JP7135328B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子 - Google Patents
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Description
前記重合体成分は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及びポリオルガノシロキサンとは異なる主骨格を有する重合体(P)であり、
前記溶剤成分は、下記式(1)で表される化合物(A)を、全溶剤量に対して1~90質量%含む、液晶配向剤。
<2> 上記<1>の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<3> 上記<2>の液晶配向膜を具備する液晶素子。
<4> 上記<1>の液晶配向剤を、印刷方式、インクジェット方式又はスリットコート方式により基板上に塗布する工程と、前記塗布後に前記基板を加熱する工程と、を含む、液晶配向膜の製造方法。
なお、本明細書において、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味する。但し、鎖状構造は直鎖状であっても分岐状であってもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。また、「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
液晶配向剤に含有される重合体成分は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及びポリオルガノシロキサンとは異なる主骨格を有する重合体(P)により構成されている。重合体(P)は、以下に示す化合物(A)を含有する溶剤に対する溶解性が十分に高い点、液晶との親和性が良好である点、及び耐久性や耐熱性が良好である点で、重合性炭素-炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体、ノボラック樹脂、ポリアミド、ポリエステル及びポリセルロースよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体であることが好ましい。
ここで、重合性炭素-炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体の好ましい例としては、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、環状オレフィンポリマー、マレイミドポリマー、ポリスチレン系ポリマー等が挙げられる。スチレン系ポリマーの好ましい例としては、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレン等が挙げられる。
<I> 配向性基
<II> ラジカル重合性基、光開始剤基、光配向性基及びβ-ヒドロキシエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造[R]。
<III> カルボキシル基、水酸基及び環状エーテル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基[C]
以下、それぞれの構造について具体的に説明する。
配向性基は、メソゲン構造によって液晶分子を垂直配向又は水平配向させることが可能な基である。配向性基は、好ましくは下記式(2)で表される。
*-L1-R1-R2-R3-R4 …(2)
(式(2)中、L1は、単結合、-O-、-CO-、-COO-*1、-OCO-*1、-NR5-、-NR5-CO-*1、-CO-NR5-*1、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-R6-*1、又は-R6-O-*1(ただし、R5は水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基であり、R6は炭素数1~3のアルカンジイル基である。「*1」は、R1との結合手であることを示す。)である。R1及びR3は、それぞれ独立に、単結合、フェニレン基又はシクロアルキレン基であり、R2は、単結合、フェニレン基、シクロアルキレン基、-R7-B1-*2、又は-B1-R7-*2(ただし、R7はフェニレン基又はシクロアルキレン基であり、B1は単結合、-COO-*3、-OCO-*3、又は炭素数1~3のアルカンジイル基である。「*2」は、R3との結合手であることを示し、「*3」は、R7との結合手であることを示す。)である。R4は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~18のアルキル基、炭素数1~18のフルオロアルキル基、炭素数1~18のアルコキシ基、炭素数1~18のフルオロアルコキシ基、ステロイド骨格を有する炭素数17~51の炭化水素基、又は、ラジカル重合性基、光開始剤基若しくはシアノ基を有する1価の有機基である。ただし、R1、R2及びR3の全部が単結合の場合、R4は、炭素数4~18のアルキル基、炭素数4~18のフルオロアルキル基、炭素数4~18のアルコキシ基、炭素数4~18のフルオロアルコキシ基、又はステロイド骨格を有する炭素数17~51の炭化水素基である。「*」は結合手であることを示す。)
上記式(2)で表される部分構造の具体例としては、例えば下記式(2-1)~式(2-11)のそれぞれで表される部分構造、コレスタニルオキシ基、コレスタニルオキシカルボニル基、コレステリルオキシ基、ラノスタニルオキシ基等が挙げられる。ただし、これらの部分構造に限定されるものではない。
部分構造[R]のうち、ラジカル重合性基としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、マレイミド基、ビニルオキシ基、エチニル基等が挙げられる。これらのうち、残像の低減効果がより高い点で、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。ラジカル重合性基は、2価の連結基(例えば、炭素数1~20の2価の炭化水素基、又は当該炭化水素基の炭素-炭素結合間に-O-、-CO-、-COO-、-NH-、-NHCO-等を含む基等)を介して重合体の主鎖に結合していることが好ましい。
光開始剤基の含有割合は、重合体の全モノマー単位に対して、0.1~90モル%とすることが好ましく、1~80モル%とすることがより好ましい。
光配向性基の含有割合は、重合体の全モノマー単位に対して、5~90モル%とすることが好ましく、10~80モル%とすることがより好ましい。
β-ヒドロキシエステル基の含有割合は、重合体の全モノマー単位に対して、5~90モル%とすることが好ましく、10~80モル%とすることがより好ましい。
重合体(P)が官能基[C]を有する場合、後述する架橋剤を併用することによって、得られる残像特性の改善効果が更に高まり、好適である。官能基[C]において、環状エーテル基としては、オキセタニル基又はオキシラニル基が好ましい。
重合体(P)中の官能基[C]の含有割合は、残像を低減させる効果を十分に高くする観点から、重合体の全モノマー単位に対して、2~80モル%とすることが好ましく、5~60モル%とすることがより好ましい。
X11-Y11 …(9)
(式(9)中、X11は、下記式(z-1)~式(z-6)のいずれかで表される基であり、Y11は、垂直配向性基、ラジカル重合性基、光開始剤基、三重結合基、光配向性基、β-ヒドロキシエステル基、カルボキシル基、水酸基及び環状エーテル基よりなる群から選ばれる基を有する1価の基である。)
R42は、塗膜均一性の改善効果が高い点で、水素原子又は炭素数1~6の1価の炭化水素基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
<化合物(A)>
液晶配向剤は、溶剤成分として、上記式(1)で表される化合物(A)(以下、「[A]溶剤」ともいう。)を含有する。ここで、上記式(1)において、R10の炭素数2~10の2価の鎖状炭化水素基としては、例えば炭素数2~5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。炭素数3~10の2価の脂環式脂環式炭化水素基としては、例えばシクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。また、当該鎖状炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を含む2価の基としては、例えば炭素数2~10のアルコキシアルキル基、酸素含有複素環(例えばオキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等)から2個の水素原子を除いた基等が挙げられる。R10が有する鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基において、少なくとも1個の水素原子が水酸基で置換されていてもよい。
R10は、塗膜均一性がより良好である点で、炭素数2~10の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3~10の2価の脂環式炭化水素基、又は当該鎖状炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を含む2価の基であることが好ましい。
R10は、形成される配向膜の膜厚をより均一にできる点で、好ましくは炭素数2~10の2価の鎖状炭化水素基であり、より好ましくは炭素数3~8のアルカンジイル基であり、さらに好ましくは炭素数3~7のアルカンジイル基であり、炭素数5~7のアルカンジイル基であることが特に好ましい。
溶剤群:
[X]溶剤:下記式(3)で表される化合物、下記式(4)で表される化合物、及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン。
[Y]溶剤:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ダイアセトンアルコール、及びプロピレングリコールモノブチルエーテル。
(式(3)で表される化合物)
上記式(3)で表される化合物について、R11の炭素数2~5の1価の炭化水素基は鎖状炭化水素基であることが好ましく、例えば炭素数2~5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。また、当該炭化水素基における炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基としては、例えば炭素数2~5のアルコキシアルキル基が挙げられる。
これらの具体例としては、炭素数2~5のアルキル基として、例えばエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などを;炭素数2~5のアルケニル基として、例えばビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、3-ブテニル基などを;炭素数2~5のアルキニル基として、例えばエチニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基などを;炭素数2~5のアルコキシアルキル基として、例えばメトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などを;炭化水素基における炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基として、例えばエトキシメチル基、エトキシエチル基等を、それぞれ挙げることができ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。R11としては、上記の中でも炭素数2~5のアルキル基又はアルコキシアルキル基であることが好ましい。
上記式(4)で表される化合物について、R12及びR13の炭素数1~6の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1~6の鎖状炭化水素基、炭素数3~6の脂環式炭化水素基、炭素数5又は6の芳香族炭化水素基などが挙げられる。また、当該炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基としては、例えば炭素数2~6のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
これらの具体例としては、炭素数1~6の鎖状炭化水素基として、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを挙げることができ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。また、炭素数3~6の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等を;芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基等を;炭素数2~6のアルコキシアルキル基としては、例えば上記式(3)のR11の説明で挙げた基等を;それぞれ挙げることができる。なお、式(4)におけるR12及びR13は、互いに同じでも異なっていてもよい。また、R12及びR13は、互いに結合することにより、R12及びR13が結合する窒素原子と共に環を形成してもよい。R12,R13が互いに結合して形成される環としては、例えばピロリジン環、ピペリジン環等を挙げることができ、これらの環にはメチル基等の1価の鎖状炭化水素基が結合されていてもよい。
R12及びR13として好ましくは、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子又はメチル基である。
R14の炭素数1~6のアルキル基としては、上記R12及びR13の炭素数1~6のアルキル基の説明で例示した基を挙げることができる。好ましくは、炭素数1~4のアルキル基である。
液晶配向剤の調製に際し、特定溶剤としては、[X]溶剤及び[Y]溶剤のいずれかのみを使用してもよいが、良好な塗膜均一性と残像特性との両立を図ることができる点で、[X]溶剤の少なくとも一種と、[Y]溶剤の少なくとも一種とが含有されていることが好ましい。
これらの具体例としては、第1溶剤として、例えばN-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、γ-ブチロラクタム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ジイソブチルケトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を;
第2溶剤として、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ-ト、エチルエトキシプロピオネ-ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、エチレングリコール-i-プロピルエーテル、エチレングリコール-n-ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルアセテート、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート等を、それぞれ挙げることができる。なお、[Z]溶剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
液晶配向剤は、膜形成時の加熱温度を低温とした場合(例えば、ポストベーク温度を180℃以下とした場合)にも、配向膜特性(残像特性)に優れた液晶配向膜を得ることができる点で、これらのうち、溶剤成分が[A]溶剤と[X]溶剤と[Y]溶剤とからなることが特に好ましい。
本発明の液晶配向剤は、重合体成分及び溶剤成分のほか、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。液晶配向剤は、その他の成分として、環状エーテル基、環状カーボネート基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、オキサゾリン基、β-ヒドロキシアルキルアミド基、メルドラム酸基、メチロール基及びアルキルメチロール基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を分子内に有する化合物(B)をさらに含有することが好ましい。液晶配向剤中に化合物(B)を含有することにより、得られる液晶素子の残像特性を改善できる点で好ましい。
イソシアネート基又はブロックイソシアネート基を有する化合物として、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等を;オキサゾリン基を有する化合物として、例えば2,2'-ビス(4-プロピル-2-オキサゾリン)、2,2'-ビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、1,2-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)エタン、1,4-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)シクロヘキサン、1,3-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(4,5-ジヒドロ-2-オキサゾリル)ベンゼン、1,3-ビス(4-メチル-2-オキサゾリン-2-イル)ベンゼン等を;β-ヒドロキシアルキルアミド基を有する化合物として、例えば商品名「Primid XL-552」(エムスケミー社製)等を;メルドラム酸基として、例えばメルドラム酸構造を2~4個有する化合物等を;メチロール基又はアルキルメチロール基を有する化合物として、例えばトリメチロールプロパン、ビス[2-エチル-2,2-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]エーテル、2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス[2-エチル-1,3-プロパンジオール]、2,2-ビス(4-ヒドロキシメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(2,3,4-トリヒドロキシメチルフェニル)プロパン、2,4,6-トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン等を、それぞれ挙げることができる。
本発明の液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。また、本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の動作モードは特に限定されず、例えばTN型、STN型、VA型(VA-MVA型、VA-PVA型などを含む。)、IPS(In-Plane Switching)型、FFS(Fringe Field Switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型、PSA型(Polymer Sustained Alignment)など種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1~工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は、各動作モード共通である。
まず、基板上に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO2)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム-酸化スズ(In2O3-SnO2)からなるITO膜などを用いることができる。
TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を用いる。一方、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に対し、液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、基板上に形成した塗膜の表面をコットン等で擦るラビング処理、又は塗膜に光照射を行って液晶配向能を付与する光配向処理を用いることが好ましい。一方、垂直配向型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、液晶配向能を更に高めるために、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば、液晶配向膜が対向するように間隙を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤により貼り合わせ、基板表面とシール剤で囲まれたセルギャップ内に液晶を注入充填し注入孔を封止する方法、ODF方式による方法等が挙げられる。シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましい。
重合性化合物としては、高分子分散型液晶素子の製造に際して用いられる従来公知の化合物を使用することができる。具体的には、ラジカル重合性を示す化合物が好ましく、例えば単官能(メタ)アクリレート化合物、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能チオール化合物、スチレン系化合物、及びこれらの混合物等が挙げられる。液晶組成物は、重合反応を促進させるために、さらにラジカル重合開始剤が含有されていることが好ましい。
高分子分散型液晶素子の製造に際し、重合性化合物の使用割合(2種以上使用する場合はその合計量)は、化合物の種類に応じて適宜設定することができるが、例えば、液晶の合計100質量部に対して、3~500質量部、好ましくは5~300質量部である。
[重合体の重量平均分子量]
重量平均分子量は、以下の条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:68kgf/cm2
[合成例1:重合体(P-1)の合成]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)8質量部、及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル220質量部を仕込んだ。引き続き、化合物(M-1)90質量部(モノマー全量の70モル%)、及び化合物(M-2)10質量部(モノマー全量の30モル%)を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体(P-1)を含有する溶液を得た。重合体(P-1)のMwは11,000であった。
使用するモノマーの種類及び量を下記表1に記載の通り変更した以外は合成例1と同様にして重合することにより、重合体(P-2)、(P-3)及び(P-5)~(P-7)を含有する溶液を得た。各重合体のMwを下記表1に併せて示した。
250mlシュレンクフラスコに、化合物(M-9)をモノマー全量の70モル%、化合物(M-10)をモノマー全量の10モル%、及び化合物(M-11)をモノマー全量の20モル%を、モノマー合計で3gとなるように仕込み、さらにトルエン7mlを仕込んだ。ここに、(CH3CO2)2Pd 0.98mg、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート6.4mg、及びトリシクロヘキシルホスフィン1.13mgをジクロロメタン1mlに溶解した溶液を添加し、5時間、90℃で撹拌しながら反応させた。その後、得られた反応溶液を、大過剰のエタノールに投入して白色の重合体沈殿物を得た。この沈殿物をガラスロートで濾過して回収した重合体(これを重合体(P-4)とした。)を真空オーブン中、65℃で24時間乾燥し、重合体(P-4)を得た。重合体(P-4)のMwは120,000であった。
使用するモノマーの種類及び量を下記表1に記載の通り変更した以外は合成例4と同様にして重合することにより、重合体(P-8)を含有する溶液を得た。各重合体の重量平均分子量(Mw)を下記表1に併せて示した。なお、表1中、モノマーの括弧内の数値は、重合に使用したモノマーの合計量に対する各モノマーの使用割合(モル%)を示す。
[実施例1]
(1)液晶配向剤の調製
重合体(P-1)を含有する溶液に、エチレングリコール(EG)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶剤組成がEG:NMP:BC=5:45:50(質量比)、固形分濃度6.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤(W-1)を調製した。
ネマチック液晶(メルク社製、MLC-6608)10gに対し、下記式(RM-1)で表される化合物を、液晶組成物の全構成成分の全量に対して0.3質量%となるように添加して混合することにより、液晶組成物(PSA-1)を得た。
上記で調製した液晶配向剤(W-1)を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製、オフセット印刷方式、型式S40)を用いてシリコンウェハに塗布した。次いで、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去して、平均膜厚80nmの塗膜を形成した。シリコンウェハに形成された塗膜の中央部1cm角について、エリプソメーター(フォトニックラティス社製、ME-210)を用いて膜厚評価を行った。評価は、「ΔF[%]=((膜厚最大値)-(膜厚最小値))/膜厚平均値×100」と定義し、ΔFの大きさにより行った。このとき、ΔFが1.0%未満であった場合を塗膜均一性が「非常に良好(◎)」、1.0%以上3.0%未満であった場合を「良好(○)」、3.0%以上10%未満であった場合を「可(△)」、10%以上であった場合を「不良(×)」と評価した。その結果、この実施例ではΔF=2.8%であり、塗膜均一性は「良好(○)」の評価であった。
フィッシュボーン状にパターニングされたITO電極を有するガラス基板と、パターンを有さないITO電極を有するガラス基板とを一対の基板とし、この一対の基板の各電極面上に、上記で調製した液晶配向剤(W-1)を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製、型式S40)を用いて塗布した。電極としては、電圧の印加/無印加を別個に切替可能な2系統のITO電極(電極A及び電極B)を使用した。
次いで、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、130℃のホットプレート上で30分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.06μmの塗膜を形成した。この塗膜につき、超純水中で1分間超音波洗浄を行った後、100℃クリーンオーブン中で10分間乾燥し、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)得た。なお、使用した電極のパターンは、PSAモードにおける電極パターンと同種のパターンである。
次いで、上記一対の基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜を有する面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化した。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、上記で調製した液晶組成物(PSA-1)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止した。得られた液晶セルにつき、電極間に周波数60Hzの交流10Vを印加し、液晶が駆動している状態で、光源にメタルハライドランプを使用した紫外線照射装置を用いて紫外線を100,000J/m2の照射量にて照射した。なお、この照射量は、波長365nm基準で計測される光量計を用いて計測した値である。
上記で製造したPSA型液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下に置き、2系統の電極のうち、電極Bには電圧をかけずに、電極Aに交流電圧10V及び直流電圧0.5Vを300時間印加した。300時間が経過した後、直ちに電極A及び電極Bの双方に交流3Vの電圧を印加して、両電極間の光透過率の差ΔT[%]を測定した。このとき、ΔTが1.0%未満であった場合をAC残像特性「非常に良好(◎)」、1.0%以上2.0%未満であった場合を「良好(○)」、2.0%以上3.0%未満であった場合を「可(△)」、3.0%以上であった場合を「不良(×)」と評価した。その結果、この実施例ではΔT=2.5%であり、残像特性は「可(△)」の評価であった。
使用する重合体及び溶剤の種類及び量を下記表2の通り変更した点以外は、実施例1と同様の操作を行い、液晶配向剤をそれぞれ調製した。なお、実施例2~4では、下記表2に示す種類及び量の架橋剤をさらに配合した。また、各例で調製した液晶配向剤を用いた点以外は実施例1と同様にして、膜厚均一性及び残像特性を評価した。それらの結果を下記表3に示した。
(1)液晶配向剤の調製
重合体(P-5)を含有する溶液に、プロピレングリコール(PG)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶剤組成がPG:NMP:BC=5:45:50(質量比)、固形分濃度3.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤(W-5)を調製した。
上記で調製した液晶配向剤(W-5)を、インクジェット塗布装置(芝浦メカトロニクス(株)製)を用いてシリコンウェハに塗布した。塗布条件は、ヘッド数64、ディスペンス量0.2g/ヘッド・秒にて二往復塗布(4回塗布)とした。次いで、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去して、平均膜厚80nmの塗膜を形成した。シリコンウェハに形成された塗膜の中央部1cm角について、実施例1と同様にしてΔFにより膜厚評価を行った。その結果、この実施例ではΔF=2.9%であり、塗膜均一性は「良好(○)」の評価であった。
ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、上記で調製した液晶配向剤(W-5)を、インクジェット塗布装置(芝浦メカトロニクス(株)製)を用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った。電極としては、電圧の印加/無印加を別個に切替可能な2系統のITO電極(電極A及び電極B)を使用した。その後、庫内を窒素置換したオーブン中、150℃で10分加熱して、膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面に、Hg-Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/m2を、基板法線から40°傾いた方向から照射して液晶配向能を付与した。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)作成した。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各基板の紫外線の光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間の間隙にネガ型液晶(メルク社製、MLC-6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを130℃で加熱してから室温まで徐冷した。
上記で得られた光垂直型液晶表示素子につき、実施例1と同様にして残像特性を評価した。その結果、この実施例ではΔT=2.9%であり、残像特性は「可(△)」の評価であった。
使用する重合体及び溶剤の種類及び量を下記表2の通り変更した点以外は、実施例5と同様の操作を行い、液晶配向剤をそれぞれ調製した。なお、実施例6~8では、下記表2に示す種類及び量の架橋剤をさらに配合した。また、各例で調製した液晶配向剤を用いた点以外は実施例5と同様にして、膜厚均一性及び残像特性を評価した。それらの結果を下記表3に示した。
(1)液晶配向剤の調製
重合体(P-1)を含有する溶液に、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶剤組成がEP:PG:NMP:BC=10:10:30:50(質量比)、固形分濃度3.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤(W-9)を調製した。
上記で調製した液晶配向剤(W-9)を、スリットコーター(スクリーン社製、LC-R300G)を用いてシリコンウェハに塗布した。次いで、80℃のホットプレート上で1 分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去して、平均膜厚80nmの塗膜を形成した。シリコンウェハに形成された塗膜の中央部1cm角について、実施例1と同様にしてΔFにより膜厚評価を行った。評価は、「ΔF=((膜厚最大値)-(膜厚最小値))/膜厚平均値×100」として定義した。その結果、この実施例ではΔF=2.6%であり、塗膜均一性は「良好(○)」の評価であった。
液晶(MLC-6608、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R-1)を1.20g、化合物(R-2)を0.60g、化合物(R-3)を0.12g及び化合物(R-4)を0.36g、並びに、光開始剤として化合物(Q-1)を0.012g、を混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物(PDLC-1)を得た。
上記で調製した液晶配向剤(W-9)を、基材表面にITO電極を有するPETフィルム基材(PET-ITO基材)の電極配置面上にバーコーターを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換した120℃のオーブンで10分間加熱(ポストベーク)することにより、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。なお、電極としては、電圧の印加/無印加を別個に切替可能な2系統のITO電極(電極A及び電極B)を使用した。
次いで、塗膜表面に、Hg-Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて、313nmの輝線を含む偏光紫外線20mJ/cm2を、基板法線から20°傾いた方向から照射して液晶配向膜を得た。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基材を一対(2枚)作成した。次いで、一方の基材の液晶配向膜を有する面に6μmのスペーサを塗布し、その後、スペーサを塗布した液晶配向膜面に、上記で調製した液晶組成物(PDLC-1)を滴下した。次いで、他方の基材の液晶配向膜面が向き合うように2枚の基材をシール剤により貼り合わせ、液晶セルを得た。この液晶セルに、紫外線発光ダイオードを光源とする紫外線照射装置を用いて、波長365nm、紫外線強度15mW/cm2、照射時間15秒、基材表面温度20℃の条件で紫外線を照射して液晶組成物(PDLC-1)を硬化させ、調光素子を得た。
上記で得られた液晶素子につき、実施例1と同様にして残像特性を評価した。その結果、この実施例ではΔT=2.5%であり、残像特性は「可(△)」の評価であった。
使用する重合体及び溶剤の種類及び量を下記表2の通り変更した点以外は、実施例9と同様の操作を行い、液晶配向剤をそれぞれ調製した。なお、実施例10~12では、下記表2に示す種類及び量の架橋剤をさらに配合した。また、各例で調製した液晶配向剤を用いた点以外は実施例9と同様にして、膜厚均一性及び残像特性を評価した。それらの結果を下記表3に示した。
([A]溶剤)
EG:エチレングリコール
PG:プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)
DEG:ジエチレングリコール
DPG:ジプロピレングリコール
BG:1,3-ブタンジオール
PTG:ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)
HG:ヘキシレングリコール(2-メチルペンタン-2,4-ジオール)
([X]溶剤)
DMI:1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
NEP:N-エチル-2-ピロリドン
EQM:3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド
([Y]溶剤)
DAA:ダイアセトンアルコール
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
PGBE:プロピレングリコールモノブチルエーテル
PGDAc:プロピレングリコールジアセテート
DIPE:ジイソペンチルエーテル
(その他の溶剤)
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
BC:ブチルセロソルブ
これに対し、[A]溶剤を含まない比較例1~3の液晶配向剤を用いた場合、液晶配向膜の塗膜均一性及び残像特性は共に「不良」の評価であった。
Claims (9)
- 重合体成分と、溶剤成分とを含有し、
前記重合体成分は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及びポリオルガノシロキサンとは異なる主骨格を有する重合体(P)であり、
前記重合体(P)は、重合性炭素-炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体であり、下記式(2)で表される部分構造を有し、
前記溶剤成分は、下記式(1)で表される化合物(A)を、全溶剤量に対して1~90質量%含む、液晶配向剤。
*-L 1 -R 1 -R 2 -R 3 -R 4 …(2)
(式(2)中、L 1 は、単結合、-O-、-CO-、-COO-* 1 、-OCO-* 1 、-NR 5 -、-NR 5 -CO-* 1 、-CO-NR 5 -* 1 、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-R 6 -* 1 、又は-R 6 -O-* 1 (ただし、R 5 は水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基であり、R 6 は炭素数1~3のアルカンジイル基である。「* 1 」は、R 1 との結合手であることを示す。)である。R 1 及びR 3 は、それぞれ独立に、単結合、フェニレン基又はシクロアルキレン基であり、R 2 は、単結合、フェニレン基、シクロアルキレン基、-R 7 -B 1 -* 2 、又は-B 1 -R 7 -* 2 (ただし、R 7 はフェニレン基又はシクロアルキレン基であり、B 1 は単結合、-COO-* 3 、-OCO-* 3 、又は炭素数1~3のアルカンジイル基である。「* 2 」は、R 3 との結合手であることを示し、「* 3 」は、R 7 との結合手であることを示す。)である。R 4 は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~18のアルキル基、炭素数1~18のフルオロアルキル基、炭素数1~18のアルコキシ基、炭素数1~18のフルオロアルコキシ基、ステロイド骨格を有する炭素数17~51の炭化水素基、又は、ラジカル重合性基、光開始剤基若しくはシアノ基を有する1価の有機基である。ただし、R 1 、R 2 及びR 3 の全部が単結合の場合、R 4 は、炭素数4~18のアルキル基、炭素数4~18のフルオロアルキル基、炭素数4~18のアルコキシ基、炭素数4~18のフルオロアルコキシ基、又はステロイド骨格を有する炭素数17~51の炭化水素基である。「*」は結合手であることを示す。) - 印刷方式、インクジェット方式及びスリットコート方式よりなる群から選ばれる少なくとも一種の塗布用である、請求項1に記載の液晶配向剤。
- 前記重合体(P)は、ラジカル重合性基、光開始剤基、光配向性基及びβ-ヒドロキシエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造を有する、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
- 前記重合体(P)は、カルボキシル基、水酸基及び環状エーテル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 環状エーテル基、環状カーボネート基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、オキサゾリン基、β-ヒドロキシアルキルアミド基、メルドラム酸基、メチロール基及びアルキルメチロール基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を分子内に有する化合物(B)をさらに含有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
- 下記に示す[X]溶剤の少なくとも一種と、[Y]溶剤の少なくとも一種とをさらに含有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
溶剤群:
[X]溶剤:下記式(3)で表される化合物、下記式(4)で表される化合物、及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン。
[Y]溶剤:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ダイアセトンアルコール、及びプロピレングリコールモノブチルエーテル。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
- 請求項7に記載の液晶配向膜を具備する液晶素子。
- 請求項1~6のいずれか一項に記載の液晶配向剤を、印刷方式、インクジェット方式又はスリットコート方式により基板上に塗布する工程と、
前記塗布後に前記基板を加熱する工程と、を含む、液晶配向膜の製造方法。
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