JP7222678B2 - ポリアセタール樹脂組成物およびポリアセタール樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
少なくともトリオキサン(a)、エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物(b)とを共重合して得られるポリアセタール共重合体(B)を0.1~100質量部を混合して得られるポリアセタール樹脂組成物。
3.前記共重合体(B)が、コモノマーとしてさらに(c)炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物を共重合して得られたポリアセタール共重合体(B)である1または2記載のポリアセタール樹脂組成物。
4.前記アルコキシシリル基が、トリアルコキシシリル基およびジアルコキシシリル基から選ばれる少なくとも一種である1~3記載のポリアセタール樹脂組成物。
6.ポリアセタール樹脂(A)がアセタールコポリマーである請求項1~5記載のポリアセタール樹脂組成物。
少なくともトリオキサン(a)、エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物(b)とを共重合して得られるポリアセタール共重合体(B)を0.1~100質量部を混合して得られるポリアセタール樹脂組成物の製造方法であって、
該共重合体(B)が、パーフルオロアルカンスルホン酸、ヘテロポリ酸、イソポリ酸から選ばれる1種以上を重合触媒として得られるポリアセタール共重合体(B)であるポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
本発明のポリアセタール樹脂組成物はポリアセタール樹脂(A)とトリオキサン(a) 、トリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物(b)及び場合により炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物(c)を共重合して得られるポリアセタール共重合体(B)とを含有するポリアセタール樹脂組成物である事を特徴とするものである。本発明の樹脂組成物において、かかるポリアセタール共重合体(B)の配合量は、ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対し、0.1~100質量部であり、好ましくは0.5~100質量部である。
以下、本発明のポリアセタール樹脂組成物の構成について詳細に説明する。
本発明の樹脂組成物の基体であるポリアセタール樹脂(A)とは、オキシメチレン単位(-CH2O-)を主たる構成単位とする高分子化合物であり、アセタールホモポリマー(例えば米国デュポン社製、商品名「デルリン」等)、オキシメチレン基以外に他のコモノマー単位を含有するアセタールコポリマー(例えば、ポリプラスチックス(株)社製、商品名「ジュラコン」等)が含まれる。
本発明のポリアセタール共重合体(B)は、トリオキサン(a)、トリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物(b)及び場合により、炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物(c)とを共重合したアルコキシシリル基を含むポリアセタール共重合体(B)である。
本発明において用いられるトリオキサンとは、ホルムアルデヒドの環状三量体であり、一般的には酸性触媒の存在下でホルムアルデヒド水溶液を反応させることによって得られ、これを蒸留等の方法で精製して用いられる。
本発明で使用する(b)成分は、エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物であることを特徴とする。
すなわちトリオキサン共重合官能基とアルコキシシリル基の間には、炭素鎖またはエーテル結合だけが存在することを意味する。
その距離は、炭素数として2~20であることが好ましく、エーテル結合の数は、0~5であることが好ましく、0~2であることがさらに好ましい。
下記に好ましい化合物を例示する。なお、Meはメチル基、Etはエチル基を表す。これらのうち、最も好ましい化合物は重合収率の観点から、b-1(2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシラン)またはb-2(2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリエトキシシラン)である。
本発明の炭素数2以上のオキシエチレン基を環内に有する環状アセタール化合物とは、ポリアセタール共重合体の製造においてコモノマーとして一般に使用される化合物である、具体的には、1,3-ジオキソラン(DO)、1,3,6-トリオキソカン、1,4-ブタンジオールホルマール(BDFと略す)等が挙げられる。
本発明のポリアセタール共重合体(B)の重合方法は、(a)トリオキサン、(b)エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合のみによって結合している化合物、および場合により(c)炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物とを、カチオン重合触媒の存在下、共重合させることを特徴とする。
カチオン重合触媒としては、トリオキサンを主モノマーとするカチオン共重合において公知の重合触媒が使用できる。代表的には、ルイス酸、プロトン酸が挙げられる。特に、以下に示すプロトン酸であることが好ましい。
プロトン酸としては、パーフルオロアルカンスルホン酸、ヘテロポリ酸、イソポリ酸が挙げられる。
パーフルオロアルカンスルホン酸の具体例として、トリフルオロメタンスルホン酸、ペンタフルオロエタンスルホン酸、ヘプタフルオロプロパンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸、ウンデカフルオロペンタンスルホン酸、トリデカフルオロヘキサンスルホン酸、ペンタデカフルオロへプタンスルホン酸、ヘプタデカフルオロオクタンスルホン酸が挙げられる。
ルイス酸としては、例えば、ホウ素、スズ、チタン、リン、ヒ素及びアンチモンのハロゲン化物が挙げられ、具体的には三フッ化ホウ素、四塩化スズ、四塩化チタン、五フッ化リン、五塩化リン、五フッ化アンチモン及びその錯化合物又は塩が挙げられる。
カチオン重合触媒は、重合に影響のない不活性な溶剤で希釈して使用することが好ましい。
重合触媒を中和し失活するための塩基性化合物は、特に限定されるものでない。重合及び失活の後、必要に応じて更に、洗浄、未反応モノマーの分離回収、乾燥等を従来公知の方法にて行う。
上記の如き本発明の樹脂組成物には、必要に応じて選択される各種安定剤を配合するのが好ましい。ここで用いられる安定剤としては、ヒンダードフェノール系化合物、窒素含有化合物、アルカリ或いはアルカリ土類金属の水酸化物、無機塩、カルボン酸塩等のいずれか1種または2種以上を挙げることができる。
実施例および比較例で使用したポリアセタール樹脂およびポリアセタール共重合体(B)は以下の通りである。
ポリアセタール樹脂は、次のようにして調製した。
二軸パドルタイプの連続式重合機にトリオキサン(TOX)96.7質量%と1,3-ジオキソラン(DO)3.3質量%と800ppmのメチラールの混合物を連続的に供給し、触媒として三フッ化ホウ素20ppmを添加し重合を行った。
重合機吐出口より排出された重合体は、直ちにトリエチルアミン1000ppm含有水溶液を加えて粉砕、攪拌処理を行うことにより触媒の失活を行った。次いで、遠心分離により重合体を回収し、乾燥を行うことによりポリアセタール樹脂を得た。
ポリアセタール共重合体(B)は、次のようにして調製した。
熱媒を通すことのできるジャケットと撹拌羽根を有する密閉オートクレーブ中に300gのトリオキサン(TOX)(a)を入れ、さらに(b)成分として表1に記載の化合物、(c)成分として1,3-ジオキソラン(DO)または1,4-ブタンジオールホルマール(BDF)を、それぞれ表1に示した質量部になるように添加した。これら内容物を撹拌し、ジャケットに80℃の温水を通して内部温度を約80℃に保った後、触媒溶液(リンタングステン酸はギ酸メチルの溶液、トリフルオロメタンスルホン酸はシクロヘキサンの溶液)を表1に示す触媒濃度(対全モノマー)になる様に加えて重合を開始した。
5分後にこのオートクレーブへトリエチルアミン1000ppmを含む水300gを加えて反応を停止し、内容物を取り出して200メッシュ以下に粉砕した。次いで、アセトンで洗浄した後に、乾燥を行うことによりポリアセタール共重合体を得た。
表1に示す各種成分を表1に示す割合で添加混合し、ベント付き二軸の押出機で溶融混練してペレット状の組成物を調製した。
なお、全ての試料において、溶融混錬の際に(A)成分と(B)成分の合計量100質量部に対してエチレンビス(オキシエチレン)ビス[3-(5-tert―ブチル-4-ヒドロキシ-m-トリル)プロピオネート](BASF製 IRGANOX245)0.35質量部とメラミン 0.08質量部を添加した。
実施例における特性評価項目及び評価方法は以下の通りである。
[曲げ試験]
機械物性としてISO178に準拠した曲げ弾性率(FM)を測定した。測定室の条件は、23℃55%RHとした。
Claims (7)
- ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、
少なくともトリオキサン(a)、エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物(b)とを共重合して得られるポリアセタール共重合体(B)を0.1~100質量部を混合して得られるポリアセタール樹脂組成物。 - 前記共重合体(B)が、パーフルオロアルカンスルホン酸、ヘテロポリ酸、イソポリ酸から選ばれる1種以上を重合触媒として得られるポリアセタール共重合体(B)である請求項1記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記共重合体(B)が、コモノマーとしてさらに(c)炭素数2以上のオキシアルキレン基を環内に有する環状アセタール化合物を共重合して得られたポリアセタール共重合体(B)である請求項1または2記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記アルコキシシリル基が、トリアルコキシシリル基およびジアルコキシシリル基から選ばれる少なくとも一種である請求項1~3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- 前記(b)化合物が、2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリメトキシシランおよび2-(3、4-エポキシシクロヘキシル)-エチルトリエトキシシランから選ばれる少なくとも1種である請求項1~3のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- ポリアセタール樹脂(A)がアセタールコポリマーである請求項1~5のいずれか一項に記載のポリアセタール樹脂組成物。
- ポリアセタール樹脂(A)100質量部に対して、
少なくともトリオキサン(a)、エポキシ基および環状アセタール基から選ばれる少なくとも一種のトリオキサン共重合性官能基ならびにアルコキシシリル基を有し、該トリオキサン共重合性官能基と該アルコキシシリル基は、炭素-炭素結合またはエーテル結合から選択される結合連鎖のみによって結合している化合物(b)とを共重合して得られるポリアセタール共重合体(B)を0.1~100質量部を混合して得られるポリアセタール樹脂組成物の製造方法であって、
該共重合体(B)が、パーフルオロアルカンスルホン酸、ヘテロポリ酸、イソポリ酸から選ばれる1種以上を重合触媒として得られるポリアセタール共重合体(B)であるポリアセタール樹脂組成物の製造方法。
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