JP7129823B2 - 土留め掘削の周辺地盤補強方法 - Google Patents

土留め掘削の周辺地盤補強方法 Download PDF

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Description

本発明は、土留め掘削において、土留め壁の周辺地盤を補強する土留め掘削の周辺地盤補強方法に関する。
土留め掘削は、掘削する場所の周囲に土留め壁、ここでは鋼矢板を地盤中に打設し、打設した後、鋼矢板で囲まれた内側を掘削して、例えば開放空間を造る作業である。
ところで、土留め掘削では、鋼矢板の周辺地盤の不安定化を招くヒービングやボイリングなどが発生する虞がある。土留め掘削において、ヒービングやボイリングなどが発生すると、鋼矢板の崩壊などが起き、その後の掘削作業が困難になるという問題がある。
ヒービングは、掘削対象地盤の掘削底面付近に軟らかい粘性土がある場合に発生する。ヒービングは、図15に示すように、鋼矢板30の内側を掘削すると、鋼矢板30の外側(背面)の地表荷重及び土の重量により、土が鋼矢板30の外側から内側に向かって動き出し、鋼矢板30の下において土が回り込むようにすべる。それにより、鋼矢板30の外側である周辺の地盤が沈下するとともに、鋼矢板30の内側の掘削底面Bが隆起して破壊することで、鋼矢板30の崩壊に至る現象である。
ボイリングは、掘削対象地盤が地下水位の高い砂質土の場合、あるいは掘削対象地盤の付近に河川や海などの地下水の供給源がある場合に発生する。ボイリングは、図16に示すように、鋼矢板30の内側を掘削すると、鋼矢板30の内側と外側(背面)の地下水Wの水位差により、地下水Wが鋼矢板30の外側から内側に向かって流れだし、鋼矢板30の下において地下水Wが回り込むように流れる。それにより、鋼矢板30の外側である周辺の地盤が沈下するとともに、鋼矢板30の内側の掘削底面Bから地下水Wや土が湧き出し、土のせん断抵抗が失われて掘削底面Bが隆起して破壊することで、鋼矢板30の崩壊に至る現象である。
そこで、従来、土留め掘削でのヒービングの発生の防止は、例えば、薬剤を注入して地盤中に固結改良体を造成する地盤改良工法によって鋼矢板の周辺地盤の補強、特に鋼矢板の内側の掘削底面付近の地盤を補強することで行っている。
即ち、地盤中に、鋼矢板を打設して、掘削する場所の周囲を鋼矢板で囲む。続いて、鋼矢板で囲んだ内側に、施工装置でロッドを地盤中に貫入する。このときのロッドの貫入深さは掘削底面より下の位置である。貫入後、ロッドの先端から薬剤を地盤中に注入しつつ、ロッドを掘削底面の位置まで引き抜く。これにより、鋼矢板の内側の掘削底面付近の地盤中に固結改良体を造成する。固結改良体の造成を、鋼矢板の内側に沿って複数の箇所で行うことで、鋼矢板の内側の掘削底面付近の地盤を補強する。このように鋼矢板の内側の掘削底面付近の地盤を補強することにより、掘削時のヒービングの発生を防止する。
また、前述した鋼矢板の内側の掘削底面付近の地盤を補強するとともに、鋼矢板の下端付近の地盤も補強することでも、ヒービングの発生を防止している。
即ち、鋼矢板の外側にも、施工装置でロッドを地盤中に貫入する。このときのロッドの貫入深さは鋼矢板の下端より下の位置である。貫入後、前述と同様、ロッドの先端から薬剤を地盤中に注入しつつ、ロッドを掘削底面の位置まで引き抜く。これにより、鋼矢板の下端付近の地盤中にも固結改良体を造成する。固結改良体の造成を、鋼矢板に沿って複数の箇所で行うことで、鋼矢板の下端付近の地盤を補強し、これによっても、掘削時のヒービングの発生を防止する。
また、従来、土留め掘削でのボイリングの発生の防止は、例えば、鋼矢板の外側(背面)の地下水を強制的に排出して地下水位を下げるウェルポイント工法によって鋼矢板の周辺地盤を補強することで行っている。
即ち、地盤中に、鋼矢板を打設して、掘削する場所の周囲を鋼矢板で囲む。続いて、鋼矢板で囲んだ外側に、先端に水を流入するウェルポイントを取り付けた吸水パイプを、鋼矢板に沿って所定の間隔を空けて複数打ち込む。複数の吸水パイプを地上に配置した集水パイプを介して集水装置に連結する。集水装置は、地下水を吸引する真空ポンプやタンクなどを有する。これにより、集水装置の真空ポンプで吸水パイプの先端のウェルポイントより地下水を吸引すると、鋼矢板の外側の地下水位が下がる。鋼矢板の外側の地下水位を下げることで、鋼矢板の外側の地盤を補強する。このように鋼矢板の外側の地盤を補強することにより、掘削時のボイリングの発生を防止する。
しかしながら、従来の土留め掘削において、ヒービングあるいはボイリングの発生を防止するための地盤改良工法による周辺地盤の補強あるいはウェルポイント工法による周辺地盤の補強は、それに用いる専用の装置が大掛かりになり、また、非常に手間のかかる作業となるため、多大な時間と費用を要する。その結果、土留め掘削の工期が長くなり、その工費も高くなるという問題がある。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、土留め掘削において、その工期を短くするとともに、工費も安価にするため、土留め掘削の周辺地盤を補強する際に、それに用いる装置が大掛かりにならず、かつ、手間のかからない作業にすることのできる土留め掘削の周辺地盤補強方法を提供することである。
本発明は、土留め掘削において、土留め壁の周辺地盤を補強する土留め掘削の周辺地盤補強方法であって、長手方向に延在する複数のホース状の長い孔を備え、複数の長い孔それぞれに連通する複数の開口部を設けるとともに、非通水性の材料で形成された板状の地盤埋設ボードを、その長手方向を土留め壁の長手方向に合わせて土留め壁に取り付ける工程と、地盤埋設ボードを取り付けた土留め壁を地盤中に打設する工程と、地盤埋設ボードの長い孔に連通した開口部から地盤中に薬剤又は硬化剤を注入して、固結改良体を地盤中に造成することにより周辺地盤を補強する、土留め壁に取り付けた地盤埋設ボードを用いて周辺地盤を補強する工程と、を有し、地盤埋設ボードは、その長手方向の一端の下端に土留め壁の下端に下方より引っ掛かるアンカーを取り付け、土留め壁に対して下方に外れるようにし、土留め壁を地盤中に打設するときに、地盤埋設ボードを土留め壁とともに地盤中に打設し、地盤中から土留め壁を引き抜くときに、土留め壁から地盤埋設ボードが下方に外れて、地盤中に地盤埋設ボードを残置する土留め掘削の周辺地盤補強方法である。
本発明によれば、土留め掘削の周辺地盤の補強を、地盤中に打設する土留め壁に取り付けた地盤埋設ボードを用いた簡単な作業で行うことができ、その作業に用いる専用の装置も大掛かりにならずにすみ、これにより、多大な時間や費用を要することなく、周辺地盤を補強することができ、土留め掘削において、その工期を短縮し、工費も安価にできる。
本発明の土留め掘削の周辺地盤補強方法において用いる地盤埋設ボードの斜視図である。 図2Aは、地下水採取ボードの正面図であり、図2Bは、地下水採取ボードの側面図である。 図3Aは、図2AのA-A断面図であり、図3Bは、図3AのB部の拡大図である。 図4Aは、ガイド部材の斜視図であり、図4Bは、別のガイド部材の斜視図である。 鋼矢板に地盤埋設ボードを取り付けた状態の平面図である。 鋼矢板に地盤埋設ボードを取り付けた状態の内側から見た斜視図である。 鋼矢板に地盤埋設ボードを取り付けた状態の外側から見た斜視図である。 図8Aは、鋼矢板を打設した状態の図であり、図8Bは、地盤中に薬剤を注入した状態の図であり、図8Cは、鋼矢板で囲まれた内側を掘削した状態の図である。 図9Aは、埋め戻し後に鋼矢板を引き抜いた状態の図であり、図9Bは、空洞に薬剤を注入する状態の図であり、図9Cは、薬剤を注入して空洞を埋めた状態の図である。 鋼矢板の外側に地盤埋設ボードを取り付けた状態の平面図である。 鋼矢板の外側に地盤埋設ボードを取り付けた状態の外側から見た斜視図である。 図12Aは、鋼矢板を打設した状態の図であり、図12Bは、地盤埋設ボードの長い孔内に地下水を流入した状態の図であり、図12Cは、鋼矢板で囲まれた内側を掘削した状態の図であり、図12Dは、鋼矢板の内側に地盤埋設ボードを取り付けた状態の図である。 図13Aは、埋め戻し後に鋼矢板を引き抜いた状態の図であり、図13Bは、空洞に薬剤を注入する状態の図であり、図13Cは、薬剤を注入して空洞を埋めた状態の図である。 図14Aは、外側に地盤埋設ボードを取り付けた鋼矢板を打設した状態の図であり、図14Bは、地盤中に薬剤を注入した状態の図であり、図14Cは、鋼矢板にシールド掘進機の発進用の開口部を形成した状態の図である。 土留め掘削においてヒービング発生時の状態の図である。 土留め掘削においてボイリング発生時の状態の図である。
本発明の土留め掘削の周辺地盤補強方法の第一実施形態について説明する。
第一実施形態に係る土留め掘削の周辺地盤補強方法(以下、単に本周辺地盤補強方法という)は、概略的には、土留め壁に地盤埋設ボード1を、その長手方向を土留め壁の長手方向に合わせて取り付けて、地盤埋設ボード1を土留め壁とともに地盤中に打設し、地盤埋設ボード1を用いて、土留め壁の周辺地盤を補強する方法である。これにより、土留め掘削において、土留め壁の崩壊などの掘削作業に支障を来すような問題が起きないようにする。
ここでは、土留め壁は、凸状のウェブ10aを有するU形の鋼矢板10である。ただし、土留め壁は、前記鋼矢板10に限らない。
本周辺地盤補強方法において用いる地盤埋設ボードについて説明する。
図1は、本周辺地盤補強方法において用いる地盤埋設ボード1の斜視図である。図2Aは、地下水採取ボード1の正面図、図2Bは、地下水採取ボード1の側面図である。図3Aは、図2AのA-A断面図、図3Bは、図3AのB部の拡大図である。図4Aは、ガイド部材7の斜視図、図4Bは、別のガイド部材7の斜視図である。
地盤埋設ボード1は、図1に示すように、非通水性でかつ剛性が低い材料で形成されているとともに全体が細長い板状であり、その長手方向に延在する複数のホース状の長い孔2を備える。ここで、非通水性でかつ剛性が低い材料は、例えば、ポリオレフィン樹脂である。ポリオレフィン樹脂は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)などが挙げられる。ただし、これに限らない。
具体的には、地盤埋設ボード1は、図2A、図2B、図3A、図3Bに示すように、横幅方向(図2A及び図3Aでの左右方向)に断面が凹凸状になる例えばポリオレフィン樹脂製の芯材3と、芯材3の表裏面(図3Aにおける上下に断面で示す)側を挟持して一体化する例えばポリオレフィン樹脂製のシート材4からなる。芯材3及びシート材4は、その長手方向に延在する。なお、芯材3及びシート材4の延在方向(長手方向)は、芯材3及びシート材4の横幅方向と直交する縦方向(図2A及び図2Bでの上下方向)である。
これにより、地盤埋設ボード1には、横幅方向に断面が凹凸状になる芯材3とその表裏面側を挟持するシート材4により区画されたホース状の長い孔2が形成される。即ち、地盤埋設ボード1は、その板厚内に長手方向に延在するホース状の長い孔2を横幅方向に沿って複数備えることになる。ここでは、複数の長い孔2の数は11個であるが、数はこれに限らない。
地盤埋設ボード1は、横幅方向の寸法(図2Aにおいて左右方向に示す)が3~30cm程度、板厚の寸法(図2Bにおいて左右方向に示す)が0.5~3cm程度である。ただし、寸法は、これに限らない。
また、地盤埋設ボード1は、その下端において折り返して、そこにアンカー5を取り付けている。
また、地盤埋設ボード1には、図1、図2Aに示すように、各長い孔2に連通する開口部6をそれぞれ設ける。
開口部6は、地盤埋設ボード1を構成する断面が凹凸状になる芯材3の凹状部ではシート材4に、または、芯材3の凸状部ではその凸状部とシート材4の両方に穴を空けることで形成される。開口部6は、図3Bに示すように、芯材3及びシート材4からなる地盤埋設ボード1の表裏面側のいずれか一方の面に設けて、長い孔2に連通する。ただし、開口部6は、これに限らず、芯材3及びシート材4からなる地盤埋設ボード1の表裏面側の両方の面に設けてもよい。なお、開口部6を設ける箇所は、地盤埋設ボード1を用いて行う作業に応じて決定される。
また、地盤埋設ボード1の長い孔2内には、開口部6と連通する箇所にガイド部材7を配置する。ガイド部材7は、例えば、図4Aに示すように、底面部7aと底面部7aの左右両側に立設する二つの側面部7bとを有する断面U字状、あるいは、図4Bに示すように、底面部7aと底面部7aの左右両側に立設する二つの側面部7bと後側(図4Bで示す奥側)に立設する後面部7cとを有する形状である。ガイド部材7は、例えば、長い孔2内を流れてきた薬剤Sを長い孔2内から開口部6に向かわせて、開口部6から地盤中に薬剤Sを注入できるようにする。なお、ガイド部材7の形状は、前記形状に限らない。
次に、本周辺地盤補強方法について説明する。
図5は、鋼矢板10に地盤埋設ボード1を取り付けた状態の平面図である。図6は、鋼矢板10に地盤埋設ボード1を取り付けた状態の内側から見た斜視図である。図7は、鋼矢板10に地盤埋設ボード1を取り付けた状態の外側から見た斜視図である。図8Aは、鋼矢板10を打設した状態の図、図8Bは、地盤中に薬剤Sを注入した状態の図、図8Cは、鋼矢板10で囲まれた内側を掘削した状態の図である。図9Aは、埋め戻し後に鋼矢板10を引き抜いた状態の図、図9Bは、空洞Cに薬剤Sを注入する状態の図、図9Cは、薬剤Sを注入して空洞Cを埋めた状態の図である。
なお、図8A、図8B、図8C、図9A、図9B、図9Cでは、鋼矢板10や地盤埋設ボード1などを概略的に示している。
本周辺地盤補強方法は、地盤中に打設した鋼矢板10の内側の掘削底面B付近と、地盤中に打設した鋼矢板10の下端付近とに、地盤埋設ボード1を用いて、薬剤Sを注入し、地盤中に固結改良体Tを造成することで、掘削底面B付近の地盤と鋼矢板10の下端付近の地盤とを補強し、掘削時のヒービングの発生を防止する。ここで、鋼矢板10の内側は、土留め掘削において掘削する側であり、鋼矢板10の外側は、土留め掘削において掘削しない側である。
本周辺地盤補強方法は、地盤埋設ボード1を、その長手方向を鋼矢板10の長手方向に合わせて鋼矢板10に取り付ける工程(以下、第1工程という)と、地盤埋設ボード1を取り付けた鋼矢板10を地盤中に打設する工程(以下、第2工程という)と、鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1を用いて周辺地盤を補強する工程(以下、第3工程という)と、を有する。
(第1工程)
第1工程は、鋼矢板10を地盤中に打設する前に、地上において、鋼矢板10に地盤埋設ボード1を、その長手方向を鋼矢板10の長手方向に合わせて取り付ける工程である。地盤埋設ボード1の鋼矢板10への取り付けは、図5、図6、図7に示すように、鋼矢板10の中央部のウェブ10aの両面に、その長手方向に沿って地盤埋設ボード1を取り付ける。ただし、地盤埋設ボード1の取り付け箇所は、鋼矢板10のウェブ10aの両面に限らず、他の箇所に取り付けてもよい。
地盤埋設ボード1は、その下端に取り付けたアンカー5が鋼矢板10の下端に引っ掛かる。これとともに、鋼矢板10のウェブ10aの面(地盤埋設ボード1の取り付け箇所)に、その長手方向に所定の間隔で複数固着した一対のL字形のフック11により地盤埋設ボード1を鋼矢板10に保持する。これにより、地盤埋設ボード1は、鋼矢板10に対して下方に取り外し可能である。
また、地盤埋設ボード1において、開口部6を設ける箇所は、鋼矢板10の内側(掘削する側)に取り付ける地盤埋設ボード1の場合は、鋼矢板10とともに地盤中に打設したときに、掘削底面B付近に位置する箇所(図6参照)であり、また、鋼矢板10の外側(掘削しない側)に取り付ける地盤埋設ボード1の場合は、鋼矢板10とともに地盤中に打設したときに、鋼矢板10の下端付近に位置する箇所(図7参照)である。
(第2工程)
第2工程は、第1工程の後に、地盤埋設ボード1を取り付けた鋼矢板10を地盤中に打設する工程である。鋼矢板10は、土留め掘削において、掘削する場所を囲むように、その周囲に打設する。
即ち、第1工程で作製した地盤埋設ボード1を取り付けた鋼矢板10を複数用意し、図8Aに示すように、複数の鋼矢板10を地盤中に順次打設する。地盤埋設ボード1を取り付けた鋼矢板10の打設は、通常のバイブロハンマによる振動打ち込み工法あるいは油圧圧入機による圧入工法などで行う。なお、鋼矢板10の打設は、これらに限らず、その他の工法で行ってもよい。
また、鋼矢板10を打設するとき、鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1は、その下端に取り付けたアンカー5が鋼矢板10の下端に引っ掛かるとともに、鋼矢板10に設けたフック11によって保持されていることで、鋼矢板10とともに(鋼矢板10に取り付いた状態で)、地盤中に打設される。これにより、地盤埋設ボード1を取り付けた鋼矢板10が、掘削する場所の周囲の地盤中に打設される。
(第3工程)
第3工程は、第2工程の後に、鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1を用いて鋼矢板10の周辺地盤を補強する工程である。鋼矢板10の周辺地盤の補強は、地盤中に打設した鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1から地盤中に薬剤Sを注入し、注入した薬剤Sにより固結改良体Tを地盤中に造成して、地盤を補強する。
即ち、図8Bに示すように、鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1の各長い孔2に、薬剤供給装置(図示せず)から薬剤Sを流入する。流入した薬剤Sを、各長い孔2内に通して、長い孔2内から開口部6に流し、開口部6から地盤中に注入する。このとき、鋼矢板10の内側(掘削する側)に取り付けた地盤埋設ボード1では、鋼矢板10の内側の掘削底面B付近の地盤中に薬剤Sを注入して、ここに固結改良体Tを造成する。また、鋼矢板10の外側(掘削しない側)に取り付けた地盤埋設ボード1では、鋼矢板10の下端付近の地盤中に薬剤Sを注入して、ここに固結改良体Tを造成する。
固結改良体Tの造成により、鋼矢板10の内側の掘削底面B付近の地盤を補強するとともに、鋼矢板10の下端付近の地盤も補強する。これにより、この後に行う鋼矢板10で囲まれた内側の掘削(土留め掘削)において、ヒービングの発生を防止でき、打設した鋼矢板10の崩壊などの掘削作業に支障を来すという問題をなくす。
なお、第3工程での鋼矢板10の周辺地盤の補強は、地盤中に薬剤Sを注入し、注入した薬剤Sにより固結改良体Tを地盤中に造成して地盤を補強していたが、これに限らず、例えば、地盤埋設ボード1から地盤中に硬化剤を注入し、注入した硬化剤と地盤を混合撹拌することにより固結改良体を地盤中に造成して地盤を補強するようにしてもよい。
次に、第3工程で地盤埋設ボード1を用いて鋼矢板10の周辺地盤を補強した後、図8Cに示すように、鋼矢板10で囲まれた内側を掘削する。この掘削により開放空間を造り、開放空間に例えば構造物などを構築する。開放空間に構造物などを構築した後は、掘削して造った開放空間に土砂の埋め戻しを行って、埋め戻し後に、地盤中に打設した鋼矢板10を引き抜く。これにより、土留め掘削における一連の作業が完了する。
また、鋼矢板10を地盤中から引き抜くとき、鋼矢板10の両面に取り付けている地盤埋設ボード1は、鋼矢板10から取り外されて、地盤中に残置される。地盤埋設ボード1の鋼矢板10からの取り外しは、地盤埋設ボード1の下端に取り付けたアンカー5が鋼矢板10の下端に引っ掛かるとともに、鋼矢板10に固着した複数のフック11により保持されているだけであるから、鋼矢板10を地盤中より上方に引き抜くと、複数のフック11が外れ、地盤埋設ボード1がそのままで、鋼矢板10のみが引く抜かれることで、鋼矢板10から地盤埋設ボード1が外れる。これにより、図9Aに示すように、地盤埋設ボード1を地盤中に残置するとともに、鋼矢板10のみを地盤中から引き抜くことができる。
以上のように、地盤中に地盤埋設ボード1を残置して、鋼矢板10のみを引き抜くことで、引き抜く鋼矢板10と地盤の接触面積を地盤埋設ボード1を取り付けた分だけ小さくでき、鋼矢板10を引き抜く際に、土砂が鋼矢板10に付着して鋼矢板10とともに地上に排出されるのを低減できる。また、鋼矢板10と地盤の接触面積を小さくできることから、鋼矢板10を引き抜く際の地盤との抵抗も小さくなる。これにより、地盤中からの鋼矢板10の引き抜きを容易に行うことができる。
また、本周辺地盤補強方法は、前記の第1工程、第2工程、第3工程とともに、地盤中に残置した地盤埋設ボード1を用いて、周辺地盤の安定化を行う工程(以下、第4工程という)を有する。
(第4工程)
第4工程は、地盤中から鋼矢板10を引き抜いた後に、鋼矢板10から取り外されて地盤中に残置している地盤埋設ボード1を用いて周辺地盤の安定化を行う工程である。すなわち、地盤中から鋼矢板10を引き抜いた後には、そこに空洞C(鋼矢板10の分)が生じる。空洞Cをそのままにしておくと、周辺の土砂が流れ込み地盤の変動が発生して、地盤沈下を招くという問題が生じる。そこで、地盤中から鋼矢板10を引き抜いた後の空洞Cに、地盤中に残置している地盤埋設ボード1から薬剤Sを注入し、注入した薬剤Sにより固結改良体Tを造成して、周辺地盤の安定化を行う。
即ち、第3工程で行った地盤中への薬剤Sの注入と同様、図9Bに示すように、地盤中に残置している地盤埋設ボード1の各長い孔2に、薬剤供給装置(図示せず)から薬剤Sを流入し、流入した薬剤Sを各長い孔2内に通して、長い孔2内から開口部6に流し、開口部6から地盤中の前記空洞Cに注入して、ここに固結改良体Tを造成する。これにより、図9Cに示すように、空洞Cに固結改良体Tを造成して(空洞Cを埋めて)地盤の安定化を行うことで、地盤沈下を招くなどの問題をなくす。
なお、第4工程での周辺地盤の安定化は、地盤中の空洞Cに薬剤Sを注入し、注入した薬剤Sで固結改良体Tを空洞Cに造成することにより地盤の安定化を行っているが、これに限らず、例えば、地盤中に残置している地盤埋設ボード1から地盤中の空洞Cに硬化剤を注入し、注入した硬化剤で固結改良体Tを空洞Cに造成することにより地盤の安定化を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本周辺地盤補強方法によれば、土留め掘削の周辺地盤の補強を、地盤中に打設する鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1を用いた簡単な作業で行うことができ、またその作業に用いる専用の装置も大掛かりにならずにすむ。これにより、多大な時間や費用を要することなく、土留め掘削の周辺地盤を補強することができる。
次に、本発明の土留め掘削の周辺地盤補強方法の第二実施形態について説明する。
第二実施形態に係る土留め掘削の周辺地盤補強方法(以下、単に本周辺地盤補強方法という)も、第一実施形態と同様、鋼矢板10(土留め壁)に地盤埋設ボード1を、その長手方向を鋼矢板10の長手方向に合わせて取り付けて、地盤埋設ボード1を鋼矢板10とともに地盤中に打設し、地盤埋設ボード1を用いて、鋼矢板10の周辺地盤を補強する方法である。また、本周辺地盤補強方法において用いる地盤埋設ボード1も、第一実施形態と同様である。
図10は、鋼矢板10の外側に地盤埋設ボード1を取り付けた状態の平面図である。図11は、鋼矢板10の外側に地盤埋設ボード1を取り付けた状態の外側から見た斜視図である。図12Aは、鋼矢板10を打設した状態の図、図12Bは、地盤埋設ボード1の長い孔2内に地下水Wを流入した状態の図、図12Cは、鋼矢板10で囲まれた内側を掘削した状態の図、図12Dは、鋼矢板10の内側に地盤埋設ボード1を取り付けた状態の図である。図13Aは、埋め戻し後に鋼矢板10を引き抜いた状態の図、図13Bは、空洞Cに薬剤Sを注入する状態の図、図13Cは、薬剤Sを注入して空洞Cを埋めた状態の図である。
なお、図12A、図12B、図12C、図12D、図13A、図13B、図13Cでは、鋼矢板10や地盤埋設ボード1などを概略的に示している。
本周辺地盤補強方法は、地盤中に打設する鋼矢板10の外側に、その長手方向を土留め壁の長手方向に合わせて地盤埋設ボード1を取り付け、地盤埋設ボード1を用いて、鋼矢板10の外側の地下水Wを吸引し、鋼矢板10の外側の地下水位を下げることで、鋼矢板の外側の地盤を補強し、掘削時のボイリングの発生を防止する。ここで、鋼矢板10の外側は、土留め掘削において掘削しない側であり、鋼矢板10の内側は、土留め掘削において掘削する側である。
本周辺地盤補強方法も、第一実施形態と同様、地盤埋設ボード1を鋼矢板10に取り付ける工程(第1工程)と、地盤埋設ボード1を取り付けた鋼矢板10を地盤中に打設する工程(第2工程)と、鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1を用いて周辺地盤を補強する工程(第3工程)と、を有する。
(第1工程)
第1工程は、鋼矢板10を地盤中に打設する前に、地上において、鋼矢板10に地盤埋設ボード1を取り付ける工程である。地盤埋設ボード1の鋼矢板10への取り付け箇所は、図10に示すように、鋼矢板10の外側(掘削しない側)で、その取り付けは、第一実施形態と同様である。地盤埋設ボード1は、第一実施形態と同様、鋼矢板10に対して取り外し可能にする。また、地盤埋設ボード1に設ける複数の開口部6は、図11に示すように、地盤埋設ボード1の長手方向に所定の間隔を空けて設ける。
(第2工程)
第2工程は、第1工程の後に、地盤埋設ボード1を取り付けた鋼矢板10を地盤中に打設する工程である。鋼矢板10は、土留め掘削において、掘削する場所を囲むように、その周囲に打設し、鋼矢板10の打設は、第一実施形態と同様、図12Aに示すように、複数の鋼矢板10を地盤中に順次打設する。
(第3工程)
第3工程は、第2工程の後に、鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1を用いて、鋼矢板10の周辺地盤を補強する工程である。鋼矢板10の周辺地盤の補強は、地盤中に打設した鋼矢板10の外側に取り付けた地盤埋設ボード1により鋼矢板10の外側の地下水Wを吸引し、鋼矢板10の外側の地下水位を下げて、鋼矢板10の外側の地盤を補強する。
即ち、図12Bに示すように、鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1において、各長い孔2に連通した開口部6から鋼矢板10の外側の地下水Wを各長い孔2内に流入する。次に、地上に設置した真空ポンプ(図示せず)を用いて、各長い孔2内に流入した地下水Wを長い孔2を通して上方に吸引し、地上に排出する。これにより、鋼矢板10の外側の地下水位が下がる。
鋼矢板10の外側の地下水位が下がることにより、鋼矢板10の外側の地盤を補強する。これにより、この後に行う鋼矢板10で囲まれた内側の掘削(土留め掘削)において、ボイリングの発生を防止でき、打設した鋼矢板10の崩壊などの掘削作業に支障を来すという問題をなくす。
次に、第3工程で地盤埋設ボード1を用いて鋼矢板10の周辺地盤を補強した後、図12Cに示すように、鋼矢板10で囲まれた内側を掘削する。この掘削により開放空間を造り、開放空間に例えば構造物などを構築する。開放空間に構造物などを構築した後は、掘削して造った開放空間に土砂の埋め戻しを行って、埋め戻し後に、地盤中に打設した鋼矢板10を引き抜く。これにより、土留め掘削における一連の作業が完了する。
また、掘削して造った開放空間に土砂の埋め戻しを行う前に、地盤中に打設した鋼矢板10の内側(掘削した側)に地盤埋設ボード1を取り付ける。
即ち、地盤埋設ボード1の取り付けは、図12Dに示すように、掘削されてその表面がでている鋼矢板10の内側で、中央部のウェブ10aの面に、その長手方向に沿って、第1の実施形態と同様に、つまり鋼矢板10のウェブ10aの面(地盤埋設ボード1の取り付け箇所)に、その長手方向に所定の間隔で複数固着した一対のL字形のフック11によって、地盤埋設ボード1を取り付ける。なお、地盤埋設ボード1の取り付け箇所は、鋼矢板10のウェブ10aに限らない。また、地盤埋設ボード1は、鋼矢板10に対して取り外し可能である。このように鋼矢板10の内側に地盤埋設ボード1を取り付けた後に、土砂の埋め戻しを行う。
続いて、鋼矢板10を地盤中から引き抜くとき、鋼矢板10の両面に取り付けている地盤埋設ボード1は、フック11から外れて鋼矢板10から取り外され、地盤中に残置される。地盤埋設ボード1の鋼矢板10からの取り外しは、第一実施形態と同様である。これにより、図13Aに示すように、地盤埋設ボード1を地盤中に残置するとともに、鋼矢板10のみを地盤中から引き抜くことができる。
以上のように、地盤中に地盤埋設ボード1を残置して、鋼矢板10のみを引き抜くことで、第一実施形態と同様、引き抜く鋼矢板10と地盤の接触面積を地盤埋設ボード1を取り付けた分だけ小さくでき、鋼矢板10を引き抜く際に、土砂が鋼矢板10に付着して鋼矢板10とともに地上に排出されるのを低減できる。また、鋼矢板10と地盤の接触面積を小さくできることから、鋼矢板10を引き抜く際の地盤との抵抗も小さくなる。これにより、鋼矢板10の引き抜きを、容易に行うことができる。
また、本周辺地盤補強方法も、第一実施形態と同様、周辺地盤の安定化を行う工程(第4工程)を有する。
(第4工程)
第4工程は、地盤中から鋼矢板10を引き抜いた後に、鋼矢板10から取り外されて地盤中に残置している地盤埋設ボード1を用いて周辺地盤の安定化を行う工程であり、第一実施形態と同様、地盤中から鋼矢板10を引き抜いた後の空洞Cに、地盤中に残置している地盤埋設ボード1から薬剤Sを注入し、注入した薬剤Sにより固結改良体Tを造成して、周辺地盤の安定化を行う。
即ち、図13Bに示すように、地盤中に残置している地盤埋設ボード1の各長い孔2に、薬剤供給装置(図示せず)から薬剤Sを流入し、流入した薬剤Sを各長い孔2内に通して、長い孔2内から開口部6に流し、開口部6から地盤中の空洞Cに注入して、ここに固結改良体Tを造成する。これにより、図13Cに示すように、空洞Cに固結改良体Tを造成して(空洞Cを埋めて)地盤の安定化を行うことで、地盤沈下を招くなどの問題をなくす。
なお、地盤埋設ボード1の複数の長い孔2では、第4工程で地盤中に注入する薬剤Sを通す長い孔2と、第3工程で開口部6から流入した地下水Wを通す長い孔2とを、薬剤用と地下水用とに区別して別々にする。ただし、これに限らず、薬剤用と地下水用とに区別することなく、同じ長い孔2を使用するようにしてもよい。
また、第4工程での周辺地盤の安定化も、第一実施形態と同様、地盤中の空洞Cに薬剤Sを注入し、注入した薬剤Sで固結改良体Tを空洞Cに造成することにより地盤の安定化を行っているが、これに限らず、例えば、地盤中に残置している地盤埋設ボード1から地盤中の空洞Cに硬化剤を注入し、注入した硬化剤で固結改良体Tを空洞Cに造成することにより地盤の安定化を行うようにしてもよい。
以上説明したように、本実施形態に係る周辺地盤補強方法においても、第一実施形態と同様に、土留め掘削の周辺地盤の補強を、地盤中に打設する鋼矢板10に取り付けた地盤埋設ボード1を用いた簡単な作業で行うことができ、またその作業に用いる専用の装置も大掛かりにならずにすむ。これにより、多大な時間や費用を要することなく、土留め掘削の周辺地盤を補強することができる。
また、本発明の土留め掘削の周辺地盤補強方法は、第一実施形態では地盤埋設ボード1で薬剤S又は硬化剤を注入し、周辺地盤を補強して掘削時のヒービングの発生を防止するもの、あるいは、第二実施形態では地盤埋設ボード1で鋼矢板の外側の地下水Wを吸引し、地下水位を下げて周辺地盤を補強して掘削時のボイリングの発生を防止するものを例示したが、これらに限定されない。
別の例として、例えば、本発明の土留め掘削の周辺地盤補強方法を、シールド掘進機20で地盤を掘削してトンネルなどを造る際に、シールド掘進機20の発進スペースになる立坑Vに適用することもできる。
図14Aは、外側に地盤埋設ボード1を取り付けた鋼矢板10を打設した状態の図、図14Bは、地盤中に薬剤Sを注入した状態の図、図14Cは、鋼矢板10にシールド掘進機20の発進用の開口部21を形成した状態の図である。
なお、図14A、図14B、図14Cでは、鋼矢板10や地盤埋設ボード1などを概略的に示している。
即ち、立坑Vを造るために、その周囲に鋼矢板10を打設するが、立坑V内のシールド掘進機20が発進する部分に打設する鋼矢板10には、その外側(掘削しない側)に地盤埋設ボード1を、その長手方向を鋼矢板10の長手方向に合わせて鋼矢板10に取り付ける(第1工程)。地盤埋設ボード1を取り付けた鋼矢板10を、図14Aに示すように、地盤中に打設する(第2工程)。続いて、シールド掘進機20が発進する部分に打設した鋼矢板10の外側に、地盤埋設ボード1を用いて、図14Bに示すように、薬剤Sを注入し、地盤中に固結改良体Tを造成して(第3工程)、その外側の地盤を補強する。
次に、鋼矢板10で囲まれた内側を掘削し、立坑Vを造る。続いて、立坑V内において、シールド掘進機20による地盤の掘削を開始するとき、図14Cに示すように、シールド掘進機20が発進する部分に打設した鋼矢板10を、ガス溶断などにより発進用の開口部21を形成するが、このとき、従来は、形成する開口部21から土砂や地下水が立坑V内に流入し、作業が中断する虞があったが、シールド掘進機20が発進する部分に打設した鋼矢板10の外側の地盤を補強(固結改良体Tを造成する)することで、開口部21から土砂や地下水が立坑V内に流入するのを防ぐことができ、その結果、シールド掘進機20を立坑V内から良好に発進させることができる。
以上のように、本発明の土留め掘削の周辺地盤補強方法は、種々の土留め掘削の現場に適用することができる。
1…地盤埋設ボード、2…長い孔、3…芯材、4…シート材、5…アンカー、6…開口部、7…ガイド部材、7a…底面部、7b…側面部、7c…後面部、10…鋼矢板、10a…ウェブ、11…フック、20…シールド掘進機、21…開口部、30…鋼矢板。

Claims (2)

  1. 土留め掘削において、土留め壁の周辺地盤を補強する土留め掘削の周辺地盤補強方法であって、
    長手方向に延在する複数のホース状の長い孔を備え、複数の長い孔それぞれに連通する複数の開口部を設けるとともに、非通水性の材料で形成された板状の地盤埋設ボードを、その長手方向を土留め壁の長手方向に合わせて土留め壁に取り付ける工程と、
    地盤埋設ボードを取り付けた土留め壁を地盤中に打設する工程と、
    地盤埋設ボードの長い孔に連通した開口部から地盤中に薬剤又は硬化剤を注入して、固結改良体を地盤中に造成することにより周辺地盤を補強する、土留め壁に取り付けた地盤埋設ボードを用いて周辺地盤を補強する工程と、を有し
    地盤埋設ボードは、その長手方向の一端の下端に土留め壁の下端に下方より引っ掛かるアンカーを取り付け、土留め壁に対して下方に外れるようにし、土留め壁を地盤中に打設するときに、地盤埋設ボードを土留め壁とともに地盤中に打設し、地盤中から土留め壁を引き抜くときに、土留め壁から地盤埋設ボードが下方に外れて、地盤中に地盤埋設ボードを残置することを特徴とする土留め掘削の周辺地盤補強方法。
  2. 請求項1に記載された土留め掘削の周辺地盤補強方法において、
    地盤中から土留め壁を引き抜いた後の空洞に、地盤埋設ボードの長い孔に連通した開口部から地盤中に薬剤又は硬化剤を注入して、固結改良体を造成して空洞を埋めることにより周辺地盤の安定化を行う、地盤中に残置した地盤埋設ボードを用いて周辺地盤の安定化を行う工程を有したことを特徴とする土留め掘削の周辺地盤補強方法。
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