JP7127527B2 - ダイカストマシンの射出装置および鋳造方法 - Google Patents

ダイカストマシンの射出装置および鋳造方法 Download PDF

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Description

本発明は、スリーブの内側で進退可能なプランジャによりダイカストマシンのキャビティに向けて溶湯を射出する射出装置、およびその射出装置を用いた鋳造方法に関する。
溶湯が供給されるスリーブ内や、スリーブ内からプランジャにより溶湯が射出されるキャビティの真空度を効率よく高めてダイカスト製品における巻き込み巣の発生を抑えるため、スリーブの内側を吸引する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、真空ポンプを用いてスリーブの内側を吸引するダイカストマシンが記載されている。
かかるダイカストマシンは、スリーブの内側および金型のキャビティを吸引するために第1~第4の吸引装置を備えている。スリーブの内側の吸引には第1吸引装置および第2吸引装置が用いられる。第1吸引装置は、アルミニウム合金等の溶湯が注入される注湯口の近傍でかつ注湯口よりも前方に位置する孔を通じてスリーブ内を吸引する。第2吸引装置は、プランジャのチップとプランジャロッドのフランジとの間のくびれ部とスリーブの内周面との間に形成される閉空間を吸引することにより、チップのくびれ部とスリーブの内周面との間の隙間を介してスリーブ内を吸引する。くびれ部により形成された閉空間の吸引は、プランジャロッドのフランジに軸方向に沿って形成された貫通孔を通じて行われる。
特許文献1では、スリーブ内に溶湯を注入した後、プランジャのチップにより注湯口が閉鎖される位置までプランジャが前進すると、先ず、注湯口の近傍の孔を通じて第1吸引装置によりスリーブ内におけるチップよりも前方の空間の気体を吸引する。このときスリーブ内の前方の空間を介してキャビティの気体も吸引される。
次いで、注湯口の近傍の孔がチップにより閉鎖される位置までプランジャが前進すると、第2吸引装置による吸引に移行する。第2吸引装置は、プランジャのくびれ部とスリーブの内周面との間に区画された閉空間をプランジャロッドのフランジの軸方向の貫通孔を通じて吸引することで、スリーブ内のチップよりも前方の空間を吸引する。
第2吸引装置による吸引を開始した後、第3吸引装置によりキャビティ内の吸引を開始する。
特許文献1の記載によれば、第1吸引装置によりキャビティ内がスリーブを介して吸引されるため、キャビティ内の真空度がスリーブ内の真空度よりも高くなることが防止され、これにより先湯の発生が抑制される。
特開2014-117741号公報
吸引により大気圧に対して負圧となるスリーブ内に外気が流入することでスリーブ内の溶湯が暴れると、溶湯の飛沫の付着により吸引用の孔が閉塞したり、真空ラインへの溶湯成分(溶湯カス)の堆積により吸引効率の低下を招いたりする場合がある。
「溶湯が暴れる」は、例えばスリーブの後端からプランジャとスリーブとの径方向の隙間を通じてチップよりも前方に外気が吹き込むことで、溶湯が泡立ち飛散したり、湯面が激しく揺れ動いたりすることを言う。こうした溶湯の暴れに起因して吸引用の経路が閉塞したり、吸引効率が低下したりすることなく、スリーブ内の気体を安定して吸引したい。
特許文献1に記載されたダイカストマシンについても、スリーブ内の吸引時に溶湯が暴れることで吸引用の孔や配管が閉塞するリスクがある。
以上より、本発明は、吸引されたスリーブ内への外気の流入を防いで溶湯の暴れを抑制することにより、スリーブ内の安定した吸引を実現することを目的とする。
本発明は、溶湯が内側に供給されるスリーブと、スリーブの内側で進退可能なプランジャと、を備え、プランジャによりダイカストマシンのキャビティに向けて溶湯を射出する射出装置であって、プランジャのチップには、スリーブの内周部に対して径方向の内側に退避し、周方向に連続する吸引用凹部が区画され、チップの前端よりも前方の空間と、吸引用凹部の内側とを吸引可能に構成され、プランジャの進退方向におけるスリーブの所定の第1箇所と、第1箇所から後方に離れた第2箇所とにおいて、スリーブを内側と外側とに亘りそれぞれ貫通した貫通部を通じてスリーブの内側を吸引可能であり、第1箇所における貫通部の開口面積が、第2箇所における貫通部の開口面積と比べて大きいことを特徴とする。
「吸引用凹部の内側」は、チップとスリーブとの間に区画された空間を意味するものとする。
本発明のダイカストマシンの射出装置において、第1箇所の貫通部は、前方の空間の吸引に用いられ、第2箇所の貫通部は、吸引用凹部の内側の吸引に用いられることが好ましい。
また、本発明は、溶湯が内側に供給されるスリーブの内側で進退可能なプランジャによりダイカストマシンのキャビティに向けて溶湯を射出する射出装置を用いた鋳造方法であって、プランジャのチップには、スリーブの内周部に対して径方向の内側に退避し、周方向に連続する吸引用凹部が区画され、プランジャの進退方向におけるスリーブの所定の第1箇所と、第1箇所よりも後方の第2箇所とにおいて、スリーブを内側と外側とに亘りそれぞれ貫通した貫通部を通じてスリーブの内側を吸引可能であり、第1箇所における貫通部の開口面積が、第2箇所における貫通部の開口面積と比べて大きく、チップの前端よりも前方の空間と連通する第1箇所の貫通部を通じて前方の空間を吸引により減圧させながら、吸引用凹部の内側と連通する第2箇所の貫通部を通じて吸引用凹部の内側を吸引により減圧させることを特徴とする。
本発明のダイカストマシンの射出装置およびそれを用いた鋳造方法によれば、後述するように、吸引されたスリーブ内への外気の流入を防いで溶湯の暴れを抑制することにより、スリーブ内の安定した吸引を実現することができる。
本発明の実施形態に係るダイカストマシンの一部が破断された側面図である。 図1に示すダイカストマシンに備わる射出装置のスリーブ内を吸引する系統を模式的に示す図である。 スリーブ真空工程の一例を示すフロ-チャートである。 (a)は、図1に示すダイカストマシンの射出装置の要部を示す一部破断側面図である。(b)は、(a)のIVbの位置における射出装置の断面図である。 スリーブの第1箇所および第2箇所にそれぞれ形成された貫通部の一例を示す模式図である。 (a)~(c)は、図1に示すダイカストマシンによるスリーブ真空吸引の一連のステップを示す図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の一実施形態について説明する。
(ダイカストマシンの概略構成)
図1は、本発明の一実施形態に係る射出装置1を備えたダイカストマシン100の概略側面図(一部に断面図を含む)である。
ダイカストマシン100は、可動金型22が設置された可動盤4と、固定金型21が設置された固定盤5と、可動盤4および固定盤5を支持するマシンベース8と、キャビティ23に向けて溶湯18を射出する射出装置1と、ダイカストマシン100の各部の動作を制御する制御装置3とを備えている。
ダイカストマシン100は、溶湯18への気体の巻き込みに起因する鋳巣(巻き込み巣)の発生を抑えるため、キャビティ23と、射出装置1のスリーブ11の内側との真空引きを行う。
可動盤4と固定盤5の挿通孔には、4本のタイバー7が挿通されている。可動盤4はタイバー7に沿って固定盤5に対して進退自在に移動する。固定金型21と可動金型22が、図1に示す様に係合することによって、それらの間にキャビティ(製品部)23が形成される。アルミニウムやアルミニウム合金等の溶湯18がキャビティ23に射出・充填されることで、鋳造成形品が製造される。
可動盤4は、押出ピン42が取り付けられた押出板41を備えている。
固定盤5には、射出装置1が設けられている。射出装置1は、溶湯18が内側に供給されるスリーブ11と、スリーブ11の内側でスリーブ11に対して進退可能なプランジャ12とを備えている。射出装置1は、プランジャ12によりキャビティ23に向けて溶湯18を射出する。
スリーブ11の前端部は、固定盤5を貫通し、固定金型21に設けられた孔10と嵌合している。スリーブ11の後端側は、固定盤5の外側に突出し、後方に向けて水平方向に延びている。スリーブ11の後端側には、溶湯18が注入される注湯口13が設けられている。
スリーブ11の内側と、固定金型21の孔10とを含んで貯湯室が形成されている。この貯湯室は、ランナー24およびゲート25を介してキャビティ23に連通している。
射出装置1に関し、溶湯18を射出する際のプランジャ12の移動方向の前方、つまり、キャビティ23に近い側を「前」と定義し、キャビティ23から遠い側を「後」と定義するものとする。
プランジャ12は、大略、プランジャロッド19と、プランジャロッド19の前側に設けられるプランジャチップ20とを備えている。
溶湯18を射出する際にプランジャ12は前方に向けて移動し、射出後は、後方に向けて移動する。プランジャ12が前進および後退する方向(前後方向)のことを進退方向D1と定義するものとする。
制御装置3は、進退方向D1におけるプランジャ12の位置をセンサ等により検知しつつ、プランジャ12を進退させる油圧シリンダの駆動を制御する。
プランジャ12の位置の検知は、一例として、油圧シリンダのストロークに対応してピストンロッドに設けられたマークを、非接触センサで検知することで行われる。
図2に示すように、射出装置1には、スリーブ11内を吸引する真空吸引系統2が設けられる。真空吸引系統2は、真空ポンプ37および真空タンク36を用いて吸引することでスリーブ11の内側を減圧させる。
本実施形態のスリーブ11には、真空吸引系統2によりスリーブ11の内側の気体を吸引可能とするため、スリーブ11の内側と外側とに亘り貫通した2つの貫通部(吸引口)14,15がスリーブ11の軸方向(D1)に並んで配置されている。これらの貫通部14,15は、スリーブ11の内側に供給される溶湯18の湯面よりも上方に位置するように、スリーブ11の上部に形成されている。
貫通部15は、進退方向D1におけるスリーブ11の所定の第1箇所C1でスリーブ11の周壁を厚さ方向に貫通している。
貫通部14は、第1箇所C1から後方に離れた第2箇所C2でスリーブ11の周壁を厚さ方向に貫通している。
真空吸引系統2は、貫通部14,15を通じてスリーブ11内の気体を抜くことで、スリーブ11内を所定の真空度に減圧させる。真空吸引系統2によりスリーブ11内が減圧されることによりスリーブ11内を通じてキャビティ23も吸引されるため、真空吸引系統2は、スリーブ11内およびキャビティ23を減圧させることができる。
ダイカストマシン100は、典型的には、金型に設けられた吸引用経路を通じてキャビティ23を直接的に減圧させる別の真空吸引系統(図示しない)を備えている。
かかる真空吸引系統は、例えば、固定金型21と可動金型22との境界部に備えられたチルベント27(Chill‐Vent)に設けられている1以上の連結口28を通じて、キャビティ23から空気等の気体を直接的に吸引する。吸引される気体には、空気の他、溶湯や金型離型剤の蒸気等が含まれうる。
制御装置3(図1)は、真空吸引系統2を含め、ダイカストマシン100の真空吸引系統に備わる種々のバルブを適宜なタイミングで開閉することにより、それぞれの系統によるスリーブ11内およびキャビティ23の吸引状態を制御することができる。
(真空吸引系統)
図2を参照し、スリーブ11の内側を吸引可能な真空吸引系統2の構成の一例を説明する。真空吸引系統2は、真空ポンプ37と、真空タンク36と、合流・分配部34と、スリーブ11の貫通部14,15に個別に対応する吸引経路51とを備えている。
各吸引経路51は、スリーブ11内から吸引される気体の流れの上流から下流に向けて、真空引き用の真空フィルタ31と、吸引経路51内の圧力を検出する圧力計、連成計、圧力センサ等である圧力検出部32と、貫通部14,15を選択的に真空タンク36に連通させる選択バルブ33とをこの順序で備えている。
選択バルブ33の開閉により、貫通部14,15のそれぞれを適時に、真空タンク36に連通させることができる。また、スリーブ11への溶湯の充填率等に応じて、貫通部14,15のいずれか一方あるいは両方を真空タンク36に連通させることができる。
真空タンク36の内部は、真空ポンプ37を作動させて行う真空引きによって減圧される。真空タンク36を使用すると、真空ポンプ37を連続して作動させながら、真空タンク36との圧力差によりスリーブ11内の気体を真空タンク36へと適時に吸引することができる。
貫通部14,15は、プランジャ12の進退方向D1における位置や、貫通部14,15からの吸引の状態等に応じて、真空タンク36と選択的に連通されることが好ましい。貫通部14,15にそれぞれ対応する選択バルブ33は、圧力検出部32により検出された吸引経路51内の圧力や、進退方向D1におけるプランジャ12の位置等に応じて開閉されるように、制御することができる。
真空吸引系統2により真空引きを行う際は、貫通部14,15のうち、対応する選択バルブ33が開かれた状態にある貫通部を通じて、真空タンク36内とスリーブ11内との圧力差に基づき、スリーブ11の内側の気体が吸引経路51に流入する。吸引経路51に流入した気体は、真空フィルタ31、圧力検出部32、選択バルブ33を経て合流・分配部34において他の吸引経路51からの流れと合流し、さらに真空/エアブロウ切換弁35および配管55を経て、真空タンク36に流入する。
真空吸引時には、圧力検出部32により検出される吸引経路51の圧力(真空度)を監視して、正常に真空引きが行われていることを確認することが好ましい。例えば、溶湯カスに起因して一部の貫通部や吸引経路51が閉塞したり、閉塞しないまでも、溶湯カスの堆積により開口が狭められたり、あるいは真空フィルタ31が目詰まりしたりするならば、圧力検出部32により検出される圧力が正常範囲を高い側に逸脱する。この場合は、異常の起きた貫通部や吸引経路51の清掃、真空フィルタ31の清掃または交換等を行うとよい。
(エアブロウ)
貫通部14,15と、貫通部14,15のそれぞれの吸引経路51を、加圧された空気をスリーブ11の内側に噴出させるエアブロウを実施するための経路としても使用することができる。エアブロウにより、吸引経路51や貫通部14,15から溶湯カスを除去することができる。
エアブロウを行う加圧空気供給系統9(図2)は、加圧空気の供給源である圧縮空気源39と、圧縮空気源39により空気が送り込まれることで内部に圧力を蓄える加圧タンク38とを備えている。
本実施形態の真空吸引系統2および加圧空気供給系統9は、合流・分配部34よりも下流(真空吸引時の下流)に設置される真空/エアブロウ切換弁35を含んで構成されている。真空/エアブロウ切換弁35は、合流・分配部34の接続先を真空引きの配管55とエアブロウの配管56とに切り換えることで、真空吸引の実施とエアブロウの実施とを切り換える。
合流・分配部34よりも上流(真空吸引時の上流)の吸引経路51は、真空引き時とエアブロウ時とにおいて共通である。したがって、貫通部14,15への配管の付け替えにより鋳造品の生産が中断することなく、エアブロウと真空引きとを連続して行うことができる。
圧力検出部32は、真空引き時の圧力に加え、エアブロウ時の圧力をも検出可能であることが好ましい。
一部の選択バルブ33を閉めると、開いている選択バルブ33に対応する貫通部や吸引経路51におけるエアの流量が増加するので清掃効果が高まる。
貫通部14,15を通じたエアブロウは、エアブロウにより溶湯18が暴れたり、給湯に支障が出たりしないように、給湯の直前を避け、スリーブ11内に溶湯18が貯留されていない状態において行うことができる。
図3に示すステップS104からステップS114までの回路A(制御回路)によるスリーブ真空の過程は、貫通部14,15にそれぞれ対応する選択バルブ33の基本的な動作を示している。
ここで、スリーブ真空の開始時は、全ての貫通部14,15が開いているものとする。スリーブ真空の開始後、前進したプランジャ12のチップ20により貫通部14,15が順次閉鎖される。プランジャ12の前進により、チップ20が貫通部を通過する。チップ20の第2大径部202により貫通部が閉鎖された以降において、当該貫通部は、前方空間75にも吸引用凹部120の内側にも連通しない状態となるから、前方空間75と吸引用凹部120の内側とから吸引するスリーブ真空には使用できない。こうした貫通部は、前方空間75および吸引用凹部120の内側に連通していない状態とは言え、真空タンク36の圧力上昇を抑制して吸引効率を維持し、当該貫通部に溶湯カスが入ることを避けるため、使用不能後には、対応する選択バルブ33を閉めることが好ましい。
したがって、以下に述べるように、プランジャ12の前進に伴い、貫通部14,15のそれぞれについて、プランジャチップ20の第2大径部202により閉鎖される位置にプランジャ12が到達した時点で、当該貫通部に対応する選択バルブ33を順次、閉めている。
つまり、プランジャ12の前進に伴い、貫通部14,15に対応する選択バルブ33が順次閉められる。
図3に示すステップS101では、真空タンク36の内部が十分な真空度にまで達したことを確認して、準備完了の信号を出す。
ステップS102では、注湯後、プランジャ12が前進して、注湯口13を閉鎖する位置を超えた後に、真空吸引系統2によりスリーブ11を真空に引く動作を開始する。プランジャ12の進退方向D1における所定の位置を、真空吸引が開始される真空開始位置として定めることができる。設定された真空開始位置へのプランジャ12の到達の検知は、プランジャ12を駆動する油圧シリンダのストロークを、非接触センサ等で検知することにより行う。以下のステップにおける各設定位置へのプランジャ12の到達についても、同様にして検知する。
ステップS103では、真空/エアブロウ切換弁35を、真空吸引に切り換える。
ステップS104では、プランジャ12が、貫通部14(吸引口)を閉にする設定位置(図2/後方貫通部閉塞位置)に到達する。
ステップS105では、貫通部14に対応した選択バルブ33を閉にする。
ステップS106では、プランジャ12が、貫通部15を閉にする設定位置(図2/前方貫通部閉塞位置)に到達する。ここで、プランジャ12が、貫通部15を閉にする設定位置に到達する直前において、貫通部15に対応する吸引経路51の真空度を、圧力検出部32を用いて測定する。
ステップS107では、貫通部15に対応した選択バルブ33を閉にする。
ステップS108では、真空/エアブロウ切換弁35を、切(中立位置)にする。
ステップS109では、各貫通部14,15の選択バルブ33を、全て開にする。
ステップS110では、真空/エアブロウ切換弁35を、エアブロウに切り換える。
ステップS111では、真空吸引系統2と配管の一部が共通である加圧空気供給系統9により、加圧タンク38を使用し、貫通部を通じてスリーブ11内にエアを噴出させる処理であるエアブロウを行う。この際、各貫通部14,15の選択バルブ33が、全て開の状態でも良いし、選択バルブ33を、順に1個ずつ開にしても良い。エアブロウを終えたならば、真空/エアブロウ切換弁35を、切(中立位置)にする(S114)。
ステップS112では、エアブロウを実施している間に、圧力検出部32により貫通部14,15の各吸引経路51の圧力を測定し、その圧力に基づいて配管内や真空フィルタ31の目詰まりの有無について判定を行う。目詰まりが発生した場合は、ランプやブザーなどにより、警報を出す(ステップS113)。
選択バルブ33は、対応する貫通部がチップ20の第2大径部202により閉鎖された状態にある間に閉められることが好ましい。第2大径部202が当該貫通部を通過することで、当該貫通部がプランジャロッド19の周りの図4の空間88と連通したときに、選択バルブ33が開いていると、外気が空間88から当該貫通部を介して吸引経路51を経由して真空タンク36に流入する可能性がある。これは意図しないため、例えば、図6(c)に示すステップでは、チップ20により閉鎖されている状態の貫通部14に対応する選択バルブ33を閉めることが好ましい。
上述した選択バルブ33の動作は一例に過ぎない。選択バルブ33は、各貫通部の閉鎖に基づく使用不能だけでなく、上述したように、溶湯カスに起因する吸引経路51等の使用不能に基づいて、適切に閉めることが好ましい。あるいは、金型や製品に応じた製造条件に基づいて、貫通部14,15にそれぞれ対応する選択バルブ33を開閉することが可能である。
(プランジャチップの吸引用凹部の吸引による外気流入抑制)
真空吸引系統2(図2)により吸引されたスリーブ11内は、大気圧に対して負圧となる。そのため、スリーブ11の外側の大気である外気とスリーブ11内の気体との圧力差に基づいて、スリーブ11の後端のプランジャロッド19の周りの空間88の外気が、プランジャチップ20とスリーブ11との間の隙間を通じて、スリーブ11内の溶湯18が貯留された空間75に流入したならば、溶湯18が泡立ち飛散したり、湯面が激しく揺れ動いたりする。このように溶湯18が暴れたならば、それに伴い、スリーブ11内の溶湯18に由来する溶湯カスの量が増大する。また、溶湯18が暴れると、溶湯18に気体が巻き込まれ易い。
本実施形態では、吸引されたスリーブ11内の溶湯18が貯留される空間75への外気の流入を防いで溶湯18の暴れを抑制することにより、溶湯カスに起因する貫通部14,15および吸引経路51の詰まりや吸引効率の低下を避けてスリーブ11内を安定して吸引する。
溶湯18の暴れを抑えることで溶湯18への気体の巻き込みが抑えられるため、巻き込み巣の発生が防止される。
本実施形態では、スリーブ11内の前方の空間75に外気が流入するのを抑えるため、貫通部14,15を用いて、前方空間75と、プランジャチップ20の吸引用凹部120の内側との双方を真空吸引する。
図4に示すように、プランジャチップ20は、プランジャロッド19の径と比べて径が大きく、プランジャ12の前進時にスリーブ11内に貯留されている溶湯18を前方に向けて押し出す。
プランジャロッド19は、チップジョイント20Dによりプランジャチップ20と締結されている。
プランジャチップ20(図4)は、進退方向D1の前側に位置する第1大径部201と、進退方向D1の後側に位置し、第1大径部201との間に吸引用凹部120を区画する第2大径部202とを備えている。吸引用凹部120の位置におけるプランジャチップ20の径は、第1大径部201および第2大径部202の径と比べて小さい。そのため、プランジャチップ20の軸方向(D1)において第1大径部201と第2大径部202との間の区間のことを、小径部203と称する。小径部203の外周部203Aには、締結作業用の工具と係合する二面幅203B(図4(b))が形成されている。
吸引用凹部120は、図4(a)および(b)に示すように、スリーブ11の内周部11Aに対して径方向D2の内側に退避しており、周方向D3に連続している。
この吸引用凹部120は、プランジャチップ20の全周に亘り連続しているため、スリーブ11の内周部11Aと、吸引用凹部120に対応する小径部203の外周部203Aとの間には、環状の横断面を呈する空隙が形成される。
本実施形態では、スリーブ11に対してプランジャ12が前進する際に、前端20Aよりも前方の(キャビティ23側の)空間75と、それよりも後方の吸引用凹部120の内側との双方から真空吸引系統2により吸引することにより、空間75および吸引用凹部120の内側のいずれも大気圧に対して減圧させる。
前方の空間75と、吸引用凹部120の内側との吸引によれば、スリーブ11内において前方の空間75よりも後方に、前方空間75と圧力が同等である空間(吸引用凹部120の内側)を与えて、スリーブ11の外側の外気がスリーブ11内の前方空間75に流入するのを抑えることができる。これは、吸引用凹部120の内側における圧力P1と空間75の圧力P2との差が無いか、圧力差が有るとしても、その圧力差(P1-P2)が大気圧P0と前方空間75の圧力P2との差(P0-P2)と比べて十分に小さいことにより、外気が吸引用凹部120の内側を経て前方空間75へと流入することが抑制されるからである。
プランジャ12が前進する際に、前方空間75および吸引用凹部120の内側の双方を継続的に吸引すると、それらを吸引する間に亘り、溶湯18を貯留する前方空間75への外気の流入を抑制することができる。前方空間75を吸引する間は、吸引用凹部120の内側を間断なく吸引することで、前方空間75を吸引する間は常時、前方空間75への外気の流入を抑制することが好ましい。
本実施形態では、上述した真空吸引系統2(図2)の構成に基づいて、前方空間75および吸引用凹部120の内側の吸引を1つの真空吸引系統2により担うことができる。前方空間75から吸引された気体も、吸引用凹部120の内側から吸引された気体も、同一の真空タンク36を介して同一の真空ポンプ37により吸引される。
そのため、前方空間75および吸引用凹部120に個別に真空吸引系統を備える場合と比べて、真空ポンプ37や真空タンク36等の装置コストを低減することができる。また、真空吸引系統の数が少ないことで、気体の漏れ(リーク)の点検箇所が少ないため、点検作業効率が良い。
但し、前方空間75と、吸引用凹部120の内側とが、別々の系統を通じて吸引されることも許容される。
前方空間75への外気の流入を抑制するために、吸引用凹部120の内側を吸引することと併せて、プランジャチップ20の外周部20Cとスリーブ11の内周部11Aとの間の隙間を適宜なシール部材やチップ潤滑剤等を用いて封止することが有効である。
(貫通部の構成および効用)
さて、本実施形態の射出装置1は、進退方向D1におけるスリーブ11の第1箇所C1と第2箇所C2とにおいて、スリーブ11をそれぞれ貫通した貫通部14,15を通じてスリーブ11の内側を吸引可能であって、第1箇所C1における貫通部15の開口面積が、第2箇所C2における貫通部14の開口面積と比べて大きいことを主要な特徴とする。
図4に示すスリーブ11のように進退方向D1の長さが短いと、進退方向D1に間隔をおいてスリーブ11の多くの箇所に貫通部を配置することにより前方空間75の吸引効率に関わる開口面積を十分に確保することが難しい場合がある。この場合でも、任意の一つの箇所に開口面積の大きい貫通部を設けることにより、スリーブ11内の真空吸引のため、ひいては、スリーブ11内と連通するキャビティ23の真空吸引のために開口面積を十分に確保することができる。
以下、第1箇所C1の貫通部15のことを前方貫通部15と称し、第2箇所C2の貫通部14のことを後方貫通部14と称する。
前方貫通部15は、チップ20の前端20Aよりも前方の空間75の吸引に用いられる。後方貫通部14は、吸引用凹部120の内側の吸引に用いられる。
図5は、前方貫通部15および後方貫通部14の形態の一例を示す平面図である。図5に実線または二点鎖線で示すように、前方貫通部15は、後方貫通部14に対して開口面積が拡大されている限り、適宜な形態であってよい。
図5に実線で示す前方貫通部15は、円形の開口を呈する孔である。図5に示す後方貫通部14も同様である。この前方貫通部15には、後方貫通部14の開口径と比べて大きい開口径が与えられているため、前方貫通部15の開口面積A1が、後方貫通部14の開口面積A2と比べて大きい。
図5に二点鎖線で示す前方貫通部15は、図5に示す後方貫通部14に対して、スリーブ11の周方向D3に長い長円の形状に構成されている。この前方貫通部15の開口面積A1も、後方貫通部14の開口面積A2と比べて大きい。
その他、前方貫通部15は、後方貫通部14に対してスリーブ11の軸方向(進退方向D1)に長い長円であってもよい。
前方貫通部15および後方貫通部14は、円や長円の形態には限らず、吸引用配管との接続を考慮した上で、楕円や矩形等、適宜な形態であってよい。
前方貫通部15および後方貫通部14のそれぞれが必ずしも1つの孔のみから構成されている必要はない。前方貫通部15および後方貫通部14のそれぞれに所定の開口面積を与えることができる限り、前方貫通部15および後方貫通部14をそれぞれ、1以上の任意の数の孔から構成することができる。
例えば、1つの円形の孔からなる後方貫通部14に対して、後方貫通部14の孔と径が同じ2以上の円形の孔から前方貫通部15を構成することが可能である。この場合は、2以上の孔の集合が、前方貫通部15に相当し、前方貫通部15に、後方貫通部14の開口面積の2倍以上の開口面積を得ることができる。
前方貫通部15を構成する1以上の孔の合計の開口面積が、後方貫通部14を構成する1以上の孔の合計の開口面積よりも大きいならば、前方貫通部15および後方貫通部14のそれぞれに、適宜な数の孔を与えることができる。
前方貫通部15を構成する複数の孔は、規則的であるか不規則であるかを問わず、適宜に配置することができる。例えば、前方貫通部15を構成する複数の孔が、スリーブ11の周方向D3に並んでいてもよい。この場合は、各孔が溶湯18の湯面よりも上方に位置するように、スリーブ11の上端である12時位置の両側の所定の角度範囲に亘って複数の孔が並ぶようにするとよい。
真空吸引系統2(図2)により、前方貫通部15を通じて前方空間75を吸引し、後方貫通部14を通じて吸引用凹部120の内側を吸引する際に、より開口面積の大きい前方貫通部15を通じて吸引される前方空間75を吸引用凹部120の内側と比べてより低い圧力まで効率よく減圧させることができる。
そうすると、後方貫通部14を通じた吸引用凹部120の内側の吸引により前方空間75への外気の流入を抑えて溶湯18の暴れを防ぎ、それによって溶湯カスに起因する貫通部14,15や吸引経路51の閉塞や吸引効率の低下を避けながら、前方空間75の圧力を所望の真空度にまで減圧させて巻き込み巣の発生を抑えることができる。
本実施形態によれば、従来、溶湯カスに起因して吸引用の孔や経路がたちまち閉塞しがちなスリーブ真空吸引にあって、吸引用の経路の閉塞や吸引効率の低下を避けてスリーブ11内の安定した吸引を実現することができる。そのため、経路の閉塞等を避けるためにスリーブ内における真空度や溶湯充填率を抑えて真空吸引を行う必要がないので、高真空度・高充填率のスリーブ真空吸引を実現することができる。
(スリーブ真空吸引工程)
図6を参照し、2つの貫通部14,15を用いて、前方空間75と吸引用凹部120の内側とを吸引しつつ行われるスリーブ真空吸引の過程の一例を説明する。
本実施形態では、スリーブ11に対してプランジャ12が前進する際に、第1箇所C1の前方貫通部15と第2箇所C2の後方貫通部14とを用いて、前端20Aよりも前方の(キャビティ23側の)空間75と、それよりも後方の吸引用凹部120の内側とから継続的に吸引する。
吸引時間を十分に確保して、前方空間75および吸引用凹部120の内側を十分な真空度に高めるため、図6(a)に示すように、第2大径部202の前端が注湯口13を通過、閉塞し、かつ吸引用凹部120の内側と第2箇所C2の後方貫通部14とが連通したとき、スリーブ真空吸引を開始することが好ましい。
但し、本実施形態において、プランジャ12の前進を一旦停止した状態で前方空間75および吸引用凹部120の内側の双方を真空吸引するようにしてもよい。
スリーブ11の外側の外気が吸引用凹部120の内側を介して前方空間75に流入するのを抑えるため、前方空間75の真空吸引の開始に先行して、吸引用凹部120の内側の真空吸引を開始することが好ましい。
図6(a)に示す状態のとき、前方空間75および吸引用凹部120の内側のいずれも、チップ20により、注湯口13と連通しない状態にスリーブ11内に区画されている。また、前方空間75には前方貫通部15が連通し、吸引用凹部120の内側には後方貫通部14が連通している。
そのため、図6(a)に実線の矢印で示すように、前方空間75からは前方貫通部15を通じて真空吸引系統2(図2)により吸引可能であり、図6(a)に破線の矢印で示すように、吸引用凹部120の内側からは後方貫通部14を通じて真空吸引系統2により吸引可能である。
その後、前進したプランジャ12のチップ20の第1大径部201により、図6(b)に示すように前方貫通部15が閉鎖されるまでの間に亘り、前方空間75と吸引用凹部120の内側との双方からの真空吸引を継続することができる。
図6(b)に示すように前方貫通部15が第1大径部201により閉鎖された後も、第1大径部201とスリーブ11との間の隙間89(図6(c))を介して前方空間75を前方貫通部15から吸引しつつ、吸引用凹部120の内側も隙間90を介して後方貫通部14から吸引することができる。前方空間75からの吸引を終えた後も、吸引用凹部120の内側から吸引することで、引き続き、前方空間75への外気流入を抑えることができる。
本実施形態では、前方空間75と吸引用凹部120の内側とにそれぞれ対応する吸引用の貫通部が、進退方向D1におけるスリーブ11の第1箇所C1および第2箇所C2の2箇所に設けられている。そのため、少なくとも、前方貫通部15が閉鎖される直前まで、図6(b)に破線の矢印で示すように、吸引用凹部120の内側と直接的に連通する後方貫通部14を通じて吸引用凹部120の内側から継続して吸引できれば良い。
図6(b)に示すように、第1大径部201により前方貫通部15が閉鎖されたならば、少なくとも、前方空間75に直接的に連通した前方貫通部15を通じて行われる真空吸引は終了する。図6(b)または(c)に示す状態のとき、吸引用凹部120の内側が、前方貫通部15に必ずしも連通している必要はない。
以上より、本実施形態によれば、前方空間75に連通した前方貫通部15を通じて、前方空間75の直接的な真空吸引を終える直前まで、吸引用凹部120の内側と連通した後方貫通部14を通じて吸引用凹部120の内側の直接的な真空吸引を継続することができる。
但し、溶湯18の暴れによる巻き込み巣の発生や、溶湯カスによる貫通部等の閉塞の状態に影響が出ない程度の短い時間であれば、真空吸引の中断が許容される。
つまり、外気流入を抑えてスリーブ真空吸引が安定して成立する限りにおいて、スリーブ真空吸引の開始から終了までの間の一部において、前方空間75および吸引用凹部120の内側のいずれか一方あるいは両方の吸引が中断されたり、前方空間75と吸引用凹部120の内側とのスリーブ真空吸引の開始や終了のタイミングが異なっていたりすることが許容される。
図示を省略するが、吸引用凹部120の進退方向D1の寸法(Lp0)が貫通部14,15の間の間隔の進退方向D1における寸法(Ls3)と比べて小さい場合は、第1大径部201により前方貫通部15が閉鎖され、かつ第2大径部202により後方貫通部14が閉鎖されたときに、吸引用凹部120の内側に連通する貫通部が存在しないことで、吸引用凹部120の内側の真空吸引が中断される場合があり得る。このとき溶湯18が暴れたとしても、貫通部14,15の他に、開口した貫通部が存在しないので、少なくとも、溶湯18の飛散により貫通部が閉塞する懸念はない。
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
A 回路
A1,A2 開口面積
C1 第1箇所
C2 第2箇所
D1 進退方向
D2 径方向
D3 周方向
P0 大気圧
P1,P2 圧力
1 射出装置
2 真空吸引系統
3 制御装置
4 可動盤
5 固定盤
7 タイバー
8 マシンベース
9 加圧空気供給系統
10 孔
11 スリーブ
11A 内周部
12 プランジャ
13 注湯口
14 後方貫通部(第2箇所の貫通部)
15 前方貫通部(第1箇所の貫通部)
18 溶湯
19 プランジャロッド
20 プランジャチップ
20A 前端
20C 外周部
20D チップジョイント
21 固定金型
22 可動金型
23 キャビティ
24 ランナー
25 ゲート
27 チルベント
28 連結口
31 真空フィルタ
32 圧力検出部
33 選択バルブ
34 合流・分配部
35 真空/エアブロウ切換弁
36 真空タンク
37 真空ポンプ
38 加圧タンク
39 圧縮空気源
41 押出板
42 押出ピン
51 吸引経路
55,56 配管
75 前方空間
88 空間
89,90 隙間
100 ダイカストマシン
120 吸引用凹部
201 第1大径部
202 第2大径部
203 小径部
203A 外周部
203B 二面幅

Claims (2)

  1. 溶湯が内側に供給されるスリーブと、前記スリーブの内側で進退可能なプランジャと、を備え、前記プランジャによりダイカストマシンのキャビティに向けて前記溶湯を射出する射出装置であって、
    前記プランジャのチップには、前記スリーブの内周部に対して径方向の内側に退避し、周方向に連続する吸引用凹部が区画され、
    前記チップの前端よりも前方の空間と、前記吸引用凹部の内側とを吸引可能に構成され、
    前記プランジャの進退方向における前記スリーブの所定の第1箇所と、前記第1箇所から後方に離れた第2箇所とにおいて、前記スリーブを内側と外側とに亘りそれぞれ貫通した貫通部を通じて前記スリーブの内側を吸引可能であり、
    前記第1箇所における前記貫通部の開口面積が、前記第2箇所における前記貫通部の開口面積と比べて大き
    前記スリーブに前記溶湯が供給された後に、前記前方の空間と連通する前記第1箇所の前記貫通部を通じて前記前方の空間を吸引により減圧させながら、前記吸引用凹部の内側と連通する前記第2箇所の前記貫通部を通じて前記吸引用凹部の内側を吸引により減圧させつつも、前記前方の空間および前記吸引用凹部の内側のいずれか一方または両方の吸引の一時的中断と、前記前方の空間および前記吸引用凹部の内側のそれぞれの吸引の開始のタイミングの相違と、前記前方の空間および前記吸引用凹部の内側のそれぞれの吸引の終了のタイミングの相違とが許容される、
    ことを特徴とするダイカストマシンの射出装置。
  2. 溶湯が内側に供給されるスリーブの内側で進退可能なプランジャによりダイカストマシンのキャビティに向けて前記溶湯を射出する射出装置を用いた鋳造方法であって、
    前記プランジャのチップには、前記スリーブの内周部に対して径方向の内側に退避し、周方向に連続する吸引用凹部が区画され、
    前記プランジャの進退方向における前記スリーブの所定の第1箇所と、前記第1箇所よりも後方の第2箇所とにおいて、前記スリーブを内側と外側とに亘りそれぞれ貫通した貫通部を通じて前記スリーブの内側を吸引可能であり、
    前記第1箇所における前記貫通部の開口面積が、前記第2箇所における前記貫通部の開口面積と比べて大きく、
    前記スリーブに前記溶湯が供給された後に、前記チップの前端よりも前方の空間と連通する前記第1箇所の前記貫通部を通じて前記前方の空間を吸引により減圧させながら、前記吸引用凹部の内側と連通する前記第2箇所の前記貫通部を通じて前記吸引用凹部の内側を吸引により減圧させつつも、前記前方の空間および前記吸引用凹部の内側のいずれか一方または両方の吸引の一時的中断と、前記前方の空間および前記吸引用凹部の内側のそれぞれの吸引の開始のタイミングの相違と、前記前方の空間および前記吸引用凹部の内側のそれぞれの吸引の終了のタイミングの相違とが許容される、
    ことを特徴とする鋳造方法。
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