧状に形成されている、椅子。
  2. 座面を有する座と、
    肘載せ面を有する肘掛けと、
    前記座及び前記肘掛けを支持する支持構造体と、
    を備え、
    前記座は、前記座面を上方に向けた座使用位置と、前記座使用位置に対して前部を上方に移動させた座跳ね上げ位置と、の間で第一軸線回りに回動可能であり、
    前記肘掛けは、前記肘載せ面を上方に向けた肘掛け使用位置と、前記肘掛け使用位置に対して前部を上方に移動させた肘掛け跳ね上げ位置と、の間で第二軸線回りに回動可能であり、
    前記座は、前記座使用位置から前記座跳ね上げ位置に回動する際に、前記肘掛け使用位置にある前記肘掛けに作用し、前記座の回動に連動して前記肘掛けを前記肘掛け跳ね上げ位置側へ回動させる駆動部を有し、
    前記座を前記座使用位置から前記座跳ね上げ位置へ回動させる向きに力を付勢する付勢部材と、前記付勢部材の付勢力に逆らって前記座の回動速度を減速する減速機構と、を備え、
    前記減速機構は、前記肘掛けを含み、
    前記肘掛け跳ね上げ位置における前記肘掛けには、前記肘掛けの自重により前記肘掛けを前記肘掛け使用位置へ回動させる復帰方向の付勢力が作用し、
    前記復帰方向の付勢力の大きさは、前記座跳ね上げ位置に付勢された前記座から受ける前記肘掛け跳ね上げ位置への付勢力の大きさと比べて同一又は小さい、椅子。
  3. 前記減速機構の減速力は、前記肘掛けにおける自重及び前記第二軸線回りの摩擦力の少なくとも一方を含む、請求項2に記載の椅子。
  4. 前記支持構造体は、設置面に設置される脚体と、前記脚体に支持される背凭れと、を備え、
    前記脚体は、前記椅子の幅方向に離間して並ぶ一対の脚部材を備え、前記座は、前記一対の脚部材間に架設され、前記肘掛けは、前記一対の脚部材のそれぞれに支持されて一対配置されている、請求項1からの何れか一項に記載の椅子。
  5. 前記座は、前記肘掛けに向かって突出する突出部を有し、前記突出部に前記駆動部が設けられる、請求項1からの何れか一項に記載の椅子。
  6. 前記突出部は、前記座の幅方向両端部における少なくとも一方から、前記幅方向の外側に向けて突出し、
    前記座面における前記幅方向の外側には、前記突出部により前記幅方向の外側に張り出して形成された座面張出し部を有する、請求項に記載の椅子。
  7. 前記第一軸線および前記第二軸線は、前記椅子の幅方向に沿って延びる、請求項1からの何れか一項に記載の椅子。
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