JP7124329B2 - 信号処理装置 - Google Patents

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本開示は、周波数解析処理を実行する信号処理装置に関する。
車両に搭載され車両の周辺に存在する様々な物体を検出するレーダ装置の1つとして、例えば、FMCWレーダが用いられている。FMCWは、Frequency Modulated Continuous Waveの略語である。FMCWレーダでは、FMCW変調されたミリ波を送受信し、送信波と受信波との周波数差を表すビート信号を高速フーリエ変換することで周波数スペクトル(以下、FFTスペクトラム)算出する。そして、このFFTスペクトラムを利用してターゲットに関する情報を検出する。
FMCWレーダで算出されるFFTスペクトラムの周波数は、ターゲットまでの距離に比例する。また、距離分解能に相当するFFTスペクトラムのビン幅は、サンプリング周波数とFFT処理の対象となるデータの数であるFFTポイント数とで決まり、FFTスペクトラムの全周波数に渡って一定間隔となる。
ところで、ミリ波レーダの用途として、近距離ターゲットは距離分解能を細かくして高精度に検知することが求められる。一方で、遠距離ターゲットは、それほど距離分解能の細かさは要求されない。
そこで、距離分解能が要求されない遠距離(つまり、FFTスペクトラムの高周波成分)については、近距離(つまり、FFTスペクトラムの低周波成分)よりも距離分解能を粗くすることで、FFTスペクトラムの保存に必要なメモリ容量を抑制することが考えられる。
これを実現する手法として、下記特許文献1には、対象物までの距離に応じてFFTポイント数を変更する技術が記載されている。
特開2014-159975号公報
しかしながら、発明者の詳細な検討の結果、特許文献1に記載の従来技術には、以下の課題が見出された。
即ち、近年のハードウェアの進歩と信号処理データの大容量化に伴い、周辺監視システムにおいてFFTスペクトラムを生成するフーリエ変換のプロセスは、汎用のハードウェア演算器によって実現される場合が多い。しかし、汎用のハードウェア演算器は、算出されるFFTスペクトラムのビン幅が一定であり、一定の距離分解能しか実現することができない。このため、汎用のハードウェア演算器の使用を前提とする等の使用するハードウェアに制限がある場合には、特許文献1に記載の従来技術を採用することができなかった。
本開示の1つの局面は、周波数スペクトラムを記憶するメモリ容量の削減を可能とする技術を提供することにある。
本開示の一態様による信号処理装置は、解析部(S130、S150、S180)と、削減部(S140、S160、S190)と、検出部(S200)と、を備える。
解析部は、周波数が予め設定された物理量に対応付けられる入力信号を、周波数解析することで入力信号の周波数スペクトラムを生成する。削減部は、解析部にて生成された周波数スペクトラムに基づき、周波数スペクトラムの周波数軸上に設定される範囲である非ガード範囲では、P、Xをいずれも2以上の整数として、P-1個おきに並ぶ周波数ビンのそれぞれについて、周波数ビンを含む隣接した合計X個の周波数ビンの値を重み付け加減算した値を有し、且つ元の周波数ビンのP倍のビン幅を有する新たな周波数ビンを生成することで、非ガード範囲に属する周波数ビンの数を1/Pに削減する。検出部は、削減部にてデータが削減された周波数スペクトラムを用いて、物理量を検出する。
このような構成によれば、周波数ビンの間隔(即ち、周波数に対応する物理量の分解能)が一定である周波数スペクトラムを演算後に、隣接する複数の周波数ビンの値を加減算することによって、非ガード範囲での周波数ビンの数、即ち、周波数スペクトラムのデータ量を削減している。このため、周波数スペクトラムを記憶するメモリ容量を削減することができる。また、周波数スペクトラムの演算後に、データの削減、即ち、分解能の調整が行われるため、周波数スペクトラムを生成する演算において、複雑な設定が不能な汎用のハードウェア演算器であっても問題なく使用できる。
(4b)レーダ装置1では、非ガード範囲におけるデータ削減後の周波数ビンの値には、隣接する複数の周波数ビンの値が反映されている。このため、レーダ装置1によれば、単純に間引きすることでデータを削減する場合と比較して、検出精度を向上させることができる。
なお、この欄及び特許請求の範囲に記載した括弧内の符号は、一つの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、本開示の技術的範囲を限定するものではない。
レーダ装置の構成を示すブロック図である。 送信信号の変調パターンを示す説明図である。 ターゲット検出処理のフローチャートである。 ターゲット検出処理での処理の概要を示す説明図である。 データ削減方法のパターンを示す説明図である。 距離スペクトラムと速度スペクトラムの関係を示す説明図である。 データ削減によって生じるスカロッピングロスを示すグラフである。 データ削減時のパラメータによりスカロッピングロスが変化することを示すグラフである。
以下、図面を参照しながら、本開示の実施形態を説明する。
[1.構成]
図1に示すレーダ装置1は、車両に搭載され、ミリ波を使用して車両の周囲に存在する様々なターゲットを検出する。レーダ装置1は、アンテナ部2と、送受信部3と、信号処理部4とを備える。信号処理部4が信号処理装置に相当する。
アンテナ部2は、送信アンテナ部21と、受信アンテナ部22とを備える。送信アンテナ部21は、送信に使用される一つ以上のアンテナを有する。受信アンテナ部22は、受信に使用される一つ以上のアンテナを有する。但し、送信アンテナ部21と受信アンテナ
部22とのうち、少なくとも一方は複数のアンテナを有する。
つまり、送信アンテナ部21に属するアンテナと、受信アンテナ部22に属するアンテナとの組み合わせを送受信チャネルとして、アンテナ部2は、複数の送受信チャネルを有するように構成される。ここでは、送信アンテナ部21に属するアンテナ素子を1個、受信アンテナ部22に属するアンテナ素子をL個備え、L個の送受信チャネルを有するものとする。Lは2以上の整数である。
送受信部3は、FCM方式で変調された送信信号を、送信アンテナ部21を介して送信し、受信アンテナ部22を介して受信される受信信号に基づき、複数の送受信チャネルのそれぞれについて、送信信号と受信信号との周波数差を表すビート信号を生成するアナログ回路である。更に、送受信部3は、送受信チャネル毎に生成されたビート信号を、それぞれAD変換するAD変換器を備え、AD変換器の出力であるAD変換データを信号処理部4に出力する。FCMとは、Fast-Chirp Modulationの略語である。
送受信部3は、具体的には図2に示すように、測定周期Tf(例えば、50ms)を1フレームとして、各フレームの先頭の測定期間Tm(例えば、10ms)の間、時間に対して周波数が直線的に変化するチャープ信号を、予め設定された繰返数M(例えば、256個)だけ連続的に送信する。
信号処理部4は、CPU41と、例えば、RAM又はROM等の半導体メモリ(以下、メモリ42)と、を有するマイクロコンピュータを備える。また、信号処理部4は、高速フーリエ変換(以下、FFT)処理をハードウェアによって実現するデジタルシグナルプロセッサ(以下、DSP)43を備える。DSP43は、汎用のハードウェア演算器である。但し、DSP43は、必ずしも汎用のものである必要はない。
信号処理部4におけるDSP43以外の各機能は、CPU41が非遷移的実体的記録媒体に格納されたプログラムを実行することにより実現される。この例では、メモリ42が、プログラムを格納した非遷移的実体的記録媒体に該当する。また、このプログラムが実行されることで、プログラムに対応する方法が実行される。なお、信号処理部4は、1つのマイクロコンピュータを備えてもよいし、複数のマイクロコンピュータを備えてもよい。
信号処理部4のDSP43以外の機能を実現する手法は、ソフトウェアに限るものではなく、その一部又は全部の機能は、一つあるいは複数のハードウェアを用いて実現されてもよい。例えば、上記機能がハードウェアである電子回路によって実現される場合、その電子回路は、デジタル回路、又はアナログ回路、あるいはこれらの組合せによって実現されてもよい。
メモリ42には、上述のプログラムが格納される他、送受信部3からL個の送受信チャネル毎に供給されるAD変換データを格納する領域、及びAD変換データをFFT処理した結果を格納する領域が少なくとも用意される。
[2.処理]
次に、信号処理部4のCPU41が実行するターゲット検出処理について、図3のフローチャートを用いて説明する。
本処理は、測定周期Tf毎に繰り返し実行される。
本処理が開始されるとCPU41は、S110にて、L個の送受信チャネルのそれぞれから、ビート信号をAD変換したAD変換データを取得する。取得したAD変換データは
、メモリ42に用意された領域に格納される。
CPU41は、S120では、L個の送受信チャネルのうち、後述するS130~S160の処理が実行されていない1つの送受信チャネルを、対象チャネルとして選択する。
CPU41は、S130では、対象チャネルのAD変換データについて、DSP43を使用し、M個のチャープ信号のそれぞれについてFFT処理を実行することにより、M個のFFTスペクトラムを生成する。なお、FFT処理の際には、図4の上段に示すように処理対象となるデータf[t]に予め設定された窓関数W[t]が乗じられる。ここで生成されるFFTスペクトラムは、図4の中段に示すように、周波数がターゲットまでの距離に対応づけられるため、以下では、距離スペクトラムという。また、距離スペクトラムにおける周波数ビンを距離ビンという。
CPU41は、S140では、S130にて生成されたM個の距離スペクトラムのそれぞれに対して、データを削減する処理を実行する。具体的には、FFTスペクトラムの周波数軸を、ガード範囲と非ガード範囲とに分ける。距離スペクトラムでは、図4の下段に示すように、予め設定された距離閾値より近距離の範囲に対応する周波数範囲をガード範囲とし、距離閾値より遠距離の範囲に対応する周波数範囲を非ガード範囲とする。そして、ガード範囲に属する距離ビンについては、メモリ42に用意された格納領域に、そのまま記憶される。非ガード範囲に属する距離ビンについては、メモリ42に用意された格納領域に、データ数が1/Pに削減されて記憶される。Pは、2以上の整数である。以下では、データ削減後の距離スペクトラムにおける距離ビンの数をNd個とする。
なお、データの削減には、(1)式または(2)式を使用する。これらの式を用いることで、連続する複数の周波数ビンの値を重み付けして加減算することで1つの値を生成することができる。但し、Qを1以上の整数として、加減算の対象となる周波数ビンの数Xが、偶数個(即ち、X=2Q)の場合は(1)式を使用し、奇数個(即ち、X=2Q+1)の場合は(2)式を使用する。
Figure 0007124329000001
(1)(2)式において、F[i]は、データ削減前のFFTスペクトラムの非ガード範囲においてiで特定される周波数ビンの値である。Fd[k]は、データ削減後のFFTスペクトラムの非ガード範囲においてkで特定される周波数ビンの値である。Aqは、予め設定されるパラメータであり、加減算の対象となる周波数ビンの中心に対して、左右対称(即ち、偶関数)となるように周波数ビンの値を重み付けするものである、なお、(1)式では、右辺括弧内の演算が減算となっているが、この演算は加算であってもよい。同様に、(2)式では、右辺括弧内の演算が加算となっているが、この演算は減算であってもよい。
図5に示すように、P=Xの場合、データ削減前の周波数ビンにおいて、P-1個おきに並ぶ周波数ビンについて、その周波数ビンを含み且つ連続する合計X個の周波数ビンの値を、パラメータAqを用いて加減算した結果が、データ削減後の新たな周波数ビンの値となる。この新たな周波数ビンは、元の周波数ビンのP倍のビン幅を有する。この場合、データ削減前の周波数ビンの値は、漏れなく且つ重複なくデータ削減後の周波数ビンの値に反映される。また、P<Xの場合、データ削減前の周波数ビンの値は、その一部が重複
してデータ削減後の周波数ビンの値に反映される。更に、P>Xの場合、データ削減前の周波数ビンの値は、その一部がデータ削減後の周波数ビンの値に反映されることなく削除される。従って、P≦Xに設定することが望ましい。
CPU41は、S150では、S140にて生成されたデータ削減後のM個の距離スペクトラムから集めた同一距離ビンに属するM個のデータについて、DSP43を使用してFFT処理を実行する。このFFT処理を、距離スペクトラムが有するNd個の距離ビンのそれぞれについて実行することにより、Nd個のFFTスペクトラムを生成する。なお、FFT処理の際には、距離スペクトラムを生成する際と同様に、処理対象となるデータに窓関数が乗じられる。ここで生成されるFFTスペクトラムは、周波数が自車とターゲットとの相対速度に対応づけられるため、以下では速度スペクトラムという。また、速度スペクトラムにおける周波数ビンを速度ビンという。
図6に示すように、自車に対して一定の相対速度を有した同一ターゲットに基づくビート信号の位相は、時間の経過に伴って相対速度に応じた一定の割合で変化するため、チャープ毎に異なった値が検出される。その結果、同一距離ビンのデータを集めてFFT処理を実行することにより、相対速度に応じた周波数成分が抽出される。
CPU41は、S160では、S150にて生成されたNd個の速度スペクトラムのそれぞれに対してデータを削減する処理を実行し、処理後のデータを、メモリ42に用意された格納領域に記憶する。データの削減方法は、S140にて説明した距離スペクトラムのデータを削減する場合と同様である。但し、速度スペクトラムでは、当該ターゲット検出処理にて検出対象とすべきターゲットが取り得る移動速度に対応した相対速度の範囲をガード範囲とし、それ以外の相対速度の範囲を非ガード範囲とする。なお、非ガード範囲におけるデータの削減比は、距離スペクトルの場合と同じであってもよいし、異なっていてもよい。以下では、データ削減後の速度スペクトラムにおける速度ビンの数をNv個とする。また、距離ビン毎に生成されたNd個の速度スペクトラムによって表される、距離および相対速度を2軸とするNd×Nv個の周波数ビンを有した2次元的なFFTスペクトラムを、以下では、2次元スペクトラムという。また2次元スペクトラムの周波数ビンを2次元ビンという。
CPU41は、S170では、L個の送受信チャネルの全てについて、上述のS130~S160の処理が実行済みであるか否かを判断する。CPU41は、未処理の送受信チャネルが存在する場合にはS120に戻り、全ての送受信チャネルについて処理が実行済みであればS180に移行する。
CPU41は、S180では、信チャネル毎に生成されたL個の2次元スペクトラムにおいて、ピークが検出される2次元ビンをピークビンとし、L個の2次元スペクトラムから集めた同一ピークビンに属するL個のデータに基づき、DSP43を使用してFFT処理を実行する。ここでは検出されるピークビンの数をP個とする。このFFT処理を、ピークビンのそれぞれについて実行することにより、P個のFFTスペクトラムを生成する。なお、FFT処理の際には距離スペクトラム及び速度スペクトラムを生成する際と同様に処理対象となるデータに窓関数が乗じられる。ここで生成されるFFTスペクトラムは、周波数がターゲットの方位角度に対応づけられるため、以下では方位スペクトラムという。また、方位スペクトラムにおける周波数ビンを方位ビンという。
CPU41は、S190では、S180にて生成されたP個の方位スペクトラムのそれぞれに対してデータを削減する処理を実行し、処理後のデータを、メモリ42に用意された格納領域に記憶する。データの削減方法は、S140にて説明した距離スペクトラムのデータを削減する場合と同様である。但し、方位スペクトラムでは、当該ターゲット検出
処理にて検出対象とすべきターゲットが存在する可能性が高い方位角度の範囲をガード範囲とし、それ以外の方位角度の範囲を非ガード範囲とする。なお、非ガード範囲におけるデータの削減比は距離スペクトラム又は速度スペクトラムの場合と同じであってもよいし、いずれとも異なっていてもよい。以下では、データ削減後の方位スペクトラムにおける方位ビンの数をNp個とする。
CPU41は、S200では、S180で特定されるP個のピークのそれぞれについて、ターゲット情報を生成して、本処理を終了する。なお、ターゲット情報には、着目するピークに対応する距離ビン、速度ビン、及び方位ビンが示す周波数から算出された距離、相対速度、及び方位角度が含まれる。このターゲット情報は、図示しない車載LANを介して、車両の各部に配信され、様々な運転支援制御に使用される。
[3.パラメータ設定]
(1)(2)式で使用するパラメータの設定について説明する。
ここでは理解を容易にするために、もっとも単純な例である、隣接する二つのデータを加減算することでデータ数を1/2に削減する場合、即ち、(1)式においてP=2、Q=1とした場合について説明する。但し、ここでは、A1=1/2とする。
この場合、(1)式は(3)式に書き換えられる。(4)式は、一般的なFFT変換の式であり、(5)式は、(3)式の右辺を、時間軸上の形式で表した式である。(4)(5)式において、kは、FFTスペクトルにおけるビン番号、nはAD変換データのビン番号、NはFFT処理の対象となるAD変換データのデータ数、ε[n]は観測雑音、W[n]は窓関数である。
Figure 0007124329000002
(6)式は、(5)式の右辺を(4)式を用いて書き換えた式である。また、(7)式は、P,Qを限定することなく(2)式の右辺を、(6)式の場合と同様に書き換えた式である。
Figure 0007124329000003
(6)(7)式からわかるように、周波数軸上での周波数ビンの加減算は、時間軸上では、付加的な窓関数(即ち、右辺のF[Pk]以外の項)を乗じることに相当する。この付加的な窓関数は、窓関数ロス及びスカロッピングロスを増大させる。
窓関数ロスは、窓関数を挿入することによって生じるロスである。窓関数ロスは、周波数によらず、一律にピーク電力を低下させる。
スカロッピングロスは、周波数ビンが幅を有することによって生じるピーク値の低下であり、その大きさは、周波数ビンのビン幅に応じた周期性を有する。即ち、ターゲットのピークが周波数ビンを跨いで存在する場合、ターゲットのピークが周波数ビンとちょうど同じ位置に存在する場合と比較して、FFTスペクトルにおけるピーク値は低下する。このピーク値の低下がスカロッピングロスである。
図7は、破線が、付加的な窓関数を作用させる前、即ち、データ削除前のFFTスペクトルにおけるスカロッピングロスを示す。また、実線が、付加的な窓関数を作用させた、データ削除後のスカロッピングロスを示す。図7では、窓関数ロスが示されていないが、データ削除後は窓関数ロスも増大する。
図8は、(7)式に基づき、P=3、Q=2として、パラメータの組み合わせ(A1,A2)を、パターン1(-1,1)、パターン2(-1,0.5)、パターン3(1,0)の場合について、窓関数ロス及びスカロッピングロスを求めた結果を示す。但し、パターン3は、A2=0であるため、P=3、Q=1の場合と同等である。図7と同様に、破線がデータ削除前、実線がデータ削除後のスカロッピングロスである。
3つのパターンのうち、パターン1では、窓関数ロスが最も大きく、スカロッピングロスの最悪値が最も小さい。パターン3では、窓関数ロスが最も小さく、スカロッピングロスの最悪値が最も大きい。パターン2では、窓関数ロスおよびスカロッピングロスの最悪値のいずれもが、パターン1及びパターン3の中間的な値である。つまり、窓関数ロスとスカロッピングロスの最悪値との間には、トレードオフの関係があることがわかる。
従って、(1)(2)式で用いるパラメータは、このトレードオフの関係を考慮し、ターゲット検出処理での検出結果を利用するアプリケーションに応じて、窓関数ロスとスカロッピングロスの最悪値とが最適なバランスとなるように設定する。
[4.効果]
以上詳述した実施形態によれば、以下の効果を奏する。
(4a)レーダ装置1では、周波数ビンの間隔(即ち、周波数に対応する物理量の分解能)が一定であるFFTスペクトラムを演算後に、隣接する複数の周波数ビンの値を加減算することによって、非ガード範囲での周波数ビンの数、即ち、FFTスペクトラムのデータ量を削減している。このため、レーダ装置1によれば、FFT処理結果であるFFTスペクトラムを記憶するメモリ容量を削減することができる。また、レーダ装置1では、FFTスペクトラムの演算後に、データの削減、即ち、分解能の調整が行われるため、DSP43として、複雑な設定が不能な汎用のハードウェア演算器であっても問題なく使用できる。
(4b)レーダ装置1では、非ガード範囲におけるデータ削減後の周波数ビンの値には、隣接する複数の周波数ビンの値が反映されている。このため、レーダ装置1によれば、単純に間引きすることでデータを削減する場合と比較して、検出精度を向上させることができる。
(4c)レーダ装置1では、FFTスペクトラムのデータ削減を、演算によって実現しているため、演算式のパラメータおよび演算の対象となる非ガード範囲の設定を簡単に変更することができる。その結果、レーダ装置1によれば、ターゲット情報を利用するアプリケーションの用途に応じて、最適な非ガード範囲を設定できると共に、窓関数ロス及びスカロッピングロスが最適な割合にチューニングされた演算式を設定できる。
[5.他の実施形態]
以上、本開示の実施形態について説明したが、本開示は上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。
(5a)上記実施形態では、信号処理部4により実現される信号処理装置を、FCM方式のレーダ装置1に適用した場合を示したが、本開示は、これに限定されるものではない。本開示の信号処理装置は、例えば、FMCW方式、多周波CW方式、パルス方式等、他の変調方式を用いるレーダ装置に適用してもよい。また、レーダ装置に限らず、レーザ光を利用するLIDAR、または音波を利用するSONAR等に適用してもよい。LIDARは、Light Detection and Rangingの略であり、SONARは、Sound Navigation and Rangingの略である。
(5b)上記実施形態における1つの構成要素が有する複数の機能を、複数の構成要素によって実現したり、1つの構成要素が有する1つの機能を、複数の構成要素によって実現したりしてもよい。また、複数の構成要素が有する複数の機能を、1つの構成要素によって実現したり、複数の構成要素によって実現される1つの機能を、1つの構成要素によって実現したりしてもよい。また、上記実施形態の構成の一部を省略してもよい。また、上記実施形態の構成の少なくとも一部を、他の上記実施形態の構成に対して付加又は置換してもよい。なお、特許請求の範囲に記載した文言から特定される技術思想に含まれるあらゆる態様が本開示の実施形態である。
(5c)上述した信号処理部4によって実現される信号処理装置の他、当該信号処理装置を構成要素とするシステム、当該信号処理装置としてコンピュータを機能させるためのプログラム、このプログラムを記録した半導体メモリ等の非遷移的実態的記録媒体、周波数スペクトラムのデータ削減方法など、種々の形態で本開示を実現することもできる。
1…レーダ装置、2…アンテナ部、3…送受信部、4…信号処理部、21…送信アンテナ部、22…受信アンテナ部、41…CPU、42…メモリ、43…DSP。

Claims (5)

  1. 周波数が予め設定された物理量に対応付けられる入力信号を、周波数解析することで前記入力信号の周波数スペクトラムを生成するように構成された解析部(S130、S150、S180)と、
    前記解析部にて生成された周波数スペクトラムに基づき、該周波数スペクトラムの周波数軸上に設定される範囲である非ガード範囲では、P、Xをいずれも2以上の整数として、P-1個おきに並ぶ周波数ビンのそれぞれについて、該周波数ビンを含む隣接した合計X個の周波数ビンの値を重み付け加減算した値を有し、且つ元の周波数ビンのP倍のビン幅を有する新たな周波数ビンを生成することで、前記非ガード範囲に属する周波数ビンの数を1/Pに削減するように構成された削減部(S140、S160、S190)と、
    前記削減部にてデータが削減された周波数スペクトラムを用いて、前記物理量を検出するように構成された検出部(S200)と、
    を備え
    前記削減部は、
    Qを1以上の整数として、X=2Qの場合は(1)式を用い、X=2Q+1の場合は(2)式を用いて、データ削減後の前記非ガード範囲においてkで特定される周波数ビンの値Fd[k]を算出するように構成され、
    Figure 0007124329000004
    F[i]は、データ削減前の前記非ガード範囲においてiで特定される周波数ビンの値であり、Aqは、加減算の対象となる前記周波数ビンの中心に対して左右対称となるように、前記加減算の対象となる前記周波数ビンの値を重み付けするパラメータである
    信号処理装置。
  2. 請求項1に記載の信号処理装置であって、
    前記入力信号は、前記周波数に対応する物理量が距離であり、
    前記削減部は、予め設定され距離閾値より遠距離に対応する周波数範囲を、前記非ガード範囲とするように構成された
    信号処理装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の信号処理装置であって、
    前記入力信号は、前記周波数に対応する物理量が速度であり、
    前記削減部は、前記検出部での検出対象となるターゲットがとり得る速度の範囲に対応する周波数範囲以外を前記非ガード範囲とするように構成された
    信号処理装置。
  4. 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の信号処理装置であって、
    前記入力信号は、前記周波数に対応する物理量が方位角度であり、
    前記削減部は、前記検出部での検出対象となるターゲットが存在する方位角度の範囲に対応する周波数範囲以外を前記非ガード範囲とするように構成された
    信号処理装置。
  5. 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の信号処理装置であって、
    前記解析部は、FCM方式で変調された信号を送受信することで得られるビート信号を、前記入力信号とするように構成された
    信号処理装置。
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