JP7140701B2 - 魚釣用スピニングリール - Google Patents

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本発明は、釣糸案内部を有する回転可能なロータと、前後に往復動するスプールとを備える魚釣用スピニングリールに関する。
魚釣用スピニングリールは、ハンドルを回転自在に支持するリール本体を備え、このリール本体は、釣糸案内部を有するロータを回転駆動させる巻取駆動機構を内蔵している。また、前記巻取駆動機構には、キャスティング時や釣糸巻き取り操作時にロータが逆転しないようにする逆転防止機構が設けられている。
前記巻取駆動機構及び前記逆転防止機構は、他のリール構成部品と共に、リール本体に形成された収容凹部内に収容されて支持されており(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)、また、そのような収容凹部を有するリール本体は、その軽量及び低コスト化を図るべく、合成樹脂材により成形されるものが多用されている。
特開2001-25338号公報 特開2012-19752号公報
ところで、金型を用いてリール本体を樹脂により成形する場合には、離型時に必要な抜きテーパを成形品に設けなければならない。また、樹脂成形の場合、熱収縮による凹み発生の影響も受け易い。
樹脂成形品としてのリール本体におけるこのような抜きテーパや凹みに起因する形状の不具合は、リール本体に対してその構成部品を組み込む際の同心度や位置決め精度に悪影響を与え得る。特に、前記巻取駆動機構や前記逆転防止機構等が収容されて装着支持されるリール本体の収容凹部の部位は、高い同心度や位置決め精度が要求される部位であり、そのような部位では、抜きテーパを含む形状の不具合を解消するべく機械加工が行なわれる。しかしながら、そのような機械加工は、製造工程数及び製造コストを増大させる。
また、樹脂は、軽量であるが、金属に比べて強度が低い。そのため、高い負荷が作用する状況下で釣糸を巻き取る高負荷巻き取り操作時に、巻取駆動機構や逆転防止機構等を収容支持するリール本体の収容凹部が変形し、その影響によって巻取駆動機構や逆転防止機構等の機能が低下する虞がある。したがって、そのような機能低下を防止するべく、樹脂成形品としてのリール本体の肉厚化が必要となり、樹脂成形品の効果的な軽量化が実現できていないのが現状である。
本発明は、上記した問題に着目してなされたものであり、樹脂成形品としてのリール本体の抜きテーパを含む形状の不具合を除去する機械加工を施すことなく、リール構成部品の高い同心度及び位置決め精度を確保できるとともに、樹脂製のリール本体を肉厚化せずに補強できる魚釣用スピニングリールを提供することを目的とする。
上記した目的を達成するために、本発明の魚釣用スピニングリールは、合成樹脂により成形されるとともに、駆動部材が内部に収容される開口した収容凹部が形成されるリール本体と、前記収容凹部の開口を閉塞し、前記駆動部材と同心的に配置される駆動軸部が貫通する貫通穴を中心に有するとともに、前記収容凹部の開口の内周面に直接的に又は間接的に取着される環状の装着部を外周部に有するカバー体とを備え、前記リール本体に対して前記カバー体が同心的に位置決めされるように前記収容凹部の開口の内周面に嵌着されて前記リール本体を補強する環状の機能部材を有することを特徴とする。
上記構成の魚釣用スピニングリールによれば、収容凹部の開口の内周面に機能部材が嵌着されることによって、言い換えると、収容凹部の開口の内周面に対するカバー体の取着に機能部材を関与させることによって、リール本体に対してカバー体が同心的に位置決めされるようになっているため、結果的に、カバー体の中心の貫通穴に貫通される駆動軸部及びこれと同心的に位置される駆動部材のリール本体に対する同心度も確保することができる。つまり、機能部材は、高い同心度や位置決め精度が要求されるリール本体の収容凹部の部位に離型時に必要な抜きテーパや熱収縮に伴う凹みに起因する形状の不具合が存在する場合であっても、これらの不具合を除去する機械加工を不要にして、駆動部材及び駆動軸部並びにこれらに関与するリール構成部品の高い同心度及び位置決め精度を確保する。したがって、機械加工に伴う製造工程数及び製造コストの増大を回避できる。特に、収容凹部を閉塞するカバー体は、正確な同心度を伴って位置決めできないと、収容凹部内の駆動部材と接触して駆動部材の駆動や駆動軸部の回転に支障を来す場合もあり得るため、機能部材の存在は有益である。
また、機能部材は、収容凹部の開口の内周面に嵌着されてリール本体を補強するため、高い負荷が作用する状況下で釣糸を巻き取る高負荷巻き取り操作時であっても樹脂製のリール本体の収容凹部の変形を効果的に抑えることができる。そのため、樹脂製のリール本体を肉厚化によって補強せずに済む。したがって、樹脂製のリール本体のメリット(軽量及び安価)を充分に活かしながら、駆動部材及び駆動軸部を含む駆動機構の性能の安定化を図ることができる。
なお、上記構成において、カバー体は、アルミ等の金属や樹脂、磁性体や非磁性体など、様々な材料によって形成され得る。また、駆動部材としては、駆動軸部の回転を一方向に規制する一方向クラッチや、駆動軸部の回転を高精度に支持する転がり軸受などを挙げることができる。また、駆動軸部としては、例えばスプール軸やピニオンギアを挙げることができる。
また、上記構成において、機能部材は、収容凹部の開口の内周面に圧入嵌着されて収容凹部の形状を矯正することにより、収容凹部の開口の内周面に嵌着されるカバー体がリール本体に対して同心的に位置決めされるようにしてもよい。これによれば、例えば離型時に必要な抜きテーパが収容凹部の開口に形成されており、収容凹部の開口に対するカバー体の取着に際してカバー体と駆動部材及び駆動軸部との間で同心度がとれない形状を収容凹部が成す場合であっても、機能部材は、収容凹部の開口の内周面に嵌着されるカバー体がリール本体に対して(したがって、駆動部材及び駆動軸部に対して)同心的に位置決めされるように収容凹部の開口の内周面に圧入嵌着されて収容凹部の形状を矯正することができる。この場合、機能部材による収容凹部の形状の矯正は、リール本体に対するカバー体の同心度を確保できるだけでなく、収容凹部内に組み込まれるリール構成部品全体のリール本体に対する同心度を確保できることが好ましい。
また、上記構成において、機能部材は、収容凹部の開口の内周面に嵌着されるその外周面が開口の内周面形状に沿う形状を成すとともに、リール本体に対してカバー体を同心的に位置決めするための位置決め面をその内周に有し、この位置決め面にカバー体が嵌着されてもよい。これによれば、機能部材は、収容凹部の形状を矯正することなく、収容凹部の形状に沿うように配置されつつ、その位置決め面によって該位置決め面に嵌着されるカバー体のリール本体に対する同心度を確保できる。言い換えると、機能部材は、例えば離型時に必要な抜きテーパが収容凹部の開口に形成されており、収容凹部の開口に対するカバー体の取着に際してカバー体と駆動部材及び駆動軸部との間で同心度がとれない形状を収容凹部が成す場合であっても、そのような収容凹部の形状の影響をカバー体が受けないようにカバー体と収容凹部との間に介在しつつ、その位置決め面によってリール本体に対するカバー体の同心度を確保できる。また、このような構成によれば、収容凹部の開口の内周面に嵌着される機能部材の外周面を収容凹部を形成する金型(例えば、収容凹部の内周面に抜きテーパを形成する金型)と同じ金型で形成できるという利点もある。
また、上記構成において、機能部材は、カバー体の軸方向の動きを規制してもよい。これによれば、機能部材は、カバー体をリール本体に対して同心的に径方向で位置決めしつつその位置決め状態を軸方向でも維持することができる。
また、上記構成において、リール本体は、該リール本体を補強するとともに機能部材の軸方向の動きを規制するリブを収容凹部内に有してもよい。これによれば、機能部材の軸方向の動きがリブによって規制されるため、機能部材の移動に伴ってカバー体がその同心位置決め状態から逸脱してしまうといった不都合を回避できる。なお、機能部材の軸方向の動きは、リブ以外の構成によって規制されてもよい。例えば、収容凹部の開口を形成するリール本体の部位に機能部材を係合させることにより機能部材の軸方向の移動を規制しても構わない。
また、上記構成では、カバー体と駆動軸部との間の隙間をシールするシール部が更に設けられてもよい。そのようなシール部としては、例えば磁気シールやゴムシール等を挙げることができる。また、シール部が磁気シールの場合、カバー体が磁気シールの極板を兼ねていてもよい。
また、上記構成において、収容凹部は、様々な形態でリール本体に設けられ得る。例えば、収容凹部は、リール本体の前部に形成されてもよく、その場合、駆動軸部の回転方向を制御する回転制御装置及び軸受を含むリール構成部材が収容凹部に収容されてもよい。或いは、収容凹部は、リール本体の側部に形成されてもよく、その場合、釣糸案内部を有するロータを回転駆動させる巻取駆動機構が収容凹部に収容されてもよい。
本発明によれば、樹脂成形品としてのリール本体の抜きテーパを含む形状の不具合を除去する機械加工を施すことなく、リール構成部品の高い同心度及び位置決め精度を確保できるとともに、樹脂製のリール本体を肉厚化せずに補強できる魚釣用スピニングリールが得られる。
本発明の第1の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの一部断面を含む側面図である。 図1の要部拡大断面図である。 本発明の第2の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの図2に対応する断面図である。 本発明の第3の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの図2に対応する断面図である。 図4のA部の部分拡大断面図である。 機能部材を軸方向で支持する補強リブを伴うリール本体の収容凹部の概略平面図である。
以下、図面を参照しながら本発明に係る魚釣用スピニングリールの実施形態について説明する。
図1及び図2は、本発明に係る魚釣用スピニングリールの第1の実施形態を示す図であり、図1は、内部構成を示した図、図2は、リール本体の収容凹部付近の要部拡大断面図である。
合成樹脂により成形されるスピニングリールのリール本体1には、ハンドル軸2が軸受(図示せず)を介して回転可能に支持されており、ハンドル軸2の端部には、巻き取り操作されるハンドル3が装着されている。ハンドル軸2には、駆動歯車(ドライブギア)4が一体回転可能となるように取り付けられており、駆動歯車4には、ハンドル軸2に対して直交する方向に延出し、軸受5a,5bを介して回転可能に支持されたピニオンギア(駆動軸部)7の歯部7aが噛合している。ピニオンギア7の先端部には、ロータナット8を螺合することで、ベール9aおよび釣糸案内装置9bを備えたロータ9が一体回転するように取り付けられている。
ピニオンギア7は、軸方向に沿って貫通しており、その内部には、先端に釣糸が巻回されるスプール10を保持したスプール軸(駆動軸部)11が挿通されている。このスプール軸11の基端側には、公知のオシレーティング機構13が連結されており、ハンドル軸2がハンドル3の回転操作によって回転されたとき、スプール軸11は軸方向に沿って往復駆動される。この場合、スプール軸11には、ロータ9をピニオンギア7に固定するロータナット8を回転可能に支持するように、ロータナット8との間に軸受14が介在されている。詳細には、スプール軸11は、ピニオンギア7の先端縁に設置されるカラー部材15に挿通されており、軸受14は、カラー部材15とロータナット8との間に介在されている。
また、ピニオンギア7の中間部には、駆動部材としての一方向クラッチ(ピニオンギア7の回転方向を制御する回転制御装置)20が配設されており、この一方向クラッチ20は、ピニオンギア7とリール本体1との間に介在されて、公知のようにピニオンギア7の回転方向を規制制御している。この一方向クラッチ20は、ハンドル3(ロータ9)の釣糸繰り出し方向の逆回転を防止する公知の逆転防止機構を構成している。
一方向クラッチ20は、ピニオンギア7に対して回り止め嵌合される内輪21と、内輪21の外側に配された保持器22と、保持器22の外側に配された外輪23と、外輪23の内側で保持器22によって転動可能に保持された複数の転がり部材(コロ)25とを備えており、隣接して設置される磁気シール機構30によってシールされた状態となっている。
外輪23の内周面には、各転がり部材25をフリー回転可能にするフリー回転領域と、その回転を阻止する楔領域が形成されており、各転がり部材25は、保持器22に設けられたバネ部材(図示せず)によって楔領域側に付勢されている。また、外輪23は、リール本体1に対して公知のように凹凸係合によって回り止め固定されている。
上記した構成の一方向クラッチ20において、ピニオンギア7と共に内輪21が正回転(ロータ9が釣糸巻き取り方向に回転)すると、保持器22の転がり部材25が外輪23のフリー回転領域に位置され、そのため、内輪21の回転力が外輪23に伝達されず(外輪23によって阻止されず)、したがって、ピニオンギア7と共にロータ9が支障なく回転する。これに対して、ピニオンギア7と共に内輪21が逆回転(ロータ9が釣糸繰り出し方向に回転)しようとすると、保持器22の転がり部材25が外輪23の楔領域に位置するため、これがストッパとなってピニオンギア7及びロータ9の回転(逆回転)が阻止される。
次に、上記構成のスピニングリール内に配設される磁気シール機構30について説明する。なお、本実施形態の磁気シール機構30は、一方向クラッチ20等をシール対象部材としてシールするよう構成されている。
一方向クラッチ20は、リール本体1の前部に形成される筒部1Aの内側の収容凹部1Aa内に軸受5aを含む他のリール構成要素等と共に収容されている。一方向クラッチ20の内輪21は、磁性体によって構成されており、ピニオンギア7と共に一体回転するようになっている。この場合、内輪21には、保持器22及び外輪23の前端面よりもスプール側に突出する円筒状の突出部21aが形成されており、この部分に、磁気シール機構30が配設されるように構成されている。すなわち、一方向クラッチ20の構成部材である内輪21に突出部21aを一体形成し、ここに磁気シール機構30を構成する磁性流体を保持する機能を持たせている。したがって、ピニオンギア7については、非磁性材料(例えば、銅合金、アルミ合金等)によって構成することが可能となる。
磁気シール機構30は、突出部21aに対して所定間隔をおいて配置される磁石31と、磁石31を挟持して保持する一対の極板(保持部材)32,33と、磁石31、極板32,33、及び、突出部21aによって形成される磁気回路に保持される磁性流体35とを備えている。この場合、磁石31及び極板32,33は、突出部21aの外周面から所定の隙間を有するようにリング状に形成されており、各極板32,33と突出部21aとの間の隙間に、磁性流体35を全周にわたって保持することを可能としている。すなわち、磁性流体35は、例えばFe34のような磁性微粒子を、界面活性剤によってベースオイルに分散させて構成されたものであり、粘性があって磁石を近づけると反応する特性を備えている。このため、磁性流体35は、リング状の磁石31、これを挟持保持する極板32,33、及び、磁性材料で構成される突出部21aによって形成される磁気回路によって、各極板32,33と突出部21aとの間の隙間に、全周にわたって安定して保持され、一方向クラッチ20をシールする。
ところで、このような磁気シール機構30は、一方向クラッチ20等が収容されるリール本体1の収容凹部1Aa内を外部に対してシールするものであり、磁気シール機構30の極板33を兼ねて収容凹部1Aaの開口1Abを閉塞するカバー体33とピニオン軸7(本実実施形態では内輪21)との間の隙間をシールするシール部を構成する。
収容凹部1Aaの開口1Abを閉塞するカバー体33(磁気シール30の極板)は、一方向クラッチ20と同心的に配置されるピニオンギア7が貫通する貫通穴33aを中心に有するとともに、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに直接的に取着される環状の装着部33bを外周部に有する。
また、本実施形態では、樹脂で成形されるリール本体1を金型から引き抜く離型時に必要な抜きテーパが収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに形成されており、それに伴って、収容凹部1Aaの開口1Abに対するカバー体33の取着に際してカバー体33と一方向クラッチ20及びピニオンギア7との間で同心度がとれ難い形状を収容凹部1Aaが成している。そのため、本実施形態では、リール本体1に対してカバー体33が同心的に位置決めされるように収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに嵌着されてリール本体1を補強する環状の機能部材60が設けられている。
特に、本実施形態における機能部材60は、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeの開口端部側に圧入嵌着されて収容凹部1Aaの開口端部側形状を真円状に矯正する(凹み変形等の矯正)ことにより、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに嵌着されるカバー体33のリール本体1に対する組み込みを容易にするとともにカバー体33がリール本体1に対して同心的に位置決めされるようにしている。
また、このような同心位置決め機能と補強機能とを兼ね備える機能部材60は、収容凹部1Aaの内周面1Aeから径方向内側に突出する複数のリブ1Adの上面1Adaによってその下面60bで支持されてその軸方向の動きが規制されている。また、機能部材60を支持するこれらのリブ1Adは、リール本体1の補強も兼ねており、図6に示されるように例えば対を成して互いに周方向に120度の角度間隔を隔てて配置されている。
このような機能部材60によって同心的に位置決めされるカバー体33は、その外周の装着部33bの周端縁がリール本体1の筒部1Aの内周面1Aeの開口端部側に形成される環状の段部1Acに係止されるとともに、筒部1Aに螺着されるキャップ50により収容凹部1Aaの外側から抜け止め支持されている。また、本実施形態において、カバー体33は、機能部材60の上面60aで支持されることによってその軸方向の動きが規制されているが、環状の段部1Acとの係止によっても十分に軸方向移動が規制されているため、敢えて機能部材60の上面60aで支持されなくても構わない。
なお、本実施形態の機能部材60は、リール本体1の開口1Abの内周面1Aeに嵌着されるその嵌着面から上面60aへ向けて斜めに延びる傾斜面60cを外周部に有するとともに、肉抜きの段差部60dを内周部に有している。なお、傾斜面60cと内周面1Aaとの間にOリング90を介在させて内部への水の浸入を防止するようにしてもよい。
このような機能部材60を収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに圧入嵌着すると、収容凹部1Aaの開口形状が真円状に矯正されて、リール本体1に対してカバー体33が同心的に位置決めされ、したがって、カバー体33の中心の貫通穴33aに貫通されるピニオンギア7及びこれと同心的に位置される一方向クラッチ20のリール本体1に対する同心度も維持されて確保される。
以上説明したように、本実施形態によれば、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに機能部材60が嵌着されることによって、言い換えると、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに対するカバー体33の取着に機能部材60を関与させることによって、リール本体1に対してカバー体33が同心的に位置決めされるようになっているため、結果的に、カバー体33の中心の貫通穴33aに貫通されるピニオンギア7及びこれと同心的に位置される一方向クラッチ20のリール本体1に対する同心度も確保することができる。つまり、機能部材60は、高い同心度や位置決め精度が要求されるリール本体1の収容凹部1Aaの部位に離型時に必要な抜きテーパや熱収縮に伴う凹みに起因する形状の不具合が存在する場合であっても、これらの不具合を除去する機械加工を不要にして、一方向クラッチ20及びピニオンギア7並びにこれらに関与するリール構成部品の高い同心度及び位置決め精度を確保する。したがって、機械加工に伴う製造工程数及び製造コストの増大を回避できる。特に、収容凹部1Aaを閉塞するカバー体33は、正確な同心度を伴って位置決めできないと、収容凹部1Aa内の一方向クラッチ20と接触して一方向クラッチ20の駆動やピニオンギア7の回転に支障を来す場合もあり得るため、機能部材60の存在は有益である。
また、機能部材60は、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに嵌着されてリール本体1を補強するため、高い負荷が作用する状況下で釣糸を巻き取る高負荷巻き取り操作時であっても樹脂製のリール本体1の収容凹部1Aaの変形を効果的に抑えることができる。そのため、樹脂製のリール本体1を肉厚化によって補強せずに済む。したがって、樹脂製のリール本体1のメリット(軽量及び安価)を充分に活かしながら、一方向クラッチ20及びピニオンギア7を含む駆動機構の性能の安定化を図ることができる。
また、本実施形態において、機能部材60は、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに圧入嵌着されて収容凹部1Aaの形状を矯正することにより、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに嵌着されるカバー体33がリール本体1に対して同心的に位置決めされるようにしている。そのため、本実施形態のように離型時に必要な抜きテーパが収容凹部1Aaの開口1Abに形成されることにより収容凹部1Aaの開口1Abに対するカバー体33の取着に際してカバー体33と一方向クラッチ20及びピニオンギア7との間で同心度がとれない形状を収容凹部1Aaが成す場合であっても、機能部材60は、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに嵌着されるカバー体33がリール本体1に対して(したがって、一方向クラッチ20及びピニオンギア7に対して)同心的に位置決めされるように収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに圧入嵌着されて収容凹部1Aaの形状を矯正することができる。
図3は、本発明の第2の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの図2に対応する断面図を示している。図示のように、本実施形態では、収容凹部1Aa内を外部に対してシールするシール部が、第1の実施形態のような磁気シール30ではなく、カバー体33と内輪21との間に介在するゴムシール49によって形成されている。したがって、カバー体33は、磁気シール30の極板を形成せず、単なる閉塞体として機能する。
また、本実施形態の機能部材60Aは、第1の実施形態のような段差部60dを有さないとともに上面60aが短いコンパクトな形態を成しているが、この機能部材60Aも、第1の実施形態のそれと同様、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに圧入嵌着されて収容凹部1Aaの形状を矯正することにより、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに嵌着されるカバー体33がリール本体1に対して同心的に位置決めされるようにしている。しかしながら、本実施形態では第1の実施形態のようにカバー体33が筒部1Aの環状の段部1Acに係止されていないため、機能部材60がその上面60aによってカバー体33を支持してカバー体33の軸方向の動きを規制している。なお、それ以外の構成は第1の実施形態と同じであり、したがって、第1の実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
図4は、本発明の第3の実施形態に係る魚釣用スピニングリールの図2に対応する断面図を示している。図示のように、本実施形態では、機能部材によるカバー体の同心位置決め形態が前述の第1及び第2の実施形態と異なる。すなわち、本実施形態の機能部材70は、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに嵌着されるその外周面70cが抜きテーパを伴う開口1Abの内周面1Aeの形状に沿う形状、すなわち、図5に拡大して明確に示されるように径方向外側に向かって斜めに延びる形状を成すとともに、リール本体1に対してカバー体33を同心的に位置決めするための位置決め面70aをその内周に有し、この位置決め面70aにカバー体33の装着部33bが嵌着されている。すなわち、カバー体33は、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに機能部材70を介して間接的に取着されている。この場合、位置決め面70aは、リール本体1の軸方向中心軸と直交する平面(底面)70a1とリール本体1の軸方向中心軸と平行な平面(内周面)70a2とにより形成される段差面として構成されており、カバー体33をリール本体1と同心的に軸方向及び径方向で位置決めする。また、この機能部材70は、前述の実施形態と同様に、その下面70bでリブ1Adにより支持されてその軸方向の動きが規制されている。なお、それ以外の構成は、第2の実施形態と同様である。
このような形態の本実施形態によれば、機能部材70は、内周面1Aaに形成される抜きテーパを相殺してカバー体33を同心的にリール本体1に取着する矯正部材として機能し、第1及び第2の実施形態のように収容凹部1Aaの形状を矯正することなく、収容凹部1Aaの形状に沿うように配置されつつ、その位置決め面70aによって該位置決め面70aに嵌着されるカバー体33のリール本体1に対する同心度を確保できる。言い換えると、機能部材70は、本実施形態のように離型時に必要な抜きテーパが収容凹部1Aaの開口1Abに形成されることにより収容凹部1Aaの開口1Abに対するカバー体33の取着に際してカバー体33と一方向クラッチ20及びピニオンギア7との間で同心度がとれない形状を収容凹部1Aaが成す場合であっても、そのような収容凹部1Aaの形状の影響をカバー体33が受けないようにカバー体33と収容凹部1Aaとの間に介在しつつ、その位置決め面70aによってリール本体1に対するカバー体33の同心度を確保できる。また、このような構成によれば、収容凹部1Aaの開口1Abの内周面1Aeに嵌着される機能部材70の外周面70cを収容凹部1Aaを形成する金型(収容凹部1Aaの内周面1Aeに抜きテーパを形成する金型)と同じ金型で形成できるという利点もある。
なお、本発明は、前述した実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施できることは言うまでもない。例えば、前述した実施形態において、収容凹部は、リール本体の前部に形成されていたが、リール本体の側部に形成されて釣糸案内部を有するロータを回転駆動させる巻取駆動機構を収容しても構わない。また、前述した実施形態では、収容凹部に収容される駆動部材が一方向クラッチであったが、収容凹部に収容される駆動部材は一方向クラッチに限らない。
1 リール本体
1Aa 収容凹部
1Ab 開口
1Ad リブ
7 ピニオンギア(駆動軸部)
20 一方向クラッチ(駆動部材;回転制御装置)
30 磁気シール(シール部)
33 カバー体
33a 貫通穴
33b 装着部
49 ゴムシール(シール部)
60,60A,70 機能部材
70a 位置決め面

Claims (6)

  1. 合成樹脂により成形されるとともに、駆動部材が内部に収容される開口した収容凹部が形成されるリール本体と、
    前記収容凹部の開口を閉塞し、前記駆動部材と同心的に配置される駆動軸部が貫通する貫通穴を中心に有するとともに、前記収容凹部の開口の内周面に直接的に又は間接的に取着される環状の装着部を外周部に有するカバー体と、
    を備え、
    前記リール本体に対して前記カバー体が同心的に位置決めされるように前記収容凹部の開口の内周面に嵌着されて前記リール本体を補強する環状の機能部材を有することを特徴とする魚釣用スピニングリール。
  2. 前記機能部材は、前記収容凹部の開口の内周面に圧入嵌着されて前記収容凹部の形状を矯正することにより、前記収容凹部の開口の内周面に嵌着される前記カバー体が前記リール本体に対して同心的に位置決めされるようにすることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  3. 前記機能部材は、前記収容凹部の開口の内周面に嵌着されるその外周面が前記開口の内周面形状に沿う形状を成すとともに、前記リール本体に対して前記カバー体を同心的に位置決めするための位置決め面をその内周に有し、この位置決め面に前記カバー体が嵌着されることを特徴とする請求項1に記載の魚釣用スピニングリール。
  4. 前記機能部材は、前記カバー体の軸方向の動きを規制することを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の魚釣用スピニングリール。
  5. 前記リール本体は、該リール本体を補強するとともに前記機能部材の軸方向の動きを規制するリブを前記収容凹部内に有することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の魚釣用スピニングリール。
  6. 前記カバー体と前記駆動軸部との間の隙間をシールするシール部を更に有することを特徴とする請求項1から5のいずれか一項に記載の魚釣用スピニングリール。
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