JP6750336B2 - 重合性液晶組成物及び光学異方体 - Google Patents
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Description
折率がその直交する方向の屈折率より大きいため、屈折率楕円体では、ポジティブC−プレートに分類される。非特許文献1、非特許文献2、特許文献5及び6では、黒表示時に液晶が水平配向した液晶モードいわゆるIPS(In-Plane Switching)モード等の光学補償、例えば偏光板の視野角特性の改善のために、ポジティブC−プレートを、他の光学機能を有するフィルムと組み合わせている。
[2] 9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能アクリレートが下記式(A−1)または(A−2)で表される化合物である、[1] に記載の重合性液晶組成物。
(式(A−1)および(A−2)において、R1は独立してアルキレン基を示し、R2は独立して水素原子またはメチル基であり、nは独立して0〜3の整数である。)
[3] 重合性液晶化合物が下記式(M1)〜(M3)で表される化合物の1種以上である、[1]に記載の重合性液晶組成物。
(式(M1)、(M2)および(M3)中、
AMは、独立して、1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロ
へキセニレン、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルまたはフルオレン−2,7−ジイルから選ばれるいずれかの二価基であり、該二価基において、少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルキルエステルまたは炭素数1〜5のアルカノイルで置き換えられてもよく、
ZMは、独立して、単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−
COS−、−SCO−、−OCOO−、−CONH−、−NHCO−、−CF2O−、−
OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=
CH−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=CCH3−、−CCH3=N−、−N=N−または−C≡C−であり、
XMは、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、
炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数1〜20のアルキルエステルであり、
YMは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
Qは単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
RMは独立して水素またはメチルであり、
aは0〜20の整数であり、
cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であり、かつ1≦c+d≦4の関係であり、
qは1〜4の整数である。)
[4] [1]から[3]のいずれか1項に記載の重合性液晶組成物と基材からなる重合性
液晶層。
[5] 該基材がガラス基板である、[4]に記載の重合性液晶層。
[6] 該基材としてプラスチックを有し、該プラスチック面上に重合性液晶組成物を有する、[4]に記載の重合性液晶層。
[7] 該プラスチック面をラビング処理、コロナ処理またはプラズマ処理した、[6]に記載の重合性液晶層。
[8] 該プラスチックが、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはシクロオレフィン系樹脂を含む、[6]または[7]に記載の重合性液晶層。
[9] 該プラスチックが、ポリイミド、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、アクリル樹脂またはシクロオレフィン系樹脂を含む、[6]または[7]に記載の重合性液晶層。
[10] 重合性液晶層中の液晶の配向がホメオトロピック配向である、 [4]から[9]
のいずれか1項に記載の重合性液晶層。
[11] [4]から[10]のいずれか1項に記載の重合性液晶層に含まれる重合性液晶組成物を重合させて得られる液晶フィルム。
[12] [11]に記載の液晶フィルムを有する光学補償素子。
[13] [11]または[12]に記載の液晶フィルムと偏光板とを有する光学素子。
[14] [12]に記載の光学補償素子を液晶セルの壁に接して有している液晶表示装置。
[15] [13]に記載の光学素子を液晶セルの外面に有する液晶表示装置。
本発明において「重合性官能基」とは、アクリレート基その他の重合性を与える官能基をいう。
本発明において「単官能性」とは、1分子中に1つの重合性官能基を有することをいう。
本発明において「多官能性」とは、1分子中に複数の重合性官能基を有することをいう。
本発明において「液晶性」とは、液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物となりうることをいう。
本発明において「液晶化合物」とは、液晶相を有する化合物および液晶相を有しないが液晶組成物の成分として有用な化合物の総称である。
本発明において「重合性液晶化合物」とは、重合性を有する液晶化合物をいう。
本発明において「重合性液晶組成物」とは、液晶化合物及び重合性化合物を含む組成物ならびに重合性液晶化合物を含む組成物をいう。
本発明において「重合性液晶層」とは、基材と重合性液晶組成物からなる積層体をいう。
本発明において「液晶相」はネマチック相、スメクチック相、コレステリック相などの総称である。
本発明において「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの総称である。
本発明において「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸の総称である。
本発明において「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。
本発明において「多官能性アクリレート」とは、アクリレート基を有しておりかつ一分子中に有する重合性官能基の総数が2以上の化合物をいう。
本発明において「液晶薄膜」とは、重合性液晶組成物からなる薄膜をいう。
本発明において「液晶フィルム」とは、重合性液晶組成物から形成される光学異方体でフィルム状のものをいう。
本発明において「耐熱性」とは、高温環境下でも光学異方体のリタデーションの変化が少ないことを意味する。
式(1)で表わされる化合物を、化合物(1)と表記することがある。他の式で表される化合物についても同様の簡略化法に従って称することがある。
〔1.重合性液晶組成物〕
本発明の重合性液晶組成物は、1分子中に1つ以上の重合性官能基を有する「重合性液晶化合物」と、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートを含む組成物である。
〔1.9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレート〕
9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートは、9位を2つのナフチル基で置換したフルオレン骨格を有する重合性化合物である。以下、9,9−ビスアリールフルオレン骨格を有する多官能性アクリレートのことを、カルド型フルオレンモノマーともいう。
(式(A−1)および(A−2)において、R1は独立してアルキレン基を示し、R2は独立して水素原子またはメチル基であり、nは独立して0〜3の整数である。)
溶解度を考慮すると、該カルド型フルオレンモノマーは、重合性液晶化合物の全量に対し、1重量%から25重量%であることが好ましく、5重量%〜20重量%であることがより好ましい。
本発明で主として用いられる重合性液晶化合物は、重合性官能基を有する。重合性液晶化合物は、重合性液晶組成物を重合させ、重合性液晶組成物を硬化物にする。
式(M1)、(M2)および(M3)中、
AMは独立して1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロへキ
セニレン、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルまたはフルオレン−2,7−ジイルから選ばれるいずれかの二価基であり、該二価基において、少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルコキシカルボニルまたは炭素数1〜5のアルカノイルで置き換えられてもよく、
ZMは独立して単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−CO
S−、−SCO−、−OCOO−、−CONH−、−NHCO−、−CF2O−、−OC
F2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=CH
−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=C(CH3)−、−C(CH3)=N−、−N=N−または−C≡C−であり、
XMは水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、炭
素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシまたは炭素数1〜20のアルコキシカルボニルであり、
qは1〜4の整数であり、
cおよびdはそれぞれ0〜3の整数でありかつ1≦c+d≦4の関係であり、
aは0〜20の整数であり、
RMは独立して水素またはメチルであり、
YMは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
Qは単結合、−O−または−COO−である。
。
化合物(M2)は2官能化合物であるため、化合物(M2)を加えた重合性液晶組成物の重合体は三次元構造となる。該重合体は化合物(M1)化合物より硬い重合体となる。
化合物(M3)は3官能化合物であるため、化合物(M3)を加えた重合性液晶組成物の重合体は、化合物(M2)を加えた重合性液晶組成物の重合体よりも硬い重合体となる。
本発明の重合性液晶組成物において、上記式(M1)、(M2)および(M3)で表される1種以上の化合物を含有させる場合、その含有量は、重合性液晶組成物全量に対して合計で3〜60重量%であることが好ましく、5〜50重量%であることがより好ましい。
式(M1)の化合物を重合性液晶組成物に含有させる場合、その含有量は、重合性液晶組成物全量に対して合計で1〜50重量%であることが好ましく、5〜40重量%であることがより好ましい。
重合性液晶組成物への溶剤の添加は、重合性液晶組成物の塗布を容易にする。該溶液の溶剤として、エステル、アミド系化合物、アルコール、エーテル、グリコールモノアルキルエーテル、芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、ハロゲン化脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、ケトン、アセテート系溶剤などが挙げられる。
アミド系化合物とは、アミド基を有する化合物であって溶剤の成分となるものをさす。アセテート系溶剤とは、アセテート構造を有する化合物であって溶剤の成分となるものをさす。
ここでいう「酢酸アルキル」には、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル、酢酸3−メトキシブチル、酢酸イソブチル、酢酸ペンチル、酢酸イソペンチルなどが挙げられる。ここでいう「プロピオン酸アルキル」には、プロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル、プロピオン酸プロピル、プロピオン酸ブチルなどが挙げられる。ここでいう「酪酸アルキル」には、酪酸メチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、酪酸イソブチル、酪酸プロピルなどが挙げられる。ここでいう「マロン酸ジアルキル」には、マロン酸ジエチルなどが挙げられる。ここでいう「グリコール酸アルキル」には、グリコール酸メチル、グリコール酸エチルなどが挙げられる。ここでいう「乳酸アルキル」には、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸イソプロピル、乳酸n-プロピル、乳酸ブチル、乳酸エチルヘキシルなどが、挙げられる。
セタール、N−メチルカプロラクタム、ジメチルイミダゾリジノンなどが、挙げられる。
ここでいう「エチレングリコールモノアルキルエーテル」には、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。ここでいう「ジエチレングリコールモノアルキルエーテル」には、ジエチレングリコールモノエチルエーテルなどが挙げられる。ここでいう「プロピレングリコールモノアルキルエーテル」には、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられる。ここでいう「ジプロピレングリコールモノアルキルエーテル」には、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルなどが挙げられる。ここでいう「エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート」には、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられる。ここでいう「ジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート」には、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられる。ここでいう「プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート」には、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテートおよびプロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが、挙げられる。ここでいう「ジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート」には、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが、挙げられる。
該ハロゲン化芳香族炭化水素として、クロロベンゼンなどが挙げられる。該脂肪族炭化水素として、ヘキサン、ヘプタンなどが挙げられる。ハロゲン化脂肪族炭化水素として、ロロホルム、ジクロロメタン、四塩化炭素、ジクロロエタン、トリクロロエチレン、テトラクロロエチレンなどが挙げられる。脂環式炭化水素として、シクロヘキサン、デカリンなどが挙げられる。
アセテート系溶剤として、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、アセト酢酸メチル、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、1,4−ブタンジオールジアセテート、1,3−ブチレングリコールジアセテートなどが挙げられる。
界面活性剤は、イオン性界面活性剤または非イオン性界面活性剤に分類される。非イオン性界面活性剤は、液晶重合体の平滑性を向上させる。このため、非イオン性界面活性剤の重合性液晶組成物への添加が好ましい。
シリコーン系非イオン性界面活性剤として、ポリフローKL−400HF、ポリフローKL−401、ポリフローKL−402、ポリフローKL−403、ポリフローKL−404、BYK−300、BYK−302、BYK−306、BYK−307、BYK−310、BYK−315、BYK−320、BYK−322、BYK−323、BYK−325、BYK−330、BYK−331、BYK−333、BYK−337、BYK−341、BYK−342、BYK−344、BYK−345、BYK−346、BYK−347、BYK−348、BYK−349、BYK−370、BYK−371、BYK−375、BYK−377、BYK−378、BYK−3455、BYK−3500、BYK−3510、BYK−3530、BYK−3570、BYK−Silclean3720、TEGOFlow425などが、挙げられる。
本発明において、「非液晶性重合性化合物」とは、重合性液晶化合物でない重合性化合物をいう。
本発明の重合性液晶組成物は、非液晶性重合性化合物を含んでもよい。
非液晶性重合性化合物として、ビニル誘導体、スチレン誘導体、(メタ)アクリル酸誘導体、オキシラン誘導体、オキセタン誘導体、ソルビン酸誘導体、フマル酸誘導体、イタコン酸誘導体などが挙げられる。非液晶性重合性化合物は、重合性官能基を1または複数有する。
非液晶性重合性化合物は、液晶相を維持できる限り添加してもよい。耐熱性の観点から、重合体が三次元構造を形成するため、非液晶性重合性化合物は、多官能性の化合物が好ましい。
ロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、2−エチル−2−メチルブタン酸ビニル、ジシクロペンタニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニルオキシルエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、ジメチルアダマンチル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−アクリロイロキシエチルコハク酸、2−アクリロイロキシエチルヘキサヒドロフタル酸、2−アクリロイロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチル−2−ヒドロキシエチルフタル酸、2−アクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、2−メタクリロイロキシエチルアシッドフォスフェート、重合度1〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ル、エチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体等のポリアルキレレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステル又はジ(メタ)アクリル酸エステル若しくは末端が炭素数1〜6のアルキル基によってキャップされた重合度1〜100のポリエチレングリコ−ル、ポリプロピレングリコ−ルおよびエチレンオキシドとプロピレンオキシドとの共重合体であるポリアルキレングリコ−ルのモノ(メタ)アクリル酸エステルなどが挙げられる。ここでいう「脂肪酸ビニル」には、酢酸ビニルなどが挙げられる。ここでいう「α,β−エチレン性不飽和カルボン酸」には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタコン酸などが挙げられる。ここでいう「エーテル酸素含有アルキルの炭素数が3〜18である(メタ)アクリル酸のエーテル酸素含有アルキルエステル」には、メトキシエチルエステル、エトキシエチルエステル、メトキシプロピルエステル、メチルカルビルエステル、エチルカルビルエステル、ブチルカルビルエステルなどが挙げられる。
「ビスコート」は大阪有機化学株式会社の登録商標である。
官能基が16以上のものはPerstorp Specialty Chemicalsが販売しているBoltorn H20(16官能)、Boltorn H30(32官能)、Boltorn H40(64官能)を原料にそれらをアクリル化することで得られる。「Boltorn」は、登録商標である。
重合速度を最適化するために、重合開始剤を重合性液晶組成物に添加してもよい。重合開始剤として、光ラジカル開始剤が挙げられる。光ラジカル重合開始剤として、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(ダロキュアー1173)、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(イルガキュアー651)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュアー184)、イルガキュアー127、イルガキュアー500(イルガキュアー184とベンゾフェノンの混合物)、イルガキュアー2959、イルガキュアー907、イルガキュアー369、イルガキュアー379、イルガキュアー754、イルガキュアー1300、イルガキュアー819、イルガキュアー1700、イルガキュアー1800、イルガキュアー1850、イルガキュアー1870、ダロキュアー4265、ダロキュアーMBF、ダロキュアーTPO、イルガキュアー784、イルガキュアー754、イルガキュアーOXE01、イルガキュア
ーOXE02、アデカアークルズN−1919、アデカアークルズNCI−831、アデカアークルズNCI−930、p−メトキシフェニル−2,4−ビス(トリクロロメチル)トリアジン、2−(p−ブトキシスチリル)−5−トリクロロメチル−1,3,4−オキサジアゾール、9−フェニルアクリジン、9,10−ベンズフェナジン、ベンゾフェノン/ミヒラーズケトン混合物、ヘキサアリールビイミダゾール/メルカプトベンズイミダゾール混合物、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2,4−ジエチルキサントン/p−ジメチルアミノ安息香酸メチル混合物、ベンゾフェノン/メチルトリエタノールアミン混合物などが挙げられる。
阻害剤は、重合性化合物中の重合反応を阻害する。該重合阻害剤として、フェノール系酸化防止剤、イオウ系酸化防止剤、リン酸系酸化防止剤が挙げられる。
該紫外線吸収剤として、チヌビンPS、チヌビンP、チヌビン99−2、チヌビン109、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン328、チヌビン329、チヌビン384−2、チヌビン571、チヌビン900、チヌビン928、チヌビン1130、チヌビン400、チヌビン405、チヌビン460、チヌビン479、チヌビン5236、アデカスタブLA−32、アデカスタブLA−34、アデカスタブLA−36、アデカスタブLA−31、アデカスタブ1413、アデカスタブLA−51などが挙げられる。ここで、チヌビン及びアデカスタブは、登録商標である。
ル)−1−プロパンアミン、3−グリシドキシプロピルトリアルコキシシラン、3−クロロトリアルコキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリアルコキシシランなどが挙げられる。また、重合性液晶組成物への、該シランカップリング剤中のアルコキシシラン基を1つ以上メチルに置き換えたシランカップリング剤の添加も、該密着性を改善する。
本発明の光学異方体は、以下の工程で得る。
(1)重合性液晶組成物を基材上に塗布して、塗膜を形成する。
(2)該塗膜に光照射して重合性液晶組成物を重合させ、塗膜中の重合性液晶組成物が液晶状態で形成する配向を固定化する。
該プラスチックの基材として、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、ト
リアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、シクロオレフィン系樹脂などが挙げられる。
以下の手順は、該ラビングの一例である。
(1)レーヨン、綿、ポリアミドなどの素材からなるラビング布を金属ロールなどに捲き付け、
(2)基材に該金属ロールのラビング布を接させ、
(3)該金属ロールを回転させながら基材表面と平行に該金属ロールを移動させる、又は該金属ロールを固定したまま基材を移動させる。
ラビングの前に、基材上に重合体の被膜を設け、該被膜上をラビングしてもよい。
ラビングにより、液晶重合体の配向の欠陥などを防止できる。
せん断応力をかけながら重合性液晶組成物を塗布するため、ワイヤーバーコート法は、基材上にホモジニアス配向およびチルト配向の液晶重合体を形成するためのラビングが不要となる。
ら、該塗膜への光照射時の雰囲気は、窒素などの不活性ガスで満たされていることが好ましい。
本発明の重合性液晶組成物を用いて得られる光学異方体は、上記で示される低いヘイズ値を有することが期待できる。
上記の光学補償素子が液晶セルの壁に接している状態のものを液晶表示装置として用いることができる。また、上記の光学素子が液晶セルの外面に存在するものも液晶表示装置として用いることができる。
「ポリイミド基板」とは、ガラス基板上にJNC(株)製のリクソンアライナー(商標)PIA−5370を塗布し、80℃で3分間乾燥し、230℃で30分焼成し得られたポリイミド膜を有する基板を指す。
「TAC基板」とは、TACPHAN(商標)である、厚みが80μmのトリアセチル
セルロースフィルムを指す。
「COP基板」とは、ZEONOR(商標)フィルム/ZEONOR(商標)1600Rに、表面の親水化処理を行った物を指す。ZEONOR(商標)フィルム/ZEONOR(商
標)1600Rは、日本ゼオン(株)製のシクロオレフィン系ポリマーフィルムである。
該親水化処理は、常圧プラズマ表面処理装置(AP−T02−L)で行った。親水化処理は、特開2002−226616号公報記載の方法で行った。25℃におけるCOP基板と純水との接触角は30°であった。該接触角の計測は、協和界面化学株式会社製の接触角計CA−Aで計測した。
配向性の確認は以下の手順で行った。
(1)光学異方体付きの基材を、クロスニコルに配置した2枚の偏光板内に挟持させた。
(2)該基材を、正面の方向から観察し、光り抜けの有無を確認した。光り抜けが目視で観察されないとき、該光学異方体の配向性は、「良好」と判断した。光り抜けが目視で観察されるとき、該光学異方体の配向性は、「不良」と判断した。
(3)(イ)正面から観察したとき光り抜けを除いて暗視野となり、かつ(ロ)上、下、左及び右から観察したときいずれも明視野となったときは、該光学異方体は、「ホメオトロピック配向」と判断した。
シンテック(株)製のOPTIPRO偏光解析装置で、リタデーションを計測した。光学異方体付きの基材に対して、波長550nmの偏光を照射した。
偏光の照射角は、5度刻みで計測した。該偏光の照射角は、フィルム面の法線方向を0度としたとき、−50度から0度までおよび0度から50度までである。リタデーションは、Δn×dの関係がある。なお、Δnは光学異方性であり、dは光学異方体内を通過する測定光の光路長である。
耐熱性の評価は以下の手順で行った。
(1)光学異方体付きの基材のリタデーションを、入射角+40度の測定光で計測し、Re1とした。
(2)該基材を200℃のオーブン内で30分間焼成した。
(3)焼成後の光学異方体付きの基材のリタデーションを、入射角+40度の測定光で計測し、Re2とした。
(4)Re2/Re1の数値より耐熱性を評価した。該数値が1に近いほど耐熱性が良好であり、該数値が0に近いほど耐熱性が不良である。
該微細形状測定装置は、KLA TENCOR(株)のアルファステップIQである。
ガラス基板上の光学異方体の厚みは、光学異方体付きのガラス基板から、液晶フィルム部分を削って、光学異方体を抜き出して測定した。
化合物(M2−1−1)はMakromol. Chem., 190, 3201-3215 (1998) に記載の方法に
従って合成した。
化合物(M2−22−1)は特開2003−238491号公報に記載の方法で合成した。
化合物(B−1)は、常州強力電子新材料株式会社製TR−FR301を用いた。
化合物(A−1−1)は、特開2012−206968号公報に記載の方法に従って合成した。
化合物(A−1−1)を10重量部、化合物(M2−1−1)を33重量部、化合物(M2−22−1)を32重量部、化合物(M1−12−1)を35重量部、イルガキュアー(商標)907を5重量部、ポリフローNo.99Cを0.25重量部、Irganox1076を0.1重量部、それぞれ秤量し、シクロペンタノンの400重量部と混合し、40℃で1時間加熱した。その後、該混合物を孔径が0.1μmのメンブランフィルターでろ過して組成物1と名づけた。
表1に記載の重量比で混合し、組成物1の調製方法と同様のプロセスを経て、組成物2〜4を得た。乾燥温度を除く表1中の数値は、これらの組成物の材料の重量比である。表1中の数値が0のときは、加えなかったことを示す。
光学異方体を以下の手順で作成した。
(1)組成物1を、1000rpm、15秒で、ガラス基板上にスピンコートし、
(2)60℃で、3分間、乾燥し、
(3)25℃、50%rhで、3分放置し、実施例1とした。
(4)25℃、50%rhで、超高圧水銀灯で、90mW/cm2の365nmのUV光
を5.6秒照射した。
該超高圧水銀灯は、ウシオ電機社製の消費電力500Wのものを使用した。
該光学異方体の膜厚は1.0μmであった。該光学異方体の配向性は、良好であった。図1に偏光解析装置による測定結果を示した。
Claims (14)
- 重合性液晶化合物が、下記式(M1)〜(M3)で表される化合物のいずれか一種以上である、請求項1に記載の重合性液晶組成物。
AMは、独立して、1,4−フェニレン、1,4−シクロへキシレン、1,4−シクロ
へキセニレン、ピリジン−2,5−ジイル、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル、ナフタレン−2,6−ジイルまたはフルオレン−2,7−ジイルから選ばれるいずれかの二価基であり、該二価基において、少なくとも一つの水素はフッ素、塩素、シアノ、ヒドロキシ、ホルミル、トリフルオロアセチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、炭素数1〜5のアルキル、炭素数1〜5のアルコキシ、炭素数1〜5のアルキルエステルまたは炭素数1〜5のアルカノイルで置き換えられてもよく、
ZMは、独立して、単結合、−OCH2−、−CH2O−、−COO−、−OCO−、−
COS−、−SCO−、−OCOO−、−CONH−、−NHCO−、−CF2O−、−
OCF2−、−CH2CH2−、−CF2CF2−、−CH=CHCOO−、−OCOCH=
CH−、−CH2CH2COO−、−OCOCH2CH2−、−CH=CH−、−N=CH−、−CH=N−、−N=CCH3−、−CCH3=N−、−N=N−または−C≡C−であり、
XMは、水素、フッ素、塩素、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、シアノ、
炭素数1〜20のアルキル、炭素数1〜20のアルケニル、炭素数1〜20のアルコキシ、または炭素数1〜20のアルキルエステルであり、
YMは独立して単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
Qは単結合、−O−、−COO−、−OCO−または−OCOO−であり、
RMは独立して水素またはメチルであり、
aは0〜20の整数であり、
cおよびdは、それぞれ0〜3の整数であり、かつ1≦c+d≦4の関係であり、
qは1〜4の整数である。) - 請求項1または2に記載の重合性液晶組成物と基材からなる重合性液晶層。
- 該基材がガラス基板である、請求項3に記載の重合性液晶層。
- 該基材としてプラスチックを有し、該プラスチック面上に重合性液晶組成物を有する、請求項3に記載の重合性液晶層。
- 該プラスチック面をラビング処理、コロナ処理またはプラズマ処理した、請求項5に記載の重合性液晶層。
- 該プラスチックが、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリアミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルケトン、ポリケトンサルファイド、ポリエーテルスルフォン、ポリスルフォン、ポリフェニレンサルファイド、ポリフェニレンオキサイド、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアセタール、ポリカーボネート、ポリアリレート、アクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリプロピレン、セルロース、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、エポキシ樹脂、フェノール樹脂またはシクロオレフィン系樹脂を含む、請求項5または6に記載の重合性液晶層。
- 該プラスチックが、ポリイミド、ポリビニルアルコール、トリアセチルセルロース、トリアセチルセルロースの部分鹸化物、アクリル樹脂またはシクロオレフィン系樹脂を含む、請求項5または6に記載の重合性液晶層。
- 重合性液晶層中の液晶の配向がホメオトロピック配向である、請求項3〜8のいずれか1項に記載の重合性液晶層。
- 請求項3〜9のいずれか1項に記載の重合性液晶層に含まれる重合性液晶組成物を重合させて得られる液晶フィルム。
- 請求項10に記載の液晶フィルムを有する光学補償素子。
- 請求項10または11に記載の液晶フィルムと偏光板とを有する光学素子。
- 請求項11に記載の光学補償素子を液晶セルの壁に接して有している液晶表示装置。
- 請求項12に記載の光学素子を液晶セルの外面に有する液晶表示装置。
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