JP7127464B2 - 水処理システム - Google Patents

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Description

本発明は、水処理システムに関する。
逆浸透膜を用いた膜ろ過プロセスを実行する水処理システムにおいて、微生物の繁茂に由来するバイオフィルムの抑制のため、微生物を除去するための塩素系殺菌剤として次亜塩素酸ナトリウムが用いられることがある。
例えば、特許文献1は、逆浸透膜を用いた造水方法であって、バイオフィルムの発生によるバイオファウリングの抑制のため、次亜塩素酸ナトリウムを水処理システム中の逆浸透膜に流入させる造水方法を開示している。
特開2016-190214号公報
しかし、水処理システムへの次亜塩素酸ナトリウムの薬注により逆浸透膜は劣化する。逆浸透膜の劣化を防ぐため、水処理システムに安定化剤を添加することがあるが、添加する安定化剤の種類によって、逆浸透膜に与えるダメージのリスクやバイオファウリングの抑制の度合いは異なる。
また、同一の薬剤を継続的に薬注することにより、バイオフィルムが由来する微生物として耐性菌が発生し、薬注開始からの時間経過に伴って、バイオファウリングを抑制する効果が落ちてしまうことがある。
本発明は、耐性菌の発生を予防すると共に、逆浸透膜の膜劣化を極力抑えながら、効果的にバイオファウリングを抑制することが可能な水処理システムを提供することを目的とする。
本発明に係る第1の水処理システムは、給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、給水を前記逆浸透膜モジュールに供給する給水ラインと、前記逆浸透膜モジュールで分離された透過水を送出する透過水ラインと、前記逆浸透膜モジュールで分離された濃縮水を送出する濃縮水ラインと、前記濃縮水の一部又は全部を濃縮排水として、系外に排出する濃縮排水ラインと、給水に安定化剤、及び臭素化合物を薬注する薬注手段と、前記薬注手段が実行する給水中の薬剤濃度調整工程を、給水に安定化剤を薬注する第1の薬剤濃度調整工程と、給水に安定化剤、及び臭素化合物を薬注する第2の薬剤濃度調整工程との間で切り替える薬剤濃度調整部と、を備える、水処理システムに関する。
また、第1の水処理システムは、給水中の遊離塩素濃度を調整する遊離塩素濃度調整手段を更に備え、前記薬剤濃度調整部は、給水中の遊離塩素濃度を調整すると共に、給水に安定化剤を薬注する第1の薬剤濃度調整工程と、給水中の遊離塩素濃度を調整すると共に、給水に安定化剤、及び臭素化合物を薬注する第2の薬剤濃度調整工程との間で切り替えることが好ましい。
また、前記薬剤濃度調整部は、当該水処理システムの運転時間に基づいて前記薬注手段及び前記遊離塩素濃度調整手段によって実行される薬剤濃度調整工程を切り替えることが好ましい。
また、第1の水処理システムは、前記逆浸透膜モジュールにおいて濃縮水が流れる経路の入出差圧である膜間差圧を測定する膜間差圧測定手段、又は前記逆浸透膜モジュールにおける透過流束値を算出する透過流束値算出手段を更に備え、前記膜間差圧測定手段により測定された膜間差圧の値が第1の閾値を超えた場合、又は前記透過流束値算出手段により算出された前記透過流束値が第2の閾値以下の場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記第1の薬剤濃度調整工程に切り替え、前記膜間差圧の値が前記第1の閾値以下の場合、又は前記透過流束値が前記第2の閾値を超えた場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記第2の薬剤濃度調整工程に切り替えることが好ましい。
また、前記膜間差圧測定手段により測定された膜間差圧の値が前記第1の閾値よりも高い第3の閾値を超えた場合、又は前記透過流束値算出手段により算出された前記透過流束値が前記第2の閾値よりも低い第4の閾値以下の場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記安定化剤の薬注量を減少させることが好ましい。
また、前記膜間差圧測定手段により測定された膜間差圧の値が前記第3の閾値よりも高い第5の閾値を超えた場合、又は前記透過流束値算出手段により算出された前記透過流束値が前記第4の閾値よりも低い第6の閾値以下の場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記遊離塩素濃度を増加させることが好ましい。
また、前記遊離塩素濃度調整手段は、給水に還元剤を薬注する第2薬注手段であることが好ましい。
また、第1の水処理システムは、給水の水質を測定する水質測定手段を更に備え、前記薬剤濃度調整部は、前記水質測定手段により測定された水質に基づいて、運転開始時における遊離塩素濃度の調整量及び、安定化剤、臭素化合物の薬注量を設定することが好ましい。
また、本発明に係る第2の水処理システムは、給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、給水を前記逆浸透膜モジュールに供給する給水ラインと、前記逆浸透膜モジュールで分離された透過水を送出する透過水ラインと、前記逆浸透膜モジュールで分離された濃縮水を送出する濃縮水ラインと、前記濃縮水の一部又は全部を濃縮排水として、系外に排出する濃縮排水ラインと、給水に、イソチアゾリン及び/又はDBNPA、及び、安定化剤及び/又は臭素化合物を薬注する薬注手段と、給水中の遊離塩素濃度を調整する遊離塩素濃度調整手段と、前記薬注手段が実行する給水中の薬剤濃度調整工程を、給水中の遊離塩素濃度を調整すると共に、給水にイソチアゾリン及び/又はDBNPAを薬注する第1の薬剤濃度調整工程と、給水中の遊離塩素濃度を調整すると共に、給水に安定化剤及び/又は臭素化合物を薬注する第2の薬剤濃度調整工程との間で切り替える薬剤濃度調整部と、を備える。
本発明によれば、耐性菌の発生を予防すると共に、逆浸透膜の膜劣化を極力抑えながら、効果的にバイオファウリングを抑制することが可能となる。
本発明の第1実施形態に係る水処理システムの全体構成図である。 本発明の第1実施形態に係る水処理システムに備わる制御部の機能ブロック図である。 本発明の第1実施形態に係る水処理システムの動作を説明するフローチャートである。 本発明の第2実施形態に係る水処理システムに備わる制御部の機能ブロック図である。 本発明の第2実施形態に係る水処理システムの動作を説明するフローチャートである。
〔1 第1実施形態〕
以下、本発明の第1実施形態である水処理システム1について、図1~図3を参照しながら説明する。
〔1.1 全体構成〕
図1は、本実施形態の水処理システム1の全体構成図である。
図1に示すように、水処理システム1は、第1薬剤添加装置5と、第2薬剤添加装置6と、第3薬剤添加装置7と、水質センサ8と、加圧ポンプ10と、インバータ11と、第
1圧力センサ13と、逆浸透膜モジュール(以下、「RO膜モジュール」ともいう)14と、第2圧力センサ15と、流量センサFMと、第3圧力センサ17と、定流量弁18と、比例制御排水弁19と、制御部30と、を備える。なお、制御部30と被制御対象機器との電気的接続線の図示については、省略している。
水処理システム1は、ラインとして、給水ラインL1と、透過水ラインL2と、濃縮水ラインL3と、循環水ラインL4と、濃縮排水ラインL5と、を備える。「ライン」とは、流路、経路、管路等の流体の流通が可能なラインの総称である。また、その由来(出所)やその水質によらず、給水ラインL1、濃縮水ラインL3又は循環水ラインL4を流通する水を、「給水」ともいい、濃縮水ラインL3、循環水ラインL4又は濃縮排水ラインL5を流通する水を、「濃縮水」ともいう。
給水ラインL1は、給水W11~W12を逆浸透膜モジュール14に向けて供給するラインである。給水ラインL1は、上流側から下流側に向けて、第1給水ラインL11と、第2給水ラインL12とを有する。
第1給水ラインL11の上流側の端部は、給水W11の水源2に接続されている。第1給水ラインL11の下流側の端部は、接続部J1において、第2給水ラインL12及び循環水ラインL4に接続されている。第1給水ラインL11には、第1薬剤添加装置5、第2薬剤添加装置6、第3薬剤添加装置7、及び水質センサ8が、上流側から下流側に向けてこの順で設けられる。
第1薬剤添加装置5は、給水ラインL1に第1薬剤を添加する装置である。第1薬剤添加装置5は、制御部30と電気的に接続されている。
本実施形態において、第1薬剤添加装置5は、逆浸透膜モジュール14におけるバイオフィルムの析出を抑制するために、第1薬剤として酸化剤を添加することにより、給水W11中の遊離塩素濃度を調整する。逆浸透膜モジュール14において、逆浸透膜の表面にバイオフィルムが付着することを効果的に抑制可能なことから、第1薬剤の例として、次亜塩素酸ソーダ等の塩素系酸化剤が挙げられる。なお、第1薬剤が次亜塩素酸ソーダの場合、次亜塩素酸ソーダの添加量は、給水W11中の有効塩素濃度が、0.01~5mgCl2/L程度となることが好ましい。
以下では説明の簡略化のため、第1薬剤が次亜塩素酸ソーダである例について説明するが、本発明はこれには限られない。他の塩素系酸化剤として、例えば、液化塩素、さらし粉、塩素化イソシアヌル酸等を用いてもよい。
第2薬剤添加装置6は、給水ラインL1に第2薬剤を添加する装置である。第2薬剤添加装置6は、制御部30と電気的に接続されている。
本実施形態において、第2薬剤添加装置6は、逆浸透膜モジュール14に備わる逆浸透膜の劣化を防ぐために、第2薬剤として安定化剤を添加する。安定化剤の添加により、例えば給水W11に含まれる次亜塩素酸は、安定化次亜塩素酸になる。逆浸透膜モジュール14において、逆浸透膜の劣化を効果的に抑制可能なことから、第2薬剤の例としては、スルファミン酸等の安定化剤が挙げられる。なお、第2薬剤がスルファミン酸の場合、スルファミン酸の添加量は、給水W11中の次亜塩素酸に由来する有効塩素:スルファミン酸のモル比が、1:1~20程度となることが好ましく、1:1.5~10程度とするとなおよい。有効塩素1に対して、スルファミン酸が1を切ると、両者の反応効率が100%だと仮定しても、遊離塩素が生じるためである。
以下では説明の簡略化のため、第2薬剤がスルファミン酸である例について説明するが、本発明はこれには限られない。
第3薬剤添加装置7は、給水ラインL1に第3薬剤を添加する装置である。第3薬剤添加装置7は、制御部30と電気的に接続されている。
本実施形態において、第3薬剤添加装置7は、逆浸透膜モジュール14に備わる逆浸透膜に与えるダメージをより小さくするために、臭素化合物を添加する。臭素化合物の添加により、間接的に次亜臭素酸が生成され、次亜臭素酸とスルファミン酸が反応することにより、最終的に臭化スルファミン酸化合物が生成される。第3薬剤の例としては、臭化ナトリウム等の臭素化合物が挙げられる。なお、臭素化合物の添加量は、給水W11中の次亜塩素酸に由来する有効塩素:臭素化合物のモル比が1:1~10程度となることが好ましく、1:1~2程度とするとなおよい。
以下では説明の簡略化のため、第3薬剤が臭化ナトリウムである例について説明するが、本発明はこれには限られない。
水質センサ8は、給水W11の水質を測定する。水質センサ8は、制御部30と電気的に接続されている。
本実施形態において、水質センサ8は、給水W11の水質として、TOC(Total Organic Carbon:全有機炭素量)、COD(Chemical Oxygen Demand:化学的酸素要求量)、BOD(Biochemical Oxygen Demand:生物化学的酸素要求量)、AOC(Assimilable Organic Carbon:同化可能有機炭素量)等の有機物量や、細菌数、ATP数等の微生物量のいずれか一つ以上を測定する。制御部30は、水質センサ8からこれらの測定値を受信し、受信した測定値を用いてバイオフィルムリスクを予測し、予測したバイオフィルムリスクに基づいて、水処理システム1の運転開始時における給水W11への第1薬剤及び第2薬剤の薬注量を設定する。
或いは、水質センサ8は、給水W11の水質として給水W11に含まれる還元性物質の濃度を測定してもよい。具体的には、水質センサ8は、還元性物質である鉄イオン、マンガンイオン等の金属イオンや、亜硝酸イオン等のイオン濃度、アンモニア性窒素(アンモニアイオン中の窒素)の量、或いはSBS(重亜硫酸ソーダ:NaHSO)等の濃度を測定する。制御部30は、水質センサ8からこれらの還元性物質濃度の測定値を受信し、受信した測定値を用いて給水W11中の遊離塩素濃度を調整するため、水処理システム1の運転開始時における給水W11への第1薬剤及び第2薬剤の薬注量を設定する。
第2給水ラインL12の上流側の端部は、接続部J1に接続されている。第2給水ラインL12の下流側の端部は、逆浸透膜モジュール14の一次側入口ポートに接続されている。第2給水ラインL12には、加圧ポンプ10及び第1圧力センサ13が、上流側から下流側に向けてこの順で設けられる。
加圧ポンプ10は、給水W11を吸入し、逆浸透膜モジュール14に向けて圧送(吐出)する装置である。加圧ポンプ10には、インバータ11から周波数が変換された駆動電力が供給される。加圧ポンプ10は、供給(入力)された駆動電力の周波数(以下、「駆動周波数」ともいう)に応じた回転速度で駆動される。
インバータ11は、加圧ポンプ10に、周波数が変換された駆動電力を供給する電気回路(又はその回路を持つ装置)である。インバータ11は、制御部30と電気的に接続されている。インバータ11には、制御部30から指令信号が入力される。インバータ11は、制御部30により入力された指令信号(電流値信号又は電圧値信号)に対応する駆動周波数の駆動電力を加圧ポンプ10に出力する。
給水W12は、加圧ポンプ10を介して逆浸透膜モジュール14に供給される。また、給水W12は、給水W11及び循環水W40(後述)からなる。
第1圧力センサ13は、逆浸透膜モジュール14の一次側入口での給水W12の圧力を検出する機器である。第1圧力センサ13は、加圧ポンプ10の吐出側に配置されている。第1圧力センサ13で検出された給水W12の圧力(以下、「第1検出圧力値」ともいう)は、制御部30へ検出信号として送信される。
逆浸透膜モジュール14は、給水W12を透過水W20と濃縮水W30とに分離する設備である。詳細には、逆浸透膜モジュール14は、加圧ポンプ10から吐出された給水W12を、溶存塩類が除去された透過水W20と、溶存塩類が濃縮された濃縮水W30とに膜分離処理する設備である。逆浸透膜モジュール14は、単一又は複数の逆浸透膜エレメント(図示せず)を備える。逆浸透膜モジュール14は、これら逆浸透膜エレメントにより給水W12を膜分離処理し、透過水W20と濃縮水W30とを製造する。
透過水ラインL2は、逆浸透膜モジュール14で分離された透過水W20を送出するラインである。透過水ラインL2の上流側の端部は、逆浸透膜モジュール14の二次側ポートに接続されている。透過水ラインL2の下流側の端部は、貯留タンク(図示せず)に接続されている。透過水ラインL2には、第2圧力センサ15、及び流量センサFMが上流側から下流側に向けてこの順で設けられる。
第2圧力センサ15は、逆浸透膜モジュール14の二次側から排出される透過水W20の圧力を検出する機器である。第2圧力センサ15で検出された透過水W20の圧力(以下、「第2検出圧力値」ともいう)は、制御部30へ検出信号として送信される。
流量センサFMは、透過水ラインL2を流通する透過水W20の流量を検出する機器である。流量センサFMは、制御部30と電気的に接続されている。流量センサFMで検出された透過水W20の流量(以下、「検出流量値」ともいう)は、制御部30に検出信号として送信される。
濃縮水ラインL3は、逆浸透膜モジュール14で分離された濃縮水W30が流通するラインである。濃縮水ラインL3の上流側の端部は、逆浸透膜モジュール14の二次側ポートに接続されている。また、濃縮水ラインL3の下流側は、接続部J2において、循環水ラインL4及び濃縮排水ラインL5に分岐している。濃縮水ラインL3には、第3圧力センサ17が設けられる。
第3圧力センサ17は、逆浸透膜モジュール14の二次側から排出される濃縮水W30の圧力を検出する機器である。第3圧力センサ17で検出された濃縮水W30の圧力(以下、「第3検出圧力値」ともいう)は、制御部30へ検出信号として送信される。
循環水ラインL4は、濃縮水ラインL3に接続され、給水としての濃縮水(循環水W40)を給水ラインL1に返送するラインである。本実施形態においては、循環水ラインL4は、濃縮水ラインL3を流通する濃縮水W30を循環水W40として、給水ラインL1における加圧ポンプ10よりも上流側に返送(循環)させるラインである。循環水ラインL4の上流側の端部は、接続部J2において濃縮水ラインL3に接続されている。また、循環水ラインL4の下流側の端部は、接続部J1において、給水ラインL1に接続されている。循環水ラインL4には、定流量弁18が設けられる。
定流量弁18は、循環水ラインL4を流通する循環水W40の流量を所定の一定流量値に保持するように調節する機器である。定流量弁18において保持される「一定流量値」とは、一定流量値に幅がある概念であり、定流量弁における目標流量値のみに限られない。例えば、定流量機構の特性(例えば、材質や構造に起因する温度特性等)を考慮して、定流量弁における目標流量値に対して、±10%程度の調節誤差を有するものを含む。定流量弁18は、補助動力や外部操作を必要とせずに一定流量値を保持するものであり、例えば、水ガバナの名称で呼ばれるものが挙げられる。なお、定流量弁18は、補助動力や外部操作により動作して、一定流量値を保持するものでもよい。
濃縮排水ラインL5は、濃縮水ラインL3に接続され、濃縮排水W50としての濃縮水を系外へ排出するラインである。本実施形態においては、濃縮排水ラインL5は、接続部J2において濃縮水ラインL3に接続され、逆浸透膜モジュール14で分離された濃縮水W30を、濃縮排水W50として装置外(系外)に排出するラインである。濃縮排水ラインL5には、比例制御排水弁19が設けられる。
比例制御排水弁19は、濃縮排水ラインL5から装置外に排出される濃縮排水W50の流量を調節する弁である。比例制御排水弁19は、制御部30と電気的に接続されている。比例制御排水弁19の弁開度は、制御部30から送信される駆動信号により制御される。制御部30から電流値信号(例えば、4~20mA)を比例制御排水弁19に送信して、弁開度を制御することにより、濃縮排水W50の排水流量を調節することができる。
制御部30は、CPU及びメモリを含むマイクロプロセッサ(図示せず)により構成される。制御部30において、マイクロプロセッサのCPUは、メモリから読み出した所定のプログラムに従って、水処理システム1に係る各種の制御を実行する。以下、制御部30の機能の一部について説明する。
図2は、制御部30の機能ブロックである。制御部30は、薬剤濃度調整部31と計時部32とを備える。
薬剤濃度調整部31は、給水W11中の薬剤濃度を調整する。
とりわけ本実施形態においては、第1薬剤添加装置5によって給水W11へ次亜塩素酸ソーダを添加することで、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、第2薬剤添加装置6によって給水W11へ安定化剤を添加する「第1の薬剤濃度調整工程」と、同様に、第1薬剤添加装置5によって給水W11へ次亜塩素酸ソーダを添加することで、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、第2薬剤添加装置6によって給水W11へ安定化剤を添加し、第3薬剤添加装置7によって給水W11へ臭化化合物を添加する「第2の薬剤濃度調整工程」とを、所定の時間間隔で切り替えながら実行する。
薬剤濃度調整部31が、給水W11へ添加する薬剤の種類を所定の時間間隔で切り替えることにより、耐性菌の発生を予防することが可能となると共に、逆浸透膜の劣化を極力抑えながら、バイオフィルムの生成を効果的に抑制することが可能となる。
なお、薬剤濃度調整部31は更に、水質センサ8によって測定される有機物量、微生物量、又は還元剤濃度に基づいて、水処理システム1の運転開始時における給水W11への次亜塩素酸ソーダ及び安定化剤の薬注量を設定する。
これにより、バイオフィルムリスクに応じた薬注の初期条件を設定することが可能となる。
計時部32は、「第1の薬剤濃度調整工程」と「第2の薬剤濃度調整工程」とを切り替えるための所定の時間間隔を計時する。
〔1.2 第1実施形態の動作〕
以下、本発明の第1実施形態に係る水処理システム1の動作について、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の水処理システム1の動作を示すフローチャートである。
ステップS11において、薬剤濃度調整部31は、上記の「第1の薬剤濃度調整工程」を実行する。より詳細には、薬剤濃度調整部31は、第1薬剤添加装置5を制御することにより、給水W11へ次亜塩素酸ソーダを添加することで、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、第2薬剤添加装置6を制御することにより、給水W11へ安定化剤を添加する。
ステップS12において、計時部32が所定時間経過したことを計時した場合(S12:YES)には、処理はステップS13に移行する。計時部32が所定時間経過したことを計時していない場合(S12:NO)には、処理はステップS11に移行する。
ステップS13において、薬剤濃度調整部31は、上記の「第2の薬剤濃度調整工程」を実行する。より詳細には、薬剤濃度調整部31は、第1薬剤添加装置5を制御することにより、給水W11へ次亜塩素酸ソーダを添加することで、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、第2薬剤添加装置6を制御することで、給水W11へ安定化剤を添加し、第3薬剤添加装置7を制御することで、給水W11へ臭化化合物を添加する。
ステップS14において、計時部32が所定時間経過したことを計時した場合(S14:YES)には、処理はステップS13に移行する。計時部32が所定時間経過したことを計時していない場合(S14:NO)には、処理はステップS11に移行する(リターン)。
〔1.3 第1実施形態の効果〕
上述した本実施形態に係る水処理システム1によれば、例えば、以下のような効果が奏される。
第1実施形態に係る水処理システム1は、給水W12を透過水W20と濃縮水W30とに分離する逆浸透膜モジュール14と、給水W12を逆浸透膜モジュール14に供給する給水ラインL1と、逆浸透膜モジュール14で分離された透過水W20を送出する透過水ラインL2と、逆浸透膜モジュール14で分離された濃縮水W30を送出する濃縮水ラインL3と、濃縮水W30の一部又は全部を濃縮排水W50として、系外に排出する濃縮排水ラインL5と、給水W11に安定化剤、及び臭素化合物を薬注する薬注手段6及び7と、給水W11中の遊離塩素濃度を調整する遊離塩素濃度調整手段5と、薬注手段6及び7及び遊離塩素濃度調整手段5が実行する給水中の薬剤濃度調整工程を、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、給水W11に安定化剤を薬注する第1の薬剤濃度調整工程と、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、給水W11に安定化剤、及び臭素化合物を薬注する第2の薬剤濃度調整工程との間で切り替える薬剤濃度調整部31と、を備える。
バイオフィルムは微生物の繁茂に由来して発生するが、バイオフィルムを抑制するため、同一のバイオフィルム抑制剤を継続して薬注すると、耐性菌が発生することにより、バイオフィルムを抑制する度合いが下げ止まってしまう。バイオフィルム抑制剤の種類を適宜切り替えることにより、耐性菌の発生を予防することが可能となる。また、バイオフィルム抑制剤の種類によって、逆浸透膜に与えるダメージとバイオフィルム抑制の度合いが異なるため、バイオフィルム抑制剤の種類を適宜切り替えることにより、逆浸透膜の劣化を極力抑えながら、バイオフィルムの生成を効果的に抑制することが可能となる。
また、薬剤濃度調整部31は、水処理システム1の運転時間に基づいて薬注手段6及び7及び遊離塩素濃度調整手段5によって実行される薬剤濃度調整工程を切り替える。
バイオフィルムは微生物の繁茂に由来して発生するが、バイオフィルムを抑制するため、同一のバイオフィルム抑制剤を継続して薬注すると、耐性菌が発生することにより、バイオフィルムを抑制する度合いが下げ止まってしまう。水処理システムの運転時間に基づいて、バイオフィルム抑制剤の種類を切り替えることにより、簡便に耐性菌の発生を予防することが可能となる。
また、水処理システム1は、給水の水質を測定する水質測定手段8を更に備え、薬剤濃度調整部31は、水質測定手段8により測定された水質に基づいて、運転開始時における遊離塩素濃度の調整量及び、安定化剤、臭素化合物の薬注量を設定する。
事前に給水の水分析をすることにより、バイオフィルムリスクを確認した上で、バイオフィルムリスクに応じた薬注の初期条件を設定することが可能となる。
〔2 第2実施形態〕
以下、本発明の第2実施形態である水処理システム1Aについて、図4及び図5を参照しながら説明する。なお、以下では主として、第2実施形態に係る水処理システム1Aを、第1実施形態に係る水処理システム1と比較した場合の相違点について説明する。
〔2.1 全体構成〕
水処理システム1Aは、水処理システム1に比較して、制御部30の代わりに制御部30Aを備える点で異なる。
図4は、制御部30Aの機能ブロックである。制御部30Aは、制御部30と異なり、計時部32を備えず、その代わりに差圧測定部33と透過流束値算出部34とを備える。更に、制御部30Aは、薬剤濃度調整部31の代わりに薬剤濃度調整部31Aを備える。
差圧測定部33は、第1圧力センサ13によって測定された逆浸透膜モジュール14の一次側入口での給水W12の圧力、及び、第3圧力センサ17によって測定された逆浸透膜モジュール14の二次側での濃縮水W30の圧力に基づいて、逆浸透膜モジュール14における濃縮水が流れる経路の入出差圧である膜間差圧を測定する。
逆浸透膜モジュール14の膜間差圧は、下記の式(1)にて表現できる。
膜間差圧[MPa]=逆浸透膜モジュール14の一次側入口ポートの圧力-逆浸透膜モジュール14の二次側ポートの圧力 (1)
本実施形態においては、「逆浸透膜モジュール14の一次側入口ポートの圧力」は、第1センサ13で測定された第1検出圧力値[MPa]により取得し、「逆浸透膜モジュール14の二次側ポートの圧力」は、第3圧力センサ17で測定された第3検出圧力値[MPa]により取得する。
透過流束値算出部34は、第3圧力センサ17によって測定された逆浸透膜モジュール14の一次側入口での給水W12の圧力、第2圧力センサ15によって測定された逆浸透膜モジュール14の二次側での透過水W20の圧力、流量センサFMによって測定された、透過水ラインL2を流通する透過水W20の流量に基づいて、逆浸透膜モジュール14における透過流束値を算出する。
ここで透過流束とは、逆浸透膜モジュール14の膜の詰まり状態を示す指標であり、単位時間当たり、単位膜面積を通過する水の量を単位膜差圧当たりとして標準温度条件下に換算したものである。これを数式にて表現すると、例えば特開2008-55336号公報に記載のように、下記の式(2)にて表現できる。
透過流束[L/m・h・MPa]=処理水瞬間流量/[{入口運転圧力-(装置差圧÷2)-出口背圧-浸透圧}×温度補正係数×膜面積] (2)
本実施形態では、透過流束の演算に用いられる各値について、「処理水瞬間流量」は、流量センサFMで測定された検出流量値[L/h]により取得し、「入口運転圧力」は、第1圧力センサ13で測定された第1検出圧力値[MPa]により取得する。また、「装置差圧」は、設定値[MPa]であり、「出口背圧」は、第2圧力センサ15で測定された第2検出圧力値[MPa]により取得する。「浸透圧」は、設定値[MPa]とし、温度補正係数は、水温センサ(不図示)で検出される温度の関数とし、「膜面積」は、設定値[m2]である。
薬剤濃度調整部31Aは、差圧測定部33によって測定された膜間差圧の値、又は透過流束値算出部34によって算出された透過流束値に基づいて、給水W11中の薬剤濃度を調整する。
とりわけ本実施形態においては、例えば、膜間差圧の値の領域を、低圧の領域から高圧の領域へと順に、第1領域、第2領域、第3領域、第4領域に分割し、透過流束値の領域を、低い値の領域から高い値の領域へと順に、第5領域、第6領域、第7領域、第8領域に分割した場合、膜間差圧の値が第1領域にあるか、又は透過流束値の値が第8領域にある場合には、薬剤濃度調整部31Aは、上記の「第2の薬剤濃度調整工程」を実行する。具体的には、薬剤濃度調整部31Aは、第1薬剤添加装置5を制御することにより、給水W11へ次亜塩素酸ソーダを添加することで、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、第2薬剤添加装置6を制御することで、給水W11へ安定化剤を添加し、第3薬剤添加装置7を制御することで、給水W11へ臭化化合物を添加する。
膜間差圧の値が第2領域にあるか、又は透過流束値が第7領域にある場合には、薬剤濃度調整部31Aは、上記の「第1の薬剤濃度調整工程」を実行する。具体的には、薬剤濃度調整部31Aは、第1薬剤添加装置5を制御することにより、給水W11へ次亜塩素酸ソーダを添加することで、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、第2薬剤添加装置6を制御することにより、給水W11へ安定化剤を添加する。
膜間差圧の値が第3領域にあるか、又は透過流束値が第6領域にある場合には、薬剤濃度調整部31Aは、第2薬剤添加装置6を制御することにより、給水W11への安定化剤の薬注量を減少させる。
膜間差圧の値が第4領域にあるか、又は透過流束値が第5領域にある場合には、薬剤濃度調整部31Aは、第1薬剤添加装置5を制御することにより、給水W11への次亜塩素酸ソーダの薬注量を増加させ、給水W11中の遊離塩素量を増加させる。
これにより、膜間差圧の値又は透過流束値から推定されるバイオフィルムの生成量に基づいて、臭素化合物を薬注するかしないかを切り替えることにより、バイオフィルムの生成を抑えつつ膜劣化の度合いを極力抑えるように、薬剤濃度を調整することが可能となる。
なお、この膜間差圧及び透過流束値の領域分割方法、及び各領域における薬剤濃度調整部31Aによる、第1薬剤添加装置5、第2薬剤添加装置6、及び第3薬剤添加装置7の制御方法はあくまで一例であって、これには限定されない。
〔2.2 第2実施形態の動作〕
以下、本発明の第2実施形態に係る水処理システム1Aの動作について、図面を参照しながら説明する。図5は、本発明の水処理システム1の動作を示すフローチャートである。
なお、以下では、上記の第1領域を膜間差圧がP未満の領域とし、上記の第2領域を膜間差圧がP以上P未満の領域とし、上記の第3領域を膜間差圧がP以上P未満の領域とし、上記の第4領域を膜間差圧がP以上の領域とする。これらP、P、Pは、0.03~0.1MPaの間で任意に設定される数値とすると好適である。
同様に、上記の第5領域を透過流束値がF以下の領域とし、上記の第6領域を透過流束値がFを超えF以下の領域とし、上記の第7領域を透過流束値がFを超えF以下の領域とし、上記の第8領域を透過流束値がFを超える領域とする。これらF、F、Fは、透過流束の初期比として70~100%の間で任意に設定される数値とすると好適である。
ステップS21において、差圧測定部33によって測定される膜間差圧がP未満であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がFを超える場合(S21:YES)には、処理はステップS22に移行する。差圧測定部33によって測定される膜間差圧がP以上であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がF以下である場合(S21:NO)には、処理はステップS23に移行する。
ステップS22において、薬剤濃度調整部31Aは、上記の「第2の薬剤濃度調整工程」を実行する。具体的には、薬剤濃度調整部31Aは、第1薬剤添加装置5を制御することにより、給水W11へ次亜塩素酸ソーダを添加することで、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、第2薬剤添加装置6を制御することで、給水W11へ安定化剤を添加し、第3薬剤添加装置7を制御することで、給水W11へ臭化化合物を添加する。その後、処理はステップS21に移行する(リターン)。
ステップS23において、差圧測定部33によって測定される膜間差圧がP以上P未満であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がFを超えF以下である場合(S23:YES)には、処理はステップS24に移行する。差圧測定部33によって測定される膜間差圧がP以上であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がF以下である場合(S23:NO)には、処理はステップS25に移行する。
ステップS24において、薬剤濃度調整部31Aは上記の「第1の薬剤濃度調整工程」を実行する。具体的には、薬剤濃度調整部31Aは、第1薬剤添加装置5を制御することにより、給水W11へ次亜塩素酸ソーダを添加することで、給水W11中の遊離塩素濃度を調整すると共に、第2薬剤添加装置6を制御することにより、給水W11へ安定化剤を添加する。その後、処理はステップS21に移行する(リターン)。
ステップS25において、差圧測定部33によって測定される膜間差圧がP以上P未満であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がFを超えF以下である場合(S25:YES)には、処理はステップS26に移行する。差圧測定部33によって測定される膜間差圧がP以上であるか、又は透過流束値算出部34によって算出される透過流束値がF以下である場合(S25:NO)には、処理はステップS27に移行する。
ステップS26において、薬剤濃度調整部31Aは、第2薬剤添加装置6を制御することにより、給水W11への安定化剤の薬注量を減少させる。その後、処理はステップS21に移行する(リターン)。
ステップS27において、薬剤濃度調整部31Aは、第1薬剤添加装置5を制御することにより、給水W11への次亜塩素酸ソーダの薬注量を増加させ、給水W11中の遊離塩素量を増加させる。その後、処理はステップS21に移行する(リターン)。
〔2.3 第2実施形態の効果〕
上述した本実施形態に係る水処理システム1Aによれば、例えば、以下のような効果が奏される。
水処理システム1Aは、逆浸透膜モジュール14において濃縮水W30が流れる経路の入出差圧である膜間差圧を測定する膜間差圧測定手段33、又は逆浸透膜モジュール14における透過流束値を算出する透過流束値算出手段34を更に備え、膜間差圧測定手段33により測定された膜間差圧の値が第1の閾値を超えた場合、又は透過流束値算出手段34により算出された透過流束値が第2の閾値以下の場合に、薬注手段6及び7及び遊離塩素濃度調整手段5は第1の薬剤濃度調整工程を実行し、膜間差圧の値が第1の閾値以下の場合、又は透過流束値が第2の閾値を超えた場合に、薬注手段6及び7及び遊離塩素濃度調整手段5は第2の薬剤濃度調整工程を実行するよう、薬剤濃度調整部31Aは薬注手段6及び7及び遊離塩素濃度調整手段5によって実行される薬剤濃度調整工程を切り替える。
逆浸透膜モジュールでの差圧の値及び透過流束値がバイオフィルムの生成量を反映するため、膜間差圧の値又は透過流束値から推定されるバイオフィルムの生成量に基づいて、臭素化合物を薬注するかしないかを切り替えることにより、バイオフィルムの生成を抑えつつ膜劣化の度合いを極力抑えるように、薬剤濃度を調整することが可能となる。とりわけ、通常時には、安定化次亜の形態を臭素型とすることにより、逆浸透膜に与えるダメージを小さくすることが可能となると共に、差圧の値が第1の閾値を超えた場合又は透過流束値が第2の閾値以下の場合、いきなり塩素系酸化剤と安定化剤とのモル比を変えるのではなく、臭素化合物の薬注を停止することにより、塩素系酸化剤と安定化剤とのモル比を変える場合に比較して、逆浸透膜に与えるダメージを小さくすることが可能となる。
また、膜間差圧測定手段33により測定された膜間差圧の値が第1の閾値よりも高い第3の閾値を超えた場合、又は透過流束値算出手段34により算出された透過流束値が第2の閾値よりも低い第4の閾値以下の場合に、薬剤濃度調整部31Aは、安定化剤の薬注量を減少させる。
膜間差圧の値が第3の閾値を超えた場合又は透過流束値が第4の閾値以下の場合に、安定化剤の薬注量を減少させ、塩素系酸化剤と安定化剤のモル比を変更することにより、生成されたバイオフィルム量を減少させることが可能となる。
また、膜間差圧測定手段33により測定された膜間差圧の値が第3の閾値よりも高い第5の閾値を超えた場合、又は透過流束値算出手段34により算出された透過流束値が第4の閾値よりも低い第6の閾値以下の場合に、薬剤濃度調整部31Aは、遊離塩素濃度を増加させる。
膜間差圧の値が第5の閾値を超えた場合又は透過流束値が第6の閾値以下の場合に、塩素系酸化剤の薬注量を増加させ、塩素系酸化剤と安定化剤のモル比を変更することにより、生成されたバイオフィルム量を減少させることが可能となる。とりわけ、塩素系酸化剤の薬注量を増加させると逆浸透膜の膜劣化のリスクは高くなるが、膜間差圧の値が第5の閾値を超えた場合にのみ、塩素系酸化剤の薬注量を増加させることにより、膜劣化のリスクを限定した上で、バイオフィルムを除去することが可能となる。
〔変形例〕
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されることなく、種々の形態で実施することができる。
〔変形例1〕
例えば、第1薬剤添加装置5は、第1薬剤として酸化剤を添加することにより、給水W11中の遊離塩素濃度を調整するとしたが、これには限定されない。第1薬剤添加装置5は、第1薬剤として還元剤を添加してもよく、この場合、給水W11に前段のろ過処理工程等により元々含まれている遊離塩素濃度を低下させる。この還元剤としては、例えばSBS(NaHSO:重亜硫酸ソーダ)を用いてもよい。
また、水処理システム1及び1Aが、そもそも第1薬剤添加装置5を備えず、遊離塩素濃度を調整しない構成としてもよい。
〔変形例2〕
また、水質センサ8が、給水W11に含まれる還元剤の濃度を測定する場合、制御部が水質センサ8から受信した還元性物質濃度の測定値を用いて、給水W11中の遊離塩素濃度を調整するため、水処理システム1の運転開始時における給水W11への第1薬剤及び第2薬剤の薬注量を設定するとしたが、これには限定されない。例えば、除鉄・除マンガン装置としてのろ過装置を用いることにより、前処理として給水W11から還元性物質を除去してもよい。
〔変形例3〕
また、上記の実施形態においては、第1薬剤添加装置5が次亜塩素酸ソーダ等の酸化剤を給水ラインL1に添加し、第2薬剤添加装置6が安定化剤を給水ラインL1に添加するとしたが、これには限定されない。例えば、酸化剤及び安定化剤に加えて、イソチアゾリン及び/又はDBNPA等の殺菌剤を薬注してもよい。その上で、薬剤濃度調整部31又は31Aは、薬注手段が実行する給水ラインL1への薬剤濃度調整工程を、給水W11にイソチアゾリン及び/又はDBNPAを薬注する第1の薬剤濃度調整工程と、給水W11に安定化剤及び/又は臭素化合物を薬注する第2の薬剤濃度調整工程との間で切り替えてもよい。
この場合、より詳細には、給水W11中に残留塩素が存在する場合には、逆浸透膜モジュール14の膜劣化の懸念があるため、残留塩素を除去した上で、イソチアゾリン及び/又はDBNPAを薬注する。一方で、臭素化合物に関しては、給水W11中に残留塩素が存在する状態で薬注する。
〔変形例4〕
また、水処理システム1及び1Aは、上記の実施形態とは異なる構成を有してもよい。例えば、上記では循環水ラインL4を備えるとしたが、これには限定されず、循環水ラインL4を有さない構成としてもよい。また、とりわけ第1実施形態においては、例えば、第1圧力センサ13、第2圧力センサ15、第3圧力センサ17、流量センサFMを必須の構成要素としなくてもよい。
〔変形例5〕
また、水処理システム1及び1Aは、更に、耐塩素膜を使用すると、膜劣化の影響をより受け難くなるのでより好適である。上述の薬注調整手法と併用することで、より劣化影響を低減することができる。耐塩素膜としては、例えばポリアミド系の材料を用いて製造されるものがある。
〔変形例6〕
また、水処理システム1及び1Aにおいて、膜洗浄工程にも前記薬剤を添加した給水を用いて行うのが好ましい。膜洗浄工程としては、フラッシング等が有るが、濃縮水ラインに給水ラインを接続して通水しても良い。
1 水処理システム、
5 第1薬剤添加装置(遊離塩素濃度調整手段)
6 第2薬剤添加装置(薬注手段)
7 第3薬剤添加装置(薬注手段)
8 水質センサ(水質測定手段)
10 加圧ポンプ
13 第1圧力センサ、15 第2圧力センサ、17 第3圧力センサ、
14 逆浸透膜モジュール
30 30A 制御部
31 31A 薬剤濃度調整部
32 計時部
33 差圧測定部
34 透過流束値算出部
L1 給水ライン、L2 透過水ライン、L3 濃縮水ライン、
L4 循環水ライン、L5 濃縮排水ライン、
L11 第1給水ライン、L12 第2給水ライン

Claims (8)

  1. 給水を透過水と濃縮水とに分離する逆浸透膜モジュールと、
    給水を前記逆浸透膜モジュールに供給する給水ラインと、
    前記逆浸透膜モジュールで分離された透過水を送出する透過水ラインと、
    前記逆浸透膜モジュールで分離された濃縮水を送出する濃縮水ラインと、
    前記濃縮水の一部又は全部を濃縮排水として、系外に排出する濃縮排水ラインと、
    給水に添加することで、塩素系酸化剤から安定化次亜塩素酸を生成させ、前記逆浸透膜モジュールに備わる逆浸透膜の劣化を効果的に抑制可能とする安定化剤、及び給水に添加することで、塩素系酸化剤から次亜臭素酸を生成する臭素化合物を薬注する薬注手段と、
    前記薬注手段が実行する給水中の薬剤濃度調整工程を、予め設定される条件に基づいて給水に安定化剤を薬注する第1の薬剤濃度調整工程と、給水に安定化剤、及び臭素化合物を薬注する第2の薬剤濃度調整工程との間で切り替える薬剤濃度調整部と、を備え、
    前記薬剤濃度調整部により前記給水に安定化剤を添加するか、又は安定化剤、及び臭素化合物を添加するか、を第1の薬剤濃度調整工程と、第2の薬剤濃度調整工程との間で切り替え、塩素系酸化剤から生成させる薬剤の特徴を変更させることで、耐性菌の発生を予防するとともに、逆浸透膜の劣化を抑えながら、バイオフィルムの生成を効果的に抑制することを可能にする、水処理システム。
  2. 給水中の遊離塩素濃度を調整する遊離塩素濃度調整手段を更に備え、
    前記薬剤濃度調整部は、給水中の遊離塩素濃度を調整すると共に、給水に安定化剤を薬注する第1の薬剤濃度調整工程と、給水中の遊離塩素濃度を調整すると共に、給水に安定化剤、及び臭素化合物を薬注する第2の薬剤濃度調整工程との間で切り替える、請求項1に記載の水処理システム。
  3. 前記薬剤濃度調整部は、予め設定される当該水処理システムの運転時間に基づいて前記薬注手段及び前記遊離塩素濃度調整手段によって実行される薬剤濃度調整工程を切り替える、請求項2に記載の水処理システム。
  4. 前記逆浸透膜モジュールにおいて濃縮水が流れる経路の入出差圧である膜間差圧を測定する膜間差圧測定手段、又は前記逆浸透膜モジュールにおける透過流束値を算出する透過流束値算出手段を更に備え、
    前記膜間差圧測定手段により測定された膜間差圧の値が第1の閾値を超えた場合、又は前記透過流束値算出手段により算出された前記透過流束値が第2の閾値以下の場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記第1の薬剤濃度調整工程に切り替え、前記膜間差圧の値が前記第1の閾値以下の場合、又は前記透過流束値が前記第2の閾値を超えた場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記第2の薬剤濃度調整工程に切り替える、請求項2に記載の水処理システム。
  5. 前記膜間差圧測定手段により測定された膜間差圧の値が前記第1の閾値よりも高い第3の閾値を超えた場合、又は前記透過流束値算出手段により算出された前記透過流束値が前記第2の閾値よりも低い第4の閾値以下の場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記安定化剤の薬注量を減少させる、請求項4に記載の水処理システム。
  6. 前記膜間差圧測定手段により測定された膜間差圧の値が前記第3の閾値よりも高い第5の閾値を超えた場合、又は前記透過流束値算出手段により算出された前記透過流束値が前記第4の閾値よりも低い第6の閾値以下の場合に、前記薬剤濃度調整部は、前記遊離塩素濃度を増加させる、請求項5に記載の水処理システム。
  7. 前記遊離塩素濃度調整手段は、給水に還元剤を薬注する第2薬注手段であることを特徴とする、請求項~6のいずれか1項に記載の水処理システム。
  8. 給水の水質を測定する水質測定手段を更に備え、
    前記薬剤濃度調整部は、前記水質測定手段により測定された水質に基づいて、運転開始時における遊離塩素濃度の調整量及び、安定化剤、臭素化合物の薬注量を設定する、請求項1~7のいずれか1項に記載の水処理システム。
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