JP2007288847A - 発電機制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有効電力と無効電力とを協調制御することにより電圧調整幅を拡大できるようにして、電圧変動に起因する発電機のトリップを抑制できる発電機制御装置を提供する。
【解決手段】発電機1の系統4への出力電圧を電圧変換器13で、有効電力および無効電力を電力算出手段11,12でそれぞれ算出し、これらの出力電圧、有効電力および無効電力、ならびに予め規定された発電機1の運転可能範囲に基づいて、有効電力に対応する無効電力が運転可能範囲を越えるか否かを判定し、無効電力が運転可能範囲を越える場合には発電機1のタービン出力を低下させてこれに応じて無効電力調整範囲を拡大するPQ制御器16を備えており、このPQ制御器16により拡大された無効電力調整範囲に伴って拡大された電圧調整幅の下で、自動電圧調整器7によって電圧調整を行う。
【選択図】図1

Description

本発明は、発電機の出力を制御する発電機制御装置に関し、特には発電機の電圧や力率を調整するために、有効電力(P)を制限して無効電力(Q)を制御する技術に関する。
一般に、発電機においては、ガバナ(調速機)によりガイドベーンの開度を調整することでタービン出力(有効電力)が制御される。また、自動電圧調整器(AVR)で発電機の界磁巻線に供給する界磁電流を調整することにより、発電機の出力電圧が制御される。
このような発電機においては、図11における有効電力Pと無効電力Qとの関係を示すP−Q特性図において、発電機を構成するコア、固定子コイル、界磁巻線といった各部の温度限界(符号F1で示す曲線)が規定されており、発電機はこの温度限界の範囲内で運転される。さらに、この温度限界の範囲内において系統を安定に保つ上で、最小励磁限界(以下、MELという)(符号F2で示す曲線)が規定されており、したがって、発電機は、実質的には温度限界(曲線F1)およびMEL(曲線F2)の双方で囲まれた運転可能範囲内で運転する必要がある。
そして、有効電力(例えば定格値)P0は、発電機のタービン出力によって決定され、そのタービン出力に応じて上記運転可能範囲により無効電力の調整範囲A’−Aが決定され、この調整範囲A’−A内で無効電力の調整が行われる。すなわち、従来は有効電力P0は常に固定された値であり、これに対応する無効電力が調整範囲A’−A内に常に収まるように、自動電圧調整器によって発電機の界磁電流を調整することで発電機の出力電圧を制御している(例えば、特許文献1参照)。
特開平6−14466号公報
ところで、系統の事故等によって負荷変動が生じた場合や、新たに負荷が追加されたような場合、これらの原因によって発電機側におい電圧変動が発生するのを抑制するため、自動電圧調整器によって発電機に対する界磁電流が調整される。
一方、図11に示したように、従来は、定格値P0に固定された有効電力に対応する無効電力の調整範囲A’−A内に常に収まるように発電機の出力制御を行っている。このため、上記のような電圧変動が生じた場合、無効電力の調整範囲A’−Aの制限によって自動電圧調整器の電圧調整幅が限定されてしまい、電圧変動を十分に抑制できなくなる事態が生じる。
そして、所定値以上の電圧変動が生じると、発電機が系統からトリップされて系統への電力供給が遮断されるなどの不具合を生じる。また、系統には電圧変動の影響を低減するために、電圧調整装置や負荷を系統から遮断する遮断器等を別途追加する必要が生じるなどして余分なコストアップを招来する。
また、発電機によって受電点の力率制御が実施されているが、この場合も無効電力Qの出力は有効電力Pに依存しているため、力率調整範囲に限界がある。このため、従来は力率改善用のコンデンサ等を設けて力率調整を別途行う必要があり、同様に余分なコストがかかるという課題がある。
本発明は、上記の課題を解決するためになされたもので、有効電力と無効電力とを協調制御することにより、電圧調整幅や力率調整幅を拡大し、これによって、電圧変動に起因する発電機のトリップを抑制し、また、系統に電圧や力率を調整するための余分な機器を設けるのを省略できてシステムのコストダウンを図ることが可能な発電機制御装置を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明の発電機制御装置では、発電機の系統への出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、上記発電機の系統への出力電流を検出する出力電流検出手段と、上記両検出手段の検出出力に基づいて有効電力および無効電力をそれぞれ算出する電力算出手段とを備えるとともに、上記出力電圧検出手段と電力算出手段とで得られた出力電圧、有効電力および無効電力、ならびに予め規定された発電機の運転可能範囲に基づいて、上記有効電力に対応する無効電力が運転可能範囲を越えるか否かを判定し、当該無効電力が運転可能範囲を越える場合には、上記発電機のタービン出力を低下させてこれに応じて無効電力調整範囲を拡大するPQ制御器を含み、このPQ制御器により拡大された無効電力調整範囲に伴って電圧調整幅を拡大することを特徴としている。
なお、発電機による受電点の力率制御を行う場合には、無効電力が運転可能範囲を越える場合には、PQ制御器によって上記発電機のタービン出力を低下させてこれに応じて無効電力調整範囲を拡大し、このPQ制御器により拡大された無効電力調整範囲に伴って力率調整幅を拡大する構成とすることもできる。
本発明によれば、有効電力を従来のように固定したものとせず、有効電力と無効電力とを協調制御することにより、必要に応じて電圧調整範囲を拡大できるようにしているので、この拡大された電圧調整幅の下で、発電機の電圧変動を有効に抑制することができる。このため電圧変動に起因した発電機のトリップの発生を抑制でき、また、系統に電圧を調整するための余分な機器を設ける必要がなくなるため、コストダウンを図ることが可能となる。また、同様に力率についても力率圧調整範囲を拡大できるため、系統に力率調整を行うための余分な機器を設ける必要がなく、コストダウンを図ることができる。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1における発電機制御装置の全体を示す構成図である。
この実施の形態1において、発電機1は遮断器2、および変圧器3を介して系統4に接続されている。また、発電機1と系統4との間には、発電機1の系統4への出力電圧を検出する第1PT5aと、発電機1の系統4への出力電流を検出する第1CT6bとが設けられ、両者PT5a,CT6aの検出信号が自動電圧調整器(AVR)7に取り込まれるようになっている。
また、発電機1はタービン8に機械的に接続されており、このタービン8の回転数はガバナ(調速機)により制御され、これにより発電機1の出力(有効電力)は、このタービン8の機械的出力よって決定される。
また、発電機1の出力電圧は、自動電圧調整器7で発電機1に供給する界磁電流を調整することにより制御される。すなわち、励磁機7aに供給される直流電流を発生させるためのサイリスタ7bの点弧角を制御して発電機1の界磁電流を調整することにより発電機1の出力電圧が制御され、これに伴う電機子反作用により、発電機1の無効電力が調整される。
また、この実施の形態1では、有効電力と無効電力とを検出して電圧制御を行う必要があるため、発電機1と系統4との間には、発電機1の出力電圧を検出する第2PT5b、発電機1の出力電流を検出する第2CT6b、両者PT5b,CT6bの検出出力に基づいて有効電力を算出する電力変換器1111、両者PT5b,CT6bの検出出力に基づいて無効電力を算出する無効電力変換器12、第2PT5bの検出出力を電圧変換する電圧変換器13が設けられている。なお、符号15は遮断器2を動作させる保護リレーである。
また、この実施の形態1では、電力変換器11で得られる有効電力、無効電力変換器12で得られる無効電力、電圧変換器13で得られる発電機1の出力電圧、ならびに発電機1の運転可能範囲(曲線F1,F2)に基づいて、有効電力と無効電力とを協調制御することによって、無効電力調整範囲を拡大するPQ制御器16が設けられている。なお、上記の発電機1の運転可能範囲(曲線F1,F2)のデータや、後述のタービン出力(有効電力)を変更するための係数X,Y,Zや、電圧制御範囲を規定する上限値Vs1および下限値Vs2は、予めPQ制御器16に登録されている。
そして、第2PT5bと電圧変換器13とが特許請求の範囲の出力電圧検出手段に対応し、また第2CT6bが特許請求の範囲の出力電流検出手段に対応し、また、電力変換器11と無効電力変換器12とが特許請求の範囲の電力算出手段に対応している。
ここで、発電機1の出力電圧をV、有効電力をP、有効電流をIp、無効電力をQ、無効電流をIq、発電機1から系統4を含む抵抗成分とインダクタンス成分をそれぞれR,Lとすると、これらには次の関係がある。
Figure 2007288847
上記の(4)式から分かるように、L成分はR成分の50倍程度で、非常に大きいため、(1)式の関係から、発電機1の出力電圧Vを決定する要因として無効電力Qの影響が大きい。このことから、無効電力Qを制御(換言すれば無効電流Iqを制御)することによって、発電機1の出力電圧Vの制御を行うことができる。
次に、上記構成を備えた発電機制御装置の動作について、図2に示すフローチャート、図3に示すP−Q特性図、および図4に示す発電機1の出力電圧Vのタイムチャートを参照して説明する。なお、符号Sは各処理ステップを意味する。
発電機1から系統4に供給される有効電力Pは、第2PT5bおよび第2CT6bの検出出力に基づいて電力変換器11により算出されてPQ制御器16に取り込まれる。また、遅れ無効電力+Qあるいは進み無効電力−Qは、第2PT5bおよび第2CT6bの検出出力に基づいて無効電力変換器12により算出されてPQ制御器16に取り込まれる。さらに、発電機1の出力電圧Vは、第2PT5bおよび電圧変換器13により検出されてPQ制御器16に取り込まれる。
ここで、発電機1のタービン出力(有効電力)Pjが定格値P0の下で運転中(S1)、系統4側の電圧が安定している場合、図3に示すように、無効電力は有効電力P0に対応した調整範囲A’−A内で調整される。
一方、発電機1のタービン出力(有効電力)が定格値P0の下で運転中に、系統4の事故や負荷の追加等によって系統4側の電圧変動が発生し、無効電力が調整範囲A’−A内に制限されることによって、PQ制御器16が電圧変換器13で検出される発電機1の出力電圧Vが予め設定されている電圧調整幅を越えたと判断した場合、すなわち、V0を定格電圧、ΔV1,ΔVを変動幅、Vs1(=V0−ΔV1)を電圧調整幅の上限値、Vs2(=V0−ΔV2)を電圧調整幅の上限値としたとき、V>Vs1、あるいはV<Vs2になったと判断した場合(S2)、PQ制御器16は、タービン出力(有効電力)PjをPj=X・P0(ただし、0<X<1)に変更し、このタービン出力制御指令をガバナ9に出力する。これにより、有効電力は図3のP1(=X・P0)に変更される(S3)。
そして、タービン出力(有効電力)PjがP1に変更されることによって無効電力調整範囲は、図3に示すようにB’−Bの範囲に拡大されるので、これに伴って自動電圧調整器7で調整可能な界磁電流範囲が増加する。つまり、無効電力の調整範囲がB’−Bと拡大するのに伴って発電機1の出力電圧の調整幅が拡大するので、自動電圧調整器7は、その拡大した電圧調整幅内で発電機1の出力電圧を調整する。このため、図4に示すように、出力電圧は設定値Vs1およびVs2の範囲内で制御することができる。
なお、有効電力は基本的に大きいことが望ましいので、図3に示す有効電力P1の下で運転中、無効電力が先の無効電力調整範囲A’−A内に収まっている場合には(S4)、S1に戻って有効電力の運転点をP1からP0に戻す。
さらに、有効電力をP1に設定しても、発電機1の出力電圧Vが電圧調整幅を越えている場合、すなわち、V>Vs1、あるいはV<Vs2になったと判断した場合(S5)
PQ制御器16は、タービン出力(有効電力)PjをPj=Y・P0(ただし、0<Y<X)に変更し、このタービン出力制御指令をガバナに出力する。これにより、有効電力は図3のP2(=Y・P0)に変更される(S6)。
そして、タービン出力(有効電力)PjがP2に変更されることによって無効電力の調整範囲は、図3に示すようにC’−Cの範囲に拡大されるので、これに伴って自動電圧調整器7で調整可能な界磁電流範囲が増加する。つまり、無効電力の調整範囲がC’−Cと拡大するのに伴って発電機1の出力電圧の調整幅が拡大するので、自動電圧調整器7は、図4に示すように、発電機1の出力電圧を設定値Vs1およびVs2の範囲内で制御することができる。
なお、有効電力は基本的に大きいことが望ましいので、図3に示す有効電力P2の下で運転中、無効電力が先の調整範囲B’−B内に収まっている場合には(S7)、S3に戻って有効電力の運転点をP2からP1(=X・P0)に戻す。
さらに、有効電力をP2に設定しても、発電機1の出力電圧Vが電圧調整幅を越えている場合、すなわち、V>Vs1、あるいはV<Vs2になったと判断した場合(S8)
PQ制御器16は、タービン出力(有効電力)PjをPj=Z・P0(ただし、0≦Z<Y)に変更し、このタービン出力制御指令をガバナに出力する。これにより、有効電力は図3のP3(=Z・P0)に変更される(S9)。ここでは、Z=0として無効電力調整範囲を最大にする。
このように、この実施の形態1では、有効電力を従来のように固定したものとせず、有効電力と無効電力とを協調制御することにより、必要に応じて電圧調整幅を拡大できるようにしているので、この拡大された電圧調整幅の下で、発電機1の電圧変動を設定値Vs1,Vs2の範囲内に有効に制限することができる。このため、電圧変動に起因した発電機1のトリップの発生を抑制でき、また、系統4に電圧を調整するための余分な機器を設ける必要がなくなるため、コストダウンを図ることが可能となる。
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、PQ制御器16にタービン出力(有効電力)を変更するための係数X,Y,Zを予め登録しておき、有効電力をPjに設定したときに発電機1の出力電圧Vが設定値Vs1,Vs2を越えている場合には、各係数X,Y,Zを用いてタービン出力(有効電力)Pjが段階的に小さくなるようにしたが、この実施の形態2では、PQ制御器16は、電圧変換器13で得られる発電機1の出力電圧V、およびMELのデータを用いて、発電機1の出力電圧Vが設定値Vs1,Vs2を越えないようにタービン出力(有効電力)Pjを自動的に変更できるようにしたものである。
ここで、前記(2),(3)式から、有効電流Ip、無効電流Iqはそれぞれ次式で表される。
(2)式よりIp=P/R (5)
(3)式よりIq=Q/L (6)
前記(1)式に(5),(6)式を代入すると、次の関係が導き出せる。
=P・R・Q・L (7)
また、MELは次式のような直線の式で表される。
Q=a・P+b(ただし、a,bは定数) (8)
したがって、上記の(7),(8)式から、次の関係が得られる。
P=(V−b・L)/(R+a・L) (9)
これにより、PQ制御器16に(9)式の関係式を予め登録しておくことにより、PQ制御器16は、発電機1に設定された出力電圧Vに対するタービン出力(有効電力の最大値)Pjを(9)式に基づいて自動的に決定することができる。
したがって、PQ制御器16には、上記の発電機1の運転可能範囲を規定する能力曲線(曲線F1,F2)のデータや、有効電力を変更するための上記(9)式のデータが予め登録されている。
その他の構成は図1に示した実施の形態1の場合ど同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
次に、この実施の形態2のPQ制御器16の動作について、図5に示すフローチャート、および図6に示すP−Q特性図を参照して説明する。
PQ制御器16には、発電機1のタービン出力(有効電力)の定格値P0、および電圧設定値Vs1,Vs2が予め設定登録される(S1,2)。ここで、発電機1のタービン出力(有効電力)が定格値P0、出力電圧Vが設定値Vs1,Vs2以下で運転中に、系統4事故や負荷の追加等によって系統4側の電圧変動が発生し、無効電力が調整範囲A’−A内に制限されることによって、電圧変換器で検出される発電機1の出力電圧Vが電圧設定値Vs1またはVs2を越えたと判断した場合(S3)、PQ制御器16は、タービン出力(有効電力)Pjを上記の(9)式に基づいて決定し(S4)、このタービン出力制御指令をガバナに出力する(S5)。このとき、無効電力の調整範囲はA’−AからJ’−Jに拡大され、これに伴って自動電圧調整器7で調整可能な界磁電流範囲が増加する。
つまり、無効電力の調整範囲がJ’−Jと拡大するのに伴って発電機1の出力電圧の調整幅が拡大するので、自動電圧調整器7は、その拡大した電圧調整幅内で発電機1の出力電圧を調整することができる。このため、図4に示すように、出力電圧は設定値Vs1およびVs2の範囲内で制御される。
このように、この実施の形態2では、PQ制御器16は、上記の(9)式に基づいて、タービン出力(有効電力)Pjを自動的に変更するので、有効電力Pjが連続量として制御される。このため、発電機1の出力電圧を常に一定に保つことが可能になる。また、このとき、タービン出力(有効電力)Pjは(9)式のように無効電力に常に対応付けられて算出されるため、実施の形態1の場合よりも発電機1から系統4に出力される有効電力量を増加させることができる。その他の作用効果は、実施の形態1の場合と同様である。
実施の形態3.
上記の実施の形態1では、有効電力を段階的に変化することで無効電力の調整範囲を拡大し、この拡大に伴って発電機1の出力電圧の調整幅を拡大することで、電圧変動が設定値Vs1あるいはVs2以内に収まるようにしたが、発電機1の運転可能範囲(曲線F1,F2)によって力率調整範囲が限定される場合があるため、この実施の形態3では、有効電力と無効電力とを協調制御することで、力率の調整幅を拡大できるようにしたものである。
そのため、この実施の形態3では、図1に示した実施の形態1の電圧変換器13に代えて力率算出手段としての力率変換器14を設けるとともに、変圧器3の系統連系側に第3PT5cを設け、力率変換器14で第3PT5cと第2CT6bの検出出力に基づいて力率が得られるようにしている。なお、力率変換器14は、電力変換器11で得られる有効電力と無効電力変換器12で得られる無効電力とを取り込んで両者から力率が得られるようにすることも可能である。
また、PQ制御器16は、電力変換器11で得られる有効電力、無効電力変換器12で得られる無効電力、力率変換器14で得られる力率、ならびに発電機1の運転可能範囲(曲線F1,F2)に基づいて、有効電力と無効電力とを協調制御することによって、無効電力調整範囲を拡大するものであり、上記の発電機1の運転可能範囲(曲線F1,F2)のデータや、有効電力を変更するための係数X,Y,Zや、力率制御範囲を規定する上限値cosφs1や下限値cosφs2は、予めPQ制御器16に登録されている。
その他の構成は実施の形態1と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
図8は本発明の実施の形態3における発電機制御装置の動作説明に供するフローチャート、図9はPQ制御による発電機1の力率変化を示すタイムチャートである。
上記の実施の形態1では、発電機1のタービン出力(有効電力)が定格値P0の下で運転中に、系統4側の電圧変動が発生して、PQ制御器16が電圧変換器で検出される発電機1の出力電圧Vが電圧設定値Vs1,Vs2を越える(V>Vs1、あるいはV<Vs2)と判断したとき、PQ制御器16は、タービン出力(有効電力)Pjを段階的に変化させたが、この実施の形態3では、力率変換器14で検出される発電機1の力率が力率設定値cosφs1,cosφs2を越える(cosφ>cosφs1、あるいはcosφ<cosφs2)と判断した場合、PQ制御器16はタービン出力(有効電力)Pjを段階的に変化させるようにしている(S3,S6,S9)。その他の処理内容は実施の形態1の場合と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
このように、この実施の形態3では、有効電力を従来のように固定したものとせず、有効電力と無効電力とを協調制御することにより、必要に応じて力率調整幅を拡大できるようにしているので、この拡大された力率調整幅の下で、拡大発電機1の力率変動を設定値cosφs1,cosφs2の範囲内に有効に抑制することができる。このため、系統4に力率改善用のコンデンサ等を設けて力率調整を別途行うといったことが不要になり、システムを簡素化することができ、コストダウンを図ることが可能となる。
実施の形態4.
上記の実施の形態3では、PQ制御器16に有効電力を変更するための係数X,Y,Zの値を予め登録しておき、これらの係数X,Y,Zを用いることでタービン出力(有効電力)Pjを段階的に小さくなるようにしたが、この実施の形態4では、PQ制御器16は、実施の形態2の場合に類似して、電圧変換器13で得られる発電機1の出力電圧V、およびMELのデータを用いて、発電機1の力率cosφが設定値cosφs1,cosφVs2を越えないようにタービン出力(有効電力)Pjを自動的に変更できるようにしたものである。
ここで、系統4の受電点における力率は、次式で表される。
Figure 2007288847
また、無効電力Qは次式で表される。
Q=P・tanφ (11)
また、MELの関係式は次式のような直線の式で表される。
Q=a・P+b(ただし、a,bは定数) (12)
したがって、上記の(11),(12)式から、次の関係が得られる。
P=b/{(tanφ)−a} (13)
これにより、PQ制御器16に(13)式の関係式を予め登録しておくことにより、PQ制御器16は、発電機1に設定された力率に対するタービン出力(有効電力の最大値)Pjを(13)式に基づいて自動的に決定することができる。
したがって、PQ制御器16には、上記の発電機1の運転可能範囲を規定する能力曲線(曲線F1,F2)のデータや、有効電力を変更するための上記(13)式のデータが予め登録されている。その他の構成は図7に示した実施の形態3の場合と同様である。
また、図10にはこの実施の形態4の発電機制御装置の動作説明に供するフローチャートを示しているが、その内容は、発電機1の力率設定値がcosφs1,cosφs2として用いられる以外は、図5に示した実施の形態2の場合の処理と同様であるから、ここでは詳しい説明は省略する。
このように、この実施の形態4では、PQ制御器16は、上記の(13)式に基づいて、タービン出力(有効電力)Pjを自動的に変更するので、有効電力Pjが連続量として制御される。このため、発電機1の力率を常に一定に保つことが可能になる。その他の作用効果は、実施の形態3の場合と同様である。
本発明の実施の形態1における発電機制御装置の全体を示す構成図である。 本発明の実施の形態1における発電機制御装置の動作説明に供するフローチャートである。 本発明の実施の形態1において、P−Q特性図におけるタービン出力の動作点の説明図である。 PQ制御による発電機の出力電圧変化を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態2における発電機制御装置の動作説明に供するフローチャートである。 本発明の実施の形態2において、P−Q特性図におけるタービン出力の動作点の説明図である。 本発明の実施の形態3における発電機制御装置の全体を示す構成図である。 本発明の実施の形態3における発電機制御装置の動作説明に供するフローチャートである。 PQ制御による発電機の力率変化を示すタイムチャートである。 本発明の実施の形態4における発電機制御装置の動作説明に供するフローチャートである。 発電機のP−Q特性図における運転可能範囲を示す説明図である。
符号の説明
1 発電機、4 系統、5b 第2PT(出力電圧検出手段)、
5c 第3PT(出力電圧検出手段)、6b 第2CT(出力電流検出手段)、
7 自動電圧調整器、9 ガバナ、11 電力変換器(有効電力算出手段)、
12 無効電力変換器(無効電力算出手段)、13 電圧変換器(出力電圧検出手段)、14 力率変換器(力率算出手段)、16 PQ制御器。

Claims (4)

  1. 発電機の系統への出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、上記発電機の系統への出力電流を検出する出力電流検出手段と、上記両検出手段の検出出力に基づいて有効電力および無効電力をそれぞれ算出する電力算出手段とを備えるとともに、上記出力電圧検出手段と電力算出手段とで得られた出力電圧、有効電力および無効電力、ならびに予め規定された発電機の運転可能範囲に基づいて、上記有効電力に対応する無効電力が運転可能範囲を越えるか否かを判定し、当該無効電力が運転可能範囲を越える場合には、上記発電機のタービン出力を低下させてこれに応じて無効電力調整範囲を拡大するPQ制御器を含み、このPQ制御器により拡大された無効電力調整範囲に伴って電圧調整幅を拡大することを特徴とする発電機制御装置。
  2. 上記PQ制御器は、上記出力電圧検出手段で検出された発電機の出力電圧、および上記運転可能範囲を規定する発電機の最小励磁限界(MEL)に基づいて発電機のタービン出力を決定するものであり、この決定されたタービン出力に応じて無効電力調整範囲が拡大されることを特徴とする請求項1記載の発電機制御装置。
  3. 発電機の系統への出力電圧を検出する出力電圧検出手段と、上記発電機の系統への出力電流を検出する出力電流検出手段と、上記両検出手段の検出出力に基づいて有効電力および無効電力をそれぞれ算出する電力算出手段と、上記両検出手段の検出出力または上記電力算出手段の算出結果に基づいて力率を算出する力率算出手段とを備えるとともに、上記電力算出手段と力率算出手段とで得られた有効電力、無効電力、力率、ならびに予め規定された発電機の運転可能範囲に基づいて、上記有効電力に対応する無効電力が運転可能範囲を越えるか否かを判定し、当該無効電力が運転可能範囲を越える場合には、上記発電機のタービン出力を低下させてこれに応じて無効電力調整範囲を拡大するPQ制御器を含み、このPQ制御器により拡大された無効電力調整範囲に伴って力率調整幅を拡大することを特徴とする発電機制御装置。
  4. 上記PQ制御器は、上記力率算出手段で得られた力率、および上記運転可能範囲を規定する発電機の最小励磁限界(MEL)に基づいて発電機のタービン出力を決定するものであり、この決定されたタービン出力に応じて無効電力調整範囲が拡大されることを特徴とする請求項3記載の発電機制御装置。
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