以下、本発明の実施の形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
(第1の実施形態)
図1は、第1の実施の形態にかかる便座装置を備えたトイレ装置を模式的に表す斜視図である。
図1に表したように、トイレ装置2は、腰掛け大便器(以下説明の便宜上、単に「便器」と称する)4と、便座装置10と、を備える。便座装置10は、便器4の上部に設置される。便座装置10は、便器4に対して一体的に取り付けてもよいし、便器4に対して着脱可能に取り付けてもよい。
便座装置10は、本体部12と、便座14と、便蓋16と、を備える。便蓋16は、便座装置10に必要に応じて設けられ、省略可能である。便座14と便蓋16とは、本体部12に対して回転可能に軸支されている。
なお、本願明細書において、「上方」、「下方」、「前方」、「後方」、「左側方」及び「右側方」のそれぞれは、開いた便蓋16に背を向けて便座14に座った使用者から見た方向である。
便器4は、ボウル部4aを有する。ボウル部4aは、下方に凹む凹状である。便器4は、ボウル部4aにおいて使用者の尿や便などの排泄物を受ける。便座装置10の本体部12は、便器4のボウル部4aよりも後方の部分の上に取り付けられる。
使用者が着座するための便座14は、ボウル部4aを露呈させる開口部14aを有する。便座14は、下げた状態において、ボウル部4aの外縁を囲むように便器4の上に設けられ、開口部14aを介してボウル部4aを露呈させる。これにより、使用者は、便座14に座った状態でボウル部4aに排泄を行うことができる。この例では、貫通孔状の開口部14aが形成された、いわゆるO字型の便座14を示している。便座14は、O字型に限ることなく、U字型などでもよい。開口部14aは、貫通孔状に限ることなく、切り欠き状でもよい。使用状態(使用者が着座可能な状態)の便座14を上方から見た形状は、環状又はU字状である。
便座14は、着座部14bを有する。着座部14bは、本体部12に対して回動可能に軸支され、使用者が着座する部分である。開口部14aは、着座部14bに設けられている。換言すれば、着座部14bは、O字型あるいはU字型である。
着座部14bは、回動軸部14cを有し、回動軸部14cを介して本体部12に回動可能に軸支される。回動軸部14cは、換言すれば、ヒンジ部である。着座部14bは、例えば、一対の回動軸部14cを有する。一対の回動軸部14cは、着座部14bの後端の左右方向の両端部に設けられる。本体部12の一部は、一対の回動軸部14cの間に入り込んでいる。これにより、一対の回動軸部14cと、これらの間の本体部12の一部と、が回転軸を介して回動可能に接続され、着座部14b(便座14)が本体部12に回動可能に軸支される。
なお、上記と反対に、着座部14bの後端の中央付近に1つの回動軸部14cを設け、この1つの回動軸部14cを本体部12で挟むことにより、着座部14b(便座14)を本体部12に回動可能に軸支させてもよい。
便座装置10は、リモコン18をさらに備える。リモコン18は、例えば、複数のスイッチやセンサなどを有し、使用者からの操作指示を受け付ける。また、リモコン18は、有線又は無線を介して本体部12と接続され、使用者から入力された操作指示を本体部12に送信する。本体部12は、リモコン18から入力された操作指示に応じて所定の動作を実行する。なお、本体部12への操作指示の入力は、例えば、本体部12に設けられた操作パネルなどを介して行ってもよい。すなわち、リモコン18は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
図2(a)及び図2(b)は、第1の実施形態に係る便座装置を模式的に表す側面図及び底面図である。
図2(a)及び図2(b)に表したように、便座14は、支持脚部14dを有する。また、便座装置10は、複数の荷重センサ20a~20dをさらに備える。なお、図2(a)及び図2(b)では、便宜的に便蓋16の図示を省略している。
支持脚部14dは、着座部14bの底面に設けられ、着座部14bにかかる荷重を支持する。より詳しくは、支持脚部14dは、便座14を下げ、便器4の上に載置された状態の便座14に使用者などが着座した際に、着座部14bにかかる荷重を支持する。便座14は、例えば、複数の支持脚部14dを有する。
便座14は、例えば、4つの支持脚部14dを有する。4つの支持脚部14dのうち、2つの支持脚部14dは、便座14の前方側に設けられ、残りの2つの支持脚部14dは、便座14の後方側に設けられる。このように、複数の支持脚部14dの少なくとも1つは、便座14の前方側に設けられ、複数の支持脚部14dの別の少なくとも1つは、便座14の後方側に設けられる。なお、この例では、4つの支持脚部14dを示しているが、支持脚部14dの数は、4つに限ることなく、任意の数でよい。支持脚部14dの数は、1つでもよい。
荷重センサ20a~20dは、支持脚部14dに設けられ、支持脚部14dにかかる荷重を検出する。便座装置10は、荷重センサ20a~20dの検出値により、便座14に着座した使用者の体重の測定を行えるようにする。
荷重センサ20a~20dは、例えば、便座14の支持脚部14dと便器4の上面との間に挟み込まれることにより、支持脚部14dにかかる荷重を検出する。荷重センサ20a~20dには、例えば、圧電素子やひずみゲージなどが用いられる。但し、荷重センサ20a~20dの構成は、上記に限るものではない。荷重センサ20a~20dの構成は、支持脚部14dにかかる荷重を検出可能な任意の構成でよい。
荷重センサ20a~20dは、例えば、4つの支持脚部14dのそれぞれに設けられる。荷重センサ20a、20bは、便座14の前方側に設けられている。荷重センサ20c、20dは、便座14の後方側に設けられている。便座14の前方側とは、例えば、便座14の着座部14b(回動軸部14cなどを除いた部分)の前後方向の長さの中央よりも前方側の部分である。荷重センサ20c、20dの位置は、換言すれば、荷重センサ20a、20bよりも後方側の位置である。荷重センサ20c、20dの位置は、荷重センサ20a、20bよりも後方側の任意の位置でよい。
また、荷重センサ20a、20cは、便座14の左側に設けられ、荷重センサ20b、20dは、便座14の右側に設けられている。荷重センサ20a、20bは、例えば、便座14の左右方向の中央を挟んで互いに左右対称となる位置に設けられる。同様に、荷重センサ20c、20dは、例えば、便座14の左右方向の中央を挟んで互いに左右対称となる位置に設けられる。
但し、荷重センサ20a~20dの位置は、上記に限ることなく、支持脚部14dにかかる荷重を適切に検出可能な任意の位置でよい。また、荷重センサの数は、4つに限ることなく、支持脚部14dにかかる荷重を適切に検出可能な任意の数でよい。荷重センサの数は、1つでもよい。荷重センサの数は、必ずしも支持脚部14dの数と同じでなくてもよい。荷重センサの数は、支持脚部14dの数よりも多くてもよいし、少なくてもよい。
図3は、第1の実施形態に係る便座装置を模式的に表すブロック図である。
図3に表したように、便座装置10の本体部12は、制御部30と、記憶部32と、送受信機34と、局部洗浄部36と、ノズル38と、姿勢測定部40と、全体重推定部42と、計時部44と、カウンタ46と、を備える。また、便座装置10のリモコン18は、制御部50と、記憶部52と、送受信機54と、表示部56(報知部)と、スピーカ58(報知部)と、操作部60と、使用者識別部62と、通信機64と、を備える。
本体部12の制御部30は、便座装置10の各部の動作を統括的に制御する。記憶部32は、制御部30と接続されている。記憶部32は、例えば、制御部30の制御に必要な各種のプログラムやデータなどを記憶する。制御部30は、記憶部32から各種のプログラムやデータなどを読み出すことにより、便座装置10の各部を制御する。記憶部32は、例えば、制御部30に一体的に組み込まれていてもよい。
また、制御部30は、荷重センサ20a~20dと接続されている。荷重センサ20a~20dは、荷重の検出値を制御部30に入力する。制御部30は、荷重センサ20a~20dの検出結果を基に、使用者の体重測定を行う。記憶部32は、制御部30による体重測定の結果を記憶する。記憶部32は、例えば、制御部30によって測定された使用者の体重の情報を順次記憶する。これにより、使用者の日々の体重の変化などを管理することが可能になる。
リモコン18の制御部50は、リモコン18の各部の動作を制御する。記憶部52は、制御部50と接続されている。制御部50及び記憶部52の構成は、制御部30及び記憶部32の構成と同様とすることができる。従って、制御部50及び記憶部52についての詳細な説明は、省略する。
送受信機34は、リモコン18の送受信機54との信号の送受を行う。送受信機34は、制御部30と接続されている。送受信機34は、制御部30から入力された信号をリモコン18の送受信機54に送信するとともに、リモコン18の送受信機54から受信した信号を制御部30に入力する。これにより、送受信機34、54を介して本体部12とリモコン18との通信が可能となる。送受信機34、54は、無線通信を行うものでもよいし、有線通信を行うものでもよい。なお、本体部12からリモコン18に信号を送信する必要がない場合には、送受信機34、54に代えて、本体部12に受信機を設け、リモコン18に送信機を設け、リモコン18から本体部12への信号の送信のみを行ってもよい。
リモコン18に設けられた表示部56及びスピーカ58は、制御部50に接続されている。表示部56は、制御部50の制御に基づいて、文字、図柄、あるいは映像などの所定の表示を行う。表示部56には、例えば、液晶ディスプレイなどの任意の表示装置が用いられる。スピーカ58は、制御部50の制御に基づいて、所定の音声を出力する。表示部56は、文字などの表示により、使用者などに対して所定の報知を行う。同様に、スピーカ58は、音声の出力により、使用者などに対して所定の報知を行う。
このように、表示部56及びスピーカ58は、使用者などに対して所定の報知を行う報知部として機能する。但し、報知部は、表示部56及びスピーカ58に限ることなく、所定の報知が可能な任意の部材でよい。また、報知部は、リモコン18に限ることなく、本体部12などに設けてもよい。
操作部60は、制御部50に接続されている。操作部60は、使用者の操作を受け付け、使用者の操作に応じた所定の操作指示を制御部50に入力する。操作部60は、例えば、スイッチやセンサなどの複数の操作部材を有し、各操作部材の操作に応じた複数の操作指示を制御部50に入力する。なお、操作部60は、リモコン18に限ることなく、例えば、本体部12などに設けてもよい。
本体部12に設けられた局部洗浄部36は、使用者の「おしり」などの局部に向けて洗浄水を吐水することにより、使用者の局部の洗浄を行う。局部洗浄部36は、ノズル38と接続されている。ノズル38は、先端部に吐水口38a、38bを有する。また、局部洗浄部36は、例えば、本体部12内に収納された位置と、本体部12から前方に突出し、ボウル部4a内に進出した位置と、にノズル38を進退移動させる。なお、図1には、ノズル38がボウル部4a内に進出した状態を表している。
局部洗浄部36は、ノズル38をボウル部4a内に進出させた状態で、吐水口38a又は吐水口38bから洗浄水を吐水することにより、使用者の局部を洗浄する。吐水口38aは、例えば、便座14に座った女性の女性局部を洗浄するビデ洗浄吐水口である。吐水口38bは、例えば、便座14に座った使用者の「おしり」を洗浄するおしり洗浄吐水口である。なお、本願明細書において「水」という場合には、冷水のみならず、加熱されたお湯も含むものとする。
局部洗浄部36は、制御部30と接続されており、制御部30の制御に基づいて使用者の局部の洗浄を行う。制御部30は、例えば、リモコン18から入力される操作指示に基づいて、局部洗浄部36を動作させる。リモコン18の操作部60は、例えば、洗浄ボタンや停止ボタンなど、局部洗浄部36の動作を操作するための操作部材を有する。制御部50は、操作部60から局部洗浄部36を操作するための操作指示を入力されると、その操作指示を送受信機34、54を介して本体部12の制御部30に入力する。制御部30は、入力された操作指示に応じて局部洗浄部36の動作を制御する。これにより、使用者は、リモコン18の操作部60の操作に応じて、局部の洗浄を行うことができる。
姿勢測定部40は、便座14に着座した使用者の着座姿勢を測定する。姿勢測定部40は、制御部30と接続されている。姿勢測定部40は、制御部30の制御に基づいて使用者の着座姿勢を測定し、測定した着座姿勢を制御部30に入力する。
姿勢測定部40は、例えば、制御部30から入力される荷重センサ20a~20dの検出結果を基に、着座姿勢を測定する。姿勢測定部40は、例えば、前方側の荷重センサ20a、20bの検出値が、後方側の荷重センサ20c、20dの検出値よりも大きい場合、使用者が前傾の着座姿勢であると測定する。反対に、後方側の荷重センサ20c、20dの検出値が、前方側の荷重センサ20a、20bの検出値よりも大きい場合、使用者が後傾の着座姿勢であると測定する。また、姿勢測定部40は、例えば、左側の荷重センサ20a、20cの検出値が、右側の荷重センサ20b、20dの検出値よりも大きい場合、使用者が左側に傾いた着座姿勢であると測定する。反対に、右側の荷重センサ20b、20dの検出値が、左側の荷重センサ20a、20cの検出値よりも大きい場合、使用者が右側に傾いた着座姿勢であると測定する。
このように、姿勢測定部40は、例えば、荷重センサ20a~20dの検出値の比率によって、便座14に着座した使用者の着座姿勢を測定する。但し、姿勢測定部40の構成は、上記に限定されるものではない。姿勢測定部40は、例えば、カメラによって使用者を撮影し、画像処理によって着座姿勢を測定する構成などでもよい。姿勢測定部40の構成は、便座14に着座した使用者の着座姿勢を測定可能な任意の構成でよい。
例えば、荷重センサ20a~20dの検出結果を基に着座姿勢を測定する場合には、姿勢測定部40は、図3に表したように、制御部30と別に設けてもよいし、制御部30に組み込まれていてもよい。換言すれば、制御部30が、姿勢測定部40として機能してもよい。また、例えば、姿勢測定部40にカメラなどを用いる場合には、姿勢測定部40は、本体部12に限ることなく、リモコン18に設けてもよいし、本体部12やリモコン18とは別にトイレ室の壁面などに取り付けてもよい。姿勢測定部40は、本体部12やリモコン18と別体に構成され、有線や無線などを介して本体部12又はリモコン18と接続されるものでもよい。
また、姿勢測定部40は、使用者の着座姿勢が所定の範囲内にあるか否かを測定可能である。姿勢測定部40は、例えば、後方側に設けられた荷重センサ20c、20dの検出値が、前方側に設けられた荷重センサ20a、20bの検出値よりも大きい時に、所定の範囲内であると測定する。そして、姿勢測定部40は、例えば、後方側に設けられた荷重センサ20c、20dの検出値が、前方側に設けられた荷重センサ20a、20bの検出値以下の時に、所定の範囲外であると測定する。また、姿勢測定部40は、例えば、後方側に設けられた荷重センサ20c、20dの検出値が、前方側に設けられた荷重センサ20a、20bの検出値よりも所定以上大きい時にも、所定の範囲外であると測定する。
すなわち、姿勢測定部40は、後傾よりの着座姿勢の時に所定の範囲内と測定し、前傾よりの着座姿勢の時に所定の範囲外と測定する。そして、姿勢測定部40は、過度に後傾の着座姿勢の時にも、所定の範囲外と測定する。例えば、過度に右側に傾いた時や過度に左側に傾いた時などに、所定の範囲外と測定してもよい。
姿勢測定部40は、使用者の着座姿勢が所定の範囲内にあるか否かの測定結果を制御部30に入力する。制御部30は、姿勢測定部40が所定の範囲内であると測定した時に、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方を用いることにより、所定の範囲内の着座姿勢を維持するように使用者に報知する。
全体重推定部42は、荷重センサ20a~20dによって検出された荷重を補正することで、使用者が便座14に着座し、トイレ室の床に足を着いた状態の荷重(以下、着座荷重と称す)から、使用者の全体重を推定する。この際、全体重推定部42は、姿勢測定部40によって測定された使用者の着座姿勢に基づいて、補正の割合を変更する。
全体重推定部42は、例えば、局部洗浄部36の吐水中に、荷重センサ20a~20dによって検出された荷重、及び姿勢測定部40によって測定された使用者の着座姿勢に基づいて、使用者の全体重を推定する。但し、全体重推定部42による使用者の全体重の推定のタイミングは、上記に限ることなく、任意のタイミングでよい。
全体重推定部42は、例えば、制御部30と接続されている。全体重推定部42は、制御部30から姿勢測定部40の測定結果を入力され、制御部30の制御に基づいて全体重の推定を行う。そして、全体重推定部42は、推定した全体重を制御部30に入力する。なお、全体重推定部42は、図3に表したように、制御部30と別に設けてもよいし、制御部30に組み込まれていてもよい。換言すれば、制御部30が、全体重推定部42として機能してもよい。全体重推定部42を制御部30と別に設ける場合、全体重推定部42は、本体部12に限ることなく、リモコン18などに設けてもよい。
また、全体重推定部42は、姿勢測定部40が所定の範囲内であると測定した時に、全体重の推定を実行し、姿勢測定部40が所定の範囲外であると測定した時に、全体重の推定を実行しない。そして、全体重推定部42は、所定の範囲内であると測定された時に、前方側に設けられた荷重センサ20a、20bの検出値と、後方側に設けられた荷重センサ20c、20dの検出値と、の比率に応じて、補正の割合を変更する。
図4(a)及び図4(b)は、着座荷重の特性の一例を模式的に表すグラフ図である。 図4(a)に表したように、全体重に対する着座荷重の比率は、所定の範囲内においては、使用者が後傾になるに従って大きくなる。また、着座荷重の変化の割合は、使用者が前傾になるほど大きくなる。これは、前傾になる程、床などにかかる荷重の比率が大きくなるためであると考えられる。一方で、使用者が過度に後傾になると、使用者の背中が便蓋16や後方に設けられるタンクなどに接触し、全体重に対する着座荷重の比率が、再び小さくなってしまう可能性がある。
また、図4(b)に表したように、全体重に対する着座荷重の比率は、所定の範囲内においては、使用者の着座位置が後ろ側になるに従って大きくなる。従って、全体重推定部42は、所定の範囲内であると測定された時に、前方側に設けられた荷重センサ20a、20bの検出値と、後方側に設けられた荷重センサ20c、20dの検出値と、の比率に応じて、補正の割合を変更する。
全体重推定部42は、例えば、後方側に設けられた荷重センサ20c、20dの検出値の比率が大きくなるに従って小さくなる補正係数を記憶している。全体重推定部42は、荷重センサ20a~20dの検出値に、この補正係数を乗算することにより、使用者の着座姿勢に基づいて補正の割合を変更しつつ、使用者の全体重を推定する。あるいは、後方側に設けられた荷重センサ20c、20dの検出値の比率が大きくなるに従って小さくなる補正値を記憶させ、荷重センサ20a~20dの検出値に、この補正値を加算することにより、使用者の全体重を推定する構成としてもよい。
本体部12の制御部30は、体重測定において登録モードと通常使用モードとを有する。登録モードは、第1工程と、第2工程と、第3工程と、を有する。第1工程は、使用者の全体重に関する第1荷重値を取得する工程である。第2工程は、使用者が便座14に着座し、床に足を着いた状態において、荷重センサ20a~20dによって検出された着座荷重に関する第2荷重値を測定する工程である。第3工程は、第1荷重値と第2荷重値とを基に、着座荷重から使用者の全体重を推定するための推定値を求め、推定値を記憶部32に記憶させる工程である。
通常使用モードは、第4工程と、第5工程と、を有する。第4工程は、使用者が便座14に着座し、床に足を着いた状態において、荷重センサ20a~20dによって検出された着座荷重に関する第3荷重値を測定する工程である。第5工程は、推定値と第3荷重値とに基づいて、使用者の全体重に関する第4荷重値を推定する工程である。
また、制御部30は、例えば、通常使用モードにおいて、推定された第4荷重値を記憶部32に記憶させるとともに、推定された第4荷重値が、記憶部32に記憶されている前回の第4荷重値から所定値以上離れた場合に、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方から報知する。
リモコン18に設けられた使用者識別部62は、使用者の識別を行う。使用者識別部62は、例えば、第1使用者や第2使用者など、使用者の操作によって特定の使用者を選択するための選択部材を有する。選択部材は、例えば、ボタンやダイヤル式のスイッチなどである。使用者識別部62は、使用者による選択部材の操作を基に、使用者を識別する。例えば、第1使用者のボタンが操作された場合には、使用者を第1使用者と識別し、第2使用者のボタンが操作された場合には、使用者を第2使用者と識別する。
使用者識別部62は、制御部50に接続されている。使用者識別部62は、制御部50に使用者の識別結果を入力する。制御部50は、使用者識別部62から識別結果を入力されると、その識別結果を送受信機34、54を介して本体部12の制御部30に入力する。
制御部30は、入力された使用者の識別結果を基に、識別された使用者毎に登録モードの動作を実行する。記憶部32は、識別された使用者毎に推定値を記憶する。そして、制御部30は、通常使用モードにおいて、識別された使用者毎の推定値を使用する。これにより、異なる複数の使用者毎に体重測定を行うことができる。
なお、使用者識別部62の構成は、上記に限定されるものではない。使用者識別部62は、例えば、カメラによって使用者を撮影し、顔認証などによって使用者を識別する構成などでもよい。この場合、使用者識別部62は、本体部12に設けてもよいし、本体部12及びリモコン18とは別体に設けてもよい。あるいは、使用者識別部62は、荷重センサ20a~20dの検出値を基に、体重の大小などによって使用者を識別する構成などでもよい。この場合、使用者識別部62は、制御部30に組み込まれていてもよい。換言すれば、制御部30が、使用者識別部として機能してもよい。使用者識別部62の構成は、複数の使用者を適切に識別することができる任意の構成でよい。また、例えば、使用者識別部62及び姿勢測定部40のそれぞれにカメラを用いる場合などには、これらを兼用させてもよい。すなわち、1台のカメラを使用者識別部62及び姿勢測定部40として機能させてもよい。
制御部30は、登録モードの動作を実行した後、登録モードの動作を再度実行することにより、推定値を更新可能である。操作部60は、例えば、登録モードの動作の実行を制御部30に指示するための操作部材を有する。制御部30は、例えば、操作部60の所定の操作部材の操作に応じた任意のタイミングで登録モードの動作を実行する。
また、制御部30は、所定の条件を満たした場合に、登録モードの動作を自動的に実行する。又は、制御部30は、所定の条件を満たした場合に、操作部60の操作に基づく登録モードの動作の実行を表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方から報知する。
本体部12に設けられた計時部44は、登録モードの動作を実行してから経過した時間を計時する。計時部44は、例えば、登録モードの動作を実行してから経過した時間を複数の使用者毎に計時する。制御部30は、計時部44によって計時された時間が所定時間以上となった場合に、所定の条件を満たしたと判断し、登録モードの動作の実行又は登録モードの動作の実行の報知を行う。
本体部12に設けられたカウンタ46は、登録モードの動作を実行した後に実行された通常使用モードの動作の回数をカウントする。カウンタ46は、例えば、通常使用モードの動作の回数を複数の使用者毎にカウントする。制御部30は、カウンタ46によってカウントされた回数が所定回数以上となった場合に、所定の条件を満たしたと判断し、登録モードの動作の実行又は登録モードの動作の実行の報知を行う。
また、制御部30は、第1工程において第1荷重値を記憶部32に記憶させる。そして、制御部30は、通常使用モードにおいて推定された第4荷重値が、記憶部32に記憶された第1荷重値から所定値以上離れた場合に、所定の条件を満たしたと判断し、登録モードの動作の実行又は登録モードの動作の実行の報知を行う。
このように、制御部30は、登録モードの動作の実行からの所定時間の経過、登録モード実行後の通常使用モードの所定回数の実行、及び登録モード実行後の使用者の全体重の所定以上の増減のいずれかを満たした時に、所定の条件を満たしたと判断する。但し、所定の条件は、上記に限定されるものではない。所定の条件は、登録モードの動作を再度実行し、推定値を更新する必要が生じる任意の条件でよい。
リモコン18に設けられた通信機64は、無線又は有線を介して外部端末6と接続され、外部端末6との通信を行う。便座装置10は、通信機64を介して外部端末6と通信を行うことにより、外部端末6から使用者の全体重の情報を取得できるようにする。通信機64は、制御部50と接続されている。制御部50は、通信機64から入力された全体重の情報を送受信機34、54を介して本体部12の制御部30に入力する。外部端末6は、例えば、使用者のスマートフォン、通信機能を備えた体重計、又は医療機関に設置された端末などである。但し、外部端末6は、これらに限ることなく、使用者の全体重の情報を便座装置10に入力可能な任意の端末でよい。また、通信機64は、リモコン18に限ることなく、本体部12に設けてもよいし、本体部12及びリモコン18とは別体に設けてもよい。
図5は、第1の実施形態に係る便座装置の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図5に表したように、便座装置10において使用者の体重測定を行う場合には、まず、使用者識別工程が実行される(図5のステップS101)。使用者は、便座装置10で体重測定を行いたい場合、例えば、使用者識別部62に設けられた選択部材を操作し、自身を選択する。これにより、使用者識別部62によって使用者が識別され、その識別結果が制御部30に入力される。例えば、顔認証などにより、使用者の操作を必要とすることなく、使用者のトイレ室への入室などに応じて、自動的に使用者が識別されるようにしてもよい。
制御部30は、使用者の識別結果が入力されると、その使用者が、登録されている使用者か否かを判定する(図5のステップS102)。すなわち、制御部30は、記憶部32に推定値が記憶されている使用者か否かを判定する。
制御部30は、登録されている使用者であると判定した場合、続いて、使用者が操作部60を操作し、登録モードの動作の実行を選択したか否かを判定する(図5のステップS103)。
制御部30は、登録されていない使用者であると判定した場合、又は、使用者から登録モードの動作の実行が選択された場合、登録モードの動作を実行する(図5のステップS104)。
一方、制御部30は、登録されている使用者であり、かつ使用者から登録モードの動作の実行が選択されていない場合、通常使用モードの動作を実行する(図5のステップS105)。
図6は、第1の実施形態に係る便座装置の登録モードの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図7(a)及び図7(b)は、登録モードにおける使用者の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図6に表したように、制御部30は、登録モードの動作を開始すると、まず、使用者登録工程を実行する(図6のステップS201)。使用者登録工程では、例えば、使用者と使用者識別部62の選択部材とが関連付けられて、使用者の登録が行われる。あるいは、顔認証の場合などには、使用者と、使用者の顔の情報とが関連付けられて、使用者の登録が行われる。登録された情報は、例えば、記憶部32に記憶される。
制御部30は、使用者を登録した後、全体重取得工程(第1工程)を実行する(図6のステップS202)。全体重取得工程では、例えば、図7(a)に表したように、便座14に着座した使用者に、床から足を離した姿勢を取らせる。すなわち、便座14に使用者の全体重がかかった姿勢を取らせる。制御部30は、例えば、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方によって報知することにより、上記の姿勢を使用者に取らせる。そして、制御部30は、この状態における荷重センサ20a~20dの検出結果から使用者の全体重を測定することにより、使用者の全体重に関する第1荷重値を取得する。制御部30は、第1荷重値を取得した後、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方によって報知することにより、図7(b)に表したように、便座14に着座した使用者に、床に足を着いた姿勢を取らせる。
使用者の全体重に関する第1荷重値は、上記の測定に限ることなく、例えば、外部端末6からの入力によって取得してもよい。あるいは、操作部60の操作により、使用者に全体重の情報を入力させることによって取得してもよい。
制御部30は、第1荷重値を取得した後、全体重登録工程を実行する(図6のステップS203)。全体重登録工程では、制御部30は、全体重取得工程において取得した第1荷重値を記憶部32に記憶させる。また、この際、制御部30は、取得した第1荷重値、すなわち測定した全体重を表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方によって使用者に報知してもよい。
制御部30は、第1荷重値を記憶部32に記憶させた後、着座姿勢測定工程を実行する(図6のステップS204)。制御部30は、床に足を着けて便座14に着座した使用者の着座姿勢を姿勢測定部40に測定させる。そして、制御部30は、姿勢測定部40の測定結果を基に、使用者の着座姿勢が所定の範囲内にあるか否かを判定する(図6のステップS205)。
制御部30は、使用者の着座姿勢が所定の範囲外であると判定した場合、姿勢測定部40による着座姿勢の測定、及び着座姿勢が所定の範囲内か否かの判定を繰り返す。この際、制御部30は、例えば、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方により、図7(b)に表したように、床に足を着けて便座14に着座し、かつ背筋を伸ばした正しい着座姿勢を取るように使用者に報知する。
制御部30は、使用者の着座姿勢が所定の範囲内であると判定した場合、続いて、着座荷重測定工程(第2工程)を実行する(図6のステップS206)。着座荷重測定工程では、制御部30は、使用者が便座14に着座し、床に足を着いた状態において、荷重センサ20a~20dによって検出された着座荷重に関する第2荷重値を測定する。
制御部30は、第2荷重値を測定した後、全体重推定値取得工程(第3工程)を実行する(図6のステップS207)。全体重推定値取得工程では、制御部30は、第1荷重値と第2荷重値とを基に、着座荷重から使用者の全体重を推定するための推定値を求め、推定値を記憶部32に記憶させる。制御部30は、例えば、第1荷重値から第2荷重値を減算した値を推定値として求める。これにより、以下の通常使用モードでは、着座荷重に推定値を加算することで、着座荷重から使用者の全体重を容易に推定することが可能となる。以上により、制御部30は、登録モードの動作を終了する。
図8は、第1の実施形態に係る便座装置の通常使用モードの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図8に表したように、制御部30は、通常使用モードの動作を開始すると、まず、使用者識別工程を実行する(図8のステップS301)。制御部30は、使用者識別部62から入力される識別結果を基に、使用者を識別し、識別された使用者の推定値を記憶部32から読み出す。このように、制御部30は、通常使用モードにおいて、識別された使用者毎の推定値を使用する。
制御部30は、使用者を識別して、その使用者の推定値を読み出した後、着座姿勢測定工程を実行する(図8のステップS302)。通常使用モードでは、便座14に着座した使用者に、床に足を着いた姿勢を取らせる(図7(b)参照)。着座姿勢測定工程では、制御部30は、床に足を着けて便座14に着座した使用者の着座姿勢を姿勢測定部40に測定させる。そして、制御部30は、姿勢測定部40の測定結果を基に、使用者の着座姿勢が所定の範囲内にあるか否かを判定する(図8のステップS303)。
制御部30は、使用者の着座姿勢が所定の範囲外であると判定した場合、姿勢測定部40による着座姿勢の測定、及び着座姿勢が所定の範囲内か否かの判定を繰り返す。この際、制御部30は、例えば、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方により、図7(b)に表したように、床に足を着けて便座14に着座し、かつ背筋を伸ばした正しい着座姿勢を取るように使用者に報知する。
制御部30は、使用者の着座姿勢が所定の範囲内であると判定した場合、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方を用いることにより、所定の範囲内の着座姿勢を維持するように使用者に報知する(図8のステップS304)。
制御部30は、着座姿勢の維持を使用者に報知した後、局部洗浄部36が吐水中か否かを判定する(図8のステップS305)。換言すれば、制御部30は、局部洗浄部36(ノズル38)から洗浄水を吐水するための操作指示が操作部60から入力されたか否かを判定する。
制御部30は、吐水中であると判定した場合に、これに応答して着座荷重測定工程(第4工程)を実行する(図8のステップS306)。着座荷重測定工程では、制御部30は、使用者が便座14に着座し、床に足を着いた状態において、荷重センサ20a~20dによって検出された着座荷重に関する第3荷重値を測定する。このように、制御部30は、局部洗浄部36の吐水中に、荷重センサ20a~20dによって着座荷重を検出する。
制御部30は、第3荷重値を測定した後、全体重推定工程(第5工程)を実行する(図8のステップS307)。全体重推定工程では、制御部30は、第3荷重値を基に、全体重推定部42に使用者の全体重を推定させる。
全体重推定部42は、第3荷重値及び姿勢測定部40によって測定された使用者の着座姿勢に基づいて、使用者の全体重を推定する。この際、全体重推定部42は、姿勢測定部40によって測定された使用者の着座姿勢に基づいて、補正の割合を変更する。換言すれば、全体重推定部42は、使用者の着座姿勢に基づいて、第3荷重値を補正する。この後、制御部30は、推定値と補正後の第3荷重値とに基づいて、使用者の全体重に関する第4荷重値を推定する。
このように、制御部30は、姿勢測定部40によって測定された使用者の着座姿勢に基づいて、第3荷重値を補正しつつ、登録モードにおいて取得された推定値を基に、使用者の全体重に関する第4荷重値を推定する。これにより、使用者の全体重をより正確に測定することができる。
制御部30は、使用者の全体重を推定した後、推定された体重が登録モードで登録された体重(第1荷重値)に対して所定範囲内か否かを判定する(図8のステップS308)。制御部30は、所定範囲外であると判定した場合、着座姿勢矯正モードの動作を実行する(図8のステップS309)。
制御部30は、所定範囲内であると判定した場合、続いて、推定された体重(補正後の第4荷重値)が登録モードで登録された全体重(第1荷重値)に対して所定範囲内か否かを判定する(図8のステップS310)。
制御部30は、所定範囲内であると判定した場合、続いて、計時部44の計時を参照することにより、登録モードの動作を実行してから所定期間内か否かを判定する(図8のステップS311)。
制御部30は、所定範囲内であると判定した場合、続いて、カウンタ46の回数を参照することにより、登録モードの動作を実行してから通常使用モードを実行した回数が所定回数以内か否かを判定する(図8のステップS312)。
制御部30は、所定範囲内であると判定した場合、全体重登録工程を実行する(図8のステップS313)。全体重登録工程では、制御部30は、推定した全体重の情報(補正後の第4荷重値)を記憶部32に記憶させる。また、この際、制御部30は、取得した第4荷重値、すなわち測定した全体重を表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方によって使用者に報知する。
一方、制御部30は、ステップS310~S312のいずれかの処理において所定範囲外であると判定した場合、自動再登録モードの動作又は手動再登録モードの動作を実行する(図8のステップS314)。以上により、制御部30は、通常使用モードの動作を終了する。
なお、自動再登録モードの動作を実行するか、又は手動再登録モードの動作を実行するかは、例えば、操作部60の操作などによって適宜選択できるようにすればよい。また、ステップS310~S312の処理は、順不同であり、入れ替え可能である。
図9は、第1の実施形態に係る便座装置の着座姿勢矯正モードの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図9に表したように、制御部30は、着座姿勢矯正モードの動作を開始すると、まず、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方により、使用者に着座姿勢を直してもらうよう報知する(図9のステップS401)。このように、制御部30は、通常使用モードにおいて、推定された全体重(第4荷重値)を記憶部32に記憶させるとともに、推定された全体重が、記憶部32に記憶されている前回の第4荷重値から所定値以上離れた場合に、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方の報知部から報知を行う。
制御部30は、報知を行った後、着座姿勢測定工程を実行する(図9のステップS402)。着座姿勢測定工程では、制御部30は、床に足を着けて便座14に着座した使用者の着座姿勢を姿勢測定部40に測定させる。そして、制御部30は、姿勢測定部40の測定結果を基に、使用者の着座姿勢が所定の範囲内にあるか否かを判定する(図9のステップS403)。
制御部30は、使用者の着座姿勢が所定の範囲外であると判定した場合、着座姿勢を直してもらうための報知、姿勢測定部40による着座姿勢の測定、及び着座姿勢が所定の範囲内か否かの判定を繰り返す。
制御部30は、使用者の着座姿勢が所定の範囲内であると判定した場合、着座荷重測定工程及び全体重推定工程の動作を再度実行する(図9のステップS404、S405)。着座荷重測定工程及び全体重推定工程の動作は、図8のステップS306、S307に関して説明した動作と実質的に同じであるから、詳細な説明は省略する。以上により、制御部30は、着座姿勢矯正モードの動作を終了する。
図10は、第1の実施形態に係る便座装置の自動再登録モードの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図10に表したように、制御部30は、自動再登録モードの動作を開始すると、まず、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方により、使用者に登録モードを行うことを報知する(図10のステップS501)。制御部30は、例えば、図7(a)に表したように、便座14に着座した使用者に、床から足を離した姿勢を取らせるように報知する。
制御部30は、報知を行った後、登録モードの動作を自動的に実行する(図10のステップS502)。以上により、制御部30は、自動再登録モードの動作を終了する。このように、制御部30は、所定の条件を満たした場合に、登録モードの動作を自動的に実行する。この際、制御部30は、例えば、荷重センサ20a~20dの検出値の変化などに基づいて、使用者が床から足を離した姿勢を取ったか否かを判定し、使用者が床から足を離した姿勢を取ったと判定されたことに応答して、登録モードの動作を自動的に実行するようにしてもよい。
図11は、第1の実施形態に係る便座装置の手動再登録モードの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図11に表したように、制御部30は、手動再登録モードの動作を開始すると、まず、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方により、登録モードを再度行う必要があることを使用者に報知する(図11のステップS601)。
制御部30は、報知を行った後、例えば、操作部60の所定の操作部材の操作によって、使用者が登録モードの動作の実行を選択したか否かを判定する(図11のステップS602)。そして、制御部30は、使用者が登録モードの動作の実行を選択したことに応答して、登録モードの動作を実行する(図11のステップS603)。以上により、制御部30は、手動再登録モードの動作を終了する。このように、制御部30は、所定の条件を満たした場合に、登録モードの動作の実行を表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方の報知部から報知することもできる。
以上、説明したように、本実施形態にかかる便座装置10では、登録モードにおいて、全体重を推定するための推定値を、予め求められた一般的な実験値ではなく使用者の着座荷重と全体重とに基づいて求めて記憶しているため、通常使用モードにおいて使用者が毎回足を上げることなく、トイレ室の床に足を着けた状態で使用者の体格や座り方の癖を考慮した正確な全体重を推定することができる。
また、便座装置10では、便座装置10を利用する使用者毎に推定値を記憶するため、使用者毎に体格や座り方が異なったとしても、複数の使用者の全体重を正確に推定することができる。
使用者の全体重を推定する推定値は、使用者の体格の変化によって異なってしまう。そのため、子供の成長、ダイエット、又は肥満化などにより、大きな体格の変化があった場合には、以前に記憶された推定値では、全体重を正確に推定できなくなってしまう恐れが生じる。これに対して、この便座装置10によれば、推定値を更新できるようにすることで、大きな体格の変化があった場合にも、推定値を更新することで、全体重を正確に推定することができる。
また、便座装置10では、操作部60の操作に応じた任意のタイミングで登録モードを実行可能とすることで、より正確な全体重の推定値を、使用者の所望のタイミングで得ることができる。また、使用者の所望のタイミングで推定値を更新することができ、便座装置10の利便性を向上させることができる。
また、便座装置10では、制御部30が、所定の条件を満たした場合に、登録モードの動作を自動的に実行する。これにより、推定値を定期的に最新の値に更新することができ、使用者の全体重をより正確に測定することができる。また、推定値の更新を忘れてしまうことを適切に抑制することができる。
また、便座装置10では、制御部30が、所定の条件を満たした場合に、登録モードの動作の実行を表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方の報知部から報知する。これにより、推定値を定期的に最新の値に更新することができ、使用者の全体重をより正確に測定することができる。また、推定値の更新を忘れてしまうことを適切に抑制することができる。
また、便座装置10では、制御部30が、計時部44によって計時された時間が所定時間以上となった場合に、所定の条件を満たしたと判断する。これにより、所定時間が経過する毎に、推定値を更新することができる、あるいは更新の必要を使用者に意識させることができ、使用者の全体重をより正確に測定することができる。
また、便座装置10では、制御部30が、カウンタ46によってカウントされた回数が所定回数以上となった場合に、所定の条件を満たしたと判断する。これにより、使用者が便座装置10を所定回数利用する毎に、推定値を更新することができる、あるいは更新の必要を使用者に意識させることができ、使用者の全体重をより正確に測定することができる。
また、便座装置10では、制御部30が、通常使用モードにおいて推定された第4荷重値が、記憶部32に記憶された第1荷重値から所定値以上離れた場合に、所定の条件を満たしたと判断する。これにより、使用者の体格が所定値以上変化した際に、推定値を更新することができる、あるいは更新の必要を使用者に意識させることができ、使用者の全体重をより正確に測定することができる。
前回の使用時から全体重の推定値が大きく変化した場合には、使用者の全体重が本当に変化したのではなく、使用者の姿勢が登録モードの実行時と大幅に異なる姿勢であった可能性がある。そこで、この便座装置10では、推定された第4荷重値が、記憶部32に記憶されている前回の第4荷重値から所定値以上離れた場合に、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方の報知部から報知を行う。例えば、着座姿勢を直すように報知したり、測定エラーであることを報知したりし、使用者に再測定を促す。これにより、姿勢の変化などによる測定誤差の発生を抑制し、使用者の全体重をより正確に測定することができる。
また、便座装置10では、姿勢測定部40によって使用者の着座姿勢を測定し、その測定された着座姿勢に応じて変動するトイレ室の床に分散する使用者の体重を考慮しつつ、全体重推定部42が荷重センサ20a~20dによって検出された荷重を補正するため、使用者の全体重を正確に推定することができる。
全体重を正確に測定するために鋭意研究を続けた結果、本願発明者は、便座14にかかる荷重から体重を測定する便座装置10においては、全ての姿勢から正確な体重測定を行えるわけではないことを見出した。例えば、使用者の着座姿勢が極端な後傾姿勢であった場合、トイレ室の床からだけでなく、便座14のヒンジの部分などからも使用者の体重が分散してしまう。また、使用者の着座姿勢が極端な前傾姿勢であった場合、床に分散する荷重の割合が増加してしまう。さらに、使用者が前傾姿勢をとって手摺りなどを掴んでいる場合には、手摺りなどからも使用者の体重が分散してしまう。これに対して、この便座装置10では、使用者の着座姿勢が所定の範囲内にある時にだけ全体重の推定を実行する。これにより、使用者の全体重をより正確に測定することができる。
本願発明者は、多くの試行の結果、全体重を正確に推定するために適した姿勢とは、荷重センサ20a~20dに対して垂直方向に荷重が多くかかる姿勢であることを見出した。より具体的には、背筋をしっかり伸ばした状態で着座した姿勢であることを見出した。このような姿勢をしている場合、お尻から背中、頭に至るまでの着座荷重が後方側に設けられた荷重センサ20c、20dに対してかかり、太腿の着座荷重が前方に設けられた荷重センサ20a、20bに対してかかるため、便座14の後方に設けられた荷重センサ20c、20dの検出値の方が、前方に設けられた荷重センサ20a、20bの検出値よりも大きくなる。そのため、この便座装置10では、後方に設けられた荷重センサ20c、20dの検出値の方が、前方に設けられた荷重センサ20a、20bの検出値よりも大きい着座姿勢が測定された時の着座荷重を用いて使用者の全体重を推定する。これにより、より正確な体重測定を行うことができる。
また、便座装置10では、前後に設けられた荷重センサ20a~20dの検出値の比に応じて、使用者が前後に傾いた姿勢をしていることを判断することができる。そして、その姿勢の傾きに応じて、全体重を推定する際の荷重の補正の割合を変更することにより、より正確な体重測定を行うことができる。
正確な体重測定を行うためには、所定期間に亘って使用者が所定の範囲内の着座姿勢を維持する必要がある。この便座装置10では、姿勢測定部40が所定の範囲内であると測定した時に、所定の範囲内の着座姿勢を維持するように使用者に報知する報知部(表示部56、スピーカ58)を備えることにより、着座姿勢の維持を使用者に促し、より正確な体重測定を行うことができる。
本願発明者は、多くの試行の結果、全体重を測定するためには、着座姿勢だけでなく、着座位置も重要であることを見出した。そして、本願発明者は、毎回同じ位置を意識して着座することは難しいが、使用者が局部洗浄部36を使用している時は、局部洗浄部36から吐水される洗浄水の位置と局部の位置とを合わせるため、概ね同じ位置に着座することを発見した。この便座装置10では、局部洗浄部36の吐水中に、荷重センサ20a~20dによって検出された荷重、及び姿勢測定部40によって測定された使用者の着座姿勢に基づいて、使用者の全体重を推定する。これにより、使用者の着座位置のズレを抑制し、より正確な体重測定を行うことができる。
なお、上記実施形態では、通常使用モードにおいて、局部洗浄部36の吐水中に着座荷重測定工程(第4工程)を実行している。これに限ることなく、例えば、使用者の着座姿勢が所定の範囲内であると判定されたことに応答して、着座荷重測定工程を実行してもよい。
また、上記実施形態では、全体重推定工程(第5工程)において、登録モードで取得された指令値を基に、使用者の全体重に関する第4荷重値を推定しつつ、姿勢測定部40によって測定された使用者の着座姿勢に基づいて、第4荷重値をさらに補正することにより、使用者の全体重を推定している。全体重の推定は、これに限ることなく、指令値と第3荷重値とに基づく推定のみでもよいし、全体重推定部42による着座荷重の補正に基づく推定のみでもよい。
(第2の実施形態)
図12は、第2の実施形態に係る便座装置の登録モードの動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図13(a)~図13(c)は、登録モードにおける使用者の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図12に表したように、制御部30は、登録モードの動作を開始すると、まず、使用者登録工程を実行する(図12のステップS211)。使用者登録工程では、例えば、使用者と使用者識別部62の選択部材とが関連付けられて、使用者の登録が行われる。あるいは、顔認証の場合などには、使用者と、使用者の顔の情報とが関連付けられて、使用者の登録が行われる。登録された情報は、例えば、記憶部32に記憶される。
制御部30は、使用者を登録した後、全体重取得工程(第1工程)を実行する(図12のステップS212)。全体重取得工程では、例えば、図13(a)に表したように、体重計WSなどによって使用者に全体重を測定させた後、外部端末6又はリモコン18の操作部60を介して使用者に全体重の情報を入力させる。
これにより、制御部30は、外部端末6又は操作部60からの入力に基づいて、使用者の全体重に関する第1荷重値を取得する。例えば、通信機能を備えた体重計WSを外部端末6とすることにより、体重計WSでの全体重の測定に応じて、制御部30に自動的に全体重の情報が入力されるようにしてもよい。
制御部30は、第1荷重値を取得した後、全体重登録工程を実行する(図12のステップS213)。全体重登録工程では、制御部30は、全体重取得工程において取得した第1荷重値を記憶部32に記憶させる。
制御部30は、第1荷重値を記憶部32に記憶させた後、第1着座荷重測定工程(第2工程)を実行する(図12のステップS214)。第1着座荷重測定工程では、例えば、図13(b)に表したように、便座14に着座した使用者に、床から足を離した第1着座姿勢を取らせる。
第1着座姿勢は、例えば、図13(b)に表したように、後ろ側に傾いた後傾の姿勢である。第1着座姿勢は、換言すれば、足上げ後傾姿勢である。制御部30は、例えば、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方によって報知することにより、上記の第1着座姿勢を使用者に取らせる。そして、制御部30は、この状態において、荷重センサ20a~20dによって検出された着座荷重に関する第2荷重値を測定するとともに、使用者の第1着座姿勢を姿勢測定部40に測定させる。
制御部30は、第1着座姿勢における第2荷重値を測定した後、第2着座荷重測定工程(第2工程)を実行する(図12のステップS215)。第2着座荷重測定工程では、例えば、図13(c)に表したように、便座14に着座した使用者に、床から足を離した第2着座姿勢を取らせる。
第2着座姿勢は、第1着座姿勢と異なる姿勢である。第2着座姿勢は、例えば、図13(c)に表したように、前側に傾いた前傾の姿勢である。第2着座姿勢は、換言すれば、足上げ前傾姿勢である。なお、上記と反対に、第1着座姿勢を足上げ前傾姿勢とし、第2着座姿勢を足上げ後傾姿勢としてもよい。
制御部30は、例えば、表示部56及びスピーカ58の少なくとも一方によって報知することにより、上記の第2着座姿勢を使用者に取らせる。そして、制御部30は、この状態において、荷重センサ20a~20dによって検出された着座荷重に関する第2荷重値を測定するとともに、使用者の第2着座姿勢を姿勢測定部40に測定させる。
このように、この例において、第2工程は、使用者が便座14に着座して着座姿勢を変化させた状態において、荷重センサ20a~20d及び姿勢測定部40によって検出された複数の着座姿勢毎の着座荷重に関する複数の第2荷重値を測定する。
制御部30は、複数の第2荷重値を測定した後、全体重推定値取得工程(第3工程)を実行する(図12のステップS216)。全体重推定値取得工程では、制御部30は、第1荷重値と複数の第2荷重値とを基に、複数の着座姿勢毎の着座荷重から使用者の全体重を推定するための複数の推定値を求め、複数の推定値を記憶部32に記憶させる。以上により、制御部30は、登録モードの動作を終了する。
図14及び図15は、推定値の計算方法の一例を模式的に表す説明図である。
図14において、
Mgは、便座14に着座した使用者の全体重を表す。
F1は、前方側の荷重センサ20a、20bが支える荷重を表す。
F2は、後方側の荷重センサ20c、20dが支える荷重を表す。
F3は、便座14の回動軸部14cが支える荷重を表す。
L1は、前方側の荷重センサ20a、20bから体重の重心までの前後方向の距離を表す。
L2は、前方側の荷重センサ20a、20bから後方側の荷重センサ20c、20dまでの前後方向の距離を表す。
L3は、前方側の荷重センサ20a、20bから便座14の回動軸部14cまでの前後方向の距離を表す。
上記のうち、荷重F1、F2は、荷重センサ20a~20dによって取得可能である。距離L2、L3は、便座14を測定することによって取得可能である。また、登録モードにおいては、前述のように、全体重取得工程において全体重Mg(第1荷重値)が取得される。一方、荷重F3及び距離L1は、未知の変数である。
全体重Mgは、次の(1)式で表すことができる。
Mg=F1+F2+F3・・・(1)
また、前方側の荷重センサ20a、20b周りのモーメントのつり合いは、次の(2)式で表すことができる。
Mg×L1=F2×L2+F3×L3・・・(2)
上記(1)式及び(2)式から、距離L1は、次の(3)式で表すことができる。
L1=(F2×L2+(Mg-F1-F2)×L3)/Mg・・・(3)
制御部30は、全体重推定値取得工程において、第1荷重値と複数の第2荷重値とを基に、上記の(3)式によって、第1着座姿勢の時の距離L1(以下、距離L1aと称す)と、第2着座姿勢の時の距離L1(以下、距離L1bと称す)と、を複数の推定値として取得する。
また、使用者の前傾及び後傾の具合(着座姿勢)は、前方側の荷重センサ20a、20bの荷重F1と後方側の荷重センサ20c、20dの荷重F2との比率によって求めることができる。姿勢測定部40は、次の(4)式で表される前荷重比Zを、着座姿勢として求める。
Z=F1/(F1+F2)・・・(4)
姿勢測定部40は、複数の第2荷重値を基に、上記の(4)式によって、第1着座姿勢の時の前荷重比Z(以下、前荷重比Zaと称す)と、第2着座姿勢の時の前荷重比Z(以下、前荷重比Zbと称す)と、を求める。
制御部30は、全体重推定値取得工程において、距離L1a、L1bを複数の推定値として求めるとともに、前荷重比Za、Zbを複数の推定値として求める。
さらに、制御部30は、図15に表したように、求めた距離L1a、L1b、及び前荷重比Za、Zbを基に、前荷重比Zと距離L1との関係を表す検量線CCを求める。制御部30は、登録モードにおいて、使用者登録工程で登録された使用者毎に、上記の検量線CCを求める。
この例では、制御部30は、通常使用モードの着座荷重測定工程(例えば、図8のステップS306)の際に、便座14に着座した使用者に、床から足を離した姿勢を取らせる。この例の着座荷重測定工程では、制御部30は、使用者が便座14に着座し、床から足を離した状態において、荷重センサ20a~20dによって検出された着座荷重に関する第3荷重値を測定するとともに、姿勢測定部40に前荷重比Zを着座姿勢として測定させる。
そして、この例の全体重推定工程(例えば、図8のステップS307)では、全体重推定部42は、第3荷重値と複数の指令値と姿勢測定部40によって測定された使用者の着座姿勢とに基づいて、使用者の全体重を推定する。
全体重推定部42は、使用者識別工程(例えば、図8のステップS301)で識別された使用者の複数の推定値を記憶部32から読み出し、その使用者の検量線CCを複数の推定値から求める。
この後、全体重推定部42は、姿勢測定部40で測定された前荷重比Zと検量線CCとを基に、通常使用モードの着座荷重測定工程の時の使用者の着座姿勢に対応する距離L1を求める。
全体重推定部42は、着座荷重測定工程の時の距離L1を求めた後、上記の(1)式及び(2)式から算出した次の(5)式により、便座14の回動軸部14cにかかる荷重F3を推定する。
F3=(F2×L2-F1×L1-F2×L1)/(L1-L3)・・・(5)
そして、全体重推定部42は、上記の(1)式により、使用者の全体重に関する第4荷重値を推定する。
このように、この例では、登録モードにおいて、全体重を推定するための複数の推定値を、使用者の複数の着座姿勢毎の着座荷重と全体重とに基づいて求めて記憶しているため、使用者の着座姿勢を考慮して、回動軸部14cに分散する荷重を推定することができ、より正確な全体重を推定することができる。
なお、この例では、着座荷重測定工程(第2工程)において、第1着座姿勢及び第2着座姿勢の2つの姿勢に基づく推定値を取得している。着座荷重測定工程においては、3つ以上の着座姿勢の推定値を取得してもよい。この場合、検量線CCは、複数の推定値に基づく曲線状としてもよいし、複数の推定値に基づく近似直線としてもよい。着座荷重測定工程における着座姿勢の数(取得する推定値の数)は、少なくとも直線状の検量線CCを生成可能な任意の数でよい。
図16は、推定値の計算方法の変形例を模式的に表す説明図である。
図15に表した例では、全体重推定値取得工程において、第1着座姿勢の時の距離L1aと、第2着座姿勢の時の距離L1bと、を複数の推定値として取得し、距離L1a、L1b及び前荷重比Za、Zbを基に、前荷重比Zと距離L1との関係を表す検量線CCを求めている。
これに限ることなく、図16に表したように、全体重推定値取得工程において、第1着座姿勢の時の回動軸部14cの荷重F3aと、第2着座姿勢の時の回動軸部14cの荷重F3bと、を複数の推定値として取得し、荷重F3a、F3b及び前荷重比Za、Zbを基に、前荷重比Zと荷重F3との関係を表す検量線CCを求めてもよい。
荷重F3a、F3bは、上記の(1)式によって求めることができる。通常使用モードにおいては、姿勢測定部40で測定された前荷重比Zと検量線CCとを基に、通常使用モードの着座荷重測定工程の時の使用者の着座姿勢に対応する荷重F3を求める。これにより、上記の(1)式により、使用者の全体重に関する第4荷重値を推定することができる。従って、上記実施形態と同様に、使用者の着座姿勢を考慮して、回動軸部14cに分散する荷重を推定することができ、より正確な全体重を推定することができる。
以上、本発明の実施の形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施の形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、便座装置10などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。
また、前述した各実施の形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。