JP5728539B2 - 液晶配向膜およびこれを含む液晶セル - Google Patents

液晶配向膜およびこれを含む液晶セル Download PDF

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Description

本発明は、液晶配向膜およびこれを含む液晶セルに関するものである。より具体的には、本発明は、光配向膜、例えば、光重合型配向膜特有の広視野角およびコントラスト比の実現が可能であり、かつ、液晶の配向安定性を向上させ、残像を減少させることができる液晶配向膜およびこれを含む液晶セルに関するものである。
最近、液晶ディスプレイの大型化に伴い、携帯電話やノートパソコンなどの個人用から次第に壁掛けテレビなどの家庭用へと用途が拡大されるにつれ、液晶ディスプレイに対しては高画質、高品位化および広視野角が要求されている。特に、薄膜トランジスタによって駆動される薄膜トランジスタ液晶ディスプレイ(TFT−LCD)は、個々の画素を独立して駆動させるため、液晶の応答速度が非常に優れた高画質の動画を実現することができ、次第に応用範囲が拡大されている。
このようなTFT−LCDにおいて、液晶が光スイッチとして使用されるためには、ディスプレイセルの最も内側の薄膜トランジスタが形成された層上に液晶が一定方向に初期配向しなければならないが、このために液晶配向膜が使用されている。従来は、液晶を配向させるためにラビング法が主に利用された。このようなラビング法では、微細な突起を有するラビング布が液晶配向膜の表面を一定方向に通ることによって、液晶配向膜の表面に一定方向の溝を形成させる。このように形成された溝に沿って液晶が配向する。
しかし、このようなラビング法による場合、(1)ラビング布と薄膜トランジスタ(TFT)またはカラーフィルタ(CF)基板との間に静電気が発生してTFTに損傷を与えることがある。また、(2)複雑な構造を有するピクセル領域は、ピクセルの段差によって溝がよく形成されないことがあるが、これによって、液晶の配向がきちんと行われないことがあり、(3)ラビング布により発生する屑や埃によって画面の品質を低下させたりする。付け加えて、(4)ラビング法では、1つの基板に液晶を異なる方向に配向させるマルチドメイン(multi domain)を形成することができない。
このような欠点を克服するために、最近は、UVのような光によって液晶配向膜を配向させる光配向方法の適用が広く検討されている。通常、このような光配向のためには、液晶層の下部に光配向性(光反応性)重合体を含む配向層を形成し、このような配向層に線偏光されたUVを照射して光反応を起こす。その結果、光配向性重合体の主鎖が一定方向に配列する光配向が起こり、このように光配向した配向層の影響で液晶層に含まれている液晶が配向できる。
このような光重合型液晶配向膜をTFT−セル内の液晶配向膜として適用する場合、優れた液晶配向性および配向速度を実現することができ、液晶表示素子などのコントラスト比をより向上させることができる。しかし、前記光重合型液晶配向膜の適用時、上述した利点にもかかわらず、光反応および光配向がまだ進行しない光配向性重合体の光反応基や主鎖の揺れおよび液晶層との低い相互作用(低いanchoring energy)などによって液晶の配向安定性が低下し、残像が発生する問題があり得る。
大韓民国特許登録第0789247号 大韓民国特許登録第0671753号 大韓民国特許登録第0982394号 大韓民国特許公開第2012−0044883号 大韓民国特許公開第2012−0031912号
そこで、本発明は、光重合型液晶配向膜特有の広視野角およびコントラスト比の実現が可能であり、かつ、液晶層との相互作用がより円滑に行われるようにすることで、配向安定性を向上させ、残像を減少させることができる液晶配向膜を提供する。
本発明はまた、前記液晶配向膜を含む液晶セルを提供する。
本発明は、少なくとも一部が光配向した光反応基を有する光配向性重合体を含む光配向層と、前記光配向した光反応基によって液晶配向した反応性メソゲンの硬化物を含むメソゲン層とを含み、
前記光配向性重合体は、下記の化学式3aまたは3bの繰り返し単位を含むノルボルネン系重合体を含む液晶配向膜を提供する。
Figure 0005728539
前記化学式3aおよび3bにおいて、それぞれ独立に、
qは、0ないし4の整数であり、mは、50ないし5000であり、
R1、R2、R3、およびR4のうちの少なくとも1つは、下記の化学式1aの基であり、
化学式1aの基であるものを除いた残りのR1ないしR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;ハロゲン;置換もしくは非置換の炭素数1ないし20の線状または分枝状アルキル;置換もしくは非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルケニル;置換もしくは非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルキニル;置換もしくは非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール;および酸素、窒素、リン、硫黄、ケイ素、およびホウ素の中から選択された少なくとも1つ以上を含む極性官能基からなる群より選択され、
前記R1ないしR4が水素;ハロゲン;または極性官能基でない場合、R1とR2、R3とR4からなる群より選択された1つ以上の組み合わせが互いに連結され、炭素数1ないし10のアルキリデン基を形成するか、またはR1またはR2がR3およびR4のうちのいずれか1つに連結され、炭素数4ないし12の飽和もしくは不飽和脂肪族環、または炭素数6ないし24の芳香族環を形成することができ、
Figure 0005728539
前記化学式1aにおいて、
Aは、単純結合、酸素、硫黄または−NH−であり、
Bは、単純結合、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキレン、カルボニル、カルボキシ、エステル、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリーレン、および置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のヘテロアリーレンからなる群より選択され、
R9は、単純結合、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキレン、置換もしくは非置換の炭素数2ないし20のアルケニレン、置換もしくは非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキレン、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリーレン、置換もしくは非置換の炭素数7ないし15のアラルキレン、および置換もしくは非置換の炭素数2ないし20のアルキニレンからなる群より選択され、
R10ないしR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルコキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし30のアリールオキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアルコキシアリール、および14族、15族または16族のヘテロ元素を含む炭素数6ないし40のヘテロアリールからなる群より選択される。
また、前記液晶配向膜において、反応性メソゲンは、メソゲン基と、少なくとも一側末端に光重合または光硬化可能な官能基を有する化合物になるとよく、例えば、下記の化学式4または5の化合物を含むことができる。
Figure 0005728539
前記化学式4および5において、L、Lは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし8のアルキルエステル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし8のアルキルエーテル、および置換もしくは非置換の炭素数1ないし8のアルキルケトンからなる群より選択され、B、Bは、それぞれ独立に、置換もしくは非置換の炭素数6ないし20のアリーレン、または置換もしくは非置換の炭素数4ないし8のシクロアルキレンであり、R1、R2は、それぞれ独立に、(メタ)アクリル基またはエポキシ基であり、Xは、フッ素置換もしくは非置換の炭素数1ないし7のアルキル、フッ素置換もしくは非置換の炭素数1ないし7のアルコキシ、フッ素置換もしくは非置換の炭素数2ないし7のアルケニル、フッ素置換もしくは非置換の炭素数2ないし7のアルケニルオキシ、およびフッ素置換もしくは非置換の炭素数1ないし7のアルコキシアルキルからなる群より選択され、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、単純結合、−O−、−S−、−COO−または−OCO−である。
本発明はまた、前記液晶配向膜を含む液晶セルを提供する。
以下、発明の実施形態にかかる液晶配向膜および液晶セルなどについて説明する。
本明細書で使われるいくつかの用語は、特に別の意味が説明されない限り、次のような意味で定義される。
ある物質、重合体または官能基などが「光配向性」または「光反応性」を示すことができるとは、直線偏光、例えば、線偏光されたUVを照射する場合、当該物質、重合体または官能基(光反応基)などが偏光方向に沿った所定方向に展開または配列可能で、液晶化合物(例えば、メソゲン層中の反応性メソゲンまたは液晶層中のTFT−セル液晶分子など)の整列または液晶配向を誘発することができることを意味する。
「反応性メソゲン(reactive mesogen、RM)」とは、分子中に重合、架橋または硬化可能な不飽和基を含み、UV照射などの光照射によって重合、架橋または硬化可能で、1つ以上のメソゲン基を含み、液晶相挙動を示す物質を指すことができる。前記メソゲン基は、以前から知られた液晶化合物に含まれる任意のメソゲン系官能基になるとよく、その範囲および種類は当業者に広く知られている。
「(光)硬化物」または「(光)硬化」されたとは、化学構造中に硬化または架橋可能な不飽和基を有する構成成分がすべて硬化、架橋または重合された場合だけでなく、その一部が硬化、架橋または重合された場合まで包括することができる。例えば、反応性メソゲンが「(光)硬化」された硬化物では、反応性メソゲンに含まれている不飽和基がすべて硬化、架橋または重合されてもよいが、当該不飽和基の約50%以上、あるいは約60%以上、あるいは約70%以上が硬化、架橋または重合されてもよい。
一方、発明の一実施形態によれば、少なくとも一部が光配向した光反応基を有する光配向性重合体を含む光配向層と、前記光配向した光反応基によって液晶配向した反応性メソゲンの硬化物を含むメソゲン層とを含み、
前記光配向性重合体は、下記の化学式3aまたは3bの繰り返し単位を含むノルボルネン系重合体を含む液晶配向膜が提供される。
Figure 0005728539
前記化学式3aおよび3bにおいて、それぞれ独立に、
qは、0ないし4の整数であり、mは、50ないし5000であり、
R1、R2、R3、およびR4のうちの少なくとも1つは、下記の化学式1aの基であり、
化学式1aの基であるものを除いた残りのR1ないしR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;ハロゲン;置換もしくは非置換の炭素数1ないし20の線状または分枝状アルキル;置換もしくは非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルケニル;置換もしくは非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルキニル;置換もしくは非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール;および酸素、窒素、リン、硫黄、ケイ素、およびホウ素の中から選択された少なくとも1つ以上を含む極性官能基からなる群より選択され、
前記R1ないしR4が水素;ハロゲン;または極性官能基でない場合、R1とR2、R3とR4からなる群より選択された1つ以上の組み合わせが互いに連結され、炭素数1ないし10のアルキリデン基を形成するか、またはR1またはR2がR3およびR4のうちのいずれか1つに連結され、炭素数4ないし12の飽和または不飽和脂肪族環、または炭素数6ないし24の芳香族環を形成することができ、
Figure 0005728539
前記化学式1aにおいて、
Aは、単純結合、酸素、硫黄または−NH−であり、
Bは、単純結合、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキレン、カルボニル、カルボキシ、エステル、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリーレン、および置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のヘテロアリーレンからなる群より選択され、
R9は、単純結合、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキレン、置換もしくは非置換の炭素数2ないし20のアルケニレン、置換もしくは非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキレン、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリーレン、置換もしくは非置換の炭素数7ないし15のアラルキレン、および置換もしくは非置換の炭素数2ないし20のアルキニレンからなる群より選択され、
R10ないしR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルコキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし30のアリールオキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアルコキシアリール、および14族、15族または16族のヘテロ元素を含む炭素数6ないし40のヘテロアリールからなる群より選択される。
以前に知られた光重合型液晶配向膜の場合、主に光配向性重合体を含む配向層の単一層で形成されており、このような液晶配向膜の配向層上にTFT−セルの液晶層が形成されていた。このような従来の光重合型液晶配向膜の場合、前記光配向性重合体の光反応基のうちの少なくとも一部を光配向させ、これを含む配向層を光硬化させた後、このような光配向した光反応基によって液晶層のTFT−セル液晶分子を液晶配向させる方法を適用した。
しかし、このような従来の光重合型液晶配向膜は、光配向がまだ進行しない光配向性重合体の光反応基や主鎖の揺れおよび液晶層との低い相互作用(低いanchoring energy)などによって液晶の配向安定性が低下し、残像が発生する問題が多かった。
このような従来の液晶配向膜とは異なり、一実施形態の液晶配向膜は、前記光配向性重合体を含む光配向層上に反応性メソゲンを含むメソゲン層が別途に形成されている。このような一実施形態の液晶配向膜を適用する場合、前記光配向性重合体の光反応基のうちの少なくとも一部を光配向させ、これを含む配向層を光硬化させた後、このような光配向した光反応基によって前記メソゲン層の反応性メソゲンを液晶配向させ、光硬化させることができる。つまり、一実施形態の液晶配向膜は、前記光配向層でない、メソゲン層上にTFT−セルの液晶層が形成され、このようなメソゲン層の液晶配向した反応性メソゲンを用いて液晶層のTFT−セル液晶分子を液晶配向させることができる。
本発明者らの実験の結果、一実施形態の液晶配向膜を適用してかかる方法で液晶層を配向させる場合、メソゲン層の反応性メソゲンと液晶層の液晶分子との間の相互作用(anchoring energy)がより向上でき、TFT−セルの液晶分子間のインタラクションがより増加して、電気的ストレスによる残像が減少することが確認された。また、前記光配向層とメソゲン層を共に含む一実施形態の液晶配向膜は、より向上した配向安定性を示すことができ、かつ、光重合型液晶配向膜特有の優れた液晶配向性および配向速度を示すことができ、ひいては、液晶表示素子などのコントラスト比が優れて維持され、液晶の多方向パターン化による広視野角の実現が可能になる。
特に、一実施形態の液晶配向膜は、光配向層内の光配向性重合体として、上述した化学式3aまたは3bの特定のノルボルネン系重合体を含むことによって、前記メソゲン層の反応性メソゲンをより効果的に液晶配向させ、光硬化させることができる。その結果、メソゲン層の反応性メソゲンと液晶層の液晶分子との間の相互作用(anchoring energy)がより向上でき、電気的ストレスによる残像をさらに減少させ、液晶表示素子などのコントラスト比を優れて発現することができる。
したがって、一実施形態の液晶配向膜は、以前から知られた光重合型液晶配向膜の利点を生かしつつ、残像または低い配向安定性のような欠点を解決することができ、TFT−セルなどの液晶配向膜として非常に好ましく適用可能である。
以下、一実施形態の液晶配向膜およびその形成方法をより詳細に説明する。
前記一実施形態の液晶配向膜において、前記光配向性重合体としては、前記化学式1aの基となる光反応基を有する、化学式3aまたは3bの繰り返し単位を含むノルボルネン系重合体を使用することができる。
このようなノルボルネン系重合体は、前記化学式1aの基を光反応基として有することによって、優れた光反応性、光配向性および光反応速度を示すことができ、メソゲン層の反応性メソゲンをより効果的に液晶配向させることができる。より具体的には、前記化学式1aの基は、シンナメート系光反応基としてこれを有する光配向性重合体が優れた光配向性および液晶配向性と、反応性メソゲンとの優れた相互作用および配向安定性などを示すことができる。
特に、優れた配向性などの面で、前記光反応基の末端に1つ以上のフッ素などのハロゲン元素が置換されたり、アリール、アリールオキシまたはアルコキシアリールなどのバルキーな官能基が置換されるとよい。前記シンナメート系光反応基末端にハロゲン元素またはバルキーな官能基などが置換されることによって、光反応基の間により大きい自由度または自由空間が確保され、そのために、二量化(dimerization)または異性化(isomerization)などの光反応がより円滑に起こることができる。したがって、前記光配向性重合体がより優れた光反応性および光配向性などを示すことができる。また、液晶配向膜を形成するための組成物の塗布性などの面では、前記光反応基の末端に1つ以上のアルキル、アルコキシまたはアリールオキシなどが置換されるとよい。
そこで、前記化学式1aの光反応基において、前記R10ないしR14のうちの1つ以上は、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルコキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし30のアリールオキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアルコキシアリール、またはハロゲンで置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキルなどとなるのがより好ましい。
また、このような光反応基を有する光配向性重合体は、化学式3aまたは3bの環状オレフィン系繰り返し単位を含み、このような繰り返し単位に、上述した光反応基が1つ以上結合された構造を有することができる。このような光配向性重合体の繰り返し単位構造によって、光配向性重合体および光配向層の熱的安定性または配向安定性などがより向上でき、その結果、全体液晶配向膜の特性もより向上できる。
上述した光配向性重合体は、例えば、大韓民国特許登録第0789247号、第0671753号または第0982394号、大韓民国特許公開第2012−0044883号または第2012−0031912号などに記載された光反応性重合体になるとよく、前記特許文献に開示された方法によって製造されるとよい。
一方、上述した光配向性重合体において、前記R1ないしR4などに置換可能な極性官能基、つまり、酸素、窒素、リン、硫黄、ケイ素、およびホウ素の中から選択された少なくとも1つ以上を含む極性官能基は、以下に並ぶ官能基からなる群より選択されるとよく、その他、酸素、窒素、リン、硫黄、ケイ素またはホウ素の中から選択された1つ以上を含む多様な極性官能基になるとよい。
−OR,−OC(O)OR,−ROC(O)OR,−C(O)OR,−RC(O)ORC(O)R,−RC(O)R,−OC(O)R,−ROC(O)R,−(RO)−OR,−(OR−OR,−C(O)−O−C(O)R,−RC(O)−O−C(O)R,−SR,−RSR,−SSR,−RSSR,−S(=O)R,−RS(=O)R,−RC(=S)R−,−RC(=S)SR,−RSO,−SO,−RN=C=S,−N=C=S,−NCO,−R−NCO,−CN,−RCN,−NNC(=S)R,−RNNC(=S)R,−NO,−RNO
Figure 0005728539
Figure 0005728539
Figure 0005728539
Figure 0005728539
このような極性官能基において、pは、それぞれ独立に、1ないし10の整数であり、R5は、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20の線状または分枝状アルキレン;置換もしくは非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルケニレン;非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルキニレン;置換もしくは非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキレン;置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリーレン;置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のカルボニルオキシレン;または置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルコキシレンであり、R6、R7およびR8は、それぞれ独立に、水素;ハロゲン;置換もしくは非置換の炭素数1ないし20の線状または分枝状アルキル;置換もしくは非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルケニル;置換もしくは非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルキニル;置換もしくは非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール;置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルコキシ;および置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のカルボニルオキシからなる群より選択される。
また、前記光配向性重合体において、前記置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール;または14族、15族または16族のヘテロ元素を含む炭素数6ないし40のヘテロアリールは、以下に並ぶ官能基からなる群より選択されるとよく、その他、多様なアリールまたはヘテロアリールになるとよい。
Figure 0005728539
Figure 0005728539
このような官能基において、前記R’10ないしR’18は、互いに同一または異なり、残りは、それぞれ独立に、水素、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20の線状または分枝状アルキル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルコキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし30のアリールオキシ、および置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリールからなる群より選択される。
上述した光配向性重合体は、化学式3aまたは3bの繰り返し単位などの単一の繰り返し単位からなる単一重合体になってもよいが、2種以上の繰り返し単位を含む共重合体になってもよい。このような共重合体は、化学式3aまたは3bの範疇に属する2種以上の繰り返し単位を共に含むこともできるが、前記化学式3aまたは3bの繰り返し単位のほか、ビニル系繰り返し単位、アクリレート系繰り返し単位またはポリイミド系繰り返し単位をさらに含むこともできる。ただし、前記光配向層の優れた光配向性および反応性メソゲンとの優れた相互作用および液晶配向性などを考慮して、前記化学式3aまたは3bの繰り返し単位を、約50モル%以上、あるいは約60モル%以上、あるいは約70ないし100モル%で含むことができる。
そして、上述した光配向性重合体の構造において、各置換基の定義を具体的に説明すると、次の通りである。
まず、「アルキル」は、1ないし20個、好ましくは1ないし10個、より好ましくは1ないし6個の炭素原子の線状または分枝状飽和1価炭化水素部位を意味する。アルキル基は、非置換のものだけでなく、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。アルキル基の例として、メチル、エチル、プロピル、2−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデシル、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロメチル、ジクロロメチル、トリクロロメチル、ヨードメチル、ブロモメチルなどが挙げられる。
「アルケニル」は、1以上の炭素−炭素二重結合を含む2ないし20個、好ましくは2ないし10個、より好ましくは2ないし6個の炭素原子の線状または分枝状1価炭化水素部位を意味する。アルケニル基は、炭素−炭素二重結合を含む炭素原子を通して、または飽和された炭素原子を通して結合可能である。アルケニル基は、非置換のものだけでなく、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。アルケニル基の例として、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−ブテニル、3−ブテニル、ペンテニル、5−ヘキセニル、ドデセニルなどが挙げられる。
「シクロアルキル」は、3ないし12個の環炭素の飽和もしくは不飽和の非芳香族1価単環式、二環式または三環式炭化水素部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、デカヒドロナフタレニル、アダマンチル、ノルボルニル(つまり、ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エニル)などが挙げられる。
「アリール」は、6ないし40個、好ましくは6ないし12個の環原子を有する1価単環式、二環式または三環式芳香族炭化水素部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。アリール基の例として、フェニル、ナフタレニルおよびフルオレニルなどが挙げられる。
「アルコキシアリール」は、前記定義されたアリール基の水素原子1個以上がアルコキシ基で置換されているものを意味する。アルコキシアリール基の例として、メトキシフェニル、エトキシフェニル、プロポキシフェニル、ブトキシフェニル、ペントキシフェニル、ヘキトキシフェニル、ヘプトキシ、オクトキシ、ノナキシ、メトキシビフェニル、メトキシナフタレニル、メトキシフルオレニルあるいはメトキシアントラセニルなどが挙げられる。
「アラルキル」は、前記定義されたアルキル基の水素原子1個以上がアリール基で置換されているものを意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。例えば、ベンジル、ベンズヒドリルおよびトリチルなどが挙げられる。
「アルキニル」は、1以上の炭素−炭素三重結合を含む2ないし20個の炭素原子、好ましくは2ないし10個、より好ましくは2個ないし6個の線状または分枝状の1価炭化水素部位を意味する。アルキニル基は、炭素−炭素三重結合を含む炭素原子を通して、または飽和された炭素原子を通して結合可能である。アルキニル基は、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。例えば、エチニルおよびプロピニルなどが挙げられる。
「アルキレン」は、1ないし20個、好ましくは1ないし10個、より好ましくは1ないし6個の炭素原子の線状または分枝状の飽和された2価炭化水素部位を意味する。アルキレン基は、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。アルキレン基の例として、メチレン、エチレン、プロピレン、ブチレン、ヘキシレンなどが挙げられる。
「アルケニレン」は、1以上の炭素−炭素二重結合を含む2ないし20個、好ましくは2ないし10個、より好ましくは2ないし6個の炭素原子の線状または分枝状の2価炭化水素部位を意味する。アルケニレン基は、炭素−炭素二重結合を含む炭素原子を通して、および/または飽和された炭素原子を通して結合可能である。アルケニレン基は、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。
「シクロアルキレン」は、3ないし12個の環炭素の飽和もしくは不飽和の非芳香族2価単環式、二環式または三環式炭化水素部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。例えば、シクロプロピレン、シクロブチレンなどが挙げられる。
「アリーレン」は、6ないし20個、好ましくは6ないし12個の環原子を有する2価単環式、二環式または三環式芳香族炭化水素部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。芳香族部分は炭素原子だけを含む。アリーレン基の例として、フェニレンなどが挙げられる。
「アラルキレン」は、前記定義されたアルキル基の水素原子1個以上がアリール基で置換されている2価部位を意味し、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。例えば、ベンジレンなどが挙げられる。
「アルキニレン」は、1以上の炭素−炭素三重結合を含む2ないし20個の炭素原子、好ましくは2ないし10個、より好ましくは2個ないし6個の線状または分枝状の2価炭化水素部位を意味する。アルキニレン基は、炭素−炭素三重結合を含む炭素原子を通して、または飽和された炭素原子を通して結合可能である。アルキニレン基は、後述する一定の置換基によってさらに置換されたものも包括して指すことができる。例えば、エチニレンまたはプロピニレンなどが挙げられる。
以上で説明した置換基が「置換もしくは非置換」されたとは、これら各置換基そのものだけでなく、一定の置換基によってさらに置換されたものも包括されることを意味する。本明細書において、特に別の定義がない限り、各置換基にさらに置換可能な置換基の例としては、ハロゲン、アルキル、アルケニル、アルキニル、ハロアルキル、ハロアルケニル、ハロアルキニル、アリール、ハロアリール、アラルキル、ハロアラルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、カルボニルオキシ、ハロカルボニルオキシ、アリールオキシ、ハロアリールオキシ、シリル、シロキシ、またはすでに上述したような「酸素、窒素、リン、硫黄、ケイ素またはホウ素を含む極性官能基」などが挙げられる。
上述した光配向性重合体の製造方法は、大韓民国特許登録第0789247号、第0671753号または第0982394号、大韓民国特許公開第2012−0044883号または第2012−0031912号などに開示されている。これらの特開文献によれば、上述した光配向性重合体が化学式3aの繰り返し単位を含む場合、このような重合体は、10族の遷移金属を含むプロ触媒および助触媒を含む触媒組成物の存在下で、化学式2の単量体を付加重合して、化学式3aの繰り返し単位を形成する方法で製造できる。
Figure 0005728539
前記化学式2において、q、R1ないしR4は、化学式3aで定義された通りである。
また、前記光配向性重合体が化学式3bの繰り返し単位を含む場合、このような重合体は、4族、6族、または8族の遷移金属を含むプロ触媒および助触媒を含む触媒組成物の存在下で、前記化学式2の単量体を開環重合して、化学式3bの繰り返し単位を形成する段階を含む方法で製造できる。選択可能な他の方法として、前記化学式3bの繰り返し単位を含む光配向性重合体は、前記4族、6族、または8族の遷移金属を含むプロ触媒および助触媒を含む触媒組成物の存在下で、ノルボルネンメタノールなどのノルボルネン(アルキル)を単量体として開環重合して5員環を有する開化は重合体を形成してから、このような開環重合体に光反応基を導入して製造されてもよい。この時、前記光反応基の導入は、前記開環重合体を、化学式1aないし1bに対応する光反応基を有するカルボン酸化合物またはアシルクロライド化合物と縮合反応させる反応で進行できる。
前記開環重合段階では、前記化学式2の単量体に含まれているノルボルネン環中の二重結合に水素が添加されると開環が進行可能であり、これと共に重合が進行して、前記化学式3bの繰り返し単位およびこれを含む光反応性重合体が製造できる。
ただし、前記光配向性重合体の製造のための具体的な製造工程および反応条件は、すでに上述した特開文献などに開示されているので、これに関するそれ以上の説明は省略する。
一方、上述した光配向性重合体が含まれる光配向層は、光硬化された架橋重合体形態のバインダー樹脂をさらに含むことができ、このようなバインダー樹脂は、(メタ)アクリレート系架橋重合体になるとよい。より具体的には、このような(メタ)アクリレート系架橋重合体は、3官能以上の多官能性(メタ)アクリレート系単量体を光硬化した架橋重合体、例えば、ペンタエリスリトールトリアクリレート(pentaerythritol triacrylate)、トリ(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(tris2−acryloyloxyethyl)isocyanurate)、トリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylolpropane triacrylate)およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(dipentaerythritol hexaacrylate)からなる群より選択された1種以上の多官能性(メタ)アクリレート系単量体を光硬化した架橋重合体になるとよい。
また、前記光配向層および/またはメソゲン層の1つ以上には、当該層内に分散している光開始剤をさらに含むことができる。このような光開始剤は、前記多官能性(メタ)アクリレート系単量体などの光硬化を開始および促進して、バインダー樹脂およびこれを含む光配向層が形成されるようにした後、光配向層内に残留するものになるとよい。あるいは、前記光開始剤は、反応性メソゲンなどの光硬化を開始および促進して、光配向層上のメソゲン層が形成されるようにした後、メソゲン層内に残留するものになってもよい。
このような光開始剤は、前記多官能性(メタ)アクリレート系単量体および/または反応性メソゲンなどの光硬化を開始および促進可能と知られた任意の開始剤になるとよく、例えば、商品名Irgacure907または819などで知られた開始剤になるとよい。
一方、上述した一実施形態の液晶配向膜は、上述した光配向層上に形成されたメソゲン層を含むが、このようなメソゲン層は、前記光配向層の光配向した光反応基によって液晶配向した反応性メソゲンの硬化物(例えば、反応性メソゲンの不飽和基の少なくとも一部が光硬化された硬化物)を含むことができる。
この時、前記反応性メソゲンとしては、液晶相挙動を示すメソゲン基と、少なくとも一側末端に光重合または光硬化可能な不飽和官能基、例えば、ビニル基、(メタ)アクリル基またはエポキシ基などを有する任意の化合物を使用することができる。ただし、すでに上述した光配向性重合体との優れた相互作用、さらに、TFT−セルの液晶分子などとの優れた相互作用などを考慮して、前記反応性メソゲンとしては、下記の化学式4または5の化合物を使用することができる。
Figure 0005728539
前記化学式4および5において、L、Lは、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし8のアルキルエステル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし8のアルキルエーテル、および置換もしくは非置換の炭素数1ないし8のアルキルケトンからなる群より選択され、B、Bは、それぞれ独立に、置換もしくは非置換の炭素数6ないし20のアリーレン(例えば、フェニレン)、または置換もしくは非置換の炭素数4ないし8のシクロアルキレン(例えば、シクロへキシレン)であり、R1、R2は、それぞれ独立に、(メタ)アクリル基またはエポキシ基であり、Xは、フッ素置換もしくは非置換の炭素数1ないし7のアルキル、フッ素置換もしくは非置換の炭素数1ないし7のアルコキシ、フッ素置換もしくは非置換の炭素数2ないし7のアルケニル、フッ素置換もしくは非置換の炭素数2ないし7のアルケニルオキシ、およびフッ素置換もしくは非置換の炭素数1ないし7のアルコキシアルキルからなる群より選択され、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立に、単純結合、−O−、−S−、−COO−または−OCO−である。
このような反応性メソゲンは、上述した光配向性重合体の光反応基の少なくとも一部を光配向させ、光硬化などを通じてバインダー樹脂を形成し、上述した光配向層を形成した後、このような光配向層上に塗布されるとよい。また、このように光配向層上に塗布された反応性メソゲンは、前記光配向した光反応基によって液晶配向し、UV照射などで光硬化された形態で液晶配向膜のメソゲン層に含まれるとよい。
このように液晶配向したメソゲン層を用いてTFT−セルの液晶層を液晶配向させるが、すでに上述したように、前記反応性メソゲン(およびその硬化物)は、TFT−セルの液晶分子とより向上した相互作用を示すことができるため、前記TFT−セルの液晶分子をより効果的に液晶配向させることができ、液晶表示素子などの残像を大きく減少させることができる。
一方、上述のような一実施形態の液晶配向膜は、このような液晶配向膜の全体重量を基準として、光配向性重合体の約10ないし50重量%と、バインダー樹脂の約5ないし20重量%とを含む光配向層と、反応性メソゲン硬化物の約40ないし80重量%を含むメソゲン層とを含むことができ、これら光配向層および/またはメソゲン層には、微量の光開始剤が残留することもできることはすでに上述した通りである。
次に、上述した一実施形態の液晶配向膜の製造方法について説明する。
上述した液晶配向膜の形成のためには、まず、上述した光配向性重合体を含み、選択的に多官能性(メタ)アクリレート系単量体などのバインダー樹脂形成用単量体および光開始剤を含む光配向層形成用組成物を基材に塗布することができる。このような光配向層形成用組成物で使用可能な各成分に関してはすでに十分に説明したので、これに関する追加的な説明は省略する。
また、前記光配向層形成用組成物は、上述した光配向性重合体、バインダー樹脂形成用単量体および光開始剤などの各成分を溶解するために、有機溶媒をさらに含むことができる。このような有機溶媒の例としては、トルエン(toluene)、キシレン(xylene)、アニソール(anisole)、クロロベンゼン(chlorobenzene)、ジクロロメタン(dichloromethane)、エチルアセテート(etheyl acetate)、ジクロロエタン(dichloroethane)、シクロヘキサノン(cyclohexanone)、シクロペンタノン(cyclopentanone)、N−メチルピロリドン、ブチルセロソルブまたはプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(propylene glycol methyl ether acetate)などが挙げられ、これらの中から選択された2種以上の混合溶媒を使用することもできる。その他、各成分の種類によってこれらを効果的に溶解させて基材上に塗布可能な任意の溶媒を使用することができる。
上述した光配向層形成用組成物は、後述するメソゲン層形成用組成物との総固形分の重量合計を基準として、光配向性重合体の約10ないし50重量%、バインダー樹脂形成用単量体の約5ないし20重量%、および光開始剤約0ないし6重量%を含むことができる。また、後述するメソゲン層形成用組成物は、前記光配向層形成用組成物との総固形分の重量合計を基準として、反応性メソゲンの約40ないし80重量%、および光開始剤約0ないし6重量%を含むことができる。この時、総固形分の重量合計とは、前記光配向層形成用組成物およびメソゲン層形成用組成物の構成成分中において、有機溶媒を除いた残りのすべての成分の重量合計を意味することができる。
また、前記光配向層形成用組成物およびメソゲン層形成用組成物において、各組成物内の固形分含有量は約10ないし80重量%になるとよい。そのために、前記組成物が好ましい塗布特性を示すことができる。より具体的には、これら組成物から薄膜を形成しようとする場合、前記固形分含有量は約10ないし40重量%になるとよい。
そして、基材上に前記光配向層形成用組成物を塗布するにあたっては、光配向性重合体、バインダー樹脂形成用単量体、および光開始剤などの具体的な種類に応じて、溶液の濃度、溶媒の種類および塗布方法を決定することができる。ただし、前記塗布方法は、ロールコーティング法、スピンコーティング法、印刷法、インクジェット噴射法、またはスリットノズル法などになるとよく、これらの方法を通じて透明導電膜または金属電極などがパターニングされて形成された基材上に組成物を塗布することができる。
追加的に、基材に対する接着性をさらに向上させるために、官能性シラン含有化合物、官能性フルオロ含有化合物または官能性チタン含有化合物を予め基材に塗布することもできる。
上述のように、基材上に光配向層形成用組成物を塗布した後には、溶媒を乾燥し、紫外線(UV)などを光照射して光配向層を形成することができる。この時、溶媒を乾燥および除去してから、光照射を進行させると、光配向性重合体の光反応基の少なくとも一部が光配向し、これと共にバインダー樹脂形成用単量体が光硬化され、バインダー樹脂を形成することができる。その結果、一実施形態の液晶配向膜に含まれている光配向層が形成できる。
このような光配向層の形成段階において、前記溶媒の乾燥および除去は、塗膜を加熱するか、真空蒸発法などによって進行することができ、このような乾燥段階は、約50ないし200℃で約30秒ないし60分、あるいは約100ないし150℃で約1ないし10分間進行することができる。
また、上述した紫外線などの光照射を進行させるにあたっては、前記乾燥した塗膜面に、波長範囲が約150ないし450nm領域の偏光した紫外線を照射することができる。この時、紫外線の照射強度は、光配向性重合体や光反応性基の種類に応じて変化し得るが、約50mJ/cmないし10J/cmのエネルギー、好ましくは約500mJ/cmないし5J/cmのエネルギーを照射することができる。
前記紫外線は、(1)石英ガラス、ソーダライムガラス、ソーダライムフリーガラスなどの透明基板の表面に誘電異方性の物質がコーティングされた基板を用いた偏光装置、(2)微細にアルミニウムまたは金属ワイヤが蒸着された偏光板、または(3)石英ガラスの反射によるブルースター偏光装置などを通過または反射させる方法で偏光処理されるとよく、このように偏光処理された紫外線が基材上の組成物に照射されるとよい。偏光した紫外線は、基材面に垂直に照射されてもよいが、特定の入射角で傾斜照射されてもよい。
また、前記紫外線照射時の基板の温度は、常温付近の温度になるとよいが、場合によっては、約100℃以下の温度範囲内で加熱された状態で紫外線が照射されてもよい。
上述した方法で光配向層を形成した後には、このような光配向層上に反応性メソゲンおよび選択的に光開始剤を含むメソゲン層形成用組成物を塗布し、これに対して紫外線などの光照射を進行させてメソゲン層を形成することができる。このような組成物も、反応性メソゲンおよび光開始剤などの各成分を溶解するために、有機溶媒をさらに含むことができ、このような有機溶媒の種類は、光配向層形成用組成物と大同小異である。また、前記メソゲン層形成用組成物の各構成成分、例えば、反応性メソゲンおよび光開始剤の含有量の範囲と、その固形分含有量の範囲などについてはすでに上述した通りであるので、これに関する追加的な説明は省略する。
このようなメソゲン層形成用組成物を光配向層上に塗布し、選択的に溶媒を乾燥および除去した後に、光照射を進行させると、反応性メソゲンが光配向層に含まれている光配向した光反応基に応じて液晶配向し、これと共に反応性メソゲンの不飽和基が光硬化されてメソゲン層が形成されるとよい。このようなメソゲン層の形成工程において、前記溶媒の乾燥および除去段階は、光配向層の形成工程と同様に、塗膜を加熱するか、真空蒸発法などによって進行することができ、このような乾燥段階は、約50ないし200℃で約30秒ないし60分、あるいは約50ないし100℃で約30秒ないし5分間進行することができる。
また、残りのメソゲン層の形成のための光照射段階の具体的な進行方法および条件などは、上述した光配向層の形成方法および条件に合わせて進行するか、通常の反応性メソゲンの液晶配向または光硬化方法および条件に従って進行することができる。
付け加えて、上述した方法で形成された液晶配向膜は約30ないし200nm、あるいは約50ないし200nmの厚さを有することができる。また、前記液晶配向膜は、前記メソゲン層上の液晶層、例えば、TFT−セルの液晶層をさらに含むことができる。前記液晶層は、例えば、TFT−セルの液晶層に使用されていた任意の液晶分子を含むことができる。
上述した液晶配向膜は、メソゲン層に含まれている液晶配向した反応性メソゲンの硬化物と、TFT−セルの液晶層とを相互作用させて、TFT−セルの液晶分子を液晶配向させる。その結果、液晶配向膜と、TFT−セルの液晶層との相互作用(anchoring energy)をより向上させ、液晶表示素子などの残像を減少させることができ、かつ、光重合型液晶配向膜特有の優れた液晶配向性および配向速度を示すことができ、液晶表示素子などの高いコントラスト比と、液晶の多方向パターン化による広視野角を効果的に実現することができる。
一方、発明の他の実施形態によれば、上述した一実施形態の液晶配向膜を含む液晶セルが提供される。このような液晶セルは、基材と、基材上に形成された液晶配向膜とを含むことができる。このような液晶セルは、当業界で知られた通常の方法によって製作できる。例えば、前記液晶配向膜を有する2つのガラス基板のうちの1つには、ボールスペーサが含まれている光反応性接着剤をガラス基板の端部分に塗布した後、これに残りの1つのガラス基板を貼り合わせ、接着剤が塗布された部分にのみ紫外線を照射してセルを接合することができる。以後、完成したセルに液晶を注入して熱処理することによって、液晶セルを製造することができる。
このような液晶セルは、通常の液晶セル、例えば、IPS(In−Plane Switching)液晶用液晶セルまたはTN(Twisted−Nematic)液晶用液晶セルになるとよい。
前記液晶セルは、優れた液晶配向安定性および減少した残像を示すことができ、優れた液晶配向性および高いコントラスト比などを示すことができる。
本発明によれば、液晶配向膜と、TFT−セルの液晶層との間の相互作用(anchoring energy)をより向上させることができ、液晶表示素子などの残像を減少させることができる液晶配向膜およびこれを含む液晶セルが提供される。このような本発明の液晶配向膜は、光重合型液晶配向膜特有の優れた液晶配向性および配向速度を示すことができ、かつ、従来の光重合型液晶配向膜の問題を解決し、液晶表示素子などの残像を減少させることができ、ひいては、コントラスト比が優れて維持され、液晶の多方向パターン化による広視野角の実現が可能になる。
試験例で実施例1、比較例1、2および参考例1の残像特性評価のために時間毎輝度増加率の測定結果を示すグラフである。 試験例で実施例2ないし6の残像特性評価のために時間毎輝度増加率の測定結果を示すグラフである。
以下、本発明の理解のために好ましい実施例を提示する。しかし、下記の実施例は、本発明をより容易に理解するために提供するものであって、本発明の内容がこれによって限定されるものではない。
実施例1:液晶配向膜の製造
光配向性重合体としては、大韓民国特許登録第0982394号の実施例1および6で得られたポリ(2−(4−フルオロシンナミックエステル)−5−ノルボルネンを使用した。
このような光配向性重合体2重量%、バインダー樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート1重量%、光開始剤としてCiba社のIrgacure907 0.125重量%を有機溶媒に溶解して、光配向層形成用組成物を形成した。この時、有機溶媒としては、シクロペンタノン(cyclopentanone)またはN−メチルピロリドンの40ないし80重量%と、ブチルセロソルブの20ないし60重量%とを混合した混合溶媒を使用した。ITO基板またはTFT(thin film trasnsister)基板上に、前記光配向層形成用組成物をスピンコーティング(1000ないし1500rpm、20秒)し、2分間100℃で乾燥した。そして、UV照射器(UV−A、UV−B)を用いて15mW/cmの光を2分間照射して、光配向層を形成した。この時、UV照射は、UVランプの前に偏光板を置いて進行した。
そして、反応性メソゲンとしては、Merck社のRMM907(RM1)を使用しており、このような反応性メソゲンの5重量%と、光開始剤の0.125重量%とを有機溶媒に溶解して、メソゲン層形成用組成物を形成した。この時、有機溶媒としては、シクロペンタノン(cyclopentanone)またはN−メチルピロリドンの40ないし80重量%と、ブチルセロソルブの20ないし60重量%とを混合した混合溶媒を使用した。光配向層が形成されているITO基板またはTFT基板上に、前記メソゲン層形成用組成物をスピンコーティング(1000ないし1500rpm、20秒)し、2分間100℃で乾燥した。そして、UV照射器(UV−A、UV−B)を用いて15mW/cmの光を2分間照射して、メソゲン層を形成した。この時、UV照射は、UVランプの前に偏光板を置いて進行した。
実施例2:液晶配向膜の製造
光配向性重合体として、ポリ(2−(4−フルオロシンナミックエステル)−5−ノルボルネンの代わりに、ポリ(2−(4−メトキシシンナミックエステル)−5−ノルボルネンを使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で光配向層およびメソゲン層を含む液晶配向膜を形成した。
実施例3:液晶配向膜の製造
光配向性重合体として、ポリ(2−(4−フルオロシンナミックエステル)−5−ノルボルネンの代わりに、ポリ(2−(4−ベンジルオキシシンナミックエステル)−5−ノルボルネンを使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で光配向層およびメソゲン層を含む液晶配向膜を形成した。
実施例4:液晶配向膜の製造
光配向性重合体として、ポリ(2−(4−フルオロシンナミックエステル)−5−ノルボルネンの代わりに、ポリ(2−(4−ブロムシンナミックエステル)−5−ノルボルネンを使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で光配向層およびメソゲン層を含む液晶配向膜を形成した。
実施例5:液晶配向膜の製造
反応性メソゲンとして、Merck社のRMM907の代わりに、Merck社のRMM1057を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で光配向層およびメソゲン層を含む液晶配向膜を形成した。
実施例6:液晶配向膜の製造
反応性メソゲンとして、Merck社のRMM907の代わりに、BASF社のLC1057を使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で光配向層およびメソゲン層を含む液晶配向膜を形成した。
比較例1:液晶配向膜の製造
実施例1と同様の方法で光配向層を形成し、これを比較例1の液晶配向膜とし、前記光配向層上にメソゲン層は形成しなかった。
比較例2:液晶配向膜の製造
実施例1と同一の光配向性重合体および反応性メソゲンを使用した。このような光配向性重合体および反応性メソゲンをそれぞれ2重量%および5重量%の含有量で使用し、バインダー樹脂としてペンタエリスリトールトリアクリレート1重量%、光開始剤としてCiba社のIrgacure907 0.125重量%を、前記光配向性重合体および反応性メソゲンと共に有機溶媒に溶解させて、液晶配向膜用組成物を形成した。
この時、有機溶媒としては、シクロペンタノン(cyclopentanone)またはN−メチルピロリドンの40ないし80重量%と、ブチルセロソルブの20ないし60重量%とを混合した混合溶媒を使用した。ITO基板またはTFT(thin film trasnsister)基板上に、前記液晶配向膜用組成物をスピンコーティング(1000ないし1500rpm、20秒)し、2分間100℃で乾燥した。そして、UV照射器(UV−A、UV−B)を用いて15mW/cmの光を2分間照射して、液晶配向膜を形成した。この時、UV照射は、UVランプの前に偏光板を置いて進行した。
比較例3:液晶配向膜の製造
光配向性重合体として、ポリ(2−(4−フルオロシンナミックエステル)−5−ノルボルネンの代わりに、ポリビニルシンナメートを使用したことを除いては、実施例1と同様の方法で光配向層およびメソゲン層を含む液晶配向膜を形成した。
試験例:液晶セルの製造と、初期ブラック輝度および残像特性の評価
3μmのスペーサ(spacer)が含まれている封止剤(sealant)で、実施例1ないし6および比較例1ないし3で製造された液晶配向膜基板を貼り合わせ、UVで封止剤を硬化した。そして、IPS液晶を毛細管現象(capillary force)を利用して注入した。液晶が注入されたセルを80℃で20分間安定化させ、セルの上板および下板に偏光板をクロス(cross)付着させた。そして、光度計(photometer)で初期ブラック輝度を測定した。このような初期ブラック輝度の測定結果は下記表1に示された通りであり、ポリイミド系配向性重合体を用いたラビング配向時の初期ブラック輝度を参考例1として共に表1に示した。
このような表1の初期ブラック輝度の測定結果によれば、実施例1ないし6は、参考例1に準ずるブラック輝度が得られることを確認することができた。
残像特性を測定および評価するにあたっては、まず、前記方法で製造して初期ブラック輝度を測定したセルを、60Hzの電場を同じ平面にかけて、60℃で15時間ストレスを与えた。そして、再びブラック輝度を測定して、初期ブラック輝度比増加したブラック輝度を輝度増加率として示した。このような輝度増加率は、ストレスの付加後、時間に応じて測定して図1および2に示した。参照として、よく知られているように、輝度増加率が0.4以下になる場合、残像が消滅したと評価され、残像特性に優れていると評価される。また、このような残像特性は、肉眼で残像が消滅するか否かを共に確認して評価した。
図1および2を参照すれば、実施例1ないし6の液晶配向膜の使用時、ストレスの除去後にも、初期にストレスを印加する前のブラック輝度に似た水準に回復することが分かり、残像特性に非常に優れていることが確認された。また、このような低い輝度増加率から、実施例1ないし6の液晶配向膜の使用時、非常に優れた配向安定性が現れることが確認された。
これに対し、比較例1ないし3の液晶配向膜の使用時には、大きい輝度増加率、特に、0.4をはるかに上回る輝度増加率を示すことによって、劣悪な残像特性および低い配向安定性を示すことが確認された。また、光重合型配向膜に比べて優れた残像特性などを示すことが知られたラビング配向方式の参考例1も、実施例1ないし6に比べると、劣悪な残像特性および低い配向安定性を示すことが確認された。
Figure 0005728539

Claims (12)

  1. 少なくとも一部が光配向した光反応基を有する光配向性重合体を含む光配向層と、
    前記光配向した光反応基によって液晶配向した反応性メソゲンの硬化物を含むメソゲン層とを含み、
    前記光配向性重合体は、下記の化学式3aまたは3bの繰り返し単位を含むノルボルネン系重合体を含み、
    前記反応性メソゲンは、下記の化学式4または5の化合物を含むことを特徴とする液晶配向膜。
    Figure 0005728539
    前記化学式3aおよび3bにおいて、それぞれ独立に、
    qは、0ないし4の整数であり、mは、50ないし5000であり、
    R1、R2、R3、およびR4のうちの少なくとも1つは、下記の化学式1aの基であり、
    化学式1aの基であるものを除いた残りのR1ないしR4は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素;ハロゲン;置換もしくは非置換の炭素数1ないし20の線状または分枝状アルキル;置換もしくは非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルケニル;置換もしくは非置換の炭素数2ないし20の線状または分枝状アルキニル;置換もしくは非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキル;置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール;および酸素、窒素、リン、硫黄、ケイ素、およびホウ素の中から選択された少なくとも1つ以上を含む極性官能基からなる群より選択され、
    前記R1ないしR4が水素;ハロゲン;または極性官能基でない場合、R1とR2、R3とR4からなる群より選択された1つ以上の組み合わせが互いに連結され、炭素数1ないし10のアルキリデン基を形成するか、またはR1またはR2がR3およびR4のうちのいずれか1つに連結され、炭素数4ないし12の飽和または不飽和脂肪族環、または炭素数6ないし24の芳香族環を形成することができ、
    Figure 0005728539
    前記化学式1aにおいて、
    Aは、単純結合、酸素、硫黄または−NH−であり、
    Bは、単純結合、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキレン、カルボニル、カルボキシ、エステル、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリーレン、および置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のヘテロアリーレンからなる群より選択され、
    R9は、単純結合、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキレン、置換もしくは非置換の炭素数2ないし20のアルケニレン、置換もしくは非置換の炭素数3ないし12のシクロアルキレン、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリーレン、置換もしくは非置換の炭素数7ないし15のアラルキレン、および置換もしくは非置換の炭素数2ないし20のアルキニレンからなる群より選択され、
    R10ないしR14は、互いに同一または異なり、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルコキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし30のアリールオキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアルコキシアリール、および14族、15族または16族のヘテロ元素を含む炭素数6ないし40のヘテロアリールからなる群より選択され
    Figure 0005728539
    前記化学式4および5において、
    、L は、それぞれ独立に、水素、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし8のアルキルエステル、置換もしくは非置換の炭素数1ないし8のアルキルエーテル、および置換もしくは非置換の炭素数1ないし8のアルキルケトンからなる群より選択され、
    、B は、それぞれ独立に、置換もしくは非置換の炭素数6ないし20のアリーレン、または置換もしくは非置換の炭素数4ないし8のシクロアルキレンであり、
    R1、R2は、それぞれ独立に、(メタ)アクリル基またはエポキシ基であり、
    は、フッ素置換もしくは非置換の炭素数1ないし7のアルキル、フッ素置換もしくは非置換の炭素数1ないし7のアルコキシ、フッ素置換もしくは非置換の炭素数2ないし7のアルケニル、フッ素置換もしくは非置換の炭素数2ないし7のアルケニルオキシ、およびフッ素置換もしくは非置換の炭素数1ないし7のアルコキシアルキルからなる群より選択され、
    、Z 、Z 、Z は、それぞれ独立に、単純結合、−O−、−S−、−COO−または−OCO−である
  2. 前記R10ないしR14のうちの1つ以上は、ハロゲン、置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルコキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし30のアリールオキシ、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアリール、置換もしくは非置換の炭素数6ないし40のアルコキシアリール、またはハロゲンで置換もしくは非置換の炭素数1ないし20のアルキルであることを特徴とする、請求項1に記載の液晶配向膜。
  3. 前記光配向層は、光硬化された架橋重合体形態のバインダー樹脂をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶配向膜。
  4. 前記バインダー樹脂は、(メタ)アクリレート系架橋重合体を含むことを特徴とする、請求項に記載の液晶配向膜。
  5. 前記(メタ)アクリレート系架橋重合体は、ペンタエリスリトールトリアクリレート(pentaerythritol triacrylate)、トリ(2−アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート(tris(2−acryloyloxyethyl)isocyanurate)、トリメチロールプロパントリアクリレート(trimethylolpropane triacrylate)およびジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(dipentaerythritol hexaacrylate)からなる群より選択された1種以上の多官能性(メタ)アクリレート系単量体を光硬化した架橋重合体であることを特徴とする、請求項に記載の液晶配向膜。
  6. 前記光配向層または前記メソゲン層は、当該層内に分散している光開始剤をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶配向膜。
  7. 液晶配向膜の全体重量を基準として、
    光配向性重合体の10ないし50重量%と、バインダー樹脂の5ないし20重量%とを含む光配向層と、
    反応性メソゲン硬化物の40ないし80重量%を含むメソゲン層とを含むことを特徴とする、請求項に記載の液晶配向膜。
  8. 前記メソゲン層上の液晶層をさらに含むことを特徴とする、請求項1に記載の液晶配向膜。
  9. 30ないし200nmの厚さを有することを特徴とする、請求項1に記載の液晶配向膜。
  10. 請求項1またはに記載の液晶配向膜を含むことを特徴とする液晶セル。
  11. IPS(In−Plane Switching)液晶用であることを特徴とする、請求項10に記載の液晶セル。
  12. TN(Twisted−Nematic)液晶用であることを特徴とする、請求項10に記載の液晶セル。
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