JP7135328B2 - 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子 - Google Patents

液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子 Download PDF

Info

Publication number
JP7135328B2
JP7135328B2 JP2018015213A JP2018015213A JP7135328B2 JP 7135328 B2 JP7135328 B2 JP 7135328B2 JP 2018015213 A JP2018015213 A JP 2018015213A JP 2018015213 A JP2018015213 A JP 2018015213A JP 7135328 B2 JP7135328 B2 JP 7135328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
group
liquid crystal
carbon atoms
solvent
polymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018015213A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019133015A (ja
Inventor
裕介 植阪
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JSR Corp
Original Assignee
JSR Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Family has litigation
First worldwide family litigation filed litigation Critical https://patents.darts-ip.com/?family=67443741&utm_source=google_patent&utm_medium=platform_link&utm_campaign=public_patent_search&patent=JP7135328(B2) "Global patent litigation dataset” by Darts-ip is licensed under a Creative Commons Attribution 4.0 International License.
Application filed by JSR Corp filed Critical JSR Corp
Priority to JP2018015213A priority Critical patent/JP7135328B2/ja
Priority to CN201910057261.XA priority patent/CN110093167B/zh
Publication of JP2019133015A publication Critical patent/JP2019133015A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7135328B2 publication Critical patent/JP7135328B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C09DYES; PAINTS; POLISHES; NATURAL RESINS; ADHESIVES; COMPOSITIONS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; APPLICATIONS OF MATERIALS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • C09KMATERIALS FOR MISCELLANEOUS APPLICATIONS, NOT PROVIDED FOR ELSEWHERE
    • C09K19/00Liquid crystal materials
    • C09K19/52Liquid crystal materials characterised by components which are not liquid crystals, e.g. additives with special physical aspect: solvents, solid particles
    • C09K19/54Additives having no specific mesophase characterised by their chemical composition
    • C09K19/56Aligning agents
    • GPHYSICS
    • G02OPTICS
    • G02FOPTICAL DEVICES OR ARRANGEMENTS FOR THE CONTROL OF LIGHT BY MODIFICATION OF THE OPTICAL PROPERTIES OF THE MEDIA OF THE ELEMENTS INVOLVED THEREIN; NON-LINEAR OPTICS; FREQUENCY-CHANGING OF LIGHT; OPTICAL LOGIC ELEMENTS; OPTICAL ANALOGUE/DIGITAL CONVERTERS
    • G02F1/00Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics
    • G02F1/01Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour 
    • G02F1/13Devices or arrangements for the control of the intensity, colour, phase, polarisation or direction of light arriving from an independent light source, e.g. switching, gating or modulating; Non-linear optics for the control of the intensity, phase, polarisation or colour  based on liquid crystals, e.g. single liquid crystal display cells
    • G02F1/133Constructional arrangements; Operation of liquid crystal cells; Circuit arrangements
    • G02F1/1333Constructional arrangements; Manufacturing methods
    • G02F1/1337Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers
    • G02F1/133711Surface-induced orientation of the liquid crystal molecules, e.g. by alignment layers by organic films, e.g. polymeric films

Landscapes

  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Crystallography & Structural Chemistry (AREA)
  • Nonlinear Science (AREA)
  • Spectroscopy & Molecular Physics (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Materials Engineering (AREA)
  • Mathematical Physics (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Optics & Photonics (AREA)
  • Liquid Crystal (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)

Description

本発明は、液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子に関する。
液晶素子は、液晶分子の配向を制御する液晶配向膜を有する。液晶配向膜は、通常、ポリアミック酸やポリイミド、ポリオルガノシロキサン等の重合体成分を溶剤に溶解して重合体組成物を調製し、その調製した重合体組成物を基板上に塗布して溶剤を除去することにより形成される。液晶配向剤の重合体成分に関し、特にポリイミド及びその前駆体であるポリアミック酸は、得られる配向膜が高耐熱性であって耐久性に優れている点、液晶との親和性が良好である点等の理由から、配向膜材料として従来より広く使用されている。
ポリイミドは、優れた配向膜特性を示す一方、ポリイミドを十分に溶解可能な溶剤は、N-メチル-2-ピロリドン等のプロトン性極性溶媒であり、沸点が高い。ここで、液晶配向膜を形成する際に高温での加熱が必要になると、基板の材料が制約され、例えば液晶素子の基板としてフィルム基材の適用が制限されてしまうことがある。また、カラー液晶表示素子において、カラーフィルタ用の着色剤として用いられる染料は熱に比較的弱く、膜形成時の加熱を高温で行う必要がある場合には、染料の使用が制限されることがある。そこで、配向膜材料としては、ポリイミドに替わる新たな材料が求められており、種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特許第3612308号公報
重合体成分の溶剤に対する溶解性が十分でない場合、基板上に形成した液晶配向膜の膜厚が均一になりにくく、製品歩留まりが低下したり、液晶配向性や電気特性等の配向膜特性に影響が及んだりすることが懸念される。特に近年、液晶パネルの大型化に伴い、液晶配向剤を塗布する基板の塗布面積が大きくなってきており、膜厚の均一性を確保することがより困難になってきている。特に画素中央部では、重合体成分の凝集による膜厚不良が画素外縁部に比べ生じやすい傾向がある。その一方で、配向膜材料として一般に使用されている材料に関しては、液晶配向剤の塗布性に関し様々な知見があるものの、ポリアミック酸やポリイミド、ポリオルガノシロキサン以外の材料についてはこれまであまり検討されていない。
本発明は上記課題に鑑みなされたものであり、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及びポリオルガノシロキサンとは異なる主骨格を有する重合体を重合体成分とした場合に、塗膜均一性が良好な液晶配向膜を得ることができる液晶配向剤を提供することを一つの目的とする。
本発明は上記課題を解決するために、以下の手段を採用した。
<1> 重合体成分と、溶剤成分とを含有し、
前記重合体成分は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及びポリオルガノシロキサンとは異なる主骨格を有する重合体(P)であり、
前記溶剤成分は、下記式(1)で表される化合物(A)を、全溶剤量に対して1~90質量%含む、液晶配向剤。
Figure 0007135328000001
(式(1)中、R10は、炭素数2~10の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3~10の2価の脂環式炭化水素基、当該鎖状炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を含む2価の基、又は当該鎖状炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基の水素原子が水酸基で置換された基である。)
<2> 上記<1>の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
<3> 上記<2>の液晶配向膜を具備する液晶素子。
<4> 上記<1>の液晶配向剤を、印刷方式、インクジェット方式又はスリットコート方式により基板上に塗布する工程と、前記塗布後に前記基板を加熱する工程と、を含む、液晶配向膜の製造方法。
上記構成の液晶配向剤によれば、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及びポリオルガノシロキサンとは異なる主骨格を有する重合体を重合体成分とした場合において、膜厚が均一な(塗膜均一性が良好な)液晶配向膜を得ることができる。特に、画素中央部での膜厚不良を好適に抑制することができる。
以下に、実施形態について説明する。本開示の液晶配向剤は、重合体成分と、溶剤成分とを含有する。
なお、本明細書において、「炭化水素基」とは、鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基及び芳香族炭化水素基を含む意味である。「鎖状炭化水素基」とは、主鎖に環状構造を含まず、鎖状構造のみで構成された炭化水素基を意味する。但し、鎖状構造は直鎖状であっても分岐状であってもよい。「脂環式炭化水素基」とは、環構造としては脂環式炭化水素の構造のみを含み、芳香環構造を含まない炭化水素基を意味する。但し、脂環式炭化水素の構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造を有するものも含む。また、「芳香族炭化水素基」とは、環構造として芳香環構造を含む炭化水素基を意味する。但し、芳香環構造のみで構成されている必要はなく、その一部に鎖状構造や脂環式炭化水素の構造を含んでいてもよい。
≪重合体成分≫
液晶配向剤に含有される重合体成分は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及びポリオルガノシロキサンとは異なる主骨格を有する重合体(P)により構成されている。重合体(P)は、以下に示す化合物(A)を含有する溶剤に対する溶解性が十分に高い点、液晶との親和性が良好である点、及び耐久性や耐熱性が良好である点で、重合性炭素-炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体、ノボラック樹脂、ポリアミド、ポリエステル及びポリセルロースよりなる群から選ばれる少なくとも一種の重合体であることが好ましい。
ここで、重合性炭素-炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体の好ましい例としては、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、環状オレフィンポリマー、マレイミドポリマー、ポリスチレン系ポリマー等が挙げられる。スチレン系ポリマーの好ましい例としては、ポリヒドロキシスチレン、ポリスチレン等が挙げられる。
重合体(P)としては、これらのうち、化合物(A)に対する溶解性がより優れている点で、重合性炭素-炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体であることが好ましく、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、環状オレフィンポリマー、マレイミドポリマー、及びポリスチレン系ポリマーよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。なお、液晶配向剤の調製に際し、重合体(P)としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
重合体(P)は、有機化学の定法を適宜組み合わせることによって合成することができる。例えば、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、マレイミドポリマー及びポリスチレン系ポリマーは、ラジカル開始剤の存在下、必要に応じて適当な有機溶媒中でモノマーを重合することにより得ることができる(例えば、特開2017-126060号公報等を参照)。環状オレフィンポリマーは、例えばNi、Pd又はPtの遷移金属を含む前触媒及び助触媒の存在下、必要に応じて適当な有機溶媒中でモノマーを重合することにより得ることができる(例えば、特表2015-527617号公報等を参照)。
重合体(P)は、液晶の応答速度が速く、得られる液晶素子の残像をより低減させることができる点で、下記<I>~<III>に示す部分構造のうち少なくとも1種を有していることが好ましい。
<I> 配向性基
<II> ラジカル重合性基、光開始剤基、光配向性基及びβ-ヒドロキシエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造[R]。
<III> カルボキシル基、水酸基及び環状エーテル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基[C]
以下、それぞれの構造について具体的に説明する。
<I>配向性基
配向性基は、メソゲン構造によって液晶分子を垂直配向又は水平配向させることが可能な基である。配向性基は、好ましくは下記式(2)で表される。
*-L-R-R-R-R …(2)
(式(2)中、Lは、単結合、-O-、-CO-、-COO-*、-OCO-*、-NR-、-NR-CO-*、-CO-NR-*、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-R-*、又は-R-O-*(ただし、Rは水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基であり、Rは炭素数1~3のアルカンジイル基である。「*」は、Rとの結合手であることを示す。)である。R及びRは、それぞれ独立に、単結合、フェニレン基又はシクロアルキレン基であり、Rは、単結合、フェニレン基、シクロアルキレン基、-R-B-*、又は-B-R-*(ただし、Rはフェニレン基又はシクロアルキレン基であり、Bは単結合、-COO-*、-OCO-*、又は炭素数1~3のアルカンジイル基である。「*」は、Rとの結合手であることを示し、「*」は、Rとの結合手であることを示す。)である。Rは、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~18のアルキル基、炭素数1~18のフルオロアルキル基、炭素数1~18のアルコキシ基、炭素数1~18のフルオロアルコキシ基、ステロイド骨格を有する炭素数17~51の炭化水素基、又は、ラジカル重合性基、光開始剤基若しくはシアノ基を有する1価の有機基である。ただし、R、R及びRの全部が単結合の場合、Rは、炭素数4~18のアルキル基、炭素数4~18のフルオロアルキル基、炭素数4~18のアルコキシ基、炭素数4~18のフルオロアルコキシ基、又はステロイド骨格を有する炭素数17~51の炭化水素基である。「*」は結合手であることを示す。)
上記式(2)において、L、Bのアルカンジイル基、並びにRのアルキル基、フルオロアルキル基、アルコキシ基及びフルオロアルコキシ基は、直鎖状であることが好ましい。Rのステロイド骨格を有する基としては、例えばコレスタニル基、コレステリル基、ラノスタニル基等が挙げられる。R、R及びRのうち少なくとも2個は、フェニレン基又はシクロアルキレン基を有していることが好ましい。
上記式(2)で表される部分構造の具体例としては、例えば下記式(2-1)~式(2-11)のそれぞれで表される部分構造、コレスタニルオキシ基、コレスタニルオキシカルボニル基、コレステリルオキシ基、ラノスタニルオキシ基等が挙げられる。ただし、これらの部分構造に限定されるものではない。
Figure 0007135328000002
重合体(P)において、上記式(2)で表される部分構造の含有割合は、液晶の応答速度を十分に速くして残像を低減させる観点、及び溶剤への溶解性の観点から、重合体の全モノマー単位に対して、5~90モル%とすることが好ましく、10~80モル%とすることがより好ましい。
<II>部分構造[R]
部分構造[R]のうち、ラジカル重合性基としては、例えば(メタ)アクリロイルオキシ基、ビニル基、アリル基、ビニルフェニル基、マレイミド基、ビニルオキシ基、エチニル基等が挙げられる。これらのうち、残像の低減効果がより高い点で、(メタ)アクリロイル基が特に好ましい。ラジカル重合性基は、2価の連結基(例えば、炭素数1~20の2価の炭化水素基、又は当該炭化水素基の炭素-炭素結合間に-O-、-CO-、-COO-、-NH-、-NHCO-等を含む基等)を介して重合体の主鎖に結合していることが好ましい。
光開始剤基は、光により重合開始能を生じる部位又は光増感作用を持つ部位であり、可視光線、紫外線、遠紫外線、電子線、X線等の放射線の照射により重合性成分の重合を開始可能な化合物(光開始剤)に由来する構造を有する基である。光開始剤基としては、光照射によってラジカルを発生可能なラジカル重合開始剤に由来する構造を有する基であることが好ましい。具体的には、アセトフェノン構造、オキシムエステル構造、ジベンゾイル構造、ベンゾイン構造、ベンゾフェノン構造、アルキルフェノン構造又はアシルフォスフィンオキサイド構造を有する基であることが好ましい。光開始剤基は、これらの中でも、アセトフェノン構造を有する基であることが特に好ましい。
光開始剤基を有する構造の更なる具体例としては、例えば、フェニル2-(メタ)アクリロイルオキシ-2-プロピルケトン、4-イソプロピルフェニル2-(メタ)アクリロイルオキシ-2-プロピルケトン、4-(2-(メタ)アクリロイルオキシエトキシ)-ベンゾイン、4-(メタ)アクリロイルオキシフェニル2-(メタ)アクリロイルオキシ-2-プロピルケトン、4-(メタ)アクリロイルオキシベンゾフェノン等といった光開始剤に由来する構造等を挙げることができる。
光配向性基は、光照射による光異性化反応や光二量化反応、光分解反応、光フリース転位反応によって膜に異方性を付与する官能基である。光配向性基の具体例としては、例えばアゾベンゼン又はその誘導体を基本骨格として含むアゾベンゼン含有基、桂皮酸又はその誘導体を基本骨格として含む桂皮酸構造含有基、カルコン又はその誘導体を基本骨格として含むカルコン含有基、ベンゾフェノン又はその誘導体を基本骨格として含むベンゾフェノン含有基、クマリン又はその誘導体を基本骨格として含むクマリン含有基、シクロブタン又はその誘導体を基本骨格として含むシクロブタン含有構造等が挙げられる。これらのうち、光に対する感度が高い点で、桂皮酸構造含有基が好ましく、例えば、下記式(7)で表される部分構造を有する基等が挙げられる。
Figure 0007135328000003
(式(7)中、Rは、炭素数1~10のアルキル基、炭素数1~10のアルコキシ基、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1~10のフッ素含有アルキル基、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1~10のフッ素含有アルコキシ基、又はフッ素原子である。aは0~4の整数である。aが2以上の場合、複数のRは同一でも異なっていてもよい。「*」は結合手を示す。)
上記式(7)で表される部分構造において、2つの結合手「*」の一方は、得られる液晶素子において残像をより低減できる点で、炭素数3~20のアルキル基、炭素数3~20のフルオロアルキル基、炭素数3~20のアルコキシ基、炭素数3~20のフルオロアルコキシ基、置換若しくは無置換のフェニレン基、置換若しくは無置換のシクロヘキシル基、又は-R31-R32-*(ただし、R31はフェニレン基又はシクロへキシレン基であり、R32は、式(7)中のベンゼン環に結合している場合には、単結合、酸素原子、-COO-、-OCO-又は炭素数1~3のアルカンジイル基であり、式(7)中のカルボニル基に結合している場合には酸素原子である。「*」は、式(7)中のベンゼン環又はカルボニル基との結合手であることを示す。)に結合していることが好ましい。
上記式(7)で表される部分構造を有する基の具体例としては、桂皮酸が有するカルボキシル基の水素原子を除去して得られる1価の基、当該1価の基が有するベンゼン環に置換基が導入された基、桂皮酸が有するカルボキシル基がエステル化され、かつベンゼン環に2価の有機基が結合してなる1価の基、当該1価の基が有するベンゼン環に置換基が導入された基等が挙げられる。
β-ヒドロキシエステル基は、エステル基(-COO-)のカルボニル基に対してβ位に水酸基が結合された基である。重合体(P)が有していてもよいβ-ヒドロキシエステル基は、下記式(8)で表される構造であることが好ましい。
Figure 0007135328000004
(式(8)中、R50は芳香族基である。「*」は結合手であることを示す。)
50の芳香環基は、芳香環の環部分から2個の水素原子を取り除いた基である。当該芳香環の具体例としては、例えばベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環等の芳香族炭化水素環;ピリジン環、ピリミジン環、ピラジン環等の芳香族複素環、等が挙げられる。なお、これらの芳香環は、環部分に置換基(例えば、アルキル基、アルコキシ基等)を有していてもよい。R50の芳香環基は、これらのうち、フェニレン基が特に好ましい。
β-ヒドロキシエステル基を有する部分構造の具体例としては、例えば下記式(8-1)~式(8-4)のそれぞれで表される構造等が挙げられる。
Figure 0007135328000005
(式(8-1)~式(8-4)中、R51は、炭素数1~20のアルキル基、炭素数1~20のアルコキシ基、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1~20のフッ素含有アルキル基、少なくとも1個の水素原子がフッ素原子で置換された炭素数1~20のフッ素含有アルコキシ基、又はフッ素原子である。「*」は結合手であることを示す。)
重合体(P)中の部分構造[R]の含有割合は、部分構造[R]の種類に応じて設定することができる。具体的には、重合体(P)におけるラジカル重合性基の含有割合は、残像を低減させる効果を十分に高くしつつ、過剰量の導入に起因する溶剤への溶解性が低下することを抑制する観点から、重合体の全モノマー単位に対して、5~90モル%とすることが好ましく、10~80モル%とすることがより好ましい。
光開始剤基の含有割合は、重合体の全モノマー単位に対して、0.1~90モル%とすることが好ましく、1~80モル%とすることがより好ましい。
光配向性基の含有割合は、重合体の全モノマー単位に対して、5~90モル%とすることが好ましく、10~80モル%とすることがより好ましい。
β-ヒドロキシエステル基の含有割合は、重合体の全モノマー単位に対して、5~90モル%とすることが好ましく、10~80モル%とすることがより好ましい。
<III>官能基[C]
重合体(P)が官能基[C]を有する場合、後述する架橋剤を併用することによって、得られる残像特性の改善効果が更に高まり、好適である。官能基[C]において、環状エーテル基としては、オキセタニル基又はオキシラニル基が好ましい。
重合体(P)中の官能基[C]の含有割合は、残像を低減させる効果を十分に高くする観点から、重合体の全モノマー単位に対して、2~80モル%とすることが好ましく、5~60モル%とすることがより好ましい。
上記<I>~<III>に示す部分構造を有する重合体(P)を得る方法は特に限定されないが、例えば、(1)上記<I>~<III>に示す部分構造を有するモノマーを用いて重合する方法、(2)第1の官能基(例えばエポキシ基等)を側鎖に有する重合体を得て、次いで、得られた重合体と、第1の官能基と反応可能な第2の官能基及び上記<I>~<III>に示す部分構造を有する化合物とを反応させる方法、等が挙げられる。
上記(1)の方法を用いる場合、使用するモノマーの好ましい具体例としては、例えば下記式(9)で表される化合物等が挙げられる。
11-Y11 …(9)
(式(9)中、X11は、下記式(z-1)~式(z-6)のいずれかで表される基であり、Y11は、垂直配向性基、ラジカル重合性基、光開始剤基、三重結合基、光配向性基、β-ヒドロキシエステル基、カルボキシル基、水酸基及び環状エーテル基よりなる群から選ばれる基を有する1価の基である。)
Figure 0007135328000006
(式(z-1)~式(z-6)中、Lは単結合又は2価の連結基である。R41は、水素原子又はメチル基である。R42は、水素原子又は1価の炭化水素基である。R43~R45は、それぞれ独立に水素原子又は1価の炭化水素基である。tは0~4の整数である。「*」は結合手を示す。式(z-4)中の波線は異性体構造が任意であることを表す。)
上記式(z-1)~式(z-6)において、Lの2価の連結基は、炭素数1~20の2価の炭化水素基、又は当該炭化水素基の少なくとも1個のメチレン基が-O-、-CO-、-COO-で置換された基であることが好ましい。Lの炭化水素基について具体的には、例えば2価の鎖状炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基が挙げられる。
42は、塗膜均一性の改善効果が高い点で、水素原子又は炭素数1~6の1価の炭化水素基であることが好ましく、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基がより好ましく、水素原子がさらに好ましい。
重合体(P)につき、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によって測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は、1,000~1,000,000であることが好ましく、3,000~200,000であることがより好ましく、5,000~150,000であることがさらに好ましい。
≪溶剤成分≫
<化合物(A)>
液晶配向剤は、溶剤成分として、上記式(1)で表される化合物(A)(以下、「[A]溶剤」ともいう。)を含有する。ここで、上記式(1)において、R10の炭素数2~10の2価の鎖状炭化水素基としては、例えば炭素数2~5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。炭素数3~10の2価の脂環式脂環式炭化水素基としては、例えばシクロブチレン基、シクロペンチレン基、シクロへキシレン基等が挙げられる。また、当該鎖状炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を含む2価の基としては、例えば炭素数2~10のアルコキシアルキル基、酸素含有複素環(例えばオキセタン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン等)から2個の水素原子を除いた基等が挙げられる。R10が有する鎖状炭化水素基又は脂環式炭化水素基において、少なくとも1個の水素原子が水酸基で置換されていてもよい。
10は、塗膜均一性がより良好である点で、炭素数2~10の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3~10の2価の脂環式炭化水素基、又は当該鎖状炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を含む2価の基であることが好ましい。
10は、形成される配向膜の膜厚をより均一にできる点で、好ましくは炭素数2~10の2価の鎖状炭化水素基であり、より好ましくは炭素数3~8のアルカンジイル基であり、さらに好ましくは炭素数3~7のアルカンジイル基であり、炭素数5~7のアルカンジイル基であることが特に好ましい。
[A]溶剤の具体例としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,3-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、3,5-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタングリコール、1,3-ヘプタンジオール、1,4-ヘプタンジオール、1,5-ヘプタンジオール、1,6-ヘプタンジオール、1,7-ヘプタンジオール、1,2-オクタンジオール、1,4-オクタンジオール、1,8-オクタンジオール、1,2-ノナンジオール、1,3-ノナンジオール、1,5-ノナンジオール、1,6-ノナンジオール、1,9-ノナンジオール、1,2-デカンジオール、1,5-デカンジオール、1,8-デカンジオール、1,10-デカンジオール、1,2-シクロヘキサンジオール、1,3-シクロヘキサンジオール、1,4-シクロヘキサンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジブチレングリコール、グリセロール等を挙げることができる。なお、[A]溶剤としては、これらのうちの1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらのうち、[A]溶剤は、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、1,4-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、2,3-ヘキサンジオール、2,4-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、3,5-ヘキサンジオール、1,2-ヘプタングリコール、1,3-ヘプタンジオール、1,4-ヘプタンジオール、1,5-ヘプタンジオール、1,6-ヘプタンジオール及び1,7-ヘプタンジオールよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。
液晶配向剤の溶剤成分につき、[A]溶剤の含有割合は、全溶剤量に対して1~90質量%である。[A]溶剤の使用による塗膜均一性の効果を十分に得るとともに、以下に示すその他の溶剤を併用することによる液晶配向剤の濡れ広がり性及び重合体(P)の溶解性の更なる改善を図るために、[A]溶剤の含有割合は、好ましくは3~70質量%であり、より好ましくは5~50質量%であり、特に好ましくは5~40質量%である。
なお、[A]溶剤を含有する液晶配向剤を調製するには、重合体(P)の重合に際して、重合溶媒の少なくとも一部として[A]溶剤を使用するとともに、得られた重合体溶液をそのまま液晶配向剤の調製に用いてもよい。あるいは、液晶配向剤の調製の際に、重合体(P)に後から加えて調製してもよい。
液晶配向剤は、溶剤成分として[A]溶剤と共に、[A]溶剤以外の溶剤(以下、「その他の溶剤」ともいう。)を含有する。重合体(P)に対する溶剤の溶解性や液晶配向剤の濡れ広がり性を改善しつつ、膜形成時において低温焼成を可能にできる点で、液晶配向剤は、その他の溶剤として、下記に示す溶剤群([X]溶剤及び[Y]溶剤よりなる群)から選ばれる少なくとも一種の溶剤(以下、「特定溶剤」ともいう。)を含むことが好ましい。
溶剤群:
[X]溶剤:下記式(3)で表される化合物、下記式(4)で表される化合物、及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン。
[Y]溶剤:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ダイアセトンアルコール、及びプロピレングリコールモノブチルエーテル。
Figure 0007135328000007
(式(3)中、R11は、炭素数2~5の1価の炭化水素基、又は当該炭化水素基における炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基である。)
Figure 0007135328000008
(式(4)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の1価の炭化水素基、若しくは当該炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基であるか、又は、R12及びR13が互いに合わせられてR12及びR13が結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。R14は、炭素数1~6のアルキル基である。)
・[X]溶剤について
(式(3)で表される化合物)
上記式(3)で表される化合物について、R11の炭素数2~5の1価の炭化水素基は鎖状炭化水素基であることが好ましく、例えば炭素数2~5のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基が挙げられる。また、当該炭化水素基における炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基としては、例えば炭素数2~5のアルコキシアルキル基が挙げられる。
これらの具体例としては、炭素数2~5のアルキル基として、例えばエチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基などを;炭素数2~5のアルケニル基として、例えばビニル基、1-プロペニル基、2-プロペニル基、3-ブテニル基などを;炭素数2~5のアルキニル基として、例えばエチニル基、2-プロピニル基、2-ブチニル基などを;炭素数2~5のアルコキシアルキル基として、例えばメトキシメチル基、メトキシエチル基、メトキシプロピル基、メトキシブチル基、エトキシメチル基、エトキシエチル基などを;炭化水素基における炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基として、例えばエトキシメチル基、エトキシエチル基等を、それぞれ挙げることができ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。R11としては、上記の中でも炭素数2~5のアルキル基又はアルコキシアルキル基であることが好ましい。
上記式(3)で表される化合物の具体例としては、例えばN-エチル-2-ピロリドン、N-(n-プロピル)-2-ピロリドン、N-イソプロピル-2-ピロリドン、N-(n-ブチル)-2-ピロリドン、N-(t-ブチル)-2-ピロリドン、N-(n-ペンチル)-2-ピロリドン、N-メトキシプロピル-2-ピロリドン、N-エトキシエチル-2-ピロリドン、N-メトキシブチル-2-ピロリドンなどが挙げられる。これらの中でも、N-エチル-2-ピロリドン、N-(n-ペンチル)-2-ピロリドン、N-(t-ブチル)-2-ピロリドン、N-メトキシプロピル-2-ピロリドンを特に好ましく使用することができる。なお、上記式(3)で表される化合物は、これら例示の化合物を1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
(式(4)で表される化合物)
上記式(4)で表される化合物について、R12及びR13の炭素数1~6の1価の炭化水素基としては、例えば炭素数1~6の鎖状炭化水素基、炭素数3~6の脂環式炭化水素基、炭素数5又は6の芳香族炭化水素基などが挙げられる。また、当該炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基としては、例えば炭素数2~6のアルコキシアルキル基等が挙げられる。
これらの具体例としては、炭素数1~6の鎖状炭化水素基として、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などを挙げることができ、これらは直鎖状であっても分岐状であってもよい。また、炭素数3~6の脂環式炭化水素基としては、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基等を;芳香族炭化水素基としては、例えばフェニル基等を;炭素数2~6のアルコキシアルキル基としては、例えば上記式(3)のR11の説明で挙げた基等を;それぞれ挙げることができる。なお、式(4)におけるR12及びR13は、互いに同じでも異なっていてもよい。また、R12及びR13は、互いに結合することにより、R12及びR13が結合する窒素原子と共に環を形成してもよい。R12,R13が互いに結合して形成される環としては、例えばピロリジン環、ピペリジン環等を挙げることができ、これらの環にはメチル基等の1価の鎖状炭化水素基が結合されていてもよい。
12及びR13として好ましくは、水素原子又は炭素数1~6のアルキル基であり、より好ましくは、水素原子又は炭素数1~3のアルキル基であり、更に好ましくは水素原子又はメチル基である。
14の炭素数1~6のアルキル基としては、上記R12及びR13の炭素数1~6のアルキル基の説明で例示した基を挙げることができる。好ましくは、炭素数1~4のアルキル基である。
上記式(4)で表される化合物の具体例としては、例えば3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、3-ヘキシルオキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド、イソプロポキシ-N-イソプロピル-プロピオンアミド、n-ブトキシ-N-イソプロピル-プロピオンアミドなどが挙げられる。なお、上記式(4)で表される化合物は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
[X]溶剤としては、中でも上記式(3)で表される化合物及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることが好ましく、上記式(3)で表される化合物においてR11が炭素数2~5のアルキル基又はアルコキシアルキル基である化合物及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノンよりなる群から選ばれる少なくとも一種であることがより好ましい。
液晶配向剤の調製に際し、特定溶剤としては、[X]溶剤及び[Y]溶剤のいずれかのみを使用してもよいが、良好な塗膜均一性と残像特性との両立を図ることができる点で、[X]溶剤の少なくとも一種と、[Y]溶剤の少なくとも一種とが含有されていることが好ましい。
[X]溶剤の使用割合(2種以上使用する場合にはその合計量)は、膜形成時の焼成温度を低くすることを可能にしつつ、重合体成分の析出を抑制する効果を十分に得ることができる点で、液晶配向剤に含まれる全溶剤量に対して、1質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上とすることがより好ましい。また、その使用割合の上限は、[Y]溶剤の併用による塗布性の改善効果を十分に得るために、液晶配向剤に含まれる全溶剤量に対して、90質量%以下とすることが好ましく、70質量%以下とすることがより好ましい。なお、[X]溶剤は、1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
[Y]溶剤の使用割合(2種以上使用する場合にはその合計量)は、膜形成時の焼成温度を低くすることを可能にしつつ、液晶配向剤の塗布性を良好にする効果を十分に得ることができる点で、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して、1質量%以上とすることが好ましく、10質量%以上とすることがより好ましい。また、その使用割合の上限は、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して、80質量%以下とすることが好ましく、70質量%以下とすることがより好ましい。なお、[Y]溶剤は1種を単独で使用してもよく、又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
その他の溶剤としては、特定溶剤のみを用いてもよいが、特定溶剤以外の溶剤(以下、「[Z]溶剤」ともいう。)を併用してもよい。かかる[Z]溶剤としては、重合体の溶解性及びレベリング性が高い溶剤(以下、「第1溶剤」ともいう。)、及び濡れ広がり性が良好な溶剤(以下、「第2溶剤」ともいう。)が挙げられる。
これらの具体例としては、第1溶剤として、例えばN-メチル-2-ピロリドン、γ-ブチロラクトン、γ-ブチロラクタム、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン、ジイソブチルケトン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート等を;
第2溶剤として、例えばエチレングリコールモノメチルエーテル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、メチルメトキシプロピオネ-ト、エチルエトキシプロピオネ-ト、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコール-n-プロピルエーテル、エチレングリコール-i-プロピルエーテル、エチレングリコール-n-ブチルエーテル(ブチルセロソルブ)、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテルアセテート、イソアミルプロピオネート、イソアミルイソブチレート等を、それぞれ挙げることができる。なお、[Z]溶剤としては、1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
その他の溶剤について、[X]溶剤と[Y]溶剤と[Z]溶剤とを使用する場合、[Z]溶剤の使用割合(2種以上使用する場合にはその合計量)は、本発明の効果を十分に得る観点から、液晶配向剤に含まれる溶剤の全体量に対して、50質量%以下とすることが好ましく、30質量%以下とすることがより好ましく、10質量%以下とすることがより好ましく、5質量%以下とすることが特に好ましい。
液晶配向剤は、膜形成時の加熱温度を低温とした場合(例えば、ポストベーク温度を180℃以下とした場合)にも、配向膜特性(残像特性)に優れた液晶配向膜を得ることができる点で、これらのうち、溶剤成分が[A]溶剤と[X]溶剤と[Y]溶剤とからなることが特に好ましい。
≪その他の成分≫
本発明の液晶配向剤は、重合体成分及び溶剤成分のほか、必要に応じてその他の成分を含有していてもよい。液晶配向剤は、その他の成分として、環状エーテル基、環状カーボネート基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、オキサゾリン基、β-ヒドロキシアルキルアミド基、メルドラム酸基、メチロール基及びアルキルメチロール基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を分子内に有する化合物(B)をさらに含有することが好ましい。液晶配向剤中に化合物(B)を含有することにより、得られる液晶素子の残像特性を改善できる点で好ましい。
化合物(B)としては、従来公知の架橋剤を使用することができる。その具体例としては、環状エーテル基を有する化合物として、例えばエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、1,6-ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-m-キシレンジアミン、1,3-ビス(N,N-ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサン、N,N,N’,N’-テトラグリシジル-4,4’-ジアミノジフェニルメタン、N,N-ジグリシジル-ベンジルアミン、N,N-ジグリシジル-アミノメチルシクロヘキサン、N,N-ジグリシジル-シクロヘキシルアミン等を;環状カーボネート基を有する化合物として、例えばN,N,N’,N’-テトラ[(2-オキソ-1,3-ジオキソラン-4-イル)エチル]-4,4’-ジアミノジフェニルメタン等を;
イソシアネート基又はブロックイソシアネート基を有する化合物として、例えばトリレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、クロルフェニレンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、テトラメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート等を;オキサゾリン基を有する化合物として、例えば2,2'-ビス(4-プロピル-2-オキサゾリン)、2,2'-ビス(4-フェニル-2-オキサゾリン)、1,2-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)エタン、1,4-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)シクロヘキサン、1,3-ビス(2-オキサゾリン-2-イル)ベンゼン、1,3-ビス(4,5-ジヒドロ-2-オキサゾリル)ベンゼン、1,3-ビス(4-メチル-2-オキサゾリン-2-イル)ベンゼン等を;β-ヒドロキシアルキルアミド基を有する化合物として、例えば商品名「Primid XL-552」(エムスケミー社製)等を;メルドラム酸基として、例えばメルドラム酸構造を2~4個有する化合物等を;メチロール基又はアルキルメチロール基を有する化合物として、例えばトリメチロールプロパン、ビス[2-エチル-2,2-ビス(ヒドロキシメチル)エチル]エーテル、2,2’-[オキシビス(メチレン)]ビス[2-エチル-1,3-プロパンジオール]、2,2-ビス(4-ヒドロキシメチルフェニル)プロパン、2,2-ビス(2,3,4-トリヒドロキシメチルフェニル)プロパン、2,4,6-トリス[ビス(メトキシメチル)アミノ]-1,3,5-トリアジン等を、それぞれ挙げることができる。
化合物(B)の含有割合は、残像低減の効果を十分に得る観点から、液晶配向剤中に含有される重合体成分の全量100質量部に対して、1~50質量部とすることが好ましく、3~30質量部とすることがより好ましい。なお、化合物(B)は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
液晶配向剤に含有されるその他の成分としては、化合物(B)のほか、例えば酸化防止剤、金属キレート化合物、硬化促進剤、界面活性剤、充填剤、分散剤、光増感剤等が挙げられる。その他の成分の配合割合は、本発明の効果を損なわない範囲で、各化合物に応じて適宜選択することができる。
液晶配向剤における固形分濃度(液晶配向剤の溶媒以外の成分の合計質量が液晶配向剤の全質量に占める割合)は、粘性、揮発性などを考慮して適宜に選択されるが、好ましくは1~10質量%の範囲である。固形分濃度が1質量%未満である場合には、塗膜の膜厚が過小となって良好な液晶配向膜が得られにくくなる。一方、固形分濃度が10質量%を超える場合には、塗膜の膜厚が過大となって良好な液晶配向膜が得られにくく、また、液晶配向剤の粘性が増大して塗布性が低下する傾向にある。
<液晶配向膜及び液晶素子>
本発明の液晶配向膜は、上記のように調製された液晶配向剤により形成される。また、本開示の液晶素子は、上記で説明した液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜を具備する。液晶素子における液晶の動作モードは特に限定されず、例えばTN型、STN型、VA型(VA-MVA型、VA-PVA型などを含む。)、IPS(In-Plane Switching)型、FFS(Fringe Field Switching)型、OCB(Optically Compensated Bend)型、PSA型(Polymer Sustained Alignment)など種々のモードに適用することができる。液晶素子は、例えば以下の工程1~工程3を含む方法により製造することができる。工程1は、所望の動作モードによって使用基板が異なる。工程2及び工程3は、各動作モード共通である。
<工程1:塗膜の形成>
まず、基板上に液晶配向剤を塗布し、好ましくは塗布面を加熱することにより基板上に塗膜を形成する。基板としては、例えばフロートガラス、ソーダガラスなどのガラス;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリ(脂環式オレフィン)などのプラスチックからなる透明基板を用いることができる。基板の一面に設けられる透明導電膜としては、酸化スズ(SnO)からなるNESA膜(米国PPG社登録商標)、酸化インジウム-酸化スズ(In-SnO)からなるITO膜などを用いることができる。
TN型、STN型又はVA型の液晶素子を製造する場合には、パターニングされた透明導電膜が設けられている基板二枚を用いる。一方、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合には、櫛歯型にパターニングされた電極が設けられている基板と、電極が設けられていない対向基板とを用いる。
基板(具体的には、電極形成面上)への液晶配向剤の塗布方法は特に限定されず、例えばスピンコート方式、印刷方式(例えば、オフセット印刷方式、フレキソ印刷方式等)、インクジェット方式、スリットコート方式、バーコーター方式、エクストリューションダイ方式、ダイレクトグラビアコーター方式、チャンバードクターコーター方式、オフセットグラビアコーター方式、含浸コーター方式、MBコーター方式法等により行うことができる。特に、本発明の液晶配向剤は塗膜均一性に優れており、大型液晶パネルの製造に際し好ましく用いることができる。この場合、塗布方法としては、印刷方式、インクジェット方式又はスリットコート方式を用いることが好ましい。
液晶配向剤を塗布した後、塗布した液晶配向剤の液垂れ防止などの目的で、好ましくは予備加熱(プレベーク)が実施される。プレベーク温度は、好ましくは30~200℃であり、プレベーク時間は、好ましくは0.25~10分である。その後、溶剤を完全に除去し、必要に応じて、重合体に存在するアミック酸構造を熱イミド化することを目的として焼成(ポストベーク)工程が実施される。このときの焼成温度(ポストベーク温度)は、好ましくは80~280℃であり、より好ましくは80~250℃である。ポストベーク時間は、好ましくは5~200分である。本発明の液晶配向剤において、溶剤成分として[A]溶剤と共に特定溶剤を用いた場合、配向膜の形成に際してより低温での焼成が可能となる点で好ましい。具体的には、ポストベーク温度を、例えば180℃以下、好ましくは160℃以下、より好ましくは150℃以下にした場合にも、配向膜特性に優れた液晶素子を得ることが可能である点で好ましい。このようにして形成される膜の膜厚は、好ましくは0.001~1μmである。
<工程2:配向処理>
TN型、STN型、IPS型又はFFS型の液晶素子を製造する場合、上記工程1で形成した塗膜に対し、液晶配向能を付与する処理(配向処理)を実施する。これにより、液晶分子の配向能が塗膜に付与されて液晶配向膜となる。配向処理としては、基板上に形成した塗膜の表面をコットン等で擦るラビング処理、又は塗膜に光照射を行って液晶配向能を付与する光配向処理を用いることが好ましい。一方、垂直配向型の液晶素子を製造する場合には、上記工程1で形成した塗膜をそのまま液晶配向膜として使用することができるが、液晶配向能を更に高めるために、該塗膜に対し配向処理を施してもよい。
光配向のための光照射は、ポストベーク工程後の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程後であってポストベーク工程前の塗膜に対して照射する方法、プレベーク工程及びポストベーク工程の少なくともいずれかにおいて塗膜の加熱中に塗膜に対して照射する方法、等により行うことができる。塗膜に照射する放射線としては、例えば150~800nmの波長の光を含む紫外線及び可視光線を用いることができる。好ましくは、200~400nmの波長の光を含む紫外線である。放射線が偏光である場合、直線偏光であっても部分偏光であってもよい。用いる放射線が直線偏光又は部分偏光である場合には、照射は基板面に垂直の方向から行ってもよく、斜め方向から行ってもよく、又はこれらを組み合わせて行ってもよい。非偏光の放射線の場合の照射方向は斜め方向とする。
使用する光源としては、例えば低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ、重水素ランプ、メタルハライドランプ、アルゴン共鳴ランプ、キセノンランプ、エキシマーレーザー等が挙げられる。放射線の照射量は、好ましくは400~50,000J/mであり、より好ましくは1,000~20,000J/mである。配向能付与のための光照射後において、基板表面を例えば水、有機溶媒(例えば、メタノール、イソプロピルアルコール、1-メトキシ-2-プロパノールアセテート、ブチルセロソルブ、乳酸エチル等)又はこれらの混合物を用いて洗浄する処理や、基板を加熱する処理を行ってもよい。
<工程3:液晶セルの構築>
上記のようにして液晶配向膜が形成された基板を2枚準備し、対向配置した2枚の基板間に液晶を配置することにより液晶セルを製造する。液晶セルを製造するには、例えば、液晶配向膜が対向するように間隙を介して2枚の基板を対向配置し、2枚の基板の周辺部をシール剤により貼り合わせ、基板表面とシール剤で囲まれたセルギャップ内に液晶を注入充填し注入孔を封止する方法、ODF方式による方法等が挙げられる。シール剤としては、例えば硬化剤及びスペーサとしての酸化アルミニウム球を含有するエポキシ樹脂等を用いることができる。液晶としては、ネマチック液晶及びスメクチック液晶を挙げることができ、その中でもネマチック液晶が好ましい。
PSAモードでは、液晶とともに重合性化合物(例えば多官能(メタ)アクリレート化合物等)をセルギャップ内に充填するとともに、液晶セルの構築後、一対の基板の有する導電膜間に電圧を印加した状態で液晶セルに光照射する処理を行う。PSAモードの液晶素子の製造に際し、重合性化合物の使用割合は、液晶の合計100質量部に対して、0.01~3質量部、好ましくは0.1~1質量部である。
液晶素子を調光素子に適用する場合、液晶と高分子との複合材料により液晶層を形成し、これにより、液晶層(好ましくは、液晶層の全体)にポリマーネットワークが形成された高分子分散型液晶素子とすることが好ましい。こうした液晶層を形成するためには、まず、液晶配向膜が形成された一対の基板を対向配置し、それら一対の基板間に、液晶と重合性化合物とを含む液晶組成物を配置して液晶セルを構築する。その後、得られた液晶セルにつき、液晶層中の重合性化合物を硬化する処理(例えば、加熱や光照射)を行う。
重合性化合物としては、高分子分散型液晶素子の製造に際して用いられる従来公知の化合物を使用することができる。具体的には、ラジカル重合性を示す化合物が好ましく、例えば単官能(メタ)アクリレート化合物、多官能(メタ)アクリレート化合物、多官能チオール化合物、スチレン系化合物、及びこれらの混合物等が挙げられる。液晶組成物は、重合反応を促進させるために、さらにラジカル重合開始剤が含有されていることが好ましい。
高分子分散型液晶素子の製造に際し、重合性化合物の使用割合(2種以上使用する場合はその合計量)は、化合物の種類に応じて適宜設定することができるが、例えば、液晶の合計100質量部に対して、3~500質量部、好ましくは5~300質量部である。
液晶素子を表示装置として用いる場合、続いて、必要に応じて液晶セルの外側表面に偏光板を貼り合わせ、液晶素子とする。偏光板としては、ポリビニルアルコールを延伸配向させながらヨウ素を吸収させた「H膜」と称される偏光フィルムを酢酸セルロース保護膜で挟んだ偏光板又はH膜そのものからなる偏光板が挙げられる。
以上詳述した本発明の液晶素子は、種々の用途に有効に適用することができる。具体的には、例えば、時計、携帯型ゲーム、ワープロ、ノート型パソコン、カーナビゲーションシステム、カムコーダー、PDA、デジタルカメラ、携帯電話、スマートフォン、各種モニター、液晶テレビ、インフォメーションディスプレイなどの各種表示装置や、調光素子、位相差フィルム等として用いることができる。
以下、実施例に基づき本発明の実施形態をより詳しく説明するが、以下の実施例によって本発明が限定的に解釈されるものではない。
以下の例において、重合体の重量平均分子量は以下の方法により測定した。
[重合体の重量平均分子量]
重量平均分子量は、以下の条件におけるゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより測定したポリスチレン換算値である。
カラム:東ソー(株)製、TSKgelGRCXLII
溶剤:テトラヒドロフラン
温度:40℃
圧力:68kgf/cm
以下の例で使用する略号を示す。なお、以下では、式Xで表される化合物を単に「化合物X」と示すことがある。
(モノマー)
Figure 0007135328000009
Figure 0007135328000010
(架橋剤)
Figure 0007135328000011
(重合性化合物)
Figure 0007135328000012
(ラジカル重合開始剤)
Figure 0007135328000013
1.重合体の合成
[合成例1:重合体(P-1)の合成]
冷却管及び撹拌機を備えたフラスコに、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)8質量部、及びジエチレングリコールメチルエチルエーテル220質量部を仕込んだ。引き続き、化合物(M-1)90質量部(モノマー全量の70モル%)、及び化合物(M-2)10質量部(モノマー全量の30モル%)を仕込み、窒素置換した後、緩やかに攪拌しつつ、溶液の温度を70℃に上昇させ、この温度を5時間保持して重合することにより、重合体(P-1)を含有する溶液を得た。重合体(P-1)のMwは11,000であった。
[合成例2、3及び5~7]
使用するモノマーの種類及び量を下記表1に記載の通り変更した以外は合成例1と同様にして重合することにより、重合体(P-2)、(P-3)及び(P-5)~(P-7)を含有する溶液を得た。各重合体のMwを下記表1に併せて示した。
[合成例4:重合体(P-4)の合成]
250mlシュレンクフラスコに、化合物(M-9)をモノマー全量の70モル%、化合物(M-10)をモノマー全量の10モル%、及び化合物(M-11)をモノマー全量の20モル%を、モノマー合計で3gとなるように仕込み、さらにトルエン7mlを仕込んだ。ここに、(CHCOPd 0.98mg、ジメチルアニリニウムテトラキスペンタフルオロフェニルボレート6.4mg、及びトリシクロヘキシルホスフィン1.13mgをジクロロメタン1mlに溶解した溶液を添加し、5時間、90℃で撹拌しながら反応させた。その後、得られた反応溶液を、大過剰のエタノールに投入して白色の重合体沈殿物を得た。この沈殿物をガラスロートで濾過して回収した重合体(これを重合体(P-4)とした。)を真空オーブン中、65℃で24時間乾燥し、重合体(P-4)を得た。重合体(P-4)のMwは120,000であった。
[合成例8:重合体(P-8)の合成]
使用するモノマーの種類及び量を下記表1に記載の通り変更した以外は合成例4と同様にして重合することにより、重合体(P-8)を含有する溶液を得た。各重合体の重量平均分子量(Mw)を下記表1に併せて示した。なお、表1中、モノマーの括弧内の数値は、重合に使用したモノマーの合計量に対する各モノマーの使用割合(モル%)を示す。
Figure 0007135328000014
2.液晶配向剤及び液晶素子の評価
[実施例1]
(1)液晶配向剤の調製
重合体(P-1)を含有する溶液に、エチレングリコール(EG)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶剤組成がEG:NMP:BC=5:45:50(質量比)、固形分濃度6.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤(W-1)を調製した。
(2)液晶組成物(PSA-1)の調製
ネマチック液晶(メルク社製、MLC-6608)10gに対し、下記式(RM-1)で表される化合物を、液晶組成物の全構成成分の全量に対して0.3質量%となるように添加して混合することにより、液晶組成物(PSA-1)を得た。
Figure 0007135328000015
(3)塗膜均一性の評価
上記で調製した液晶配向剤(W-1)を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製、オフセット印刷方式、型式S40)を用いてシリコンウェハに塗布した。次いで、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去して、平均膜厚80nmの塗膜を形成した。シリコンウェハに形成された塗膜の中央部1cm角について、エリプソメーター(フォトニックラティス社製、ME-210)を用いて膜厚評価を行った。評価は、「ΔF[%]=((膜厚最大値)-(膜厚最小値))/膜厚平均値×100」と定義し、ΔFの大きさにより行った。このとき、ΔFが1.0%未満であった場合を塗膜均一性が「非常に良好(◎)」、1.0%以上3.0%未満であった場合を「良好(○)」、3.0%以上10%未満であった場合を「可(△)」、10%以上であった場合を「不良(×)」と評価した。その結果、この実施例ではΔF=2.8%であり、塗膜均一性は「良好(○)」の評価であった。
(4)PSA型液晶表示素子の製造
フィッシュボーン状にパターニングされたITO電極を有するガラス基板と、パターンを有さないITO電極を有するガラス基板とを一対の基板とし、この一対の基板の各電極面上に、上記で調製した液晶配向剤(W-1)を、液晶配向膜印刷機(日本写真印刷(株)製、型式S40)を用いて塗布した。電極としては、電圧の印加/無印加を別個に切替可能な2系統のITO電極(電極A及び電極B)を使用した。
次いで、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去した後、130℃のホットプレート上で30分間加熱(ポストベーク)して、平均膜厚0.06μmの塗膜を形成した。この塗膜につき、超純水中で1分間超音波洗浄を行った後、100℃クリーンオーブン中で10分間乾燥し、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)得た。なお、使用した電極のパターンは、PSAモードにおける電極パターンと同種のパターンである。
次いで、上記一対の基板の液晶配向膜を有するそれぞれの外縁に、直径5.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤を塗布した後、液晶配向膜を有する面が相対するように重ね合わせて圧着し、接着剤を硬化した。次いで、液晶注入口より一対の基板間に、上記で調製した液晶組成物(PSA-1)を充填した後、アクリル系光硬化接着剤で液晶注入口を封止した。得られた液晶セルにつき、電極間に周波数60Hzの交流10Vを印加し、液晶が駆動している状態で、光源にメタルハライドランプを使用した紫外線照射装置を用いて紫外線を100,000J/mの照射量にて照射した。なお、この照射量は、波長365nm基準で計測される光量計を用いて計測した値である。
(5)残像特性の評価
上記で製造したPSA型液晶表示素子を25℃、1気圧の環境下に置き、2系統の電極のうち、電極Bには電圧をかけずに、電極Aに交流電圧10V及び直流電圧0.5Vを300時間印加した。300時間が経過した後、直ちに電極A及び電極Bの双方に交流3Vの電圧を印加して、両電極間の光透過率の差ΔT[%]を測定した。このとき、ΔTが1.0%未満であった場合をAC残像特性「非常に良好(◎)」、1.0%以上2.0%未満であった場合を「良好(○)」、2.0%以上3.0%未満であった場合を「可(△)」、3.0%以上であった場合を「不良(×)」と評価した。その結果、この実施例ではΔT=2.5%であり、残像特性は「可(△)」の評価であった。
[実施例2~4、比較例1]
使用する重合体及び溶剤の種類及び量を下記表2の通り変更した点以外は、実施例1と同様の操作を行い、液晶配向剤をそれぞれ調製した。なお、実施例2~4では、下記表2に示す種類及び量の架橋剤をさらに配合した。また、各例で調製した液晶配向剤を用いた点以外は実施例1と同様にして、膜厚均一性及び残像特性を評価した。それらの結果を下記表3に示した。
[実施例5]
(1)液晶配向剤の調製
重合体(P-5)を含有する溶液に、プロピレングリコール(PG)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶剤組成がPG:NMP:BC=5:45:50(質量比)、固形分濃度3.5質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤(W-5)を調製した。
(2)塗膜均一性の評価
上記で調製した液晶配向剤(W-5)を、インクジェット塗布装置(芝浦メカトロニクス(株)製)を用いてシリコンウェハに塗布した。塗布条件は、ヘッド数64、ディスペンス量0.2g/ヘッド・秒にて二往復塗布(4回塗布)とした。次いで、80℃のホットプレート上で1分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去して、平均膜厚80nmの塗膜を形成した。シリコンウェハに形成された塗膜の中央部1cm角について、実施例1と同様にしてΔFにより膜厚評価を行った。その結果、この実施例ではΔF=2.9%であり、塗膜均一性は「良好(○)」の評価であった。
(3)光垂直型液晶表示素子の製造
ITO膜からなる透明電極付きガラス基板の透明電極面上に、上記で調製した液晶配向剤(W-5)を、インクジェット塗布装置(芝浦メカトロニクス(株)製)を用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った。電極としては、電圧の印加/無印加を別個に切替可能な2系統のITO電極(電極A及び電極B)を使用した。その後、庫内を窒素置換したオーブン中、150℃で10分加熱して、膜厚0.1μmの塗膜を形成した。次いで、この塗膜表面に、Hg-Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて313nmの輝線を含む偏光紫外線1,000J/mを、基板法線から40°傾いた方向から照射して液晶配向能を付与した。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基板を一対(2枚)作成した。
上記基板のうちの1枚の液晶配向膜を有する面の外周に、直径3.5μmの酸化アルミニウム球入りエポキシ樹脂接着剤をスクリーン印刷により塗布した後、一対の基板の液晶配向膜面を対向させ、各基板の紫外線の光軸の基板面への投影方向が逆平行となるように圧着し、150℃で1時間かけて接着剤を熱硬化させた。次いで、液晶注入口より基板間の間隙にネガ型液晶(メルク社製、MLC-6608)を充填した後、エポキシ系接着剤で液晶注入口を封止した。さらに、液晶注入時の流動配向を除くために、これを130℃で加熱してから室温まで徐冷した。
(4)残像特性の評価
上記で得られた光垂直型液晶表示素子につき、実施例1と同様にして残像特性を評価した。その結果、この実施例ではΔT=2.9%であり、残像特性は「可(△)」の評価であった。
[実施例6~8、比較例2]
使用する重合体及び溶剤の種類及び量を下記表2の通り変更した点以外は、実施例5と同様の操作を行い、液晶配向剤をそれぞれ調製した。なお、実施例6~8では、下記表2に示す種類及び量の架橋剤をさらに配合した。また、各例で調製した液晶配向剤を用いた点以外は実施例5と同様にして、膜厚均一性及び残像特性を評価した。それらの結果を下記表3に示した。
[実施例9]
(1)液晶配向剤の調製
重合体(P-1)を含有する溶液に、エチレングリコール(EG)、プロピレングリコール(PG)、N-メチル-2-ピロリドン(NMP)及びブチルセロソルブ(BC)を加えて十分に撹拌し、溶剤組成がEP:PG:NMP:BC=10:10:30:50(質量比)、固形分濃度3.0質量%の溶液とした。この溶液を孔径1μmのフィルターを用いてろ過することにより液晶配向剤(W-9)を調製した。
(2)塗膜均一性の評価
上記で調製した液晶配向剤(W-9)を、スリットコーター(スクリーン社製、LC-R300G)を用いてシリコンウェハに塗布した。次いで、80℃のホットプレート上で1 分間加熱(プレベーク)して溶媒を除去して、平均膜厚80nmの塗膜を形成した。シリコンウェハに形成された塗膜の中央部1cm角について、実施例1と同様にしてΔFにより膜厚評価を行った。評価は、「ΔF=((膜厚最大値)-(膜厚最小値))/膜厚平均値×100」として定義した。その結果、この実施例ではΔF=2.6%であり、塗膜均一性は「良好(○)」の評価であった。
(3)液晶組成物の製造
液晶(MLC-6608、メルク社製)を1.20g、重合性化合物として化合物(R-1)を1.20g、化合物(R-2)を0.60g、化合物(R-3)を0.12g及び化合物(R-4)を0.36g、並びに、光開始剤として化合物(Q-1)を0.012g、を混合し、加熱した後に25℃まで冷却して液晶組成物(PDLC-1)を得た。
(4)高分子分散型液晶素子(PDLC(Polymer Dispersed Liquid Cristal))の製造
上記で調製した液晶配向剤(W-9)を、基材表面にITO電極を有するPETフィルム基材(PET-ITO基材)の電極配置面上にバーコーターを用いて塗布し、80℃のホットプレートで1分間プレベークを行った後、庫内を窒素置換した120℃のオーブンで10分間加熱(ポストベーク)することにより、平均膜厚0.1μmの塗膜を形成した。なお、電極としては、電圧の印加/無印加を別個に切替可能な2系統のITO電極(電極A及び電極B)を使用した。
次いで、塗膜表面に、Hg-Xeランプ及びグランテーラープリズムを用いて、313nmの輝線を含む偏光紫外線20mJ/cmを、基板法線から20°傾いた方向から照射して液晶配向膜を得た。同じ操作を繰り返して、液晶配向膜を有する基材を一対(2枚)作成した。次いで、一方の基材の液晶配向膜を有する面に6μmのスペーサを塗布し、その後、スペーサを塗布した液晶配向膜面に、上記で調製した液晶組成物(PDLC-1)を滴下した。次いで、他方の基材の液晶配向膜面が向き合うように2枚の基材をシール剤により貼り合わせ、液晶セルを得た。この液晶セルに、紫外線発光ダイオードを光源とする紫外線照射装置を用いて、波長365nm、紫外線強度15mW/cm、照射時間15秒、基材表面温度20℃の条件で紫外線を照射して液晶組成物(PDLC-1)を硬化させ、調光素子を得た。
(4)残像特性の評価
上記で得られた液晶素子につき、実施例1と同様にして残像特性を評価した。その結果、この実施例ではΔT=2.5%であり、残像特性は「可(△)」の評価であった。
[実施例10~12、比較例3]
使用する重合体及び溶剤の種類及び量を下記表2の通り変更した点以外は、実施例9と同様の操作を行い、液晶配向剤をそれぞれ調製した。なお、実施例10~12では、下記表2に示す種類及び量の架橋剤をさらに配合した。また、各例で調製した液晶配向剤を用いた点以外は実施例9と同様にして、膜厚均一性及び残像特性を評価した。それらの結果を下記表3に示した。
Figure 0007135328000016
表2中、架橋剤欄の括弧内の数値は、液晶配向剤の調製に使用した重合体成分の合計100質量部に対する架橋剤の配合割合(質量部)を示す。溶剤組成欄の数値は、液晶配向剤の調製に使用した溶剤の全体100質量部に対する各化合物の配合割合(質量部)を示す。溶剤の略称は以下の通りである。
([A]溶剤)
EG:エチレングリコール
PG:プロピレングリコール(1,2-プロパンジオール)
DEG:ジエチレングリコール
DPG:ジプロピレングリコール
BG:1,3-ブタンジオール
PTG:ペンチレングリコール(1,2-ペンタンジオール)
HG:ヘキシレングリコール(2-メチルペンタン-2,4-ジオール)
([X]溶剤)
DMI:1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン
NEP:N-エチル-2-ピロリドン
EQM:3-メトキシ-N,N-ジメチルプロパンアミド
([Y]溶剤)
DAA:ダイアセトンアルコール
DEDG:ジエチレングリコールジエチルエーテル
DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル
PGBE:プロピレングリコールモノブチルエーテル
PGDAc:プロピレングリコールジアセテート
DIPE:ジイソペンチルエーテル
(その他の溶剤)
NMP:N-メチル-2-ピロリドン
BC:ブチルセロソルブ
Figure 0007135328000017
表3に示すように、重合体(P)及び[A]溶剤を含む実施例1~12の液晶配向剤によれば、塗膜の中央部の塗膜均一性を十分に確保することができた。また、液晶配向剤に架橋剤を配合することにより、得られた液晶素子において残像特性の改善が見られた。
これに対し、[A]溶剤を含まない比較例1~3の液晶配向剤を用いた場合、液晶配向膜の塗膜均一性及び残像特性は共に「不良」の評価であった。

Claims (9)

  1. 重合体成分と、溶剤成分とを含有し、
    前記重合体成分は、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステル、ポリイミド及びポリオルガノシロキサンとは異なる主骨格を有する重合体(P)であり、
    前記重合体(P)は、重合性炭素-炭素不飽和結合を有するモノマーに由来する構造単位を有する重合体であり、下記式(2)で表される部分構造を有し、
    前記溶剤成分は、下記式(1)で表される化合物(A)を、全溶剤量に対して1~90質量%含む、液晶配向剤。
    Figure 0007135328000018
    (式(1)中、R10は、炭素数2~10の2価の鎖状炭化水素基、炭素数3~10の2価の脂環式炭化水素基、当該鎖状炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を含む2価の基、又は当該鎖状炭化水素基若しくは脂環式炭化水素基の水素原子が水酸基で置換された基である。)
    *-L -R -R -R -R …(2)
    (式(2)中、L は、単結合、-O-、-CO-、-COO-* 、-OCO-* 、-NR -、-NR -CO-* 、-CO-NR -* 、炭素数1~6のアルカンジイル基、-O-R -* 、又は-R -O-* (ただし、R は水素原子又は炭素数1~10の1価の炭化水素基であり、R は炭素数1~3のアルカンジイル基である。「* 」は、R との結合手であることを示す。)である。R 及びR は、それぞれ独立に、単結合、フェニレン基又はシクロアルキレン基であり、R は、単結合、フェニレン基、シクロアルキレン基、-R -B -* 、又は-B -R -* (ただし、R はフェニレン基又はシクロアルキレン基であり、B は単結合、-COO-* 、-OCO-* 、又は炭素数1~3のアルカンジイル基である。「* 」は、R との結合手であることを示し、「* 」は、R との結合手であることを示す。)である。R は、水素原子、フッ素原子、シアノ基、炭素数1~18のアルキル基、炭素数1~18のフルオロアルキル基、炭素数1~18のアルコキシ基、炭素数1~18のフルオロアルコキシ基、ステロイド骨格を有する炭素数17~51の炭化水素基、又は、ラジカル重合性基、光開始剤基若しくはシアノ基を有する1価の有機基である。ただし、R 、R 及びR の全部が単結合の場合、R は、炭素数4~18のアルキル基、炭素数4~18のフルオロアルキル基、炭素数4~18のアルコキシ基、炭素数4~18のフルオロアルコキシ基、又はステロイド骨格を有する炭素数17~51の炭化水素基である。「*」は結合手であることを示す。)
  2. 印刷方式、インクジェット方式及びスリットコート方式よりなる群から選ばれる少なくとも一種の塗布用である、請求項1に記載の液晶配向剤。
  3. 前記重合体(P)は、ラジカル重合性基、光開始剤基、光配向性基及びβ-ヒドロキシエステル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の部分構造を有する、請求項1又は2に記載の液晶配向剤。
  4. 前記重合体(P)は、カルボキシル基、水酸基及び環状エーテル基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を有する、請求項1~のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  5. 環状エーテル基、環状カーボネート基、イソシアネート基、ブロックイソシアネート基、オキサゾリン基、β-ヒドロキシアルキルアミド基、メルドラム酸基、メチロール基及びアルキルメチロール基よりなる群から選ばれる少なくとも一種の官能基を分子内に有する化合物(B)をさらに含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
  6. 下記に示す[X]溶剤の少なくとも一種と、[Y]溶剤の少なくとも一種とをさらに含有する、請求項1~のいずれか一項に記載の液晶配向剤。
    溶剤群:
    [X]溶剤:下記式(3)で表される化合物、下記式(4)で表される化合物、及び1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン。
    [Y]溶剤:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジイソペンチルエーテル、ダイアセトンアルコール、及びプロピレングリコールモノブチルエーテル。
    Figure 0007135328000019
    (式(3)中、R11は、炭素数2~5の1価の炭化水素基、又は当該炭化水素基における炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基である。)
    Figure 0007135328000020
    (式(4)中、R12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1~6の1価の炭化水素基、若しくは当該炭化水素基の炭素-炭素結合間に「-O-」を有する1価の基であるか、又は、R12及びR13が互いに合わせられてR12及びR13が結合する窒素原子と共に構成される環構造を表す。R14は、炭素数1~6のアルキル基である。)
  7. 請求項1~のいずれか一項に記載の液晶配向剤を用いて形成された液晶配向膜。
  8. 請求項に記載の液晶配向膜を具備する液晶素子。
  9. 請求項1~のいずれか一項に記載の液晶配向剤を、印刷方式、インクジェット方式又はスリットコート方式により基板上に塗布する工程と、
    前記塗布後に前記基板を加熱する工程と、を含む、液晶配向膜の製造方法。
JP2018015213A 2018-01-31 2018-01-31 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子 Active JP7135328B2 (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018015213A JP7135328B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
CN201910057261.XA CN110093167B (zh) 2018-01-31 2019-01-22 液晶取向剂、液晶取向膜及其制造方法、以及液晶元件

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018015213A JP7135328B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019133015A JP2019133015A (ja) 2019-08-08
JP7135328B2 true JP7135328B2 (ja) 2022-09-13

Family

ID=67443741

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018015213A Active JP7135328B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP7135328B2 (ja)
CN (1) CN110093167B (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2022027233A (ja) * 2020-07-31 2022-02-10 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
KR20220056789A (ko) * 2020-10-28 2022-05-06 제이에스알 가부시끼가이샤 액정 배향제, 액정 배향막 및 그의 제조 방법, 그리고 액정 소자 및 그의 제조 방법

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007094071A (ja) 2005-09-29 2007-04-12 Dainippon Ink & Chem Inc 光配向膜用組成物および光配向膜の製造方法
WO2010074264A1 (ja) 2008-12-26 2010-07-01 日産化学工業株式会社 インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
WO2014092126A1 (ja) 2012-12-12 2014-06-19 日産化学工業株式会社 組成物、液晶配向処理剤、液晶配向膜および液晶表示素子
JP2014112197A (ja) 2012-11-07 2014-06-19 Jsr Corp 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
US20160259211A1 (en) 2015-03-05 2016-09-08 Samsung Display Co., Ltd. Curved liquid crystal display and method of manufacturing the same
JP2017102258A (ja) 2015-12-01 2017-06-08 富士フイルム株式会社 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3651614B2 (ja) * 1994-04-25 2005-05-25 大日本インキ化学工業株式会社 光学異方体の製造方法及びそれに用いる配向膜形成材料
JP6557963B2 (ja) * 2014-02-25 2019-08-14 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP6596931B2 (ja) * 2014-08-29 2019-10-30 Jsr株式会社 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP6750336B2 (ja) * 2016-06-17 2020-09-02 Jnc株式会社 重合性液晶組成物及び光学異方体

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007094071A (ja) 2005-09-29 2007-04-12 Dainippon Ink & Chem Inc 光配向膜用組成物および光配向膜の製造方法
WO2010074264A1 (ja) 2008-12-26 2010-07-01 日産化学工業株式会社 インクジェット塗布用液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP2014112197A (ja) 2012-11-07 2014-06-19 Jsr Corp 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
WO2014092126A1 (ja) 2012-12-12 2014-06-19 日産化学工業株式会社 組成物、液晶配向処理剤、液晶配向膜および液晶表示素子
US20160259211A1 (en) 2015-03-05 2016-09-08 Samsung Display Co., Ltd. Curved liquid crystal display and method of manufacturing the same
JP2017102258A (ja) 2015-12-01 2017-06-08 富士フイルム株式会社 液晶表示装置および液晶表示装置の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN110093167B (zh) 2023-09-19
CN110093167A (zh) 2019-08-06
JP2019133015A (ja) 2019-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR102236019B1 (ko) 액정 배향제, 액정 배향막 및 그의 제조 방법, 액정 소자, 그리고 중합체
JP2014052629A (ja) 光配向性ポリイミド系共重合体および液晶配向膜
JP6179261B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶表示素子
JP2018054761A (ja) 液晶素子及びその製造方法
JP7135328B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
JP7409388B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
JP7435469B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子
KR20140122175A (ko) 액정 배향제, 액정 배향막과 그의 형성방법, 위상차 필름과 그의 제조방법, 및 액정 표시 소자와 그의 제조방법
JP7322894B2 (ja) 液晶配向剤及びその製造方法、液晶配向膜並びに液晶素子
JP5728539B2 (ja) 液晶配向膜およびこれを含む液晶セル
CN111566553B (zh) 液晶取向剂、液晶取向膜、液晶元件及其制造方法
WO2020162462A1 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及びそれを用いた液晶表示素子
JP2016035500A (ja) 液晶配向剤、液晶配向剤の製造方法、液晶配向膜、液晶配向膜の製造方法、液晶表示素子、位相差フィルム、及び位相差フィルムの製造方法
WO2018016263A1 (ja) 液晶素子の製造方法
JP6617529B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び液晶配向膜の製造方法
JP7322694B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
CN111542779B (zh) 液晶取向剂、液晶取向膜及液晶元件
JP2023117826A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
CN112400135B (zh) 液晶取向剂、液晶取向膜、液晶元件及液晶元件的制造方法
JP7428177B2 (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶表示素子及びジアミン
JP7120032B2 (ja) 光配向用液晶配向剤、液晶配向膜、および液晶表示素子
JP6451941B2 (ja) 液晶配向剤および液晶表示素子
JP2022027233A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜及び液晶素子
TW202307087A (zh) 液晶配向劑、液晶配向膜、液晶元件、以及聚合體及其製造方法
JP2021101208A (ja) 液晶配向剤、液晶配向膜、液晶素子及び重合体

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200722

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210728

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210803

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210930

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220301

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220426

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220802

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220815

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7135328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150