JP7134141B2 - 制御システム - Google Patents

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Description

本願は、制御システムに関するものである。
従来より、同期発電機が接続される電力系統の電力動揺を抑制する装置として、同期発電機の端子電圧を一定に制御する自動電圧調整器(AVR(Automatic Voltage Regulator))、この自動電圧調整器に付加されて電力動揺の制動力を向上させる電力系統安定化装置(PSS(Power System Stabilizer))等が用いられている。そして電力系統の状態が、再生可能エネルギーの増加、負荷の変動、負荷の切り離し、発電機の系統併入、等で変動した場合においても、これらAVR、PSS等の制御ゲインを最適に制御するために、電力系統の系統インピーダンスの現在値を演算する、以下のような電力系統制御装置、同期発電機の励磁制御装置が開示されている。
即ち、従来の電力系統制御装置は、系統インピーダンス推定演算器を備える。系統インピーダンス推定装置は、発電機端子電圧及び発電機内部電圧を受け、系統インピーダンスを推定するように構成されている。系統インピーダンス推定装置には、発電機端子電圧と、発電機内部電圧と、同期リアクタンス、等を用いた関係式から予め準備したテーブルが設定されており、発電端子電圧と横軸内部電圧が入力されて系統インピーダンスを導出する(例えば、特許文献1参照)。
また即ち、従来の同期発電機の励磁制御装置は、電圧検出部で検出される同期発電機の出力電圧と、電力算出部で算出される無効電力の各値を取り込み、出力電圧の変化とそれに伴う無効電力の変化とから、電力系統のインピーダンスを演算するインピーダンス演算部を設けている(例えば、特許文献2参照)。
特開平4-229022号公報(段落[00049]~[0056]、図1、図4) 特開2008-199848号公報(段落[0040]、図1)
上記特許文献1のような電力系統制御装置では、系統インピーダンスの演算過程において、発電機内部電圧と発電機端子電圧に対する系統インピーダンスの値をテーブルとして予め準備する必要があり、更に同期発電機の同期リアクタンスも必要となり、汎用性が低下するという課題があった。
また、上記特許文献2のような同期発電機の励磁制御装置では、同期発電機の出力電圧の変化に基づいた系統インピーダンスの演算を行うため、同期発電機の出力電圧が一定で変化しない場合には演算できない。そのため、同期発電機の運転において本来不要な、出力電圧を変化させるための作為的なステップ応答を定期的に実施する必要があり、制御性および精度が低下するという課題があった。
本願は、上記のような課題を解決するための技術を開示するものであり、系統状態が変化した場合においても系統インピーダンスを精度良く演算できると共に、汎用性高く制御性の高い制御システムを提供することを目的とする。
本願に開示される制御システムは、
同期発電機が接続された電力系統の系統インピーダンスを演算する制御部を備える制御システムであって、
前記制御部は、
前記同期発電機の送電端子電圧、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の無効電力、および、前記系統インピーダンスを示す変数Xe、を含む、f(Xe)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して、前記変数Xeに設定された初期値を用いて収束演算を行うことにより、前記系統インピーダンスを演算する、
ものである。
本願に開示される制御システムによれば、系統状態が変化した場合においても、系統インピーダンスを精度良く演算できると共に、汎用性高く制御性の高い制御システムを提供できる。
実施の形態1による励磁制御装置と、この励磁制御装置が同期発電機を有する発電所に対して設けられた発電システムの構成を示す図である。 実施の形態1によるXe演算器の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態1によるPSS設定器によるPSS設定値の切り替え方法を示す図である。 実施の形態1によるPSS設定器の構成を示す図である。 実施の形態1による電力系統安定化装置の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態1による自動電圧調整装置の構成を示す制御ブロック図である。 実施の形態2による励磁制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 同期発電機の出力可能な電力範囲を示す説明図である。 一機の同期発電機を接続した無限大母線系の構成を示す構成図である。 実施の形態2による裕度判定器が行う低励磁制限制御を説明するための説明図である。 実施の形態2による第1裕度判定部が行う同期発電機の運転点の評価方法についての説明図である。 実施の形態2による第2裕度判定部が行う同期発電機の運転点の評価方法についての説明図である。 実施の形態2による裕度判定器の効果についての説明図である。 実施の形態3による裕度判定器が行う低励磁制限制御を説明するための説明図である。 実施の形態3による第2裕度判定部の運転点の評価方法についての説明図である。 実施の形態4による励磁制御装置の構成を示す機能ブロック図である。 実施の形態4による発電システムの系統構成例を示す図である。 比較例の励磁制御装置の系統安定化装置における制御の説明図である。 実施の形態5による系統安定化装置の制御の説明図である。 実施の形態6による発電システムの系統構成例を示す図である。
実施の形態1.
図1は、実施の形態1による励磁制御装置50と、この励磁制御装置50を同期発電機1を有する発電所に設けた発電システム100の構成を示す図である。
図2は、実施の形態1による励磁制御装置50が備えるXe演算器40の構成を示す機能ブロック図である。
図3は、実施の形態1による励磁制御装置50が備えるPSS設定器53によるPSS設定値の切り替え方法を示す図である。
図4は、実施の形態1による励磁制御装置50が備えるPSS設定器53の構成を示す図である。
図5は、実施の形態1による励磁制御装置50が備える電力系統安定化装置54の構成を示す制御ブロック図である。
図6は、実施の形態1による励磁制御装置50が備える自動電圧調整装置55の構成を示す制御ブロック図である。
図1に示すように、発電システム100は、主回路10と、励磁器30と、制御システムとしての励磁制御装置50と、を備える。
主回路10は、発電所内の同期発電機1と、変圧器としての発電機主変圧器2と、発電機遮断器3と、から成る。
同期発電機1は、これら発電機主変圧器2および発電機遮断器3を介して電力系統20(無限大母線)に接続され、発電機遮断器3により電力系統20から切離可能である。
また主回路10には、同期発電機1から出力される発電機電流Igを検出する発電機用CT5(Current Transformer)と、送電端子電圧としての同期発電機1の発電機端子電圧Vgを検出する発電機用VT6(Voltage Transformer)とが設置されている。検出された発電機電流Igと発電機端子電圧Vgは、励磁制御装置50に取り込まれる。
また、発電機遮断器3の開閉状態を示す開閉信号3aが励磁制御装置50に送信される。
励磁器30は、図示しないサイリスタ等の素子を備えて、同期発電機1の界磁巻線1aに対して励磁電流を供給する。励磁制御装置50は、この励磁器30から出力される励磁電流を制御することで、同期発電機1の出力電圧を制御する。
励磁制御装置50は、電圧設定器51(90R)と、PQ演算器52と、制御部としてのXe演算器40と、制御部としてのPSS設定器53と、系統安定化部としての電力系統安定化装置54(PSS)と、自動電圧調整部としての自動電圧調整装置55(AVR)と、差分器56と、加算器57と、を備える。
電圧設定器51には、制御目標となる基準電圧Vgrefが設定されている。そして差分器56は、検出された発電機端子電圧Vgと、電圧設定器51から出力される基準電圧Vgrefとを比較して電圧偏差ΔVgを出力する。
PQ演算器52は、検出された発電機端子電圧Vgと発電機電流Igとから、同期発電機1の無効電力Qgと有効電力Pgを演算する。演算された有効電力Pgは、電力系統安定化装置54と、Xe演算器40とに入力される。また、演算された無効電力Qgは、Xe演算器40に入力される。
Xe演算器40は、入力された発電機端子電圧Vg、有効電力Pg、無効電力Qgに基づいて、同期発電機1側から見た、電力系統20側の系統インピーダンスXeの現在値を常時演算する。
このXe演算器40による系統インピーダンスXeの現在値の演算の詳細については後述する。
Xe演算器40により演算された系統インピーダンスXeの現在値は、信号40aとしてPSS設定器53に入力される。
PSS設定器53は、入力された系統インピーダンスXeの現在値に基づいて、制御定数としてのPSS設定値を切り替え、切り替え信号53aを電力系統安定化装置54に対して出力する。このPSS設定器53によるPSS設定値の切り替えの詳細については後述する。
電力系統安定化装置54は、図5に示すその構成が一般的な電力系統安定化装置と同一であるためここでは詳細な説明を省略するが、演算子sを有する演算器を複数備え、入力された切り替え信号53aに応じて、Ks2、Ks3、T1、T3、T10、T2、T4、T11で表される制御係数を切り替えて、電力動揺を抑制するための補償信号54aを生成して出力する。
出力された補償信号54aは、前述の差分器56から出力された電圧偏差ΔVgと加算器57により加算された後、制御値57aとして自動電圧調整装置55に入力される。
自動電圧調整装置55は、図6に示すその構成が一般的な自動電圧調整装置と同一であるためここでは詳細な説明を省略するが、演算子sを有する演算器を複数備え、入力される制御値57aに基づいて、励磁器30を制御するための制御信号55aを出力する。
そして、励磁器30は、この制御信号55aに基づいて、同期発電機1の界磁巻線1aに対して流す励磁電流を調節する。
以下、本実施の形態の要部である、Xe演算器40と、PSS設定器53の詳細について説明する。
先ず、図2を用いてXe演算器40について説明する。
図2に示すようにXe演算器40は、Xe判定器41と、Xe設定器45(AMR(Analogue MemoRy))と、を備える。
Xe設定器45は初期値設定器46を有しており、この初期値設定器46において電力系統20側の系統インピーダンスXeの現在値、あるいは現在値の予測値が予め設定され、保持されている。この保持されている値は、後述する収束演算において初期値として用いられるものであり、電力系統20の系統状態によって変化する系統インピーダンスXeの予測最大値を1.0PUとした場合において、0.3PUが予め設定されている。
検出、演算された発電機端子電圧Vg、無効電力Qg、及び有効電力Pgは、Xe設定器45内に保持されているこの系統インピーダンスXeの現在値(予測値)の0.3PUと共に、Xe判定器41に入力される。
なお、Xe設定器45は、主回路10の発電機遮断器3の開閉信号3aがON、即ち、同期発電機1が電力系統20に接続されている場合に、保持されている系統インピーダンスXeの現在値(予測値)をXe判定器41に対して出力する。
Xe判定器41は、1機無限大系統につながる発電機電気量の一般式である下記(1)式の関係式に基づいて、系統インピーダンスXeの現在値の判定、即ち、系統インピーダンスXeの現在値の演算を常時行う。
Figure 0007134141000001
但し、Xeは系統インピーダンス、Pgは同期発電機1の有効電力、Qgは同期発電機1の無効電力、Vbは無限大母線電圧、Vgは同期発電機1の端子電圧。
上記(1)式は、以下(2)式のように変形できる。
Figure 0007134141000002
上記(2)式を満足するXeを導出することで、系統インピーダンスXeの現在値を導出できるが、(2)式は多変数の上、変数Xeを複数個所に含む等式であり、単純にXeを計算できない。ここでXe判定器41は、(2)式中のPg、Qg、Vgに対して、それぞれ検出された発電機端子電圧Vg、有効電力Pg、無効電力Qgの値を代入する。
さらに(2)式中の無限大母線電圧Vbについては、通常のケースにおける1.0PUが代入される。これは、系統不具合発生時、過負荷等の全体の母線電圧低下により、無限大母線電圧Vbが変動したとみなされるケースであっても、同期発電機1の発電機端子からみた無限大母線1.0PUに対する系統インピーダンスXeが演算されるため、問題はない。
このように各変数Pg、Qg、Vg、Vbにそれぞれ値を代入することで、上記(2)式は、系統インピーダンスXeを変数Xeとして含む、関係式f(Xe)=0の形に表される。
Xe判定器41は、関係式f(Xe)=0のXeに対して、設定された第1設定値を代入し、この第1設定値を順次置き換える反復計算を行うことで、f(Xe)=0となるXeを導出する収束演算を行う。
以下、この収束演算の詳細を説明する。
Xe判定器41は、収束演算において、第1設定値と、その第1設定値を設定された減算値分だけ減算した第2設定値と、第1設定値を設定された加算値分だけ加算した第3設定値と、をそれぞれ関係式f(Xe)のXeに代入する。
即ち、第1設定値をXebと表し、加算値、減算値をそれぞれ0.01PUと設定すると、Xe判定器41は、第1設定値=Xeb、第2設定値=Xeb-0.01、第3設定値=Xeb+0.01、の3値を関係式f(Xe)にそれぞれ代入する。
なお、この収束演算において関係式f(Xe)のXeに最初に代入される第1設定値=Xebには、Xe設定器45内に予め設定され、保持されている初期値0.3PUを用いる。
Xe判定器41は、第1設定値=Xebを代入したf(Xeb)=0の左辺の値である第1演算値の絶対値を演算する。
また、Xe判定器41は、第2設定値=Xeb-0.01を代入したf(Xeb-0.01)=0の左辺の値である第2演算値の絶対値を演算する。
また、Xe判定器41は、第3設定値=Xeb+0.01を代入したf(Xeb+0.01)=0の左辺の値である第3演算値の絶対値を演算する。
Xe判定器41は、f(Xe)=0の左辺の値が0を中心とする閾値以内に収束する変数Xeの値(範囲)を導出するために、これら第1演算値、第2演算値、第3演算値、の3値の絶対値をそれぞれ比較することで、関係式f(Xe)の収束方向、すなわち、第1設定値を増減させる方向を判定する。
例えば、第2設定値=Xeb-0.01を代入して得られた第2演算値の絶対値が3値の中で最少である場合、第1設定値(Xeb)よりもXeを減少させた方向側で、f(Xe)=0の左辺の値が0に収束していくことが判る。
また例えば、第3設定値(Xeb+0.01)を代入して得られた第3演算値の絶対値が3値の中で最少である場合、第1設定値(Xeb)よりもXeを増加させた方向側で、f(Xe)=0の左辺の値が0に収束していくことが判る。
このように、Xe判定器41が行う関係式f(Xe)の収束方向の判定とは、f(Xe)=0となるXeが、第1設定値(Xeb)を中心としてその値を増加させた方向側であるか、減少させた方向側であるかの判定である。
そして収束演算において、Xe判定器41は、例えば第2設定値=Xeb-0.01での演算結果である第2演算値の絶対値が最小の場合は、Xe設定器45に対して第1設定値の減指令を出す。
そしてXe設定器45は、減指令を受けると、第2設定値=Xeb-0.01の値を新たな第1設定値として設定し、Xe判定器41に対して出力する。
また例えば、Xe判定器41は、第3設定値=Xeb+0.01での演算結果である第3演算値の絶対値が最小の場合は、Xe設定器45に対して第1設定値の増指令を出す。
そしてXe設定器45は、増指令を受けると、第3設定値=Xeb+0.01の値を新たな第1設定値として設定し、Xe判定器41に対して出力する。
Xe判定器41は、この新たに設定された第1設定値と、この新たな第1設定値を中心にその値を増減させた新たな第2設定値、第3設定値をそれぞれ(2)式に代入して、前述の関係式f(Xe)の収束方向の判定を行い、第1設定値の増減を繰り返す。
Xe判定器41は、f(Xe)=0の左辺の値が0を中心とする閾値以内に収束するXeの値を得られたところで、系統インピーダンスXeの現在値が得られたと判定して収束演算を終了させる。
なお、第1設定値=Xebでの演算結果である第1演算値の絶対値が3値の中で最小の場合は、Xe判定器は増減指令を出さず、収束演算を終了させる。
あるいは、第1演算値が3値の中で最少の場合であっても、その値が0を中心とする閾値以内に収まっていない場合では、例えば、設定された増減値、減算値を0.01PUよりも小さい値に設定する。そして第1設定値=Xebを0.01PUよりも更に微少なピッチで増減させることで、f(Xe)=0の左辺の値が0を中心とする閾値以内に収束するXeの値が得られるまで収束演算を行ってもよい。
このような演算ロジックにより、系統インピーダンスXeの現在値を精度良く常時演算することが可能となる。
こうして演算された系統インピーダンスXeの現在値は、PSS設定器53に入力される。PSS設定器53では、図4に示す切替ロジックにより、系統インピーダンスXeの現在値に応じた適切な制御定数であるPSS設定値(Zone1、Zone2、Zone3)への切替を行う。
すなわち、系統インピーダンスXeの現在値が、Xe≦Xe1-2の場合にはZone1で設定されるPSS設定値が選出され、Xe1-2<Xe≦Xe2-3の場合にはZone2で設定されるPSS設定値が選出され、Xe>Xe2-3の場合にはZone3で設定されたPSS設定値が選出される。
系統インピーダンスXeの現在値に応じて選出されたPSS設定値は、切り替え信号53aとして出力される。
なお、入力された系統インピーダンスXeの現在値は、限時タイマー53xにより設定された条件成立後にセット時間t1分遅延されて出力され、ワンショットタイマー53yにより設定された条件成立後においてセット時間t2遅延されて出力される。
このような構成とすることで、収束演算において時間を要する場合等において、各Zoneの切り替え領域付近における意図しない頻繁なPSS設定値の切り替えを防止できる。
なお、図3、図4に示したように、系統インピーダンスXeの最大値を1.0PUとし、この0~1.0PUの系統インピーダンスXeの範囲を3つの範囲に分割し、PSS設定値をZone1、Zone2、Zone3の3つの範囲で切替える例を示した。しかしながらこれに限定するものではなく、系統インピーダンスXeの範囲をこれよりも多くの範囲に分割してPSS設定値の切替えを行ってもよい。
電力系統安定化装置54は、入力された切り替え信号53aに応じて制御係数(PSS設定値)を切り替えて、補正値としての電力動揺を抑制するための補償信号54aを生成して出力する。
そして、自動電圧調整装置55は、このように系統状態に応じて演算された系統インピーダンスXeの現在値を用いて切り替えられた、電力系統20の安定度に最適化した制御定数に基づいて励磁器30の制御を行う。これにより、系統安定度に応じた同期発電機1の出力制御が可能となる。
なお、上記の収束演算において、関係式f(Xe)のXeに最初に代入される第1設定値=Xebとして代入される初期値0.3PUは、マージン0.15を含む0.3±0.15PUの範囲内で設定するとよい。
発電機端子と電力系統20との間に設けられる発電機主変圧器2のインピーダンスは、0.15~2.0PU程度となり、安定した系統における系統インピーダンスは、この主変圧器のインピーダンスの値よりも小さくなる。よって、これらの合計である約0.3PUを、同期発電機1から見た系統インピーダンスXeの現在値に最も近い値と仮定することで、演算速度を向上できると共に、振動、発散することのない安定した収束演算が可能となる。
また、上記では、演算された系統インピーダンスXeの現在値に基づいて、電力系統安定化装置54(PSS)にて用いる制御定数(PSS設定値)を調整する例を示したが、調整される制御定数はPSS設定値に限定するものではない。
例えば、演算された系統インピーダンスXeの現在値に基づいて、自動電圧調整装置55(AVR)にて用いる制御定数を調整するものでもよい。あるいは、電力系統安定化装置54(PSS)で用いる制御定数と自動電圧調整装置55(AVR)で用いる制御定数の両方を調整してもよい。
上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
同期発電機が接続された電力系統の系統インピーダンスを演算する制御部を備える制御システムであって、
前記制御部は、
前記同期発電機の送電端子電圧、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の無効電力、および、前記系統インピーダンスを示す変数Xe、を含む、f(Xe)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して、前記変数Xeに設定された初期値を用いて収束演算を行うことにより、前記系統インピーダンスを演算する、
ものである。
このように、1機無限大系統につながる発電機電気量の式を、同期発電機の送電端子電圧、同期発電機の有効電力、同期発電機の無効電力、および、前記系統インピーダンスを示す変数Xeを含んだ関係式f(Xe)=0と表した。そして、この関係式f(Xe)=0がどのような振る舞いをするか、この関係式f(Xe)=0の性質に対して、無限大母線系統に接続される同期発電機を想定した実験、検討を行った。
こうして、同期発電機の送電端子電圧、同期発電機の有効電力、同期発電機の無効電力、系統インピーダンスXe、のそれぞれの値の変化と、その変化の関係性を検討することで、単純に解を導出できない1機無限大系統につながる発電機電気量の式を、関係式f(Xe)=0と表し、更にこの関係式f(Xe)=0に対して設定された初期値を用いた収束演算を行うことにより、系統インピーダンスXeの現在値を導出できることが明らかとなった。
また、このように収束演算を実施することにより、f(Xe)=0となる真解Xeの精度良い近似解を導出できる。こうして、系統状態の変化に応じた、精度良い系統インピーダンスXeの現在値を導出できる。
そしてこのように、同期発電機の出力の計測値である発電機端子電圧と、出力の計測値から演算された有効電力、無効電力に基づいて、1機無限大系統における、同期発電機から見た系統インピーダンスXeを簡便に精度良く演算できるため、実際の系統状態を常時、精度良く認知できる。
これにより、再生可能エネルギーの増加、負荷の変動、負荷の切り離し、発電機の系統併入、等で電力系統の状態が変動した場合においても、系統安定度に応じた同期発電機1の精度良い制御が可能となる。
また、系統インピーダンスXeの現在値の導出において、同期発電機の特性に合わせた系統インピーダンスの演算テーブル等を予め準備する必要がない。また、収束演算においては同期発電機の内部インピーダンスは不要である。そのため、本実施の形態の制御システムは、諸種の同期発電機、電力系統に対して適用可能であり汎用性が高い。
更に、系統インピーダンスXeの現在値の導出において、同期発電機の出力電圧を意図的に変化させるための作為的なステップ応答の実施が不要であるため、系統インピーダンスXeを迅速に演算できると共に精度および制御性が高い。
更に、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記制御部は、前記収束演算において、
前記初期値として、第1設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第1演算値の絶対値と、
前記第1設定値から設定された減算値を減算した第2設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第2演算値の絶対値と、
前記第1設定値に対して設定された加算値を加算した第3設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第3演算値の絶対値と、を比較して、前記関係式の左辺の値が0を中心とする閾値範囲以内に収束する変数Xeの値が得られる、前記第1設定値の増減方向を判定し、
判定された前記増減方向に応じて、前記関係式の左辺の値が0を中心とする閾値範囲以内に収束する変数Xeの値を得るまで、代入された前記第1設定値、前記第2設定値、前記第3設定値、のいずれかを、新たな前記第1設定値として前記関係式に代入する、
ものである。
このように収束演算においてXe演算器は、第1設定値と、この第1設定値を増減させた第2設定値、第3設定値をそれぞれ関係式f(Xe)に代入して、得られた関係式の左辺の値である第1演算値、第2演算値、第3演算値の絶対値を比較する。
これにより、関係式f(Xe)が収束する方向の判定、すなわち、f(Xe)=0となるXeの値が、第1設定値=Xebを中心としてその値を増加させた方向側であるか、減少させた方向側であるかの判定が可能となる。
これにより、第1設定値=Xebを適切に増減できるため、収束演算における演算時間を短縮して、演算を発散させずに系統インピーダンスXeの現在値を確実に導出できる。
また、このように第1設定値により演算された第1演算値の絶対値、第2設定値により演算された第2演算値の絶対値、第3設定値により演算された第3演算値の絶対値の、3値の比較を行っている。
そのため、例えば第1設定値付近に解がある場合、すなわち、第2設定値と第3設定値をそれぞれ関係式f(Xe)=0に代入した際の左辺の値の符号が入れ替わるような場合においても、このような第1設定値を中心とした3値の比較を行うことにより、振動、発散することのない収束演算が可能になる。
更に、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記関係式は、上記(2)式で表される、
ものである。
上記(2)式に示したように、1機無限大系統につながる発電機電気量の式を表すことで、系統インピーダンスXeの値が収束演算において導出可能となった。
更に、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記収束演算において前記関係式に代入される前記初期値は、前記同期発電機と前記電力系統との間に接続される変圧器のインピーダンスに基づいて設定される、ものである。
このように収束演算において用いられる初期値は、同期発電機と電力系統との間に接続される変圧器のインピーダンスに基づいて設定されるため、系統インピーダンスXeの現在値に近い初期値の設定が可能となる。これにより、演算時間を短縮して、振動、発散することのない安定した収束演算が可能になる。
更に、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記収束演算において前記関係式に代入される前記初期値は、前記系統インピーダンスの予測最大値の1.0PUに対して、0.3±0.15PUに設定される、
ものである。
このように、主変圧器のインピーダンス(0.15~2.0PU)と、この主変圧器のインピーダンスの値よりも小さくなる電力系統のインピーダンスとを合計した約0.3PUを、同期発電機から見た系統インピーダンスXeの現在値と仮定することで、演算時間を短縮して、振動、発散することのない安定した収束演算が可能となる。
更に、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記送電端子電圧を制御する自動電圧調整部と、
前記電力系統の動揺を抑制するように前記自動電圧調整部に補正値を与える系統安定化部と、を備え、
前記制御部は、
前記収束演算において、演算された前記系統インピーダンスの値に応じて、前記系統安定化部あるいは前記自動電圧調整部において用いる制御定数の少なくとも一方を調整する、
ものである。
このように、電力系統安定化装置、自動電圧調整装置、等の無効電力制御装置を備えた構成とした場合、これらの装置における制御強度を決定する制御定数を、系統インピーダンスXeの現在値に基づいて調整できる。こうして、系統安定度に応じた、安定した同期発電機の制御が実施できる。
なお、電力系統安定化装置、自動電圧調整装置には一般的な構成のものを用いることができ、本実施の形態の制御システムは既存の発電所等への適用があり、汎用性が高い。
実施の形態2.
以下、本願の実施の形態2を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図7は、実施の形態2による励磁制御装置250の構成を示す機能ブロック図である。
図8は、同期発電機1の出力可能な電力範囲を示す説明図である。
図9は、一機の同期発電機1を接続した無限大母線系の構成を示す構成図である。
本実施の形態の励磁制御装置250は、実施の形態1に示した励磁制御装置50に対して、制御部としての裕度判定器260と、制御部としてのMEL(Minimum Excitation Limiter)機能部255と、を更に備えたものである。
先ず、同期発電機1が出力可能な電力範囲について、図8を用いて説明する。
図8に示すように、同期発電機1の発電機端子における有効電力Pと無効電力Qとで張られるPQ平面図上において、同期発電機1を構成する界磁巻線、固定子巻線等の温度限界、界磁巻線の励磁電流限界等に基づく制約により、可能出力限界としての可能出力曲線L1が決定される。同期発電機1が故障することなく運転を行うためには、同期発電機1の有効電力Pgおよび無効電力Qgから定まる運転点Fが、この可能出力曲線L1の範囲内となるように運転を行う必要がある。
なお、この可能出力曲線L1の進相側における線分CDは、主に同期発電機1の固定子鉄心の温度限界による制約に基づいて決定される。
また、励磁電流の低下により同期発電機1が電力系統20から脱調することなく安定した運転を継続するためには、運転点Fが、電力系統20の系統インピーダンスXeおよび図9に示す同期発電機1の同期インピーダンスXdなどの要因によって決定される、第1曲線としての定態安定度の限界L2(以降、定態安定度限界曲線と称す)を越えないように運転を行う必要がある。
なお、図8では、定態安定度限界曲線L2は、可能出力曲線L1で囲まれる領域よりも外側に位置しているが、定態安定度限界曲線L2は、運転中の電力系統20の状態によっては、可能出力曲線L1で囲まれる領域よりも内側に位置することがある。
以上のように、同期発電機1の運転点Fが可能出力曲線L1から外れると故障の原因となり、運転点Fが定態安定度限界曲線L2から外れると電力系統20から脱調の恐れがあり安定した同期運転ができない。
そこで同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を過剰に制限して無効電力が過剰に低下することがないように、同期発電機1の低励磁運転範囲を制限する、低励磁制限値としての低励制限曲線L0(以降、MEL曲線と称す)が設定される。
ここで、同期発電機1の運転中においては、再生可能エネルギーの増加、負荷の変動、負荷の切り離し、等で電力系統20の状態が変動すると、これらの変動に伴って可能出力曲線L1、定態安定度限界曲線L2も変動する。よって、これらの変動を考慮して、MEL曲線L0は、進相側において、可能出力曲線L1、定態安定度限界曲線L2よりも常に上側(無効電力の小さい側)に位置するように、ある程度のマージンを持って設定される。
以下、本実施の形態の裕度判定器260と、MEL機能部255が、これらの可能出力曲線L1、定態安定度限界曲線L2、MEL曲線L0、に基づいて行う同期発電機1の制御について説明する。
図10は、実施の形態2による裕度判定器260が行う低励磁制限制御を説明するための説明図である。
図10に示すように、裕度判定器260は、第1裕度判定部261と、第2裕度判定部262と、定態安定度MEL制限器263と、選択器264と、を備える。
更に、裕度判定器260は、この図10においては図示しない機能部を備える。
この機能部は、同期発電機1の発電機端子電圧Vgと、系統インピーダンスXeの現在値とに基づいて、図8に示す定態安定度限界曲線L2を導出する。
更に機能部は、図8に示すように、無負荷P0(有効電力=0)、定格有効電力P1、50%負荷の有効電力P2、における進相運転可能点を演算する。即ち、機能部は、無負荷P0、定格有効電力P1、50%負荷P2、のそれぞれの有効電力に対応する定態安定度限界曲線L2上の各無効電力の値を求め、これらの値を進相運転可能点とする。そして、機能部は、これらの各進相運転可能点に対して一定のマージンを含めたQ0、Q1、Q2を選定し、これらQ0、Q1、Q2を直線で結んだMEL曲線L0を設定する。
次に、上記定態安定度限界曲線L2に基づいて行われる、第1裕度判定部261の制御について説明する。
図11は、実施の形態2による第1裕度判定部261の運転点Fの評価方法についての説明図である。
本実施の形態の第1裕度判定部261は、以下に説明するように、同期発電機1の定態安定度を評価するために、同期発電機1の運転点Fの、定態安定度限界曲線L2に対する第1裕度δを演算するものである。
定態安定度限界曲線L2の中心Oは以下(3)式により表され、定態安定度限界曲線の半径Rstは以下(4)式により表される。
Figure 0007134141000003
Figure 0007134141000004
但し、Xdは、図9において示した同期発電機1の同期インピーダンスであり、励磁制御装置50において一般的に発電機定数として設定されているものである。
次に第1裕度判定部261は、定態安定度限界曲線L2の中心Oと、同期発電機1の運転点F(Pg、Qg)とを結ぶ線分(半径Rop)を以下(5)式によって求める。
Figure 0007134141000005
次に第1裕度判定部261は、同期発電機1の運転点F(Pg、Qg)の、定態安定度限界曲線L2に対する定態安定度裕度を示す第1裕度δを、以下(6)式によって評価する。
Figure 0007134141000006
上記(6)式に示すように第1裕度判定部261は、定態安定度限界曲線L2の半径Rstに対する運転点Fの半径Ropの割合を示す第1裕度δを導出することで、同期発電機1の定態安定度の評価を行う。
ここで、励磁制御装置250は、励磁の増減、すなわち無効電力Qの増減を制御する装置である。そのため、第1裕度判定部261は、第1裕度δに対応する低励磁制限(MEL)の制御強度、即ち、第1裕度δに対応する無効電力Qの調整量ΔQ1を以下のように導出する。
先ず、運転点FとQ軸との角度θは、以下(7)式にて計算される。
Figure 0007134141000007
但し、ΔQ1は、一定の有効電力Pgに対応する無効電力Qgの調整量(励磁制御量)である。
この調整量ΔQ1に対応する、第1裕度δに対する制御効果αは以下(8)式となる。
Figure 0007134141000008
次に第1裕度判定部261は、上記(8)式における調整量ΔQ1を信号261aとして後段の定態安定度MEL制限器263に対して出力する。
定態安定度MEL制限器263は、この信号261aに基づいて、一定の有効電力Pgに対応する無効電力Qの調整量ΔQ1を指定する第1制限信号263aを出力する。
この第1制限信号263aは、同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を増加させることにより、同期発電機1の無効電力Qgが定態安定度限界曲線L2を越えないように後段の自動電圧調整装置55を制御するための信号である。
選択器264は、同期発電機1の運転点Fの位置に応じて、以上説明した定態安定度限界曲線L2に基づいて生成された第1制限信号263aと、以下説明する第2裕度判定部262により生成された第2制限信号262aのいずれかを、制限信号260aとして後段のMEL機能部255に対して出力する。
次に、上記MEL曲線L0に基づいて行われる、第2裕度判定部262の制御について図12を用いて説明する。
図12は、実施の形態2による第2裕度判定部262の運転点Fの評価方法についての説明図である。
図13は、実施の形態2による運転点Fの評価方法による効果についての説明図である。
以下にて説明する第2裕度判定部262における制御は、従来より行われてきたものであり、裕度判定器260は、従来と同様の制御を行うこの第2裕度判定部262と、前述の第1裕度判定部261と、を並列して動作させるものである。
図12に示すように、第2裕度判定部262は、入力される有効電力Pgと無効電力Qgの値に基づいて、現時点の運転点Fにおける有効電力Pgに対応する無効電力Qgの値と、この運転点の有効電力におけるMEL曲線上の無効電力と、を比較してその差(第2裕度ΔQ2)を導出する。
こうして第2裕度判定部262は、運転点FのMEL曲線L0に対する第2裕度ΔQ2を演算する。
第2裕度判定部262は、現時点の運転点Fにおける無効電力Qgの値が、MEL曲線L0を越える場合、第2制限信号262aを出力する。
この第2制限信号262aは、同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を増加させることにより、同期発電機1の無効電力QgがMEL曲線L0を越えないように後段の自動電圧調整装置55を制御するための信号である。
以上のように裕度判定器260は、第1裕度判定部261により定態安定度限界曲線L2に対する第1制限信号263aを生成し、第2裕度判定部262によりMEL曲線L0に対する第2制限信号262aを生成する。
そして、選択器264は、前述のように、この第1制限信号263aあるいは第2制限信号262aのいずれかを、同期発電機1の運転点Fに基づいて選択し、MEL制限信号260aとして後段のMEL機能部255に対して出力する。
MEL機能部255は、無効電力Qgが進相側に移行してMEL曲線L0あるいは定態安定度限界曲線L2に到達する場合、これらMEL曲線L0あるいは定態安定度限界曲線L2を越えないように、入力された制限信号260aに基づいて、自動電圧調整装置55に対して低励磁制限信号255aを出力する。
自動電圧調整装置55は、通常の運転可能領域の範囲内では、発電機端子電圧Vgと基準電圧Vgrefとの偏差ΔVgに基づいて生成された制御値57aに基づき、励磁器30を制御して同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を調整することで、同期発電機1の出力電圧が基準電圧Vgrefを維持するように調整している。
しかしながら、MEL機能部255から低励磁制限信号255aが出力された場合は、この低励磁制限信号255aを優先して取り込む。そしてこの低励磁制限信号255aに基づいて励磁器30を制御して同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を増加させ、出力電圧を上昇させる。これに伴う電機子反作用により、同期発電機1の無効電力は定態安定度限界曲線L2あるいはMEL曲線L0を越えないように調整される。
以上のように、励磁制御装置50は、励磁の増減、すなわち無効電力Qgの増減を制御することで、同期発電機1の運転点Fに応じた低励磁制限(MEL)の制御強度を調整できる。これにより無効電力の過剰な低下が制限される。
上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記制御部は、
演算された前記系統インピーダンスと前記同期発電機の同期インピーダンスとに基づいて前記同期発電機の定態安定度の限界を演算し、前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、演算された前記定態安定度の限界に対する第1裕度を判定する第1裕度判定部を備え、
判定された前記第1裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を演算する、
ものである。
このように、制御部としての裕度判定器は、電力系統の系統状態に応じて演算された、精度良い系統インピーダンスXeの現在値を用いることで、精度良く、現在の系統状態に応じた定態安定度限界曲線を導出できる。
このように精度良い定態安定度限界曲線が得られるため、第1裕度判定部は、この定態安定度限界曲線を、同期発電機の定態安定度の評価に用いることができる。
一般的な励磁制御装置では、系統インピーダンスXeが固定値であるか、あるいは精度良い値ではないために、系統状態に応じて変化する定態安定度限界曲線に対して、ある程度のマージンを持って一義的に設定されるMEL曲線を設定した。そして、このMEL曲線を越えないように同期発電機の制御を行っていた。そのため、同期発電機の進相側の運転範囲が狭くなる場合があった。
本実施の形態では、前述のように、系統状態に応じて変化する定態安定度限界曲線の現在値を精度良く得られるため、第1裕度判定部は、同期発電機の運転点自体の定態安定度限界曲線に対する安定度評価(第1裕度の評価)を行う。
例えば、図13に示すように、系統インピーダンスXeの値(Xe=0.3PU、0.25PU、0.15PU)に応じて、定態安定度限界曲線L2の位置が変化して、定態安定度限界曲線L2が可能出力曲線L1で囲まれる領域よりも内側に位置する場合等において、定態安定度限界曲線L2に対する第1裕度を用いた同期発電機の制御を行う。
これにより、MEL曲線L0の外側で、且つ、定態安定度限界曲線L2の内側の運転可能範囲を得られる。
例えば、図13において、定態安定度限界曲線L2(L2=0.15PU)を越えないように、演算された第1裕度に基づいて同期発電機の制御を行うことで、例えば、運転点F1における同期発電機の運転が可能となる。こうして、MEL曲線L0を越えないように制御を行う一般的な低励磁制限の制御(本実施の形態の第2裕度ΔQ2に相当)に比較して、同期発電機の進相側の運転範囲を大幅に拡大できる。
なお、一般的な励磁制御装置では、MEL曲線に対する運転点の無効電力の差異に基づき、定態安定度限界曲線に対して行う低励磁制限の裕度を15%程度取れるように制御を行っていた。本実施の形態の第1裕度判定部では、定態安定度に対する低励磁制限の裕度を従来より小さい、例えば5%程度(上記(6)式のδ=95%で低励磁制限動作開始)とできる。
また、MEL曲線は、前述のように、可能出力曲線L1を越えないように、且つ、変動する定態安定度限界曲線L2に対してある程度のマージンを持つように設定されている。
本実施の形態では、変動する定態安定度限界曲線L2に対する第1裕度を判定する第1裕度判定部を、MEL曲線に対する第2裕度を判定する第2裕度とは別に、別途設ける構成としている。これにより、MEL曲線L0を、可能出力曲線L1の内側の直近にまで近づけて設定できる。これにより、同期発電機の進相側の運転範囲が、更に大幅に拡大される。
また、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記制御部は、
前記定態安定度の進相側の限界に基づいて設定された、前記同期発電機の低励磁運転範囲を制限する低励磁制限値、を演算し、
前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、前記低励磁制限値に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部を備え、
判定された前記第2裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を決定する、
ものである。
このように制御部としての裕度判定器は、同期発電機の運転点の低励磁制限値であるMEL曲線に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部を更に備える。
こうして、一般的な励磁制御装置において行われるMEL曲線に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部と、定態安定度限界曲線に対する第1裕度を判定する第1裕度判定部との、2種類の低励磁制限(MEL)の手段を有する。
これにより、同期発電機の運転点に応じて、第1裕度あるいは第2裕度のいずれかに基づいた同期発電機の制御が可能となり、操作性が向上すると共に、同期発電機の進相側の運転範囲を拡大できる。
また、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記第1裕度判定部は、
前記同期発電機の有効電力と無効電力とから張られる平面図上において、前記定態安定度の限界を示す第1曲線の中心点と前記運転点とを結ぶ線分の、前記第1曲線の半径に対する割合を導出することで、前記第1裕度を判定する、
ものである。
このように、本実施の形態の第1裕度判定部は、定態安定度限界曲線の半径方向における、運転点の第1裕度を評価している。
ここで、第2裕度判定部は、同期発電機の運転点の無効電力と、この運転点の有効電力におけるMEL曲線上の無効電力とを比較して、Q軸方向のみの第2裕度ΔQ2を評価するものである。しかしながら、このようなQ軸方向のみの裕度に基づく低励磁制御では、特に、運転点の有効電力Pgが大きい場合において、制御が強すぎる場合があった。
本実施の形態の第1裕度判定部は、このように、定態安定度限界曲線L2の半径方向における運転点の第1裕度δを評価し、この第1裕度δの評価に対する適切な励磁制御量である一定の有効電力に対応する無効電力の調整量ΔQ1を算出する。これにより、適切な制御強度での低励磁制限制御を行える。
また、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記制御部は、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の前記調整量であるΔQを、以下式に基づいて導出する、
ΔQ=α/cosθ
但し、θは前記線分がQ軸に対して成す角度、
αは、前記運転点の前記線分上における制御効果を示す線分、
である。
このように、運転点の第1裕度δの評価に対して適切な励磁制御量を算出するために、定態安定度限界曲線L2の半径方向における制御効果αに対してcosθを用いて、一定の有効電力における無効電力の調整量ΔQ1を算出している。
即ち、図11に示すように、無効電力の調整量ΔQ1を示す線分に対応する制御効果αを示す線分は短くなることから、大きな調整量ΔQ1に対して小さな制御効果αが得られる。即ち、制御効果αに対し微少な低励磁制限制御の調整が可能となる。これにより、適切な制御強度で低励磁制限制御が可能となり、制御の安定性が向上すると共に、広い同期発電機の進相運転可能領域を確保できる。
また、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記送電端子電圧を制御する自動電圧調整部と、
前記電力系統の動揺を抑制するように前記自動電圧調整部に補正値を与える系統安定化部と、を備え、
前記制御部は、
演算された前記調整量に応じて、前記系統安定化部あるいは前記自動電圧調整部において用いる制御定数の少なくとも一方を調整する、
ものである。
このように、電力系統安定化装置、自動電圧調整装置、等の無効電力制御装置を備えた構成とした場合、これらの装置における制御強度を決定する制御定数を、適切な制御強度である無効電力の調整量に基づいて調整できる。
実施の形態3.
以下、本願の実施の形態3を、上記実施の形態2と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態2と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図14は、実施の形態3による裕度判定器360が行う低励磁制限制御を説明するための説明図である。
図15は、実施の形態3による第2裕度判定部362の運転点Fの評価方法についての説明図である。
本実施の形態の裕度判定器360と実施の形態2に示した裕度判定器260との違いは、実施の形態2の第2裕度判定部262を、本実施の形態の第2裕度判定部(可能出力(進相))362に置き換え、更に、制御部としての可能出力MEL制限器365を更に備えたところである。
実施の形態2の第2裕度判定部262では、運転点Fの、MEL曲線L0に対する第2裕度ΔQ2を演算していたが、本実施の形態3の第2裕度判定部362は、運転点Fの可能出力曲線L1に対する第2裕度γを演算する。
図15に示すように、可能出力曲線L1の進相側の運転限界(曲線CD)は、前述のように同期発電機1の鉄心の温度限界による制約に主に基づき、同期発電機1の特性として設計時に与えられるものであり、Q軸の切片(0、Q0)と、進相側の定格力率での最大値(P1,Q1)とを結ぶ曲線(第2曲線)となる。
円筒型発電機においてはこの曲線CDは円弧に近似でき、Q軸上にある曲線CDの円弧中心0は、一般的な演算手法なのでここでは説明を省略するが、容易に導出できる。
可能出力曲線L1の進相側の曲線CDの中心Oは以下(9)式により表され、曲線CDの半径Rcpは以下(10)式により表される。
Figure 0007134141000009
Figure 0007134141000010
第2裕度判定部362は、可能出力曲線L1の進相側の曲線CDの中心Oと、同期発電機1の運転点F(Pg、Qg)とを結ぶ線分(半径RCpop)を以下(11)式によって求める。
Figure 0007134141000011
次に第2裕度判定部362は、同期発電機1の運転点F(Pg、Qg)の、可能出力曲線L1の進相側の曲線CDに対する第2裕度γを、以下(12)式によって評価する。
Figure 0007134141000012
上記(12)式に示すように第2裕度判定部362は、可能出力曲線L1の進相側の曲線CDの半径Rcpに対する運転点Fの半径RCpopの割合を示す第2裕度γを導出することで、同期発電機1の進相側運転裕度の評価を行う。
上記第2裕度γに対応する低励磁制限(MEL)の制御強度、即ち、第2裕度γに対応する無効電力の調整量ΔQ3は、前述の実施の形態2の第1裕度δに対する無効電力の調整量ΔQ1の導出方法と同様の手法で、以下(13)式、(14)式のように導出される。
先ず、運転点FとQ軸との角度Φは、以下(13)式にて計算される。
Figure 0007134141000013
よって、進相側の可能出力曲線L1の半径上における制御効果βは、以下となる。
Figure 0007134141000014
但し、ΔQ3は、一定の有効電力に対応する無効電力の調整量(励磁制御量)。
次に第2裕度判定部362は、上記(14)式における無効電力の調整量ΔQ3を信号362aとして後段の可能出力MEL制限器365に対して出力する。
可能出力MEL制限器365は、この信号362aに基づいて、一定の有効電力に対応する無効電力の調整量ΔQ3を指定する第2制限信号365aを出力する。
この第2制限信号365aは、同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を増加させることにより、同期発電機1の無効電力Qgが、可能出力曲線L1の進相側を越えないように後段の自動電圧調整装置55を制御するための信号である。
選択器264は、同期発電機1の運転点Fに応じて、前述の実施の形態2において説明した第1制限信号263aと、この可能出力曲線L1の進相側の曲線CDに基づいて生成された第2制限信号365aのいずれかを、同期発電機1の運転点Fの位置に応じて、制限信号360aとして後段のMEL機能部255に対して出力する。
こうして、可能出力曲線L1あるいは定態安定度限界曲線L2に応じた同期発電機1の低励磁制限(MEL)の制御が可能となる。
上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記制御部は、
前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、前記同期発電機の温度限界により制約される進相側の可能出力限界に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部を備え、
判定された前記第2裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を決定する、
ものである。
このように制御部としての本実施の形態の裕度判定器は、同期発電機の運転点の、可能出力曲線L1に対する第2裕度を求める。
このような可能出力曲線L1に対する第2裕度に基づいた同期発電機の制御を行うことで、例えば、図13に示すように、MEL曲線L0および定態安定度限界曲線L2の外側で、且つ、可能出力曲線L1の内側の運転範囲である運転点F2における同期発電機の運転が可能となる。こうして、同期発電機の進相側の運転範囲を大幅に拡大できる。
なお、この運転点F2は、定態安定度限界曲線L2を越えた運転領域に位置するため、系統安定度に対して影響がでる可能性があるものの、同期発電機自体の可能出力曲線L1の領域内であるため運転は可能である。
また、このように裕度判定器は、可能出力曲線に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部と、定態安定度限界曲線に対する第1裕度を判定する第1裕度判定部との、2種類の低励磁制限(MEL)の手段を有する。
これにより、同期発電機の運転点に応じて、第1裕度あるいは第2裕度のいずれかに基づいた同期発電機の制御が可能となり、操作性が向上すると共に、同期発電機の進相側の運転範囲を拡大できる。
また、上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記第2裕度判定部は、
前記同期発電機の有効電力と無効電力とから張られる平面図上において、
円弧形状に近似された進相側の前記可能出力限界を示す第2曲線の中心点と、前記運転点とを結ぶ線分の、前記第2曲線の半径に対する割合を導出することで、
前記同期発電機の前記運転点の、進相側の前記可能出力限界に対する前記第2裕度を判定する、
ものである。
このように、本実施の形態の第2裕度判定部は、進相側の可能出力曲線の半径方向における、運転点の第2裕度を評価している。
本実施の形態の第2裕度判定部は、このように、進相側の可能出力曲線の半径方向における運転点の第2裕度を評価し、この第2裕度の評価に対する適切な励磁制御量である一定の有効電力に対応する無効電力の調整量を算出する。これにより、適切な制御強度の低励磁制限制御を行える。
実施の形態4.
以下、本願の実施の形態4を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図16は、実施の形態4による励磁制御装置450の構成を示す機能ブロック図である。
本実施の形態の励磁制御装置450は、実施の形態1に示した励磁制御装置50に対して、制御部としてのVQ特性演算器470を更に備えたものである。
実施の形態1と同様に、Xe演算器40は、系統インピーダンスXeの現在値を演算する。
VQ特性演算器470には、演算された系統インピーダンスXeの現在値と、有効電力Pgとが入力される。
VQ特性演算器470は、演算された電力系統20側の系統インピーダンスXeの演算値と、同期発電機1の運転点である有効電力Pgの値を、以下(15)式に代入する。
なお、(15)式中の無限大母線電圧Vbには、1.0PUが代入される。
Figure 0007134141000015
なお、上記(15)式は、実施の形態1に示した(2)式と同じである。
このように各変数Pg、Vb、Xeにそれぞれ値を代入することで、上記(15)式は、発電機端子電圧の変数Vgと、無効電力の変数Qgとを含む、関係式f(Vg、Qg)=0の形に表される。
そして、VQ特性演算器470は、上記関係式f(Vg、Qg)に対して、設定された初期値を用いた収束演算を行うことにより、発電機端子電圧Vgと無効電力Qgの相関関係の特性を、例えば演算テーブルとして求める。
これにより、系統インピーダンスXeの演算値を系統条件として固定した際における、同期発電機1の運転点である有効電力Pgを一定とした際の、無効電力Qの調整可能範囲が導出できる。
VQ特性演算器470は、同期発電機1の無効電力が、定態安定度限界曲線L2、MEL曲線L0、あるいは、可能出力曲線L1を越えない発電機端子電圧Vgとなるように、
無効電力の調整可能範囲に基づいて、自動電圧調整装置55に対して、低励磁制限信号470aを出力する。自動電圧調整装置55は、この低励磁制限信号255aに基づいて、同期発電機1の界磁巻線1aに供給する励磁電流を調整する。
上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記制御部は、
前記収束演算により演算された前記系統インピーダンス、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の前記送電端子電圧を示す変数Vg、前記同期発電機の無効電力を示す変数Qg、を含む、f(Vg、Qg)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して収束演算を行うことにより、一定の前記同期発電機の有効電力と一定の前記系統インピーダンスにおける、前記送電端子電圧と前記同期発電機の無効電力との相関関係を導出し、
導出された前記相関関係に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する、前記同期発電機の無効電力の調整可能範囲を導出する、
ものである。
このように、1機無限大系統につながる発電機電気量の式を、同期発電機の有効電力、前記系統インピーダンス、同期発電機の送電端子電圧を示す変数Vg、同期発電機の無効電力を示す変数Qg、を含んだ関係式f(Vg,Qg)=0と表した。そして、この関係式f(Vg,Qg)=0に対して設定された初期値を用いた収束演算を行うことにより、発電機端子電圧Vgと同期発電機1の無効電力Qgとの相関関係を導出した。
これにより、系統インピーダンスXeの演算値を系統条件として固定した際における、同期発電機の運転点である有効電力Pgを一定とした際の、無効電力Qの調整可能範囲が導出できる。そしてこの導出された無効電力Qの調整可能範囲に基づいた、同期発電機1の励磁制御を行うことで、電力系統20の系統状態に基づいた適切な同期発電機1の制御が可能となる。
実施の形態5.
以下、本願の実施の形態5を、上記実施の形態1と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図17は、実施の形態4による発電システム500の系統構成例を示す図である。
図に示すように、本実施の形態の発電システム500は、実施の形態1に示した発電所内の同期発電機1を有する主回路10を複数備える。また、各主回路10は励磁制御装置50、励磁器30をそれぞれ備える。
これら複数の同期発電機1は、それぞれ発電機遮断器3を介して系統連系点に接続され、この系統連系点が系統連系遮断器507を介して電力系統20(無限大母線)に接続される。
また、少なくとも2つの発電機遮断器3の開閉状態を示す開閉信号3aと、系統連系遮断器507の開閉状態を示す開閉信号507aとが、励磁制御装置50に入力される。
ここで、系統連系遮断器507が開(開閉信号507a:OFF)であり、各同期発電機1の発電機遮断器3が閉(開閉信号3a:ON)であるとする。即ち、発電システム500が電力系統20から分離され、分離された電力システム500内で運転を継続する所内単独運転状態であるとする。
Xe演算器40は、系統連系遮断器507が開であり、同期発電機1が電力系統20に連系されていない状態であっても、発電機遮断器3の開閉信号3aがONであれば、同期発電機1側から見た系統インピーダンスの現在値を演算する。
この場合、Xe演算器40は、開状態の系統連系遮断器507から各同期発電機1側における、各同期発電機1同士を接続する配線網が有するインピーダンスを、系統インピーダンスXeとして演算する。
次に、このような所内単独運転時の系統安定化装置(PSS)54の制御について、比較例を用いて説明する。
図18は、比較例の励磁制御装置の系統安定化装置(PSS)における制御の説明図である。
図19は、実施の形態5による電力系統安定化装置554(PSS)の制御の説明図である。
図18に示すように、比較例の電力系統安定化装置では、「系統連系遮断器が閉(ON)且つ、発電機遮断器が閉(ON)」の条件で、自動電圧調整装置(AVR)に対して電力動揺を抑制するための補償信号を出力する機能を有効とするようにロジック構成している。これは、比較例の電力系統安定化装置が、系統の無限大母線のインピーダンス(系統インピーダンス)を固定値として、最適なPSS設定値を設計しているためであり、「系統連系遮断器が開、すなわち所内系統単独運転」時には適切なPSS制御とならないためである。
本実施の形態では、系統状態によって変化する系統インピーダンスXeの減算値を導出できる。よって、図19に示すように、本実施の形態の電力系統安定化装置554では、補償信号54aを出力する機能を有効とする条件として、「系統連系遮断器507が閉(ON)」の条件を不要とする。
そして、電力系統安定化装置554は、「発電機遮断器3が閉(ON)」の条件で、演算された系統インピーダンスXeに基づいて、自動電圧調整装置55に対して電力動揺を抑制するための補償信号54aを出力する。
上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
前記系統連系点は系統連系遮断器を介して前記電力系統に接続され、
前記系統連系遮断器の開閉状態を示す開閉信号が前記制御部に入力され、
前記制御部は、
前記系統連系遮断器が開状態における前記収束演算において、
前記電力系統の前記系統インピーダンスとして、前記系統連系遮断器から前記同期発電機側の配線網が有するインピーダンスを演算する、
ものである。
これにより、系統連系遮断器により発電所が電力系統から切り離されて解列した系統所内単独運転時においても、最適化された制御定数により系統安定化装置(PSS)を運用することが可能となり、所内配電システムの安定度の向上に寄与する。
なお、図17では、複数ある励磁制御装置50の内、図中左側の主回路10が備える励磁制御装置50が系統インピーダンスXeを演算する例を示したが、系統インピーダンスXeを演算する励磁制御装置50は特に指定されない。
また、電力系統安定化装置554は、前述のように、「発電機遮断器3が閉(ON)」の条件で、演算された系統インピーダンスXeに基づいて、自動電圧調整装置55に対して電力動揺を抑制するための補償信号54aを出力するが、発電システム500内の全ての同期発電機1が備える発電機遮断器3が「閉(ON)」である必要はない。
発電システム500内で、少なくとも2つの同期発電機1が備える発電機遮断器3が「閉(ON)」状態(所内系統単独運転の状態)であれば上記補償信号54aの出力は可能である。
実施の形態6.
以下、本願の実施の形態6を、上記実施の形態1、5と異なる箇所を中心に図を用いて説明する。上記実施の形態1、5と同様の部分は同一符号を付して説明を省略する。
図20は、実施の形態6による発電システム600の系統構成例を示す図である。
本実施の形態の発電システム600は、実施の形態1に示した発電所内の同期発電機1を有する主回路10を複数備える。また、各主回路10は励磁制御装置50、励磁器30をそれぞれ備える。
そして、これら複数の同期発電機1が接続される系統連系点が、系統連系遮断器507を介して電力系統20に接続される。
更に発電システム600は、この系統連系点において励磁制御装置650を配設している。この励磁制御装置650は、実施の形態1に示した励磁制御装置50と同様の構成であるが、指令演算部651を有する点が異なる。
系統連系点の母線には、系統連系用VT606、系統連系用CT605が設けられている。そして、検出された送電端子電圧としての系統連系点における系統連系点電圧Vgと、系統連系点電流Igとが、励磁制御装置650に取り込まれる。
励磁制御装置650は、系統連系点電圧Vgと系統連系点電流Igとに基づいて、実施の形態1に示した制御と同様に系統インピーダンスXeの現在値を導出する。
更に、励磁制御装置650の指令演算部651は、電力系統20の状態が変化した場合でも、系統連系点における力率PFが設定された範囲内に収まるように、演算された電力系統20の系統インピーダンスXeの現在値に応じて、各同期発電機1が備える励磁制御装置50に対して、無効電力Qを調整する補正指令650aを出力する。
具体的には、指令演算部651は、各同期発電機1が無効電力の増減を行った場合の、系統連系点における力率PFの変動に関する各同期発電機1ごとの制御効果の割合を予め分析し、記録している。指令演算部651は、この同期発電機1ごとの制御効果の割合に基づいて、各同期発電機1の出力の負荷分担を示す重み付けを行い、これを重み付け係数として格納する。そして指令演算部551は、系統連系点における力率PFが、予め設定された力率範囲を超えたことを判定すると、格納された重み付け係数を用い、各同期発電機1に対して無効電力を調整する補正指令650aを出力する。
上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
複数の前記同期発電機を備え、該複数の同期発電機が接続される系統連系点が前記電力系統に接続され、
前記制御部は、
前記系統連系点における電圧、有効電力、無効電力を、それぞれ、前記関係式における前記同期発電機の、前記送電端子電圧、有効電力、無効電力として前記収束演算を行う、
ものである。
このように、複数の同期発電機が電力系統に接続される構成においても、系統連系点における電圧、有効電力、無効電力を用いることで、実施の形態1に示した関係式f(Xe)を用いることができる。
これにより、電力系統の状態が変動した場合においても、各同期発電機側から見た系統インピーダンスXeの現在値に基づいた、系統安定度に応じた各同期発電機の励磁増減量の制御調整が可能となる。こうして、複数の同期発電機を備えた発電所において、系統連系点における力率が、設定された力率範囲内に収まるように精度良く調整される。
また、指令演算部651は、以下のような制御を行うことも可能である。
発電システム600内の複数の同期発電機1を、等価的な1台の仮想同期発電機に置換した仮想発電所の出力(等価出力電力)を以下(16)式により求める。更に以下(17)式によりこの仮想発電所の同期インピーダンスXd(等価同期インピーダンス)を求める。
Figure 0007134141000016
但し、MVAPmodelは、仮想同期発電機の皮相電力、
P(Gi)は、各同期発電機1の出力電力(i=1~n台)。
Figure 0007134141000017
但し、Xdmodelは、仮想同期発電機の同期インピーダンス、
Xd(Gi)は、各同期発電機1の同期インピーダンス(i=1~n台)。
指令演算部651は、電力系統20の状態が変化した場合でも、上記(16)式により求められた等価出力電力に基づいて、系統連系点における力率PFが設定された範囲内に収まるように、演算された電力系統20の系統インピーダンスXeの現在値に応じて、各同期発電機1が備える励磁制御装置50に対して、無効電力を調整する補正指令650aを出力する。
なお、指令演算部651は、この補正指令650aの生成において、上記式(17)により求められた等価同期インピーダンスXdmodelに基づいて、送電端子電圧としての系統連系点における系統連系点電圧Vgの電圧調整を行う。
このように励磁制御装置650は、複数の同期発電機1を1台の仮想の同期発電機に置き換えた、1台の仮想の同期発電機に対して励磁制御を行う仮想の励磁制御装置となる。
そして、1台の仮想の同期発電機の仮想の界磁巻線に対して仮想の励磁制御を行うことにより、系統連系点における送電無効電力を調整して力率制御を行う。
上記のように構成された本実施の形態の制御システムは、
複数の前記同期発電機を1台の同期発電機に置換した仮想同期発電機における、等価同期インピーダンス、等価出力電力を演算し、
演算された、前記等価同期インピーダンス、前記等価出力電力に基づいて、
一定の前記有効電力に対応する前記仮想同期発電機における無効電力の調整量を決定する、
ものである。
このように、複数の同期発電機が電力系統に接続される構成においても、複数の前記同期発電機を1台の同期発電機に置換した仮想同期発電機を想定する。これにより、一機無限大系統に繋がる同期発電機の電気量の関係式を用いることができ、系統インピーダンスXeの現在値を導出できる。
これにより、電力系統の状態が変動した場合においても、演算された電力系統の系統インピーダンスXeの現在値に基づいた、系統安定度に応じた各同期発電機の励磁増減量の制御が可能となる。こうして、複数の同期発電機を備えた発電所において、系統連系点における力率が、設定された力率範囲内に収まるように系統安定度に応じて精度良く調整される。
本願は、様々な例示的な実施の形態及び実施例が記載されているが、1つ、または複数の実施の形態に記載された様々な特徴、態様、及び機能は特定の実施の形態の適用に限られるのではなく、単独で、または様々な組み合わせで実施の形態に適用可能である。
従って、例示されていない無数の変形例が、本願に開示される技術の範囲内において想定される。例えば、少なくとも1つの構成要素を変形する場合、追加する場合または省略する場合、さらには、少なくとも1つの構成要素を抽出し、他の実施の形態の構成要素と組み合わせる場合が含まれるものとする。
1 同期発電機、20 電力系統、40 Xe演算器(制御部)、
50,250,450,650 励磁制御装置(制御システム)、
53 PSS設定器(制御部)、54 電力系統安定化装置(系統安定化部)、
55 自動電圧調整装置(自動電圧調整部)、260,360 裕度判定器(制御部)、255 MEL機能部(制御部)、261 第1裕度判定部、362 第2裕度判定部、470 VQ特性演算器(制御部)、507 系統連系遮断器。

Claims (16)

  1. 同期発電機が接続された電力系統の系統インピーダンスを演算する制御部を備える制御システムであって、
    前記制御部は、
    前記同期発電機の送電端子電圧、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の無効電力、および、前記系統インピーダンスを示す変数Xe、を含む、f(Xe)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して、前記変数Xeに設定された初期値を用いて収束演算を行うことにより、前記系統インピーダンスを演算する、
    制御システム。
  2. 前記制御部は、前記収束演算において、
    前記初期値として、第1設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第1演算値の絶対値と、
    前記第1設定値から設定された減算値を減算した第2設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第2演算値の絶対値と、
    前記第1設定値に対して設定された加算値を加算した第3設定値を前記関係式に代入して得られた前記関係式の左辺の値である第3演算値の絶対値と、を比較して、前記関係式の左辺の値が0を中心とする閾値範囲以内に収束する変数Xeの値が得られる、前記第1設定値の増減方向を判定し、
    判定された前記増減方向に応じて、前記関係式の左辺の値が0を中心とする閾値範囲以内に収束する変数Xeの値を得るまで、代入された前記第1設定値、前記第2設定値、前記第3設定値、のいずれかを、新たな前記第1設定値として前記関係式に代入する、
    請求項1に記載の制御システム。
  3. 前記関係式は、以下(1)式で表される、

    Figure 0007134141000018
    但し、
    Xeは前記系統インピーダンス、Pgは前記同期発電機の有効電力、Qgは前記同期発電機の無効電力、Vbは前記電力系統側の無限大母線電圧、Vgは前記同期発電機の送電端子電圧、
    請求項1または請求項2に記載の制御システム。
  4. 前記収束演算において前記関係式に代入される前記初期値は、前記同期発電機と前記電力系統との間に接続される変圧器のインピーダンスに基づいて設定される、
    請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の制御システム。
  5. 前記収束演算において前記関係式に代入される前記初期値は、前記系統インピーダンスの予測最大値の1.0PUに対して、0.3±0.15PUに設定される、
    請求項4に記載の制御システム。
  6. 前記制御部は、
    演算された前記系統インピーダンスと前記同期発電機の同期インピーダンスとに基づいて前記同期発電機の定態安定度の限界を演算し、前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、演算された前記定態安定度の限界に対する第1裕度を判定する第1裕度判定部を備え、
    判定された前記第1裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を演算する、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の制御システム。
  7. 前記第1裕度判定部は、
    前記同期発電機の有効電力と無効電力とから張られる平面図上において、前記定態安定度の限界を示す第1曲線の中心点と前記運転点とを結ぶ線分の、前記第1曲線の半径に対する割合を導出することで、前記第1裕度を判定する、
    請求項6に記載の制御システム。
  8. 前記制御部は、
    前記定態安定度の進相側の限界に基づいて設定された、前記同期発電機の低励磁運転範囲を制限する低励磁制限値、を演算し、
    前記同期発電機の有効電力および無効電力から定まる該同期発電機の運転点の、前記同期発電機の温度限界により制約される進相側の可能出力限界あるいは前記低励磁制限値の一方に対する第2裕度を判定する第2裕度判定部を備え、
    判定された前記第2裕度に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の調整量を決定する、
    請求項6または請求項7に記載の制御システム。
  9. 前記第2裕度判定部は、
    前記同期発電機の有効電力と無効電力とから張られる平面図上において、
    円弧形状に近似された進相側の前記可能出力限界を示す第2曲線の中心点と、前記運転点とを結ぶ線分の、前記第2曲線の半径に対する割合を導出することで、
    前記同期発電機の前記運転点の、進相側の前記可能出力限界に対する前記第2裕度を判定する、
    請求項8に記載の制御システム。
  10. 前記制御部は、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する無効電力の前記調整量であるΔQを、以下(2)式に基づいて導出する、
    ΔQ=α/cosθ ・・・(2)式
    但し、θは前記線分がQ軸に対して成す角度、
    αは、前記運転点の前記線分上における制御効果を示す線分、
    請求項7または請求項9に記載の制御システム。
  11. 前記制御部は、
    前記収束演算により演算された前記系統インピーダンス、前記同期発電機の有効電力、前記同期発電機の前記送電端子電圧を示す変数Vg、前記同期発電機の無効電力を示す変数Qg、を含む、f(Vg、Qg)=0と表される前記同期発電機の関係式に対して収束演算を行うことにより、一定の前記同期発電機の有効電力と一定の前記系統インピーダンスにおける、前記送電端子電圧と前記同期発電機の無効電力との相関関係を導出し、
    導出された前記相関関係に基づいて、一定の前記同期発電機の有効電力に対応する、前記同期発電機の無効電力の調整可能範囲を導出する、
    請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の制御システム。
  12. 複数の前記同期発電機を備え、該複数の同期発電機が接続される系統連系点が前記電力系統に接続され、
    前記制御部は、
    前記系統連系点における電圧、有効電力、無効電力を、それぞれ、前記関係式における前記同期発電機の、前記送電端子電圧、有効電力、無効電力として前記収束演算を行う、
    請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の制御システム。
  13. 前記制御部は、
    複数の前記同期発電機を1台の同期発電機に置換した仮想同期発電機における、等価同期インピーダンス、等価出力電力を演算し、
    演算された、前記等価同期インピーダンス、前記等価出力電力に基づいて、
    一定の前記有効電力に対応する前記仮想同期発電機における無効電力の調整量を決定する、
    請求項12に記載の制御システム。
  14. 前記系統連系点は系統連系遮断器を介して前記電力系統に接続され、
    前記系統連系遮断器の開閉状態を示す開閉信号が前記制御部に入力され、
    前記制御部は、
    前記系統連系遮断器が開状態における前記収束演算において、
    前記電力系統の前記系統インピーダンスとして、前記系統連系遮断器から前記同期発電機側の配線網が有するインピーダンスを演算する、
    請求項12または請求項13に記載の制御システム。
  15. 前記送電端子電圧を制御する自動電圧調整部と、
    前記電力系統の動揺を抑制するように前記自動電圧調整部に補正値を与える系統安定化部と、を備え、
    前記制御部は、
    前記収束演算において、演算された前記系統インピーダンスの値に応じて、前記系統安定化部あるいは前記自動電圧調整部において用いる制御定数の少なくとも一方を調整する、
    請求項1から請求項14のいずれか1項に記載の制御システム。
  16. 前記送電端子電圧を制御する自動電圧調整部と、
    前記電力系統の動揺を抑制するように前記自動電圧調整部に補正値を与える系統安定化部と、を備え、
    前記制御部は、
    演算された前記調整量に応じて、前記系統安定化部あるいは前記自動電圧調整部において用いる制御定数の少なくとも一方を調整する、
    請求項6から請求項10、請求項13のいずれか1項に記載の制御システム。
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