JP7136385B1 - 芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄剤、洗浄液及び洗浄方法 - Google Patents
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Abstract
Description
本発明は、芳香族ポリアミド系逆浸透膜(ナノ濾過(NF)膜を含む)を洗浄対象とする。
本発明において、ハロゲン系洗浄剤成分として用いる安定化ハロゲンは、1級アミノ基を有する化合物、アンモニア、及びアンモニウム塩のいずれか(以下、これらを「NH2系化合物」と称す。)と、塩素系酸化剤や臭素系酸化剤などのハロゲン系酸化剤とを混合することにより生成させることができる。塩素系酸化剤としては次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸塩を使用することが好ましい。また、臭素系酸化剤としては臭素(液体臭素)、塩化臭素、臭素酸、臭素酸塩、次亜臭素酸等が挙げられる。安定化ハロゲンとしてはクロラミン化合物、すなわち、以下の反応式(1),(2)に示すような反応で次亜塩素酸(HOCl)と1級アミノ基を有する化合物(XNH2)とを反応させて得られる、アミノ基の水素原子が塩素原子に置換した化合物(XNHCl)が好ましい。この化合物は、膜に対する酸化作用が弱いため、塩素耐性の低い芳香族ポリアミド系RO膜であっても洗浄剤として用いることが可能となる。
XNH2+OCl-⇔XNHCl+OH- (2)
本発明で用いるキレート剤は、アミノ基を含まない脂肪族カルボン酸、アミノ基を含まないホスホン酸化合物、ポリリン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上である。
本発明の洗浄剤に用いるアルカリ剤としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物が好適である。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明の洗浄剤は界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤としては、洗浄効果の面から、分子量1000以下のアニオン系界面活性剤が好ましい。分子量が過度に大きい界面活性剤では洗浄効果が得られないだけでなく、膜を汚染する場合がある。また、界面活性剤としては、アミノ基及びアミンオキシドを分子構造中に含まないものが好ましい。
本発明の洗浄剤のpHは13以上である。洗浄剤中の安定化ハロゲン濃度は0.1~0.5Mであり、キレート剤濃度は0.2~2Mであり、アルカリ剤濃度は1~5Mであり、界面活性剤濃度は0.5M以下,例えば0.002~0.5Mであることが好ましい。
本発明の洗浄液は、この洗浄剤を水で希釈した水溶液よりなる。この洗浄液のpHが11未満であると、透過流束を十分に回復させることができない。洗浄液のpHは高い方が洗浄効果に優れるが、高過ぎると、洗浄液としての取り扱い性が悪くなり、RO膜等の透過膜が劣化する危険性が高くなる。洗浄液のpHは好ましくは11以上13以下である。
本発明の洗浄剤は、前述のアルカリ剤の水溶液にスルファミン酸等のNH2系化合物を添加して溶解し、得られたNH2系化合物水溶液に、次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸塩を添加して混合することにより調製することができる。上記アルカリ剤の水溶液は、水の量を50~90重量%とすることが好ましい。キレート剤及び界面活性剤は、洗浄剤の調製工程のうち、いずれの工程で添加されてもよく、前述のアルカリ剤の水溶液に予め含まれていてもよく、また、NH2系化合物水溶液に次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸塩を添加する際に添加してもよく、次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸塩の添加の前後で添加してもよい。好ましくは、キレート剤や界面活性剤は次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸塩の添加の後に添加される。
本発明で用いる洗浄剤又は洗浄液には、その洗浄効果を損なわない範囲において、他の洗浄剤成分を添加してもよい。
本発明の洗浄液を用い芳香族ポリアミド系逆浸透膜を洗浄する方法としては、この洗浄液に芳香族ポリアミド系逆浸透膜を接触させればよく、特に制限はない。通常、透過膜モジュールの原水側に洗浄液を導入して静置する浸漬洗浄が行われる。
本発明の洗浄剤に用いられるクロラミン化合物とキレート剤との反応性を試験するために、0.005Mモノクロロスルファミン酸を含むpH12の水酸化ナトリウム水溶液200mLに対し、キレート剤として、HEDP10g/L(0.05M)、クエン酸10g/L(0.05M)、ドデシル硫酸ナトリウム10g/L(0.03M)、EDTA10g/L(0.03M)、又はドデシルジメチルアミンオキシド10g/L(0.04M)添加し、残留塩素を測定した。塩素の残留率の経時変化を図3に示す。図3の通り、アミン系のEDTA又はドデシルジメチルアミンオキシドによりクロラミン化合物が分解され易いことが認められた。
0.01Mモノクロロスルファミン酸を含むpH12の水酸化ナトリウム水溶液200mLに対しキレート剤としてEDTAを0.5%添加した洗浄液、トリリン酸ナトリウムを0.5%添加した洗浄液、及びトリリン酸ナトリウム2%添加した洗浄液の3種の洗浄液を調製した。
汚染RO膜:排水処理プラントから回収した、有機物で汚染されたRO膜(東レ社製芳香族ポリアミド系RO膜「TML10」)を8×5cmにカットしたもの。
その結果、トリリン酸ナトリウム0.5%添加洗浄液、又はトリリン酸ナトリウム2%添加洗浄液で洗浄した場合、EDTA0.5%添加洗浄液に比べて汚染物質除去効果が高いことが認められた。
試験例2において、0.01Mモノクロロスルファミン酸を含むpH12の水酸化ナトリウム水溶液200mLに対し、キレート剤としてHEDPを1%又はPBTCを1%添加したこと以外は同様にして試験を行った。なお、ブランクとして、キレート剤を添加しない場合についても試験を行った。
その結果、HEDP又はPBTCを添加すると、洗浄効果が著しく向上することが認められた。
以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をより具体的に説明する。
この平膜試験装置において、RO膜供給水は、配管11より高圧ポンプ4で、密閉容器1のRO膜をセットした平膜セル2の下側の原水室1Aに供給される。図2に示すように、密閉容器1は、原水室1A側の下ケース1aと、透過水室1B側の上ケース1bとで構成され、下ケース1aと上ケース1bとの間に、平膜セル2がOリング8を介して固定されている。平膜セル2はRO膜2Aの透過水側が多孔質支持板2Bで支持された構成とされている。平膜セル2の下側の原水室1A内はスターラー3で攪拌子5を回転させることにより攪拌される。RO膜透過水は平膜セル2の上側の透過水室1Bを経て配管12より取り出される。濃縮水は配管13より取り出される。密閉容器1内の圧力は、給水配管11に設けた圧力計6と、濃縮水取出配管13に設けた圧力調整バルブ7により調整される。
比較例1:0.01Mモノクロロスルファミン酸のみを含むpH12の水酸化ナトリウム水溶液
比較例2:0.01Mモノクロロスルファミン酸及び0.026Mクエン酸を含むpH12の水酸化ナトリウム水溶液
比較例3:0.01Mモノクロロスルファミン酸、0.026Mクエン酸、及び0.00015Mドデシルメチルアミンオキシドを含むpH12の水酸化ナトリウム水溶液
実施例1:0.01Mモノクロロスルファミン酸、0.026Mクエン酸、及び0.00015M非アミン系アニオン界面活性剤を含むpH12の水酸化ナトリウム水溶液
排水処理プラントから回収した、有機物で汚染されたRO膜(東レ社製芳香族ポリアミド系RO膜「TML10」を、図1,2に示す平膜試験装置に装填し、0.75MPa、25℃の条件で、汚染RO膜の純水透過流束を測定した。
その後、この汚染RO膜が装填された平膜試験装置の洗浄を行った。すなわち、汚染RO膜が装填された平膜試験装置に、上記の各洗浄液を供給して容器内を洗浄液で満たし、17時間浸漬洗浄した。浸漬洗浄後、純水を供給して容器内の洗浄液を純水で押し出した後、洗浄後のRO膜の純水透過流束(Flux)を同条件で測定した。
[洗浄後のRO膜のFlux]/[洗浄前の汚染RO膜のFlux]×100%
により算出した。結果を表1に示す。
本発明を特定の態様を用いて詳細に説明したが、本発明の意図と範囲を離れることなく様々な変更が可能であることは当業者に明らかである。
本出願は、2021年9月29日付で出願された日本特許出願2021-159591に基づいており、その全体が引用により援用される。
2 平膜セル
2A RO膜
2B 多孔質支持板
3 スターラー
4 高圧ポンプ
5 攪拌子
6 圧力計
7 圧力調整バルブ
8 Oリング
Claims (10)
- 安定化ハロゲンと、アミノ基を含まない脂肪族カルボン酸、アミノ基を含まないホスホン酸化合物、ポリリン酸及びそれらの塩から選ばれる1種又は2種以上を含むキレート剤と、アルカリ剤とを含むpH13以上の水溶液よりなる、芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄剤。
- 前記洗浄剤中の安定化ハロゲンの濃度が0.1~0.5 Mであり、前記キレート剤の濃度が0.2~2 Mであり、アルカリ剤の濃度が1~5 Mである請求項1の芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄剤。
- 前記安定化ハロゲンがモノクロロスルファミン酸を含む請求項1又は2の芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄剤。
- 前記アルカリ剤が水酸化ナトリウムおよび水酸化カリウムの少なくとも一方である請求項1ないし3のいずれか1項の芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄剤。
- 分子量1000未満のアミノ基およびアミンオキシドを分子構造中に有しないアニオン系界面活性剤を含む請求項1ないし4のいずれか1項の芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄剤。
- 前記水溶液中のアニオン系界面活性剤の濃度が0.002~0.5 Mである請求項5の芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄剤。
- 前記安定化ハロゲンが、1級アミノ基を有する化合物、アンモニア及びアンモニウム塩よりなる群から選ばれる1種又は2種以上と、次亜塩素酸及び/又は次亜塩素酸塩との反応物である請求項1ないし6のいずれか1項の芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄剤。
- 請求項1ないし7のいずれか1項に記載の芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄剤の希釈水溶液よりなる、芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄液。
- 前記洗浄液のpHが11~13である請求項8の芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄液。
- 請求項8又は9に記載の洗浄液に芳香族ポリアミド系逆浸透膜を接触させる工程を有する、芳香族ポリアミド系逆浸透膜の洗浄方法。
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