JP7134141B2 - 制御システム - Google Patents
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Description
また、上記特許文献2のような同期発電機の励磁制御装置では、同期発電機の出力電圧の変化に基づいた系統インピーダンスの演算を行うため、同期発電機の出力電圧が一定で変化しない場合には演算できない。そのため、同期発電機の運転において本来不要な、出力電圧を変化させるための作為的なステップ応答を定期的に実施する必要があり、制御性および精度が低下するという課題があった。
同期発電機が接続された電力系統の系統インピーダンスを演算する制御部を備える制御システムであって、
前記制御部は、
前記同期発電機の送電端子電圧、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の無効電力、および、前記系統インピーダンスを示す変数Xe、を含む、f(Xe)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して、前記変数Xeに設定された初期値を用いて収束演算を行うことにより、前記系統インピーダンスを演算する、
ものである。
図1は、実施の形態1による励磁制御装置50と、この励磁制御装置50を同期発電機1を有する発電所に設けた発電システム100の構成を示す図である。
図2は、実施の形態1による励磁制御装置50が備えるXe演算器40の構成を示す機能ブロック図である。
図3は、実施の形態1による励磁制御装置50が備えるPSS設定器53によるPSS設定値の切り替え方法を示す図である。
図4は、実施の形態1による励磁制御装置50が備えるPSS設定器53の構成を示す図である。
図5は、実施の形態1による励磁制御装置50が備える電力系統安定化装置54の構成を示す制御ブロック図である。
図6は、実施の形態1による励磁制御装置50が備える自動電圧調整装置55の構成を示す制御ブロック図である。
主回路10は、発電所内の同期発電機1と、変圧器としての発電機主変圧器2と、発電機遮断器3と、から成る。
同期発電機1は、これら発電機主変圧器2および発電機遮断器3を介して電力系統20(無限大母線)に接続され、発電機遮断器3により電力系統20から切離可能である。
また、発電機遮断器3の開閉状態を示す開閉信号3aが励磁制御装置50に送信される。
このXe演算器40による系統インピーダンスXeの現在値の演算の詳細については後述する。
PSS設定器53は、入力された系統インピーダンスXeの現在値に基づいて、制御定数としてのPSS設定値を切り替え、切り替え信号53aを電力系統安定化装置54に対して出力する。このPSS設定器53によるPSS設定値の切り替えの詳細については後述する。
出力された補償信号54aは、前述の差分器56から出力された電圧偏差ΔVgと加算器57により加算された後、制御値57aとして自動電圧調整装置55に入力される。
そして、励磁器30は、この制御信号55aに基づいて、同期発電機1の界磁巻線1aに対して流す励磁電流を調節する。
先ず、図2を用いてXe演算器40について説明する。
図2に示すようにXe演算器40は、Xe判定器41と、Xe設定器45(AMR(Analogue MemoRy))と、を備える。
なお、Xe設定器45は、主回路10の発電機遮断器3の開閉信号3aがON、即ち、同期発電機1が電力系統20に接続されている場合に、保持されている系統インピーダンスXeの現在値(予測値)をXe判定器41に対して出力する。
さらに(2)式中の無限大母線電圧Vbについては、通常のケースにおける1.0PUが代入される。これは、系統不具合発生時、過負荷等の全体の母線電圧低下により、無限大母線電圧Vbが変動したとみなされるケースであっても、同期発電機1の発電機端子からみた無限大母線1.0PUに対する系統インピーダンスXeが演算されるため、問題はない。
Xe判定器41は、関係式f(Xe)=0のXeに対して、設定された第1設定値を代入し、この第1設定値を順次置き換える反復計算を行うことで、f(Xe)=0となるXeを導出する収束演算を行う。
Xe判定器41は、収束演算において、第1設定値と、その第1設定値を設定された減算値分だけ減算した第2設定値と、第1設定値を設定された加算値分だけ加算した第3設定値と、をそれぞれ関係式f(Xe)のXeに代入する。
なお、この収束演算において関係式f(Xe)のXeに最初に代入される第1設定値=Xebには、Xe設定器45内に予め設定され、保持されている初期値0.3PUを用いる。
また、Xe判定器41は、第2設定値=Xeb-0.01を代入したf(Xeb-0.01)=0の左辺の値である第2演算値の絶対値を演算する。
また、Xe判定器41は、第3設定値=Xeb+0.01を代入したf(Xeb+0.01)=0の左辺の値である第3演算値の絶対値を演算する。
また例えば、第3設定値(Xeb+0.01)を代入して得られた第3演算値の絶対値が3値の中で最少である場合、第1設定値(Xeb)よりもXeを増加させた方向側で、f(Xe)=0の左辺の値が0に収束していくことが判る。
このように、Xe判定器41が行う関係式f(Xe)の収束方向の判定とは、f(Xe)=0となるXeが、第1設定値(Xeb)を中心としてその値を増加させた方向側であるか、減少させた方向側であるかの判定である。
そしてXe設定器45は、減指令を受けると、第2設定値=Xeb-0.01の値を新たな第1設定値として設定し、Xe判定器41に対して出力する。
そしてXe設定器45は、増指令を受けると、第3設定値=Xeb+0.01の値を新たな第1設定値として設定し、Xe判定器41に対して出力する。
Xe判定器41は、f(Xe)=0の左辺の値が0を中心とする閾値以内に収束するXeの値を得られたところで、系統インピーダンスXeの現在値が得られたと判定して収束演算を終了させる。
あるいは、第1演算値が3値の中で最少の場合であっても、その値が0を中心とする閾値以内に収まっていない場合では、例えば、設定された増減値、減算値を0.01PUよりも小さい値に設定する。そして第1設定値=Xebを0.01PUよりも更に微少なピッチで増減させることで、f(Xe)=0の左辺の値が0を中心とする閾値以内に収束するXeの値が得られるまで収束演算を行ってもよい。
このような演算ロジックにより、系統インピーダンスXeの現在値を精度良く常時演算することが可能となる。
すなわち、系統インピーダンスXeの現在値が、Xe≦Xe1-2の場合にはZone1で設定されるPSS設定値が選出され、Xe1-2<Xe≦Xe2-3の場合にはZone2で設定されるPSS設定値が選出され、Xe>Xe2-3の場合にはZone3で設定されたPSS設定値が選出される。
なお、入力された系統インピーダンスXeの現在値は、限時タイマー53xにより設定された条件成立後にセット時間t1分遅延されて出力され、ワンショットタイマー53yにより設定された条件成立後においてセット時間t2遅延されて出力される。
このような構成とすることで、収束演算において時間を要する場合等において、各Zoneの切り替え領域付近における意図しない頻繁なPSS設定値の切り替えを防止できる。
そして、自動電圧調整装置55は、このように系統状態に応じて演算された系統インピーダンスXeの現在値を用いて切り替えられた、電力系統20の安定度に最適化した制御定数に基づいて励磁器30の制御を行う。これにより、系統安定度に応じた同期発電機1の出力制御が可能となる。
発電機端子と電力系統20との間に設けられる発電機主変圧器2のインピーダンスは、0.15~2.0PU程度となり、安定した系統における系統インピーダンスは、この主変圧器のインピーダンスの値よりも小さくなる。よって、これらの合計である約0.3PUを、同期発電機1から見た系統インピーダンスXeの現在値に最も近い値と仮定することで、演算速度を向上できると共に、振動、発散することのない安定した収束演算が可能となる。
例えば、演算された系統インピーダンスXeの現在値に基づいて、自動電圧調整装置55(AVR)にて用いる制御定数を調整するものでもよい。あるいは、電力系統安定化装置54(PSS)で用いる制御定数と自動電圧調整装置55(AVR)で用いる制御定数の両方を調整してもよい。
同期発電機が接続された電力系統の系統インピーダンスを演算する制御部を備える制御システムであって、
前記制御部は、
前記同期発電機の送電端子電圧、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の無効電力、および、前記系統インピーダンスを示す変数Xe、を含む、f(Xe)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して、前記変数Xeに設定された初期値を用いて収束演算を行うことにより、前記系統インピーダンスを演算する、
ものである。
こうして、同期発電機の送電端子電圧、同期発電機の有効電力、同期発電機の無効電力、系統インピーダンスXe、のそれぞれの値の変化と、その変化の関係性を検討することで、単純に解を導出できない1機無限大系統につながる発電機電気量の式を、関係式f(Xe)=0と表し、更にこの関係式f(Xe)=0に対して設定された初期値を用いた収束演算を行うことにより、系統インピーダンスXeの現在値を導出できることが明らかとなった。
また、このように収束演算を実施することにより、f(Xe)=0となる真解Xeの精度良い近似解を導出できる。こうして、系統状態の変化に応じた、精度良い系統インピーダンスXeの現在値を導出できる。
これにより、再生可能エネルギーの増加、負荷の変動、負荷の切り離し、発電機の系統併入、等で電力系統の状態が変動した場合においても、系統安定度に応じた同期発電機1の精度良い制御が可能となる。
前記制御部は、前記収束演算において、
前記初期値として、第1設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第1演算値の絶対値と、
前記第1設定値から設定された減算値を減算した第2設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第2演算値の絶対値と、
前記第1設定値に対して設定された加算値を加算した第3設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第3演算値の絶対値と、を比較して、前記関係式の左辺の値が0を中心とする閾値範囲以内に収束する変数Xeの値が得られる、前記第1設定値の増減方向を判定し、
判定された前記増減方向に応じて、前記関係式の左辺の値が0を中心とする閾値範囲以内に収束する変数Xeの値を得るまで、代入された前記第1設定値、前記第2設定値、前記第3設定値、のいずれかを、新たな前記第1設定値として前記関係式に代入する、
ものである。
これにより、関係式f(Xe)が収束する方向の判定、すなわち、f(Xe)=0となるXeの値が、第1設定値=Xebを中心としてその値を増加させた方向側であるか、減少させた方向側であるかの判定が可能となる。
これにより、第1設定値=Xebを適切に増減できるため、収束演算における演算時間を短縮して、演算を発散させずに系統インピーダンスXeの現在値を確実に導出できる。
そのため、例えば第1設定値付近に解がある場合、すなわち、第2設定値と第3設定値をそれぞれ関係式f(Xe)=0に代入した際の左辺の値の符号が入れ替わるような場合においても、このような第1設定値を中心とした3値の比較を行うことにより、振動、発散することのない収束演算が可能になる。
前記関係式は、上記(2)式で表される、
ものである。
前記収束演算において前記関係式に代入される前記初期値は、前記同期発電機と前記電力系統との間に接続される変圧器のインピーダンスに基づいて設定される、ものである。
前記収束演算において前記関係式に代入される前記初期値は、前記系統インピーダンスの予測最大値の1.0PUに対して、0.3±0.15PUに設定される、
ものである。
前記送電端子電圧を制御する自動電圧調整部と、
前記電力系統の動揺を抑制するように前記自動電圧調整部に補正値を与える系統安定化部と、を備え、
前記制御部は、
前記収束演算において、演算された前記系統インピーダンスの値に応じて、前記系統安定化部あるいは前記自動電圧調整部において用いる制御定数の少なくとも一方を調整する、
ものである。
なお、電力系統安定化装置、自動電圧調整装置には一般的な構成のものを用いることができ、本実施の形態の制御システムは既存の発電所等への適用があり、汎用性が高い。
以下、本願の実施の形態2を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図7は、実施の形態2による励磁制御装置250の構成を示す機能ブロック図である。
図8は、同期発電機1の出力可能な電力範囲を示す説明図である。
図9は、一機の同期発電機1を接続した無限大母線系の構成を示す構成図である。
本実施の形態の励磁制御装置250は、実施の形態1に示した励磁制御装置50に対して、制御部としての裕度判定器260と、制御部としてのMEL(Minimum Excitation Limiter)機能部255と、を更に備えたものである。
図8に示すように、同期発電機1の発電機端子における有効電力Pと無効電力Qとで張られるPQ平面図上において、同期発電機1を構成する界磁巻線、固定子巻線等の温度限界、界磁巻線の励磁電流限界等に基づく制約により、可能出力限界としての可能出力曲線L1が決定される。同期発電機1が故障することなく運転を行うためには、同期発電機1の有効電力Pgおよび無効電力Qgから定まる運転点Fが、この可能出力曲線L1の範囲内となるように運転を行う必要がある。
なお、この可能出力曲線L1の進相側における線分CDは、主に同期発電機1の固定子鉄心の温度限界による制約に基づいて決定される。
なお、図8では、定態安定度限界曲線L2は、可能出力曲線L1で囲まれる領域よりも外側に位置しているが、定態安定度限界曲線L2は、運転中の電力系統20の状態によっては、可能出力曲線L1で囲まれる領域よりも内側に位置することがある。
そこで同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を過剰に制限して無効電力が過剰に低下することがないように、同期発電機1の低励磁運転範囲を制限する、低励磁制限値としての低励制限曲線L0(以降、MEL曲線と称す)が設定される。
図10は、実施の形態2による裕度判定器260が行う低励磁制限制御を説明するための説明図である。
更に、裕度判定器260は、この図10においては図示しない機能部を備える。
更に機能部は、図8に示すように、無負荷P0(有効電力=0)、定格有効電力P1、50%負荷の有効電力P2、における進相運転可能点を演算する。即ち、機能部は、無負荷P0、定格有効電力P1、50%負荷P2、のそれぞれの有効電力に対応する定態安定度限界曲線L2上の各無効電力の値を求め、これらの値を進相運転可能点とする。そして、機能部は、これらの各進相運転可能点に対して一定のマージンを含めたQ0、Q1、Q2を選定し、これらQ0、Q1、Q2を直線で結んだMEL曲線L0を設定する。
図11は、実施の形態2による第1裕度判定部261の運転点Fの評価方法についての説明図である。
本実施の形態の第1裕度判定部261は、以下に説明するように、同期発電機1の定態安定度を評価するために、同期発電機1の運転点Fの、定態安定度限界曲線L2に対する第1裕度δを演算するものである。
ここで、励磁制御装置250は、励磁の増減、すなわち無効電力Qの増減を制御する装置である。そのため、第1裕度判定部261は、第1裕度δに対応する低励磁制限(MEL)の制御強度、即ち、第1裕度δに対応する無効電力Qの調整量ΔQ1を以下のように導出する。
定態安定度MEL制限器263は、この信号261aに基づいて、一定の有効電力Pgに対応する無効電力Qの調整量ΔQ1を指定する第1制限信号263aを出力する。
図12は、実施の形態2による第2裕度判定部262の運転点Fの評価方法についての説明図である。
図13は、実施の形態2による運転点Fの評価方法による効果についての説明図である。
以下にて説明する第2裕度判定部262における制御は、従来より行われてきたものであり、裕度判定器260は、従来と同様の制御を行うこの第2裕度判定部262と、前述の第1裕度判定部261と、を並列して動作させるものである。
こうして第2裕度判定部262は、運転点FのMEL曲線L0に対する第2裕度ΔQ2を演算する。
この第2制限信号262aは、同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を増加させることにより、同期発電機1の無効電力QgがMEL曲線L0を越えないように後段の自動電圧調整装置55を制御するための信号である。
そして、選択器264は、前述のように、この第1制限信号263aあるいは第2制限信号262aのいずれかを、同期発電機1の運転点Fに基づいて選択し、MEL制限信号260aとして後段のMEL機能部255に対して出力する。
前記制御部は、
演算された前記系統インピーダンスと前記同期発電機の同期インピーダンスとに基づいて前記同期発電機の定態安定度の限界を演算し、前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、演算された前記定態安定度の限界に対する第1裕度を判定する第1裕度判定部を備え、
判定された前記第1裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を演算する、
ものである。
このように精度良い定態安定度限界曲線が得られるため、第1裕度判定部は、この定態安定度限界曲線を、同期発電機の定態安定度の評価に用いることができる。
本実施の形態では、前述のように、系統状態に応じて変化する定態安定度限界曲線の現在値を精度良く得られるため、第1裕度判定部は、同期発電機の運転点自体の定態安定度限界曲線に対する安定度評価(第1裕度の評価)を行う。
これにより、MEL曲線L0の外側で、且つ、定態安定度限界曲線L2の内側の運転可能範囲を得られる。
例えば、図13において、定態安定度限界曲線L2(L2=0.15PU)を越えないように、演算された第1裕度に基づいて同期発電機の制御を行うことで、例えば、運転点F1における同期発電機の運転が可能となる。こうして、MEL曲線L0を越えないように制御を行う一般的な低励磁制限の制御(本実施の形態の第2裕度ΔQ2に相当)に比較して、同期発電機の進相側の運転範囲を大幅に拡大できる。
本実施の形態では、変動する定態安定度限界曲線L2に対する第1裕度を判定する第1裕度判定部を、MEL曲線に対する第2裕度を判定する第2裕度とは別に、別途設ける構成としている。これにより、MEL曲線L0を、可能出力曲線L1の内側の直近にまで近づけて設定できる。これにより、同期発電機の進相側の運転範囲が、更に大幅に拡大される。
前記制御部は、
前記定態安定度の進相側の限界に基づいて設定された、前記同期発電機の低励磁運転範囲を制限する低励磁制限値、を演算し、
前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、前記低励磁制限値に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部を備え、
判定された前記第2裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を決定する、
ものである。
こうして、一般的な励磁制御装置において行われるMEL曲線に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部と、定態安定度限界曲線に対する第1裕度を判定する第1裕度判定部との、2種類の低励磁制限(MEL)の手段を有する。
これにより、同期発電機の運転点に応じて、第1裕度あるいは第2裕度のいずれかに基づいた同期発電機の制御が可能となり、操作性が向上すると共に、同期発電機の進相側の運転範囲を拡大できる。
前記第1裕度判定部は、
前記同期発電機の有効電力と無効電力とから張られる平面図上において、前記定態安定度の限界を示す第1曲線の中心点と前記運転点とを結ぶ線分の、前記第1曲線の半径に対する割合を導出することで、前記第1裕度を判定する、
ものである。
ここで、第2裕度判定部は、同期発電機の運転点の無効電力と、この運転点の有効電力におけるMEL曲線上の無効電力とを比較して、Q軸方向のみの第2裕度ΔQ2を評価するものである。しかしながら、このようなQ軸方向のみの裕度に基づく低励磁制御では、特に、運転点の有効電力Pgが大きい場合において、制御が強すぎる場合があった。
前記制御部は、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の前記調整量であるΔQを、以下式に基づいて導出する、
ΔQ=α/cosθ
但し、θは前記線分がQ軸に対して成す角度、
αは、前記運転点の前記線分上における制御効果を示す線分、
である。
即ち、図11に示すように、無効電力の調整量ΔQ1を示す線分に対応する制御効果αを示す線分は短くなることから、大きな調整量ΔQ1に対して小さな制御効果αが得られる。即ち、制御効果αに対し微少な低励磁制限制御の調整が可能となる。これにより、適切な制御強度で低励磁制限制御が可能となり、制御の安定性が向上すると共に、広い同期発電機の進相運転可能領域を確保できる。
前記送電端子電圧を制御する自動電圧調整部と、
前記電力系統の動揺を抑制するように前記自動電圧調整部に補正値を与える系統安定化部と、を備え、
前記制御部は、
演算された前記調整量に応じて、前記系統安定化部あるいは前記自動電圧調整部において用いる制御定数の少なくとも一方を調整する、
ものである。
以下、本願の実施の形態3を、上記実施の形態2と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態2と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図14は、実施の形態3による裕度判定器360が行う低励磁制限制御を説明するための説明図である。
図15は、実施の形態3による第2裕度判定部362の運転点Fの評価方法についての説明図である。
実施の形態2の第2裕度判定部262では、運転点Fの、MEL曲線L0に対する第2裕度ΔQ2を演算していたが、本実施の形態3の第2裕度判定部362は、運転点Fの可能出力曲線L1に対する第2裕度γを演算する。
円筒型発電機においてはこの曲線CDは円弧に近似でき、Q軸上にある曲線CDの円弧中心0は、一般的な演算手法なのでここでは説明を省略するが、容易に導出できる。
上記第2裕度γに対応する低励磁制限(MEL)の制御強度、即ち、第2裕度γに対応する無効電力の調整量ΔQ3は、前述の実施の形態2の第1裕度δに対する無効電力の調整量ΔQ1の導出方法と同様の手法で、以下(13)式、(14)式のように導出される。
可能出力MEL制限器365は、この信号362aに基づいて、一定の有効電力に対応する無効電力の調整量ΔQ3を指定する第2制限信号365aを出力する。
こうして、可能出力曲線L1あるいは定態安定度限界曲線L2に応じた同期発電機1の低励磁制限(MEL)の制御が可能となる。
前記制御部は、
前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、前記同期発電機の温度限界により制約される進相側の可能出力限界に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部を備え、
判定された前記第2裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を決定する、
ものである。
このような可能出力曲線L1に対する第2裕度に基づいた同期発電機の制御を行うことで、例えば、図13に示すように、MEL曲線L0および定態安定度限界曲線L2の外側で、且つ、可能出力曲線L1の内側の運転範囲である運転点F2における同期発電機の運転が可能となる。こうして、同期発電機の進相側の運転範囲を大幅に拡大できる。
なお、この運転点F2は、定態安定度限界曲線L2を越えた運転領域に位置するため、系統安定度に対して影響がでる可能性があるものの、同期発電機自体の可能出力曲線L1の領域内であるため運転は可能である。
これにより、同期発電機の運転点に応じて、第1裕度あるいは第2裕度のいずれかに基づいた同期発電機の制御が可能となり、操作性が向上すると共に、同期発電機の進相側の運転範囲を拡大できる。
前記第2裕度判定部は、
前記同期発電機の有効電力と無効電力とから張られる平面図上において、
円弧形状に近似された進相側の前記可能出力限界を示す第2曲線の中心点と、前記運転点とを結ぶ線分の、前記第2曲線の半径に対する割合を導出することで、
前記同期発電機の前記運転点の、進相側の前記可能出力限界に対する前記第2裕度を判定する、
ものである。
本実施の形態の第2裕度判定部は、このように、進相側の可能出力曲線の半径方向における運転点の第2裕度を評価し、この第2裕度の評価に対する適切な励磁制御量である一定の有効電力に対応する無効電力の調整量を算出する。これにより、適切な制御強度の低励磁制限制御を行える。
以下、本願の実施の形態4を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図16は、実施の形態4による励磁制御装置450の構成を示す機能ブロック図である。
本実施の形態の励磁制御装置450は、実施の形態1に示した励磁制御装置50に対して、制御部としてのVQ特性演算器470を更に備えたものである。
VQ特性演算器470には、演算された系統インピーダンスXeの現在値と、有効電力Pgとが入力される。
なお、(15)式中の無限大母線電圧Vbには、1.0PUが代入される。
このように各変数Pg、Vb、Xeにそれぞれ値を代入することで、上記(15)式は、発電機端子電圧の変数Vgと、無効電力の変数Qgとを含む、関係式f(Vg、Qg)=0の形に表される。
これにより、系統インピーダンスXeの演算値を系統条件として固定した際における、同期発電機1の運転点である有効電力Pgを一定とした際の、無効電力Qの調整可能範囲が導出できる。
無効電力の調整可能範囲に基づいて、自動電圧調整装置55に対して、低励磁制限信号470aを出力する。自動電圧調整装置55は、この低励磁制限信号255aに基づいて、同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を調整する。
前記制御部は、
前記収束演算により演算された前記系統インピーダンス、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の前記送電端子電圧を示す変数Vg、前記同期発電機の無効電力を示す変数Qg、を含む、f(Vg、Qg)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して収束演算を行うことにより、一定の前記同期発電機の有効電力と一定の前記系統インピーダンスにおける、前記送電端子電圧と前記同期発電機の無効電力との相関関係を導出し、
導出された前記相関関係に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する、前記同期発電機の無効電力の調整可能範囲を導出する、
ものである。
これにより、系統インピーダンスXeの演算値を系統条件として固定した際における、同期発電機の運転点である有効電力Pgを一定とした際の、無効電力Qの調整可能範囲が導出できる。そしてこの導出された無効電力Qの調整可能範囲に基づいた、同期発電機1の励磁制御を行うことで、電力系統20の系統状態に基づいた適切な同期発電機1の制御が可能となる。
以下、本願の実施の形態5を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図17は、実施の形態4による発電システム500の系統構成例を示す図である。
図に示すように、本実施の形態の発電システム500は、実施の形態1に示した発電所内の同期発電機1を有する主回路10を複数備える。また、各主回路10は励磁制御装置50、励磁器30をそれぞれ備える。
また、少なくとも2つの発電機遮断器3の開閉状態を示す開閉信号3aと、系統連系遮断器507の開閉状態を示す開閉信号507aとが、励磁制御装置50に入力される。
この場合、Xe演算器40は、開状態の系統連系遮断器507から各同期発電機1側における、各同期発電機1同士を接続する配線網が有するインピーダンスを、系統インピーダンスXeとして演算する。
図18は、比較例の励磁制御装置の系統安定化装置(PSS)における制御の説明図である。
図19は、実施の形態5による電力系統安定化装置554(PSS)の制御の説明図である。
そして、電力系統安定化装置554は、「発電機遮断器3が閉(ON)」の条件で、演算された系統インピーダンスXeに基づいて、自動電圧調整装置55に対して電力動揺を抑制するための補償信号54aを出力する。
前記系統連系点は系統連系遮断器を介して前記電力系統に接続され、
前記系統連系遮断器の開閉状態を示す開閉信号が前記制御部に入力され、
前記制御部は、
前記系統連系遮断器が開状態における前記収束演算において、
前記電力系統の前記系統インピーダンスとして、前記系統連系遮断器から前記同期発電機側の配線網が有するインピーダンスを演算する、
ものである。
また、電力系統安定化装置554は、前述のように、「発電機遮断器3が閉(ON)」の条件で、演算された系統インピーダンスXeに基づいて、自動電圧調整装置55に対して電力動揺を抑制するための補償信号54aを出力するが、発電システム500内の全ての同期発電機1が備える発電機遮断器3が「閉(ON)」である必要はない。
発電システム500内で、少なくとも2つの同期発電機1が備える発電機遮断器3が「閉(ON)」状態(所内系統単独運転の状態)であれば上記補償信号54aの出力は可能である。
以下、本願の実施の形態6を、上記実施の形態1、5と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1、5と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図20は、実施の形態6による発電システム600の系統構成例を示す図である。
本実施の形態の発電システム600は、実施の形態1に示した発電所内の同期発電機1を有する主回路10を複数備える。また、各主回路10は励磁制御装置50、励磁器30をそれぞれ備える。
そして、これら複数の同期発電機1が接続される系統連系点が、系統連系遮断器507を介して電力系統20に接続される。
系統連系点の母線には、系統連系用VT606、系統連系用CT605が設けられている。そして、検出された送電端子電圧としての系統連系点における系統連系点電圧Vgと、系統連系点電流Igとが、励磁制御装置650に取り込まれる。
更に、励磁制御装置650の指令演算部651は、電力系統20の状態が変化した場合でも、系統連系点における力率PFが設定された範囲内に収まるように、演算された電力系統20の系統インピーダンスXeの現在値に応じて、各同期発電機1が備える励磁制御装置50に対して、無効電力Qを調整する補正指令650aを出力する。
複数の前記同期発電機を備え、該複数の同期発電機が接続される系統連系点が前記電力系統に接続され、
前記制御部は、
前記系統連系点における電圧、有効電力、無効電力を、それぞれ、前記関係式における前記同期発電機の、前記送電端子電圧、有効電力、無効電力として前記収束演算を行う、
ものである。
これにより、電力系統の状態が変動した場合においても、各同期発電機側から見た系統インピーダンスXeの現在値に基づいた、系統安定度に応じた各同期発電機の励磁増減量の制御調整が可能となる。こうして、複数の同期発電機を備えた発電所において、系統連系点における力率が、設定された力率範囲内に収まるように精度良く調整される。
発電システム600内の複数の同期発電機1を、等価的な1台の仮想同期発電機に置換した仮想発電所の出力(等価出力電力)を以下(16)式により求める。更に以下(17)式によりこの仮想発電所の同期インピーダンスXd(等価同期インピーダンス)を求める。
P(Gi)は、各同期発電機1の出力電力(i=1~n台)。
Xd(Gi)は、各同期発電機1の同期インピーダンス(i=1~n台)。
なお、指令演算部651は、この補正指令650aの生成において、上記式(17)により求められた等価同期インピーダンスXdmodelに基づいて、送電端子電圧としての系統連系点における系統連系点電圧Vgの電圧調整を行う。
そして、1台の仮想の同期発電機の仮想の界磁巻線に対して仮想の励磁制御を行うことにより、系統連系点における送電無効電力を調整して力率制御を行う。
複数の前記同期発電機を1台の同期発電機に置換した仮想同期発電機における、等価同期インピーダンス、等価出力電力を演算し、
演算された、前記等価同期インピーダンス、前記等価出力電力に基づいて、
一定の前記有効電力に対応する前記仮想同期発電機における無効電力の調整量を決定する、
ものである。
これにより、電力系統の状態が変動した場合においても、演算された電力系統の系統インピーダンスXeの現在値に基づいた、系統安定度に応じた各同期発電機の励磁増減量の制御が可能となる。こうして、複数の同期発電機を備えた発電所において、系統連系点における力率が、設定された力率範囲内に収まるように系統安定度に応じて精度良く調整される。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
50,250,450,650 励磁制御装置(制御システム)、
53 PSS設定器(制御部)、54 電力系統安定化装置(系統安定化部)、
55 自動電圧調整装置(自動電圧調整部)、260,360 裕度判定器(制御部)、255 MEL機能部(制御部)、261 第1裕度判定部、362 第2裕度判定部、470 VQ特性演算器(制御部)、507 系統連系遮断器。
Claims (16)
- 同期発電機が接続された電力系統の系統インピーダンスを演算する制御部を備える制御システムであって、
前記制御部は、
前記同期発電機の送電端子電圧、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の無効電力、および、前記系統インピーダンスを示す変数Xe、を含む、f(Xe)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して、前記変数Xeに設定された初期値を用いて収束演算を行うことにより、前記系統インピーダンスを演算する、
制御システム。 - 前記制御部は、前記収束演算において、
前記初期値として、第1設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第1演算値の絶対値と、
前記第1設定値から設定された減算値を減算した第2設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第2演算値の絶対値と、
前記第1設定値に対して設定された加算値を加算した第3設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第3演算値の絶対値と、を比較して、前記関係式の左辺の値が0を中心とする閾値範囲以内に収束する変数Xeの値が得られる、前記第1設定値の増減方向を判定し、
判定された前記増減方向に応じて、前記関係式の左辺の値が0を中心とする閾値範囲以内に収束する変数Xeの値を得るまで、代入された前記第1設定値、前記第2設定値、前記第3設定値、のいずれかを、新たな前記第1設定値として前記関係式に代入する、
請求項1に記載の制御システム。 - 前記収束演算において前記関係式に代入される前記初期値は、前記同期発電機と前記電力系統との間に接続される変圧器のインピーダンスに基づいて設定される、
請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の制御システム。 - 前記収束演算において前記関係式に代入される前記初期値は、前記系統インピーダンスの予測最大値の1.0PUに対して、0.3±0.15PUに設定される、
請求項4に記載の制御システム。 - 前記制御部は、
演算された前記系統インピーダンスと前記同期発電機の同期インピーダンスとに基づいて前記同期発電機の定態安定度の限界を演算し、前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、演算された前記定態安定度の限界に対する第1裕度を判定する第1裕度判定部を備え、
判定された前記第1裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を演算する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制御システム。 - 前記第1裕度判定部は、
前記同期発電機の有効電力と無効電力とから張られる平面図上において、前記定態安定度の限界を示す第1曲線の中心点と前記運転点とを結ぶ線分の、前記第1曲線の半径に対する割合を導出することで、前記第1裕度を判定する、
請求項6に記載の制御システム。 - 前記制御部は、
前記定態安定度の進相側の限界に基づいて設定された、前記同期発電機の低励磁運転範囲を制限する低励磁制限値、を演算し、
前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、前記同期発電機の温度限界により制約される進相側の可能出力限界あるいは前記低励磁制限値の一方に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部を備え、
判定された前記第2裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を決定する、
請求項6または請求項7に記載の制御システム。 - 前記第2裕度判定部は、
前記同期発電機の有効電力と無効電力とから張られる平面図上において、
円弧形状に近似された進相側の前記可能出力限界を示す第2曲線の中心点と、前記運転点とを結ぶ線分の、前記第2曲線の半径に対する割合を導出することで、
前記同期発電機の前記運転点の、進相側の前記可能出力限界に対する前記第2裕度を判定する、
請求項8に記載の制御システム。 - 前記制御部は、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の前記調整量であるΔQを、以下(2)式に基づいて導出する、
ΔQ=α/cosθ ・・・(2)式
但し、θは前記線分がQ軸に対して成す角度、
αは、前記運転点の前記線分上における制御効果を示す線分、
請求項7または請求項9に記載の制御システム。 - 前記制御部は、
前記収束演算により演算された前記系統インピーダンス、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の前記送電端子電圧を示す変数Vg、前記同期発電機の無効電力を示す変数Qg、を含む、f(Vg、Qg)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して収束演算を行うことにより、一定の前記同期発電機の有効電力と一定の前記系統インピーダンスにおける、前記送電端子電圧と前記同期発電機の無効電力との相関関係を導出し、
導出された前記相関関係に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する、前記同期発電機の無効電力の調整可能範囲を導出する、
請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の制御システム。 - 複数の前記同期発電機を備え、該複数の同期発電機が接続される系統連系点が前記電力系統に接続され、
前記制御部は、
前記系統連系点における電圧、有効電力、無効電力を、それぞれ、前記関係式における前記同期発電機の、前記送電端子電圧、有効電力、無効電力として前記収束演算を行う、
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の制御システム。 - 前記制御部は、
複数の前記同期発電機を1台の同期発電機に置換した仮想同期発電機における、等価同期インピーダンス、等価出力電力を演算し、
演算された、前記等価同期インピーダンス、前記等価出力電力に基づいて、
一定の前記有効電力に対応する前記仮想同期発電機における無効電力の調整量を決定する、
請求項12に記載の制御システム。 - 前記系統連系点は系統連系遮断器を介して前記電力系統に接続され、
前記系統連系遮断器の開閉状態を示す開閉信号が前記制御部に入力され、
前記制御部は、
前記系統連系遮断器が開状態における前記収束演算において、
前記電力系統の前記系統インピーダンスとして、前記系統連系遮断器から前記同期発電機側の配線網が有するインピーダンスを演算する、
請求項12または請求項13に記載の制御システム。 - 前記送電端子電圧を制御する自動電圧調整部と、
前記電力系統の動揺を抑制するように前記自動電圧調整部に補正値を与える系統安定化部と、を備え、
前記制御部は、
前記収束演算において、演算された前記系統インピーダンスの値に応じて、前記系統安定化部あるいは前記自動電圧調整部において用いる制御定数の少なくとも一方を調整する、
請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の制御システム。 - 前記送電端子電圧を制御する自動電圧調整部と、
前記電力系統の動揺を抑制するように前記自動電圧調整部に補正値を与える系統安定化部と、を備え、
前記制御部は、
演算された前記調整量に応じて、前記系統安定化部あるいは前記自動電圧調整部において用いる制御定数の少なくとも一方を調整する、
請求項6から請求項10、請求項13のいずれか1項に記載の制御システム。
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