以下、本発明に係る建設機械の実施の形態について、後方小旋回型の油圧ショベルを例に挙げ、図1ないし図8を参照しつつ詳細に説明する。なお、実施の形態では、油圧ショベルの走行方向を前,後方向とし、油圧ショベルの走行方向と直交する方向を左,右方向として説明する。
図において、建設機械の代表例である油圧ショベル1は、前,後方向に自走可能なクローラ式の下部走行体2と、下部走行体2上に旋回装置3を介して旋回可能に搭載された上部旋回体4とを備えている。上部旋回体4の前側には、土砂の掘削作業等を行うスイング式の作業装置5が設けられている。
ここで、下部走行体2は、ベースとなるトラックフレーム2Aを備え、トラックフレーム2Aは、左,右方向で対をなして前,後方向に延びる左,右のサイドフレーム2Bを有している。左,右のサイドフレーム2Bの前,後方向の一側には遊動輪2Cが設けられ、前,後方向の他側には駆動輪2Dが設けられている。遊動輪2Cと駆動輪2Dには履帯2Eが巻装され、駆動輪2Dによって履帯2Eを駆動することにより下部走行体2が走行する。また、下部走行体2のトラックフレーム2Aには、後述する排土装置18が設けられている。
上部旋回体4は、下部走行体2のトラックフレーム2Aに旋回装置3を介して旋回可能に搭載され、下部走行体2上で旋回動作を行う。上部旋回体4は、後述の旋回フレーム6、カウンタウエイト7、エンジン8、運転席9、キャノピ16、外装カバー17等を含んで構成されている。
作業装置5は、旋回フレーム6の前端に左,右方向に揺動可能に取付けられたスイングポスト5Aと、スイングポスト5Aに俯仰動可能に取付けられたブーム5Bと、ブーム5Bの先端に回動可能に取付けられたアーム5Cと、アーム5Cの先端に回動可能に取付けられたバケット5Dと、ブームシリンダ5E、アームシリンダ5F、バケットシリンダ5Gを備えて構成されている。また、旋回フレーム6とスイングポスト5Aとの間には、スイングポスト5Aを左,右方向に揺動させるスイングシリンダ5Hが設けられている(図4参照)。
旋回フレーム6は、上部旋回体4のベースとなるもので、旋回装置3を介してトラックフレーム2A上に取付けられている。旋回フレーム6の前部側には、前方に突出する支持ブラケット6Aが設けられ、この支持ブラケット6Aには、作業装置5のスイングポスト5Aが左,右方向に揺動可能に支持されている。旋回フレーム6の後部側にはカウンタウエイト7が設けられ、このカウンタウエイト7によって作業装置5との重量バランスが保たれている。
ここで、カウンタウエイト7の後面7Aは、上部旋回体4が旋回したときに下部走行体2の左,右の車幅寸法(左,右の履帯2Eの間隔)A内に収まり、上部旋回体4の旋回時における周囲の障害物との干渉を回避できるようになっている。これにより、油圧ショベル1は、上部旋回体4の後方小旋回を実現している。なお、後方小旋回の定義としては、作業上で問題にならない範囲で、カウンタウエイト7の一部が下部走行体2の車幅寸法Aから若干はみ出す程度も含む。
原動機としてのエンジン8は、カウンタウエイト7の前側に位置して旋回フレーム6に搭載されている。エンジン8は油圧ポンプ(図示せず)を駆動し、油圧ポンプは、油圧ショベル1に搭載された各種の油圧アクチュエータに圧油を供給する。なお、原動機としては、電動モータ、あるいはエンジンと電動モータとを組合せたハイブリッド式の原動機を用いることができる。
運転席9は、カウンタウエイト7の前側で、かつエンジン8の上側に位置して旋回フレーム6上に設けられている。運転席9は、油圧ショベル1を操縦するオペレータが座るものである。運転席9の左,右両側には、旋回装置3および作業装置5等を操作するための左,右の操作レバー装置10が配置されている。右側の操作レバー装置10の右側には、排土装置18を操作するためのブレード操作レバー(図示せず)が配置されている。さらに、右側の操作レバー装置10の前側には、例えば油圧ショベル1の運転状態、設定、警告等の情報をオペレータに対して表示するマルチモニタ装置11が設けられている。
上部旋回体4のフロア部を構成するフロア部材12は、運転席9の前側に設けられている。フロア部材12は平坦な板体からなり、運転席9に着席したオペレータの足場を形成している。フロア部材12には、左,右一対の走行レバーペダル装置13が設けられている。これら左,右の走行レバーペダル装置13を手動操作または足踏み操作することにより、下部走行体2の走行動作が制御される。
手摺り14は、フロア部材12の前側に設けられ、フロア部材12から上方に立上がっている。手摺り14は、運転席9よりも前側に位置して左,右方向に延在し、例えばオペレータが地面とフロア部材12との間を乗降するとき、あるいはフロア部材12上に立上ったオペレータが掘削した穴を覗込むときに把持される。図3に示すように、手摺り14は、例えばパイプ材等の1本の棒材に折曲加工を施すことにより、上,下方向に延びる左縦棒14Aおよび右縦棒14Bと、これら左縦棒14Aと右縦棒14Bの上端部間を連結する上横棒14Cとを有する逆U字型の枠状に形成されている。また、左縦棒14Aと右縦棒14Bの上,下方向の中間部位は、上横棒14Cの下側に位置して左,右方向に延びる補強梁14Dによって連結されている。
手摺り14の左,右方向の中間部で、かつ補強梁14Dの下側には、夜間作業時に油圧ショベル1の前方を照らす前照灯15が設けられている。また、手摺り14を構成する左縦棒14Aと前照灯15との間には、後述するコネクタ取付具29を介して中継コネクタ26および他の中継コネクタ28が配置されている。
キャノピ16はカウンタウエイト7の上面に取付けられ、運転席9を上側から覆っている。キャノピ16は、例えば左,右方向に間隔をもってカウンタウエイト7の上面に立設された左支柱16Aおよび右支柱16Bと、左,右の支柱16A,16Bの上端側に設けられたルーフ16Cとを備えた2柱式のキャノピとして構成されている。右支柱16Bの上,下方向の中間部位には、後述する受信機19が取付けられている。なお、本実施の形態ではキャノピ16を備えたキャノピ仕様の油圧ショベル1を例示しているが、キャノピ16に代えてキャブを備える構成としてもよい。
外装カバー17は、旋回フレーム6に搭載されたエンジン8、熱交換器、コントロールバルブ、作動油タンク、燃料タンク等の搭載機器(図示せず)を覆った状態で旋回フレーム6に設けられている。外装カバー17は、運転席9の右側方に位置してカウンタウエイト7の右前側に配置された右後カバー17Aと、右後カバー17Aの前側に配置された右前固定カバー17Bおよび右前開閉カバー17Cと、カウンタウエイト7の左前側から旋回フレーム6の支持ブラケット6Aに亘って旋回フレーム6の底板とフロア部材12との間に配置されたスカートカバー17Dとを含んで構成されている。右後カバー17Aは、エンジン8の右側に配置された熱交換器等を右側方から覆っている。右前固定カバー17Bは、作動油タンクおよび燃料タンク等を右側方から覆っている。右前開閉カバー17Cは、右前固定カバー17Bの上側に開,閉可能に取付けられ、作動油タンクおよび燃料タンク等を上方から覆っている。スカートカバー17Dは、旋回フレーム6の底板とフロア部材12との間に配置されたコントロールバルブ等を左側方から覆っている。ここで、右後カバー17Aの上面17A1には後述するケーブル収納箱33が取付けられている。
次に、下部走行体2に設けられた排土装置18について説明する。
排土装置18は、下部走行体2のトラックフレーム2Aに設けられている。図4に示すように、排土装置18は、基端側がトラックフレーム2Aに上,下方向に揺動可能に取付けられたV字状の昇降アーム18Aと、左,右方向に延びる長方形の板状体からなり、後面側の中央部が昇降アーム18Aの先端側に自在ピン18Bを介して取付けられたブレード18Cと、後述する昇降シリンダ18D、アングルシリンダ18E、チルトシリンダ18Fとにより構成されている。
昇降シリンダ18Dは、昇降アーム18Aとトラックフレーム2Aとの間に設けられている。アングルシリンダ18Eは、昇降アーム18Aの左側部位とブレード18Cとの間に前,後方向に延びた状態で設けられている。チルトシリンダ18Fは、ブレード18Cの後面18Gに沿って左,右方向に延びた状態で、昇降アーム18Aとブレード18Cとの間に設けられている。
昇降シリンダ18Dは、昇降アーム18Aを介してブレード18Cを上,下方向に揺動させる。従って、油圧ショベル1の走行時にブレード18Cを下降させることにより、土砂を走行方向に押出して地面を整地することができる。アングルシリンダ18Eは、ブレード18Cの長さ方向の両端を自在ピン18Bの位置を中心にして前,後方向に揺動させる。これにより、ブレード18Cによって押出される土砂を、下部走行体2の左側方または右側方にまとめて排出することができる。チルトシリンダ18Fは、ブレード18Cの長さ方向の両端を自在ピン18Bの位置を中心にして上,下方向に揺動させる。これにより、ブレード18Cによって整地される地面に勾配を形成することができる。
これら昇降シリンダ18D、アングルシリンダ18E、チルトシリンダ18Fは、コントロールバルブ(図示せず)によって圧油の給排が制御されることにより、ブレード18Cの高さ位置および姿勢を制御する。また、ブレード18Cの左,右方向(長さ方向)の一側である左側の端部18Hの後面18Gには、後述するマスト20を取付けるための支持台座18Jが、溶接等の手段を用いて固定されている。
受信機19は、キャノピ16を構成する右支柱16Bの上,下方向の中間部に取付けられている。受信機19は、後述する受信機接続ケーブル24を介してコントローラ23に電気的に接続されている。そして、受信機19は、トータルステーション等の測量機器(図示せず)から発信された無線信号によってブレード18Cの位置情報を受信し、この位置情報をコントローラ23に出力する。
マスト20は、ブレード18Cの支持台座18J上に取付けられることにより、ブレード18Cの左側の端部18Hに立設されている。マスト20は、例えば円筒状のパイプ材を用いて形成され、支持台座18Jから鉛直上向きに延びている。マスト20の下端20Aは、ボルト等(図示せず)を用いて支持台座18J上に固定され、マスト20の上端20Bには、後述するプリズム22が取付けられている。
位置姿勢検出装置は、傾斜センサ21とプリズム22とにより構成されている。傾斜センサ21は、ブレード18Cの長さ方向の中間部に位置してブレード18Cの後面18G側に設けられている。傾斜センサ21は、排土装置18を用いた整地作業時におけるブレード18Cのチルト角度、即ち、ブレード18Cの両端の上,下方向への揺動角度を検出し、このチルト角度をコントローラ23に出力する。従って、傾斜センサ21とコントローラ23との間は、後述するセンサ接続ケーブル25を介して電気的に接続されている。
プリズム22は、マスト20の上端20Bに設けられることにより、マスト20を介してブレード18Cの左側の端部18Hに取付けられている。プリズム22は、排土装置18を用いた整地作業時に自動追尾式のトータルステーション(図示せず)によって追尾される対象物(ターゲット)である。トータルステーションは、プリズム22を追尾することによりブレード18Cの位置と高さとを連続的に計測し、この計測結果をブレード18Cの位置情報として、無線により受信機19に発信する。即ち、プリズム22は、トータルステーションを用いてブレード18Cの位置を検出するためにブレード18Cに取付けられている。
整地作業用のコントローラ23は、外装カバー17を構成する右後カバー17Aの上面17A1上に設けられたケーブル収納箱33内に配置されている。コントローラ23は、受信機19および傾斜センサ21からの信号(ブレード18Cの位置情報および姿勢情報)に基づいて、ブレード18C用のコントロールバルブ(図示せず)を制御する。これにより、排土装置18を用いて整地作業を行うときに、排土装置18(昇降シリンダ18D、チルトシリンダ18F)の動作が、施工すべき地面の3次元データに従って制御される構成となっている。
ここで、自動追尾式のトータルステーションを用いた整地作業を行う場合、油圧ショベル1に対して特定のトータルステーションがセット(一組)となって稼働する。このため、油圧ショベル1のコントローラ23が、特定のトータルステーションからの位置情報のみを確実に受信できるように、プリズム22とコントローラ23との間で認証用の信号を送受信する必要がある。従って、プリズム22とコントローラ23との間は、後述するプリズム接続ケーブル27を介して電気的に接続されている。
上述した受信機19、傾斜センサ21、プリズム22、コントローラ23は、施工すべき地面の3次元データに従ってブレード18Cの動作を制御する整地作業システムを構成している。この整地作業システムは、油圧ショベル1だけでなく、油圧ショベル1とは機体の大きさが異なる複数種類の油圧ショベルに共用される。従って、整地作業システムを構成する受信機19、傾斜センサ21、プリズム22、コントローラ23は、油圧ショベル1に搭載されるだけでなく、油圧ショベル1とは機体の大きさが異なる機種にも搭載される構成となっている。
受信機接続ケーブル24は、受信機19とコントローラ23との間を接続している。受信機接続ケーブル24は、第1のケーブルを構成している。受信機接続ケーブル24の一端側24Aは受信機19に接続され、受信機接続ケーブル24の他端側はコントローラ23に接続されている。ここで、受信機接続ケーブル24は、受信機19を含む整地作業システムが、油圧ショベル1よりも機体が大きな中型機種に搭載される場合を考慮して、十分な長さ寸法に設定されている。
センサ接続ケーブル25は、傾斜センサ21とコントローラ23との間を接続している。センサ接続ケーブル25は、プリズム接続ケーブル27と共に第2のケーブルを構成している。センサ接続ケーブル25は、ブレード側ケーブル25Aと、旋回体側ケーブル25Bと、中継コネクタ26とを含んで構成されている。センサ接続ケーブル25のブレード側ケーブル25Aは、その一端側25A1が傾斜センサ21に着脱可能に接続されている。ブレード側ケーブル25Aの他端側には、例えば内周面に雌ねじが形成された筒状のソケット25A2が設けられている(図5参照)。
センサ接続ケーブル25の旋回体側ケーブル25Bは、その一端側がコントローラ23に接続されている。旋回体側ケーブル25Bの他端側には、中継コネクタ26が一体的に固定されている。ここで、中継コネクタ26は、例えば外周面に雄ねじが形成されたプラグ26Aを有し、コネクタ取付具29を介して手摺り14に固定されている。ブレード側ケーブル25Aのソケット25A2は、旋回体側ケーブル25Bの他端側に固定された中継コネクタ26のプラグ26Aに着脱可能に接続される。これにより、傾斜センサ21とコントローラ23との間は、センサ接続ケーブル25を介して電気的に接続されている。ここで、センサ接続ケーブル25を構成するブレード側ケーブル25Aおよび旋回体側ケーブル25Bは、傾斜センサ21を含む整地作業システムが、油圧ショベル1よりも機体が大きな中型機種に搭載される場合を考慮して、十分な長さ寸法に設定されている。
プリズム接続ケーブル27は、プリズム22とコントローラ23との間を接続している。プリズム接続ケーブル27は、センサ接続ケーブル25と共に第2のケーブルを構成している。プリズム接続ケーブル27は、他のブレード側ケーブル27Aと、他の旋回体側ケーブル27Bと、他の中継コネクタ28とを含んで構成されている。プリズム接続ケーブル27の他のブレード側ケーブル27Aは、その一端側27A1がプリズム21に接続されている。他のブレード側ケーブル27Aの他端側には、例えば内周面に雌ねじが形成された筒状のソケット27A2が設けられている。
プリズム接続ケーブル27の他の旋回体側ケーブル27Bは、その一端側がコントローラ23に接続されている。他の旋回体側ケーブル27Bの他端側には、他の中継コネクタ28が一体的に固定されている。ここで、他の中継コネクタ28は、例えば外周面に雄ねじが形成されたプラグ28Aを有し、コネクタ取付具29を介して手摺り14に固定されている。他のブレード側ケーブル27Aのソケット27A2は、他の旋回体側ケーブル27Bの他端側に固定された他の中継コネクタ28のプラグ28Aに着脱可能に接続される。これにより、プリズム22とコントローラ23との間は、プリズム接続ケーブル27を介して電気的に接続されている。ここで、プリズム接続ケーブル27を構成する他のブレード側ケーブル27Aおよび他の旋回体側ケーブル27Bは、プリズム22を含む整地作業システムが、油圧ショベル1よりも機体が大きな中型機種に搭載される場合を考慮して、十分な長さ寸法に設定されている。
このように、センサ接続ケーブル25は、中継コネクタ26を介して着脱可能に接続されたブレード側ケーブル25Aと旋回体側ケーブル25Bとにより構成されている。プリズム接続ケーブル27は、他の中継コネクタ28を介して着脱可能に接続された他のブレード側ケーブル27Aと他の旋回体側ケーブル27Bとにより構成されている。このため、傾斜センサ21に接続されたブレード側ケーブル25Aのソケット25A2を中継コネクタ26から取外すと共に、プリズム22に接続された他のブレード側ケーブル27Aのソケット27A2を他の中継コネクタ28から取外すことにより、上部旋回体4の旋回動作が、センサ接続ケーブル25およびプリズム接続ケーブル27によって制限されるのを回避することができる。従って、下部走行体2に対して上部旋回体4を360度の範囲で旋回(全旋回)させつつ、作業装置5を用いて土砂の掘削作業を行うことができる構成となっている。
次に、コネクタ取付具29を用いた中継コネクタ26および他の中継コネクタ28の取付構造について説明する。
コネクタ取付具29は、手摺り14を利用して運転席9の前側に設けられている。図5および図6に示すように、コネクタ取付具29は、手摺り14の左縦棒14Aに取付けられた支持基板30と、支持基板30に対して中継コネクタ26を固定する下ブロック31と、支持基板30に対して他の中継コネクタ28を固定する上ブロック32とにより構成されている。
支持基板30は、手摺り14の左縦棒14Aに取付けられ、左縦棒14Aから前照灯15に向けて左,右方向に延在している。支持基板30は、例えば平板状の板体に折り曲げ加工を施すことにより形成され、2本のUボルト30Aを用いて左縦棒14Aに取付けられている。支持基板30は、手摺り14の補強梁14Dとフロア部材12との間の空間を塞いだ状態で、手摺り14の左縦棒14Aと前照灯15との間に配置されている。また、支持基板30の運転席9とは反対側となる前面30Bには、下ブロック31と上ブロック32とが上,下方向に並んで配置されている。
下ブロック31は、支持基板30の前面30Bから前方に突出して設けられ、支持基板30に対して中継コネクタ26を固定している。下ブロック31は、中継コネクタ26を前,後方向から挟持する2個の分割体31A,31Bにより構成されている。そして、下ブロック31の各分割体31A,31Bによって中継コネクタ26を挟持し、ボルトを用いて下ブロック31を支持基板30に締結することにより、中継コネクタ26は、支持基板30の前面30B側に固定される。このとき、中継コネクタ26のプラグ26Aは、下ブロック31から左側(左縦棒14A側)に突出し、このプラグ26Aに対し、ブレード側ケーブル25Aのソケット25A2を容易に取付け、取外しすることができる。
上ブロック32は、下ブロック31と同様に、支持基板30の前面30Bから前方に突出して設けられ、支持基板30に対して他の中継コネクタ28を固定している。上ブロック32は、他の中継コネクタ28を前,後方向から挟持する2個の分割体32A,32Bにより構成されている。そして、上ブロック32の各分割体32A,32Bによって他の中継コネクタ28を挟持し、ボルトを用いて上ブロック32を支持基板30に締結することにより、他の中継コネクタ28は、支持基板30の前面30B側に固定される。このとき、他の中継コネクタ28のプラグ28Aは、上ブロック32から左側に突出し、このプラグ28Aに対し、他のブレード側ケーブル27Aのソケット27A2を容易に取付け、取外しすることができる。
このように、センサ接続ケーブル25を構成する旋回体側ケーブル25Bの一端側はコントローラ23に接続され、旋回体側ケーブル25Bの他端側に固定された中継コネクタ26は、コネクタ取付具29を介して手摺り14に固定されている。この場合、図4に示すように、旋回体側ケーブル25Bの配索経路は、コントローラ23から運転席9と外装カバー17との間を通ってフロア部材12に向けて前方へと延び、フロア部材12の前端側から左側に屈曲して手摺り14に取付られたコネクタ取付具29に達している。なお、旋回体側ケーブル25Bの配策経路は、プリズム接続ケーブル27の他の旋回体側ケーブル27Bの配索経路と上,下方向で重なり合っており、旋回体側ケーブル25Bは、図4中で他の旋回体側ケーブル27Bの下側に配置されている。
一方、プリズム接続ケーブル27を構成する他の旋回体側ケーブル27Bの一端側はコントローラ23に接続され、他の旋回体側ケーブル27Bの他端側に固定された他の中継コネクタ28は、コネクタ取付具29を介して手摺り14に固定されている。この場合、他の旋回体側ケーブル27Bの配索経路は、旋回体側ケーブル25Bと同様に、コントローラ23から運転席9と外装カバー17との間を通ってフロア部材12に向けて前方へと延び、フロア部材12の前端側から左側に屈曲して手摺り14に取付られたコネクタ取付具29に達している。このように、センサ接続ケーブル25の旋回体側ケーブル25B、およびプリズム接続ケーブル27の他の旋回体側ケーブル27Bの配索経路は、運転席9および運転席9の周囲でオペレータが作業を行うときの邪魔にならないように設定されている。
次に、受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25(旋回体側ケーブル25B)、プリズム接続ケーブル27(他の旋回体側ケーブル27B)の一部を収納するケーブル収納箱33について、図2、図7および図8を参照して説明する。
ケーブル収納箱33は、運転席9の右側方に位置して外装カバー17の上部に設けられている。具体的には、ケーブル収納箱33は、外装カバー17を構成する右後カバー17Aの上面17A1にボルト等の締結具(図示せず)を用いて着脱可能に取付けられている。図7および図8に示すように、ケーブル収納箱33は、上端が開口端34Cとなった箱本体34と、箱本体34に着脱可能に取付けられ開口端34Cを閉塞する蓋体35とにより構成されている。
ケーブル収納箱33の箱本体34は、五角形状をなす底板34Aと、底板34Aの周縁部から上方に立上る周壁板34Bとにより構成され、周壁板34Bの上端は開口端34Cとなっている。ここで、周壁板34Bは、底板34Aの前縁に沿って左,右方向に延びる前面34B1と、前面34B1の左端から後方に延びる左側面34B2と、前面34B1の右端から後方に延びて左側面34B2と左,右方向で対面する右側面34B3と、右側面34B3の後端から左後方に向けて傾斜する右傾斜面34B4との4面により構成されている。これにより、周壁板34Bの後部(左側面34B2の後端と右傾斜面34B4の後端との間)はケーブル挿通部34Dとなっている。受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25、プリズム接続ケーブル27の一部は、ケーブル挿通部34Dを通じてケーブル収納箱33内に挿通される。なお、ケーブル挿通部34Dは、カバー等によって覆われる構成としてもよい。
ケーブル収納箱33の蓋体35は、箱本体34を構成する周壁板34Bの上端側に着脱可能に取付けられている。蓋体35は、箱本体34の底板34Aと相似形をなす五角形の上板35Aと、箱本体34の周壁板34Bを構成する前面34B1、左側面34B2、右側面34B3、右傾斜面34B4と対面する4面の周壁板35Bとを有している。蓋体35は、その周壁板35Bが箱本体34の周壁板34Bに複数のボルト36を用いて取付けられることにより、箱本体34の開口端34Cを閉塞した状態で、箱本体34対して着脱可能に取付けられている。
ケーブル収納箱33の箱本体34内には、仕切り板34Eが設けられている。仕切り板34Eは、箱本体34の底板34Aと開口端34Cとの間に配置され、周壁板34Bの内側面に溶接等の手段を用いて固定されている。これにより、ケーブル収納箱33内の空間は、仕切り板34Eによって上,下に2分割され、仕切り板34Eの下側(底板34Aと仕切り板34Eとの間)は、コントローラ収納室33Aとなり、仕切り板34Eの上側(仕切り板34Eと蓋体35との間)は、ケーブル収納室33Bとなっている。
ケーブル収納箱33の上,下方向の下側に位置するコントローラ収納室33A内には、コントローラ23が収納されている。一方、ケーブル収納箱33の上,下方向の上側に位置するケーブル収納室33B内には、受信機接続ケーブル24の一部、センサ接続ケーブル25を構成する旋回体側ケーブル25Bの一部、プリズム接続ケーブル27を構成する他の旋回体側ケーブル27Bの一部が収納されている。
ここで、受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25、プリズム接続ケーブル27は、受信機19、傾斜センサ21、プリズム22、コントローラ23を含んで構成された整地作業システムが、油圧ショベル1よりも機体が大きな中型機種と共用される場合を考慮して、予め十分な長さ寸法に設定されている。このため、中型機種に比較して機体が小さな油圧ショベル1に、受信機19、傾斜センサ21、プリズム22、コントローラ23が搭載された場合には、受信機19とコントローラ23との間を接続する受信機接続ケーブル24の中間部位(一部)は、余剰分となって弛みを生じる。これと同様に、傾斜センサ21とコントローラ23との間を接続するセンサ接続ケーブル25の中間部位(一部)と、プリズム22とコントローラ23との間を接続するプリズム接続ケーブル27の中間部位(一部)も、余剰分となって弛みを生じる。
これに対し、弛みを生じた受信機接続ケーブル24の中間部位、センサ接続ケーブル25の中間部位、プリズム接続ケーブル27の中間部位は、ケーブル収納箱33のケーブル収納室33B内に、例えば環状に巻回された状態で収納される。これにより、受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25、プリズム接続ケーブル27の中間部位が、弛んだ状態で運転席9の周囲に配策されるのを抑え、これら各接続ケーブル24,25,27が、油圧ショベル1の車体に擦れて損傷するのを防止することができる構成となっている。
この場合、ケーブル収納箱33を構成する箱本体34の上端は開口端34Cとなっている。これにより、受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25、プリズム接続ケーブル27の弛んだ中間部位を、環状に巻回した状態で、開口端34Cを通じてコンパクトにケーブル収納箱33(ケーブル収納室33B)内に配置することができる。そして、受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25、プリズム接続ケーブル27の一端側24A1、25A1、27A1は、箱本体34のケーブル挿通部34Dを通じてケーブル収納箱33の外部に導出される構成となっている。
さらに、ケーブル収納箱33の内部は、コントローラ収納室33Aとケーブル収納室33Bとに分割され、コントローラ収納室33A内にコントローラ23が収納されると共に、ケーブル収納室33B内には、受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25、プリズム接続ケーブル27の一部が収納されている。このため、整地作業システムを構成するコントローラ23と、このコントローラ23に接続された受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25およびプリズム接続ケーブル27とを、ケーブル収納箱33内にまとめられた一つのユニットとして扱うことができる。これにより、例えば油圧ショベル1とは異なる他の油圧ショベルを用いて整地作業を行う場合に、他の油圧ショベルに取付けた受信機19とコントローラ23との間を受信機接続ケーブル24を介して接続し、傾斜センサ21とコントローラ23との間をセンサ接続ケーブル25を介して接続し、プリズム22とコントローラ23との間をプリズム接続ケーブル27を介して接続するときの作業性を高めることができる構成となっている。
本実施の形態による油圧ショベル1は上述の如き構成を有するもので、次に、受信機19とコントローラ23との間、傾斜センサ21とコントローラ23との間、プリズム22とコントローラ23との間をケーブルを用いて接続する作業について説明する。
まず、キャノピ16の右支柱16Bに取付けられた受信機19と、ケーブル収納箱33のコントローラ収納室33A内に配置されたコントローラ23との間を、受信機接続ケーブル24を介して接続する。即ち、受信機接続ケーブル24の一端側24Aを受信機19に接続し、受信機接続ケーブル24の他端側をコントローラ23に接続する。ここで、受信機接続ケーブル24は、受信機19およびコントローラ23が油圧ショベル1よりも機体が大きな中型機種に搭載される場合を考慮して、大きな長さ寸法を有している。このため、受信機接続ケーブル24の中間部位は余剰分となって弛みを生じる。そこで、受信機接続ケーブル24の中間部位は、ケーブル収納箱33のケーブル収納室33B内に収納される。
この場合、ケーブル収納箱33を構成する箱本体34の上端には開口端34Cが形成され、箱本体34の後部側にはケーブル挿通部34Dが形成されている。このため、受信機接続ケーブル24の中間部位を、例えば環状に巻回した状態で、開口端34Cおよびケーブル挿通部34Dを通じて容易にケーブル収納室33B内に収納することができる。
次に、排土装置18のブレード18Cに取付けられた傾斜センサ21とコントローラ23との間を、センサ接続ケーブル25を介して接続する。即ち、センサ接続ケーブル25を構成するブレード側ケーブル25Aと旋回体側ケーブル25Bとを、中継コネクタ26を介して接続する。そして、ブレード側ケーブル25Aの一端側25A1を傾斜センサ21に接続し、旋回体側ケーブル25Bの一端側をコントローラ23に接続する。ここで、旋回体側ケーブル25Bは大きな長さ寸法を有しているため、旋回体側ケーブル25Bの中間部位は弛みを生じる。そこで、旋回体側ケーブル25Bの中間部位は、ケーブル収納箱33のケーブル収納室33B内に収納される。この場合、旋回体側ケーブル25Bの中間部位は、例えば環状に巻回した状態で、ケーブル収納箱33の開口端34Cおよびケーブル挿通部34Dを通じて容易にケーブル収納室33B内に収納することができる。
次に、排土装置18のブレード18Cに取付けられたプリズム22とコントローラ23との間を、プリズム接続ケーブル27を介して接続する。即ち、プリズム接続ケーブル27を構成する他のブレード側ケーブル27Aと他の旋回体側ケーブル27Bとを、他の中継コネクタ28を介して接続する。そして、他のブレード側ケーブル27Aの一端側27A1をプリズム22に接続し、他の旋回体側ケーブル27Bの一端側をコントローラ23に接続する。ここで、他の旋回体側ケーブル27Bは大きな長さ寸法を有しているため、他の旋回体側ケーブル27Bの中間部位は弛みを生じる。そこで、他の旋回体側ケーブル27Bの中間部位は、ケーブル収納箱33のケーブル収納室33B内に収納される。この場合、他の旋回体側ケーブル27Bの中間部位は、例えば環状に巻回した状態で、ケーブル収納箱33の開口端34Cおよびケーブル挿通部34Dを通じて容易にケーブル収納室33B内に収納することができる。
そして、受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25(旋回体側ケーブル25B)、プリズム接続ケーブル27(他の旋回体側ケーブル27B)の中間部位を、それぞれケーブル収納箱33のケーブル収納室33B内に収納した後には、ケーブル収納箱33の箱本体34に、ボルト36を用いて蓋体35を取付ける。これにより、箱本体34の開口端34Cが閉塞され、ケーブル収納箱33内に収納された各接続ケーブル24,25,27を保護することができる。
このように、ケーブル収納箱33を構成する箱本体34の上端には開口端34Cが形成され、箱本体34の後部側にはケーブル挿通部34Dが形成されている。このため、受信機接続ケーブル24の中間部位、センサ接続ケーブル25(旋回体側ケーブル25B)の中間部位、プリズム接続ケーブル27(他の旋回体側ケーブル27B)の中間部位を、それぞれ環状に巻回してコンパクトにまとめた状態で、開口端34Cおよびケーブル挿通部34Dを通じて容易にケーブル収納室33B内に収納することができる。この結果、受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25、プリズム接続ケーブル27の中間部位の弛みを抑え、この弛み部分が車体等に擦れて損傷するのを抑えることにより、各接続ケーブル24,25,27を保護することができる。また、各接続ケーブル24,25,27の中間部位が運転席9の周囲にはみ出すのを抑えることができ、運転席9の周囲に大きな作業スペースを確保することができる。
次に、油圧ショベル1の排土装置18を用いた整地作業について説明する。
まず、オペレータは、上部旋回体4の運転席9に座り、操作レバー装置10を操作することにより、下部走行体2に対して上部旋回体4を旋回させる。ここで、排土装置18を用いた整地作業時には、運転席9に座ったオペレータがブレード18Cの左,右方向の両端部を確実に目視することができるように、上部旋回体4は、例えば運転席9が正面を向いた状態(図3の状態)から図4に示す位置まで角度θだけ右旋回した姿勢を保持する。
そして、オペレータがブレード操作レバー(図示せず)を操作し、ブレード18Cの下端を地面に接地させた状態で、走行レバーペダル装置13によって油圧ショベル1を走行させることにより、地面の整地作業を行うことができる。このとき、トータルステーション(図示せず)は、ブレード18Cに取付けられたプリズム22を追尾することによりブレード18Cの位置と高さとを連続的に計測し、この計測結果をブレード18Cの位置情報として、無線により受信機19に出力する。受信機19は、トータルステーションから発信されたブレード18Cの位置情報を、受信機接続ケーブル24を介してコントローラ23に出力する。一方、傾斜センサ21は、ブレード18Cのチルト角度を検出し、このチルト角度をセンサ接続ケーブル25を介してコントローラ23に出力する。
コントローラ23は、トータルステーションおよび傾斜センサ21からの出力に基づいて、ブレード18C用のコントロールバルブ(図示せず)を制御する。これにより、排土装置18(昇降シリンダ18D、チルトシリンダ18F)の動作が、施工すべき地面の3次元データに従って制御される。この結果、施工すべき地面の3次元データに従ってブレード18Cの姿勢(高さ、チルト角等)が変化し、施工すべき地面に適合した整地作業を行うことができる。
次に、油圧ショベル1の作業装置5を用いた土砂等の掘削作業について説明する。
油圧ショベル1の作業装置5を用いて土砂等の掘削作業を行う場合には、上部旋回体4が下部走行体2上で自由に旋回できるように、センサ接続ケーブル25を構成するブレード側ケーブル25Aと旋回体側ケーブル25Bとの間を切離す。具体的には、ブレード側ケーブル25Aのソケット25A2を、中継コネクタ26のプラグ26Aから抜取る。また、プリズム接続ケーブル27を構成する他のブレード側ケーブル27Aと他の旋回体側ケーブル27Bとの間を切離す。具体的には、他のブレード側ケーブル27Aのソケット27A2を、他の中継コネクタ28のプラグ28Aから抜取る。
このように、傾斜センサ21に接続されたブレード側ケーブル25Aのソケット25A2を中継コネクタ26から取外すと共に、プリズム22に接続された他のブレード側ケーブル27Aのソケット27A2を他の中継コネクタ28から取外すことにより、上部旋回体4の旋回動作が、センサ接続ケーブル25およびプリズム接続ケーブル27によって制限されるのを回避することができる。この結果、下部走行体2に対して上部旋回体4を360度の範囲で旋回(全旋回)させつつ、作業装置5を用いて土砂の掘削作業を行うことができる。
かくして、実施の形態によれば、油圧ショベル1は、外装カバー17および運転席9を有する自走可能な車体と、基端側が前記車体に取付けられ先端側にブレード18Cが設けられた排土装置18と、ブレード18Cの位置を測量する測量機器から発信されたブレード18Cの位置情報を受信する受信機19と、排土装置18に取付けられ、ブレード18Cの位置および姿勢を検出する傾斜センサ21およびプリズム22と、前記車体に設けられ、受信機19から入力されるブレード18Cの位置情報、および傾斜センサ21から入力されるブレード18Cの姿勢情報に基づいて排土装置18の動作を制御するコントローラ23と、受信機19とコントローラ23との間を接続する受信機接続ケーブル24と、傾斜センサ21とコントローラ23との間を接続するセンサ接続ケーブル25と、プリズム22とコントローラ23との間を接続するプリズム接続ケーブル27とを備えている。
そして、外装カバー17には、運転席9の右側方に位置して受信機接続ケーブル24の一部、センサ接続ケーブル25の一部、およびプリズム接続ケーブル27の一部を収納するケーブル収納箱33が設けられている。
この構成によれば、受信機19とコントローラ23との間を受信機接続ケーブル24によって接続し、傾斜センサ21とコントローラ23との間をセンサ接続ケーブル25によって接続し、プリズム22とコントローラ23との間をプリズム接続ケーブル27によって接続した状態で、各接続ケーブル24,25,27の中間部位に弛みが生じた場合でも、これら各接続ケーブル24,25,27の中間部位を、ケーブル収納箱33内に収納することができる。この結果、受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25、プリズム接続ケーブル27の中間部位の弛みを抑え、この弛み部分が車体等に擦れて損傷するのを抑えることにより、各接続ケーブル24,25,27を保護することができる。また、各接続ケーブル24,25,27の中間部位が運転席9の周囲にはみ出すのを抑えることができ、運転席9の周囲に大きな作業スペースを確保することができる。
実施の形態では、ケーブル収納箱33の内部には、上,下方向の下側に位置してコントローラ23が収納されるコントローラ収納室33Aと、コントローラ収納室33Aの上側に位置して受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25、プリズム接続ケーブル27の中間部位が収納されるケーブル収納室33Bとが形成されている。この構成によれば、整地作業システムを構成するコントローラ23と、このコントローラ23に接続された受信機接続ケーブル24、センサ接続ケーブル25およびプリズム接続ケーブル27とを、ケーブル収納箱33内にまとめられた一つのユニットとして扱うことができる。これにより、例えば油圧ショベル1とは異なる他の油圧ショベルを用いて整地作業を行う場合に、他の油圧ショベルに取付けた受信機19とコントローラ23との間を受信機接続ケーブル24を介して接続し、傾斜センサ21とコントローラ23との間をセンサ接続ケーブル25を介して接続し、プリズム22とコントローラ23との間をプリズム接続ケーブル27を介して接続するときの作業性を高めることができる。
実施の形態では、ケーブル収納箱33は、底板34Aと、底板34Aの周縁部から上方に立上る周壁板34Bとを有し、周壁板34Bの上端が開口端34Cとなった箱本体34と、箱本体34に着脱可能に取付けられ開口端34Cを閉塞する蓋体35とにより構成されている。この構成によれば、受信機接続ケーブル24の中間部位、センサ接続ケーブル25の中間部位、プリズム接続ケーブル27の中間部位を、例えば環状に巻回してコンパクトにまとめた状態で、開口端34Cを通じて容易にケーブル収納室33B内に収納することができ、各接続ケーブル24,25,27を収納するときの作業性を高めることができる。また、開口端34Cを蓋体35によって閉塞することにより、ケーブル収納箱33内に収納された各接続ケーブル24,25,27の中間部位を保護することができ、かつケーブル収納箱33の強度を高めることができる。
なお、実施の形態では、センサ接続ケーブル25を、中継コネクタ26を介して接続されたブレード側ケーブル25Aと旋回体側ケーブル25Bとにより構成し、プリズム接続ケーブル27を、他の中継コネクタ28を介して接続された他のブレード側ケーブル27Aと旋回体側ケーブル27Bとにより構成した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばセンサ接続ケーブル25、およびプリズム接続ケーブル27を、それぞれ1本のケーブルによって構成してもよい。
実施の形態では、ケーブル収納箱33内に仕切り板34Eを設けることにより、仕切り板34Eの下側にコントローラ収納室33Aが形成され、仕切り板34Eの上側にケーブル収納室33Bが形成される構成としている。しかし、本発明はこれに限らず、例えば仕切り板34Eを設けることなく、底板34A上に配置されたコントローラ23の周囲をコントローラ収納室とし、コントローラ23上に形成された空間をケーブル収納室とする構成としてもよい。
さらに、実施の形態では、履帯2Eを備えたクローラ式の油圧ショベル1に適用した場合を例示している。しかし、本発明はこれに限らず、例えばホイール式の油圧ショベルにも適用することができる。