JP7138344B2 - 板材の曲げ加工システム - Google Patents

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Description

本発明は、大小異なるサイズからなる板材の曲げ加工を可能にした板材の曲げ加工システムに関する。
板材を曲げ加工する分野においては、曲げ加工機に向けて板材を位置決め供給したり、旋回可能にしたマニピュレーターを備えたものが提案されている(特許文献1)。
近年、サイズの小さい板材に対する曲げ加工も要求されるようになり、マニピュレーターのみでは対応が難しくなっている。
特開2017-77564号公報
本発明は、サイズの大きいものから小さいものまで幅広く、曲げ加工を可能にした板材の曲げ加工システムの提供を目的とする。
本発明に係る板材の曲げ加工システムは、板材の曲げ加工機と、前記板材の曲げ加工機に対してワークの位置決め及び旋回可能なマニピュレーターと、前記マニピュレーターと相互にワークの引き渡しが可能なグリッパーを備え、前記グリッパーは前記マニピュレーターの両側に一対有し、且つ前記板材の曲げ加工機に向けて前進及び後退制御されていることを特徴とする。
ここで、板材の曲げ加工機は、板材を例えば受け型と押え型で挟持保持し、端部をブレードで押し曲げ、しごき曲げ等を行う機械等をいう。
マニピュレーターは、曲げ加工機に対して位置決め及び旋回可能であれば、その構造に制限がなく、板材を上下からクランプ保持するものや吸引保持するもの等が例として挙げられる。
板材を曲げ加工する際には、受け型と押え型との間に板材を挟持させてブレード等にて曲げ加工を行うことになるが、小さいサイズの板材にあっては、マニピュレーターの先端側が押え型等に干渉して、受け型と押え型の間に板材を供給保持することができなくなる。
そこで本発明は、マニピュレーターの両側から曲げ加工機に向けて板材を深く挿入できるグリッパーを設けた点に特徴がある。
本発明においてグリッパーは、小型であって小さいサイズの板材を保持できるものが好ましく、曲げ加工途中の半製品も保持できるように、グリッパーは端面に設けた吸引保持部と、前記吸引保持部の上下の一方又は両方に掴み部を有するようにしてもよい。
また、本発明においては、小さいサイズから大きいサイズまで幅広く対応できるようにするために、板材の曲げ加工機の前側にワークを載置するテーブルを有し、前記テーブルは前記板材の曲げ加工機と直交する方向に相互に平行に配置した複数のワーク支持部を有し、前記グリッパーは前記複数のワーク支持部の間に沿って配置した複数のグリップ部を有するようにしてもよい。
本発明においては、マニピュレーターとその両側に設けた一対のグリッパーとの間で、相互に板材の引き渡し(受け渡し)を可能にしたので、マニピュレーターにて板材を旋回させるステップと、グリッパーにて板材を保持しながら曲げ加工機に供するステップとを連携することができるので、小さいサイズの板材であっても各辺の各種曲げ加工に対応できる。
(a)は本発明に係る曲げ加工システムの平面図を示し、(b)はグリッパーの斜視図を示す。 (a)はグリップ部を示す。(b)はグリップ部の先端付近を示し、(c)~(f)はワークWをグリップ部で保持するパターンを示す。 (a)はワーク(板材)Wをサイドテーブルの原点位置からマニピュレーターが引き取る状態を示し、(b)は曲げ加工機に向けて前進させた状態を示す。 (a)はマニピュレーターにて保持したワークWをグリッパーに引き渡す状態を示し、(b),(c)はワークWをグリッパーに保持させた状態で半製品Wに曲げ加工している状態を示す。 (a)は板材の1辺を曲げ加工した半製品Wをグリッパーからマニピュレーターに引き渡し、(b)はその半製品Wをマニピュレーターが180°旋回している状態を示す。(c)は旋回した半製品Wをグリッパーが引き取る状態を示す。 (a),(b)は半製品Wをグリップ部の吸引保持部にて保持させながら対向辺に曲げ加工を行う状態を示す。
本発明に係る板材の曲げ加工システムの構成例を以下図に基づいて説明する。
図1(a)に加工システムの全体図を示す。
板材に曲げ加工を行うための曲げ加工機1と、その前面に配置したメインテーブル2を備える。
メインテーブル2の横には、ワークWを搬送するためのサイドテーブル3を有する。
サイドテーブル3には、板材からなるワーク(素材)Wの原点位置を位置決めするためのゲージ手段3aを有する。
メインテーブル2に沿って、ワークWを曲げ加工機1に供給するためのマニピュレーター4と、このマニピュレーターの両側に一対のグリッパー5,6を有する。
グリッパー5,6の構造例を図1(b)及び図2にて説明する。
図1(b)に斜視図を示すように、マニピュレーター4の両側に沿って、曲げ加工機1に向けて前進及び後退制御された一対のグリッパー5,6を配設してある。
左右一対のグリッパー5,6は、それぞれベース部材5A,6Aから、くし状に複数のグリップ(5a,5b,5c,・・・),(6a,6b,6c,・・・)を有する。
メインテーブル2は、曲げ加工機1と直交する方向に平行な複数のバー状のワーク支持部2a,2b,2c,・・・を有し、このワーク支持部の間に沿って各グリップ(5a,5b,5c,・・・),(6a,6b,6c,・・・)が移動制御されている。
図1(b)で説明すると、マニピュレーター4の右側の複数のグリップ部5a,5b,5c,・・・は、1つのベース部材5Aに連結され、このベース部材5Aの動きにて複数のグリップ部5a,5b,5c,・・・が移動制御されている。
また、マニピュレーター4の左側の複数のグリップ部6a,6b,6c,・・・は、1つのベース部材6Aに連結され、このベース部材6Aにて一体として移動制御されている。
これにより、最も小さいサイズの板材は、マニピュレーター4に最も近い位置に配置されたグリップ部5aと6aで保持され、板材の大きさが大きくなるにつれて、マニピュレーター4の左右それぞれの複数のグリップ部にて板材を保持させることができる。
例えば、次に大きいサイズの板材は、右側のグリップ部5a,5bと左側のグリップ部6a,6bで保持し、さらに大きいサイズの板材は、右側のグリップ部5a,5b,5cと左側のグリップ部6a,6b,6cで保持することができる。
これにより、小さいサイズの板材から大きいサイズの板材まで、安定して保持することができる。
各グリップ部の構造を図2に示したグリップ部5aを例として説明するが、他のグリップ部も同様である。
グリップ部5aは、メインテーブル2に配置した複数の平行なワーク支持部のうち、図1(b)に示すように例えば、ワーク支持部2aとワーク支持部2bとの間に沿って、上昇及び下降,前進及び後退制御されている。
グリップ部5aの先端部の拡大図を図2(b)に示す。
上下方向中央部に吸引保持部15aを有し、この吸引保持部15aは減圧器に配管接続されていて、例えば図2(e)に示すように折り曲げた板材の側面で吸引保持できる。
この吸引保持部15aの上下には、それぞれ受け爪部を形成することで、吸引保持部15aの間に上部掴み部25aと、下部掴み部35aを形成してある。
これにより、図2(c),(d),(f)に示すように、ワークWの曲げ位置や曲げ形状に合せて上部掴み部25a,下部掴み部35aを選択使用して、それぞれ板材をクランプ保持できる。
次に、板材(ワーク)Wの曲げ加工例を説明する。
ワークWは、図1(a)に示すようにサイドテーブル3上にて原点位置決めゲージ3a,3aにてワークの原点位置決めを行った後に、図3(a)に示すようにワークWをマニピュレーター4のクランプ部4aにクランプさせることで、マニピュレーター側にワークWを引き渡す。
ワークWを引き取ったマニピュレーター4は、図3(b)に示すように曲げ加工機1に向けて前進する。
ワークのサイズが充分に大きい場合には、マニピュレーター4にワークWをクランプ保持させたまま曲げ加工するが、以下サイズの小さい板材からなるワークWの場合にて説明する。
図4(a)に示すように、マニピュレーター4のクランプ部4aにクランプしたワークWの後方側の辺部に向けて左右一対のグリッパー5,6のグリップ部5a,6aを前進させ、グリップ部5a,6aの下側の下部掴み部35aにて、掴み保持する。
なお、この際に他のグリップ部(5b,5c,・・・),(6b,6c,・・・)も同時に前進するが、その状態は省略してある。
グリッパー5,6で掴み保持したワークWは、図4(b),(c)に示すように、さらに前進させ、曲げ加工機1の受け型1aと押え型1bとの間でワークWを加圧挟持すると同期して、図示を省略したブレード等にて曲げ加工を行う。
グリッパー5,6のグリップ部5a,6aの先端部を前進させる際に、受け型1a,あるいは押え型1bと干渉しないように、逃げ部として凹部1cを形成してある。
これにより、マニピュレーター4のクランプ部4aが押え型1b等に干渉して、前進できないような小さなサイズの板材の曲げ加工が可能になる。
ワークWの一辺に曲げ加工を行った半製品Wは、図5(a)に示すように曲げ加工機1からマニピュレーター4が干渉しない位置まで一旦後退し、図5(b)に示すようにマニピュレーター4のクランプ部4aに半製品Wを引き渡し、180°旋回する。
この際には、グリップ部5a,6aは、後退及び下降する。
次に、図5(c)に示すように半製品Wの上側に折り曲げた立設片の側部をグリップ部5a,6aの先端部に備えた吸引保持部15a,16aにて吸引保持する。
これにより、図6(a),(b)に示すように、先に折り曲げた側辺の対向辺を連続的に曲げ加工した製品Wが得られる。
曲げ加工の手段や曲げ加工の形状に制限はなく、いろいろな製品の加工を行うことができる。
1 曲げ加工機
1a 受け型
1b 押え型
1c 凹部
2 メインテーブル
2a ワーク支持部
3 サイドテーブル
4 マニピュレーター
4a クランプ部
5 グリッパー
5a グリップ部
6 グリッパー
6a グリップ部
15a 吸引保持部
25a 上部掴み部
35a 下部掴み部

Claims (2)

  1. 板材の曲げ加工機と、前記板材の曲げ加工機に対してワークの位置決め及び旋回可能なマニピュレーターと、前記マニピュレーターと相互にワークの引き渡しが可能なグリッパーを備え、
    前記グリッパーは前記マニピュレーターの両側に一対有し、且つ前記板材の曲げ加工機に向けて前進及び後退制御され、
    前記グリッパーは端面に設けた吸引保持部と、前記吸引保持部の上下の一方又は両方に掴み部を有することを特徴とする板材の曲げ加工システム。
  2. 前記板材の曲げ加工機の前側にワークを載置するテーブルを有し、
    前記テーブルは前記板材の曲げ加工機と直交する方向に相互に平行に配置した複数のワーク支持部を有し、
    前記グリッパーは前記複数のワーク支持部の間に沿って配置した複数のグリップ部を有することを特徴とする請求項記載の板材の曲げ加工システム。
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