JP7126359B2 - アルミニウムへの耐接触腐食性に優れた銅合金材及び端子 - Google Patents

アルミニウムへの耐接触腐食性に優れた銅合金材及び端子 Download PDF

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本発明は、アルミニウムへの耐接触腐食性に優れ、例えばアルミハーネス(アルミニウム線)の端子用として好適に用いられる銅合金材に関する。
ワイヤーハーネスは、複数の電線を束にし、電線の端部に端子が取り付けられた構成であり、通常、端子は圧着によって電線に取り付けられる。
近年、自動車の高性能・高機能化に伴い、車両に搭載される電気機器、制御機器等が増加し、自動車に搭載されるワイヤーハーネスの数も増加している。一方で、自動車の軽量化に対する要求が強いことから、ワイヤーハーネスの軽量化が検討されている。一般にワイヤーハーネスには銅線が用いられているが、銅線より軽量なアルミニウム線(純アルミニウム線又はアルミニウム合金線)を用いたワイヤーハーネスの開発が進められている。
ワイヤーハーネスに用いられる端子は、銅合金により構成されている。電線がアルミニウム線となった場合、アルミニウム線と銅合金端子との異種金属接触により、アルミニウム線に腐食が発生することがある。このような事象に対し、銅合金端子表面に被覆層を形成することにより、アルミニウム線と銅合金端子との接触面積を減少させ、アルミニウム線の接触腐食を防止する技術が特許文献1,2に開示されている。
特許文献1には、銅又は銅合金からなる基材の表面にアルミニウム層を形成した端子材が記載されている。
特許文献2には、銅又は銅合金材からなる基材の上に亜鉛又は亜鉛合金からなる中間亜鉛層と、錫又は錫合金からなる錫層とをこの順に積層した端子材が記載されている。
しかしながら、銅合金材(基材)の表面に被覆材を形成しても、端子を形成する工程におけるプレス打ち抜きによって、打ち抜き端面で銅合金材が表面に露出する。このため、端子の銅合金材が露出した部分とアルミニウム線が接触し、これによりアルミニウム線に接触腐食が発生する可能性がある。プレス打ち抜き後に銅合金材の表面にめっきを行い、銅合金材が露出した部分をなくして、アルミニウム線との接触を防止する方法も考えられるが、この方法は製造コストがかかる。
特開2013-20862号公報 特開2017-203214号公報
アルミハーネス(アルミニウム線)の端子用銅合金材は、銅合金材の表面の全部又は一部が被覆層に覆われていない場合でも、銅-アルミニウム異種金属接触によるアルミニウム線の接触腐食が抑制できることが好ましい。従って、本発明は、アルミニウムへの耐接触腐食性に優れた(アルミニウムに接触腐食が発生するのを抑制できる)銅合金材を提供することを目的とする。
本発明に係る銅合金材は、Al:2~9質量%、Ni:1~8質量%を含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、導電率Ec(単位:%IACS)が式(1)を満たし、式(1)においてAは式(2)で表され、式(2)においてcはAlの含有量(単位:質量%)であることを特徴とするアルミニウムへの耐接触腐食性に優れた銅合金材。
Figure 0007126359000001
この銅合金材は、アルミニウムへの耐接触腐食性に優れ(アルミニウムに接触腐食が発生するのを抑制でき)、アルミニウム線の端子用として適している。なお、本発明において、アルミニウムとは、純アルミニウム及びアルミニウム合金を意味する。
この銅合金材は、板材、条材、線材、棒材のいずれかの形態を有する。
この銅合金材は、必要に応じて表面に被覆層(Sn又はSn合金被覆層等)を形成してもよい。
上記銅合金材は、AlとNiのほか、必要に応じて、Zn:10質量%以下、Ti:1質量%以下、Mn:0.5質量%以下、Si:0.2質量%以下、Cr:0.2質量%以下、Zr:0.2質量%以下、Mg:0.2質量%以下、Co:1質量%以下、Fe:3質量%以下、Sn:1質量%以下、P:0.1質量%以下、B:0.1質量%以下より選択される1種以上を含むことができる。
本発明に係る銅合金材は、アルミニウムへの耐接触腐食性に優れる。この銅合金材を例えばアルミニウム線の圧着端子等として用いた場合、銅-アルミニウム異種金属接触によるアルミニウムの接触腐食が、Snめっきした従来の銅合金材からなる端子と接触する場合と比較して、同等以下に抑えられる。
Al含有量と導電率の関係を示す図である。 実施例の電極間電圧の測定における電気回路図である。
続いて、本発明に係る銅合金材について、詳細に説明する。
[銅合金材の組成]
本発明に係る銅合金材は、基本組成として、Al:2~9質量%、Ni:1~8質量%を含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、必要に応じて、Zn,Ti,Mn,Si,Cr,Zr,Mg,Co,Fe,Sn,P,Bの1種以上を含む。以下、上記各元素の作用について説明する。
(Al)
銅合金材に添加されるAlは、次に説明するように、銅合金材に接触するアルミニウムの接触腐食を抑制する作用を有する。
金属の酸化被膜は水酸基と結合しやすく、この水酸基を介して水の吸着層を作りやすい。この吸着層は10nm程度の厚さで、酸素を透過させやすいので、いったん水の吸着層ができるとアルミニウムとの接触部分で腐食現象(接触腐食)が促進される。一方、Alを添加した銅合金は耐酸化性が付与され(表面に形成されたAl酸化被膜により酸化の進行が止められる)、銅合金材露出面にCuの酸化被膜が形成されにくくなるため、銅合金材は水をはじき、銅合金材と接触するアルミニウムの腐食現象(接触腐食)が抑制される。
Alの原子半径はCuの原子半径に比べて12%大きく、冷間加工やプレスせん断において非常に加工硬化しやすくなり、銅合金材の表面に強い圧縮応力が作用する。Al添加によってもたらされる表面の強い圧縮応力も非常に優れた酸化抑制効果を持っている。この作用により、めっきなどの外装を施されていない銅合金材のむき出しの切断面などが、アルミニウムに触れても水分が吸着しないので接触腐食を起こしにくくなる。
AlはCu及びNiとの間で金属間化合物(Cu-Al-Ni化合物、Al-Ni化合物)を形成する。前記金属間化合物は銅合金母相よりも電位が低く、さらに銅合金材に接触するアルミニウムよりも銅合金母相に距離が近く、銅合金母相との間の電気的な接触も良好である。このため、銅合金材が海水(塩水)に接触した場合、瞬時に銅合金母相に水酸化物被膜が形成される。この水酸化物皮膜がアルミニウムに接触する銅合金母材と水分との直接接触を妨げるため、アルミニウムの接触腐食が抑制される。
さらに、銅合金材の製造工程において雰囲気焼鈍を行うと、銅合金材の最表層の内側にAl内部酸化層が付与される。このAl内部酸化層が形成されると、前記金属間化合物と同様の作用によりアルミニウムの接触腐食が抑制される。
また、Alの添加は銅合金材の軽量化(銅合金材の密度低減)に有効である。自動車のワイヤーハーネスの部品として大量に用いられる銅合金製端子を軽量化することは、自動車の軽量化の一手段として有効である。銅合金材の密度は、密度が小さく高強度銅合金として知られるベリリウム銅の密度の8.4g/cm未満であることが好ましい。
以上の観点から、銅合金材のAl含有量は2質量%以上とする。その一方でAl含有量が9質量%を超えると、冷間圧延板の長手方向に沿った両側面で耳割れ(切欠き)が発生しやすくなる。この耳割れは、通常、板の両側を所定幅切り落とし、板幅を狭くして圧延することで回避するが、本合金系の場合は、そのように板幅を狭くして圧延しても、その板幅で耳割れの発生を回避できない場合がある。このことはNiが共添された場合により著しくなる傾向があるため、Al含有量は9質量%以下とする。従って、本発明に係る銅合金板においてAl含有量は2~9質量%であり、好ましくは下限値が3.5質量%、上限値が7質量%である。
(Ni)
Niは、Alとの間で前記金属間化合物を形成し、アルミニウムの接触腐食を低減させる。このため、銅合金材のNi含有量は1質量%以上とする。一方、Ni含有量が8質量%を超えると、Alと同様に、冷間圧延板の長手方向に沿った側面で耳割れが発生しやすくなる。従って、本発明に係る銅合金板においてNi含有量は1~8質量%であり、好ましくは下限値が2質量%、上限値が5質量%である。
(Zn,Ti,Mn,Si,Cr,Zr,Mg,Co,Fe,Sn,P,B)
これらの元素は銅合金材の密度を低減する作用があり、これらの元素の1種以上が必要に応じて添加され、又は不可避不純物として含有される。このうちTiは、酸化物に疎水性があり、銅合金材に接触するアルミニウムの接触腐食を低減する作用を有し、Sn,P,Bは銅合金板の弾性率を下げ、銅合金板の膨張係数をアルミニウムに近づける作用を有する。銅合金板とアルミニウムの膨張係数が近いと、例えばアルミニウム線に銅合金製端子を圧着(かしめ接合)したときなどに、緩みが生じにくい。緩みが生じると、両者の間に隙間ができ、そこに海水等が入って耐食性が低下する。
これらの元素の含有量は、Zn:10質量%以下、Ti:1質量%以下、Mn:0.5質量%以下、Si:0.2質量%以下、Cr:0.2質量%以下、Zr:0.2質量%以下、Mg:0.2質量%以下、Co:1質量%以下、Fe:3質量%以下、Sn:1質量%以下、P:0.1質量%以下、B:0.1質量%以下の範囲とする。Zn含有量は、好ましくは3質量%以下、より好ましくは1質量%以下、Ti含有量は好ましくは0.5質量%以下、Fe含有量は好ましくは1.5質量%以下、P含有量は好ましくは0.08質量%以下である。これらの元素の含有量の下限値はいずれも0質量%である。
Zn,Mn,Si,Cr,Zr,Mg,Co,Fe,Snは、銅合金材表面に形成された酸化被膜が水酸基と結合し、この水酸基が仲立ちとなって銅合金材の水濡れ性を高め、あるいは銅合金板の表面に吸着水膜が形成される。これらの元素の含有量が上記範囲を超えると、Al添加による耐接触腐食効果が発揮できず、銅合金材に接触するアルミニウムの接触腐食が促進される。また、Fe含有量が3質量%を超えると、銅合金の溶解鋳造時にFeに富む硬質のκ相が形成され、これは後の工程で消失させることができず、銅合金材の延性(破断延性値)が低下する。Ti含有量が1質量%を超えると、銅合金材内部にボイドが発生しやすくなり、銅合金材の延性(破断延性値)が低下する。銅合金中のP,Bは表面に濃縮し、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果を阻害するため、それぞれの含有量を上記範囲内とする。
(不可避不純物)
主な不可避不純物として、O、H、As、Bi、Se、Pbが挙げられる。溶湯中のガスは鋳造後、鋳塊あるいは板の延性を低下させる作用があり、曲げ加工性などを低下させる。また、Alと化合物を作りやすいAs、Bi、Se、Pbのような元素は銅合金マトリクスとの密着性が低く、これらもボイドとして作用するため、鋳塊あるいは板の延性を低下させる作用があり、曲げ加工性を低下させる。この好ましくない性質は、板の冷間圧延前に発現し、鋳塊や熱延板の段階で延性低下が生じる。上記不可避不純物の有害な作用を回避するには、銅原料としてAs、Bi、Se、Pbの含有量の少ない地金やスクラップを使用し、また、溶湯を被覆する木炭の赤熱化(水分除去)、地金やスクラップ及び樋や鋳型の乾燥、並びに溶湯の脱酸等を行うことが好ましい。
[銅合金材の特性]
(導電率Ec)
Alを含有する銅合金の導電率は、Al含有量の影響を受けて著しく低下する。合金元素として2~9質量%のAlだけを含む銅合金(Cu-Al二元合金)の導電率は、おおむね前記式(1)の右辺の数値に等しくなる。式(1)においてAは原子%で表したAlの含有量であり、前記式(2)で表される。式(2)においてcはAlの含有量(質量%)、63.5はCuの原子量、27.0はAlの原子量である。式(1)の分母は、Alの含有量を原子%(A原子%)で表した銅合金の体積抵抗率(電気抵抗率)の実験式である。この実験式は、出願人がAl含有量が異なる種々のCu-Al二元合金を作製し、その体積抵抗率を測定して求めた。その測定方法は下記のとおりである。
0.5質量%刻みで0.5~9.0質量%のAlを含むCu-Al二元合金18種類を、クリプトル炉において大気中の木炭被覆下で溶解し、それぞれ黒鉛ブックモールドに鋳造して厚さ50mm、長さ50mm、幅180mmの鋳塊を作製した。この鋳塊を両面研削して厚さ45mmにした後、900℃で加熱後、厚さ15mmまで熱延し、続いて2回の400℃・2時間の再結晶軟化焼鈍を挟んで冷間圧延を行い、最終的に板厚0.5mmの冷延材を得た。このCu-Al二元合金は、この組成範囲ではAlが固溶しており単相の合金である。板厚0.5mmの冷延材から圧延方向を長手とする短冊を切り出し、機械加工にて長さ180mm、幅10mmの試験片を作製した。体積抵抗率の測定を行うため、試験片の形状出しと寸法測定は正確に行う必要がある。体積抵抗率の測定にあたり、試験片の両端にテクトロ二クス社製Model6226高精度DC電源を接続し、一定の電流(1A)を流し続ける。次いで試験片に、テクトロ二クス社製ケースレーModel2182Aデジタルマルチメータを接続した黄銅製ナイフエッジ2個を、ナイフエッジ間距離150mmを保って押し当てる。このときのナイフエッジ間の電圧降下を測定し、電圧/電流から算出した電気抵抗値に試験片の断面積を掛け、その電極間距離で除して体積抵抗率を求めた。
この体積抵抗率は理想的にはAl含有量(原子%)にほぼ比例するはずであるが、実験的な補間では式(1)の分母のような2次式で表現するのが最適であった。この分母で銅の体積抵抗率17.24nΩ・mを除した値の100倍が、Cu-Al二元合金の導電率(%IACS)である。Cu-Al二元合金は加工硬化しやすく、その加工歪みで導電率がさらに低くなる。分母の1.501(単位:nΩ・m)は加工歪みによる体積抵抗率の増加分である。図1に示す曲線は、式(1)の右辺の値(単位:%IACS)とAl含有量(単位:質量%)の関係を示すグラフであり、「・」はCu-Al二元合金で得た実測データ位置である。
Cu-Al二元合金にNiのような他の元素を添加すると、その体積抵抗率増分だけ導電率は低くなる。本発明に係る銅合金はAlの外にNiを含むため、これらの合金元素が全て固溶していると、導電率はこの数値を下回り、低くなる。しかしながら、本発明に係る銅合金では、Cu-Al-Ni化合物とAl-Ni化合物の一方又は双方が生成して、固溶Al、固溶Niが減少するため、導電率Ecはこの式(1)の右辺の数値よりも常に高くなる。
図1に、後述する実施例の銅合金材(発明例、比較例)のAl含有量と導電率の座標が○、□でプロットされている。○はアルミニウムへの耐接触腐食性が優れるもの、□は耐接触腐食性が劣るものであり、プロットの近傍に実施例の番号が付されている。○のプロットは全て式(1)の右辺の曲線より高導電率側の領域、すなわち式(1)を満たす領域に分布している。
(耐接触腐食性)
銅合金材が先に説明した組成を有し、かつ式(1)を満たすとき、前記銅合金材はアルミニウムへの耐接触腐食性が優れる(アルミニウムの接触腐食が抑制される)。より具体的には、共に表面被覆されていないアルミニウムと前記銅合金材を室温に保持した塩水内で接触させた場合の、前記アルミニウムの接触腐食量(重量減少)が、前記アルミニウムとSnめっきされた従来の銅合金材を前記塩水内で接触させた場合の接触腐食量以下である。
本発明において室温とは、気温が20℃から40℃に保たれた状態で、各測定に使用する機材及び材料がこの温度と平衡している状態であることを意味する。また、表面被覆されていないアルミニウムとは、各種めっき、樹脂等で被覆されていないアルミニウム材を意味する。アルミニウム材の表面に存在するAl酸化膜(Al化合物の酸化膜を含む)は前記表面被覆に含まれない。
(0.2%耐力)
本発明に係る銅合金材は、主たる用途として圧着端子用端子材あるいは通電部材への適用を想定している。これらの用途において、十分な接圧やばね力を確保するには、0.2%耐力は400MPa以上であることが好ましい。一方、0.2%耐力が900MPaを超えると、接点の摩耗やコネクタ挿入力の増大を生じる。従って、銅合金材の0.2%耐力は、400~900MPaの範囲内であることが好ましい。
[銅合金材の被覆層]
本発明に係る銅合金材を母材として、必要に応じて、表面被覆層を形成することができる。その表面被覆層自体は端子用銅合金材等において周知のものでよく、例えば次のようなものが好適である。
銅合金材表面に形成されたSn又はSn合金層。
銅合金材表面に形成されたCu-Sn合金層とSn又はSn合金層。この表面被覆層は、例えば銅合金材表面にCuめっきとSn又はSn合金めっきをこの順にした後、リフロー処理を行って形成される。Cu-Sn合金層はCuめっきのCuとSn又はSn合金めっきのSnにより形成される。
銅合金材表面に形成されたNi層とSn又はSn合金層。
銅合金材表面に形成されたNi層とCu-Sn合金層とSn又はSn合金層。この表面被覆層は、例えば銅合金材表面にNiめっき、Cuめっき、Sn又はSn合金めっきをこの順にした後、リフロー処理を行って形成される。
銅合金材表面に形成されたNi層とCu層とCu-Sn合金層とSn又はSn合金層。Cu-Sn合金層は、例えば銅合金材表面にNiめっき、Cuめっき、Sn又はSn合金めっきをした後、リフロー処理を行うことにより形成できる。Cu-Sn合金層の形成に使われなかったCuめっきが銅層として残存する。
[銅合金材の製造方法]
本発明に係る銅合金は、例えば、鋳塊を均質化熱処理し、続いて熱間圧延又は温間圧延した後、冷間圧延と焼鈍を繰り返して製造することができる。Cu-Al-Ni化合物は主に熱間圧延の高温プロセス、Al-Ni化合物は主に冷間圧延間の焼鈍中に形成されると考えられる。最終冷間圧延後は低温焼鈍が行われる。各加熱工程の好ましい条件を例示すると、次のとおりである。
均質化熱処理は、600~950℃×30分~2時間の範囲から選択する。均質化熱処理後、そのまま熱間圧延又は温間圧延を行う。冷間圧延間の焼鈍は、バッチ焼鈍であれば、450~560℃×1~3時間の範囲から選択し、連続焼鈍であれば750~850℃×10~60秒の範囲から選択する。低温焼鈍は、300~400℃×10秒~10分の範囲から選択する。いずれも、合金元素の含有量が多いほど、高温長時間の条件を選択することが好ましい。
銅合金(No.1~30)をクリプトル炉において大気中で木炭被覆下で溶解し、表1に示す組成を有する厚さ45mm、幅180mm、長さ45mmの鋳塊を得た。続いて、表2~8に示す条件で均質化処理後、その温度で熱間圧延又は温間圧延を開始し、15mm厚の熱延板を得た。
この熱延板から、破断延性値確認用の直径10mm、長さ60mmの平行仕上げ部と両端に引張試験機に取り付ける掴み部を持った円柱形の引張試験片を作製し、引張試験を行って破断させた。両断した試験片を突き合わせて破断後のくびれ部の直径の最小値φminを測定し、破断延性値(=ln(φ0/φmin))を算出した。ここで、φ0は試験前の引張試験片の直径(=10mm)である。その結果を表2~8に示す。
破断延性値が0.5を下回った熱延材(No.19,26)については、その後のプロセス(冷間圧延と焼鈍)を行わなかった。これは、熱延板の破断延性値が0.5を下回った場合は、その後のプロセスを適用して製品板厚にしたとしても、曲げ加工を行うと割れてしまうからである。
Figure 0007126359000002
破断延性値が0.5以上の熱延材(No.1~18,20~25,27~30)に対し、表2~8の熱延後の工程の欄に示す工程及び条件で冷間圧延及び焼鈍を行った。この熱延後の工程において、下記要領で耳割れの有無を判定した。耳割れ無しと判定された冷延材(No.1~12,15~18,20~25,27~30)については、いずれも最終冷間圧延で板厚0.25mmに仕上げ、最後に低温焼鈍を行った。この低温焼鈍は加熱保持した硝石炉に20秒間材料を浸漬して水中冷却する方法、あるいはオーブン炉にて箱焼鈍で行った。なお、表2~8の熱延以降の工程の欄において、tは板厚(単位:mm)である。
(耳割れの有無の判定)
厚さ1mmのときの冷延材(板幅180mm)について、両側(圧延方向に平行な端縁)に切り欠きが発生しているか否かを観察し、切り欠きが発生している場合、その切り欠きの開口幅の最大値(圧延方向に平行に測定した値)を測定した。切り欠きの開口幅の最大値が2mm以上であった冷延材について、両側を切り落とし板幅60mmにして冷間圧延を継続し、再び開口幅の最大値が2mm以上の切り欠きが発生した場合、耳割れ有りと判定し、以後の冷間圧延を断念した。厚さ1mmのとき開口幅の最大値が2mm以上の切り欠きの発生がなかった冷延材は、その後の冷間圧延でも開口幅の最大値が2mm以上の切り欠きの発生がなく、板幅180mmのままで目標板厚(0.25mm)まで冷間圧延でき、これらは耳割れ無しと判定した。
耳割れが生じなかった冷延材(No.1~12,15~18,20~25,27~30)を供試材として、室温下で、下記要領で0.2%耐力、導電率、密度を測定した。
密度がベリリウム銅の密度の8.4g/cm未満であった冷延材(No.1~12,15,17~18,20~25,27~30)を供試材として、室温下で、耐接触腐食性(アルミニウム腐食重量減少率、通電電圧)を測定した。以上の結果を表2~8に示す。また、式(1)の右辺の計算値を表2~8に併せて示す。
なお、耐接触腐食性の測定に際し、一部の供試材(No.9,30,31)について表面処理した試験片を用いた。このうち、No.9は、供試材に対し0.1μm厚のNiめっき及び1μm厚のSnめっきを行った後、リフロー処理し、その後試験片を切出した。No.30は、供試材から試験片を切出し、試験片の全面に0.1μm厚のNiめっき及び1μm厚のSnめっきを行った後、リフロー処理した。No.31はNo.30の供試材から矩形の板を切出し、全面に0.1μm厚のNiめっき及び1μm厚のSnめっきを行った後、リフロー処理し、次いでプレス加工を想定して四辺をシャー切断し、試験片を作成した。No.30の試験片は切断端面を含め全面がNiめっき及びSnめっきに被覆され、No.9,31の試験片は両面のみNiめっき及びSnめっきにより被覆され、切断端面に母材(銅合金材)が露出している。他の供試材については、表面処理しない試験片を用いた。
Figure 0007126359000003
Figure 0007126359000004
Figure 0007126359000005
Figure 0007126359000006
Figure 0007126359000007
Figure 0007126359000008
Figure 0007126359000009
(0.2%耐力の測定)
各供試材から、長手方向が圧延方向となるように、JIS5号引張り試験片を機械加工にて作製し、JIS-Z2241に準拠して引張り試験を実施して、0.2%耐力を測定した。耐力は永久伸び0.2%に相当する引張り強さである。0.2%耐力は、400~900MPaの範囲が好ましい。
(導電率の測定)
導電率は、JIS-H0505に規定されている非鉄金属材料導電率測定法に準拠し、ダブルブリッジを用いた四端子法で測定した。
(密度の測定)
各供試材から採取した幅10mm×長さ25mmの矩形の試験片を用いて、重量を測定し、重量を体積で除して密度を算出した。試験片の長手方向は圧延方向と一致させた。密度がベリリウム銅の密度の8.4g/cm未満のもののみ、次の耐接触腐食性の測定を行った。
(耐接触腐食性の測定)
(1)アルミニウム減少率の測定
アルミニウム減少率の測定には、各供試材から採取した正方形(辺の長さ1cm)の試験片と、板厚0.5mmで矩形(2cm×1.5cm)のアルミニウム板(純アルミニウム板:市販のJISA1050P)を用いた。前記試験片及びアルミニウム板を無水エタノールで溶剤脱脂したのち、試験片をアルミニウム板の平面中心に載せ、面圧1.5kg/cmの樹脂製クリップで挟み込んだ。試験片は、切断バリがアルミニウム板の方を向かないように、アルミニウム板の上に載せた。また、アルミニウム板は試験前に重量を測定しておいた。クリップで挟んだ試験片とアルミニウム板を、4%NaCl水溶液中に24時間浸漬した後取り出した。アルミニウム板から腐食生成物や塩分などをナイロンブラシで流水中にて除去し、アルミニウム板を乾燥させ重量を測定した。試験前のアルミニウム板の重量w0と試験後のアルミニウム板の重量wから、試験後のアルミニウム板の重量の減少率(100×(w0-w)/w0)を計算した。
No.31の試験片は、両面がNiめっき及びSnめっきで被覆され、切断端面に母材(黄銅)が露出したもので、従来材に相当する。No.31において、アルミニウム板の重量の減少率は0.009%であり、この数値を耐接触腐食性を判定する基準値とした。アルミニウム板の重量の減少率が基準値(0.009%)以下のものを、耐接触腐食性が優れる(アルミニウム板の腐食が抑制される)と判定した。
(2)電極間電圧の測定
この試験は、銅合金材とアルミニウムが直接は接触していないが塩水を介して電気的に接触し、アルミニウムの腐食減肉が生じることを想定した試験である。電極間電圧の測定には、各供試材から採取した矩形(5cm×2cm)の試験片と、板厚0.5mmで矩形(5cm×2cm)のアルミニウム板(純アルミニウム板:市販のJISA1050P)を用いた。電極間電圧の測定のための電気回路を図2に示す。
アルミニウム板1は、直径1cmの円孔2aが開いたテフロン(登録商標)シート2で包んだ。自動車バッテリを想定した14V定電圧電源3の+極にアルミニウム板1と負荷を想定した0.25Wの白熱電球4を並列に接続し、-極をアースに接続する。アルミニウム板1は電源3の+極以外には接続しない。電球4に接続する他方の電線(電源3の+極に接続しない方の電線)はアースに接続する。中央部に高さ2mm、幅2mmのリブ5aを持つナイロン板5に、テフロンシート2に包んだアルミニウム板1と試験片6を、リブ5aに沿わせて固定する。このとき、アルミニウム板1と試験片6は圧延面が同じ方向を向き、リブ5aとアルミニウム板1の間及びリブ5aと試験片6の間は、できるだけ隙間が無いように固定する。0.25Wの白熱電球7の一方の電線を試験片6に取り付け、他方の電線をアースに接続し、電球7に並列に電圧計8を接続する。
電圧計8で測定される電圧をモニタして、塩水浸漬後の通電開始後150秒経過時点の電圧を測定した。アルミニウム板1と試験片6を固定したナイロン板5を、150ppmNaCl水溶液9を入れた槽10に浸漬して通電すると、アルミニウム板1と試験片6は直接接続していないので、大部分の電流は電源3につないだ電球4で消費される。アルミニウム板1が腐食し、試験片6に水素が発生すると、NaCl水溶液を介して電気的に接触しているアルミニウム板1と試験片6の間に電流が流れやすくなり、試験片6側に接続された電球7の両端の電圧が増加する。アルミニウム板1をテフロン(登録商標)シート2で覆ったのは、腐食を促進するためで、アルミニウム板1の露出面積が試験片6側にくらべて小さくなればなるほど腐食が進行しやすくなる。
従来材であるNo.31の試験片において、電極間電圧は0.021Vであり、この数値を耐接触腐食性を判定する基準値とした。電極間電圧が基準値(0.021V)以下のものを、耐接触腐食性が優れる(アルミニウム板の腐食が抑制される)と判定した。
発明例No.1~9は、主要元素であるAl,Niが規定の範囲内であり、Zn,Ti,Mn,Si,Cr,Zr,Mg,Co,Fe Sn,P,Bが規定の範囲内であり、導電率Ecが(1)式を満たす。No.1~9の銅合金板(このうち、No.1~8は表面被覆されていない)は、アルミニウム減少率が0.009%以下、電極間電圧が0.021V以下で、アルミニウムの接触腐食が抑制され、密度が低く、かつ端子に適した耐力を兼ね備えている。
一方、比較例No.10~31は、主要元素であるAl,Niの一方又は両方が規定の範囲外か、Zn,Ti,Mn,Si,Cr,Zr,Mg,Co,Fe Sn,P,B,Pb,Bi,As,Se,O,Hのいずれか1種以上が規定の範囲外か、導電率Ecが(1)式を満たさない。比較例No.10~31について、以下、個別に説明する。
比較例No.10は、Niを含有せずCu-Al-Ni化合物及びAl-Ni化合物が析出・分散していないため、導電率Ecが式(1)を満たさない。そのため、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。なお、比較例No.10は焼鈍温度が低く、焼鈍で再結晶が生じていないため、0.2%耐力値が大きくなった。
比較例No.11はAl,Niとも規定の範囲内であるが、Cu-Al-Ni化合物及びAl-Ni化合物が析出しにくい低い温度(350℃)で焼鈍が行われたため、導電率が式(1)を満たさず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る(アルミニウムの腐食が進行している)。比較例No.11の機械的特性は端子材として適正であった。
比較例No.12はNi含有量が不足し、またCu-Al-Ni化合物及びAl-Ni化合物が析出しにくい低い温度(350℃)で焼鈍が行われたため、導電率が式(1)を満たさず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。比較例No.12の機械的特性は端子材として適正であった。
比較例No.13はAl含有量が過剰なため、冷間圧延中に耳割れが発生した。
比較例No.14はNi含有量が過剰なため、冷間圧延中に耳割れが発生した。
比較例No.15はNiが含有されていないため、0.2%耐力値が低かった。また、Niが含有されていないため、Cu-Al-Ni化合物及びAl-Ni化合物が析出せず、導電率Ecが式(1)を満たさず、アルミニウムへの耐接触腐食性も劣る。
比較例No.16はAl含有量が不足しているため、密度がベリリウム銅と同程度の8.4g/cmであり、Alの密度低減効果がなかった。
比較例No.17はNi含有量が不足し、導電率Ecが式(1)を満たさず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.18はZn含有量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.19はTi含有量が過剰なため、延性破断値が低かった。
比較例No.20はMn含有量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.21はSi含有量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.22はCr含有量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.23はZr含有量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.24はMg含有量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.25はCo含有量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.26はFe含有量が過剰なため、硬質のκ相が晶出し、延性破断値が低かった。
比較例No.27はSn添加量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.28はP含有量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.29はBの添加量が過剰なため、Al及びNiによる接触腐食の抑制効果が発揮できず、アルミニウムへの耐接触腐食性が劣る。
比較例No.30は、従来材の黄銅(JIS C2600合金)であり、試験片の全面がNiめっき及びSnめっきで被覆されていたため、アルミニウム減少率が0.0039%、電極間電圧が0.019Vであり、アルミニウムへの耐接触腐食性に優れる。一方、発明例であるNo.1~8は表面被覆されてなく、No.9は切断端面に銅合金材が露出しているにも関わらず、比較例No.30と同等以上の耐接触腐食性を示している。
比較例No.31は、本実施例において耐接触腐食性の判定基準とした従来材である。試験片の両面がNiめっき及びSnめっきで被覆されていたが、切断端面に黄銅が露出していたため、アルミニウム減少率及び電極間電圧が共に比較例No.30より高い。
1 アルミニウム板
3 電源
6 試験片
8 電圧計

Claims (17)

  1. Al:2~9質量%、Ni:1~8質量%を含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、導電率Ec(単位:%IACS)が式(1)を満たし、式(1)においてAは式(2)で表され、式(2)においてcはAlの含有量(単位:質量%)であることを特徴とするアルミニウムへの耐接触腐食性に優れた銅合金材。
    Figure 0007126359000010
  2. Al:2~9質量%、Ni:1~8質量%を含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、導電率Ec(単位:%IACS)が式(1)を満たし、式(1)においてAは式(2)で表され、式(2)においてcはAlの含有量(単位:質量%)であることを特徴とするアルミニウム線の端子用銅合金材。
    Figure 0007126359000011
  3. 0.2%耐力が400~900MPaである請求項1又は2に記載された銅合金材。
  4. さらに、Zn:0.05質量%以下Ti:0.02質量%以下Mn:0.003質量%以下、Si:0.2質量%以下、Cr:0.2質量%以下、Zr:0.2質量%以下、Mg:0.2質量%以下、Co:1質量%以下、Fe:0.91質量%以下、Sn:1質量%以下、P:0.0081質量%以下、B:0.1質量%以下より選択される1種以上を含む請求項1~3のいずれかに記載された銅合金材。
  5. 表面にSn又はSn合金被覆層が形成されている請求項1~4のいずれかに記載された銅合金材。
  6. 表面にCu-Sn金属間化合物層とSn又はSn合金被覆層がこの順に形成されている請求項1~4のいずれかに記載された銅合金材。
  7. 表面にNi被覆層とSn又はSn合金被覆層がこの順に形成されている請求項1~4のいずれかに記載された銅合金材。
  8. 表面にNi被覆層とCu-Sn金属間化合物層とSn又はSn合金被覆層がこの順に形成されている請求項5に記載された銅合金材。
  9. 前記Ni被覆層とCu-Sn金属間化合物層の間にさらにCu被覆層が形成されている請求項8に記載された銅合金材。
  10. 板材、条材、線材、棒材のいずれかである請求項1~9のいずれかに記載された銅合金材。
  11. Al:2~9質量%、Ni:1~8質量%を含み、残部がCu及び不可避不純物からなり、導電率Ec(単位:%IACS)が式(1)を満たし、式(1)においてAは式(2)で表され、式(2)においてcはAlの含有量(単位:質量%)である銅合金材からなることを特徴とするアルミニウム線用端子。
    Figure 0007126359000012
  12. 前記銅合金材が、さらに、Zn:0.05質量%以下Ti:0.02質量%以下Mn:0.003質量%以下、Si:0.2質量%以下、Cr:0.2質量%以下、Zr:0.2質量%以下、Mg:0.2質量%以下、Co:1質量%以下、Fe:0.91質量%以下、Sn:1質量%以下、P:0.0081質量%以下、B:0.1質量%以下より選択される1種以上を含む請求項11に記載されたアルミニウム線用端子。
  13. 前記銅合金材の表面にSn又はSn合金被覆層が形成されている請求項11又は12に記載されたアルミニウム線用端子。
  14. 前記銅合金材の表面にCu-Sn金属間化合物層とSn又はSn合金被覆層がこの順に形成されている請求項11又は12に記載されたアルミニウム線用端子。
  15. 前記銅合金材の表面にNi被覆層とSn又はSn合金被覆層がこの順に形成されている請求項11又は12に記載されたアルミニウム線用端子。
  16. 表面にNi被覆層とCu-Sn金属間化合物層とSn又はSn合金被覆層がこの順に形成されている請求項11又は12に記載されたアルミニウム線用端子。
  17. 前記Ni被覆層とCu-Sn金属間化合物層の間にさらにCu被覆層が形成されている請求項16に記載されたアルミニウム線用端子。
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