JP7142802B2 - 超硬合金製切断刃 - Google Patents

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Description

本開示は、超硬合金製切断刃に関する。本出願は、2020年6月19日に出願した日本特許出願である特願2020-105784号に基づく優先権を主張する。当該日本特許出願に記載された全ての記載内容は、参照によって本明細書に援用される。
従来、切断刃は、たとえば特開平10-217181号公報(特許文献1)、特開2001-158016号公報(特許文献2)、国際公開第2014/050883号(特許文献3)、国際公開第2014/050884号(特許文献4)、特開2017-42911号公報(特許文献5)および特開2004-17444号公報(特許文献6)に開示されている。
特開平10-217181号公報 特開2001-158016号公報 国際公開第2014/050883号 国際公開第2014/050884号 特開2017-42911号公報 特開2004-17444号公報
本開示の超硬合金製切断刃は、基部と、基部の延長線上に設けられ、最先端部である刃先を有する刃部とを備え、ビッカース硬度HVが1250以上2030以下であり、刃先から基部に向けて1μmの位置の刃部の厚みをT1μmとし、刃先から基部に向けて3μmの位置の刃部の厚みをT2μmとし、T1は0.4以上1.3以下であり、T1が0.4から1.3の範囲において3.22T1≦T2≦1.11T1+2.76である。
図1は、実施の形態1に従った超硬合金製切断刃1の縦断面図である。 図2は、超硬合金製切断刃1において、刃先121tから1μmの位置の刃部120の厚みT1μmと、刃先121tから3μmの位置の刃部120の厚みT2μmとの関係を示すグラフである。 図3は、実施の形態2に従った超硬合金製切断刃1の縦断面図である。 図4は、実施の形態3に従った超硬合金製切断刃1の縦断面図である。 図5は、実施の形態4に従った超硬合金製切断刃1の縦断面図である。 図6は、切断試験を説明するための装置の斜視図である。 図7は、図6中のVII-VII線に沿った断面図である。 図8は、切断刃の欠けを示す顕微鏡観察写真(マイクロスコープ)観察像である。
[本開示が解決しようとする課題]
一般的な刃面がストレートな刃では、切断物への侵入体積が大きく、切断抵抗が大きい為、切断真直性(いかにまっすぐに切断物を切れるか)に乏しく、断面荒れを起こしやすい問題があった。
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
(実施の形態1)
図1は、実施の形態1に従った超硬合金製切断刃1の縦断面図である。図1で示すように、超硬合金製切断刃1は刃渡り方向に延びる刃先121tを有する。図1は、刃渡り方向に直交する方向の断面である。平刃状の超硬合金製切断刃1は、図1に示すように基部110、および切断実行部である刃部120を有する。基部110と刃部120との間に連結部を有していてもよい。
(材質)
超硬合金製切断刃1に用いた材質はタングステンカーバイドとコバルトを主成分とした超硬合金である。超硬合金に使用されるコバルトの含有率は3~25質量%の範囲である。コバルトの含有率は5~20%の範囲であることが好ましい。超硬合金中を構成する元素の組成の特定は、ICP発光分光分析、Co滴定によって行う。本開示における超硬合金とは主成分タングステンカーバイド、コバルトの他、粒度等の特性調整の為、クロム、バナジウム、タンタル、ニオブ等の元素を含む場合もある。超硬合金中のタングステンカーバイド結晶の大きさが0.1μm~4μmであることが好ましい。結晶の大きさが2μm以下がより好ましい。
また、超硬合金中のタングステンカーバイトの結晶粒成長抑制のための成分TaC(タンタルカーバイド)を有し、その含有率が0.1~2質量%であることが好ましい。結晶粒成長を抑制するための添加剤はV(バナジウムカーバイド)、Cr(クロムカーバイド)であってもよい。TaC、V、Crの少なくとも一種類の置き替え、及び組み合わせる事ができる。その場合は各々の含有率が0.1~2質量%となる。超硬合金のビッカース硬度HVは1250以上2030以下である。ビッカース硬度はビッカース硬さ試験機により測定する。
(形状)
超硬合金製切断刃1の形状は基本的に矩形の板形状である。板の最も短い辺を厚さとする。
超硬合金製切断刃1は、基部110と、基部110の延長線上に設けられ、最先端部である刃先121tに向けて厚みが薄くなる形状を有する刃部120とを備える。
基部110の厚さは一定であることが好ましい。基部110は、たとえば50~1000μmの厚みがあり、切断される切断物の大きさにより必要とされる厚みが変わる。また切断を行う刃部120は基部110から延長される一辺に形成される。刃部120から基部110に向かう方向(Z軸方向)の刃部120の寸法を刃部120の幅と表す。刃渡り方向および刃部120の幅方向に対して垂直な方向(Y軸方向)の寸法を刃部120の厚みと表す。
刃渡り方向に直交する縦断面において刃先から3μmの範囲において刃部120の外形が内方向に凹の部分を有し、凹120uの部分は刃先121tおよび刃先121tからの幅方向の距離がH2(3μm)の位置を結ぶ直線Sよりも内側に位置する。凹120uの部分が存在することで凹120uの部分が存在しないストレート形状の切断刃と比較して切断時の真直性を高くすることができる。凹120uは角形であってもよいし、曲面形状であってもよい。
刃部120は、第一部分121と第二部分122とを有する。第一部分121および第二部分122は外表面121s、122sを有する。外表面121s,122sは直線形状である。外表面121s,122sが湾曲した形状であってもよい。互いに対向する位置にある2つの外表面121sのなす角度θ、および互いに対向する位置にある2つの外表面122sのなす角度を比較すると、外表面122sのなす角度は外表面121sのなす角度よりも小さい。刃先121tに近づくにつれて当該角度は大きくなる。この実施の形態では、外表面121s、122sは中心線Cに対して左右対称である。しかしながら、外表面121s,122sは中心線Cに対して左右非対称であってもよい。刃先121tからの距離H1(1μm)の部分と、刃先121tからの距離H2(3μm)の部分とでは、外表面121sの傾斜が異なる。
超硬合金製切断刃1の切断対象物は、たとえば、積層コンデンサ若しくは積層インダクタなどの焼成前のセラミックグリーンシート、金属箔、または、硬質樹脂などである。
押切りによる切断の場合、切断対象物を押し広げながら切断する。切断対象物である、例えばセラミックグリーンシートは高密度化等により、小型化が進み、切断精度に対する要求が高くなっている。
図1に示すように、Z軸方向に超硬合金製切断刃1を下降し、切断を行う超硬合金製切断刃1においては、刃先に大きな負荷がかかる。薄刃で且つ2つの外表面121sがなす角度が小さい方、即ち鋭角とした場合、欠け(チッピングとも言う)が発生し易い。欠けが発生すると当然ながら切れ味は悪くなり、切断対象物の切断断面には傷がつき易くなり不適となる。このような刃先121t最先端部が極めて鋭角である場合、他の材料に比較し高硬度且つ靱性が低い超硬合金は、耐座屈性、耐摩耗性に優れるものの、特に欠け易い課題がある。
本発明者は刃先121tの欠けを防止と切断精度を両立するために、刃先121tの最先端から基部110方向に1μm(図1中のH1)および3μm(図1中のH2)の刃先形状に着目したものである。本発明者らが試行錯誤する中、初期に発生する欠けは、刃先121tから基部方向に1~3μmの範囲において発生し、切断を継続する中、欠けの大きさが大きくなることを発見した。
欠けの原因としては、加工傷、または、材質が局所的な組成のばらつきにより変形が発生することもあるが、このような要因を除いた試験により以下の超硬合金製切断刃1が欠け対策として有効であることが判明した。
図2は、超硬合金製切断刃1において、刃先121tから1μmの位置の刃部120の厚みT1μmと、刃先121tから3μmの位置の刃部120の厚みT2μmとの関係を示すグラフである。T1は0.4以上1.3以下である。T1が0.4未満であれば厚みが小さくなりすぎて超硬合金製切断刃1の強度が得られない。T1が1.3を超えると刃部120の先端の幅が大きくなりすぎて切断対象物の切断面に亀裂が生じる。Tが1.3を超えると刃部120の先端が平らとなる。この場合には刃先121tの強度が大きいが切断時に発生する刃先121tへの応力が過大となり刃先121tが欠け易いことが分かった。
T1が0.4から1.3の範囲において3.22T1≦T2≦1.11T1+2.76である。3.22T1>T2であれば十分な大きさの凹120uが形成されない。T2>1.11T1+2.76であれば刃部120のT1に対してT2が大きくなりすぎるため切れ味が低下し切断面に応力を生じ亀裂や傷がつきやすくなる。
ここで、超硬合金製切断刃1は、切断に寄与する切断実行部即ち刃先部およびこの切断刃を切断装置に固定するために平行な面を有する基部(シャンクとも呼ぶ)を持つ形状である。より具体的な必要特性としては、切れ味よく、耐摩耗性があり、切断対象物に対する耐溶着性があり、座屈に対し強度があり、更に長寿命であることなどが求められている。
切れ味に関しては、特に刃先の形状が重要とされ、被切断物への損傷をも考慮し、薄刃で且つ刃先先端の角度は小さい方(鋭角)がよい。しかし薄刃になるほど強度が悪化することは避けられない。そのため現在用いられている切断刃は刃先から基部までの間に一段又は複数段の角度を付けることにより、最先端の刃先角度を大きくするなどの工夫がされている。
このような薄刃は、例えば高炭素鋼の他、超硬合金などの硬質材料が用いられている。しかし加工が容易ではなくその原因として、特に材質が硬質材料である場合、剛性はあるものの、難切削性であり且つ靱性が低く欠け易い。また製品使用時にも欠け易くなる。さらに、切断の真直性を向上させることが求められている。
従来、上述の特性を満たすために種々の切断刃が提案されているが、欠け難い材質と刃先形状についての詳細な知見がなかった。
前述したように初期欠けの発生は、刃先121tから基部110方向に約3μmの位置となる。CAE(Computer Aided Engineering)解析の結果においても刃先121t角度を変更しても応力が集中する部位は、刃先121t先端ではなく基部110方向約3μmの位置であった。刃先121tの初期の欠けは場合によっては5μm程度であることもあるが、亀裂の進展によると推定された。即ちこの部位の応力集中に耐えられる強度が必要と言える。縦断面において刃先に近づくにつれて刃部の幅が細くなるように外形が曲線形状とされることで、応力集中部位における欠けを最も効果的に抑制できる。縦断面において刃先に近づくにつれて刃部の幅が細くなるように外形が曲線形状とされることが好ましい。
本開示は、欠けに影響する因子である、上記、材質、刃先角度、および最先端部形状、即ち刃厚の組み合わせを最適化したものであり、これらを全て満たすことにより欠けが発生し易いことを見出したものである。さらに、凹120uを形成することにより、真直性を向上させることに成功した。
また、耐欠け性に関しては、刃先121tが鋭利であることは切れ味良いが、欠け発生においてはリスクあり、このリスクをさらに軽減するためには刃部120先端部が曲面を有することが効果的である。刃先121tは切断継続するに従い摩耗することは明白であり、上述のT1の範囲を満たし且つ丸みを持たせる方がより望ましい。
基部110方向に形成する切断実行部である刃部120の刃面がひとつの刃面、また複数の刃面を有しても同様の効果が得られる。また、縦断面形状においてその外形が直線から成る場合、また一部に曲線を有していても同様の効果が得られる。
刃部120を加工して上記の形状を得る方法は、たとえば、従来法と同様に砥石による研磨によりなされる。また微小曲面の形成手法としてブラスト手法を用いることができる。さらに、切断対象物より柔らかい、例えば研磨剤を分散させた粘土等を切断することで微小曲面を形成することができる。
例えば、硬質材料粉を混合した硬質研磨剤入り固形物を超硬合金製切断刃1で切断することにより、硬質研磨剤入り固形物中の硬質材料と刃部120を接触させて加工を行い、刃部120を形成することができる。
ここで、硬質研磨剤入り固形物としては、例えば、粘土質材料が挙げられる。また、硬質材料としてはダイヤモンド、W、Mo、WC、Al、TiO、TiC、TiCN、SiC、Si、BN等の粉末が例として挙げられる。
これらの硬質材料の粉末粒径は、二次粒子の平均粒径がFsss(Fisher Sub-Sieve Sizer)粒度で1μm以下であるのが好ましい。特に仕上げとして硬質材料粒子の種類、サイズ、固形物への添加量並びに加工時間を調整して得ることができる。なお、超硬合金製切断刃1の製造方法は、上述のものに限定されない。
(実施の形態2)
図3は、実施の形態2に従った超硬合金製切断刃1の縦断面図である。図3で示すように、実施の形態2に従った超硬合金製切断刃1においては、刃先121tからの距離がH1(1μm)の位置が外表面121sにおいて傾きが不連続に変化する境界となっている点において、実施の形態1に従った超硬合金製切断刃1と異なる。外表面121sの傾きが不連続に変化する境界は、刃先121tからの距離がH1(1μm)未満の位置にあってもよく、図1のようにH1からH2の間にあってもよく、刃先121tからの距離がH2(3μm)の位置にあってもよい。
(実施の形態3)
図4は、実施の形態3に従った超硬合金製切断刃1の縦断面図である。図4で示すように、実施の形態3に従った超硬合金製切断刃1においては、刃先121tが丸くされている点において、刃先121tが尖っている実施の形態1に従った超硬合金製切断刃1と異なる。刃先121tの曲率半径は単一であってもよい。刃先121tの曲率半径は複数存在して、いわゆる複合R形状とされていてもよい。
第一部分121において基部110に近い部分では外表面121sは直線形状であるが、刃先121tに近づくにつれて曲線形状となり、かつ曲率半径が小さくなる。直線部分から曲線部分へ、外表面121sの傾斜が連続的に変化している。
(実施の形態4)
図5は、実施の形態4に従った超硬合金製切断刃1の縦断面図である。図5で示すように、実施の形態4に従った超硬合金製切断刃1においては、第一部分121において刃先121tが丸くされている。第一部分121の外表面121sは、第二部分122に近い側の直線状の部分と刃先121tに近い側の曲線状の部分とを有し、直線状の部分と曲線状との境界部分において、外表面121sの傾斜が不連続に変化する。
[本開示の実施形態の詳細]
(実施例1)
図6は、切断試験を説明するための装置の斜視図である。図7は、図6中のVII-VII線に沿った断面図である。試験に用いる超硬合金製切断刃1(平刃状切断刃)は、刃渡り方向(X軸方向)40mm、基部厚さ(Y軸方向)0.1mm、刃高さ(Z軸方向)22.0mmであり、切断実行部の刃加工高さ(刃部120のZ軸方向高さ)1.8mmとした。材質は炭化タングステンおよびコバルトを基本組成としており、炭化クロム、炭化バナジウム、および炭化タンタル等の金属炭化物を添加剤として炭化タングステンの粒径を調整、更にコバルト添加量を調整して超硬合金の焼結体を得た。一例としてビッカース硬度1580の超硬合金素材を使用した。硬度を変更するには炭化タングステンの粒径調整とコバルトの添加量を調整し行った。
<研磨>
製造された焼結体はダイヤモンド砥石を用いた研削機により厚さ100μm、刃高さ22mm、刃渡り方向長さ40mmの板形状に削り出し先端刃部加工用の素材とした。
<刃付け>
続いて上記素材を用いて先端刃部の形成加工行った。形成加工に於いてはダイヤモンド円筒砥石を使用した専用の研削機を用い角度調整可能な専用のワークレストに素材を固定して加工を行った。刃部が2段である場合には、加工は素材長辺長さ40mm方向の一辺に対して最も先端にある先端角を持つ第一部分121、それに連なり配置され基部110に連続する第二部分122を有する刃部120を形成した。
<平面の外表面成形>
図1で示すような平面の外表面121s、122sを形成するためには、円筒砥石を用いて最先端部に対して平面形状加工を両面に施した。
<凹湾曲の外表面成形>
図4で示すような凹湾曲面である外表面121sを形成するためには、回転軸に沿った断面において外周面が凸形状の円筒砥石を用いて最先端部に対して凹形状加工を両面に施した。
外表面121s,122sの算術平均粗さSa(算術平均高さISO25178)は0.02μm以下とした。外表面121s,122sの表面粗さRaは、白色干渉計を用いた非接触式の面粗さ測定装置を用いて測定する。具体的には、Zygo Corporation製の非接触三次元粗さ測定装置(Nexview(登録商標))を用い、上記縦断面における測定範囲を、X方向に0.15mm、Z方向に0.05mmとする。測定視野は、ズームレンズの倍率を2倍、対物レンズの倍率を50倍とした。
<断面確認>
断面確認を日本電子社製のショットキー電界放出形走査電子顕微鏡JSM-7900Fを用いて10,000倍にて撮像し、機械座標と測長機能を活用し、刃先121tから1μmおよび3μmの部分の刃厚(刃部120の厚み)を測定した。ビッカース換算硬さは、フィッシャー・インストルメンツ社製PICODENTOR HM500を用いて測定した。それらの結果を表1から3に示す。
Figure 0007142802000001
Figure 0007142802000002
Figure 0007142802000003
表1から3における「硬度HV」とは超硬合金製切断刃1のビッカース硬度をいう。「座標位置」とは、刃先から1μmの厚さをT1とし、刃先から3μmの厚さをT2として図2のT1-T2座標にプロット座標を示す。
「刃面の曲面C非曲面N」とは刃面(外表面121s,122s)における曲面の割合が非曲面の割合より大きい場合に「C」とし、刃面(外表面121s,122s)における非曲面の割合が曲面の割合よりも大きい場合に「N」とした。
「刃先最先端部の丸みの有無」とは刃先121tに図4のような曲面があれば「Y」とし、図1のように刃先121tに曲面がなければ「N」とした。
「図」とは各試料の形状に最も近似する図面を示す。たとえば、試料番号8の外表面121s,122sにおいては曲面の割合が大きいが全体として見れば図3に最も近似している。すべての試料において、直線Sよりも内側に位置する凹120uが存在することを確認した。
切断評価試験は、用途として種々挙げられるが、均一な組成と硬度に着目して、切断対象物は一般的に入手可能な塩ビ板とした。厚みが0.1mm以上3.0mm以下の粘着シートを用いて固定した。また、粘着シートは、押切切断時に刃先最先端部が切断対象物を支持するテーブルと接触して欠けることを防ぐ機能を有している。切断対象物においては、X軸方向の幅が30mm、Z軸方向の厚さが0.5mm、である。切断速度は、Z軸方向に300mm/秒とした。
本テストの条件(図6および図7)
ワーク材質:塩化ビニル板100 厚み0.5mm、幅290mm、長さ30mm、ビッカース換算硬さHVが15
テスト装置:牧野フライス製作所製マシニングセンタV55(ステージ2004)にキスラー製切削動力計9255(切削動力計2003)をセットしたもの
ワークセット:下から厚み10mmのアクリル板2002、厚み1mmの両面粘着シート2001、ワークとしての塩化ビニル板100を積層した。
切断条件:切断速度300mm/秒、切断間隔2.5mm、押込み量0.55mm、長手方向のワークと刃角度±0.1°、ワークと刃断面角度90°±0.1°、切断回数100回(2.5mm間隔)
確認事項:欠け(深さDおよび長さL)、切断片の切断真直性
図6および7に示すような装置にて、チャック3001,3002により超硬合金製切断刃1を保持した。超硬合金製切断刃1の降下速度を300mm/秒として連続的に切断した。ここで連続的に切断するために切断対象物である塩化ビニル板100の同じ位置を切断しないように、超硬合金製切断刃1が上昇するたびに切断位置が移動できるようにした。
上記切断を100回行った。切断真直性については、ワークの切り始めと切り終わりとなる両端の切断片の断面をキーエンス製マイクロスコープVHX5000にて観察した。その観察結果から傾きが大きい切断片1方の切断面とワークの上下面(どちらでもよい)とのなす角度と、90°との差を表中における「角度[°]」として記載した。切断ワークの切り始めと終わりの切断片の傾きは一般に大きくなる。理由は切り始め、切り終わりとも、サポートする切断片がなく、切断片が一方に傾きやすいためである。
切断後の刃先の状態を、刃渡り方向全体の欠けの発生数により評価した。カウントする欠けの定義は、刃先の稜線部において、欠けの長さL10μm以上、深さD3μm以上の欠けであって深さが最大の欠け(図8)を測定した。
欠けの測定方法では、測定顕微鏡を用いた。具体的には、オリンパス製の測定顕微鏡(STM6-LM)に、50倍の接眼レンズおよび20倍の対物レンズを取り付け、切断刃(XZ面)を平面に置く。図8は、切断刃の欠けを示すマイクロスコープ観察像である。図8の切断刃の刃先121tと測定ステージが平行になるように注意する。刃先121tに焦点を合わせ、測定器のX軸方向の基準線に欠け121kの両端に位置する刃先121tを合わせ、Yの測定値を「0」とし、基準にする。図8のX軸方向の基準線と欠け121kの端との交わる2点の間の距離を欠け121kの幅とする。X軸から測定して欠け121kのY方向に一番低い箇所を欠け121kの深さとする。
刃先121tの欠けに関して、「刃先の欠けの状態」の欄において「A」は欠けの深さDが5μm以下、「B」は深さDが10μm以下、「C」は深さDが15μm以下、「D」は深さDが15μm超であることを示す。
ビッカース硬度が1200である試料番号1から10および41から50においては、硬度が低すぎるか高すぎるため刃先に欠けが生じる。その結果、真直性が悪化する場合がある。
今回開示された実施の形態および実施例はすべての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
1 超硬合金製切断刃、100 塩化ビニル板、110 基部、120 刃部、120u 凹、121 第一部分、121k 欠け、121s,122s,123s 外表面、121t 刃先、122 第二部分、2001 両面粘着シート、2002 アクリル板、2003 切削動力計、2004 ステージ、3001,3002 チャック。

Claims (1)

  1. 基部と、
    前記基部の延長線上に設けられ、最先端部である刃先を有する刃部とを備え、
    ビッカース硬度HVが1250以上2030以下であり、
    前記刃先から前記基部に向けて1μmの位置の前記刃部の厚みをT1μmとし、前記刃先から前記基部に向けて3μmの位置の前記刃部の厚みをT2μmとし、T1は0.4以上1.3以下であり、
    T1が0.4から1.3の範囲において3.22T1≦T2≦1.11T1+2.76である、超硬合金製切断刃。
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