JP7125887B2 - ベクトル制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ベクトル制御装置に関するものである。
例えば特許文献1に開示されているように、従来から、三相交流モータを制御する手法としてベクトル制御が知られている。このようなベクトル制御では、三相交流モータに流れる電流が、トルク成分と磁束成分とに分解されて独立して制御される。
特開2017-77099号公報
ところで、制御対象である三相交流モータが出力可能なトルクは有限である。このため、上述のようなベクトル制御では、例えばトルク電流指令値を求めるにあたり、制御対象の三相交流モータが出力可能な範囲で設定された上限閾値を超えないように、リミッタ部にてトルク電流値の最大値を制限している。
一方で、トルク電流指令値を算出する場合には、いわゆるPI(Proportional-Integra)制御やPID(Proportional-Integral-Differential)制御に基づく積分項を含む演算を行っている。このため、トルク電流指令値が上限閾値を超えている場合(すなわち飽和状態である場合)には、出力トルクに変化はないものの、飽和状態の期間に応じて積分項の値が増加してしまう。この結果、出力トルクを減少させようとした場合に、増加した積分項を飽和状態の直前と同様まで減少させる期間を要し、三相交流モータの応答性が悪化することになる。そこで、上述の飽和状態である期間において積分項が増加することを防止するために、リミッタ部によってカットされた量(飽和偏差)に対して比例ゲインの逆数を乗じた値等を用いて、積分項をリセットするアンチリセットワインドアップ処理が行われている。
しかしながら、より安定したベクトル制御を実現しようとした場合には、三相から二相あるいは二相から三相に座標変換(相変換)を行うことによる影響や、電流とトルクの非線形関係による影響を削減するために、乗算補正項を用いてトルク電流指令値を補正する。上述のアンチリセットワインドアップ処理では、これらの乗算補正項を用いた場合には、補正後のトルク電流指令値によって積分項をリセットする処理が行われ、この結果、制御が不安定となる可能性がある。
本発明は、上述する問題点に鑑みてなされたもので、乗算補正項によって補正されたトルク電流指令値をリミッタ部で上限設定可能とするベクトル制御装置において、乗算補正項によるアンチリセットワインドアップ処理への影響を低減することを目的とする。
本発明は、上記課題を解決するための手段として、以下の構成を採用する。
第1の発明は、トルク指令値と三相交流モータの出力トルク値との差分であるトルク偏差に基づいてトルク電流指令値を算出するトルク電流指令値演算部を備えるベクトル制御装置であって、上記トルク電流指令値演算部が、上記トルク偏差、比例ゲイン及び積分ゲインに基づいて比例項と積分項との少なくとも2つの項を算出する比例積分演算により第1仮出力値を算出する比例積分演算部と、上記第1仮出力値に対して少なくとも乗算補正項を乗じて第2仮出力値を算出する補正演算部と、上記第2仮出力値が上限閾値を超える場合に上記上限閾値を上記トルク電流指令値の上限値とするリミッタ部と、上記第2仮出力値が上限閾値を超える場合に上記上限閾値から上記第2仮出力値を減算した飽和偏差に上記乗算補正項の逆数と上記比例ゲインの逆数とを乗じて積分調整項を算出する積分調整項算出部とを備え、上記比例積分演算部が、上記積分調整項に基づいて上記積分項を計算するという構成を採用する。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記補正演算部が、上記乗算補正項として、標準磁束値と上記三相交流モータの磁束値との比を上記第1仮出力値に対して乗算するという構成を採用する。
第3の発明は、上記第1または第2の発明において、上記補正演算部が、上記乗算補正項として、相変換係数を上記第1仮出力値に対して乗算するという構成を採用する。
第4の発明は、上記第3の発明において、上記相変換係数が、相変換方式が絶対変換である場合に1であり、相変換方式が相対変換である場合に2/3であるという構成を採用する。
本発明によれば、リミッタ部によってトルク電流指令値の上限値が制限された場合に、乗算補正項の逆数と比例積分演算の比例ゲインの逆数とを乗じて求められた積分調整項に基づいて比例積分演算の積分項を補正計算する。このため、本発明によれば、リミッタ部によってトルク電流指令値の上限値が制限された場合に、乗算補正項の影響を排除して積分項を計算することができる。したがって、本発明によれば、乗算補正項によって補正されたトルク電流指令値をリミッタ部で上限設定可能とするベクトル制御装置において、乗算補正項によるアンチリセットワインドアップ処理への影響を低減することが可能となる。
本発明の一実施形態におけるベクトル制御装置の機能構成を示すブロック図である。 本発明の一実施形態におけるベクトル制御装置が備えるトルク電流指令値演算部をモデル化したブロック図である。
以下、図面を参照して、本発明に係るベクトル制御装置の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態のベクトル制御装置1の機能構成を示すブロック図である。本実施形態のベクトル制御装置1は、車両等に搭載されており、アクセル開度等によって設定されるトルク指令値Trefと磁束指令値φrdrefとに基づいて、インバータ30に供給する電圧指令値を出力するものである。このベクトル制御装置1は、入力された電圧指令値に基づいて交流電力を生成するインバータ30を介して、三相交流モータ40の制御を行う。
図1に示すように、本実施形態のベクトル制御装置1は、第1減算器2と、磁束電流指令値演算部3と、第2減算器4と、d軸電流PI制御部5と、第3減算器6と、トルク電流指令値演算部7と、第4減算器8と、q軸電流PI制御部9と、逆座標変換部10と、座標変換部11と、磁束演算部12と、トルク演算部13と、速度検出部14と、鉄損電流演算部15と、鉄損電流帰還部16とを備えている。
第1減算器2は、磁束指令値φrdrefと、磁束演算部12から入力されるd軸磁束値φrdの差分である磁束偏差を求めて出力する。なお、第1減算器2は、磁束指令値φrdrefからd軸磁束値φrdを減算することによって磁束偏差とする。また、d軸磁束値φrdは、不図示の電流検出器から検出して読み取られる三相交流モータ40の電流値i、i、iを相変換して導出される実磁束電流値isdに対して、鉄損電流帰還部16によって求められる鉄損電流帰還値icdfbkを加算することに基づいて算出される値であり、三相交流モータ40における実際の磁束値にほぼ近似する値を示している。
磁束電流指令値演算部3は、第1減算器2から入力される磁束偏差から磁束電流指令値iを算出して出力する。この磁束電流指令値演算部3は、d軸磁束PI制御部3aと、d軸磁束鉄損補償部3bとを備えている。
d軸磁束PI制御部3aは、第1減算器2から磁束偏差が入力され、d軸磁束値φrdを磁束指令値φrdrefに一致させるための制御演算を行う。ここでは、d軸磁束PI制御部3aは、PI制御に基づく制御演算を実行し、磁束偏差に対して比例演算と積分演算とを行って、仮の磁束電流指令値を求める。d軸磁束鉄損補償部3bは、鉄損電流演算部15によって求められた磁束鉄損電流値icdを、d軸磁束PI制御部3aから入力される仮の磁束電流指令値から減算することによって、磁束電流指令値iを算出する。
なお、本実施形態においては、磁束鉄損電流値icdは負の符号を有する値(マイナス値)として求められていることから、磁束鉄損電流値icdをd軸磁束PI制御部3aから入力される仮の磁束電流指令値から減算することによって磁束電流指令値iを算出しているが,磁束鉄損電流値icdは正負の符号を有しない値(たとえば、絶対値)として求められる構成としてもよい。この場合には,鉄損電流演算部15によって求められた正負の符号を有しない磁束鉄損電流値icdを、d軸磁束PI制御部3aから入力される仮の磁束電流指令値に加算することによって、磁束電流指令値iを算出すればよい。
また、本実施形態では、磁束電流指令値演算部3が、PI制御に基づく演算を行うd軸磁束PI制御部3aを備えている。しかしながら、磁束電流指令値演算部3が、PID制御に基づく演算を行うようにしても良い。
また、本実施形態では、磁束電流指令値演算部3が、磁束鉄損電流値icdを磁束PI制御部3aで算出した値から減算するd軸磁束鉄損補償部3bを備えているが、d軸磁束鉄損補償部3bを備えない構成としても良い。この場合には、磁束PI制御部3aで算出した値が磁束電流指令値iとして磁束電流指令値演算部3から出力される。
第2減算器4は、磁束電流指令値iと、実磁束電流値isdとの差分である磁束電流偏差を求めて出力する。d軸電流PI制御部5は、第2減算器4から磁束電流偏差が入力され、実磁束電流値isdを磁束電流指令値iに一致させるための制御演算を行う。ここでは、d軸電流PI制御部5は、PI制御に基づく制御演算を実行し、磁束電流偏差に対して比例演算と積分演算とを行って磁束電圧指令値vを算出して出力する。なお、d軸電流PI制御部5によるPI制御に基づく制御演算に換えて、PID制御に基づく制御演算を実行して磁束電圧指令値vを算出するようにしても良い。
第3減算器6は、トルク指令値Trefと、トルク演算部13から入力される出力トルク値Tとの差分であるトルク偏差を求めて出力する。なお、第3減算器6は、トルク指令値Trefから出力トルク値Tを減算することによってトルク偏差とする。また、出力トルク値Tは、不図示の電流検出器から検出し読み取られる三相交流モータ40の電流値i、i、iを相変換して導出される実トルク電流値isqから求められる仮のトルク値に対して、鉄損電流帰還部16によって求められる鉄損電流帰還値icdfbkを加算することに基づいて算出される値であり、三相交流モータ40における実際のトルク値にほぼ近似する値を示している。
トルク電流指令値演算部7は、第3減算器6から入力されるトルク偏差からトルク電流指令値iを算出して出力する。このトルク電流指令値演算部7は、トルクPI制御部7a(比例積分演算部)と、変換処理部7bと、線形化補償部7cと、トルク鉄損補償部7dと、リミッタ部7eと、アンチリセットワインドアップ演算部7f(積分調整項算出部)とを備えている。
後に詳述するが、トルクPI制御部7aは、第3減算器6からトルク偏差が入力され、出力トルク値Tをトルク指令値Trefに一致させるための制御演算を行う。ここでは、トルクPI制御部7aは、PI制御に基づく制御演算を実行し、トルク偏差に対して比例演算と積分演算とを行って仮のトルク電流指令値(第1仮出力値)を求める。つまり、トルクPI制御部7aは、トルク偏差に基づく比例項と積分項との2つの項を算出する比例積分演算により仮のトルク電流指令値を算出する。
変換処理部7bは、トルクPI制御部7aから出力された仮のトルク電流指令値に対して、相変換係数を乗算する。つまり、変換処理部7bは、乗算補正項として、相変換係数を仮のトルク電流指令値に対して乗算する。この相変換係数は、逆座標変換部10で二相から三相への相変換(ベクトル制御のdq座標系から三相交流座標系への変換)をする場合と、座標変換部11で三相電流i、i、iを二相の実磁束電流値isdと実トルク電流値isqに相変換(三相交流座標系からベクトル制御のdq座標系への変換)する場合とに用いられる数値係数である。例えば、逆座標変換部10及び座標変換部11で絶対変換を行う場合には、相変換係数として1を用いる。また、逆座標変換部10及び座標変換部11で相対変換を行う場合には、相変換係数として2/3を用いる。本実施形態のベクトル制御装置1においては、外部からの指令あるいはベクトル制御装置1内に存する不図示の記憶装置への書込情報に基づいて、絶対変換と相対変換とを選択可能とされており、絶対変換が選択された場合には変換処理部7bにおいて相変換係数Kαβが1とされ、相対変換が選択された場合には変換処理部7bにおいて相変換係数Kαβが2/3とされる。
線形化補償部7cは、トルクPI制御部7aから出力された仮のトルク電流指令値に対して、所定の標準磁束値φrdNとd軸磁束値φrd(三相交流モータ40の実際の磁束値)との比を乗算する。つまり、線形化補償部7cは、乗算補正項として、標準磁束値φrdNとd軸磁束値φrdとの比を乗算する。なお、本実施形態では、線形化補償部7cは、標準磁束値φrdNからd軸磁束値φrdを除算した値を、標準磁束値φrdNとd軸磁束値φrdとの比として、仮のトルク電流指令値に乗算する。
トルク鉄損補償部7dは、鉄損電流演算部15によって求められたトルク鉄損電流値icqを、トルクPI制御部7aから出力された仮のトルク電流指令値から減算する。なお、トルク鉄損補償部7dを備えない構成を採用することも可能である。
これらの変換処理部7b、線形化補償部7c及びトルク鉄損補償部7dは、トルクPI制御部7aから出力された仮のトルク電流指令値に対して少なくとも乗算補正項を乗じることによって、仮のトルク電流指令値の補正値(第2仮出力値)を算出する補正演算部として機能する。なお、補正演算部に変換処理部7b及び線形化補償部7cの両方が含まれている必要はなく、いずれか一方のみが含まれた構成とすることも可能である。
リミッタ部7eは、第2仮出力値が所定の上限閾値ulimを超える場合に、上限閾値ulimをトルク電流指令値iとして出力する。また、リミッタ部7eは、第2仮出力値が上限閾値ulimを超えていない場合には、その第2仮出力値をトルク電流指令値iとして出力する。また、リミッタ部7eは、上限閾値ulimから第2仮出力値を減算してリミッタ部7eでカットする量(飽和偏差)を算出する。
アンチリセットワインドアップ演算部7fは、リミッタ部7eでカットされた量(飽和偏差)に対して、補正演算部で乗算された乗算補正項の逆数と、トルクPI制御部7aで算出され用いられた比例ゲインの逆数とを乗じて積分調整項を算出する。なお、補正演算部から出力された第2仮出力値が上限閾値ulimを超えていない場合には、飽和偏差は0となる。このため、アンチリセットワインドアップ演算部7fは、補正演算部から出力された第2仮出力値が上限閾値ulimを超えた場合に、積分調整項を算出する。また、アンチリセットワインドアップ演算部7fは、求めた積分調整項を制御上の1周期分時間をシフトさせてトルクPI制御部7aに入力する。
図2は、上述のトルク電流指令値演算部7をモデル化したブロック図である。なお、図2においては、トルク電流指令値演算部7への入力をe(トルク偏差)で示し、トルク電流指令値演算部7からの出力(第2仮出力値)をuで示している。
図2に示すように、トルクPI制御部7aは、入力eに対してアンチリセットワインドアップ演算部7fから入力された積分調整項を加算する第1加算器7a1と、第1加算器7a1の出力を所定の積分ゲインKを用いて積分演算することで積分項を算出する積分器7a2とを備えている。さらに、トルクPI制御部7aは、入力eに対して所定の比例ゲインKを用いて比例演算することで比例項を算出する比例器7a4と、積分器7a2で算出された積分項と比例器7a4で算出された比例項とを加算する第2加算器7a5とを備えている。
また、変換処理部7bでは、乗算補正項である相変換係数(1/Kαβ)をトルクPI制御部7aの出力に乗じる。また、線形化補償部7cでは、乗算補正項である標準磁束値φrdNとd軸磁束値φrdとの比(φrdN・φrd -1)をトルクPI制御部7aの出力に乗じる。さらに、トルク鉄損補償部7dは、トルク鉄損電流値icqをPI制御部7aの出力から減算する。
リミッタ部7eは、上限閾値ulimからトルク鉄損補償部7dからの出力uを減算する減算器7e1を備える。また、アンチリセットワインドアップ演算部7fは、減算器7e1の出力に対して、標準磁束値φrdNとd軸磁束値φrdとの比の逆数(φrd・φrdN -1)と、相変換係数の逆数(Kαβ)と、比例ゲインKの逆数と、アンチリセットワインドアップ演算の微調整用の定数(1/αAW)とを乗算する乗算部7f1を備えている。さらに、アンチリセットワインドアップ演算部7fは、乗算部7f2の出力を制御上の1周期分遅延させる遅延処理部7f2を備えている。
このようなアンチリセットワインドアップ演算部7fから積分調整項が入力された場合(すなわち第2仮出力値が上限閾値ulimを超えた場合)に、トルクPI制御部7aは、トルク偏差に対して積分調整項を加算してからPI制御に基づく制御演算を行う。これによって、飽和偏差が存在する期間に、トルクPI制御部7aにおいて積分項が増加することが防止される。さらに、積分調整項には、補正演算部で乗算された乗算補正項の逆数と、トルクPI制御部7aで用いられた比例ゲインKの逆数とを乗じられているため、トルクPI制御部7aでの制御演算において、変換処理部7bや線形化補償部7cによるアンチリセットワインドアップ処理への影響が生じることを防止できる。
図1に戻り、第4減算器8は、トルク電流指令値iと、実トルク電流値isqとの差分であるトルク電流偏差を求めて出力する。q軸電流PI制御部9は、第4減算器8からトルク電流偏差が入力され、実トルク電流値isqをトルク電流指令値iに一致させるための制御演算を行う。ここでは、q軸電流PI制御部9は、PI制御に基づく制御演算を実行し、トルク電流偏差に対して比例演算と積分演算とを行ってトルク電圧指令値vを算出して出力する。なお、q軸電流PI制御部9によるPI制御に基づく制御演算に換えて、PID制御に基づく制御演算を実行してトルク電圧指令値vを算出するようにしても良い。
逆座標変換部10は、d軸電流PI制御部5から入力される磁束電圧指令値vと、q軸電流PI制御部9から入力されるトルク電圧指令値vとを二相から三相に相変換することによって、インバータ30に供給する三相の電圧指令値を生成する。座標変換部11は、不図示の電流計より入力される三相交流モータ40の三相の電流値i、i、iを実磁束電流値isdと実トルク電流値isqとの二相に相変換する。磁束演算部12は、座標変換部11から入力される実磁束電流値isdと鉄損電流帰還部16によって求められた鉄損電流帰還値icdfbkに基づいてd軸磁束値φrdを算出して出力する。トルク演算部13は、座標変換部11から入力される実トルク電流値isqと、鉄損電流帰還部16によって求められる鉄損電流帰還値icqfbkと、磁束演算部12から入力されるd軸磁束値φrdとに基づいて出力トルク値Tを算出して出力する。
速度検出部14は、不図示の速度センサから入力される信号に基づいて三相交流モータ40の回転速度を算出する。鉄損電流演算部15は、速度検出部14で検出された回転速度と、磁束演算部12から入力されるd軸磁束値φrdと、この制御上の1周期前(前回の制御周期)に適用されていた磁束電流指令値i及びトルク電流指令値iとに基づいて、磁束鉄損電流値icdとトルク鉄損電流値icqとを算出する。鉄損電流帰還部16は、速度検出部14で検出された回転速度と、この制御上の1周期前(前回の制御周期)で磁束演算部12で算出されていたd軸磁束値φrdと、実磁束電流値isdと、実トルク電流値isqとに基づいて、磁束鉄損電流帰還値icdfbkとトルク鉄損電流帰還値icqfbkとを算出する。
このような本実施形態のベクトル制御装置1では、磁束指令値φrdrefからd軸磁束値φrdが減算されて磁束電流指令値演算部3に入力され、磁束電流指令値演算部3によって磁束電流指令値iが算出される。また、トルク指令値Trefから出力トルク値Tが減算されてトルク電流指令値演算部7に入力され、トルク電流指令値演算部7によってトルク電流指令値iが算出される。
また、d軸電流PI制御部5によって実磁束電流値isdと磁束電流指令値iから磁束電圧指令値vが算出されると共に、q軸電流PI制御部9によって実トルク電流値isqとトルク電流指令値iからトルク電圧指令値vが算出され、磁束電圧指令値v及びトルク電圧指令値vからインバータ30に供給される電圧指令値vu、v、が生成される。このような電圧指令値vu、v、がインバータ30に供給されることによってインバータ30から三相交流モータ40に交流電力が供給され、三相交流モータ40が駆動される。
また、速度検出部14では三相交流モータ40の回転速度が検出され、この回転速度と、この制御上の1周期前に磁束演算部12で算出されていたd軸磁束値φrdと、実磁束電流値isdと、実トルク電流値isqとに基づいて鉄損電流帰還部16で磁束鉄損電流帰還値icdfbk及びトルク鉄損電流帰還値icqfbkが算出される。この磁束鉄損電流帰還値icdfbkは磁束演算部12にフィードバックされ、トルク鉄損電流帰還値icqfbkはトルク演算部13にフィードバックされる。しかも、座標変換部11によって三相交流モータ40の電流値i、i,iから実磁束電流値isdと実トルク電流値isqとが求められ、さらに磁束演算部12で求められたd軸磁束値φrdが第1減算器2にフィードバックされ、トルク演算部13で求められた出力トルク値Tが第3減算器6にフィードバックされる。また、鉄損電流演算部15で磁束鉄損電流値icd及びトルク鉄損電流値icqが算出される。磁束鉄損電流値icdは磁束電流指令値演算部3に入力され、トルク鉄損電流値icqはトルク電流指令値演算部7に入力される。
以上のような本実施形態のベクトル制御装置1においては、リミッタ部7eによってトルク電流指令値iの上限値が制限された場合に、乗算補正項の逆数と比例積分演算の比例ゲインKの逆数とを乗じて求められた積分調整項に基づいて比例積分演算の積分項を計算する。このため、本実施形態のベクトル制御装置1によれば、リミッタ部7eによってトルク電流指令値iの上限値が制限された場合に、乗算補正項の影響を排除して積分項を計算することができ、乗算補正項によるアンチリセットワインドアップ処理への影響を低減することが可能となる。
また、本実施形態のベクトル制御装置1においては、乗算補正項として、標準磁束値φrdNとd軸磁束値φrdとの比を用いている。このため、三相交流モータ40の電流とトルクとの関係を線形化することができ、三相交流モータ40を安定的に制御することができる。さらに、本実施形態のベクトル制御装置1においては、標準磁束値φrdNとd軸磁束値φrdとの比を乗じてトルク電流指令値iを算出することに起因するアンチリセットワインドアップ処理への影響を上述のように低減することが可能となる。
また、本実施形態のベクトル制御装置1においては、乗算補正項として、相変換係数を用いている。このため、相変換することによって三相交流モータ40の動作が不安定になることを防止することができる。さらに、本実施形態のベクトル制御装置1においては、相変換係数を乗じてトルク電流指令値iを算出することに起因するアンチリセットワインドアップ処理への影響を上述のように低減することが可能となる。
さらに、本実施形態のベクトル制御装置1においては、相変換係数は、相変換方式が絶対変換である場合に1であり、相変換方式が相対変換である場合に2/3であるとされている。したがって、本実施形態のベクトル制御装置1では、相変換方式が絶対変換である場合であっても、相変換方式が相対変換である場合であっても、三相交流モータ40の動作が不安定になることを防止することができる。このため、本実施形態のベクトル制御装置1においては、相変換方式を絶対変換と相対変換とで切り替えることが可能となっている。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されないことは言うまでもない。上述した実施形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
1……ベクトル制御装置、3a……d軸磁束PI制御部、3b……d軸磁束鉄損補償部、7……トルク電流指令値演算部、7a……トルクPI制御部(比例積分演算部)、7b……変換処理部、7c……線形化補償部、7d……トルク鉄損補償部、7e……リミッタ部、7f……アンチリセットワインドアップ演算部(積分調整項算出部)、30……インバータ、40……三相交流モータ、K……比例ゲイン、K……積分ゲイン

Claims (4)

  1. トルク指令値と三相交流モータの出力トルク値との差分であるトルク偏差に基づいてトルク電流指令値を算出するトルク電流指令値演算部を備えるベクトル制御装置であって、
    前記トルク電流指令値演算部は、
    前記トルク偏差、比例ゲイン及び積分ゲインに基づいて比例項と積分項との少なくとも2つの項を算出する比例積分演算により第1仮出力値を算出する比例積分演算部と、
    前記第1仮出力値に対して少なくとも乗算補正項を乗じて第2仮出力値を算出する補正演算部と、
    前記第2仮出力値が上限閾値を超える場合に前記上限閾値を前記トルク電流指令値の上限値とするリミッタ部と、
    前記第2仮出力値が上限閾値を超える場合に前記上限閾値から前記第2仮出力値を減算した飽和偏差に前記乗算補正項の逆数と前記比例ゲインの逆数とを乗じて積分調整項を算出する積分調整項算出部と
    を備え、
    前記比例積分演算部は、前記積分調整項に基づいて前記積分項を計算する
    ことを特徴とするベクトル制御装置。
  2. 前記補正演算部は、前記乗算補正項として、標準磁束値と前記三相交流モータの磁束値との比を前記第1仮出力値に対して乗算することを特徴とする請求項1記載のベクトル制御装置。
  3. 前記補正演算部は、前記乗算補正項として、相変換係数を前記第1仮出力値に対して乗算することを特徴とする請求項1または2記載のベクトル制御装置。
  4. 前記相変換係数は、相変換方式が絶対変換である場合に1であり、相変換方式が相対変換である場合に2/3であることを特徴とする請求項3記載のベクトル制御装置。
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