JP7129284B2 - ポリアセタール共重合体およびその製造方法 - Google Patents
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Description
1. 少なくともトリオキサン、(A)エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物、とを共重合させたポリアセタール共重合体。
2. さらに(B)炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物を共重合させた前記1記載のポリアセタール共重合体。
3. 前記アルコキシシリル基が、トリアルコキシシリル基およびジアルコキシシリル基から選ばれる少なくとも一種である前記1または2記載のポリアセタール共重合体。
4. 前記(A)化合物が、2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシランおよび2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種である前記1または2記載のポリアセタール共重合体。
5 少なくともトリオキサン、(A)エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物、とをカチオン重合触媒の存在下、共重合させるポリアセタール共重合体の製造方法。
6. さらに(B)炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物を共重合させた前記5記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
7. 前記カチオン重合触媒が、プロトン酸である前記5または6記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
本発明のポリアセタール共重合体は、少なくともトリオキサン、(A)エポキシ基、グリシジル基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物、とを共重合させたポリアセタール共重合体であることを特徴とする。
本発明のポリアセタール共重合体は、アルコキシシリル基を含んでおり、それにより機械的特性、特に曲げ強度、曲げ弾性率に優れるものとなった。
本発明において用いられるトリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状三量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反応させることによって得られ、これを蒸留等の方法で精製して用いられる。
本発明で使用する(A)成分は、エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物であることを特徴とする。
すなわちトリオキサン共重合官能基とアルコキシシリル基の間には、炭素鎖またはエーテル結合だけが存在することを意味する。
その距離は、炭素数として2~20であることが好ましく、エーテル結合の数は、0~5であることが好ましく、0~2であることがさらに好ましい。
下記に好ましい化合物を例示する。なお、Meはメチル基、Etはエチル基を表す。これらのうち、最も好ましい化合物は重合収率の観点から、A-1(2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン)またはA-2(2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリエトキシシラン)である。
本発明の炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物とは、ポリアセタール共重合体の製造においてコモノマーとして一般に使用される化合物である、具体的には、1,3-ジオキソラン、1,3,6-トリオキソカン、1,4-ブタンジオールホルマール等が挙げられる。
本発明のポリアセタール共重合体の製造方法は、トリオキサン、(A)エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合のみによって結合している化合物とを、カチオン重合触媒の存在下、共重合させることを特徴とする。
カチオン重合触媒としては、トリオキサンを主モノマーとするカチオン共重合において公知の重合触媒が使用できる。代表的には、ルイス酸、プロトン酸が挙げられる。特に、プロトン酸であることが好ましい。
プロトン酸としては、パーフルオロアルカンスルホン酸、ヘテロポリ酸、イソポリ酸等が挙げられる。
パーフルオロアルカンスルホン酸の具体例として、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸、ペンタデカフルオロへプタンスルホン酸、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、ホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。
カチオン重合触媒は、重合に悪影響のない不活性な溶剤で希釈して使用することが好ましい。
熱媒を通すことのできるジャケットと撹拌羽根を有する密閉オートクレーブ中に300gのトリオキサンを入れ、さらに(A)成分として表1に記載の化合物、(B)成分として1,3-ジオキソラン(DO)を、それぞれ表1に示した質量部の割合になるように添加した。これら内容物を撹拌し、ジャケットに80℃の温水を通して内部温度を約80℃に保った後、触媒溶液(ギ酸メチルの溶液)を表1に示す触媒濃度(対全モノマー)になる様に加えて重合を開始した。
このペレットを使用し下記の評価を行った。
ISO178に準拠し、曲げ強度、及び曲げ弾性率の測定を行った。測定室は、23℃55%RHの雰囲気を保持した。
Claims (7)
- 少なくともトリオキサンと、(A)含有量が前記トリオキサン100質量部に対して0.03~1質量部である、エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物と、を共重合させたポリアセタール共重合体。
- さらに(B)炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物を共重合させた請求項1記載のポリアセタール共重合体。
- 前記アルコキシシリル基が、トリアルコキシシリル基およびジアルコキシシリル基から選ばれる少なくとも一種である請求項1または2記載のポリアセタール共重合体。
- 前記(A)化合物が、2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシランおよび2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種である請求項1~3のいずれか一項に記載のポリアセタール共重合体。
- 少なくともトリオキサンと、(A)含有量が前記トリオキサン100質量部に対して0.03~1質量部である、エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物と、をカチオン重合触媒の存在下、共重合させるポリアセタール共重合体の製造方法。
- さらに(B)炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物を共重合させた請求項5記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
- 前記カチオン重合触媒が、プロトン酸である請求項5または6記載のポリアセタール共重合体の製造方法。
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