本発明に係る情報処理装置は、病院、宿泊施設、飲食店、観光・レジャー施設等に設置される精算機、受付機、自動販売機等、前面にユーザインタフェイスを備える各種情報処理装置に適用することが可能である。まず、情報処理装置1の構成について説明を行い、各種実施例について説明を行う。
図1、図2は、情報処理装置1の正面斜視図である。図1、図2は、どちらも同じ情報処理装置1を示したものであるが、説明部分において異なっている。図1は、筐体前面の開口の配置を特に説明するものであり、図2は、開口内に配置された各種ユーザインタフェイスを説明するものである。図1、図2の両図を参照しつつ、情報処理装置1の構成について説明を行う。
本実施形態の情報処理装置1は、筐体10、筐体10の前面4辺位置から前方に張り出した張り出し部11を有して構成されている。上方に位置する張り出し部11は、短焦点型プロジェクタ21の少なくとも一部が収納されるとともに、映像を投影するためのプロジェクタ用開口11aが設けられている。また、左右に位置する張り出し部11は、周囲からの外光の影響を抑え、筐体前面12に投影される映像がより鮮明となるシェードとしての機能を有する。筐体前面12は、投影される映像の歪を抑制するため、一般的なスクリーンと同様に平面となっている。また、この筐体前面12は、投影される映像が自然な発色を行うようにスクリーン用に適化しておくことが好ましい。ここで、スクリーン用に適化するとは、筐体前面12の表面を白色等の単一色に塗装する、あるいは、スクリーンに適した生地を貼付する、映画館やホームシアター等で使用される一般的なスクリーンと同様の表面加工が行われている等、投影される映像が鮮明となる各種の方法が考えられる。
上方に位置する張り出し部11には、筐体前面12に映像を投影するためのプロジェクタ用開口11aが設けられている。プロジェクタ用開口11aの背面に設けられた短焦点型プロジェクタ21から、筐体前面12の略全域、すなわち、筐体前面12の上端から下端にわたって映像を投影することが可能となっている。ここで、短焦点型プロジェクタ21とは、非球面レンズ等を使用することで、極めて短い距離から映像を投影することのできるプロジェクタである。なお、映像の投影には、短焦点型プロジェクタ21に限られるものではなく、各種プロジェクタを使用することが可能である。その際、筐体前面12であって、後述するユーザインタフェイスが設けられている投影領域に映像を投影できるプロジェクタであることが必要となる。情報処理装置1を使用するユーザは、情報処理装置1の前面に位置して、各種ユーザインタフェイスを操作することになるが、短焦点型プロジェクタ21を使用することで、ユーザの立ち位置よりも前方から映像を投影することが可能となる。
筐体前面12は、平面状の板金で構成され、各種ユーザインタフェイスを使用可能とするため、第1~第6開口12a~12fが設けられている。第1開口12aは、印刷された領収書等を取り出すための開口であって、その背面には印刷を行うプリンタ22が配置されている。第2開口12b内には、硬貨入金口25aが配置されている。ユーザは第2開口12bを介して、情報処理装置1に硬貨を入金することが可能である。第3開口12c内には、硬貨出金口25bが配置されている。ユーザは第3開口12cを介して、釣り銭等を受け取ることが可能である。これら、第2開口12b、第3開口12cの背面には、硬貨の入出金を行う硬貨取扱部25が設けられている。
第4開口12dの背面には、クレジットカード、診察券等の各種磁気カードを読み取るためのカードリーダ24が設けられており、第4開口12dには、カードリーダ24の一部であるカード挿入口24aが露呈している。第5開口12e内には、暗証番号等を入力可能とするテンキー27が配置されている。第6開口12f内には、紙幣取扱部26が配置されている。紙幣取扱部26は、紙幣挿入口26a、紙幣取り出し口26bを備えており、ユーザから紙幣の入出金を行うことを可能としている。
以上説明したように、筐体前面12に設けられた第1~第6開口12a~12fには、ユーザからの操作を受け付ける処理を可能とするユーザインタフェイス(例えば、テンキー27)、ユーザに対して物品もしくはお金を渡す処理を可能とするユーザインタフェイス(例えば、プリンタ22、硬貨出金口25bを有する硬貨取扱部25、紙幣取り出し口26bを有する紙幣取扱部26)、ユーザから物品もしくはお金を受け取る処理を可能とするユーザインタフェイス(例えば、硬貨入金口25aを有する硬貨取扱部25、紙幣挿入口26aを有する紙幣取扱部26)が配置されている。なお、筐体前面12には、上述する3種類の処理を行うことのできるユーザインタフェイスを全て配置する必要はなく、何れか1つのユーザインタフェイスが配置されることでよい。
また、図2に示されるプリンタ22の上部位置であって、筐体前面12には、ユーザインタフェイスとしてのICカードリーダ・ライタ23が埋設されている。図1に示されるように、ICカードリーダ・ライタ23は、筐体前面12で示されるように平面であって、外部からその位置は分からないようになっている。本実施形態では、この部分に短焦点型プロジェクタ21で映像を投影することで、ユーザに操作を促すことが可能となっている。
筐体前面12の少なくとも一部の領域は、ユーザによるタッチ操作を検出可能としている。例えば、プロジェクタ用開口11a内に、筐体前面12のタッチ位置を検出する赤外線センサを配置する、あるいは、筐体前面12に、感圧型あるいは静電型のタッチセンサを設ける等、各種手段を採用することが可能である。
また、左右に位置する張り出し部11には、両者間を接続するように取り付けバー13が設けられている。この取り付けバー13には、タッチパネルモニタ28が固定されている。タッチパネルモニタ28は、ユーザに対して各種映像を表示するとともに、ユーザからのタッチ操作を受け付け可能なサブユーザインタフェイスとして機能する。なお、サブユーザインタフェイスは、ユーザに対して表示を行う機能のみ、あるいは、ユーザからの操作を受け付ける機能のみであってもよい。ユーザに対しては、短焦点型プロジェクタ21を使用して映像を提示することも可能であるが、個人情報等、外部から見られたくない情報を表示する、あるいは、入力しなければならない場合がある。このような場合、このタッチパネルモニタ28を使用して、映像の提示、情報の入力を行うことが可能となっている。
図3は、情報処理装置1の構成を示すブロック図である。情報処理装置1は、通常のコンピューターと同様、制御部としてのCPU20a、ROM20b、RAM20c、画像処理部20e、20fを備えて構成されている。また、ハードディスク31等、各種情報を記憶する記憶部を有している。また、図1、図2で説明した各種ユーザインタフェイスがインタフェイス32を介して制御部と接続されている。ユーザインタフェイスとしては、ICカードで構成された診察券に対して読み書きをおこなうためのICカードリーダ・ライタ23、クレジットカードから情報を読み取るカードリーダ24、ユーザに硬貨を入出金させるための硬貨取扱部25、ユーザに紙幣を入出金させるための紙幣取扱部26、筐体前面12に対するユーザのタッチ位置を検出するタッチ検出部29、領収書等を印刷するプリンタ22が設けられている。タッチ検出部29は、筐体前面12に対するユーザのタッチ操作を検出するセンサである。タッチ検出部29には、例えば、赤外線による位置検出センサ、カメラを使用することが可能である。赤外線位置検出センサ、カメラは、プロジェクタ用開口11a内などに設けられ、ユーザによる筐体前面12の操作位置を検出する。タッチ検出部29としては、この他、感圧式あるいは静電式等のタッチセンサを筐体前面12に設けることとしてもよい。また、タッチ検出部29は、筐体前面12の一部領域について、ユーザによるタッチ操作を検出可能とするものであってもよい。
画像処理部20fは、CPU20aで実行されるプログラムに基づき、短焦点型プロジェクタ21で投影する映像を形成する。短焦点型プロジェクタ21で形成された映像は、図1、図2に示す筐体前面12の表面に対し、各種ユーザインタフェイスがユーザにより操作される側、言い換えると、各種ユーザインタフェイスを操作するユーザが位置する側から投影される。タッチパネルモニタ28は、ユーザのタッチ操作を受け付けるタッチパネル28a、映像を表示する表示部28bで構成されている。タッチパネルモニタ28は、情報処理装置1におけるユーザに対する情報の表示、ユーザからの情報の受け付けに補助的に使用することが可能である。また、短焦点型プロジェクタ21、あるいは、タッチ検出部29が故障した場合、タッチパネルモニタ28のみで、精算処理等、必要な処理を実行できるモードに変更できるようにしてもよい。画像処理部20eは、CPU20aで実行されるプログラムに基づき、タッチパネル28aに表示する映像を形成する。また、タッチパネル28aに対するタッチ操作は、インタフェイス32を介してCPU30aに伝達される。
情報処理装置1は、通信部33を備えており、LANに接続することが可能となっている。LANに接続されたサーバ装置(図示せず)等と通信を行い、精算に必要な情報を送受信することが可能となっている。また、情報処理装置1には、音声処理部20g、スピーカが設けられており、ユーザ等に対して音による情報の提示を行うことも可能となっている。
[第1実施例:医療費精算機]
次に、情報処理装置1を各種分野で使用する際の実施例について説明する。第1実施例は、医療費を支払うことを可能とする医療費精算機に、情報処理装置1を適用した例である。
図4は、映像投影時における情報処理装置1の正面斜視図であり、図5は、映像投影時における情報処理装置1の断面図である。図4に示されるよう、一般的な精算機と同様、ユーザUは、情報処理装置1と対峙して操作を行う。第1実施例の情報処理装置1では、プロジェクタ用開口11aから筐体前面12の広範な範囲に映像が投影される。図4の例では、係員(看護師)の全身像、並びに、「医療費自動精算機」といった文字を含む映像が投影されている。なお、投影する映像は、静止画、動画のどちらであってもよい。なお、図4において、図面の色調、解像度の都合上、不鮮明な人物投影像となっているが、実際には、鮮明な人物を投影することが可能である。後で説明する図面においても同様である。
このように情報処理装置1における筐体前面12を使用することで、液晶表示装置等のように限られた範囲に映像を表示するのではなく、筐体前面12の広い範囲にわたって映像を投影することで、実際の大きさの人物像等を表示する等、情報処理装置1のデザイン上の自由度の向上を図ることが可能となっている。そして、筐体前面12に配置されたユーザインタフェイスの周囲、あるいは、ユーザインタフェイス自体に映像を投影することが可能であるため、ユーザUに対して、適切で分かり易い操作案内を行うことが可能である。また、従来の精算機で再利用(リサイクル)を行う場合、前面の印刷を交換する等、繁雑な作業が必要であったが、本実施形態の情報処理装置1投影される映像の内容を変更することで、容易に他の分野の精算機、自動販売機等に流用することが可能である。
なお、図4に示されるように、必ずしも筐体前面12の広範囲な領域に投影するのではなく、例えば、筐体前面12の上半分等のように一部領域に投影してもよい。このような一部領域に投影する場合においても、短焦点型プロジェクタ21は、筐体前面12内であって、各種ユーザインタフェイスが設けられる開口、あるいは、開口内に位置するユーザインタフェイスの表面等、ユーザインタフェイスが設けられている領域を投影領域として、映像を投影可能とすることが必要とされる。
図5は、図4に示す映像投影時における断面図であって、テンキー27、紙幣取扱部26近傍での断面図である。図5に示されるように、第5開口12eの内部には、テンキー27が配置され、第6開口12fの内部には、紙幣取扱部26が配置されている。上部に位置する張り出し部11内に配置された短焦点型プロジェクタ21は、筐体前面12に映像を投影する。斜線で示す範囲は、投影される映像が通過する投影光通過範囲Pである。このように短焦点型プロジェクタ21を使用するため、対峙するユーザUで遮られることなく、筐体前面12に映像を投影することが可能となっている。
図5において、テンキー27は、筐体前面12を形成する平面よりも背後に位置しているため、投影される映像はテンキー27で遮られない。すなわち、テンキー27の影が筐体前面12に形成されないようになっている。また、紙幣取扱部26は、その中心部において、筐体前面12を形成する平面よりも出っ張った状態となっている。紙幣取扱部26の大きさは、比較的大きいため、このように一部出っ張った状態であっても筐体前面12に投影される映像を大きく遮ることはない。図4に示されるように、各種ユーザインタフェイスを配置するための開口によって一部映像が遮られていても、筐体前面12の上部位置は、その大半をスクリーンとして使用しているため、ユーザは、違和感なく映像を認識することが可能となっている。
また、図4に示されるように、筐体前面12の広範な領域にわたって映像を投影する場合、開口部分に映像を投影することとしてもよいし、開口部分には映像を投影しないこと、すなわち、開口部分が除外された映像を投影することとしてもよい。なお、開口の内側に映像を投影することを考慮して、開口の内側でユーザU側に露出するユーザインタフェイスの表面は、筐体前面12と同様、投影される映像の視認性を向上させるため、スクリーン用に適化しておくことが好ましい。ここで、スクリーン用に適化するとは、筐体前面12の表面を白色等の単一色に塗装する、あるいは、スクリーンに適した生地を貼付する、映画館やホームシアター等で使用される一般的なスクリーンと同様の表面加工が行われている等、投影される映像が鮮明となる各種の方法が考えられる。
一方、開口の内側に映像を投影しないことで、以下のような利点が考えられる。例えば、テンキー27に映像を投影した場合、テンキー27の操作キーに表示されている数字の視認が困難になることが考えられる。したがって、開口部の内側全域、あるいは、その一部領域に映像を投影しないことで、ユーザの操作し易さを確保することが可能となる。なお、開口部分の内側に映像を投影するか否かは、ユーザインタフェイスの種類、処理の内容に応じて適宜設定することが可能である。例えば、精算処理中、操作対象とされていないユーザインタフェイスには、それが位置する開口部の内側に映像を投影しても操作性は失われることはなく、また、映像を投影することで、映像が欠けることを抑制し、自然な映像を提供することが可能となる。
図4に示されるようにタッチパネルモニタ28は、左右に位置する張り出し部11に架け渡された取り付けバー13に配置されている。そのため、図5から分かるように、短焦点型プロジェクタ21で投影光通過範囲P(斜線で示す範囲)を阻害することなく、ユーザに対して各種情報の提示、並びに、受け付けを行うことが可能となっている。また、取り付けバー13を設けたことで、ユーザUが筐体前面12に近付き過ぎることを抑制し、ユーザUの体躯により投影光通過範囲Pが阻害されることを抑制している。なお、本実施形態では、取り付けバー13には、タッチパネルモニタ28が固定されているが、タッチパネルモニタ28等を固定せずに、ユーザが筐体前面12に近付きすぎることを抑制するための近接防止部材としてもよい。
図6は、医療費精算機として使用される情報処理装置1で実行される精算処理を示すフロー図である。精算処理は、診療を受けた患者(ユーザU)が、診療に基づく医療費を支払うための処理である。情報処理装置1では、この精算処理のように、ユーザにユーザインタフェイスを操作させる各種処理を実行する。その際、情報処理装置1の制御部は、上述する処理に対応した映像を、短焦点型プロジェクタ21に投影させる。精算処理は、ユーザUがタッチパネルモニタ28に触れる、あるいは、ユーザUがカードリーダ24に診察券を挿入する等の操作を行うことで開始される。あるいは、情報処理装置1に、センサ(超音波センサ、赤外線センサ、カメラ等)を設けておき、センサにより、ユーザが前に位置していることを検出することで開始してもよい。
精算処理が開始されると、ユーザにより表示態様選択が行われたか否かが判断される(S101)。表示態様選択は、車椅子等を使用するユーザに適した映像を投影するための処理であり、ユーザはタッチパネルモニタ28に表示されるユーザインタフェイス(図示せず)を使用して選択することが可能である。表示態様選択が行われた場合(S101:Yes)、その後の処理では、低位置モードの映像が筐体前面12に投影されることになる。図7は、第1実施例について、低位置モードで映像が投影された情報処理装置1を示す斜視図である。通常、図4に示すように直立した係員の映像が投影されることなるが、定位置モードでは、しゃがんだ状態の係員の映像が投影されることになり、ユーザUの目線にあった位置で対応することが可能となる。
なお、第1実施例の表示態様選択は、ユーザUの操作により行われることとしているが、センサ(超音波センサ、赤外線センサ、カメラ等)を使用することで、情報処理装置1の前に位置するユーザUの高さを検出して行うこととしてもよい。また、検出したユーザの高さ(身長)に応じて、投影される係員の身長、あるいは、目線位置が異なる映像を投影することとしてもよい。
次に、情報処理装置1では、筐体前面12に投影される映像を使用して、係員による挨拶動作(動画)を表示させる。なお、図4の通常モードでは、直立した係員による挨拶動作が行われることになり、図7の低位置モードでは、しゃがんだ係員による挨拶動作が行われる(S103)。その後、情報処理装置1は、診察券の挿入案内を筐体前面12に投影する(S104)。図8は、診察券の挿入案内を表示中の情報処理装置1の斜視図である。図8に示されるように、筐体前面12には、カード挿入口24aをユーザUに注目させるように多重の丸印、及び、カードを挿入する動作を示す映像が投影される。ここで、ユーザを注目させる映像としては、操作対象となっていない状態のユーザインタフェイスが、操作対象に変化した場合、ユーザインタフェイスの周囲、あるいは、その表面に投影される映像が、動的に変化することが好ましい。また、動的に変化する映像とは、例えば、図9に示される多重の丸印をアニメーションで動かす、あるいは、映像として投影されている係員が指で示す、あるいは、単純に、多重の丸印が表示されない状態から、図9に示される多重の丸印を静止画で表示する等、各種形態を採用することができる。
従来の精算機では、ユーザの操作を促す案内のため、カード挿入口24aの近傍にLED等の照明装置が設けられていた。例えば、図8において診察券の挿入を促す際には、カード挿入口24aの近傍に設けたLEDを点灯させることで、ユーザが促されていた。このように従来の精算機では、LED等の照明装置を配置すること、照明装置に対する配線を行うこと、照明装置の点灯を制御することが必要であるため、精算機の製造、メンテナンスにかかるコスト、手間は大きいものであった。本実施形態に係る情報処理装置1は、上述するような照明装置を設ける必要がなく、短焦点型プロジェクタ21による投影により、ユーザUの操作を促すことが可能となっている。したがって、従来の精算機と比較して、格段に製造、メンテナンス費用、並びに、それらに関する手間を軽減することが可能となっている。
情報処理装置1は、診察券が挿入されると(S105:Yes)、カードリーダ24は、挿入された診察券に記憶される診察IDの読み取りを行い(S106)、診察券をカード挿入口24aから排出して(S107)、ユーザUに返却する。その際、図8と同様、カード挿入口24aにユーザUを注目させる映像を投影することで、ユーザUに診察券取り出しの操作が促される(S108)。その後、情報処理装置1は、通信部33を使用してサーバ装置と通信し、診察IDに対する請求情報を取得する(S109)。請求情報は、診療内容、請求対象となる医療費に関する請求額等が含まれた情報である。
次に、情報処理装置1は、受信した請求情報に基づいて、ユーザに対する請求額、及び、支払い方法を選択させる画面をタッチパネルモニタ28に表示する(S110)。請求情報に関する情報は、個人情報であって、周囲から見られないことが好ましい。第1実施例では、請求情報に関する情報を、筐体前面12に投影するのではなく、タッチパネルモニタ28で表示することで、周囲から見えてしまうことを抑制している。なお、請求情報についても、短焦点型プロジェクタ21により、筐体前面12に投影することとしてもよい。
ユーザUは、タッチパネルモニタ28に表示された支払い方法を選択することになるが、第1実施例では、現金、クレジットカードの2通りの支払いが用意されている。現金による支払い方法が選択された場合(S111:現金)、現金の入金案内が筐体前面12に投影される(S112)。図9は、ユーザUが現金支払中の情報処理装置1の斜視図である。支払いには、紙幣、硬貨を使用することが可能であって、入金案内に関する投影では、紙幣取扱部26、及び、硬貨入金口25aをユーザUに注目させるように、それぞれを囲むように多重の丸印が投影される。また、現金が入金される(S113:Yes)と、図9に示されるように、入金状況として、硬貨入金口25aから画面上部に向かって同額の硬貨が移動する動画、並びに、紙幣挿入口26aから画面上部に向かって同額の紙幣が移動する動画が表示される(S115)。ユーザは、画面上部に表示される現金(紙幣、硬貨)によって、入金した金額を現金のイメージで確認することが可能となっている。なお、多重の丸印、紙幣、硬貨の映像は、静止画であっても動画であってもよい。
その際、硬貨入金口25aについては、短焦点型プロジェクタ21を使用して、スポットライト的に白色光で投影することとしてもよい。図10は、硬貨入金口25a、硬貨出金口25b部分における情報処理装置1の断面図である。斜線部分は、短焦点型プロジェクタ21から投影された映像が通過する投影光通過範囲Pである。図10に示されるように、投影される映像の内、硬貨入金口25a部分を白色光とすることで、硬貨入金口25aをスポットライト的に照明し、ユーザUによる入金操作を容易にすることが可能となる。図10において、投影光通過範囲P中、黒色で示す範囲がスポットライトを形成する白色光通過範囲Wである。図10から分かるように、短焦点型プロジェクタ21は、筐体前面12の前方位置から投影を行うため、硬貨入金口25aの内部までしっかりと照明することが可能であり、ユーザUによる入金操作が容易となる。従来、硬貨入金口25a、あるいは、硬貨出金口25bに対する照明は、硬貨取扱部25が備える照明装置で行われることが通常であったが、第1実施例では、短焦点型プロジェクタ21によって、照明を行うことが可能であるため、照明装置を有していない安価な硬貨取扱部25を使用することが可能となり、情報処理装置1の製造コストを削減することが可能となる。
入金した金額が請求額以上となった場合(S115:Yes)、釣り銭の有無が判断される(S116)。釣り銭がある場合(S116:Yes)、紙幣取り出し口26b、硬貨出金口25bから、入金額と請求額の差額となる釣り銭が排出される(S117)。その際、現金の入金時と同様、硬貨出金口25b、紙幣取扱部26(紙幣取り出し口26b)の近傍には、ユーザUを注目させるための多重の丸印等を表示する釣り銭の取り出し案内が投影される(S118)。釣り銭取り出し案内としては、このような形態の他、釣り銭となる紙幣が紙幣取り出し口26bに落ちていく、あるいは、釣り銭となる硬貨が硬貨出金口25bに落ちていく様子を動画で投影することとしてもよい。なお、釣り銭が硬貨のみである場合には、紙幣取り出し口26bに対する取り出し案内は行わなくてもよいし、釣り銭が紙幣のみである場合には、硬貨出金口25bに対する取り出し案内は行わなくてもよい。
また、釣り銭の排出時、硬貨出金口25bに対しては、入金時と同様、スポットライト的に硬貨出金口25bを白色光で照明することとしてもよい。ユーザUの釣り銭の取り忘れを抑制することが可能となる。また、硬貨入金口25aの場合と同様、硬貨出金口25bに対しても照明装置を設ける必要がないため、照明装置を有していない安価な硬貨取扱部25を使用することが可能となり、情報処理装置1の製造コストを削減することが可能となる。
ところで、情報処理装置1では、収容している硬貨が不足している、いわゆる釣り銭切れを起こしていることがある。この場合、係員によって情報処理装置1に硬貨を充填する必要がある。通信部33を介して外部に釣り銭切れを伝える、あるいは、音声処理部20gにて音声により釣り銭切れを伝えることが考えられるが、視覚による伝達を行うことも考えられる。従来の精算機では、視覚的伝達を行うため、精算機の上部等、目に付き易い位置に回転灯等の表示灯を設け、釣り銭切れ時に点灯させることとしていた。本実施形態の情報処理装置1では、このような表示灯を別途も受ける必要無く、情報処理装置1の目に付き易い位置に釣り銭切れの表示を行うことが可能である。本実施形態では、図9の筐体前面12の上部を業務用表示領域Eとし、釣り銭切れの際、この部分を赤色で投影することで、係員に釣り銭補充させることとしている。また、業務用表示領域Eには、釣り銭切れに限られるものではなく、情報処理装置1の各種エラーを表示することが可能であり、必要とする操作内容を文言で表示することも可能である。
一方、クレジットカードによる支払い方法が選択された場合(S111:クレジットカード)、筐体前面12には、クレジットカードの挿入案内が投影される(S122)。情報処理装置1では、カードリーダ24でクレジットカードを読み取ることが可能であり、診察券の場合と同様、カード挿入口24aにクレジットカードを挿入する案内が筐体前面12に投影される。カード挿入口24aにクレジットカードが挿入された場合(S123:Yes)、挿入されたクレジットカードによる支払いが実行される(S124)。情報処理装置1は、通信部33を介して、クレジット決済用のサーバ装置と通信を行い、請求額の支払いを実行する。支払いが完了すると、クレジットカードをカード挿入口24aから排出(S125)し、挿入時と同様、カード挿入口24aをユーザに注目させる取り出し案内が筐体前面12に投影される(S126)。
現金あるいはクレジットカードによる支払いが完了すると、情報処理装置1は、プリンタ22で領収書、診療明細等の印刷物の印刷を実行する(S119)。なお、印刷物の印刷は、ユーザが選択的に行うものであってもよい。例えば、タッチパネルモニタ28を操作することで、印刷物の印刷の可否を選択することが可能である。プリンタ22で印刷された印刷物は、第1開口12aを介して、ユーザUの側に排出される。その際、印刷物の受け取り案内を筐体前面12に投影することとしてもよい(S120)。印刷物の受け取り案内としては、第1開口12aに多重の丸印を投影する、あるいは、印刷物が第1開口12aと移動する様子を投影すること等が考えられる。
医療費の支払い、印刷物の受領が完了すると、筐体前面12には、図4(定位モードの場合は、図7)で説明した形態の係員による挨拶動作が表示され、一連の精算処理が完了する。
以上、情報処理装置1を医療費精算機に適用した場合について説明したが、本実施形態の情報処理装置1は、医療費精算機に限られるものではなく、各種分野において使用することが可能である。以下に、他の実施例について説明を行う。
[第2実施例:自動チェックイン機]
ホテル等の宿泊施設では、チェックインする際に、宿泊費を支払うことでカードキーを受け取ることのできる自動チェックイン機が使用されている。第2実施例の情報処理装置1は、このような自動チェックイン機にも適用することが可能である。
図11は、自動チェックイン機として使用した場合の情報処理装置1の正面斜視図である。自動チェックイン機では、宿泊施設のフロント等で受領したICカード、あるいは、個人が所持する宿泊施設の会員証としてのICカードをICカードリーダ・ライタ23にかざすことで、宿泊費が開始される。図11は、ユーザUにICカードをかざす案内を投影している状態である。図1、図2で説明したように、ICカードリーダ・ライタ23は、筐体前面12に埋設されているため、外部からはその位置が分からないが、「Touch」と書かれた映像を投影することで、ユーザUにICカードをかざす(タッチする)場所を促すことが可能となっている。また、この案内では、係員が指でICカードをかざす箇所を案内する映像を投影することで、ユーザUに分かり易い表示となっている。なお、本実施形態に係る情報処理装置1では、その他の案内、例えば、入金場所を教示する、あるいは、印刷物の排出場所を教示する場合にも、係員の所作によって案内することとしてもよい。
宿泊施設では、このような自動チェックイン機は、自動チェックアウト機として兼用される場合もある、そのような場合、あるいは、自動チェックアウト機のみの機能を有する場合においても、本実施形態の情報処理装置1を使用することが可能である。
図12は、外国人観光者向けの自動チェックイン機に適用した場合の情報処理装置1である。ユーザはタッチ読み取り領域R内に投影された「日本語」、「英語」、「中国語」、「韓国語」がタッチ選択可能に表示されている。そして、タッチ読み取り領域R内のタッチ操作は、タッチ検出部29で読み取られ、タッチ選択された言語に応じた内容の案内が投影される。図12では、「中国語」が選択された場合の投影例であって、中国語表記の表示、外国人観光者向けに和服を着た係員の全身像が投影されている。従来のチェックイン機では、各ユーザインタフェイスに、各国の言語を印刷等で表記することが通常であったが、第2実施例の自動チェックイン機では、投影する映像によって、選択された言語のみを表示できるため、複数の言語が混在することなく分かり易い案内を行うことが可能となっている。
[第3実施例:ゴルフ場自動精算機]
図13は、ゴルフ場に設置されるゴルフ場自動精算機に情報処理装置1を適用した例である。図13は、情報処理装置1で精算処理が開始される際の様子であって、筐体前面12には、係員の全身像が投影されている。係員としての映像にはプロのゴルフ選手を使用することも可能であり、ユーザUは、プロのゴルフ選手とあたかも対話しながら精算することが可能となっている。また、図13では、吹出中に「今日のスコアはいかがでした?精算を始めます。」と表示されているが、これは、情報処理装置1の音声処理部20g、スピーカを使用して音声出力することも可能である。
[第4実施例:入場券販売機]
図14は、水族館に設置され、入場券を販売する入場券販売機に情報処理装置1を適用した例である。筐体前面12には、図12の場合と同様、言語を選択するためのタッチ読み取り領域Rが設けられている。タッチ読み取り領域R内の言語をタッチ選択することで、それぞれの言語に応じた内容の案内が投影される。また、筐体前面12の全域には、背景として海中内の様子が動画、あるいは、静止画で投影されており、これから水族館を楽しむユーザU1、U2の気持ちを高揚させることが可能となっている。
なお、本実施形態の情報処理装置1は、入場券を販売する入場券販売機に限られるものではなく、例えば、飲料を販売する自動販売機等、各種チケット、物品を販売する販売機に適用することが可能である。
以上、第1~第4変形例を使用して、情報処理装置1の各種仕様形態を説明したが、本実施形態の情報処理装置1によれば、大幅なハードウェアの仕様変更を行うことなく、短焦点型プロジェクタ21で投影される映像を異ならせることで、各種分野で使用される精算機、各種の販売機に使用することが可能である。したがって、分野毎に精算機、販売機についてハードウェアの設計、製造を大幅に異ならせる必要がなく、生産あるいはメンテナンスのコスト、効率の向上を図ることが可能となっている。また、情報処理装置1を他の分野の精算機、販売機として再利用(リサイクル)することも容易となる。
[変形例]
図15は、短焦点型プロジェクタ21における投影形態の変形例を説明するための図である。図1、図2等では、1の短焦点型プロジェクタ21を筐体前面12の上方に設置し、筐体前面12の上部から投影する形態について説明した。このような投影形態に限られるものではなく、各種の投影形態を採用することが可能である。短焦点型プロジェクタ21は、筐体前面12の上方、下方、左方、右方等、筐体前面12の側方であって、筐体前面12の前方から、筐体前面12に映像を投影することで、情報処理装置1の前で操作を行うユーザUの体躯で阻害される、すなわち、影を形成することを抑制しつつ、映像を投影することが可能となる。
図15(A)は、投影形態の第1変形例を示す図であって、この投影形態では、2つの短焦点型プロジェクタ21a、21bを使用している。短焦点型プロジェクタ21aは、図1、図2と同様、筐体前面12の上方に設置されている。一方、短焦点型プロジェクタ21bは、筐体前面12の下方に設置されている。また、短焦点型プロジェクタ21aは、筐体前面12の上部から中間位置までの投影領域R1に映像を投影する。そして、短焦点型プロジェクタ21bは、筐体前面12の中間位置から下部までの投影領域R2に映像を投影する。投影領域R1と投影領域R2は中間位置において重畳する領域を有している。
このように2つの短焦点型プロジェクタ21a、21bで映像を投影することで、筐体前面12に投影される映像の輝度を向上させることが可能となる。また、中間位置では、投影領域R1、R2が重畳されるため、例えば、図4に示すような筐体前面12の大きな映像を投影する場合であっても、上下で映像を接続することで、自然な映像を投影することが可能となる。
図15(B)は、投影形態の第2変形例を示す図であって、この投影形態では、筐体前面12の左側に短焦点型プロジェクタ21aが設置され、筐体前面12の右側に短焦点型プロジェクタ21bが設置された形態となっている。短焦点型プロジェクタ21aは、筐体前面12の上方の投影を担当し、短焦点型プロジェクタ21bは、筐体前面12の下方の投影を担当する。図15(B)の第2変形例も、第1変形例と同様、複数の短焦点型プロジェクタ21a、21bで分割して投影することで、輝度の向上を図ることが可能となる。また、一部領域を重畳して投影することで、一体的な映像を自然に投影することが可能となる。
図15(C)は、投影形態の第3変形例を示す図であって、この投影形態では、筐体前面12の上方に短焦点型プロジェクタ21aが設置され、筐体前面12の下方に短焦点型プロジェクタ21bが設置された形態となっている。短焦点型プロジェクタ21a、短焦点型プロジェクタ21bのどちらも、筐体前面12の全体を投影している。この場合、短焦点型プロジェクタ21a、21bは、どちらも筐体前面12に同じ映像を形成するように投影を行う。情報処理装置1では、筐体前面12にタッチ操作を行うことも考えられるが、投影中の映像にタッチ操作を行った場合、筐体前面12にユーザUの手の影を落とすことが考えられる。特に、短焦点型プロジェクタ21を使用する場合、その光学特性から筐体前面12に落とされる影は長いものになる。第3変形例では、2つの短焦点型プロジェクタ21a、21bを使用して重畳した映像を投影するため、筐体前面12に落とされる影を薄くし、投影される映像を確保することが可能となる。
以上、図15(A)~(C)を使用して投影形態の各種変形例を説明したが、短焦点型プロジェクタ21a、21bの台数は、2台以上とすることも可能であり、その配置も適宜行うことが可能である。また、各短焦点型プロジェクタ21a、21bで投影する映像の位置、大きさも適宜に設定することが可能である。例えば、各短焦点型プロジェクタ21a、21bは、筐体前面12上、離れた領域に映像を投影してもよい。一例として、短焦点型プロジェクタ21aが筐体前面12の上部に映像を投影し、短焦点型プロジェクタ21bが筐体前面の下部に投影し、両投影領域の間には、映像が投影されない領域が形成されてもよい。この場合、映像が投影されない領域に、黒線等のラインを引く、テーブル等の部材を設けることで、上部の映像と下部の映像が分断される違和感を抑制することが可能である。また、図15(A)~(C)のように、投影される映像を重畳させるため、厳密な位置合わせを行う必要がなく、セッティングも容易となる。
図4で説明した医療費精算機等は、大きな病院等では、多数のユーザUに対応できるように、複数台並んだ状態で設置されることがある。図11、図12で説明した自動チェックイン機、図13で説明したゴルフ場自動精算機、図14で説明した入場券販売機も同様であって、これらの機器は複数台並んで設置されることがある。また、本実施形態の情報処理装置1は、短焦点型プロジェクタ21を使用するため、長時間、同じ映像を投影した場合、投影像に残像が残る、いわゆる焼き付きという現象が生じることがある。
図16は、情報処理装置1における焼き付きの軽減を図るとともに、大きな領域を投影できる特徴を活用した変形例を説明するための図である。図16(A)は、4台の情報処理装置1a~1dを並べて設置した際の筐体前面12の様子である。なお、図16(A)、図16(B)において、各種ユーザインタフェイスは省略して記載している。
情報処理装置1a~1dを使用していない場合、筐体前面12に映像を投影しないことで焼き付きは軽減することができる。しかしながら、筐体前面12に映像を投影しないと、スクリーンとしての筐体前面12となってしまい、デザイン上、必ずしも好ましいものとはいえない。また、何に使用する機器であるのかも分かりづらくなることが考えられる。そのため、情報処理装置1a~1dがユーザUにより、使用されていない場合も映像を投影することで、使用する分野にあったデザイン、並びに、使用機器の機能をユーザUにアピールすることが可能となる。
特に、複数台の情報処理装置1a~1dが並んで設置される場合、筐体前面12の大きな領域に映像を投影することができることを更に活用し、複数台の情報処理装置1a~1dにまたがった映像を投影することが可能である。図16(A)は、参考として「Picture1」という文字を投影している状態を示した図である。このように、複数台の情報処理装置1a~1dが連携して、隣接する情報処理装置1a~1d間で連続する映像を投影することで、大きな領域の映像を投影することが可能となり、環境に調和した映像を投影する等、各種の応用が可能となる。なお、投影する映像には、動画、静止画のどちらであっても構わないが、時系列的に変化させることで、短焦点型プロジェクタ21の焼き付きを抑えることが可能である。
ところで、図16(A)のような状況下において、ユーザUが情報処理装置1a~1dの何れかを使用開始することが考えられる。図16(B)は、このような状況を説明するための図であって、情報処理装置1cをユーザUが使用している状況を示す図である。使用中の情報処理装置1cでは、上述したように、ユーザUに対して使用に関する映像が投影されることになる。一方、情報処理装置1a、1b、1dは、図16(A)のように、連続した映像を投影していた状況下、情報処理装置1cで投影した映像が中抜けした状態となってしまう。
そのため、図16(B)では、情報処理装置1a、1bのみ連続した映像(参考として「Picture2」という文字を投影した状態)を投影し、情報処理装置1cは単独の映像(参考として「Picture3」という文字を投影した状態)を投影することとしている。このように、情報処理装置1a~1cは、互いの使用状況を確認し、使用中でなく、かつ、隣り合う情報処理装置1a、1b間において、連続する映像を投影し、使用中により、連続する映像が途切れてしまう不自然さを抑えることとしている。
図17は、情報処理装置1の筐体前面12について変形例を説明するための図である。図17は、図5と同じ、情報処理装置1の断面を示す図であるが、筐体前面12の一部形状において異なっている。短焦点型プロジェクタ21は、極めて近い距離からスクリーン(本実施形態では筐体前面12)に映像を投影することができるが、その距離を0にすることは困難である。図5に示されるように、筐体前面12の上部から映像を投影する場合、映像が投影される筐体前面12の上端は、映像が投影されない投影不可領域Nとなる。このように筐体前面12に映像が投影されない投影不可領域Nが生じると、不自然に見えてしまうことが考えられる。
そのため、図17に示すように、筐体前面12において、短焦点型プロジェクタ21が配置される側に傾斜面12gを形成することが考えられる。傾斜面12gは、投影光通過範囲Pを阻害しないように設けられている。このような傾斜面12gを設けることで、映像が投影されない平面が形成されることで生じる違和感を抑え、投影形態を好適にすることが考えられる。図17では、平面状の傾斜面12gとしているが、曲面状とすることとしてもよい。
以上、本発明に係る情報処理装置1の各種形態、変形例について説明を行ったが、本発明はこれら各種形態、変形例のみに限られるものではなく、それぞれの各種形態、変形例の構成を適宜組み合わせて構成した形態も本発明の範疇となるものである。