JP6750336B2 - 重合性液晶組成物及び光学異方体 - Google Patents

重合性液晶組成物及び光学異方体 Download PDF

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Description

本発明は、重合性液晶組成物およびこれから得られる光学異方体に関する。本発明は、その光学異方体を用いた光学補償素子および光学素子にも関する。
液晶相を有する重合性液晶化合物は重合によって光学補償(optical compensation)などの機能を有する重合体を与える。これは、液晶化合物の配向が重合によって固定されるからである。このような重合体の機能を活用するために、種々の重合性液晶化合物が開発されている。しかし、1つの重合性液晶化合物では充分な機能を満たさないようである。特許文献1〜4では、幾つかの重合性液晶化合物から組成物を調製し、この組成物を重合させている。
液晶化合物の配向状態がホモジニアス配向(水平配向)、チルト配向(傾斜配向)、ホメオトロピック配向(垂直配向)またはツイスト配向(ねじれ配向)等の配向状態を示すことを、簡略化して「ホモジニアス配向を有する」、「チルト配向を有する」、「ホメオトロピック配向を有する」、「ツイスト配向を有する」などと記すことがある。
ホメオトロピック配向を有する重合体は、光軸の方向がnz方向にあり、光軸方向の屈
折率がその直交する方向の屈折率より大きいため、屈折率楕円体では、ポジティブC−プレートに分類される。非特許文献1、非特許文献2、特許文献5及び6では、黒表示時に液晶が水平配向した液晶モードいわゆるIPS(In-Plane Switching)モード等の光学補償、例えば偏光板の視野角特性の改善のために、ポジティブC−プレートを、他の光学機能を有するフィルムと組み合わせている。
上記の用途においては、重合性液晶材料はガラスまたはプラスチックなどの基材に積層される場合がある。プラスチックの基材として用いられる材料の例は、TAC(トリアセチルセルロース)、ポリカーボネート、PET、アクリル系樹脂、およびシクロオレフィン系樹脂類の重合体である。
重合性液晶化合物をホメオトロピック配向にするために、特許文献7では、基材がガラスの場合には重合性液晶化合物の構造を選択しスメクチック相を発現させている。重合性液晶化合物をホメオトロピック配向にするために、特許文献8ではガラス上に垂直配向膜としてレシチンを塗布している。特許文献1および9では、プラスチック上に配向膜を形成している。
特許文献10、11および12には、基材へ配向膜を形成しなくても、均一な重合性液晶化合物をホメオトロピック配向とする方法の記載がある。
特開平10−319408号公報 特開2004−198478号公報 特開2002−243942号公報 特開2005−196221号公報 国際公開第2005/38517号 米国特許出願公開第2006/182900号明細書 特表2000−514202号公報 特開平7−294735号公報 国際公開第2004/72699号 特開2006−126757号公報 特開2008−266550号公報 特開2008−266632号公報
M.S.Park et al, IDW '04 FMC8-4 M.Nakata et al, SID '06 P-58
本発明の目的は、基材へ配向膜を形成しなくても均一なホメオトロピック配向であり、かつ、耐熱性に優れている光学異方体を形成するための重合性液晶組成物を提供することである。更に本発明は、この重合性液晶組成物を重合して得られる光学異方体、及びこの光学異方体を用いた光学補償素子を提供することを目的とする。
発明者は、光学異方体の原料となる重合性液晶組成物に9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートを添加することで、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。本発明の重合性液晶組成物は次の[1]〜[3]項に示される。本発明の重合性液晶組成物を利用した重合性液晶層は次の[4]〜[15]項に示される。
[1] 重合性液晶化合物及び9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートを含む、重合性液晶組成物。
[2] 9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能アクリレートが下記式(A−1)または(A−2)で表される化合物である、[1] に記載の重合性液晶組成物。
Figure 0006750336

(式(A−1)および(A−2)において、Rは独立してアルキレン基を示し、Rは独立して水素原子またはメチル基であり、nは独立して0〜3の整数である。)
[3] 重合性液晶化合物が下記式(M1)〜(M3)で表される化合物の1種以上である、[1]に記載の重合性液晶組成物。
Figure 0006750336

(式(M1)、(M2)および(M3)中、
Mは、独立して、1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロ
へキセニレン、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルまたはフルオレン−2,7−ジイルから選ばれるいずれかの二価基であり、該二価基において、少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルキルエステルまたは炭素数1〜5のアルカノイルで置き換えられてもよく、
Mは、独立して、単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−
COS−、−SCO−、−OCOO−、−CONH−、−NHCO−、−CF2O−、−
OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=
CH−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=CCH3−、−CCH3=N−、−N=N−または−C≡C−であり、
Mは、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、
炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数1〜20のアルキルエステルであり、
Mは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
Qは単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
Mは独立して水素またはメチルであり、
aは0〜20の整数であり、
cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であり、かつ1≦c+d≦4の関係であり、
qは1〜4の整数である。)
[4] [1]から[3]のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物と基材からなる重合性
液晶層。
[5] 該基材がガラス基板である、[4]に記載の重合性液晶層。
[6] 該基材としてプラスチックを有し、該プラスチック面上に重合性液晶組成物を有する、[4]に記載の重合性液晶層。
[7] 該プラスチック面をラビング処理、コロナ処理またはプラズマ処理した、[6]に記載の重合性液晶層。
[8] 該プラスチックが、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはシクロオレフィン系樹脂を含む、[6]または[7]に記載の重合性液晶層。
[9] 該プラスチックが、ポリイミド、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、アクリル樹脂またはシクロオレフィン系樹脂を含む、[6]または[7]に記載の重合性液晶層。
[10] 重合性液晶層中の液晶の配向がホメオトロピック配向である、 [4]から[9]
のいずれか1項に記載の重合性液晶層。
[11] [4]から[10]のいずれか1項に記載の重合性液晶層に含まれる重合性液晶組成物を重合させて得られる液晶フィルム。
[12] [11]に記載の液晶フィルムを有する光学補償素子。
[13] [11]または[12]に記載の液晶フィルムと偏光板とを有する光学素子。
[14] [12]に記載の光学補償素子を液晶セルの壁に接して有している液晶表示装置。
[15] [13]に記載の光学素子を液晶セルの外面に有する液晶表示装置。
重合性液晶組成物に9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートを添加した本発明の重合性組成物を重合させて得られた光学異方体は、(1)基材へ配向膜を形成しなくても、均一なホメオトロピック配向となり、かつ(2)従来の光学異方体と比較して、耐熱性が高い。
実施例1で得られた光学異方体のリタデーション測定結果を示す図である。
本発明において「重合性」とは、光、熱、触媒などの手段により重合し、より分子量が大きい化合物を与える能力を有することをいう。
本発明において「重合性官能基」とは、アクリレート基その他の重合性を与える官能基をいう。
本発明において「単官能性」とは、1分子中に1つの重合性官能基を有することをいう。
本発明において「多官能性」とは、1分子中に複数の重合性官能基を有することをいう。
本発明において「液晶性」とは、液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物となりうることをいう。
本発明において「液晶化合物」とは、液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。
本発明において「重合性液晶化合物」とは、重合性を有する液晶化合物をいう。
本発明において「重合性液晶組成物」とは、液晶化合物及び重合性化合物を含む組成物ならびに重合性液晶化合物を含む組成物をいう。
本発明において「重合性液晶層」とは、基材と重合性液晶組成物からなる積層体をいう。
本発明において「液晶相」はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などの総称である。
本発明において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの総称である。
本発明において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
本発明において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
本発明において「多官能性アクリレート」とは、アクリレート基を有しておりかつ一分子中に有する重合性官能基の総数が2以上の化合物をいう。
本発明において「液晶薄膜」とは、重合性液晶組成物からなる薄膜をいう。
本発明において「液晶フィルム」とは、重合性液晶組成物から形成される光学異方体でフィルム状のものをいう。
本発明において「耐熱性」とは、高温環境下でも光学異方体のリタデーションの変化が少ないことを意味する。
式(1)で表わされる化合物を、化合物(1)と表記することがある。他の式で表される化合物についても同様の簡略化法に従って称することがある。
化合物の構造を説明する際に用いる用語「少なくとも一つの」は、位置だけでなく個数についても少なくとも一つであることを意味する。例えば、「少なくとも一つのAはB、CまたはDで置き換えられてもよい」という表現は、少なくとも一つのAがBで置き換えられる場合、少なくとも一つのAがCで置き換えられる場合および少なくとも一つのAがDで置き換えられる場合に加えて、複数のAがB〜Dの少なくとも2つで置き換えられる場合をも含むことを意味する。
化学式として、下記に示す内容の記載があった場合には、AからBへの直線は結合を意味しており、Aにおける水素が基Bで置き換えられていて、その位置は任意であることを意味している。Xは置き換えられる基Bの数を示している。Xが0の場合は、Bは存在せず、また、置き換えられていないことを示す。
Figure 0006750336
下記に示す同じ用途の液晶組成物に添加する化合物は、単独でも複数を併用しても使用できる。
〔1.重合性液晶組成物〕
本発明の重合性液晶組成物は、1分子中に1つ以上の重合性官能基を有する「重合性液晶化合物」と、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートを含む組成物である。
〔1−1.重合性液晶化合物〕
〔1.9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレート〕
9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートは、9位を2つのナフチル基で置換したフルオレン骨格を有する重合性化合物である。以下、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートのことを、カルド型フルオレンモノマーともいう。
9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートは、式(A−1)または(A−2)で表される化合物が挙げられる。
Figure 0006750336

(式(A−1)および(A−2)において、Rは独立してアルキレン基を示し、Rは独立して水素原子またはメチル基であり、nは独立して0〜3の整数である。)
式(A−1)および(A−2)において、Rのアルキレン基の炭素数は、1〜4であることが好ましく、2〜4であることがより好ましい。また、Rは水素であることが好ましい。
溶解度を考慮すると、該重合性液晶組成物中の9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートの含有量は、本発明の重合性液晶組成物の全量に対して、0.01重量%から15重量%が好ましく、0.03重量%から10重量%がより好ましい。
溶解度を考慮すると、該カルド型フルオレンモノマーは、重合性液晶化合物の全量に対し、1重量%から25重量%であることが好ましく、5重量%〜20重量%であることがより好ましい。
〔2.重合性液晶化合物〕
本発明で主として用いられる重合性液晶化合物は、重合性官能基を有する。重合性液晶化合物は、重合性液晶組成物を重合させ、重合性液晶組成物を硬化物にする。
前記の重合性官能基として、カルボキシル基、(メタ)アクリル基、エポキシ基、チオエポキシ基、メルカプト基、イソシアネート基、イソチオシアネート基、オキセタン基、チエタニル基、アジリジニル基、ピロール基、ビニル基、アリル基、フマレート基、シンナモイル基、オキサゾリン基、ヒドロキシル基、アルコキシシリル基、アミノ基などが挙げられる。硬度が増加し、重合性化合物の溶剤への溶解性が増加し、取扱いが向上するため、重合性官能基がアクリル基やメタクリル基である方が好ましい。
本発明の重合性液晶性組成物には、下記の化合物(M1)、(M2)および(M3)のいずれか一種以上が含まれてもよい。
Figure 0006750336

式(M1)、(M2)および(M3)中、
Mは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロへキ
セニレン、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルまたはフルオレン−2,7−ジイルから選ばれるいずれかの二価基であり、該二価基において、少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルまたは炭素数1〜5のアルカノイルで置き換えられてもよく、
Mは独立して単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CO
S−、−SCO−、−OCOO−、−CONH−、−NHCO−、−CF2O−、−OC
2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH
−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH3)−、−C(CH3)=N−、−N=N−または−C≡C−であり、
Mは水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、炭
素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシまたは炭素数1〜20のアルコキシカルボニルであり、
qは1〜4の整数であり、
cおよびdはそれぞれ0〜3の整数でありかつ1≦c+d≦4の関係であり、
aは0〜20の整数であり、
Mは独立して水素またはメチルであり、
Mは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
Qは単結合、−O−または−COO−である。
また、上記式(M1)、(M2)および(M3)で表される化合物において、式(M1)または(M2)で表される化合物を用いることがより好ましい。
化合物(M1)は単官能性の化合物であるため、化合物(M1)を加えた重合性液晶組成物は、液晶温度範囲、光学特性および配向性を制御しやすい。また、化合物(M1)の添加量を増やすとチルト角が高くなる傾向があり、ホメオトロピック配向を得やすくなる

化合物(M2)は2官能化合物であるため、化合物(M2)を加えた重合性液晶組成物の重合体は三次元構造となる。該重合体は化合物(M1)化合物より硬い重合体となる。
化合物(M3)は3官能化合物であるため、化合物(M3)を加えた重合性液晶組成物の重合体は、化合物(M2)を加えた重合性液晶組成物の重合体よりも硬い重合体となる。
本発明の重合性液晶組成物において、上記式(M1)、(M2)および(M3)で表される1種以上の化合物を含有させる場合、その含有量は、重合性液晶組成物全量に対して合計で3〜60重量%であることが好ましく、5〜50重量%であることがより好ましい。
式(M1)の化合物を重合性液晶組成物に含有させる場合、その含有量は、重合性液晶組成物全量に対して合計で1〜50重量%であることが好ましく、5〜40重量%であることがより好ましい。
以下、式(M1)で表される化合物の好ましい例を示す。
Figure 0006750336
Figure 0006750336

式(M1−1)〜(M1−24)において、Rは独立して水素またはメチルであり、aは独立して1〜12の整数である。
以下、式(M2)で表される化合物の好ましい例を示す。
Figure 0006750336
Figure 0006750336
Figure 0006750336

式(M2−1)〜(M2−31)において、RMは独立して水素またはメチルであり、
aは独立して1〜12の整数である。
以下、式(M3)で表される化合物の好ましい例を示す。
Figure 0006750336
Figure 0006750336

式(M3−1)〜(M3−11)において、RMは独立して水素またはメチルであり、
aは独立して1〜12の整数である。
〔3.溶剤〕
重合性液晶組成物への溶剤の添加は、重合性液晶組成物の塗布を容易にする。該溶液の溶剤として、エステル、アミド系化合物、アルコール、エーテル、グリコールモノアルキルエーテル、芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、ケトン、アセテート系溶剤などが挙げられる。
アミド系化合物とは、アミド基を有する化合物であって溶剤の成分となるものをさす。アセテート系溶剤とは、アセテート構造を有する化合物であって溶剤の成分となるものをさす。
該エステルとして、酢酸アルキル、トリフルオロ酢酸エチル、プロピオン酸アルキル、酪酸アルキル、マロン酸ジアルキル、グリコール酸アルキル、乳酸アルキル、モノアセチン、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンなどが、挙げられる。
ここでいう「酢酸アルキル」には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチルなどが挙げられる。ここでいう「プロピオン酸アルキル」には、プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチルなどが挙げられる。ここでいう「酪酸アルキル」には、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸プロピルなどが挙げられる。ここでいう「マロン酸ジアルキル」には、マロン酸ジエチルなどが挙げられる。ここでいう「グリコール酸アルキル」には、グリコール酸メチル、グリコール酸エチルなどが挙げられる。ここでいう「乳酸アルキル」には、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸n-プロピル、乳酸ブチル、乳酸エチルヘキシルなどが、挙げられる。
該アミド系化合物として、N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルプロピオンアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド、N,N−ジエチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミドジメチルア
セタール、N−メチルカプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノンなどが、挙げられる。
該アルコールとして、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロパノール、t−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ブタノール、2−エチルブタノール、n−ヘキサノール、n−ヘプタノール、n−オクタノール、1−ドデカノール、エチルヘキサノール、3、5、5−トリメチルヘキサノール、n−アミルアルコール、ヘキサフルオロ−2−プロパノール、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ヘキシレングリコール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、2,5−ヘキサンジオール、3−メチル−3−メトキシブタノール、シクロヘキサノール、メチルシクロヘキサノールなどが挙げられる。
該エーテルとして、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ビス(2−プロピル)エーテル、1,4−ジオキサン、THFなどが、挙げられる。
該グリコールモノアルキルエーテルとして、エチレングリコールモノアルキルエーテル、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、トリエチレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールメチルエチルエーテルなどが、挙げられる。
ここでいう「エチレングリコールモノアルキルエーテル」には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。ここでいう「ジエチレングリコールモノアルキルエーテル」には、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。ここでいう「プロピレングリコールモノアルキルエーテル」には、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。ここでいう「ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル」には、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。ここでいう「エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート」には、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。ここでいう「ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート」には、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。ここでいう「プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート」には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが、挙げられる。ここでいう「ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート」には、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが、挙げられる。
該芳香族炭化水素として、ベンゼン、トルエン、キシレン、メシチレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン、i−プロピルベンゼン、n−プロピルベンゼン、t−ブチルベンゼン、s−ブチルベンゼン、n−ブチルベンゼン、テトラリンなどが挙げられる。
該ハロゲン化芳香族炭化水素として、クロロベンゼンなどが挙げられる。該脂肪族炭化水素として、ヘキサン、ヘプタンなどが挙げられる。ハロゲン化脂肪族炭化水素として、ロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが挙げられる。脂環式炭化水素として、シクロヘキサン、デカリンなどが挙げられる。
該ケトンとして、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、シクロペンタノン、メチルプロピルケトンなどが挙げられる。
アセテート系溶剤として、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテートなどが挙げられる。
液晶化合物の溶解性の観点からは、アミド系化合物、芳香族炭化水素、ケトンの溶剤としての使用が好ましい。溶剤の沸点を考慮すると、エステル、アルコール、エーテル系、グリコールモノアルキルエーテルを併用した溶剤の使用が好ましい。プラスチックの基材を使用するときは、プラスチックを侵食しないため、芳香族炭化水素、ケトン、エステル、エーテル、アルコール、アセテート、グリコールモノアルキルエーテルの溶剤としての使用が好ましい。
溶解性の観点から、本発明の重合性液晶組成物中の溶剤の含有量は、重合性液晶組成物全量に対して、40重量%から97重量%が好ましく、50重量%から95重量%がより好ましい。
〔4.界面活性剤〕
界面活性剤は、イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤に分類される。非イオン性界面活性剤は、液晶重合体の平滑性を向上させる。このため、非イオン性界面活性剤の重合性液晶組成物への添加が好ましい。
非イオン性界面活性剤として、シリコーン系非イオン性界面活性剤、フッ素系非イオン性界面活性剤、ビニル系非イオン性界面活性剤、炭化水素系非イオン性界面活性剤などがある。
シリコーン系非イオン性界面活性剤として、ポリフローKL−400HF、ポリフローKL−401、ポリフローKL−402、ポリフローKL−403、ポリフローKL−404、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−342、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−370、BYK−371、BYK−375、BYK−377、BYK−378、BYK−3455、BYK−3500、BYK−3510、BYK−3530、BYK−3570、BYK−Silclean3720、TEGOFlow425などが、挙げられる。
フッ素系非イオン性界面活性剤として、例えば、BYK−340、フタージェント251、フタージェント221MH、フタージェント250、FTX−215M、FTX−218M、FTX−233M、FTX−245M、FTX−290M、FTX−209F、FTX−213F、フタージェント222F、FTX−233F、FTX−245F、FTX−208G、FTX−218G、FTX−240G、FTX−206D、フタージェント212D、FTX−218、FTX−220D、FTX−230D、FTX−240D、FTX−720C、FTX−740C、FTX−207S、FTX−211S、FTX−220S、FTX−230S、KB−L82、KB−L85、KB−L97、KB−L109、KB−L110、KB−F2L、KB−F2M、KB−F2S、KB−F3M、KB−FaMなどが、挙げられる。
炭化水素系非イオン性界面活性剤として、アクリル系ポリマーを主成分としたポリフローNo.3、ポリフローNo.50EHF、ポリフローNo.54N、ポリフローNo.75、ポリフローNo.77、ポリフローNo.85HF、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95、ポリフローNo.99C、テゴフロー370、BYK−350、BYK−352、BYK−354、BYK−355、BYK−358N、BYK−361N、BYK−380N、BYK−381、BYK−392、BYK−Silclean3700などが挙げられる。
重合性官能基を有する界面活性剤の重合性液晶組成物への添加は、重合性液晶組成物から形成される光学異方体中の、重合性液晶化合物と界面活性剤を一体化させる。重合性液晶化合物との反応性の観点から、界面活性剤中の重合性官能基は、UV反応型の官能基であることが好ましい。
湿潤剤は、重合性液晶組成物の基材への塗れ性を最適化する。湿潤剤は重合性液晶組成物の表面張力を低下させ、塗工基材への塗れ性を向上させる。湿潤剤として、ポリフローシリーズ(KL−100、KL−700、LE−604、LE−605、LE−606)、TEGO Twinシリーズ(4000)、TEGO Wetシリーズ(KL245、250、260、265、270、280、500、505、510)などが挙げられる。湿潤剤に加えて、フッ化変性ポリマーやフッ素変性アクリルポリマーを主成分とした界面活性剤を添加してもよい。該界面活性剤として、AFCONA社製の3000シリーズである3277、3700、3770などが、挙げられる。
なお、上記のポリフローおよびグラノールはどちらも共栄社化学(株)から販売されている登録商標である。
BYKはビックケミー・ジャパン(株)の登録商標である。フタージェント、FTXは(株)ネオスの登録商標である。
〔5.その他の重合性化合物〕
本発明において、「非液晶性重合性化合物」とは、重合性液晶化合物でない重合性化合物をいう。
本発明の重合性液晶組成物は、非液晶性重合性化合物を含んでもよい。
非液晶性重合性化合物として、ビニル誘導体、スチレン誘導体、(メタ)アクリル酸誘導体、オキシラン誘導体、オキセタン誘導体、ソルビン酸誘導体、フマル酸誘導体、イタコン酸誘導体などが挙げられる。非液晶性重合性化合物は、重合性官能基を1または複数有する。
非液晶性重合性化合物は、液晶相を維持できる限り添加してもよい。耐熱性の観点から、重合体が三次元構造を形成するため、非液晶性重合性化合物は、多官能性の化合物が好ましい。
単官能性の化合物である非液晶性重合性化合物として、スチレン、核置換スチレン、アクリロニトリル、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸、脂肪酸ビニル、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸、アルキルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸のアルキルエステル、ヒドロキシアルキルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸のヒドロキシアルキルエステル、アミノアルキルの炭素数が1〜18である(メタ)アクリル酸のアミノアルキルエステル、エーテル酸素含有アルキルの炭素数が3〜18である(メタ)アクリル酸のエーテル酸素含有アルキルエステル、N−ビニルアセトアミド、p−t−ブチル安息香酸ビニル、N,N−ジメチルアミノ安息香酸ビニル、安息香酸ビニル、ピバリン酸ビニル、2,2−ジメチルブタン酸ビニル、2,2−ジメチルペンタン酸ビニル、2−メチル−2−ブタン酸ビニル、プ
ロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、重合度1〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステル又はジ(メタ)アクリル酸エステル若しくは末端が炭素数1〜6のアルキル基によってキャップされた重合度1〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体であるポリアルキレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。ここでいう「脂肪酸ビニル」には、酢酸ビニルなどが挙げられる。ここでいう「α,β−エチレン性不飽和カルボン酸」には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などが挙げられる。ここでいう「エーテル酸素含有アルキルの炭素数が3〜18である(メタ)アクリル酸のエーテル酸素含有アルキルエステル」には、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステル、ブチルカルビルエステルなどが挙げられる。
重合性官能基を2つ有する非液晶性重合性化合物として、(A)1,4−ブタンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ビスフェノールA EO付加ジアクリレート、ビスフェノールAグリシジルジアクリレートおよびポリエチレングリコールジアクリレート並びに(B)これらの化合物のメタクリレート化合物などが挙げられる。ビスフェノールAグリシジルジアクリレートは、ビスコート V#700とも呼ばれる。
重合性官能基を3つ以上有する非液晶性重合性化合物として、ペンタエリストールトリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールEO付加トリアクリレート、トリスアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ペンタエリストールトリメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、トリメチロールEO付加トリメタアクリレート、トリスメタアクリロイルオキシエチルフォスフェート、トリスメタアクリロイルオキシエチル、イソシアヌレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールトリメタアクリレート、EO変性トリメチロールプロパントリメタアクリレート、PO変性トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ジペンタエリスリトールモノヒドロキシペンタメタアクリレート、アルキル変性ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、ビスコート V#802およびビスコート V#1000などが挙げられる。ここでビスコートは登録商標である。
「ビスコート」は大阪有機化学株式会社の登録商標である。
官能基が16以上のものはPerstorp Specialty Chemicalsが販売しているBoltorn H20(16官能)、Boltorn H30(32官能)、Boltorn H40(64官能)を原料にそれらをアクリル化することで得られる。「Boltorn」は、登録商標である。
ビスフェノール構造を有する非液晶性重合性化合物は、重合性液晶組成物の被膜形成能や配向均一性を補助する。
重合性ビスフェノール誘導体として、式(N−1)〜(N−6)に示す化合物が挙げられる。
Figure 0006750336
〔6.添加物〕
重合速度を最適化するために、重合開始剤を重合性液晶組成物に添加してもよい。重合開始剤として、光ラジカル開始剤が挙げられる。光ラジカル重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュアー1173)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュアー651)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュアー184)、イルガキュアー127、イルガキュアー500(イルガキュアー184とベンゾフェノンの混合物)、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー754、イルガキュアー1300、イルガキュアー819、イルガキュアー1700、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー1870、ダロキュアー4265、ダロキュアーMBF、ダロキュアーTPO、イルガキュアー784、イルガキュアー754、イルガキュアーOXE01、イルガキュア
ーOXE02、アデカアークルズN−1919、アデカアークルズNCI−831、アデカアークルズNCI−930、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などが挙げられる。
上記のダロキュアーおよびイルガキュアーはどちらもBASFジャパン(株)から販売されている登録商標であり、アデカアークルズはどちらも(株)ADEKAから販売されている登録商標である。
重合性液晶組成物への光ラジカル重合開始剤の添加量は、重合性液晶組成物に含まれる多官能性の重合性液晶化合物の総重量比で0.0001〜0.20が好ましく、0.001〜0.15がより好ましく、さらに0.01〜0.15が好ましい。
該光ラジカル重合開始剤に、増感剤を添加して使用してもよい。該増感剤として、イソプロピルチオキサントン、ジエチルチオキサントン、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエート(ダロキュアーEDB)、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート(ダロキュアーEHA)などが挙げられる。
重合性液晶組成物への連鎖移動剤の添加により、重合体の重合反応率、鎖長、機械特性を制御できる。連鎖移動剤の量を増大させると、重合反応率が低下し、ポリマー鎖の長さは減少する。連鎖移動剤として、チオール化合物やスチレンダイマーが好ましい。
連鎖移動剤となるチオール化合物として、(A)単官能性のチオールである、ドデカンチオール、2−エチルへキシル−3−メルカプトプロピオネートなど、(B)多官能性のチオールである、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(カレンズMT BD1)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(カレンズMT PE1)、および1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(カレンズMT NR1)などが挙げられる。「カレンズ」は昭和電工株式会社の登録商標である。
連鎖移動剤となるスチレンダイマーとして、2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、2,4−ジフェニル−1−ブテンなどが挙げられる。
保存時の重合性液晶組成物への重合防止剤の添加は、重合開始を防止する。該重合防止剤は、2,5−ジ(t−ブチル)ヒドロキシトルエン、ハイドロキノン、メチレンブルー、ジフェニルピクリン酸ヒドラジド、フェノチアジン、ニトロソ化合物、o−ヒドロキシベンゾフェノン、ベンゾチアジン誘導体などが挙げられる。該ニトロソ化合物として、N,N−ジメチル−4−ニトロソアニリンなどが挙げられる。該ベンゾチアジン誘導体として2H−1,3−ベンゾチアジン−2,4−(3H)ジオンなどが挙げられる。
重合性液晶組成物への重合阻害剤の添加は、重合性液晶組成物の保存性を向上させる。重合性液晶組成物内で発生したラジカルは、重合性化合物中の重合反応を促進する。重合
阻害剤は、重合性化合物中の重合反応を阻害する。該重合阻害剤として、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤が挙げられる。
重合性液晶組成物への、紫外線吸収剤、光安定剤(ラジカル捕捉剤)および酸化防止剤などの添加は、重合性液晶組成物の耐候性を向上させる。
該紫外線吸収剤として、チヌビンPS、チヌビンP、チヌビン99−2、チヌビン109、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン328、チヌビン329、チヌビン384−2、チヌビン571、チヌビン900、チヌビン928、チヌビン1130、チヌビン400、チヌビン405、チヌビン460、チヌビン479、チヌビン5236、アデカスタブLA−32、アデカスタブLA−34、アデカスタブLA−36、アデカスタブLA−31、アデカスタブ1413、アデカスタブLA−51などが挙げられる。ここで、チヌビン及びアデカスタブは、登録商標である。
該光安定剤として、チヌビン111FDL、チヌビン123、チヌビン144、チヌビン152、チヌビン292、チヌビン622、チヌビン770、チヌビン765、チヌビン780、チヌビン905、チヌビン5100、チヌビン5050、5060、チヌビン5151、キマソーブ119FL、キマソーブ944FL、キマソーブ944LD、アデカスタブLA−52、アデカスタブLA−57、アデカスタブLA−62、アデカスタブLA−67、アデカスタブLA−63P、アデカスタブLA−68LD、アデカスタブLA−77、アデカスタブLA−82、アデカスタブLA−87、サイテック社製のサイアソーブUV−3346およびグッドリッチ社のグッドライトUV−3034などが挙げられる。ここで、チヌビン、キマソーブおよびアデカスタブは、登録商標である。
該酸化防止剤として、アデカスタブAO−20、AO−30、AO−40、AO−50、AO−60、AO−80、スミライザーBHT、スミライザーBBM−SおよびスミライザーGA−80、Irganox1076、Irganox1010、Irganox3114、Irganox245などが挙げられる。ここで、アデカスタブ、スミライザーおよびIrganoxは、登録商標である。
重合性液晶組成物へのシランカップリング剤の添加は、基材と重合体との間の密着性を改善する。該シランカップリング剤として、ビニルトリアルコキシシシラン、3−イソシアネートプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピルトリアルコキシシラン、N−(1,3-ジメチルブチリデン)−3−(トリアルコキシシリ
ル)−1−プロパンアミン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−クロロトリアルコキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランなどが挙げられる。また、重合性液晶組成物への、該シランカップリング剤中のアルコキシシラン基を1つ以上メチルに置き換えたシランカップリング剤の添加も、該密着性を改善する。
〔光学異方体〕
本発明の光学異方体は、以下の工程で得る。
(1)重合性液晶組成物を基材上に塗布して、塗膜を形成する。
(2)該塗膜に光照射して重合性液晶組成物を重合させ、塗膜中の重合性液晶組成物が液晶状態で形成する配向を固定化する。
該プラスチックの基材として、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、ト
リアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シクロオレフィン系樹脂などが挙げられる。
シクロオレフィン系樹脂として、ノルボルネン系樹脂、ジシクロペンタジエン系樹脂等が挙げられる。不飽和結合を有さない又は不飽和結合が水素添加された、シクロオレフィン系樹脂が、好ましい。不飽和結合を有さない又は不飽和結合が水素添加された、シクロオレフィン系樹脂として、1種又は2種以上のノルボルネン系モノマーの開環(共)重合体の水素添加物、1種又は2種以上のノルボルネン系モノマーの付加(共)重合体、ノルボルネン系モノマーとオレフィン系モノマーとの付加共重合体、ノルボルネン系モノマーとシクロオレフィン系モノマーとの付加共重合体、これらの変性物等が挙げられる。ここで、オレフィン系モノマーとして、エチレン、α−オレフィンなどが、挙げられる。ここで、シクロオレフィン系モノマーとして、シクロペンテン、シクロオクテン、5,6−ジヒドロジシクロペンタジエンなどが挙げられる。シクロオレフィン系樹脂は、ZEONEX、ZEONOR(共に登録商標、日本ゼオン(株)製)、ARTON(登録商標、JSR(株)製)、TOPAS(登録商標、ティコナ社製)、APEL(登録商標、三井化学(株)製)、エスシーナ(登録商標、積水化学工業(株)製)、OPTOREZ(登録商標、日立化成(株)製)として、入手可能である。
基材として、プラスチックからなる、一軸延伸フィルムまたは二軸延伸フィルムが利用できる。これらのフィルムは、コロナ処理もしくはプラズマ処理などの親水化処理または疎水化処理などの表面処理を施したものであってもよい。密着性の観点から、コロナ処理あるいはプラズマ処理が好ましく、プラズマ処理がより好ましい。プラズマ処理は、特開2002−226616号公報、特開2002−121648号公報などに記載がある。基材へのアンカーコート層の形成は、液晶フィルムとプラスチックフィルムとの密着性を改良する。該アンカーコート層は、無機系材料、有機系材料のいずれであっても何ら問題はない。該プラスチックフィルムは積層フィルムであってもよい。基材として、表面にスリット状の溝をつけた金属及び表面をスリット状にエッチング加工したガラスなどが挙げられる。該金属はアルミニウム、鉄、銅などが挙げられる。該ガラスは、アルカリガラス、ホウ珪酸ガラス、フリントガラスなどが挙げられる。
基材上にホモジニアス配向およびチルト配向の液晶重合体を形成する場合は、重合性液晶組成物を基材に塗布する前に、基材に対し表面処理を行い、液晶重合体の配向を誘導する。該表面処理として、(a)基材に対しラビング、(b)基材に対し酸化ケイ素を傾斜蒸着、(c)基材に対し重合体被膜を設け該重合体被膜に偏光UVを照射するなどの方法が挙げられる
以下の手順は、該ラビングの一例である。
(1)レーヨン、綿、ポリアミドなどの素材からなるラビング布を金属ロールなどに捲き付け、
(2)基材に該金属ロールのラビング布を接させ、
(3)該金属ロールを回転させながら基材表面と平行に該金属ロールを移動させる、又は該金属ロールを固定したまま基材を移動させる。
ラビングの前に、基材上に重合体の被膜を設け、該被膜上をラビングしてもよい。
ラビングにより、液晶重合体の配向の欠陥などを防止できる。
基材上の重合性液晶組成物の膜厚の均一にするため、塗布方法として、スピンコート法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、ワイヤーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、メニスカスコート法およびダイコート法が好ましい。
せん断応力をかけながら重合性液晶組成物を塗布するため、ワイヤーバーコート法は、基材上にホモジニアス配向およびチルト配向の液晶重合体を形成するためのラビングが不要となる。
基材上に光学異方体を形成させるために、該乾燥中の、熱処理が好ましい。ホットプレート、乾燥炉並びに温風又は熱風の吹き付けなどで、該熱処理が可能である。
本発明の液晶重合体を得るために、電子線、紫外線、可視光線、赤外線などの手段を利用できる。液晶重合体を得るために照射する光の波長の範囲は150〜500nmである。好ましい範囲は250〜450nmであり、より好ましい範囲は300〜400nmである。
該光の光源として、低圧水銀ランプ、高圧放電ランプ、ショートアーク放電ランプが利用できる。該低圧水銀ランプとして、殺菌ランプ、蛍光ケミカルランプ、ブラックライトなどが挙げられる。該高圧放電ランプとして、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプなどが、挙げられる。該ショートアーク放電ランプとして、超高圧水銀ランプ、キセノンランプ、水銀キセノンランプなどが挙げられる。
光源と重合性液晶層との間にフィルターなどを設置して特定の波長領域のみを通すことにより、照射光源の波長領域を選択できる。重合性の観点から、光源から照射する光量は、塗膜面に対し2〜5000mJ/cm2が好ましく、10〜3000mJ/cm2がより好ましく、100〜2000mJ/cm2がさらに好ましい。硬化性を向上させる観点か
ら、該塗膜への光照射時の雰囲気は、窒素などの不活性ガスで満たされていることが好ましい。
求められるレターデーション又は求められる複屈折率によって、液晶重合体の厚さが決定される。液晶重合体の厚さは、0.05〜100μmが好ましく、0.1〜50μmがより好ましく、0.5〜20μmがさらに好ましい。液晶重合体のヘイズ値は、2.0%以下が好ましく、1.0%以下がより好ましい。液晶重合体の可視光領域での透過率は、80%以上が好ましく、90%以上がより好ましい。
本発明の重合性液晶組成物を用いて得られる光学異方体は、上記で示される低いヘイズ値を有することが期待できる。
光学異方体を偏光板などと一体化させ、光学素子としても使用することができる。セルに充填された液晶への不純物の溶出がないかまたは少ないため、光学補償素子としての光学異方体は、液晶セルの内部に配置できる。例えば、特開2008−019434号公報に開示されている方法を応用し、カラーフィルター上に本発明の重合性液晶層を形成すると、カラーフィルターの機能が向上する。吸収型の偏光板および反射型の偏光板は、光学異方体を一体化させる偏光板として、光学補償向け光学素子の材料になる。吸収型の偏光板として、ヨウ素をドープした偏光板などが挙げられる。反射型の偏光板として、ワイヤーグリッド偏光板などが挙げられる。
上記の光学補償素子が液晶セルの壁に接している状態のものを液晶表示装置として用いることができる。また、上記の光学素子が液晶セルの外面に存在するものも液晶表示装置として用いることができる。
本実施例は、本発明の範囲を限定するものではない。
「ガラス基板」とは、Corning社製のEagle XGを指す。
「ポリイミド基板」とは、ガラス基板上にJNC(株)製のリクソンアライナー(商標)PIA−5370を塗布し、80℃で3分間乾燥し、230℃で30分焼成し得られたポリイミド膜を有する基板を指す。
「TAC基板」とは、TACPHAN(商標)である、厚みが80μmのトリアセチル
セルロースフィルムを指す。
「COP基板」とは、ZEONOR(商標)フィルム/ZEONOR(商標)1600Rに、表面の親水化処理を行った物を指す。ZEONOR(商標)フィルム/ZEONOR(商
標)1600Rは、日本ゼオン(株)製のシクロオレフィン系ポリマーフィルムである。
該親水化処理は、常圧プラズマ表面処理装置(AP−T02−L)で行った。親水化処理は、特開2002−226616号公報記載の方法で行った。25℃におけるCOP基板と純水との接触角は30°であった。該接触角の計測は、協和界面化学株式会社製の接触角計CA−Aで計測した。
〔配向性の確認〕
配向性の確認は以下の手順で行った。
(1)光学異方体付きの基材を、クロスニコルに配置した2枚の偏光板内に挟持させた。
(2)該基材を、正面の方向から観察し、光り抜けの有無を確認した。光り抜けが目視で観察されないとき、該光学異方体の配向性は、「良好」と判断した。光り抜けが目視で観察されるとき、該光学異方体の配向性は、「不良」と判断した。
(3)(イ)正面から観察したとき光り抜けを除いて暗視野となり、かつ(ロ)上、下、左及び右から観察したときいずれも明視野となったときは、該光学異方体は、「ホメオトロピック配向」と判断した。
〔偏光解析装置による測定〕
シンテック(株)製のOPTIPRO偏光解析装置で、リタデーションを計測した。光学異方体付きの基材に対して、波長550nmの偏光を照射した。
偏光の照射角は、5度刻みで計測した。該偏光の照射角は、フィルム面の法線方向を0度としたとき、−50度から0度までおよび0度から50度までである。リタデーションは、Δn×dの関係がある。なお、Δnは光学異方性であり、dは光学異方体内を通過する測定光の光路長である。
〔耐熱性の評価〕
耐熱性の評価は以下の手順で行った。
(1)光学異方体付きの基材のリタデーションを、入射角+40度の測定光で計測し、Re1とした。
(2)該基材を200℃のオーブン内で30分間焼成した。
(3)焼成後の光学異方体付きの基材のリタデーションを、入射角+40度の測定光で計測し、Re2とした。
(4)Re2/Re1の数値より耐熱性を評価した。該数値が1に近いほど耐熱性が良好であり、該数値が0に近いほど耐熱性が不良である。
該光学異方体の膜厚は、微細形状測定装置で測定した。
該微細形状測定装置は、KLA TENCOR(株)のアルファステップIQである。
ガラス基板上の光学異方体の厚みは、光学異方体付きのガラス基板から、液晶フィルム部分を削って、光学異方体を抜き出して測定した。
Figure 0006750336
Figure 0006750336
化合物(M1−12−1)は、Macromolecules, 26, 6132-6134(1993) に記載の方法と同様にして合成した。
化合物(M2−1−1)はMakromol. Chem., 190, 3201-3215 (1998) に記載の方法に
従って合成した。
化合物(M2−22−1)は特開2003−238491号公報に記載の方法で合成した。
化合物(B−1)は、常州強力電子新材料株式会社製TR−FR301を用いた。
化合物(A−1−1)は、特開2012−206968号公報に記載の方法に従って合成した。
〔組成物1の調製〕
化合物(A−1−1)を10重量部、化合物(M2−1−1)を33重量部、化合物(M2−22−1)を32重量部、化合物(M1−12−1)を35重量部、イルガキュアー(商標)907を5重量部、ポリフローNo.99Cを0.25重量部、Irganox1076を0.1重量部、それぞれ秤量し、シクロペンタノンの400重量部と混合し、40℃で1時間加熱した。その後、該混合物を孔径が0.1μmのメンブランフィルターでろ過して組成物1と名づけた。
〔組成物2〜4の調製〕
表1に記載の重量比で混合し、組成物1の調製方法と同様のプロセスを経て、組成物2〜4を得た。乾燥温度を除く表1中の数値は、これらの組成物の材料の重量比である。表1中の数値が0のときは、加えなかったことを示す。
〔実施例1〕
光学異方体を以下の手順で作成した。
(1)組成物1を、1000rpm、15秒で、ガラス基板上にスピンコートし、
(2)60℃で、3分間、乾燥し、
(3)25℃、50%rhで、3分放置し、実施例1とした。
(4)25℃、50%rhで、超高圧水銀灯で、90mW/cm2の365nmのUV光
を5.6秒照射した。
該超高圧水銀灯は、ウシオ電機社製の消費電力500Wのものを使用した。
該光学異方体の膜厚は1.0μmであった。該光学異方体の配向性は、良好であった。図1に偏光解析装置による測定結果を示した。
表1に、それぞれの実施例および比較例の耐熱性および配向性を記載した。表1中の乾燥温度と耐熱性を除いて、実施例ごと数値は、それぞれの組成物を構成する材料の重量比を示す。本発明で確認した該基材上の光学異方体は、すべて、ホメオトロピック配向であった。
Figure 0006750336
実施例および比較例の結果から、本発明の重合性液晶組成物を用いて得られた光学異方体は、いずれも良好なホメオトロピック配向を有し、さらに耐熱性に優れていることが確認できた。
本発明の重合性液晶組成物から、基材へ配向膜を形成しなくても、均一なホメオトロピック配向を形成でき、かつ、耐熱性の優れた光学異方体を作成することができる。また、該重合性液晶組成物から液晶フィルムを作成できる。該液晶フィルムは、光学補償素子をはじめとする光学素子の材料となる。

Claims (14)

  1. 重合性液晶化合物及び9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートを含む、重合性液晶組成物であって、
    前記9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能アクリレートが、下記式(A−1)または(A−2)で表される化合物である、重合性液晶組成物。
    Figure 0006750336
    (式(A−1)および(A−2)において、Rは独立してアルキレン基を示し、Rは独立して水素原子またはメチル基であり、nは独立して0〜3の整数である。)
  2. 重合性液晶化合物が、下記式(M1)〜(M3)で表される化合物のいずれか一種以上である、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
    Figure 0006750336
    (式(M1)、(M2)および(M3)中、
    Mは、独立して、1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロ
    へキセニレン、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルまたはフルオレン−2,7−ジイルから選ばれるいずれかの二価基であり、該二価基において、少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルキルエステルまたは炭素数1〜5のアルカノイルで置き換えられてもよく、
    Mは、独立して、単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−
    COS−、−SCO−、−OCOO−、−CONH−、−NHCO−、−CF2O−、−
    OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=
    CH−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=CCH3−、−CCH3=N−、−N=N−または−C≡C−であり、
    Mは、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、
    炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数1〜20のアルキルエステルであり、
    Mは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
    Qは単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
    Mは独立して水素またはメチルであり、
    aは0〜20の整数であり、
    cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であり、かつ1≦c+d≦4の関係であり、
    qは1〜4の整数である。)
  3. 請求項1または2に記載の重合性液晶組成物と基材からなる重合性液晶層。
  4. 該基材がガラス基板である、請求項に記載の重合性液晶層。
  5. 該基材としてプラスチックを有し、該プラスチック面上に重合性液晶組成物を有する、請求項に記載の重合性液晶層。
  6. 該プラスチック面をラビング処理、コロナ処理またはプラズマ処理した、請求項に記載の重合性液晶層。
  7. 該プラスチックが、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはシクロオレフィン系樹脂を含む、請求項またはに記載の重合性液晶層。
  8. 該プラスチックが、ポリイミド、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、アクリル樹脂またはシクロオレフィン系樹脂を含む、請求項またはに記載の重合性液晶層。
  9. 重合性液晶層中の液晶の配向がホメオトロピック配向である、請求項のいずれか1項に記載の重合性液晶層。
  10. 請求項のいずれか1項に記載の重合性液晶層に含まれる重合性液晶組成物を重合させて得られる液晶フィルム。
  11. 請求項10に記載の液晶フィルムを有する光学補償素子。
  12. 請求項10または11に記載の液晶フィルムと偏光板とを有する光学素子。
  13. 請求項11に記載の光学補償素子を液晶セルの壁に接して有している液晶表示装置。
  14. 請求項12に記載の光学素子を液晶セルの外面に有する液晶表示装置。
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