JP7124292B2 - 潜像を有する曲面画像形成体及びその製造方法 - Google Patents
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その中で、特許文献1に記載の発明は、観察する角度を変更することのみで潜像画像を視認するものではなく、反射光下と透過光下の観察では視認できる潜像画像が異なる技術である。
上記の課題を解決するため、本発明の潜像を有する曲面画像形成体は、全体がR形状をなす板状の基材の少なくとも一方の表面に凹凸模様が形成された曲面画像形成体であって、前記凹凸模様は、平行に延びる複数の背景側凸部を有する背景領域と、平行に延びる複数の潜像側凸部を有する潜像領域を有し、前記潜像領域は、画像および文字から選ばれる少なくとも一つを構成し、前記潜像側凸部と前記背景側凸部とは、延びる方向および凸部間のピッチの組み合わせが互いに異なり、前記基材の少なくとも一方の表面上に蒸着層が設けられている。
上記の構成において、前記基材は、着色樹脂で形成されていることが好ましい。
まず、本発明の曲面画像形成体の第一実施形態について、図1に基づいて説明する。
図1に記載のA、B、C、D、E、FおよびGは、それぞれ複数の平行線の拡大図であり、互いに異なる傾斜角度または異なるピッチの複数の平行線が形成されている。
図1は、潜像領域2、3、4および背景領域1から構成されている曲面画像形成体10である。潜像領域2、3、4には、文字を構成する一部の潜像領域2、画像を構成する一部の潜像領域3、および画像と文字が重なる領域4から構成されている。
また、高低差が50μmより大きいと、凸部の自立性が悪くなり、規則性のある凹凸形状が形成されず加飾性が低下する。
蒸着層は、酸化珪素などの無機酸化物を基材に蒸着することで設けることができる。
次に、本発明の曲面画像形成体の第二実施形態について、図2~図5に基づいて説明する。
図3(a)は、図2の領域A~Gが形成された領域を区画して示すとともに、領域A~Gに形成された万線状凸部30の延びる方向、或いは万線状凸部30間のピッチについて説明する図である。曲面画像形成体10には、背景領域1の中に、図3(b)で示す「Tの文字」からなる第1潜像領域2と、図3(c)で示す「山状の画像」からなる第2潜像領域3が形成されている。図3(a)では、第1潜像領域2と第2潜像領域3とが重なる領域を重複領域4として示している。
曲面画像形成体10は、射出成型法により製造される。具体的には、表面に凹凸模様が形成されたR形状を有する微細彫刻加工版に射出成形することにより、基材20の内周面20aに万線状凸部30からなる凹凸パターンが形成される。ここで使用する微細彫刻加工版の材質は特に限定されないが、加工性に優れていることから銅製であることが好ましい。また、微細彫刻加工版の表面に酸化クロム層を設ける処理が施されていると、耐摩耗性、防汚性が向上して基材20の量産性が向上する。射出成形時の圧力、加熱時間、加熱温度等は、基材20の材質、厚み、硬さ等によって適宜調整することができる。
図4は、曲面画像形成体10を異なる角度から観察した場合に視認される態様について説明するものである。図4(a)に示すように、曲面画像形成体10を、異なる9方向、具体的には、左斜め上方向、上方向、右斜め上方向、左方向、正面方向、右方向、左斜め下方向、下方向、右斜め下方向の9方向から観察した。図4(b)~図4(j)は、これら9方向から観察した場合に視認される態様を示すものである。なお、ここで説明する態様は、一つの例であり、この態様に限定されるものではない。
(1)本実施形態の曲面画像形成体10は、R形状をなす基材20の内周面20aに、異なる構成の万線状凸部30からなる7つの領域A~Gを有している。それぞれの領域A~Gでは、万線状凸部30が延びる方向、或いは万線状凸部30間のピッチが異なっている。このため、見る角度によって、「Tの文字」のみが見えたり、「山状の画像」のみが見えたり、「Tの文字」と「山状の画像」の両方が見えたり、いずれも見えなかったりする。また、「Tの文字」の一部のみが見えたり、「山状の画像」の一部のみが見えたりする。万線状凸部30が延びる方向、或いは万線状凸部30間のピッチを異ならせた凹凸模様をR形状をなる基材20に設けることで、複雑な潜像を形成することができる。
(2)万線状凸部30が延びる方向、或いは万線状凸部30間のピッチが異なる領域を必要に応じて適宜設けることで、複数の異なる画像または文字を潜像として形成することができる。
(5)曲面画像形成体10に蒸着層60が形成されていることにより、例えば、曲面画像形成体10の裏面側に濃色の部材を配置すると、基材20の表面に複雑な色味がより認識されやすくなる。曲面画像形成体10の加飾性をより向上させることができる。
・ 上記実施形態では、万線状凸部30からなる凹凸模様を、R形状をなす基材20の内周面20aに形成したが、外周面20bに形成してもよい。また、内周面20aと外周面20bの両方に形成してもよい。この場合、内周面20aの凹凸模様と、外周面20bの凹凸模様とが同じものであっても異なるものであってもよい。
R形状を有する微細彫刻加工版の凹凸形状は、凸部と凹部との高低差が5μm、凹凸の間隔が5μm、ピッチが10μmとして形成した。この微細彫刻加工版を、R形状の曲面金型に追随するようにプレス加工することで、R形状を付与した。
Claims (9)
- 樹脂製の板状の基材の少なくとも一方の表面に被転写面を有する曲面画像形成体であって、
前記被転写面には、画像および文字から選ばれる少なくとも一つを含む潜像領域と、前記潜像領域を除いた背景領域と、が形成され、
前記潜像領域および前記背景領域は、凹凸形状を有する規則的な複数の平行線によって形成され、
横方向または縦方向のどちらかの方向を基準線とし、
前記潜像領域に形成された前記複数の平行線は、前記背景領域に形成された前記複数の平行線と、ピッチおよび前記基準線に対する角度の少なくともいずれかが異なり、
前記平行線を形成する凸部の側壁の傾斜角度は70゜以下であり、
隣り合う前記凸部において対向する側壁の一方がグロス処理被転写面として形成され、他方が前記グロス処理被転写面より粗面化されたマット処理被転写面として形成されており、
前記基材自体が全体に、R形状を帯びた曲面状に形成されており、
前記基材の前記R形状の曲率中心線に沿った方向の一端縁側と他端縁側とは異なる曲率で形成されていることを特徴とする、潜像を有する曲面画像形成体。 - 前記潜像領域には、画像および文字が含まれており、
前記画像と前記文字が重なる領域に形成される前記複数の平行線は、前記画像、前記文字および前記背景領域に形成された前記複数の平行線と、ピッチおよび前記基準線に対する角度の少なくともいずれかが異なることを特徴とする請求項1記載の潜像を有する曲面画像形成体。 - 前記複数の平行線は、ピッチおよび前記基準線に対する角度の少なくともいずれかが異なる少なくとも2種類のパターンが並列して形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の潜像を有する曲面画像形成体。
- 前記基材は、ポリカーボネート樹脂、アクリル樹脂、透明アクリルーブタジエンースチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリオレフィン樹脂のいずれかで形成されていることを特徴とする請求項1乃至3記載の潜像を有する曲面画像形成体。
- 前記基材の少なくとも一方の表面上に蒸着層が設けられていることを特徴とする請求項1乃至4記載の潜像を有する曲面画像形成体。
- 全体がR形状をなす曲面状に形成された樹脂製板状の基材の少なくとも一方の表面に被転写面を有する曲面画像形成体であって、
前記被転写面は、凹凸模様が形成された潜像を有し、
前記凹凸模様は、平行に延びる複数の背景側凸部を有する背景領域と、平行に延びる複数の潜像側凸部を有する潜像領域を有し、
前記潜像領域は、画像および文字から選ばれる少なくとも一つを構成し、
前記潜像側凸部と前記背景側凸部とは、延びる方向および凸部間のピッチの組み合わせが互いに異なり、
前記潜像側凸部及び前記背景側凸部の側壁の傾斜角度は70゜以下であり、
前記潜像側凸部及び前記背景側凸部では、一方の側壁がグロス処理被転写面として形成され、他方の側壁が前記グロス処理被転写面より粗面化されたマット処理被転写面として形成されており、
前記基材の少なくとも一方の表面上に蒸着層が設けられており、
前記基材の前記R形状の曲率中心線に沿った一端縁側と他端縁側とは異なる曲率で形成されていることを特徴とする潜像を有する曲面画像形成体。 - 前記蒸着層は、金属による単層膜蒸着層または金属酸化物による多層膜蒸着層である請求項6記載の潜像を有する曲面画像形成体。
- 前記基材は、着色樹脂で形成されている請求項6または7記載の潜像を有する曲面画像形成体。
- 請求項1乃至8記載の潜像を有する曲面画像形成体の製造方法であって、
表面に凹凸模様が形成されたR形状を有する微細彫刻加工版を形成する版加工工程と、
金型のキャビティ内に前記微細彫刻加工版を配置して、前記基材となる樹脂を前記キャビティ内の微細彫刻加工版に射出成形することにより、前記被転写面を有する曲面画像形成体を形成する射出工程とを備えていることを特徴とする潜像を有する曲面画像形成体の製造方法。
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