以下、添付図面を参照して、倉庫システムについて説明する。図1は、本実施の形態の倉庫システムの外観斜視図である。図2は、本実施の形態の倉庫システムの背面図である。なお、本実施の形態の倉庫システムは一例に過ぎず、適宜変更が可能である。
図1及び図2に示すように、倉庫システム1は、多数の部品トレイTを保管した自動倉庫5にバッファとして機能する中間倉庫7が併設され、さらに中間倉庫7に入出庫用の複数の昇降ユニット10が併設されている。また、倉庫システム1には、昇降ユニット10と製造装置(不図示)の間で部品トレイTを搬送する搬送ユニット60が設けられている。自動倉庫5には多数の部品トレイTが保管棚に保管され、中間倉庫7には出庫待ちの部品トレイTが仮置き棚に一時的に保管されている。自動倉庫5と中間倉庫7はカバー8によって連結され、自動倉庫5と中間倉庫7で1つの部品倉庫が形成されている。
詳細は省略するが、自動倉庫5のアーム(不図示)によって自動倉庫5と中間倉庫7の間で部品トレイTが受け渡され、中間倉庫7のアーム(不図示)によって中間倉庫7と複数の昇降ユニット10の間で部品トレイTが受け渡される。部品トレイTには、多数の部品をパッケージングしたキャリアテープのテープリール(不図示)が収納されるが、テープリール以外の他の部品を収納することも可能である。また、部品種類や供給形態に応じて異なるサイズの部品トレイTが用意されている。部品トレイTに収納された部品には、バーコード等の部品の種別情報を示す識別マークが付されている。
中間倉庫7には、部品トレイTのサイズ毎に別々の入出庫口が形成されており、各入出庫口を覆うように部品トレイTのサイズ毎に昇降ユニット10が設置されている。各昇降ユニット10の下方には、搬送ユニット60が進入可能な受け渡しスペース38が設けられており、受け渡しスペース38で昇降ユニット10と搬送ユニット60の間で部品トレイTが受け渡される。搬送ユニット60は、部品トレイTのサイズ毎に設計した搬送カート70に自走式の搬送機61を着脱可能に装着している。搬送機61が搬送カート70を着け替えることで、1台の搬送機61でサイズが異なる部品トレイTが搬送される。
このように、倉庫システム1では、サイズ毎に部品トレイTの入出庫が行われる。よって、部品トレイTのサイズ毎に昇降ユニット10や搬送ユニット60を設計すればよいため構造を簡略化することができる。また、昇降ユニット10と自動倉庫5の間に中間倉庫7を設置しているため、例えば、昇降ユニット10から搬送ユニット60に部品トレイTを受け渡している間等に、自動倉庫5から出庫予定の部品トレイTを探し出して中間倉庫7に仮置きしておくことができる。中間倉庫7に出庫待ちの部品トレイTを保管しておくことで、部品トレイTの捜索時間を短縮して入出庫作業の効率化が図られている。
ところで、搬送ユニット60は、搬送カート70に搬送機61が進入して、搬送機61が当接爪101を起こすことで搬送カート70に連結される。しかしながら、搬送カート70に搬送機61が装着される前に当接爪101が起こされている場合があり、当接爪101が起こされた状態では搬送カート70に搬送機61をスムーズに連結できないおそれがある。そこで、本実施の形態では、当接爪101が起こされた状態で搬送カート70に搬送機61を進入させたときに、搬送カート70によって当接爪101が押し込まれて搬送カート70に対する搬送機61の進入が許容されている。
以下、図3から図9を参照して、本実施の形態の昇降ユニット、シャッターユニット、搬送ユニットの詳細構成について説明する。図3は、本実施の形態の昇降ユニットの斜視図である。図4は、本実施の形態の昇降ユニットの背面図である。図5は、本実施の形態の昇降ユニットの断面図である。図6は、本実施の形態のシャッターユニットの正面図である。図7は、本実施の形態の搬送ユニットの斜視図である。図8は、本実施の形態の搬送機と搬送カートの斜視図である。図9は、本実施の形態の搬送カートを下方から見た斜視図である。なお、図3-図5では、昇降ユニットの外装カバーを取り外した状態を示している。
図3から図5に示すように、昇降ユニット10のフレーム11は、四隅の支柱フレーム12をサイドフレーム13、フロントフレーム14、リヤフレーム15で接続した4脚フレーム構造を有している。一部のサイドフレーム13には、部品トレイTを昇降する一対の昇降機構17が設けられている。各昇降機構17には、Z方向に平行な一対のガイドロッド18と、一対のガイドロッド18にスライド可能に連結した昇降プレート19及び昇降ステージ21とが設けられている。一対の昇降ステージ21の上面は、部品トレイTの長手方向(Y方向)に延びる下側縁を下方から支持する支持面22になっている。
一対の昇降ステージ21の支持面22には、部品トレイTの側面をガイドする側面ガイド23が設けられている。一対の側面ガイド23の対向面にはYZ平面に平行なガイド面24がZ方向に延在するように形成されている。一対の側面ガイド23のガイド面24によって、部品トレイTの側面がガイドされながら昇降ステージ21と中間倉庫7(図1参照)の間で部品トレイTが入出庫される他、昇降ステージ21上に複数の部品トレイTの長手方向がY方向に揃えられた状態で位置決めされる。各側面ガイド23の上下方向の中間位置には昇降プレート19が連結されている。
各昇降プレート19にはナット部25が設けられており、このナット部25にボールネジ26が螺合されている。ボールネジ26の一端部にはプーリ27が固定されており、プーリ27にはタイミングベルト28を介して駆動モータ29の出力軸が連結されている。一対の駆動モータ29によってボールネジ26が回転駆動されることで、一対の昇降プレート19と共に一対の昇降ステージ21がガイドロッド18に沿って部品トレイTを支持した状態でZ軸方向に昇降される。このとき、一対の駆動モータ29の駆動が同期しており、一対の昇降ステージ21の昇降時に部品トレイTが水平姿勢に維持されている。
昇降ステージ21の上方には、昇降ステージ21に積み込まれた部品トレイTの上面高さを検出する高さセンサ31が設けられている。高さセンサ31は、例えば近接センサであり、最上段の部品トレイTが入出庫高さまで上昇するとONになり、最上段の部品トレイTが入出庫高さから下降するとOFFになる。高さセンサ31がONになるまで一対の昇降ステージ21が上昇されることで、昇降ステージ21に積み込まれた部品トレイTの段数に依らずに最上段の部品トレイTが入出庫高さに位置付けられる。高さセンサ31によって部品トレイTが入出庫高さを超えて上昇し過ぎることが防止されている。
上側のフロントフレーム14と上側のリヤフレーム15はブリッジ16によって連結されており、ブリッジ16には部品トレイTの入庫時に部品の識別マークから部品情報を読み取る読取器32が設けられている。読取器32は、例えばコードリーダやカメラであり、識別マークから読み取った部品情報又は部品有無を自動倉庫5(図1参照)の制御ユニットに出力している。自動倉庫5は、部品情報に保管棚の部屋番号を関連付けたデータベースで部品トレイTを管理しており、データベースを参照して読取器32から出力された部品情報から部品トレイTの入庫先の部屋番号を特定している。
フロント側の支柱フレーム12には、入出庫口にて中間倉庫7(図1参照)から昇降ユニット10への部品トレイTの出庫を検出する出庫センサ33が設けられている。出庫センサ33は、例えばフォトセンサであり、出庫センサ33の光路を部品トレイTが横切るとONになり、出庫センサ33の光路を部品トレイTが通過するとOFFになる。出庫センサ33がONからOFFに切り換わることで、1つの部品トレイTが入出庫口から出庫されたことが検出される。出庫センサ33によって部品トレイTが完全に出庫し終わる前に昇降ステージ21が下がり始めることが防止されている。
下側の一対のサイドフレーム13には、受け渡しスペース38に搬送ユニット60(図7参照)をガイドする一対のガイドローラ34が設けられている。一対のガイドローラ34は、多数のローラをY方向に並べており、搬送ユニット60に転接して受け渡しスペース38への進入をガイドしている。一対のガイドローラ34に搬送ユニット60が転接すると、搬送ユニット60が左右方向で位置決めされた状態で受け渡しスペース38に進入する。よって、搬送ユニット60が、昇降ユニット10の一対の昇降ステージ21及び一対の側面ガイド23に衝突することが防止されている。
なお、図3から図5には1種類の昇降ユニット10のみ図示されているが、複数の昇降ユニット10は部品トレイTのサイズに合わせて一対の昇降ステージ21及び一対の側面ガイド23が設計されている。例えば、一対の昇降ステージ21の対向間隔は、部品トレイTの短手方向(X方向)で対向する下側縁を支持可能なように、部品トレイTの短手方向の幅寸法よりも狭く設計されている。一対の側面ガイド23のガイド面24の対向間隔は、部品トレイTの下側縁に連なる両側面をガイド可能なように、部品トレイTの幅寸法よりも僅かに大きく設計されている。
このように、部品トレイTのサイズに応じた複数の昇降ユニット10が用意されている。一対の昇降ステージ21や一対の側面ガイド23の対向間隔を可変させるための機構が不要になるため、昇降ユニット10の構造を簡略化させることができる。各昇降ユニット10は、自動倉庫5(図1参照)の制御ユニットによって統括制御されており、制御ユニットからの制御信号によって一対の昇降ステージ21に積み込まれた部品トレイTが同時に昇降される。なお、制御ユニットは、各種処理を実行するプロセッサやメモリ等によって構成されている。メモリには、入出庫動作の制御プログラムが記憶されている。
部品トレイTの出庫時には、一対の昇降ステージ21の支持面22が入出庫高さに位置付けられ、中間倉庫7から部品トレイTが出庫される度に昇降ステージ21の支持面22が部品トレイTの厚み分だけ下降される。この場合、出庫センサ33によって部品トレイTの出庫が検出される度に、制御ユニットによって駆動モータ29が駆動されて、一対の昇降ステージ21が1トレイ分だけ下降して部品トレイTが入出庫高さに位置付けられる(図14B参照)。この動作が繰り返されることで、一対の昇降ステージ21に複数の部品トレイTが下から順に積み込まれる。
部品トレイTの入庫時には、高さセンサ31で最上段の部品トレイTの上面が検出されるまで一対の昇降ステージ21が上昇され、中間倉庫7に部品トレイTが入庫される度に昇降ステージ21の支持面22が部品トレイTの厚み分だけ上昇される。この場合、中間倉庫7のアームによって一対の昇降ステージ21から部品トレイTが取り出される度に、制御ユニットによって駆動モータ29が駆動されて、一対の昇降ステージ21が1トレイ分だけ上昇して次の部品トレイTが入出庫高さに位置付けられる(図15C参照)。この動作が繰り返されることで、一対の昇降ステージ21から複数の部品トレイTが上から順に降ろされる。
図6A及び図6Bに示すように、シャッターユニット40は、入出庫口42が形成されたベースプレート41に対して平面視矩形状のスライドドア43を上下方向にスライド可能に設置している。ベースプレート41の幅方向の両端側には、高さ方向に延びる一対のガイドレール44、45が設置されている。一方のガイドレール44にはスライドドア43の長手方向の一端がガイドされ、他方のガイドレール45にはスライドドア43の長手方向の他端に設けたスライダ46が設置されている。スライダ46にはタイミングベルト47が固定され、タイミングベルト47はプーリ48を介して駆動モータ49の出力軸に連結されている。
ベースプレート41には、スライドドア43の全開を検出する全開センサ51と、スライドドア43の全閉を検出する全閉センサ52とが設けられている。全開センサ51はスライドドア43の全開時にスライダ46に接触可能な位置に設置され、全閉センサ52はスライドドア43の全閉時にスライダ46に接触可能な位置に設置されている。全開センサ51がスライダ46に接触するとONになって入出庫口42の全開が検出され、全閉センサ52がスライダ46に接触するとONになって入出庫口42の全閉が検出される。全開センサ51及び全閉センサ52によってスライドドア43の全開状態及び全閉状態がチェックされている。
中間倉庫7は標準で入出庫口がカバープレートで塞がれており、このカバープレートの代わりにシャッターユニット40が後付けされる。中間倉庫7の高さ寸法よりも昇降ユニット10の高さ寸法が小さく形成されており(図1参照)、中間倉庫7の高さ方向中段に昇降ユニット10の高さ方向上段が位置付けられている。中間倉庫7の高さ方向中段と昇降ユニット10の高さ方向上段の間にシャッターユニット40が設置され、シャッターユニット40によって入出庫口42が開閉される。入出庫口42が高い位置に形成されることがなく、トラブル時に入出庫口42を使用したオペレータの作業性が向上されている。
このように構成されたシャッターユニット40は、自動倉庫5(図1参照)の制御ユニットによって統括制御されており、制御ユニットからの入出庫の制御信号を受けた場合にのみ入出庫口42が開かれる。部品トレイTの入出庫の開始時には、制御ユニットによって駆動モータ49が駆動されて、全閉センサ52がONからOFFに切り換わって全開センサ51がOFFからONに切り換わるまでスライドドア43が上動される。部品トレイTの入出庫の完了時には、制御ユニットによって駆動モータ49が駆動されて、全開センサ51がONからOFFに切り換わって全閉センサ52がOFFからONに切り換わるまでスライドドア43が下動される。
シャッターユニット40によって部品トレイTの入出庫時を除いて入出庫口42が閉じられることで、入出庫口42から倉庫内への外気の流入による温度変化や湿度変化が最小限に抑えられている。また、シャッターユニット40によって自動倉庫5(図1参照)の空調設備が補助されて、低湿保管が必要な部品の包装が解かれた場合でも部品の使用時間を長くすることができる。自動倉庫5の制御ユニットによってシャッターユニット40の開閉が制御されているため、中間倉庫7の入出庫動作、昇降ユニット10の昇降動作、シャッターユニット40の開閉動作がスムーズに連携される。
図7及び図8に示すように、搬送ユニット60は、自走式の搬送機61を搬送カート70に着脱可能に装着して、部品トレイTを積み込んだ搬送カート70を搬送機61によって牽引している。搬送機本体62の下部には走行輪63が設けられ、搬送機本体62の上部には搬送カート70に連結する連結機構100が設けられている。また、搬送機本体62の前部には一対のアンテナ64が設けられており、アンテナ64を介してホストコンピュータ(不図示)に無線接続されている。搬送機61は、ホストコンピュータとの無線通信によって規定ルートで搬送カート70を牽引しながら自走している。
連結機構100は、連結ボックス65内に各種部材を収容しており、連結ボックス65の上面のスリットから当接爪101を出没させて搬送カート70に対する連結状態と解除状態を切り換えている。連結ボックス65の上面には部品トレイTのサイズを検出する反射型で左右一対の光センサ66が設けられている。連結ボックス65の側面には、搬送カート70の内側に搬送機61が進入する際に、搬送カート70の内側に転接する複数のガイドローラ67が設けられている。連結ボックス65の後方には、搬送カート70に位置決め状態で当接する当接プレート68が設けられている。なお、搬送カート70と搬送機61の連結構造については後述する。
搬送カート70は、一対のサイドカバー71及びトップカバー72によって搬送機61の両側方及び上部を覆うように形成されている。一対のサイドカバー71の下部には、搬送機61の走行に伴って従動する複数の従動輪73が設けられている。また、各サイドカバー71の内側には、制動部材75を床面に接地して搬送カート70を制動する制動機構74が設けられている。トップカバー72の上部には、複数の部品トレイTが積み込まれる搬送ステージ76が設置されている。搬送ステージ76の上面は、部品トレイTの長手方向(Y方向)に延びる下側縁を除いて部品トレイTの下面を下方から支持する支持面77になっている。
搬送ステージ76の前後には、部品トレイTの前面をガイドする前面ガイド78と、部品トレイTの後面をガイドする後面ガイド79とが設けられている。前面ガイド78及び後面ガイド79の対向面にはXZ平面に平行なガイド面81、82がZ方向に延在するように形成されている。前面ガイド78は、搬送ステージ76を挟んで立設した一対のサブガイド83に開閉ドア84が横開き可能に取り付けて構成されている。このように、前面ガイド78には、部品トレイTの両側面をガイドする一対のサブガイド83が設けられると共に、搬送ステージ76上の部品トレイTを取り出し可能に開閉ドア84が形成されている。
前面ガイド78及び後面ガイド79によって部品トレイTが前後左右にガイドされながら、一対の昇降ステージ21(図3参照)と搬送ステージ76の間で部品トレイTが受け渡される。また、搬送ステージ76上では前面ガイド78及び後面ガイド79によって複数の部品トレイTの長手方向がY方向に揃えられた状態で位置決めされる。部品トレイTが位置決めされることで、搬送ユニット60による搬送中に部品トレイTが搬送ステージ76から落下することが防止されている。また、開閉ドア84を開けることで、搬送ユニット60から部品トレイTを容易に取り出すことができオペレータの作業性が向上されている。
なお、図7及び図8には1種類の搬送ユニット60のみ図示されているが、搬送ユニット60の搬送カート70は部品トレイTのサイズに合わせて、搬送ステージ76、前面ガイド78、後面ガイド79が設計されている。例えば、搬送ステージ76及び後面ガイド79の幅寸法は、一対の昇降ステージ21(図3参照)の内側に入り込み可能なように、一対の昇降ステージ21の対向間隔よりも狭く設計されている。前面ガイド78及び後面ガイド79の対向間隔は、部品トレイTの前面及び後面をガイド可能なように、部品トレイTの長さ寸法よりも僅かに大きく設計されている。
このように、部品トレイTのサイズに応じた複数の搬送カート70が用意されている。搬送カート70に駆動機構等の複雑な構成が不要になるため、搬送カート70の構造を簡略化することができる。搬送ユニット60は、昇降ユニット10(図3参照)の真下の受け渡しスペース38まで移動して、昇降ユニット10の昇降動作によって昇降ユニット10と搬送ユニット60の間で部品トレイTがスムーズに受け渡される。
上記したように、一対の昇降ステージ21(図3参照)の対向間隔よりも搬送ステージ76が狭く形成され、一対の側面ガイド23(図3参照)の対向方向に直交する前後方向で前面ガイド78と後面ガイド79が対向している。よって、一対の昇降ステージ21の昇降時に、一対の昇降ステージ21と搬送ステージ76の衝突が避けられると共に、一対の側面ガイド23と前面ガイド78及び後面ガイド79の衝突が避けられる。このように、一対の昇降ステージ21の内側に搬送ステージ76を位置付けた状態で、一対の昇降ステージ21の支持面22が搬送ステージ76の支持面77よりも下方になるまで下降可能に構成されている。
部品トレイTの出庫時には、複数の部品トレイTが積み込まれた一対の昇降ステージ21(図3参照)の下方に搬送ステージ76が位置付けられる。一対の昇降ステージ21の支持面22が搬送ステージ76の支持面77よりも下方になるまで下降することで、昇降ステージ21から搬送ステージ76に複数の部品トレイTが同時に受け渡される(図14D参照)。部品トレイTの入庫時には、複数の部品トレイTが積み込まれた搬送ステージ76の支持面77よりも下方に一対の昇降ステージ21の支持面22が位置付けられる。一対の昇降ステージ21が上昇することで搬送ステージ76から昇降ステージ21に複数の部品トレイTが同時に受け渡される(図15B参照)。
また、図9A及び図9Bに示すように、トップカバー72の下面には、搬送カート70に対する搬送機61(図8参照)の進入方向において手前位置から奥方位置まで延びる一対の進入ガイド85が設けられている。搬送機61のガイドローラ67(図8参照)が一対の進入ガイド85に転接することで、搬送カート70に搬送機61を位置決め状態で奥方まで進入させることができる。トップカバー72の下面の前方側には搬送機61の当接爪101に連結可能に当接する側面視L字状の突起86が設けられ、トップカバー72の下面の後方側には搬送機61の当接プレート68に位置決め状態で当接する位置決めプレート87が設けられている。
位置決めプレート87の近傍には、搬送カート70に積み込まれた部品トレイTのサイズに応じて開口位置を変えた検出板88が設けられている。検出板88は搬送機61の左右一対の光センサ66(図8参照)に対向しており、各光センサ66から検出板88に向かって検出光が照射されて、開口89で反射光が減少して各光センサ66の受光状態が変わることで部品トレイTのサイズが検出される。検出板88には、搬送カート70に対する搬送機61の進入方向に沿った中心線に対して片側に偏移して前後2箇所が開口している。検出板88の取り付け向きを反転させることで光センサ66と開口89の対向位置が変化する。
左右一対の光センサ66に対向する検出板88の開口89が変更されることで、開口89に対向した光センサ66の受光量が大幅に低下する。左右一対の光センサ66のいずれの受光量が低下したかによって、搬送機61に取り付けられた搬送カート70の種類、すなわち部品トレイTのサイズが検出される。部品トレイTのサイズに合わせて搬送カート70に対する検出板88の取り付け向きを変えることで、2つのサイズの部品トレイTが搬送機61に検出される。搬送機61によって部品トレイTのサイズが識別され、部品トレイTのサイズ毎に昇降ユニット10に搬送カート70を搬送し分けることができる。
一対のサイドカバー71の内側には、制動部材75を床面に離接させることで搬送カート70を制動する制動機構74が設けられている。制動機構74には、一対のサイドカバー71に揺動可能に支持された一対の揺動フレーム91が設けられている。揺動フレーム91の下端側には制動部材75が設けられており、一対の揺動フレーム91の揺動によって制動部材75が床面に接地する接地位置と床面から離間する離間位置に動くことで制動状態と非制動状態が切り換えられる。一対の揺動フレーム91の上端側は連結ロッド92によって連結されており、連結ロッド92を介して一対の揺動フレーム91が一体に揺動される。
また、揺動フレーム91は引張バネ93を介してサイドカバー71に連結しており、引張バネ93によって制動部材75を接地位置に位置付けるように揺動フレーム91が引っ張られている。制動機構74は、搬送機61の当接爪101(図8参照)に連結ロッド92が押し込まれることで、引張バネ93の引張力に抗して制動部材75が床面から離れる方向に揺動フレーム91が揺動する。また、搬送機61の当接爪101による連結ロッド92の押し込みが無くなることで、引張バネ93の復元力によって制動部材75が床面に接地する方向に揺動フレーム91が揺動する。なお、制動機構74の制動動作の詳細については後述する。
続いて、図10を参照して搬送カートと搬送機の連結構造について説明する。図10は、本実施の形態の搬送カートと搬送機の連結構造の模式図である。図10では説明の便宜上、連結ボックス等の一部の構成を省略して記載している。
図10に示すように、搬送カート70の内側に搬送機61が入口側から進入することで、搬送カート70と搬送機61が着脱可能に連結されている。搬送カート70には、搬送カート70に対する搬送機61の進入方向の手前位置に、側面視L字状の係止面94が形成された突起86が設けられている。搬送機61の上部には、進入方向の手前位置から奥方位置まで延在するガイドレール102が設けられており、ガイドレール102にはスライダ103がスライド可能に設置されている。スライダ103は、ガイドレール102及び駆動モータ104等から成る直動機構105によって進入方向の手前位置と奥方位置の間で往復移動される。
スライダ103には傾斜姿勢と水平姿勢に姿勢変更可能に当接爪101が支持されている。当接爪101の爪先側は、搬送カート70の突起86に当接する当接面106と、この当接面106の裏側の裏面107とによって鋭角に形成されている。当接爪101が傾斜姿勢をとったときには、当接面106が鉛直面になって裏面107が傾斜面になる(図12参照)。当接爪101が水平姿勢をとったときには、当接面106が傾斜面になって裏面107が水平面になる。当接爪101の傾斜姿勢では当接面106が入口側に向けられ、当接爪101の水平姿勢では裏面107が上方に向けられる。当接爪101の裏面107には、後述する押下げ部108のピン109が入り込むガイド溝111が形成されている。
また、当接爪101は引張バネ112を介してスライダ103に接続しており、引張バネ112によって傾斜姿勢を維持するように当接爪101が引っ張られている。引張バネ112の一端は当接爪101の支持位置の近傍に接続されており、当接爪101の支持位置から引張バネ112の一端までの距離よりも、当接爪101の支持位置から搬送カート70の突起86に当接する当接位置までの距離が大きくなっている。また、搬送機61の上部には、スライダ103が奥方位置に移動したときに当接爪101を水平姿勢に押し下げる逆L字状の押下げ部108が設けられている。押下げ部108には、当接爪101のガイド溝111に差し込まれるピン109(回転ローラでもよい)が設けられている。
このように構成された連結機構は、スライダ103が進入方向の手前位置に移動することで、引張バネ112の引張力によって当接爪101が傾斜姿勢をとらされる。また、スライダ103が進入方向の奥方位置に移動することで、押下げ部108のピン109が当接爪101のガイド溝111に入り込み、ピン109によって当接爪101が水平姿勢に押し下げられる。よって、搬送カート70に搬送機61が進入した状態で、スライダ103が往復移動することで搬送カート70と搬送機61の連結状態と解除状態とが切り換えられる。また、単一の駆動モータ104によって当接爪101の進退方向の移動と当接爪101の姿勢変更の2つの動作が行われている。
また、当接爪101が傾斜姿勢をとった搬送機61を搬送カート70に進入していない状態から進入させても、当接爪101の傾斜した裏面107が突起86に当接して当接爪101が押し下げられる(図13参照)。これにより、搬送カート70に搬送機61が強く衝突することがなく、搬送カート70に搬送機61をスムーズに装着することができる。このとき、当接爪101の支持位置の近傍が引張バネ112で引っ張られているため、この支持位置から遠方の当接爪101の先端側が押し込まることで当接爪101を弱い力で押し下げることができる。さらに、当接爪101の移動軌跡上に制動機構74の連結ロッド92が位置付けられるため、スライダ103(当接爪101)の移動によって連結状態と同時に制動状態が切り換えられる。
図11から図13を参照して、搬送機と搬送カートの連結動作について説明する。図11から図13は、本実施の形態の搬送機と搬送カートの連結動作の説明図である。図11から図13では説明の便宜上、連結ボックス等の一部の構成を省略して記載している。
図11に示すように、搬送カート70に搬送機61が進入した状態で、スライダ103が進入方向の手前位置から奥方位置に移動されると、搬送カート70の突起86から搬送機61の当接爪101が離間して連結が解除される。この場合、当接爪101が進入方向の奥方位置に移動するのに伴って、押下げ部108のピン109が当接爪101の裏面107のガイド溝111に差し込まれる。ガイド溝111に沿ってピン109が当接爪101の裏面107を先端側に向かって相対的に移動することで、引張バネ112の引張力に抗して当接爪101が傾斜姿勢から水平姿勢に姿勢変更されて当接爪101の当接面106が突起86から離間する。
また、当接爪101が水平姿勢をとることで、突起86の側面視L字状の係止面94に押し込まれていた連結ロッド92が解放される。揺動フレーム91に引張バネ93の引張力が作用して、連結ロッド92が突起86の係止面94から離間するように揺動フレーム91が揺動される。揺動フレーム91の下端側の制動部材75が接地位置に移動して、制動部材75が床面に接地することで搬送カート70が制動される。これにより、搬送カート70と搬送機61の連結が解除されると同時に搬送カート70が制動され、搬送カート70をその場に残して搬送機61だけを退避させることができる。
最初に搬送カート70に搬送機61が進入して、搬送カート70の位置決めプレート87に、搬送機61の当接プレート68が当接する。その後、図12に示すように、搬送カート70に搬送機61が進入した状態で、スライダ103が進入方向の奥方位置から手前位置に移動されると、搬送カート70の突起86に搬送機61の当接爪101が当接して連結される。この場合、当接爪101が進入方向の手前位置に移動するのに伴って、押下げ部108のピン109が当接爪101の裏面107のガイド溝111に沿って後端側に向かって相対的に移動する。押下げ部108のピン109が当接爪101のガイド溝111から離れることで、引張バネ112の引張力によって当接爪101が水平姿勢から傾斜姿勢に姿勢変更されて当接爪101の当接面106が突起86に当接する。進行方向奥側は位置決めプレート87と当接プレート68が当接し、進行方向手前側は搬送カート70の突起86に搬送機61の当接爪101が当接して、搬送カート70と搬送機61が連結する。
また、当接爪101が傾斜姿勢をとることで、当接爪101の当接面106に連結ロッド92が当接される。当接爪101によって連結ロッド92が押されることで、引張バネ93の引張力に抗して連結ロッド92が突起86の係止面94に近づくように揺動フレーム91が揺動される。揺動フレーム91の下端側の制動部材75が離間位置に移動して、制動部材75が床面から離間することで搬送カート70の制動が解除される。これにより、搬送カート70と搬送機61が連結されると同時に搬送カート70の制動が解除され、搬送機61によって搬送カート70を牽引させることができる。
図13に示すように、搬送カート70に搬送機61が完全に進入していない状態で、スライダ103が進入方向の手前位置に位置付けられると、引張バネ112の引張力によって搬送機61の当接爪101が傾斜姿勢で維持される。また、搬送カート70に搬送機61が完全に入り込んでいないため、制動部材75が床面に接地されて搬送カート70に制動力が作用している。この状態で、搬送カート70に搬送機61が進入すると、搬送カート70の突起86に逆側から当接爪101の裏面107が当接する。搬送機61の進入に伴って突起86に当接爪101が押し下げられることで、引張バネ112の引張力に抗して当接爪101が傾斜姿勢から押し下げられる。
当接爪101が押し下げられることで、搬送機61を搬送カート70に強く衝突させることなく、搬送機61を搬送カート70の内側に進入させることができる。このように、当接爪101が傾斜姿勢をとった状態で、突起86に進入方向とは逆側から当接爪101の当接面106が当たった場合には当接爪101が傾斜姿勢に維持され、突起86に進入方向から当接爪101の裏面107が当たった場合には当接爪101が傾斜姿勢から水平姿勢に押し下げられる。また、当接爪101にはモータ等の駆動源が直に接続されていないため、当接爪101の姿勢変更が駆動源に悪影響を与えることがない。
図14及び図15を参照して、倉庫システムの出庫動作及び入庫動作について説明する。図14は、本実施の形態の倉庫システムの出庫動作の説明図である。図15は、本実施の形態の倉庫システムの入庫動作の説明図である。以下の倉庫システムの各動作は、自動倉庫の制御ユニットからの入出庫の制御信号によって制御されている。
図14Aに示すように、部品トレイTの出庫時には、一対の昇降ステージ21の真下に搬送ユニット60が位置付けられ、一対のガイドローラ34(図3参照)にガイドされて位置決め状態で待機している。また、一対の昇降ステージ21の支持面22が入出庫高さに位置付けられている。自動倉庫5(図1参照)の制御ユニットから出庫指令が出力されると、シャッターユニット40のスライドドア43が上動して入出庫口が開かれて、全開センサ51がOFFからONに切り換わる。全開センサ51がONになると、中間倉庫7によって部品トレイTの出庫動作が開始される。
図14Bに示すように、中間倉庫7から部品トレイTが取り出され、出庫センサ33によって入出庫口から部品トレイTが完全に出庫されたことが検出される。部品トレイTの出庫が検出される度に一対の昇降ステージ21の支持面22を部品トレイTの厚み分だけ下降させて、一対の昇降ステージ21に複数の部品トレイTが積み込まれる。その後、シャッターユニット40のスライドドア43が下動して入出庫口が閉じられて、全閉センサ52がOFFからONに切り換わる。全閉センサ52がONになると、中間倉庫7による部品トレイTの出庫動作が完了して、昇降ユニット10によって受け渡し動作が開始される。
図14C及び図14Dに示すように、一対の昇降ステージ21の支持面22が搬送ステージ76の支持面77よりも下方になるまで下降する。一対の昇降ステージ21の内側に搬送ステージ76が相対的に入り込み、一対の昇降ステージ21から搬送ステージ76に複数の部品トレイTが同時に受け渡される。昇降ステージ21上では一対の側面ガイド23に部品トレイTが位置決めされ、搬送ステージ76上では前面ガイド78及び後面ガイド79に部品トレイTが位置決めされている。よって、昇降ユニット10と搬送ユニット60の衝突を避けつつ、向きを揃えたまま部品トレイTが受け渡される。
図15Aに示すように、部品トレイTの入庫時には、一対の昇降ステージ21が下降した状態で待機しており、一対の昇降ステージ21の内側に搬送ステージ76が入り込むように、搬送ユニット60が昇降ユニット10に向かって進入する。昇降ユニット10のガイドローラ34(図3参照)に搬送ユニット60の進入がガイドされることで、搬送ステージ76が一対の昇降ステージ21に正面から衝突することがない。このように、部品トレイTを積み込んだ一対の昇降ステージ21の支持面22が、搬送ステージ76の支持面77よりも下方に位置付けられている。
図15Bに示すように、自動倉庫5の制御ユニットから入庫指令が出力されると、一対の昇降ステージ21が上昇して、搬送ステージ76から一対の昇降ステージ21に複数の部品トレイTが同時に受け渡される。一対の昇降ステージ21は高さセンサ31に部品トレイTの上面が検出されるまで上昇して、最上段の部品トレイTが入出庫高さに位置付けられる。また、読取器32(図5参照)によって部品の識別情報が読み取られて、自動倉庫5(図1参照)における部品トレイTの入庫先の部屋番号が特定される。なお、入庫動作においても出庫動作と同様に、向きを揃えたまま部品トレイTが受け渡される。
図15Cに示すように、部品トレイTの入庫先が特定されると、シャッターユニット40のスライドドア43が上動して入出庫口が開かれて、全開センサ51がOFFからONに切り換わる。全開センサ51がONになると、中間倉庫7によって部品トレイTの入庫動作が開始される。中間倉庫7に部品トレイTが取り込まれる度に一対の昇降ステージ21の支持面22を部品トレイTの厚み分だけ上昇させて、一対の昇降ステージ21から複数の部品トレイTが順番に降ろされる。
図15Dに示すように、一対の昇降ステージ21上の全ての部品トレイTが中間倉庫7に入庫されると、シャッターユニット40のスライドドア43が下動して入出庫口42が閉じられて、全閉センサ52がOFFからONに切り換わる。全閉センサ52がONになると、中間倉庫7による部品トレイTの出庫動作が完了する。自動倉庫5では、部品の識別情報に応じた部屋番号に部品トレイTが保管される。
以上のように、本実施の形態の連結構造では、スライダ103が進入方向の手前位置に移動することで当接爪101が傾斜姿勢をとり、スライダ103が進入方向の奥方位置に移動することで当接爪101が水平姿勢をとる。よって、搬送カート70の内側に搬送機61が進入した状態で、スライダ103が進入方向の手前位置と奥方位置にスライドすることで、当接爪101が傾斜姿勢と水平姿勢に姿勢変更されて搬送カート70と搬送機61の連結状態と解除状態が切り換えられる。また、当接爪101が傾斜姿勢をとった状態で搬送カート70に搬送機61を進入させても、当接爪101が搬送カート70に押し下げられるため、搬送カート70と搬送機61を強く衝突させることなくスムーズに連結することができる。さらに、単一の直動機構によって当接爪101の往復移動と姿勢変更の2つの動作を行うことができる。
なお、本実施の形態において、自動倉庫に中間倉庫を併設したものを部品倉庫としたが、この構成に限定されない。部品倉庫は多数の部品トレイを保管するものであればよく、例えば、自動倉庫だけで構成されてもよい。
また、本実施の形態において、第1の物体として搬送カートと第2の物体として搬送機を連結する搬送ユニットの連結構造について説明したが、この構成に限定されない。連結構造は、第1の物体の内側に第2の物体が入口側から進入することで、第1の物体と第2の物体を着脱可能に連結する構成であればよい。
また、本実施の形態において、当接爪の先端側が当接面と裏面によって鋭角に形成される構成にしたが、この構成に限定されない。当接爪は、傾斜姿勢で搬送カートに当接可能な構成であればよい。
また、本実施の形態において、引張バネは、傾斜姿勢を維持するように当接爪をスライダに連結する構成であればよく、金属製のコイルバネに限らず、ゴムバネ、剛性樹脂バネで構成されてもよい。
また、本実施の形態において、直動機構は、スライダを進入方向の奥方位置と手前位置の間で往復移動させる機構であればよく、例えば、送りネジ、ベルト、シリンダによってスライダを往復移動させる機構でもよい。
また、本実施の形態において、押下げ部に当接爪の裏面を押えるピンが設けられる構成にしたが、この構成に限定されない。押下げ部は、スライダが奥方位置に移動したときに当接爪を水平姿勢に押し下げる構成であればよい。
また、本実施の形態において、制動機構は、一対のサイドカバーに支持された一対の揺動フレームと、揺動フレームの下端側に設けた制動部材と、揺動フレームの上端側を連結した連結ロッドとを備える構成にしたが、この構成に限定されない。制動機構は、スライダの往復移動によって制動部材を接地位置と離間位置に移動させることができれば、どのように構成されてもよい。
また、本実施の形態において、昇降ユニット及び搬送ユニットが部品トレイのサイズ毎に設計される構成にしたが、この構成に限定されない。昇降ユニット及び搬送ユニットは複数のサイズの部品トレイに対応するように設計されていてもよい。
また、本実施の形態において、搬送カートに搬送機が着脱可能な構成にしたが、この構成に限定されない。搬送カートと搬送機が一体に形成されていてもよい。
また、本実施の形態のプログラムは記憶媒体に記憶されてもよい。記憶媒体は、特に限定されないが、光ディスク、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の非一過性の記憶媒体であってもよい。
また、本実施の形態及び変形例を説明したが、他の実施の形態として、上記実施の形態及び変形例を全体的又は部分的に組み合わせたものでもよい。
また、本開示の技術は上記の実施の形態及び変形例に限定されるものではなく、技術的思想の趣旨を逸脱しない範囲において様々に変更、置換、変形されてもよい。さらには、技術の進歩又は派生する別技術によって、技術的思想を別の仕方で実現することができれば、その方法を用いて実施されてもよい。したがって、特許請求の範囲は、技術的思想の範囲内に含まれ得る全ての実施態様をカバーしている。
下記に、上記の実施の形態における特徴点を整理する。
上記実施の形態に記載の連結構造は、第1の物体の内側に第2の物体が入口側から進入することで、第1の物体と第2の物体を着脱可能に連結する連結構造であって、第2の物体には、当接面を入口側に向けた傾斜姿勢で第1の物体に当接する当接爪と、当接爪を傾斜姿勢と水平姿勢に姿勢変更可能に支持するスライダと、傾斜姿勢を維持するように当接爪をスライダに連結する引張バネと、進入方向の奥方位置と手前位置の間でスライダを往復移動させる直動機構と、スライダが奥方位置に移動したときに当接爪を水平姿勢に押し下げる押下げ部とが設けられ、スライダが手前位置に移動して引張バネによって当接爪が傾斜姿勢をとった状態で、第1の物体に進入方向とは逆側から当接爪の当接面が当たった場合に傾斜姿勢が維持され、第1の物体に進入方向から当接爪の裏面が当たった場合に押し下げられることを特徴とする。この構成によれば、スライダが進入方向の手前位置に移動することで当接爪が傾斜姿勢をとり、スライダが進入方向の奥方位置に移動することで当接爪が水平姿勢をとる。よって、第1の物体の内側に第2の物体が進入した状態で、スライダが進入方向の手前位置と奥方位置にスライドすることで、当接爪が傾斜姿勢と水平姿勢に姿勢変更されて第1の物体と第2の物体の連結状態と解除状態が切り換えられる。また、当接爪が傾斜姿勢をとった状態で第1の物体に第2の物体を進入させても、当接爪が第1の物体に押し下げられるため、第1の物体と第2の物体を強く衝突させることなくスムーズに連結することができる。また、当接爪が姿勢変更可能であるため、第1の物体に対する当接爪の当接位置のバラツキを吸収することができる。さらに、単一の直動機構によって当接爪の往復移動と姿勢変更の2つの動作を行うことができる。
上記実施の形態に記載の連結構造において、引張バネの一端が当接爪の支持位置の近傍に接続され、当接爪の支持位置から引張バネの一端までの距離よりも、当接爪の支持位置から第1の物体に当接する当接位置までの距離が大きい。この構成によれば、当接爪が傾斜姿勢をとった状態で第1の物体に第2の物体を進入させても、弱い力で当接爪を押し下げることができる。
上記実施の形態に記載の連結構造において、第1の物体には、進入方向の手前位置から奥方位置まで延びる一対の進入ガイドが設けられ、第2の物体には、一対の進入ガイドに転接する複数のガイドローラが設けられている。この構成によれば、第1の物体に対して第2の物体を位置決め状態で奥方まで進入させることができる。
上記実施の形態に記載の搬送ユニットは、上記の連結構造によって、第1の物体としての搬送カートと、第2の物体としての自走式の搬送機とを着脱可能に連結したことを特徴とする。この構成によれば、搬送カートに搬送機を衝突させることなくスムーズに連結させることができる。
上記実施の形態に記載の搬送ユニットにおいて、搬送物のサイズ毎に設計した複数の搬送カートに搬送機を着脱可能に連結している。この構成によれば、搬送機に搬送カートを着け替えることによって、1台の搬送機で複数サイズの部品トレイを搬送することができる。
上記実施の形態に記載の搬送ユニットにおいて、搬送カートには、部品トレイのサイズに応じて開口位置を変えた検出板が設けられ、搬送機には、検出板に向かって検出光を照射するように光センサが設けられ、光センサの受光状態の変化に応じて部品トレイのサイズを検出する。この構成によれば、搬送機に搬送カートを装着することで、搬送カートで搬送される部品トレイのサイズを搬送機に検出させることができる。
上記実施の形態に記載の搬送ユニットにおいて、光センサは左右一対の光センサであり、検出板は進入方向の沿った中心線に対して片側に偏移して前後2箇所が開口し、検出板の取り付け向きを反転させることで、左右一対の光センサに対向する開口を変更可能である。この構成によれば、検出板の取り付け向きを変えることで、2つのサイズの部品トレイを搬送機に検出させることができる。
上記実施の形態に記載の搬送ユニットにおいて、搬送カートには、制動部材を床面に接地する接地位置と床面から離間する離間位置に動かす制動機構が設けられ、スライダが手前位置に移動することで制動部材が離間位置に動かされ、スライダが奥方位置に移動することで制動部材が接地位置に動かされる。この構成によれば、搬送カートと搬送機が連結されると制動部材が床面から離間して搬送カートの制動が解除され、搬送カートと搬送機の連結が解除されると制動部材が床面に接地して搬送カートが制動される。よって、スライダの移動によって連結状態と制動状態を同時に切り換えることができる。
上記実施の形態に記載の搬送ユニットにおいて、搬送カートには、搬送機の両側方を覆うサイドカバーが設けられ、制動機構には、サイドカバーに揺動可能に支持された一対の揺動フレームが設けられ、一対の揺動フレームの下端側に制動部材が設けられ、一対の揺動フレームの上端側が連結ロッドで連結されており、スライダが手前位置に移動して傾斜姿勢をとった当接爪が連結ロッドを手前側に押すことで制動部材が離間位置に動かされ、スライダが奥方位置に移動して水平姿勢をとった当接爪が連結ロッドから離れることで制動部材が接地位置に動かされる。この構成によれば、当接爪によって一対の作動フレームを同時に動かして、搬送カートの制動と制動解除を切り替えることができる。
上記実施の形態に記載の搬送ユニットにおいて、搬送カートには、進入方向の手前位置に側面視L字状の係止面が形成された突起が設けられ、スライダが手前位置に移動して傾斜姿勢をとった当接爪が連結ロッドを突起の係止面に押し込むように突起に当接する。この構成によれば、搬送カートの突起と搬送機の当接爪で制動機構の連結ロッドが保持され、搬送カートを制動解除した状態で維持することができる。
上記実施の形態に記載の搬送ユニットは、搬送カートの内側に自走式の搬送機が入口側から進入することで、搬送カートと搬送機を着脱可能に連結した搬送ユニットであって、搬送カートには、制動部材を床面に接地する接地位置と床面から離間する離間位置に動かす制動機構が設けられ、搬送機には、当接面を入口側に向けた傾斜姿勢で第1の物体に当接する当接爪と、当接爪を傾斜姿勢と水平姿勢に姿勢変更可能に支持するスライダと、傾斜姿勢を維持するように当接爪をスライダに連結する引張バネと、進入方向の奥方位置と手前位置の間でスライダを往復移動させる直動機構と、スライダが奥方位置に移動したときに当接爪を水平姿勢に押し下げる押下げ部とが設けられ、スライダが手前位置に移動して傾斜姿勢をとった当接爪に制動部材が離間位置に動かされ、スライダが奥方位置に移動して当接爪が水平姿勢をとることで制動部材が接地位置に動かされることを特徴とする。
上記実施の形態に記載の連結構造は、第1の物体70の内側に第2の物体61が入口側から進入することで、第1の物体と第2の物体を着脱可能に連結する連結構造であって、第1の物体には、進入方向の手前側で位置決めする第1の位置決めプレート86と、進入方向の奥方側で位置決めする第2の位置決めプレート87とが設けられ、第2の物体には、進入方向の手前側で第1の位置決めプレートに当接する当接爪101と、進入方向の奥方側で第2の位置決めプレートに当接可能な当接プレート68と、当接爪を第1の位置決めプレートに対して離間方向又は接近方向に移動させる移動機構105とが設けられ、移動機構は、当接爪を支持すると共に水平方向に移動するスライダ103と、スライダを駆動する駆動モータ104と、スライダと駆動モータを連結する弾性連結部材とを有することを特徴とする。この構成によれば、第1の物体の第1の位置決めプレートに第2の物体の当接爪が当接し、第1の物体の第2の位置決めプレートに第2の物体の当接プレートが当接することで第1の物体に第2の物体が位置決め状態で連結される。また、当接爪が弾性連結部材を介して駆動モータに連結されているため、第1、第2の位置決めプレートの間隔に多少のバラツキがあっても、弾性連結部材によって当接爪と当接プレートの間隔を調整してバラツキを吸収することができる。
なお、上記した実施の形態では、第1の位置決めプレート86としてL字状の突起を例示したが、第1の位置決めプレートは当接爪に当接可能な形状に形成されていればよい。また、弾性連結部材は、当接爪に作用した反力によって弾性変形可能で当接爪101に駆動モータの動力を伝達可能であればよく、例えば、タイミングベルト、ワイヤ、ゴム等で構成されていればよい。