JP7135526B2 - 全固体電池用電極層の製造方法 - Google Patents

全固体電池用電極層の製造方法 Download PDF

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Description

本開示は、全固体電池用電極層の製造方法に関する。
全固体電池は、正極層および負極層の間に固体電解質層を有する電池であり、可燃性の有機溶媒を含む電解液を有する液系電池に比べて、安全装置の簡素化が図りやすいという利点を有する。
例えば特許文献1には、被覆活物質粒子および固体電解質粒子を有する全固体電池用電極の製造方法において、不活性ガスおよびドライエア条件下にて電極を製造する方法が開示されている。また、特許文献2には、正極活物質と、上記正極活物質上に形成され、Liイオン伝導性酸化物から構成される被覆層と、を有する被覆正極活物質であって、上記被覆正極活物質における炭酸塩濃度が、800ppm~3500ppmの範囲内であることを特徴とする被覆正極活物質について開示されている。
特許文献3には、活物質と、硫化物固体電解質を含有する被覆層とを備える被覆活物質の製造方法であって、上記活物質と上記硫化物固体電解質とを含有する原料組成物を調製する調製工程と、上記原料組成物に自公転混練処理を行い、上記活物質の表面に上記被覆層を形成する混練工程と、を有する被覆活物質の製造方法について開示されている。また、特許文献4には、正極活物質と、上記正極活物質を被覆し、Liイオン伝導性酸化物を含有する被覆層とを有する被覆活物質であって、上記被覆層が、さらに炭酸リチウムを含有する被覆活物質について開示されている。
特開2016-024916号公報 特開2015-072818号公報 特開2014-022074号公報 特許第5578280号
活物質の表面をLiイオン伝導性酸化物で被覆した被覆活物質が知られているが、大気曝露すると劣化し、電池性能が低下する場合がある。一方、大気曝露させない場合、製造時のハンドリング性が低下する。
本開示は上記実情に鑑みてなされたものであり、電池性能の低下を抑制しつつ、製造時のハンドリング性の低下を抑制することが可能な全固体電池用電極層の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために、本開示においては、活物質と、上記活物質を被覆し、Liイオン伝導性酸化物を含む被覆層とを有する被覆活物質を準備する準備工程と、上記被覆活物質を、0.00546min・g/kg以上29.3min・g/kg以下の曝露量で大気曝露する曝露工程と、を有する全固体電池用電極層の製造方法を提供する。
本開示によれば、所定の曝露量であれば電池性能の低下を抑制できる。また、大気曝露が可能となることから、製造時のハンドリング性の低下を抑制することができる。
本開示における全固体電池用電極層の製造方法は、電池性能の低下を抑制しつつ、製造時のハンドリング性の低下を抑制することができるといった効果を奏する。
実施例1~3および比較例1、2における被覆活物質の曝露量に対する電池性能および含有水分量を示すグラフである。 実施例1~3および比較例1、2における被覆活物質の曝露量に対する電池性能および炭酸イオン濃度を示すグラフである。
以下、本開示における全固体電池用電極層の製造方法について、詳細に説明する。
本開示における全固体電池用電極層の製造方法は、活物質と、上記活物質を被覆し、Liイオン伝導性酸化物を含む被覆層とを有する被覆活物質を準備する準備工程と、上記被覆活物質を、0.00546min・g/kg以上29.3min・g/kg以下の曝露量で大気曝露する曝露工程とを有する。
本開示によれば、所定の曝露量であれば電池性能の低下を抑制できる。また、大気曝露が可能となることから、製造時のハンドリング性の低下を抑制することができる。
被覆活物質を大気曝露すると劣化し、電池性能が低下する場合がある。この理由としては、以下のことが考えられる。すなわち、被覆活物質を大気曝露すると、大気中の水分が吸着することで被覆活物質に含まれる含有水分量が増加する。当該水分は、固体電解質(特に硫化物固体電解質)の劣化の原因となり、結果として電池性能が低下すると推測される。また、被覆活物質を大気曝露すると、被覆活物質と大気中の水分および二酸化炭素とが反応し、炭酸リチウムが生成され、当該炭酸リチウムが抵抗層となり、結果として電池性能が低下すると推測される。
このような問題に対して、被覆活物質の製造後に大気曝露しない条件下にて、電極層を製造する方法が想定されるが、その場合、製造時のハンドリング性が低下してしまう。本開示においては、被覆活物質を大気曝露する曝露工程について、曝露量という指標を用いて被覆活物質が大気曝露される条件を限られた範囲に規定することで、電池性能の低下を抑制しつつ、製造時のハンドリング性の低下を抑制することができる。
なお、本開示における曝露量とは、被覆活物質が大気に曝露される曝露時間(min)と、被覆活物質が曝露される大気環境中の絶対湿度(g/kg)との積である。すなわち、下記式で表すことができる。
曝露量(min・g/kg)=曝露時間(min)×大気環境中の絶対湿度(g/kg)
1.準備工程
準備工程は、活物質と、上記活物質を被覆し、Liイオン伝導性酸化物を含む被覆層とを有する被覆活物質を準備する工程である。
(1)活物質
活物質は、正極活物質であってもよく、負極活物質であってもよいが、前者が好ましい。活物質としては、例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、LiNi1/3Co1/3Mn1/3等の岩塩層状型活物質、マンガン酸リチウム(LiMn)、Li1+xMn2-x-y(MがAl、Mg、Co、Fe、Ni、Znから選ばれる一種以上)で表される組成の異種元素置換Li-Mnスピネル、チタン酸リチウム(LiTiO)、リン酸金属リチウム(LiMPO(M=Fe、Mn、Co、Ni))、遷移金属酸化物である酸化バナジウム(V)、酸化ブリブデン(MoO)、および硫化チタン(TiS)、グラファイトやハードカーボン等の炭素材料(C)、リチウムコバルト酸窒化物(LiCoN)、リチウムシリコン酸化物(LiSi)、リチウム金属(Li)またはリチウム合金(LiM(M=Sn、Si、Al、Ge、Sb、P等))、リチウム貯蔵性金属間化合物(MgM(M=Sn、Ge、Sb)、NSb(N=In、Cu、Mn)等)とそれらの誘導体が挙げられる。
活物質の平均粒径(D50)は、例えば0.1μm以上であり、1μm以上であってもよい。一方、活物質の平均粒径(D50)は、例えば30μm以下であり、15μm以下であってもよい。なお、平均粒径(D50)は、例えば、レーザー回折式粒度分布計、走査型電子顕微鏡(SEM)による測定から算出できる。
(2)被覆層
被覆層は、活物質を被覆し、Liイオン伝導性酸化物を含む層である。Liイオン伝導性酸化物としては、例えば、一般式LiAO(ただし、Aは、B、C、Al、Si、P、S、Ti、Zr、Nb、Mo、Ta、Wからなる群から選択される少なくとも一種であり、xおよびyは正の数である。)で表される化合物が挙げられる。Liイオン伝導性酸化物の具体例としては、LiBO、LiBO、LiCO、LiAlO、LiSiO、LiSiO、LiPO、LiSO、LiTiO、LiTi12、LiTi、LiZrO、LiNbO、LiMoO、LiWOが挙げられる。また、Liイオン伝導性酸化物は、Liイオン伝導性酸化物の複合化合物であってもよい。このような複合化合物としては、例えば、LiSiO-LiBO、LiSiO-LiPOが挙げられる。
被覆層におけるLiイオン伝導性酸化物の割合は、例えば50質量%以上であり、70質量%以上であってもよく、90質量%以上であってもよい。
被覆層の厚さは、例えば0.1nm以上であり、1nm以上であってもよい。被覆層が薄すぎると、活物質と固体電解質とが反応する可能性がある。一方、被覆層の厚さは、例えば100nm以下であり、20nm以下であってもよい。被覆層が厚すぎると、Liイオン伝導性および電子伝導性が低下する可能性がある。被覆層の厚さの測定方法としては、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)による観察が挙げられる。また、被覆層の被覆率は、例えば50%以上であり、80%以上であってもよく、95%以上であってもよい。被覆層の被覆率の測定方法としては、例えば、TEMによる観察が挙げられる。
(3)被覆活物質
被覆物質の形成方法は、特に限定されない。例えば、被覆層に含まれるLiイオン伝導性酸化物がLiNbOである場合の被覆活物質の形成方法について一例を説明する。
まず、被覆層を構成する前駆体溶液を準備する。前駆体溶液は、例えば、ニオブ酸リチウムの原料と、溶媒とを含有する。ニオブ酸リチウムのLi源としては、例えば、Liアルコキシド、Li無機塩、Li水酸化物が挙げられる。Liアルコキシドとしては、例えば、エトキシリチウム、メトキシリチウムが挙げられる。Li無機塩としては、例えば、硝酸リチウム、硫酸リチウム、酢酸リチウムが挙げられる。Li水酸化物としては、例えば、水酸化リチウムが挙げられる。
ニオブ酸リチウムのNb源としては、例えば、Nbアルコキシド、Nb無機塩、Nb水酸化物、Nb錯体が挙げられる。Nbアルコキシドとしては、例えば、ペンタエトキシニオブ、ペンタメトキシニオブ、ペンタ-i-プロポキシニオブ、ペンタ-n-プロポキシニオブ、ペンタ-i-ブトキシニオブ、ペンタ-n-ブトキシニオブ、ペンタ-sec-ブトキシニオブが挙げられる。Nb無機塩としては、例えば、酢酸ニオブが挙げられる。Nb水酸化物としては、例えば、水酸化ニオブが挙げられる。Nb錯体としては、例えば、Nbのペルオキソ錯体(ペルオキソニオブ酸錯体、[Nb(O3-)が挙げられる。
Nbのペルオキソ錯体を含有する前駆体溶液は、Nbアルコキシドを含有する前駆体溶液に比べて、ガス発生量が少ないという利点がある。Nbのペルオキソ錯体を含有する前駆体溶液の調製方法としては、例えば、Nb酸化物またはNb水酸化物に、過酸化水素水およびアンモニア水を添加する方法が挙げられる。過酸化水素水およびアンモニア水の添加量は、透明溶液(均一な溶液)が得られるように適宜調整すればよい。
前駆体溶液の溶媒としては、例えば、アルコール、水が挙げられる。アルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールが挙げられる。例えば、前駆体溶液がNbアルコキシドを含有する場合、溶媒は、無水または脱水アルコールであることが好ましい。一方、例えば、前駆体溶液がNbのペルオキソ錯体を含有する場合、溶媒は水であることが好ましい。
次に、前駆体溶液を活物質の表面に塗工する。塗工方法としては、例えば、流動層コーティング法、スプレードライヤー法が挙げられる。流動層コーティング法では、均一な前駆体層が形成される。気流温度(ガス流温度)は、例えば、40℃以上、100℃以下である。流動層コーティング装置としては、例えば、パウレックス製マルチプレックス、フロイント産業製フローコーターが挙げられる。塗工方法の他の方法としては、前駆体溶液中に活物質を浸漬し、その後、溶媒を乾燥する方法が挙げられる。
次に、活物質の表面を被覆した前駆体溶液を熱処理する。熱処理温度は、例えば100℃以上であり、150℃以上であってもよく、200℃以上であってもよい。一方、熱処理温度は、例えば500℃以下であり、400℃以下であってもよい。熱処理時間は、例えば30分間以上であり、1時間以上であってもよい。一方、熱処理時間は、例えば48時間以下であり、20時間以下であってもよい。また、熱処理雰囲気は、例えば、酸素を含有する雰囲気であることが好ましい。酸素が存在することで、酸化物が形成されやすくなるからである。酸素を含有する雰囲気としては、例えば、大気雰囲気が挙げられる。
2.曝露工程
曝露工程は、上記被覆活物質を、所定の曝露量で大気曝露する工程である。被覆活物質を大気曝露する曝露量は、通常、0.00546min・g/kg以上であり、0.01min・g/kg以上であってもよく、0.1min・g/kg以上であってもよい。一方、被覆活物質を大気曝露する曝露量は、通常、29.3min・g/kg以下であり、15min・g/kg以下であってもよく、10min・g/kg以下であってもよい。
被覆活物質が曝露される大気環境中の絶対湿度(g/kg)は、上述した曝露量を満たせばよく、曝露時間(min)に応じて適宜調整される。大気環境中の絶対湿度(g/kg)は、例えば0.000336g/kg以上であり、0.0273g/kg以上であってもよい。一方、大気環境中の絶対湿度(g/kg)は、例えば、3.772g/kg以下であり、2.934g/kg以下であってもよく、0.0788g/kg以下であってもよい。
被覆活物質が大気に曝露される曝露時間(min)は、上述した曝露量を満たせばよく、大気環境中の絶対湿度(g/kg)に応じて適宜調整される。曝露時間(min)は、0minより大きく、0.2min以上であってもよく、10min以上であってもよい。一方、曝露時間(min)は、例えば、12hr(720min)以下であり、300min以下であってもよく、120min以下であってもよい。
曝露工程における環境露点温度(℃)は、例えば、0℃以下であり、-3℃以下であってもよい。一方、環境露点温度(℃)は、例えば、-80℃以上であり、-49℃以上であってもよい。
曝露工程後の被覆活物質は、被覆活物質に含まれる水分量(含有水分量)が比較的少ないことが好ましい。曝露工程後の被覆活物質の含有水分量は、例えば859ppm以下であり、290ppm以下であってもよく、100ppm以下であってもよい。含有水分量が比較的少ないことで、電池性能の低下を抑制できる。なお、曝露工程後の被覆活物質の含有水分量は、例えば94ppm以上であってもよい。
曝露工程後の被覆活物質は、被覆活物質の炭酸イオン濃度が比較的低いことが好ましい。具体的には、曝露工程後の被覆活物質の炭酸イオン濃度が、例えば、0.15mass%以下であり、0.13mass%以下であってもよい。炭酸イオン濃度が比較的低いことで、電池性能の低下を抑制することができる。なお、曝露工程後の被覆活物質の炭酸イオン濃度は、例えば0.11mass%以上であってもよい。
3.その他の工程
本開示においては、曝露工程後の被覆活物質を用いて電極層を作製する。電極層の製造方法は、特に限定されず、一般的な電極層の製造方法を採用できる。電極層の製造方法としては、例えば、被覆活物質および分散媒を少なくとも含有するスラリーを作製し、そのスラリーを塗布し、乾燥する方法が挙げられる。
スラリーに用いられる分散媒としては、例えばヘプタン、酪酸ブチルが挙げられる。また、スラリーは、被覆活物質および分散媒に加えて、固体電解質、導電材およびバインダーの少なくとも一方を含有していてもよい。
固体電解質としては、例えば、硫化物固体電解質、酸化物固体電解質、窒化物固体電解質、ハロゲン化物固体電解質等の無機固体電解質が挙げられる。硫化物固体電解質としては、例えば、Li元素、X元素(Xは、P、Si、Ge、Sn、B、Al、Ga、Inの少なくとも一種である)、および、S元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、硫化物固体電解質は、O元素およびハロゲン元素の少なくとも一方をさらに含有していてもよい。また、酸化物固体電解質としては、例えば、Li元素、Y元素(Yは、Nb、B、Al、Si、P、Ti、Zr、Mo、W、Sの少なくとも一種である)、および、O元素を含有する固体電解質が挙げられる。また、窒化物固体電解質としては、例えばLiNが挙げられ、ハロゲン化物固体電解質としては、例えばLiCl、LiI、LiBrが挙げられる。
導電材としては、例えば、例えば、アセチレンブラック(AB)、ケッチェンブラック(KB)等の粒子状炭素材料、炭素繊維、カーボンナノチューブ(CNT)、カーボンナノファイバー(CNF)等の繊維状炭素材料が挙げられる。バインダーとしては、例えば、ブチレンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等のゴム系バインダー、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)等のフッ化物系バインダーが挙げられる。
4.全固体電池用電極層
本開示における全固体電池用電極層の厚さは、例えば、0.1μm以上、1000μm以下である。全固体電池用電極層は、正極層であってもよく、負極層であってもよい。また、全固体電池用電極層は、文字通り、全固体電池に用いられる。全固体電池は、通常、リチウムイオン電池である。また、全固体電池は、一次電池であってもよく、二次電池であってもよいが、二次電池であることが好ましい。繰り返し充放電でき、例えば車載用電池として有用だからである。なお、二次電池には、二次電池の一次電池的使用(充電後、一度の放電だけを目的とした使用)も含まれる。また、本開示においては、上述した準備工程および曝露工程を有する全固体電池の製造方法を提供することもできる。
なお、本開示は、上記実施形態に限定されるものではない。上記実施形態は、例示であり、本開示の特許請求の範囲に記載された技術的思想と実質的に同一な構成を有し、同様な作用効果を奏するものは、いかなるものであっても本開示の技術的範囲に包含される。
[実施例1~3、比較例1、2]
(準備工程)
濃度30質量%の過酸化水素水870.4gを入れた容器へ、イオン交換水987.4g、ニオブ酸(水酸化ニオブ、Nb・3HO(Nb含有率72%))44.2gを添加した。次に、上記容器へ、濃度28質量%のアンモニア水87.9gを添加した。そして、アンモニア水を添加した後に十分に攪拌することにより、透明溶液を得た。このとき、透明溶液は、NH/Nb=6であった。さらに、得られた透明溶液に、水酸化リチウム・1水和物(LiOH・HO)10.1gを加えることにより、ニオブのペルオキソ錯体およびリチウムを含有する前駆体溶液を得た。得られた前駆体溶液におけるLiおよびNbのモル濃度は、それぞれ0.12mol/kgであった。
得られた前駆体溶液2840gを、転動流動層コーティング装置(MP-01、パウレック社製)を用いて、正極活物質(LiNi1/3Mn1/3Co1/3)1kgに対して噴霧乾燥した。運転条件は、吸気ガス:窒素、吸気温度:120℃、吸気風量:0.4m/min、ローター回転数:400rpm、噴霧速度:4.8g/minとした。これにより、活物質の表面に被覆層を形成した。その後、大気中にて250℃、45分、露点温度-49℃の条件で熱処理を行うことにより、被覆活物質を得た。
(曝露工程)
得られた被覆活物質10gを所定の環境下に所定の時間だけ曝露させた。なお、具体的な条件を表1に示す。
(評価用全固体電池の作製)
実施例1~3、比較例1、2における準備工程および曝露工程を経た被覆活物質に対して硫化物固体電解質(LiPS)を6:4(体積比)の比で混合した。さらに導電材としてVGCF(昭和電工製)3%(質量比)、バインダーとしてブチレンラバー(JSR製)0.7%(質量比)をヘプタン中に投入し、正極スラリーを作製した。得られた正極スラリーを超音波ホモジナイザーで分散させた後、アルミ箔上に塗工し、100℃の温度で30分乾燥させた後に1cmで打ち抜き正極層とした。負極側も同様に、負極活物質(層状炭素)と硫化物固体電解質(LiPS)を6:4(体積比)の比で混合し、さらにバインダーとしてブチレンラバーを1.2%(質量比)ヘプタン中に投入し、負極スラリーを作製した。得られた負極スラリーを超音波ホモジナイザーで分散させた後、銅箔へ塗工し、100℃の温度で30分乾燥させた後に1cmで打ち抜き負極層とした。
次に、内径断面積1cmの筒状セラミックスに硫化物固体電解質64.8mgを入れ、平滑にして1tonでプレスし、セパレータ層(固体電解質層)を形成した。その両面に得られた正極層および負極層を配置し、4.3tonで1分間プレスした後、ステンレス棒を両極に入れ、1tonで拘束して全固体電池を得た。
[評価]
(電池性能)
得られた評価用全固体電池を用いて、反応抵抗測定を行った。電圧4.55Vまで充電後、2.5Vまで放電した後に、評価用全固体電池の電位を3.6Vに調整し、定電力放電(100mW~140mW)を実施し、5秒間で放電可能な最大の電力値を電池出力として測定した。
(被覆活物質の含有水分量測定)
カールフィッシャー滴定法を用いて、被覆活物質の含有水分量を測定した。具体的には、200℃に設定された加熱部で被覆活物質から放出される水分を、窒素ガスをキャリアとして測定部にフローして計測した。測定時間は60分とした。結果は、表1および図1に示す。
(被覆活物質の炭酸イオン濃度)
イオンクロマトグラフ法を用いて、被覆活物質の炭酸イオン濃度を測定した。具体的には、被覆活物質30mg~60mgをイオン交換水でメスフラスコ定容(100mL)し、その後、スターラ撹拌を5分間実施する。次に、フィルターろ過(0.45μm)を行い、イオンクロマトグラフ法にて炭酸イオン量を測定した。
Figure 0007135526000001
表1、図1および図2に示すように、実施例1~3および比較例1、2における被覆活物質の曝露量に対する電池性能の結果から、曝露工程における曝露量が0.00546min・g/kg以上29.3min・g/kg以下である実施例1~3は、比較例1、2と比べて電池性能の低下を抑制できることが分かった。また、表1および図1に示すように、実施例1~3における被覆活物質は、曝露工程における曝露量が所定の範囲内であることにより、被覆活物質の含有水分量が859ppm以下であり、比較例1、2に比べて大幅に低かった。このことから、曝露工程における曝露量が所定の範囲であることにより、被覆活物質に含まれる水分と硫化物固体電解質との反応を抑制し、イオン伝導度の低下を抑制できると推測される。また、表1および図2に示すように、実施例1~3における被覆活物質は、曝露工程における曝露量が所定の範囲であることにより、被覆活物質の炭酸イオン濃度が0.13mass%以下であり、比較例1に比べて低かった。このことから、曝露工程における曝露量が所定の範囲であることにより、被覆活物質と大気中の水分および二酸化炭素との反応を抑制できており、炭酸リチウムの生成を抑制し、炭酸リチウムが抵抗層となることを抑制できていることが確認できた。

Claims (1)

  1. 活物質と、前記活物質を被覆し、Liイオン伝導性酸化物を含む被覆層とを有する被覆活物質を準備する準備工程と、
    前記被覆活物質を、0.00546min・g/kg以上29.3min・g/kg以下の曝露量で大気曝露する曝露工程と、
    を有し、
    前記準備工程において、露点温度-49℃以下の環境で、前記活物質を前記被覆層で被覆する、全固体電池用電極層の製造方法。
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