しかしながら、以上のような縦型包装機は、被包装物を筒状包装材Ft内に充填するのに、製袋筒101の上方から筒状包装材Ftの底部まで被包装物を落下させる必要がある。そのため、例えば豆腐や野菜のように衝撃に弱い被包装物を投入すると、落下時の衝撃により、被包装物が破損したり変形する虞があった。また、あんパン等の菓子パンのように、表裏がある被包装物を包装する場合、製袋筒101の内部での落下中に向きが変わってしまうことで、包装した際に被包装物の向きが一定にならないことがあり、このような表裏のある被包装物の包装には不向きであった。
本発明は以上の問題に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一は、被包装物を品質を低下させることなく包装する縦型包装機および包装方法を提供することにある。
課題を解決するための手段及び発明の効果
以上の課題を解決するために、本発明の第1の縦型包装機は、帯状包装材を、鉛直方向に設けられた製袋筒の外周に配置させ、帯状包装材の幅方向の側縁部を接着して筒状包装材を形成し、筒状包装材に被包装物を充填した状態で、製袋筒より下方かつ被包装物より上方で、筒状包装材を横切る方向に接着して包装体を形成する縦型包装機であって、製袋筒の内部において、被包装物を鉛直姿勢に維持して下方へと運搬する下降装置と、製袋筒の下方で、被包装物の姿勢を水平姿勢に変更させる姿勢変更機構とを備える。
以上の縦型包装機によれば、被包装物を自由落下させずに、下降装置により所定の速度で運搬することで、着地時に加わる衝撃を小さくして、着地時の衝撃による品質の低下の虞を低減することができる。また、被包装物を鉛直姿勢で製袋筒内を通過させることにより、製袋筒の口径を大きくすることなく、製袋筒の内部に下降装置を設けることができ、包装体を被包装物に対して適した大きさに形成して包装をすることができる。さらに、姿勢変更機構を設けることで、被包装物を製袋筒の内部では鉛直姿勢で運搬しつつも、被包装物を製袋筒の下方で姿勢変更機構により水平姿勢に姿勢変更させ、被包装物を水平姿勢状態で包装することができる。さらにまた、このように姿勢を維持しながら包装を行う構造は、表裏のある被包装物を一定の向きで包装することができる。
また本発明の第2の縦型包装機は、前記姿勢変更機構が、前記製袋筒を構成する側面のうち、被包装物が通過する側の側面の下端側に、傾斜姿勢に配置された傾斜板を有することができる。
以上の縦型包装機は、製袋筒の下方で被包装物が傾斜板の表面を滑り、鉛直姿勢から水平姿勢に姿勢変更しつつ、緩やかに筒状包装物の底部に着地させることで、着地時の衝撃を小さくし、被包装物が破損する虞を低減することができる。傾斜板は、その下端を被包装物の通過面側に折曲されてもよい。また傾斜板は固定式とする他、鉛直姿勢から傾斜姿勢に傾動可能な可動式としてもよい。
さらに本発明の第3の縦型包装機は、前記傾斜板を、被包装物が通過する側の側面の下端に固定することができる。
さらにまた本発明の第4の縦型包装機は、前記傾斜板を、被包装物の外側に配置することができる。
さらにまた本発明の第5の縦型包装機は、姿勢変更機構は、製袋筒を構成する側面のうち、被包装物が通過する側の側面の下端に、その上端を連結され、かつ筒状包装材の内部に位置し、中間部より下方部が被包装物の通過面側に湾曲した湾曲板を備える。
以上の縦型包装機は、製袋筒の下方で被包装物が湾曲した湾曲板の表面を滑り、鉛直姿勢から水平姿勢に姿勢変更しつつ、緩やかに筒状包装物の底部に着地させることで、着地時の衝撃を小さくし、被包装物が破損する虞を低減することができる。
さらにまた、本発明の第6の縦型包装機は、傾斜板は、製袋筒に軸を介して傾動可能に連結され、姿勢変更機構は、傾斜板の被包装物の通過面側とは反対側の面を、筒状包装材越しに押して、傾斜板を傾動させる押込装置を備える。
以上の縦型包装機は、押込装置で傾斜板を押し込むことで、傾斜板を筒状包装材の底部に対してさらに緩やかにし、被包装物の着地時の衝撃を更に小さくし、被包装物が破損する虞をより低減することができる。さらに、被包装物の着地後に、押込装置が傾斜板から離れることで、傾斜板は被包装物から離れる方向へ傾動し、横シールを施すために筒状包装材ごと被包装物が下方へ移動する際に妨げないようできる。
さらにまた、本発明の第7の縦型包装機は、押込装置は、先端部に回転可能なローラ部を備え、ローラ部により傾斜板を押して傾動させる。
以上の縦型包装機は、ローラ部により傾斜板を押すことで、ローラ部と傾斜板との間に介在する筒状包装材が押込装置により引っ張られて破損するのを効果的に防止している。
さらにまた、本発明の第8の縦型包装機は、筒状包装材を外側から内側へ向けて折り込むガゼット装置を備え、傾斜板は、その下端部にガゼット装置を通過させるための通過部を設けている。
以上の縦型包装機は、ガゼット装置により筒状包装材を折り込んだ状態で筒状包装材を横切る方向に接着することで、筒状包装材の底部を平面状にすることができるようにしながらも、傾斜板の下端部にこのガゼット装置が通過するための通過部を設けることで、傾斜板とガゼット装置が干渉することなく、筒状包装材を折り込むことができる。
さらにまた、本発明の第9の縦型包装機は、前記姿勢変更機構がさらに、前記製袋筒の内部において、被包装物に気体を吹き付けてその姿勢を変更させるエアー供給部を備えることができる。
さらにまた、本発明の第10の縦型包装機は、下降装置は、製袋筒の内部に鉛直方向に設けられ、無限軌道状に形成された回転ベルトと、回転ベルト上に複数設けられ、鉛直姿勢の被包装物の下部のうち、下降装置側寄りの一部に当接して被包装物を支持する支持部とを備える。
以上の縦型包装機によれば、被包装物を支持部により支持して下降させることにより、被包装物の落下速度を低下させ、筒状包装材の底部に着地したときの衝撃を低減し、被包装物の品質が低下する虞を低減することができる。さらに、回転ベルトを無限軌道状に設けることで、下降装置の下降側では被包装物を下降させると同時に、上昇側では支持部が上方へと移動させて、連続して投入される被包装物を支持する支持部を準備することで、次の被包装物を投入するまでの時間を短縮し、包装効率を向上することができる。
さらにまた、本発明の第11の縦型包装機は、回転ベルトは横幅方向に広い帯状体であって、支持部は、回転ベルトの面上に連結されている。
以上の縦型包装機は、支持部で被包装物を支持すると同時に、帯状に形成された回転ベルトの面に被包装物を当接することにより、支持部上に支持された被包装物が下降装置側へ向けて倒れないようにし、被包装物を確実に支持することができる。
さらにまた、本発明の第12の縦型包装機は、回転ベルトは左右一対に設けられており、支持部は、一対の回転ベルト上の互いに対称な位置に設けられてなる。
以上の縦型包装機は、一対の支持部により被包装物を両側で支持し、安定した状態で被包装物を下降させることができる。
さらにまた、本発明の第13の縦型包装機は、支持部は、被包装物と当接する上部に、被包装物から突出する突起部を引っ掛けるための溝部を設けている。
以上の縦型包装機は、溝部に被包装物の突起を引っ掛けることで、確実に被包装物を支持することができる。この溝部により、例えば豆腐のパッケージのように上面に鍔状の突起を設けている被包装物を好適に包装することができる。
さらにまた、本発明の第14の縦型包装機は、支持部は、回転ベルトの互いに対称な位置に設けられた一対の連結部と、一対の連結部の間を連結する棒状のロッド部と、を備える。
以上の縦型包装機は、ロッド部で被包装物を支持することにより、一対の回転ベルトの間隔よりも横幅が狭い被包装物でも安定して支持することができる。
さらにまた、本発明の第15の縦型包装機は、支持部は、断面形状がL字状に形成され、回転ベルトに連結する連結部と、被包装物の下部に当接して支持する当接部からなり、支持部のうち、被包装物に当接して支持する当接部が、回転ベルトに対して垂直に突出してなる。
以上の縦型包装機は、垂直に突出した当接部で被包装物を支持することで、一対の回転ベルトの間隔よりも横幅が狭い被包装物を安定的に支持することができる。さらに、当接部に対して垂直で回転ベルト側に面している連結部により、被包装物が回転ベルト側へ移動しようとするのを効果的に阻止することができ、より安定的に被包装物を支持することができる。
さらにまた、本発明の第16の縦型包装機は、製袋筒の内部であって、下降装置の下方に、鉛直姿勢の被包装物の下部に当接して被包装物の下降を停止させる一時保持部を備え、一時保持部により、支持部が被包装物に接触しない位置に退避するまで、被包装物が一時的に保持されてなる。
以上の縦型包装機は、被包装物が支持部から離脱して下方へ落下する際に、支持部が被包装物に接触しない位置に退避するまで被包装物を停止させることで、落下する被包装物が支持部に接触して、被包装物の表面に傷がはいるのを効果的に防止している。
さらにまた、本発明の第17の包装方法は、帯状包装材を、鉛直方向に設けられた製袋筒の外周に配置させ、帯状包装材の幅方向の側縁部を接着して筒状包装材を形成し、筒状包装材に被包装物を充填した状態で、製袋筒より下方かつ被包装物より上方で、筒状包装材を横切る方向に接着して包装体を形成する縦型包装機の包装方法であって、被包装物を、製袋筒内に設けられた下降装置の支持部で支持して、鉛直姿勢で製袋筒の内部を下降させる下降工程と、下降工程で製袋筒の下方まで下降した被包装物を、製袋筒の下方に配置した姿勢変更機構により、鉛直姿勢から水平姿勢に姿勢変更する姿勢変更工程と、姿勢変更工程で水平姿勢になった被包装物を筒状包装材の底部に着地させる着地工程と、着地工程で筒状包装材の底部に被包装物が充填された状態で、筒状包装材を所定の下方位置に送り、筒状包装材を横切る方向に接着して横シール領域を形成し、筒状包装材を横シール領域より上方で切り離して包装体を形成する横シール工程とを含む。
以上の包装方法は、下降工程で被包装物を支持部で支持しながら下降することで、下降速度を緩めて、筒状包装材の底部に落下する際の衝撃を小さくして、被包装物が破損する虞を低減することができる。また、姿勢変更工程により、被包装物の姿勢を鉛直姿勢から水平姿勢に変更しながら、傾斜板の表面に沿って移動することで、緩やかに筒状包装材の底部に着地でき、被包装物が破損する虞をより低減することができる。さらに、下降工程では鉛直姿勢で被包装物を下降し、姿勢変更工程で水平姿勢に姿勢変更することで、包装される際の被包装物の向きを一定にすることができる。
さらにまた本発明の第18の包装方法は、さらに、下降工程と姿勢変更工程との間に、下降工程で製袋筒の下端部に下降した被包装物の下部を保持部で停止させ、支持部が被包装物に接触しない位置へ退避するまで被包装物を保持する一時保持工程を含む。
以上の包装方法は、一時保持工程で支持部が被包装物に接触しない位置まで退避するまで被包装物を保持することで、支持部から離れて落下する被包装物が支持部に接触しないようにし、支持部により被包装物に傷が入るのを効果的に阻止している。
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。ただし、以下に示す実施例は、本発明の技術思想を具体化するための縦型包装機を例示するものであって、本発明は以下のものに特定しない。また、本明細書は特許請求の範囲に示される部材を、実施形態の部材に特定するものでは決してない。特に実施形態に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれのみに限定する趣旨ではなく、単なる説明例にすぎない。なお、各図面が示す部材の大きさや位置関係等は、説明を明確にするため誇張していることがある。さらに以下の説明において、同一の名称、符号については同一もしくは同質の部品を示しており、詳細説明を適宜省略する。さらに、本発明を構成する各要素は、複数の要素を同一の部材で構成して一の部材で複数の要素を兼用する態様としてもよいし、逆に一の部材の機能を複数の部材で分担して実現することもできる。
なお、本明細書および特許請求の範囲において、ピロー包装あるいはピロー状包装体とは、1枚の帯状包装材を両側縁部で縦方向に接着して筒状包装材を形成し、さらに筒状包装材を横切る方向に前後2箇所で接着した三方包装に加えて、2枚の帯状包装材の幅方向の対向する側縁部を互いに縦方向に接着し筒状包装材を形成し、さらに筒状包装材を横切る方向に前後2箇所で接着した四方包装、あるいは1枚の帯状包装材を幅方向の両側縁部が接するように中間部で折曲し、両側縁部を接着して筒状包装材を形成し、さらにこの接着部に対向した折曲部を接着して、筒状包装材を横切る方向に前後2箇所で接着した四方包装、または以上のような三方包装および四方包装の一部を留具により狭窄し、巾着状に形成した包装等を含んだ広い意味で使用している。
また、本明細書および特許請求の範囲において、「水平」あるいは「鉛直」という言葉を使用しているが、これらは完全に水平または鉛直であることに特定せず、水平または鉛直から僅かに傾斜した状態を含む意味で使用している。
(実施形態1)
図1は実施形態1の縦型包装機の主要部を示す模式斜視図である。また、図2は図1の模式断面図である。これらの図に示す縦型包装機は、被包装物Pを破損しないように包装内に充填して包装するための装置である。図1に示す縦型包装機は、外部から供給される帯状包装材Fwの両側縁部を接近させるように案内するフォーマー2と、フォーマー2によって案内された帯状包装材Fwをその外側面に配置する製袋筒1と、製袋筒1の外側面に配置された帯状包装材Fwを製袋筒1との間に挟持して下方へ送る包装材送り部3と、帯状包装材Fwの両側縁部を接着して筒状包装材Ftを形成する縦シーラ4と、筒状包装材Ftを横切る方向に接着してピロー状包装体Fpを形成する横シーラ5と、製袋筒1内へ投入する被包装物Pを搬送する搬入装置50と、製袋筒1の内部で被包装物Pの下部を支持して下方へ運搬する下降装置10と、製袋筒1の下部に連結された湾曲板30と、湾曲板30を押して湾曲板30を傾動させる押込装置31と、ピロー状包装体Fpの一部を狭窄する留具46を装着する留具装着部6と、被包装物Pを内包したピロー状包装体Fpを次工程へ搬送する搬出装置51とを備えている。
(製袋筒1)
図1に示す製袋筒1は、外周部が四角形状に形成された筒状の部材である。図の製袋筒1は、長手方向が鉛直方向に向けて設けられている。図の製袋筒1は、上端部の一部が切欠されており、切欠した側を被包装物Pの投入口18とし、切欠されずに残された側を、後述する下降装置10の上側車軸11aの軸受け17を固定するための軸受け固定部16としている。図の製袋筒1は、上方に配置された搬入装置50から、この投入口18に被包装物Pが投入される。ただ、この製袋筒1の外周形状は四角形状に特定されず、被包装物Pの形状等に応じて円筒形状や、四角形以外の多角形状としてもよい。
縦型包装機は、図1に示すように製袋筒1の周囲を覆うようにして筒状包装材Ftを形成しつつ、この製袋筒1の上部から被包装物Pを投入することで、筒状包装材Ftの下端に形成された下側横シール領域45bを底部として、被包装物Pを充填することができる。図1に示す製袋筒1は、フォーマー2を介して外側面に帯状包装材Fwが案内される。製袋筒1に案内された帯状包装材Fwは、フォーマー2の下方で縦シーラ4により両側縁部を接着するように縦シール領域44を形成し、筒状包装材Ftに形成される。筒状包装材Ftはさらに製袋筒1の下方へと案内されて、製袋筒1の下方で横シーラ5により横シール領域45が形成される。
ここで、帯状包装材Fwとは、縦シーラ4により両側縁部を接着して筒状包装材Ftを形成する前のシート状の包装材である。また、筒状包装材Ftは、この帯状包装材Fwの両外側縁部を縦シーラ4により接着して筒状に形成した状態の包装材である。以上のように、帯状包装材Fwは製袋筒1の周囲に巻き付けられた状態で縦シーラ4により接着されて筒状包装材Ftに形成される。すなわち、帯状包装材Fwおよび筒状包装材Ftとは縦シーラ4を境として、それぞれ別々の形状をした同一の包装材である。
この縦型包装機は、図2に示すように、搬入装置50上および搬出装置51上では、被包装物Pが長手方向が水平になるように配置された水平姿勢で搬送され、製袋筒1の内部では長手方向が鉛直方向になるように配置された鉛直姿勢で運搬している。これにより、被包装物Pが製袋筒1の内部を通過する際に、被包装物が通過するスペースを狭くし、後述する下降装置10を設けるためのスペースを確保している。被包装物Pは、図2の垂直断面図に示すように、製袋筒1を構成する側面部である、運搬部側面1Aの内側面1aと下降装置10との間を通過して運搬される。
図1および図2に示すように、製袋筒1は内部に、鉛直方向に向けて配設された下降装置10を設けている。図の下降装置10は、上端部が製袋筒1の軸受け固定部16に設けられた軸受け17(図1参照)を介して製袋筒1に連結している。この軸受け17は図示しないが、軸受け固定部16にボルト等で固定するピローブロックやフランジ等を設けていてもよい。図の製袋筒1に投入された被包装物Pは、この下降装置10により、製袋筒1内を運搬部側面1Aの内側面1aに底面を沿わせて、下方へ向けて運搬される。さらに、図の製袋筒1は、運搬部側面1Aの下端に湾曲板30が連結されている。
(下降装置10)
図2に示すように、縦型包装機は、製袋筒1に鉛直姿勢で投入された被包装物Pを支持しながら下方へと運搬する下降装置10を、製袋筒1の内部に備えている。図3は下降装置10の概略図である。図の下降装置10は、左右一対の歯車体11と、歯車体11に各々架けられた回転ベルト13と、左右の歯車体11を連結しつつ下降装置10を製袋筒1内に支持する車軸12と、回転ベルト13に連結された複数の支持部14とを備えている。下降装置10は、図1に示すように上側車軸12aが製袋筒1の上端部に設けられた軸受け固定部16の軸受け17を介して製袋筒1に連結されている。図3の上側車軸12aには、左右一対の上側歯車体11aが設けられている。下降装置10は、下側車軸12bが製袋筒1の下端部内部に設けられた軸受け(図示無し)を介して製袋筒1に連結されている。図3の下側車軸12bには下側歯車体11bが設けられる。図3の下降装置10は、上下にそれぞれ配置された歯車体11の間に、回転ベルト13を架設している。さらに、図の左右の回転ベルト13は各々の外側面に、被包装物Pを支持する支持部14が連結される。図の下降装置10は、歯車体11が回転することで、回転ベルト13が駆動して、図2の下降装置10の右側である下降側では支持部14は下方へ移動し、左側である上昇側では支持部14は上方へと移動する。下降装置10は図2の模式断面図に示すように、この支持部14を被包装物Pの下部のうち、下降装置10との対向面側に当接して支持した状態で、被包装物Pを下方へと運搬する。
(歯車体11)
歯車体11は図2に示すように、上下方向にそれぞれ設けられた上側歯車体11aおよび下側歯車体11bを一組として設けられる。図2に示すように製袋筒1の上端部に上側歯車体11aが連結される。また、製袋筒1の下端部であって、上側歯車体11aの鉛直線上に下側歯車体11bが連結される。上側歯車体11aと下側歯車体11bは、それぞれ上側車軸12aと下側車軸12bを介して製袋筒1に連結している。上側車軸12aは、製袋筒1の上端部に設けられた軸受け固定部16に固定された軸受け17を介して製袋筒1に連結している。図の上側車軸12aは、製袋筒1の内側から外側へ向けて貫通して設けられており、この製袋筒1から突出した部分から動力を加えることで、上側歯車体11aを回転させることができる。また、下側車軸12bは、製袋筒1の内側に設けられた軸受け(図示無し)で製袋筒1に連結している。下側車軸12bは両端が製袋筒1の外側面から突出しないように設けることが好ましい。下側車軸12bが製袋筒1の外周部を覆う筒状包装材Ftに触れないようにするためである。
(回転ベルト13)
回転ベルト13は、図2および図3に示すように、一組の上側歯車体11aと下側歯車体11bとの間に渡って無限軌道を描くように架設される。図の回転ベルト13は、歯車体11が回転するように動力を加えることによって、無限軌道状に連続して回転運動することができる。図2の回転ベルト13は、被包装物Pと対面する側が下方へ向かって駆動する。図の回転ベルト13は左右の歯車体にそれぞれ架設されており、左右の回転ベルト13は互いに同期して駆動する。
図に示す下降装置10に利用される歯車体11および回転ベルト13は、例えばスプロケットとローラチェーンとすることができる。あるいは、スプラインとタイミングベルト等、互いに対応した他の部材を利用してもよい。本明細書および請求の範囲において歯車体11および回転ベルト13とは、以上のように、組み合わせることで無限軌道を形成して、連続的な回転運動が可能な部材の総称として用いている。
(支持部14)
図3に示す支持部14は、対向した左右の回転ベルト13の外側面にそれぞれ設けられている。この支持部14は金属や硬質樹脂等を板状に形成して設けることができる。図3に示す支持部14は、左右の回転ベルト13上に、互いに左右対称な位置に支持部14が設けられている。また、図の支持部14は回転ベルト13上に各々が等間隔になるように配置されている。この支持部14は図2に示すように、製袋筒1に投入された被包装物Pが落下しないように、鉛直姿勢にされた被包装物Pの下部のうち、下降装置10に面する側の一部に当接して被包装物Pを支持する。図の支持部14は、回転ベルト13が駆動することで、被包装物Pを支持した状態で下方へ向けて移動する。図の支持部14は、対向した左右の回転ベルト13の外側面側に連結している。ただ、支持部14を回転ベルト13に連結する位置は、回転ベルト13の外側面に特定されず、回転ベルト13の面の内、内側面や被包装物Pとの対向面に連結してもよい。支持部14の取り付け位置を変えることで、左右の支持部14の間隔を狭くしたり、あるいは広くしたりすることができる。図の支持部14は、左右一対に設けることで包装物Pの両端にそれぞれ当接し、被包装物を安定的に支持できるようにしている。
ただ、図2に示す支持部14は、被包装物Pの下部の幅方向の全体に当接してない。図2に示す支持部14は、被包装物Pの下部のうち、下降装置10に面する側の一部のみに当接している。支持部14の先端から製袋筒1の運搬部側面1Aの内壁面1aまでの距離Dが、被包装物Pの幅Pdよりも狭いなら、被包装物Pの落下を阻止するには十分である。このように、支持部14を製袋筒1に対して短く設ける構造により、下降装置10は製袋筒1内部での占有領域を狭くしている。それにより、図2の縦型包装機は、製袋筒1の内部に、被包装物Pを通過させるための領域を十分に確保している。例えば、この支持部14が回転ベルト13から突出する長さは5mmとすることができる。ただ、支持部14の回転ベルト13から突出する長さはこれに限定されない。この支持部14の長さは、被包装物Pや製袋筒1等の大きさにより定めることができる。被包装物Pが落下しないように支持できるなら、支持部14が突出する長さは5mm未満でもよい。また、被包装物Pが製袋筒1の幅と比較して十分に薄く、被包装物Pが下降装置10内で通過するのに必要な領域が狭いならば、支持部14が突出する長さを5mm~10mmとすることができる。あるいは10mm~とすることもできる。
図2および図3に図示した下降装置10に設けられた支持部14の数は6対としたが、支持部14の数はこれに特定されない。支持部14の数は少なくとも2対以上とすることができる。支持部14の数を2対以上とすることで、先行する被包装物Pが下方へ運ばれると同時に、次なる被包装物Pを製袋筒1に投入することができ、包装効率を向上することができる。また、支持部14の最大数は特に特定しないが、回転ベルト13の全長や被包装物Pの大きさ等により決定することができ、例えば10対以上とすることもできる。
以上に説明した下降装置10は、製袋筒1の図2における左右方向の中間よりも左側に偏心して配置し、下降装置10が設けられた側とは反対側のスペースを被包装物Pが通過するための通過領域としている。また実施形態1の縦型包装機は、製袋筒1内部において、被包装物Pが、搬入時と搬出時とで姿勢を異ならせるよう、下降装置10の入口側と出口側とで被包装物Pを回転させている。具体的には、製袋筒1への搬入出時は被包装物Pを平行姿勢、すなわち被包装物Pの外形を構成する面の内、最大の面積を有する主面側を下方に向けて重心を低くし安定した状態で搬送できるようにしている。また、製袋筒1内部では、被包装物Pを鉛直姿勢、すなわち被包装物Pを構成する面の内、最小の面積となる端面が上下となるように配置することで、製袋筒1の内部を通過するのに必要な面積を小さくした状態にしている。換言すると下降装置10は、被包装物Pを鉛直姿勢に支持して下降させている。これにより、縦型包装機は、製袋筒1の内幅の口径を拡大することなく、製袋筒1の内部に下降装置10を配置するための領域を確保している。
図17に示すような従来の縦型包装機は、製袋筒101の外周部に包装材を案内してピロー状包装体Fpを形成するため、製袋筒101の外径によりピロー状包装体Fpの大きさが決定される。実施形態1の縦型包装機は、製袋筒1の口径を維持することにより、被包装物Pを包装するピロー状包装体Fpが、被包装物Pに対して大きくなるのを防ぎ、ピロー状包装体Fpが被包装物Pに最適な大きさとなるように包装することを可能としている。
また、被製袋筒1の内部において、被包装物Pを自由落下させることなく、下降装置10により所定の速度で運搬することで、被包装物Pの速度を遅くし、被包装物Pが勢いよく筒状包装体Ftの底部に落下して、品質が低下する虞を効果的に低減している。すなわち、実施形態1の縦型包装機は、被包装物Pが破損しないようにしながらも、ピロー状包装体Fpの大きさを被包装物に適した大きさにし、美観的に優れた包装を行うことができる。
また、図示しないが、以上の下降装置は、支持部を回転ベルト側へ向けて収納可能に連結し、下降側では展開して被包装物を支持しつつも、上昇側では折り畳まれる構造とすることもできる。このような構造は、上昇側で占有するスペースを狭くし、下降装置の占有領域をさらに削減することができる。
(一時保持装置20)
また、図2に示す縦型包装機は、製袋筒1の内部であって下降装置10の下方に、被包装物Pを一時的に保持する一時保持装置20を備える。図の支持部14で支持された被包装物Pは、下降装置10の下端部で支持部14が上昇側へ向けて移動していくことで、支持部14から外れて下方へ落下しようとするが、支持部14が十分に移動しきる前に被包装物Pが落下し始めると、支持部14の角に被包装物Pの下降装置10との対向面が接触し、この対向面に傷が入る虞がある。
そこで、図に示す包装機は、一時保持装置20を設け、この一時保持装置20の保持用シリンダ22の先端部に設けられた一時保持部21により被包装物Pの下部を保持して、被包装物Pが落下するのを一時的に停止させる。図の一時保持装置20は空圧で稼動する保持用シリンダ22によって、一時保持部21が前後方向に移動することで、被包装物Pを停止させる状態と、被包装物Pを落下させる状態とに切り換えている。一時保持装置20は左右一対の支持部14の間に配置されており、一時保持装置20と支持部14とが互いに干渉しないようにしている。この一時保持装置20により一時的に保持されて被包装物Pが停止することで、下降装置10の支持部14が被包装物Pから離間する。さらに、支持部14が下降装置10の下降側から上昇側へ移動したのちに、一時保持部21が後方へ移動して被包装物Pが下方へと落下する。これにより、落下する被包装物Pの面のうち、下降装置10との対向面が支持部14に接触して、対向面に傷が入るのを効果的に阻止することができる。
なお、以上の一時保持部21の形状は特に特定しない。円筒形状に形成し、その側面部を被包装物に当接する様態してもよい。あるいは直方体状等にして、その面を被包装物に当接する様態としてもよい。または、以上の形状に表面に無数の凹凸を設ける等して、一時保持部に当接した被包装物Pを滑り難くすることもできる。
ただ、図に示す保持用シリンダ22は、エアシリンダにより一時保持部21を移動させる様態としたが、被包装物Pを一時的に保持する方法はこれに特定されない。保持用シリンダ22の代わりに電力や油圧等の駆動系を利用して、被包装物Pの形状や重量などの形態に合わせて即応性を上げたり、あるいは保持力を高めることができる。
なお、この一時保持装置20は必ずしも必須ではない。例えば、後述する実施形態6に示すように、支持部14により被包装物を傷つける虞がない場合等においては、一時保持装置20を省略することもできる。
(湾曲板30)
図1および図2に示す縦型包装機は、製袋筒1の運搬部側面1Aの下端に傾動軸34を介して湾曲板30を備えている。図に示す湾曲板30は板状の部材で、中間部より下方で被包装物Pが通過する側へ向かって湾曲して設けられている。また、この湾曲板30の下端部は幅方向の中間部で切欠され、後述するガゼット装置8を通過させるための通過部30Aを設けている。ただ、この通過部30Aは省略することもできる。この湾曲板30は例えば、金属材や樹脂材で形成することができる。図に示す湾曲板30は傾動軸34を軸として、製袋筒1の下端に傾動可能に連結している。図の湾曲板30は、この傾動軸34を軸に図2における左右方向に傾動することができる。
(押込装置31)
図1の縦型包装機は、この湾曲板30を筒状包装材Ftの外側から押すための押込装置31を設けている。図の押込装置31は、先端部にローラ部32を設けたプッシュ用シリンダ33がローラ部32を前後に稼動することで、湾曲板30を押して傾動させる。このように湾曲板30を傾動させることで、上方から降下してきた被包装物Pは、傾動した湾曲板30の表面を滑るように落下し、緩やかな角度で筒状包装材Ftの底部に着地する。また、この湾曲板30の表面を滑る際に、被包装物Pはその方向を鉛直姿勢から水平姿勢に変更している。図の押込装置31は、湾曲板30の外側を通る筒状包装材Ftごと湾曲板30を押す際に、ローラ部32が回転することによって、筒状包装材Ftが押込装置との間の摩擦で引っ張られて破損するのを効果的に防止している。さらに、図の湾曲板30は、被包装物Pが筒状包装材Ftの底部に着地したのち、ローラ部32が後退して被包装物から離れる方向へ移動する。これにより、筒状包装材Ftを下方へ送る際に、湾曲板30が被包装物に接触しないようにしている。ただ、以上の説明では湾曲板30を傾動させる手段をシリンダとしているが、傾動手段は以上に特定されず、モータ等の他の動力を利用することもできる。
以上の湾曲板30を設けることで、図の縦型包装機は、製袋筒1の内部では包装物Pを垂直方向で運搬しつつも、製袋筒1の下方では水平方向へ姿勢変更を可能としている。また、図の縦型包装機は、この湾曲板30の表面を滑るように被包装物Pを落下させることで、被包装物Pが落下時の衝撃により品質が低下する虞を効果的に低減している。
ただ、以上の縦型包装機は押込装置31を設けたが、湾曲板30のみで被包装物Pの姿勢変更を行ってもよい。押込装置を省略することで、縦型包装機全体の構造を簡単にすることができる。
以上のように縦型包装機は、下降装置10及び湾曲板30を設けることで、製袋筒1の内部では被包装物Pを鉛直姿勢で運搬し、製袋筒1の下方では被包装物Pを鉛直姿勢から水平姿勢へと姿勢変更をして包装することができる。さらに、このような構造は、被包装物Pの包装時の向きを一定にすることができる。製袋筒1の内部では下降装置10により鉛直姿勢で固定され、製袋筒1の下方では湾曲板30により水平姿勢に姿勢変更されて筒状包装材Ftの底部に着地するからである。以上の縦型包装機は、落下時の衝撃により被包装物Pが転倒したり表裏が逆転するのを効果的に防ぎ、被包装物Pが所定の姿勢になるようにしている。
(フォーマー2)
図1の縦型包装機は、製袋筒1の中間部を覆うフォーマー2を設けている。図の製袋筒1に供給される帯状包装材Fwは、このフォーマー2により製袋筒1の周囲を覆うように案内される。図の帯状包装材Fwは、このフォーマー2に沿うことで、両側縁部が互いに接近するように湾曲される。
(包装材送り部3)
図1および図2の縦型包装機は、筒状包装材Ftを下方へ送るための包装材送り部3を、製袋筒1の外側であって、製袋筒1を挟んで互いに対向する位置にそれぞれ設けている。図2に示すように包装材は、この包装材送り部3と製袋筒1の外側面に狭持されており、図の包装材送り部3が回転することで、筒状包装材Ftが下方へ向かって送られる。
ただ、筒状包装材を下方へ送る手段は以上の包装材送り部3に特定されない。例えば、上下方向に回転可能なベルト状の回転部を配置し、このベルトの表面を筒状包装材に当接させて回転させることで筒状包装材を下方へと送ることもできる。ベルト状にすることで、筒状包装材との接触面を広くして、効率的に筒状包装材を下方へと送ることができる。また、ベルトの表面に無数の小口径の穴部を設け、さらにこの穴部からベルトの表出面から内側に向けて外気を吸入することで、筒状包装材をベルトの表面に吸着させることのできる真空ベルトを利用してもよい。真空ベルトにより筒状包装材を吸着させながら送ることで、さらに効率的に筒状包装材を下方へと送ることができる。なお、以上の筒状包装材を下方へと送る手段は一例であり、その他の公知の手段を利用することができるのは言うまでも無い。
(縦シーラ4)
図1の縦型包装機は、フォーマー2の下方に、帯状包装材Fwの両側縁部を接着して筒状包装材Ftを形成する縦シーラ4を設けている。図の縦シーラ4は、ヒーターが設けられたヒーター付き縦シールブロック4aと、縦シールブロック4bとを有する。縦シーラ4は、ヒーター付き縦シールブロック4aと、縦シールブロック4bとで帯状包装材Fwの両側縁部を狭持してヒーターの熱で接着して、縦シール領域44を形成する。
(横シーラ5)
図1の縦型包装機は、製袋筒1の下方に、筒状包装材Ftを横切る方向に接着してピロー状包装体Fpを形成する横シーラ5を設けている。図の縦型包装機は、この横シーラ5でピロー状包装体Fpの上下方向の両端をそれぞれ接着して横シール領域45を形成する。図の横シーラ5は筒状包装材Ftを両側から狭窄して熱シールする一対のシールブロックを備えている。図の横シーラ5は、上側ヒーターブロック5aと、上側ヒーターブロック5aに対向した位置に上側シールブロック5bとを有する。図の横シーラ5は、この上側ヒーターブロック5aと、上側シールブロック5bで筒状包装材Ftを狭窄しながら熱シールにより接着して下側横シール領域45bを形成する。また、図の横シーラ5は、上側ヒーターブロック5aの下方に下側ヒーターブロック5xと、この下側ヒーターブロック5xに対向した位置に下側シールブロック5yとを有する。図の横シーラ5は、下側ヒーターブロック5xと下側シールブロック5yで筒状包装材Ftを狭窄しながら熱シールにより接着して、上側横シール領域45aを形成する。さらに、図の横シーラ5は、上側シールブロック5bと下側シールブロック5yとの間に、カッター25を有している。図の縦型包装機は、横シール5により形成された上側横シール領域45aの上方で、カッター25でピロー状包装体Fpを切り離すと同時に、次の包装体の下側横シール領域45bを筒状包装材Ftの下端に形成する。
なお、図1に示す横シーラ5は、図の奥側にヒーターを配置しているが、ヒーターは図1の手前側と奥側のいずれの側に設けてもよい。また、図1のカッター25は上側シールブロック5bと下側シールブロック5yとの間に設けているが、上側ヒーターブロック5aと下側ヒーターブロック5xとの間に配置してもよい。
(ガゼット装置8)
図1の縦型包装機は、横シーラ5と製袋筒1との間に、製袋筒1を内側へ向けて折り込むためのガゼット装置8を設けている。このガゼット装置8は、図2において、筒状包装材Ftの左右方向にそれぞれ設けられている。図1、図2のガゼット装置8は、横シーラ5で筒状包装材Ftに横シール領域45を形成する前に、両側から筒状包装材Ftを内側へ向けて折り込む。これにより、図1に示すように筒状包装材Ftの下端部の両側側面に窪み領域KAがそれぞれ形成される。このように、図のガゼット装置8により筒状包装材の下端部が内側に折り込まれた状態で横シーラ5で狭窄して横シール領域45を形成することで、被包装物の底面が窪み領域KAで折り畳まれ易くなり、被包装物が筒状包装材Ftの底部に着地した際に、筒状包装材Ftの底部を平面状にすることができる。
(通過部30A)
また、図1に示すように製袋筒1の下端に連結された湾曲板30は、下端部に切欠して設けられた通過部30Aが設けられている。湾曲板30側に設けられたガゼット装置8は、この通過部30Aを通過することにより、湾曲板30に干渉することなく、筒状包装材Ftを折り込めるようにしている。このようにガゼット装置8が湾曲板30の下端部の側方に設けることで、製袋筒1の下端から横シーラー5までの間の領域削減し、装置全体の高さを狭くすることができる。このガゼット装置8は、例えばエアシリンダを用いることができる。その他モータなどの駆動系を利用することもできる。
ただ、図1に示すガゼット装置8は、湾曲板30に設けられた通過部30Aを通過するようにしたが、ガゼット装置8の位置を湾曲板30よりも下方に配置してもよい。その場合、湾曲板30を切欠して通過部30Aを形成するのを省略することもできる。ガゼット装置8の位置を湾曲板30より下方に位置させることで、通過部30Aを省略した場合においても、ガゼット装置8で筒状包装材Ftを内側に折り込む際には、筒状包装材Ftの内面に沿うように傾動軸34を軸として内側に傾動するため、筒状包装材Ftを折り込むのを妨げないようにできる。
また、以上のガゼット装置8は必ずしも必須ではない。ピロー状包装体Fpを折り込んで筒状包装材Fwの底部を平面状にしないのであれば、このガゼット装置8は省略してもよい。また、言うまでも無く、ガゼット装置8を省略するのであれば、湾曲板30に通過部30Aを設ける必要もない。
(留具装着部6)
図1の縦型包装機は、横シーラ5よりも下方位置に、水平方向に走査する留具装着部6を設けている。図の留具装着部6は、横シーラ5でピロー状包装体Fpが切り離されると同時に、横シール領域45の方向と平行方向に走査して、ピロー状包装体Fpの上部を狭窄して、狭窄部分に留具46を装着する。この留具46を取り付けることで図1に示すように、ピロー状包装体Fpを巾着形状にできる。この留具46は例えば、プラスチック板やテープ等を利用することができる。ただ、図1においては留具装着部6は製袋筒1の右側に配置されているが、この留具装着部6は製袋筒1の左右の何れの位置に配置してもよい。さらに、この留具装着部6は必ずしも必須ではない。留具装着部6を省略して、ピロー状包装体Fpを巾着状としないことも可能である。
(搬入装置50および搬出装置51)
図1の縦型包装機は、被包装物Pを製袋筒1に投入口18まで搬送するための搬入装置50を設けている。また、図の縦型包装機は、包装された被包装物Pを下流工程へ搬送するための搬出装置51を設けている。これらの搬入装置50および搬出装置51は例えばベルトコンベアを利用することができる。また、この搬入装置50は、搬入速度を下降装置10の速度と同期させることで、一対の支持部14に一個ずつ、被包装物Pを積載できるようにしている。
(投入ガイド52)
図1および図2に示すように、搬入装置50と投入口18との間に投入ガイド52を設けている。図の投入ガイド52は下端が製袋筒1の運搬部側面1Aの上端に連結している。図の投入ガイド52は上端側が搬入装置50に向かって湾曲している。搬入装置50により搬送された被包装物Pは、この投入ガイド52を介して製袋筒1に投入される。被包装物Pはこの投入ガイド52の表面に沿って移動し、製袋筒1内に投入される際に、水平姿勢から鉛直姿勢に姿勢変更される。
(包装方法)
以上の縦型包装機により、被包装物Pの姿勢を変更しながら包装する方法を図4を用いて説明する。図4は図1に示す縦型包装材の動作図である。図の縦型包装機による包装方法は、被包装物Pを下降装置10で製袋筒1内を下方へ運搬する下降工程と、被包装物Pを一時保持装置で一時的に保持する一時保持工程と、被包装物Pを落下させながら湾曲板30により方向転換させる姿勢変更工程とを備える。各工程はプログラム制御等によって、それぞれの部材が動くタイミングを同期させて、自動的に動作させることができる。また、図示しないが、被包装物Pの位置を検出するためのセンサを設けることで、被包装物Pの位置に基づいて実行するタイミングを計ることができる。
なお、以下の工程は、説明を簡単にするために、予め横シーラ5により、筒状包装材Ftの底部に下側横シール領域45bを形成して、筒状包装材Ftの下端を閉塞しているものとする。
(下降工程)
まず、下降工程について説明をする。製袋筒1に投入された被包装物Pが、図4Aに示すように、下降装置10の下降側で支持部14により支持されて、鉛直姿勢で下降される。この際、一時保持装置20は一時保持部21が前進した状態である。また押込装置31はローラ部32が後退した状態である。この下降工程により、被包装物Pは一時保持部21の上部に接するまで下方へと運搬される。
(一時保持工程)
次に下降工程で運搬された被包装物Pは、図4Bに示すように、一時保持装置20の先端に設けた一時保持部21で保持されて停止する。なお、図4Bの一時保持装置20は支持部14と重なっているが、一時保持装置20は左右一対の支持部14の間に設けられており、一時保持装置20と支持部14とは干渉しないように設けられている。さらに、被包装物Pが一時保持部21に保持された状態で下降装置10は稼動を続け、支持部14が被包装物Pから離脱して、下降側から上昇側へと移動する。図の包装方法は、この一時保持工程を含むことで、被包装物Pが落下する際に、被包装物Pの対向面が支持部14に接触してこの対向面に傷が入るのを効果的に阻止している。また、この一時保持工程の間に、押込装置31のローラ部32が前進して、湾曲板30は製袋筒1との連結部である傾動軸34を軸に、被包装物Pの通過側へ向かって傾動する。
(姿勢変更工程)
さらに、一時保持工程の後、図4Cに示すように一時保持部21が後退して、一時保持部21で保持されていた被包装物Pが落下する。落下した被包装物Pは、一時保持工程の間に傾動させられた湾曲板30の表面に沿って、その姿勢を鉛直姿勢から水平姿勢へと変更しながら移動する。この工程によれば、湾曲板30の表面に沿って緩やかに被包装物Pの姿勢を変更することで、被包装物Pが次の着地工程で筒状包装材Ftの底部に着地する際に、着地時の衝撃により品質を低下する虞を低減している。
(着地工程)
さらに、姿勢変更工程で被包装物Pを水平姿勢にした後、図4Dに示すようにローラ部32が後退して湾曲板30から離脱し、湾曲板30は傾動軸34を軸に被包装物Pから離れるように傾動する。湾曲板30の表面に位置していた被包装物Pは、この湾曲板30が傾動することで筒状包装材Ftの底部に着地する。
(横シール工程)
最後に、着地工程で被包装物Pが筒状包装材Ftの底部に着地した後、図4Eに示すように、包装材送り部3が回転して筒状包装材Ft及びその内部の被包装物Pを下方へと送り出す。包装材送り部3は、筒状包装材Ftを所定の位置まで送った後に停止する。この所定の位置とは、筒状包装材Ftを上側で閉塞する上側横シール領域を形成する予定の位置が、横シーラ5の高さに配置される位置である。筒状包装材Ftが所定の位置についたら、筒状包装材Ftの両側からガゼット装置8が筒状包装材Ftを挟持して、筒状包装材Ftを内側へ向けて折り込む。この際、湾曲板30側のガゼット装置8は、湾曲板30の下端部に切欠して設けられた通過部30Aを通過する。さらに筒状包装材Ftが内側へ向けて折り込まれた状態で、横シーラ5が筒状包装材Ftを横切る方向に挟持して熱シールにより筒状包装材Ftを上側横シール領域で閉塞する。この際、同時に上側横シール領域の上側には、次の被包装物P1の包装を連続して行うために、下側横シール領域が形成される。さらに、この上側横シール領域と下側横シール領域の間をカッター25により切断し、被包装物Pを内部に充填したピロー状包装体を形成する。
なお、以上の工程は被包装物Pの包装と同時に、被包装物Pの次に包装される被包装物P1を包装するための工程が一部同時に行われる。図4D及び図4Eに示すように、被包装物Pが筒状包装材Ftの底部に着地して横シールを施される間に、次の被包装物P1は下降工程により、製袋筒1の内部を下降する。さらに、図示しないが、下降してきた次の被包装物P1は一時保持工程で被包装物Pと同様に、保持部21で保持される。先行して行われている被包装物Pを包装する横シール工程で、被包装物Pを内部に充填したピロー状包装体Fpが切り離されると同時に、次の被包装物P1は姿勢変更工程に移り、以下、被包装物Pと同様の工程によりピロー状包装体に包装される。図の縦型包装機は、以上の工程を繰り返すことで、連続して投入される被包装物を順番に包装することができる。
また、図4の動作図には図示していないが、横シール工程でピロー状包装体Fpが切り離されて、横シーラ5がピロー状包装体Fpから離れた後、ピロー状包装体Fpの被包装物Pの上部から上側横シール部までの間に、図1に示す留具装着部6がピロー状包装体Fpへ向かって走査し、ピロー状包装体Fpの上部を狭窄して留具46を取り付けることができる。ピロー状包装体Fpに留具46を取り付けることにより、ピロー状包装体Fpを図1に示すような巾着状に形成することができる。
ただ、図1ないし図4に示した被包装物Pの形状は、本実施形態の技術的な思想を分かりやすく説明するために、直方体状としたが、本実施形態が包装可能な被包装物Pの形状はこれに特定しない。本実施形態の縦型包装機は、支持部14と製袋筒1の内側面1aとの間から抜け落ちない形状であれば、球体や多面体、それら複数の形状を組み合わせた複雑な形状にも対応することができる。
また、以上の縦型包装機の下降装置は、以下に説明する実施形態2ないし5で説明するものを利用することもできる。なお、以下の説明では実施形態1と同様であるものについては詳細な説明を省略する。
(実施形態2)
図5に実施形態2の下降装置60を示す。図5に示す下降装置60は、左右一対の歯車体11と歯車体に各々架けられた回転ベルト13と、左右の歯車体11を連結しつつ下降装置60を製袋筒内に支持する車軸12とを備えている。さらに、図の下降装置60は、回転ベルト13に複数の支持部64を備えている。図の支持部64は、板状に形成されている。図の支持部64は下降側において、被包装物Pを支持する上面側に溝部65が切欠されて設けられている。この溝部65は、被包装物から突出した突起を引っ掛けることで、より安定した状態で被包装物を支持できるようにしている。この下降装置60は、例えば、豆腐パックのように上面に鍔状の突起を設けた被包装物を好適に下方へと運搬することができる。
(実施形態3)
次に実施形態2とは別の実施形態3について説明をする。図6に実施形態3の下降装置70を示す。図6に示す下降装置70は、左右一対の歯車体11と歯車体に各々架けられた回転ベルト13と、左右の歯車体11を連結しつつ下降装置70を製袋筒内に支持する車軸12とを備えている。さらに、図の下降装置70は、回転ベルト13に複数の支持部74を設けている。図の支持部74は左右一対に設けられた板状の連結部74aの間に、棒状のロッド部74bが連結されている。図の下降装置70は、このロッド部74の上側を被包装物の下部に当接することで、被包装物を支持することができる。図の下降装置70は、一対の連結部74aの間をこのロッド部74bで連結することで、一対の回転ベルト13が設けられた間隔よりも横幅が狭い被包装物もロッド部74bにより支持することができる。
(実施形態4)
次にまた別の実施形態4について説明をする。図7に実施形態4の下降装置80を示す。図7に示す下降装置80は、左右一対の歯車体11と歯車体11に各々架けられた回転ベルト13と、左右の歯車体11を連結しつつ下降装置80を製袋筒内に支持する車軸12とを備えている。さらに、図の下降装置80は、一対の回転ベルト13の間に渡って連結された複数の支持部84を設けている。図の支持部84は、断面形状がL字状の板状材である。図の支持部84はL字の折曲部を境に、回転ベルト13に連結される連結部84aと、被包装物の下部が当接される当接部84bとに分かれる。図の支持部84は、連結部84aの長手方向の両端部がそれぞれ回転ベルト13に固定されている。また図の支持部84の当接部84bは、回転ベルト13側とは反対側へ向けて突出している。図の支持部84は、この当接部84bの上面を被包装物の下部に当接して被包装物を支持することができる。図の下降装置80は、支持部84をL字状に設けることで、被包装物が左右の回転ベルト13の間から抜けようとするのを、支持部84の連結部84aにより阻止することができる。また、当接部84bの面上で被包装物Pを支持するため、被包装物Pが左右に位置ズレしても安定的に支持することができる。
なお、実施形態1では、一時保持装置20は左右一対の支持部13の間に配置しているが、本形態における支持部84は、図示しないが、一時保持装置20の位置を実施形態1よりも下げることで、支持部84と一時保持装置20とが互いに接触しないようにしている。
[実施形態5]
以上の例では、下降装置として支持部を設けた回転ベルトやこれを回転させる歯車体を左右一対に設けた例を説明した。ただ本発明はこの構成に限らず、回転ベルトや歯車体を1のみ設けてもよい。このような例を実施形態5に係る縦型包装機の下降装置として図8に示す。この図に示す下降装置は、被包装物Pの中心近傍を支持部64で保持するよう、一の回転ベルト13を設けている。図示しない製袋筒の内壁で被包装物Pを支えながら、支持部64の溝部65で被包装物Pの一部(例えば鍔部)を係止して保持し、下方に搬送することが可能となる。
(実施形態6)
さらにまた、別の実施形態6について説明をする。図9に実施形態6の下降装置90を示す。図9に示す下降装置は、上下一組に配置された円筒状の歯車体91と、歯車体91の間に架けられた帯状の回転ベルト93と、歯車体91を製袋筒内に支持する車軸12と、回転ベルト93の表面に連結された支持部94とを備えている。図に示す歯車体91は、上側歯車体91aと下側歯車体91bからなり、この上下の歯車体91を帯状の回転ベルト93が連結する。図の回転ベルト93の表面には、断面形状がL字状の支持部94が連結されている。支持部94は回転ベルト93に面する連結部94aと、この連結部94aから回転ベルトの外側へ向けて突出している当接部94bにより構成される。図の支持部94は連結部94aの背面側が回転ベルト93に面した状態で固定されている。図の下降装置90は、この支持部94の当接部94bの上面を被包装物の下部に当接して、被包装物を下方へと運搬することができる。図の下降装置90は、帯状に設けられた回転ベルト93により、被包装物が下降装置90側へと倒れないように被包装物を確実に支持することができる。
[実施形態7]
また、当接部94bに被包装物Pの一部を当接させて被包装物を運搬する構成の他、当接部を大きくして、その上面に被包装物を直接載置させるように構成してもよい。このような例を実施形態7に係る縦型包装機の下降装置9を、図10に示す。この図に示す下降装置90’の支持部94’は、回転ベルト93’に面する連結部94a’と、この連結部94a’から回転ベルトの外側へ向けて突出している当接部94b’により構成される。このように被搬送物の形状によっては、また製袋筒の大きさによっては、当接部94b’を被搬送物を載せる載置部として利用することができる。
[実施形態8]
加えて、本発明に係る縦型包装機は、湾曲板に変えて、湾曲しない平板状の傾斜板を用いてもよい。このような例を実施形態8に係る縦型包装機として、図11に示す。この図に示す縦型包装機は、姿勢変更機構として、製袋筒1を構成する側面のうち、被包装物Pが通過する側の側面の下端側に傾斜板29を設けている。傾斜板29は、フラットな板状に形成され、製袋筒1の下端に回動自在に連結している。傾斜板29は、図4の湾曲板と同様に、自重で鉛直姿勢となるが(図11において破線で示す位置)、その背面を押込装置31で押し出すことにより、図11に示すように傾斜姿勢とすることができる。このように押込装置31で傾斜姿勢とされた傾斜板29は、下端を被包装物Pの通過面側に折曲された姿勢とすることで、被包装物Pを縦方向から斜め方向に姿勢を変化させることができる。このような構成でも、被包装物Pを製袋筒1の下方で傾斜板29によって姿勢を縦方向から斜め方向に、さらには水平方向に変えさせて、被包装物Pの企図した底面が下側横シール領域45b側に向くようにスムーズに案内させることができる。
(ガイド受部54)
さらに縦型包装機は、傾斜板29や湾曲板30(以下では湾曲されたもの、フラットなものも含めて包括的に「傾斜板」と呼ぶ。)に案内された被包装物Pが一気に滑り落ちないように保持するためのガイド受部54を付加してもよい。被包装物が傾斜板上を一気に滑り落ちると、被包装物が縦置きの姿勢に戻ったり、あるいは筒状包装体の下端に落とした衝撃で破損することが考えられる。そこで、傾斜板29上に案内された被包装物Pが傾斜板29上で一旦停止するように、被包装物Pの進路上にガイド受部54を介在させる。ガイド受部54は、上述した一部保持装置等と同様、伸縮式のロッド状とすることができる。ガイド受部54を延伸させて、ガイド受部54の先端が被包装物Pの進路をふさぐことで、図11に示すように被包装物Pを停止させることができる。そして押込装置31を後退させることで傾斜板29は垂直姿勢に戻り、ガイド受部54を後退させることで被包装物Pは水平姿勢となり、姿勢変更を容易にすると共に、姿勢が縦置きとなる事態を避ける効果が得られる。ガイド受部54は、被包装物Pの投入タイミングに応じて、伸縮動作を繰り返す。
なお押込装置31の先端は、図1に示したようなローラー部32を設ける構成とする他、図11に示すように半円状としたり、あるいは径を太くしたシリンダ状や面取りした円柱状など、任意の形状とできる。同様にガイド受部54の先端も、ドーム状等の曲面状、シリンダ状等、任意の形状とできる。
[実施形態9]
またガイド受部54は、図11に示すように先端を斜め下方に傾斜させて突出させてもよいし、あるいは図12の実施形態9に係る縦型包装機に示すように、水平状に突出させてもよい。
(エアー供給部56)
また、被包装物Pを筒状包装体Ftの下方でスムーズに姿勢変更させるには、筒状包装体Ftの下端の下側横シール領域45bの近傍において、筒状包装体Ftがある程度拡開していることが望ましい。逆に、筒状包装体が下端で閉じた状態になっていると、被包装物の端縁が筒状包装体に当たって跳ね返る結果、意図しない姿勢となることがある。そこで、被包装物Pを筒状包装体Ftの下端に案内するに先立ち、予め筒状包装体Ftの下端側を拡開しておくことが好ましい。筒状包装体Ftの下端を拡開させるには、高圧ガス等の気体を供給することが挙げられる。筒状包装体Ftの下端の下側横シール領域45bはシールされているため、筒状包装体Ft内に加圧された気体を供給すると、必然的に下端側が拡開される。このため、エアー供給部56を製袋筒1の内部に設けることが好ましい。
例えば図11に示す実施形態9に係る縦型包装機においては、製袋筒1の下部に、エアーを供給するためのエアー供給部56を設けている。エアー供給部56は、コンプレッサなどに接続され、圧縮空気などの気体を噴射するノズルである。またエアー供給部56から供給される気体は、間欠的に供給させることが好ましい。例えば被包装物Pを筒状包装体Ftの下端側に案内する前に短時間、エアー供給部56から加圧気体を供給する。また、エアー供給部56は加圧気体を間欠的に供給する他、連続的に気体を供給してもよい。さらに加圧した気体に限らず、送風程度の弱い圧力で気体を送る構成としてもよい。
なおエアー供給部56から供給される気体の種類は空気とする他、被包装物に応じて適宜選択できる。例えば野菜などの生鮮食料品の場合は、窒素ガスを封入することで酸化を防ぎ、保存状態を良好とできる利点が得られる。このように、保存状態の向上のための気体注入を、被包装物の姿勢変更のためにも利用できる。
さらに、エアー供給部56から供給するエアーを、被包装物の姿勢変更に利用することもできる。筒状包装体Ft内に複数の被包装物を積層して包装する場合は、水平姿勢の被包装物が筒状包装体Ftの底に徐々に蓄積されていくにつれて、重量が重くなる。図12に示す例では3個の豆腐を包装するように被包装物Pを順次積層していく様子を示しているが、被包装物Pが3個目になると、積層済みの2個の被包装物Pの自重のため、筒状包装体Ftが下方に引っ張られる結果、筒状包装体Ftがぴんと貼った状態となる。この場合は、ガイド受部54を突出させても、筒状包装体Ftの変形量が、被包装物Pが1個目や2個目の状態と変わってしまい、所望の姿勢に被包装物Pを制御することが難しくなる。そこで、例えばガイド受部54の突出を止めて、代わりに図12に示すようにエアーを被包装物Pの後端側に吹き付けることで、エアーでもって被包装物Pを押し出し回転させるようにして姿勢を変えるようにしてもよい。このように、エアーは筒状包装体Ftの拡開のみならず、被包装物Pの姿勢制御にも利用できる。
[実施形態10]
さらに傾斜板29は、製袋筒1や筒状包装体Ftの内部に配置する例に限らず、本発明においては傾斜板29を筒状包装体Ftの外側に配置してもよい。このような例を実施形態10に係る縦型包装機として、図13に示す。この図に示す縦型包装機は、傾斜板29を筒状包装体Ftの外側に設けている。このような構成においても、傾斜板29を介して筒状包装体Ftの下方が部分的に下り勾配に傾けられるので、この上を通過する被包装物Pは姿勢を徐々に傾けられてスムーズに回転されて筒状包装体Ftの下端で下側横シール領域45bの上方に案内される。
[実施形態11]
さらに加えて、これらの傾斜板29は、姿勢変更可能とした構成に限定せず、本発明においては傾斜板29を固定姿勢とすることもできる。予め傾斜板29の角度を、製袋筒1の下部に案内された被包装物Pの姿勢が変更されるように調整しておくことで、傾斜板29を可動させずとも、製袋筒1の下部に運ばれた被包装物Pが傾斜板29等を介して自然にその姿勢を変更して、筒状包装体Ftの下端で下側横シール領域45bの上方に案内される。このような例を実施形態11に係る縦型包装機として、図14に示す。この構成は、傾斜板29の傾動操作のタイミングを、被包装物Pの搬送タイミングに合わせる必要がないため、連続処理に適している。
[実施形態15]
また図1等の例では、一対のローラー3で筒状包装体Ftを挟む方向と沿うように被包装物Pを供給して包装する構成を示した。この構成においては、ガゼット装置8でローラー3の側面から押し込むため、ガゼット装置8と湾曲板30が同じ側に位置する。この結果、ガゼット装置8と湾曲板30とが干渉することから、湾曲板30に切り欠きやスリットなどの通過部を設ける必要がある。
ただ本発明は、この構成に限らず、一対のローラー3で筒状包装体Ftを挟む方向と交差する方向に被包装物Pを供給して包装してもよい。このような例を実施形態15に係る縦型包装機として図15に示す。この配置によれば、ガゼット装置は湾曲板30と異なる面、すなわち互いに交差する姿勢に配置されるため、湾曲板30に通過部を形成する必要がない。
なお図1等に示した例では、被包装物Pとして豆腐のような商品を一個づつ袋すなわち筒状包装体Ftに包装したピロー状包装体を説明したが、本発明はこの構成に限らず、複数個の商品を共通の袋に同梱するようにしてもよい。この際、袋内で複数個を積層した状態とすることもできる。例えば図16に示すように、袋内で豆腐を3個重ねた状態で、筒状包装体Ftの上下がシールされたピロー状包装体とすることもできる。このように被包装物を袋内で、破損しないように衝撃を弱めて積層する際にも、本実施形態に係る縦型包装機を好適に利用できる。
(付属物AT)
また袋内に包装される被包装物に、付属物を加えてもよい。例えばパック詰めされた豆腐等を包装する場合は、付属物として醤油やたれ、薬味を一緒に梱包することがある。また、わらび餅を包装する場合は、カット用のへらを同梱することもある。図16の例では、たれを収納した小袋を付属物ATとして同梱した例を示している。このような付属物ATを被包装物Pと共に包装するにあたって、被包装物Pを製袋筒1に投入させる際に、付属物ATも投下させる。ここで被包装物Pは製袋筒1内を高高度から一気に落下させて破損させないように、チェーンやベルトを用いて製袋筒1内を徐々に降下させる。一方、たれのような破損の心配の少ない付属物ATについては、高高度から落下させてもよい。
(付属物投入経路96)
また付属物ATを袋に投入するため、付属物投入経路96を設けてもよい。例えばチェーン同士の間や、ベルト同士の間等に、付属物ATを通過させるための筒状やチューブ状の付属物投入経路96を設ける。図12の例では、付属物ATを落下させることが可能なように付属物ATよりも一回り大きい管状の付属物投入経路96を、製袋筒1内に走らせている。これにより、すべての被包装物Pを製袋筒1内に投入した後、付属物ATを付属物投入経路96を通じて製袋筒1内を落下させて、袋内に投入する。
また図12の例では、すべての被包装物Pを製袋筒1内に投入した後、最後に付属物ATを製袋筒1内で落下させている。この場合は付属物ATを被包装物Pの上面に落下させても、被包装物Pを破損する心配のない付属物AT、例えば被包装物に比べて重量が軽い、柔らかい等の条件を満たす必要がある。また、図16の例では豆腐にたれを添付する場合等、付属物ATが袋内に含まれていることを目視し易いよう、被包装物P部の上面に付属物ATを配置する例を説明したが、本発明はこの構成に限定されず、例えば付属物を被包装物よりも先に投入して、袋内の下方に位置させてもよいし、あるいは被包装物の側面に配置させてもよい。このように付属物の配置位置や投入順は、被包装物や付属物の特性、材質、堅さ、重量等に応じて適宜変更できる。
以上に説明した支持部94は、実施形態1の支持部14と同様に、樹脂材や金属材を用いることで、被包装物Pを確実に支持することができる。その他にもゴム材等の弾力を有する部材をL字状に形成したものを利用してもよい。支持部94をゴム材等で形成することで、被包装物を当接部94bに当接して下方へ運搬する際には、被包装物を支持する。さらに、下降装置90の下方で被包装物から離間する際には、被包装物の下降装置90の対向面に傷が入らないようにすることができる。
また、ゴム材で支持部94を形成する場合、回転ベルト93と支持部94とを一体に形成することもできる。回転ベルト93と支持部94とを一体に形成する場合、支持部94の連結部94aを省略し、回転ベルト93の表面に直接、当接部94bを設けることができる。回転ベルト93と支持部94を一体に成形することで、部材の数を減らし、製造や保守を容易にすることができる。
また、実施形態4と同様に、実施形態1で説明をした一時保持装置20を下方に位置させることで、支持部94と一時保持装置20とが互いに干渉しないようにできる。ただ、支持部94をゴム板等で形成する場合、上述のように被包装物の表面に傷がはいる虞がないため、この一時保持装置20を省略することもできる。
以上の実施形態1ないし5に記載の下降装置は、一対の歯車体にそれぞれ架設された回転ベルトに支持部を連結する形態とし、実施形態6に記載の下降装置は円筒状の歯車体に帯状の回転ベルトを架設する形態とした。ただ、実施形態1ないし5に記載した支持部を、実施形態6に記載した帯状の回転ベルト上に設けて下降装置を構成することも可能である。
以上の実施形態1ないし5の縦型包装機によれば、被包装物Pを垂直に投入することで、製袋筒1の口径を広げること無く、下降装置を設ける領域を確保し、被包装物Pを包装するピロー状包装体Fpの大きさを被包装物Pに適した大きさにし、ピロー状包装体Fpの美観を保ちながら、被包装物Pを水平姿勢で包装することができる。また、被包装物Pを下降装置で運搬し、湾曲板30の表面で緩やかに姿勢変更をすることで、筒状包装材Ftの底部への着地時の衝撃を小さくし、品質が低下する虞を効果的に低減している。これにより、実施形態1ないし5の縦型包装機は豆腐のように耐衝撃性の乏しい被包装物を好適に包装することができる。さらに、下降装置と湾曲板30により被包装物Pを所定の姿勢を維持して包装することで、例えば、菓子パン等のように表裏のある被包装物の包装にも好適に利用することができる。
さらに、以上の縦型包装機は帯状包装材Fwを3箇所でシールする三方包装としたが、本発明の縦型包装機はこれに特定されない。以上の実施形態は、製袋筒1の外側に、互いに対向する位置に一対の縦シーラを設けることで、2枚の帯状包装材Fwを4箇所でシールする四方包装や、あるいは1枚の帯状包装材を幅方向の中間部で折曲して、両側縁部を縦シーラで接着し、この両側縁部と対向した位置で折曲部を接着した四方包装とすることもできる。四方包装においても、実施形態1ないし5の包装機を利用することができる。また、以上の実施形態において、縦型包装機で包装する包装体の形状をピロー状包装体としているが、本発明の縦型包装機による包装はピロー状包装に特定しない。以上の実施形態に記載した縦型包装機の下降装置や包装方法等は、鉛直方向に配置された製袋筒を利用する、その他の包装も好適に行うことができる。