JP7136576B2 - 流体殺菌モジュール及びシート状部材 - Google Patents

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本発明は、流体殺菌モジュール及びシート状部材に関する。
紫外線には、殺菌能力があることから、水等の流体に紫外線を照射することで、流体を連続的に殺菌する装置が提案されている。このような装置として、紫外線を散乱及び透過させる材料を含む内側管を囲むように、紫外線を反射させる材料を含む外側管を配置し、光源部から照射された紫外線を、紫外線を反射させる外側管の内周面、または、紫外線を散乱及び透過させる内側管の内周面に反射させることによって、内側管の内部の流体に伝搬させるようにした殺菌装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
特開2013-158722号公報
上記従来の殺菌装置においては、紫外線を反射させる材料を含む外側管として、アルミニウムまたはステンレス鋼といった金属を用いている。そのため、加工性が低いという問題がある。また、軽量化やコストの観点からも、より軽量化及びコスト低減を図ることの可能な流体殺菌モジュールが望まれていた。
そこで、この発明は従来の未解決の問題に着目してなされたものであり、加工性がより高く、より軽量化及びコスト低減を図ることの可能な流体殺菌モジュール及びシート状部材を提供することを提供することを目的としている。
本発明の一実施形態に係る流体殺菌モジュールは、被照射体を導入可能な中空部が内部に形成された紫外線透過性の筐体と、前記筐体に配置され、前記中空部に向けて光を照射する光源と、前記筐体の外周のうちの前記光源が配置されていない領域に被覆され、光学的代表長さが10nm以上1000nm以下の熱可塑性樹脂製繊維で形成され、空隙率が20%以上90%以下のシート状部材と、を備え、前記熱可塑性樹脂は、分子量換算で、99%以上が単結合の主鎖で形成されることを特徴としている。
本発明の一態様によれば、加工性がより高く、より軽量化及びコスト低減を図ることの可能な流体殺菌モジュール及びシート状部材を実現することができる。
本発明に係る流体殺菌モジュールの一例を示す構成図である。 本発明に係る流体殺菌モジュールのその他の例を示す構成図である。 本発明に係る流体殺菌モジュールのその他の例を示す構成図である。 本発明に係る流体殺菌モジュールのその他の例を示す構成図である。 紫外線照射時間と反射率との関係を示す特性図の一例である。
次に、図面を参照して、本発明の実施形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付している。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異なる。また、以下に示す実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を下記のものに特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
図1は、本発明に係る流体殺菌モジュール1の一例を示す外観図であって、(a)は(b)のA-A′線断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)のB-B′線断面図である。
図1に示すように、流体殺菌モジュール1は、両端が開口された筒状の筐体2と、被照射体としての例えば流体の筐体2への流入口2inを有する流入側接液部3と、筐体2からの流体の流出口2outを有する流出側接液部4と、筐体2の外周を覆うように配置された被覆部5と、紫外線を照射する光源6と、を備える。なお、ここでは、図1において上側を流入側、下側を流出側としているが、これに限るものではなく、下側を流入側、上側を流出側としてもよい。
筐体2は、紫外線透過性の材料で形成された円筒形の部材であり、円筒形の内部の中空部に被照射体として流体を導入するようになっている。なお、ここでいう紫外線透過性とは、200nm以上300nm以下の紫外線透過率が50%以上である材料のことをいい、好ましくは80%以上の材料のことをいう。紫外線透過性とは、ある厚みで規格化した透過率ではなく、高透過性の材料で形成される壁材そのものの透過率を測定したときの透過率で定義する。測定は例えば紫外可視吸収分光光度計を用いて行う。紫外線透過性の材料としては、例えば紫外線透過性樹脂、石英を適用することができ、石英が好ましく、筐体2は、例えば石英管で形成される。石英としては、溶融石英、合成石英等を適用することができる。
流入側接液部3は、流入口2inとなる孔を形成する円筒部3aを有し、円筒部3aの上端側外周面にフランジ部3bが形成されている。フランジ部3bの外径は、被覆部5の外径と同一である。円筒部3aの外径は筐体2の内径と同一である。円筒部3aを筐体2に挿入し、フランジ部3bと筐体2及び被覆部5の端部とを例えば接着樹脂により密着させることで筐体2内を水密に保つようになっている。
流出側接液部4は、円筒部4aと、円筒部4aよりも外径が小さい円柱部4bとを備える。円筒部4aの下端側外周面にフランジ部4a′が形成され、フランジ部4a′の外径は、被覆部5の外径と同一である。円筒部4aの外径は筐体2の内径と同一である。円柱部4bは、筐体2の中空部を向く面の中央部に光源6を設置するためのスペースが形成されている。円筒部4aの内周側部分及び円柱部4bの外周側部分同士は、周方向の例えば180°離れた2箇所において、径方向を向く板状の部材4cで連結されることにより、互いに一体となっている。そして、円筒部4aを筐体2に挿入し、フランジ部4a′と筐体2及び被覆部5の端部とを例えば接着樹脂で密着させることで、筐体2内を水密に保つようになっている。
そして、流出側接液部4の円筒部4aの内周側部分と円柱部4bの外周側部分との間に形成される環状の空間部分が、流出口2outを形成している。
流入側接液部3及び流出側接液部4は、例えばステンレス鋼(SUS)で形成される。なお、流入側接液部3及び流出側接液部4の材質は限定されるものではなく、例えば被照射体の性質によって選択することができる。例えば、食品製造や薬品製造等に関連する流体を扱う場合、具体的には例えば純水等の場合は、サニタリ用途のステンレス鋼でも良い。流入側接液部3及び流出側接液部4を樹脂で形成すれば安価に実現することができ、反射性能の高い樹脂や金属を用いれば、光源の光を効率良く反射することが可能であり、内部の流体に効率良く光を照射可能である。また、アルミニウム等の熱伝導性が高い金属で形成すれば放熱性を高めることができる。流入側接液部3及び流出側接液部4は、全体を一つの材質で構成してもよく、複数の材質を併用してもよい。例えば、光源6が設けられていない流入側接液部3には、樹脂、好ましくは高反射を有する樹脂を用い、光源6が設けられている流出側接液部4には、アルミニウム又はステンレス鋼を用いてもよい。
さらに接着に用いる接着剤は接着樹脂に限るものではなく、配管用シール材等を用いて接液してもよく、内部の水密性が損なわれないものを用いるのが好ましい。
被覆部5は、熱可塑性樹脂製の繊維で形成されたシート状部材で形成される。熱可塑性樹脂製の繊維は、ミー散乱を生じさせるため、光学的代表長さが10nm以上1000nm以下であることが好ましい。光学的代表長さは、より好ましくは50nm以上500nm以下であり、さらに好ましくは100nm以上400nm以下である。
また、シート状部材は、紫外線透過性及び取り扱い性のバランスの観点から、空隙率が20%以上90%以下であることが好ましい。空隙率は、より好ましくは70%以上90%以下であり、さらに好ましくは80%以上90%以下である。空隙率が高い程、シート状部材の三次元構造を活かして光を反射する繊維境界面が増加するため、反射率が向上する。
ここで、シート状部材を形成する部材、つまり熱可塑性樹脂製の繊維の微細構造のうち、連続体の最短距離の数平均長さを光学的代表長さとする。
光学的代表長さは、例えば連続体が球状物で形成される場合にはこの球状物の数平均直径をいい、繊維状の物で形成される場合にはこの繊維の数平均直径をいい、扁平な物体で形成される場合にはその短径の数平均を、光学的代表長さとする。
また、熱可塑性樹脂製の繊維は、数平均繊維径が10nm以上1000nm以下であることが好ましい。数平均繊維径は、より好ましくは50nm以上500nm以下であり、さらに好ましくは100nm以上400nm以下である。
また、シート状部材は、目付が10g/m以上50g/m以下であり、厚みが50μm以上150μm以下であり、最大孔径が3μm以下であることが好ましい。
目付が10g/m以上であれば流体殺菌モジュールを製造する時に繊維が破断することがなく、50g/m以下では光学特性がより高い。
目付が軽い場合や厚みがない場合には、紫外線が被覆部5つまりシート状部材を透過してしまい、被覆部5の外周に設けられている部材を劣化させる可能性がある。また、目付が重すぎたり、厚みがありすぎたりすると、製造上の負荷となる。そのため、ある程度の目付や厚みを有する熱可塑性樹脂製の繊維で形成されるシート状部材を用い、筐体2の外周に巻き付ける枚数を調整することによって紫外線の透過を防止する。筐体2に巻き付けるシート状部材の枚数が少なければ製造が簡易であり、枚数が多ければ、熱可塑性樹脂製の繊維で形成される被覆部5の貫通孔の分布や貫通孔のむらなどを低減することができる。
数平均繊維径は、走査型電子顕微鏡(SEM)(例えば、日本電子株式会社製、装置型式:JSM-6510)を用いて求める。
例えば、熱可塑性樹脂製の繊維で形成されたシート状の不織布を、10cm×10cmの大きさにカットし、不織布と対向する面が共に60℃の2枚の鉄板で挟むことにより、0.30MPaの圧力で90秒間プレスした後、この不織布に白金を蒸着する。
そして、SEMを用いて、加速電圧15kV、ワーキングディスタンス21mmの条件により撮影する。撮影倍率は、例えば平均繊維径が0.5μm未満の糸は10000倍、平均繊維径が0.5μm以上1.5μm未満の糸は6000倍とする。それぞれの撮影倍率での撮影視野は、例えば10000倍では、12.7μm×9.3μm、6000倍では21.1μm×15.9μm、4000倍では31.7μm×23.9μmとする。ランダムに繊維100本以上を撮影し、全ての繊維径を測長し、これに基づき平均繊維径を求める。このとき、糸長方向で融着している繊維同士は測定対象から省く。
繊維径Diの繊維がNi本存在するとき、数平均繊維径Dnは、次式(1)から求める。なお、Xiは繊維径Diの存在比率を表し、Xi=Ni/ΣNiで表される。
Dn=(ΣXi)×Di=Σ(Ni×Di)/Σ(Ni) ……(1)
熱可塑性樹脂製の繊維で形成されたシート状部材の最大孔径は、多孔質材料自動細孔径分布測定システム(例えば、Porous Materials,Inc.製、装置型式:Automated Perm Porometer)を用いる。不織布等のシート状部材のサンプルを打ち抜き刃で直径φ25mmにカットし、GALWICK試液に浸漬させ、1時間脱気する。その後、サンプルをカットし、エア圧を加える。GALWICK試液が毛細管内の液体表面張力に打ち勝ち、押し出されるため、その時の圧力を測定することにより毛細管の式から導かれたWashburnの式で細孔直径を求め、バブルポイント(kPa)により最大孔径を求める。
熱可塑性樹脂製の繊維で形成されたシート状部材の目付は、JIS-L-1906に準拠して測定する。
例えばシート状部材として不織布を用いる場合、不織布の両端部10cmを除いて、縦20cm×横20cmのサンプルを3枚切り取り、質量を測定してその平均値を単位面積当たりの質量に換算して目付を演算する。
熱可塑性樹脂製の繊維で形成されたシート状部材の厚みは、圧縮弾性試験機(例えば、E-2型)を用いて、測定面積4cm下において、40g荷重時のシート状部材としての不織布の厚さ(mm)を測定する。
熱可塑性樹脂製の繊維で形成されたシート状部材の空隙率は、まず、試料を構成する素材、すなわち熱可塑性樹脂の繊維の密度と、目付から計算される試料を構成する素材のみの体積(A)とシート状部材の厚みに試料の面積を掛けて得られる見かけの体積(B)を求める。そして、体積(A)及び(B)をもとに次式(2)から空隙率を演算する。
空隙率(%)={1-(A/B)}×100 ……(2)
また、シート状部材を形成する熱可塑性樹脂は、分子量換算で99%以上が単結合の主鎖で形成される樹脂であることが好ましい。熱可塑性樹脂が多重結合された樹脂で形成される場合、紫外光を吸収するため、単結合の主鎖で形成される樹脂が好ましい。また、熱可塑性樹脂は、添加物として、分子量換算で1%以上の多重結合を有しない有機化合物を含んでいてもよい。熱可塑性樹脂を形成する結合のほとんどが単結合であることで、低い深紫外線吸収能を示すことができ、通常の高分子で形成されるシート状部材では到達することのできない、深紫外線反射能力と深紫外線耐久能力とを示すことができる。また、深紫外線を吸収し、ラジカルを発生させる、炭素を基点とした多重結合が微量しか含まれていない添加剤を含む熱可塑性樹脂を用いることで、流体殺菌モジュールの長寿命化を図ることができる。
さらに、熱可塑性樹脂製の繊維で形成されたシート状部材は、孔径分布が次式(3)及び(4)を満たすことが好ましい。
Dmax/Dave<2.00 ……(3)
Dmax/Dmin<3.50 ……(4)
なお、(3)式及び(4)式において、Dmaxは最大孔径(μm)を表し、Daveは平均孔径(μm)を表し、Dminは最小孔径(μm)を表す。
孔径分布は好ましくはDmax/Dave<2.00であり、Dmax/Dave<1.75がより好ましく、Dmax/Dave<1.50がさらに好ましい。ここで、Dmax/Dave=1が、理論上で不織布を構成する繊維で構成される孔径が完全に同一である理想的な状態における孔径分布である。Dmax/Dave<2.00にすることで、反射性能を均一にすることができる。
熱可塑性樹脂としては、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、フッ素系樹脂、塩素系樹脂を適用することができ、これら単独、又は混合物、又はこれらを含む共重合体であっても適用することができ、ポリオレフィンが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂としては、例えば、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン等のα-オレフィンの単独又は共重合体,である高圧法低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン、ポリプロピレン(プロピレン単独重合体)、ポリプロピレンランダム共重合体、ポリ1-ブテン、ポリ4-メチル-1-ペンテン、エチレン・プロピレンランダム共重合体、エチレン-1-ブテンランダム共重合体、プロピレン-1-ブテンランダム共重合体等が挙げられる。
フッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
塩素系樹脂としては、例えば、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン等が挙げられる。
シート状部材は、織布、編布、不織布のいずれであってもよいが、光学的長さと空隙率の充足し易さの観点から不織布が好ましい。
不織布としては、様々な形状や様々な製法で作製された不織布を用いることができるが、極細繊維によって形成され、孔径が緻密且つ均一であり、他の用途に供される不織布と比較して高い比表面積を有する不織布であることが好ましい。極細繊維によって形成される不織布としてメルトブローン不織布が挙げられる。
メルトブローン不織布を用いることにより、連続長繊維によって形成される孔径が緻密且つ均一となり、さらに、メルトブローン不織布特有の高い空隙率を有したまま極細繊維で形成されるシート状部材を得ることができる。メルトブローン法により所定の光学的長さの不織布を作製すると、紫外線領域の光をミー散乱させることの可能なサイズの構造体を高密度に含むシート状部材を得ることができる。このため、一般的な有機物が吸収し易く、素材劣化の原因となる近紫外線領域においても、90%以上の非常に高い反射率を有し、ほとんどの有機物が吸収しそのため素材劣化が生じる深紫外線領域においても、ミー散乱による高い深紫外線反射能を示すことができる。
メルトブローン不織布は、次の手順で作製する。
まず、曳糸性を有する熱可塑性樹脂を高温高速のガスを用いて牽引することで得た極細糸をコンベア上で無作為に集積して不織布化する。コンベア上の集積ネットを緻密にする事で集積ネット上の吸引風速を均一化し、繊維同士の局所的な絡み合いや重なりを抑制することで、孔径が著しく緻密且つ均一である従来にはない高いフィルター性能を有する不織布を得ることができることができる。
シート状部材が不織布で形成される場合、不織布の目付量が10g/m以上50g/m以下であるときに、地合指数が125以下であることが好ましい。より好ましくは100以下であり、さらに好ましくは75以下である。地合指数が小さい程、孔径分布が緻密且つ最大孔径が小さくなり、反射率が向上する。
地合指数は透過式地合計(例えば装置型式:FMT-MIII 野村商事株式会社製)を用いて測定する。まず、サンプルをセットしない状態で、光源点灯時/消灯時の透過光量をCCDカメラでそれぞれ測定し、続いて、A4サイズにカットした不織布をセットした状態で同様に透過光量を測定し、平均透過率、平均吸光度、標準偏差(吸光度のバラツキ)を求める。地合指数は、標準偏差÷平均吸光度×10で求めることができる。地合指数は地合が良い程小さく、悪いもの程大きな値になる。
なお、被覆部5は、図1に示すように、筐体2の外周全面に設けられていてもよく、部分的に設けられていてもよい。少なくとも光源6が照射する紫外線が、直接照射される位置に被覆部5が設けられていることが好ましい。
また、図1には記載されていないが、被覆部5の外周は、熱可塑性樹脂製の繊維で形成されたシート状部材を巻き付けた後の固定用として、紫外線透過性の低い材料で固定してもよい。シート状部材を透過するわずかな紫外線が被覆部5の外周へ漏れ出すことを防止することができる。例えば、熱収縮チューブで被覆部5を固定すればよい。
光源6は、流出側接液部4の光源6用のスペースに配置される。具体的には、光源6は、流出側接液部4のスペースに、照射面が筐体2の中空部を向くように配置される。光源6用のスペースには、例えば光透過性の部材からなる窓部が形成されている。これにより、筐体2の中空部に向けて光が照射されることになる。光源6は、発光波長のピークが200nm以上300nm以下であって、例えば発光ダイオード(LED)で形成される。
なお、ここでは、被照射体として流体を適用した場合について説明するが、流動性を有していればよく、液体状のもの、氷、砂等の多数の細かい粒又は粒子から構成される粉体であってもよい。液体状のものとは具体的には、水、水溶液、エマルジョン等といった流動性を有するもの全般であり、飲食用の液体又は非飲料用に用いられる液体がある。飲食用の液体とは、例えば、水、清涼飲料、乳製品飲料、牛乳、食用の油などが挙げられる。また、シャーベット、ゼリー、ソフトクリーム、スムージー、ココア又はチョコレート飲料等も含む。非飲食の液体とは、例えば超純水、洗浄水、弱酸性水、弱アルカリ性水等、また工業原料の水溶液、水系塗料等の工業製品が挙げられる。
このように、本発明の一実施形態に係る流体殺菌モジュール1は、筐体2を紫外線に対して高透過性を有する材料で形成し、被覆部5を、ミー散乱を生じさせ得る熱可塑性樹脂製の繊維で形成し、近紫外線領域及び深紫外線領域において高い反射率を有するようにしたため、紫外線が被覆部5の外部に漏れることを回避することができる。熱可塑性樹脂製の繊維は、金属に比較して安価且つ軽量であるため、紫外線が外部に漏れることを回避するための部材として、アルミニウムまたはステンレス鋼等の金属を設ける場合に比較して、低コスト化及び軽量化を図ることができる。また、筐体2の外周にシート状部材を巻き付けて被覆部5を形成すればよいため、より簡易な流体殺菌モジュールを提供することができる。
なお、上記実施形態においては、光源6を一つ設けた場合について説明したが、光源6の数は、一つに限るものではなく、被照射体を殺菌することができれば個数は問わない。光源6の数が多いほど殺菌効率が向上するが、多すぎると放熱を考慮する必要があり、電力も多くかかる。また、光源6の配置位置は、筐体2に対して対称性をもって照射できる位置に配置することが好ましい。
例えば、光源6を四つ設ける場合には、図2に示すように、図1に示す流体殺菌モジュール1において流出側接液部4に代えて、中心部に流出口2outを備える流出側接液部11を用いる。
流出側接液部11は、図2に示すように、流入側接液部3と同様に、中心部に流出口2outとなる孔が開いた円筒状の構造を有し、円筒部11aの下端側外周面にフランジ部11bが形成されている。フランジ部11bの外径は、被覆部5の外径と同一である。円筒部11aの外径は筐体2の内径と同一である。そして、円筒部11aを筐体2に挿入し、フランジ部11bと筐体2及び被覆部5の端部とを例えば接着樹脂により密着させることで筐体2内を水密に保つようになっている。この流出側接液部11の、上端側の端面に、筐体2の中空部を向くように、四つの光源6が点対象となるように配置される。
また、例えば、二つの光源6を流体殺菌モジュール1の側面に設ける場合には、図3に示すように、図2に示す流体殺菌モジュール1において、二つの光源6を、流出側接液部11に設けるのではなく、筐体2の長手方向略中央部付近に、二つの光源6が互いに向かい合うように配置する。このとき、光源6の配置位置には被覆部5を設けないようにし、光源6の照射面と、筐体2の外周面とを対向させて配置する。これによって、光源6の照射光が被覆部5によって遮られることなく、筐体2の内部を流動する被照射体に対して照射を行うことができる。
また、本発明の一実施形態に係る流体殺菌モジュール1は、図1~図3に示すように、流入側接液部3及び流出側接液部4をそれぞれ筐体2の端部に挿入し、接着剤を用いて接合する場合について説明したがこれに限るものではない。
例えば、流入側接液部3に代えて、図4に示すように、外径が被覆部5の外径よりも大きく、中央部に流入口2inとなる孔が形成された円盤状の流入側接液部21を設ける。同様に流出側接液部4に代えて、外径が被覆部5の外径よりも大きく、環状の流出口2outが形成された円盤状の流出側接液部22を設ける。そして、流入側接液部21と流出側接液部22との間に筐体2及び被覆部5を挟んだ状態で、流入側接液部21及び流出側接液部22の縁部近傍の、周方向に等間隔に離隔した四カ所乃至八カ所程度をボルトネジ23で挟み込み、このとき、筐体2の端部をパッキン等を用いて絞め込むことで、流入側接液部21及び流出側接液部22と、筐体2及び被覆部5とを固定してもよい。
なお、流出側接液部22は、円盤状の部材において、流出口2outとなる環状部材を除去した残りの、円柱状の小径部22aと、環状の大径部22bとを、図1における流出側接液部4と同様に、周方向の例えば180°離れた2箇所において、径方向を向く板状の部材22cで連結することで互いに一体に形成される。
なお、図2から図4のそれぞれにおいて、(a)は(b)のA-A′線断面図、(b)は縦断面図、(c)は(b)のB-B′線断面図である。図2~図4においては、上側を流入側、下側を流出側としているが、これに限るものではなく、下側を流入側、上側を流出側としてもよい。
また、上記実施形態において、光源6を流入側接液部3に設けてもよく、流入側接液部3又は21、流出側接液部4又は11又は22、被覆部5の外周のうちの少なくともいずれか一つに設ければよい。
図1から図4に示す流体殺菌モジュール1は、例えば、内径φが50mm、外径φが54mm、長さが100mmの石英管で形成される筐体2に、被覆部5としてメルトブローン不織布を3回巻き付けて形成される。また、図1及び図4に示す一つの光源6を備えた流体殺菌モジュール1は、例えば流入口2inの直径φは10mm、流出口2outの外径φは34mm、流出口2outの内径φは26mmに設定される。また、図2及び図3に示す複数の光源6を備えた流体殺菌モジュール1は、例えば流入口2in及び流出口2outの直径φは10mmに設定される。
[実施例1]
メルトフローレートが1600g/10minのポリプロピレン樹脂を使用し、目付20g/m、厚み110μmのメルトブローン不織布を作製した。このときの繊維径と紫外線反射率(240nm以上350nm以下)は表1の通りであった。
Figure 0007136576000001
[実施例2]
メルトフローレートが1600g/10minのナイロン6樹脂を使用し、目付20g/m、厚み102μmのメルトブローン不織布を作製した。このときの繊維径と紫外線反射率(240nm以上350nm以下)は表2の通りであった。
Figure 0007136576000002
[実施例3]
実施例1及び実施例2における繊維径が0.4μmのそれぞれの樹脂を用いたメルトブローン不織布の紫外線照射時間と反射率との関係を図5に示す。図5において、横軸は紫外線照射時間(min)、縦軸は反射率(%)である。また、図5において、記号「○」はポリプロピレン樹脂を使用してメルトブローン不織布を作製した場合を示し、記号「×」はナイロン6樹脂を使用してメルトブローン不織布を作製した場合を示す。また、図5において、反射率は、照射時間が「0」であるときを100%としている。
ここで、表1及び表2から、繊維径が0.1μm以上1.0μm以下であれば、比較的高い反射率を得られることがわかる。つまり、反射率が高いほど効率的に紫外光を利用することができるため、高い殺菌効率が得られることがわかる。しかしながら、図5に示すように、多重結合を有しないポリプロピレン樹脂は、長時間紫外線照射を行った場合でも、反射率は100%程度である。これに対し、多重結合を有するナイロン6樹脂は、紫外線照射時間が長くなるほど、反射率が低下している。
したがって、ポリプロピレン樹脂等のように、繊維径が0.1μm以上1.0μm以下であり、且つ、多重結合を有しない樹脂の繊維で形成されたメルトブローン不織布がシート状部材に適していることが確認された。
以上、本発明の実施形態を説明したが、上記実施形態は、本発明の技術的思想を具体化するための装置や方法を例示するものであって、本発明の技術的思想は、構成部品の材質、形状、構造、配置等を特定するものでない。本発明の技術的思想は、特許請求の範囲に記載された請求項が規定する技術的範囲内において、種々の変更を加えることができる。
1 流体殺菌モジュール
2 筐体
2in 流入口
2out 流出口
3、21 流入側接液部
4、11、22 流出側接液部
5 被覆部
6 光源

Claims (7)

  1. 被照射体を導入可能な中空部が内部に形成された紫外線透過性の筐体と、
    前記筐体に配置され、前記中空部に向けて光を照射する光源と、
    前記筐体の外周のうちの前記光源が配置されていない領域に被覆され、光学的代表長さが10nm以上1000nm以下の熱可塑性樹脂製繊維で形成され、空隙率が20%以上90%以下のシート状部材と、
    を備え
    前記熱可塑性樹脂は、分子量換算で、99%以上が単結合の主鎖で形成され
    流体殺菌モジュール。
  2. 前記筐体の材料は、石英ガラス、紫外線透過性フッ素樹脂、及び紫外線透過性ポリシクロオレフィンのいずれかである請求項1に記載の流体殺菌モジュール。
  3. 前記熱可塑性樹脂は、分子量換算で1%以上の多重結合を有しない有機化合物を添加物として含む請求項1又は請求項に記載の流体殺菌モジュール。
  4. 前記熱可塑性樹脂製繊維は数平均繊維径が10nm以上1000nm以下であり、前記シート状部材は、目付が10g/m以上50g/m以下であり、厚みが50μm以上150μm以下であり、最大孔径が3μm以下である請求項1から請求項のいずれか一項に記載の流体殺菌モジュール。
  5. 前記熱可塑性樹脂は、ポリオレフィン、ポリシクロオレフィン、ポリテトラフルオロエチレン、パーフルオロアルコキシアルカン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリクロロトリフルオロエチレン、及びこれらを含む共重合体のいずれかである、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の流体殺菌モジュール。
  6. 前記被照射体は、流動性を有する液体状又は粉体状の物質である請求項1から請求項のいずれか一項に記載の流体殺菌モジュール。
  7. 被照射体を導入可能な中空部が内部に形成された紫外線透過性の筐体と、前記筐体に配置され、前記中空部に向けて光を照射する光源と、を備えた流体殺菌モジュール用のシート状部材であって、
    前記筐体の外周のうちの前記光源が配置されていない領域に被覆され、
    光学的代表長さが10nm以上1000nm以下の熱可塑性樹脂製繊維で形成され、空隙率が20%以上90%以下であり、
    前記熱可塑性樹脂は、分子量換算で99%以上が単結合の主鎖で形成されている流体殺菌モジュール用のシート状部材。
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