JP7123779B2 - 植物栽培装置 - Google Patents

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Description

本発明は、人工光型の植物工場で用いられる植物栽培装置に関する。
世界的な人口の増加による食料不足や、日本等の先進国における高齢化に伴う農村人口の減少による農作物の生産量の減少等の問題に対する解決策として植物工場が注目されている。
植物工場は、完全人工光型と太陽光利用型の2つの種類に大別される。完全人工光型は、閉鎖環境で太陽光を用いずに人工光源のみで栽培するものであり、太陽光利用型は、温室に近い環境で、太陽光の利用を基本とし、人工光による補光や夏季の高温抑制技術を用いて栽培するものである。
一般的な完全人工光型の植物工場では、閉鎖環境の栽培室内に、各段に人工光源を備える多段式の栽培棚が複数配置され、栽培室の天井や上方に空調装置が取り付けられる。各栽培棚では、人工光源の点灯時には排熱により温度が上昇するので、空調装置により栽培室内の空気を循環させ、温度や湿度が各栽培棚間で均一となるように制御する(特許文献1参照)。
また、植物に供給される養液量を制御するため、養液循環装置が用いられる(特許文献2参照)。
特開2002-291349号公報 特開2005-21065号公報
しかし、従来の植物栽培装置は、空調装置が植物栽培装置全体で共通で、排気側と流入側とが区分されておらず、空調が不十分であった。
本発明は、十分に空調が可能な植物栽培装置を提供することを目的とする。
本発明は上記課題を解決するために以下のものを提供する。
内部を密閉可能な栽培ユニットを備える人工光型の植物栽培装置であって、前記栽培ユニット内に、植物を栽培する矩形形状の栽培室と、前記栽培室の側面のうちの長手方向に沿った一面側に設けられ、前記栽培室から流出した空気が流れる空気排気室と、前記空気排気室を流れる空気を調整する空調装置と、前記栽培室の上方に設けられ、前記空調装置により調整された空気が流入し、前記栽培室に流入する空気が流れる空気流入室と、を備える植物栽培装置。
前記空調装置は、前記栽培室の前記長手方向の一方の端部に設けられ、前記空気排気室と前記空気流入室とを連結する空調室に配置されていてもよい。
前記空調装置は、前記空気排気室に設けられていてもよい。
前記栽培ユニットは、多段に配置されていることが好ましい。
前記栽培室に供給される液体を循環させる液体循環装置を備え、前記液体循環装置は、液体を前記栽培室へ流入される液体供給路と、前記栽培室から回収された液体を回収する液体回収路と、を有し、前記液体供給路と前記液体回収路とが、前記栽培室の前記一面側に配置されていることが好ましい。
前記栽培室と、前記空気排気室との間に排気ファンが設けられていることが好ましい。
前記空気流入室に、長手方向に空気を送るための送風ファンが設けられていてもよい。
前記空気流入室に、短手方向に空気を送るための送風ファンが設けられていてもよい。
本発明によれば、十分に空調が可能な植物栽培装置を提供することができる。
植物栽培装置1の斜視図である。 植物栽培装置1の構成を示すブロック図である。 栽培室10と養液循環装置40との一部を示す部分斜視図である。 1つの栽培容器11の分解斜視図である。 植物栽培装置1を前側の下方から見た斜視図である。 植物栽培装置1を後側の下方から見た斜視図である。 植物栽培装置1の一部において養液循環装置40を除いた前側の下方から見た部分斜視図である。 空調装置34が空気排気室33に配置された変形形態の植物栽培装置101を示す図である。 栽培室10及び養液貯留タンク41がそれぞれ2つ設けられた変形形態の植物栽培装置102を示す図である。
(植物栽培装置1)
以下、本発明の実施形態の植物栽培装置1について説明する。植物栽培装置1は、人工光型の植物工場で用いられるものであり、生産規模の大きい植物工場に好適に用いられる。図1は、植物栽培装置1の斜視図である。植物栽培装置1は、植物栽培装置1の骨組みとなる枠体2を備え、全体として直方体に形成されている。
植物栽培装置1は、外壁5により内部が開閉可能に密閉され、植物栽培装置1が配置される植物工場の作業室の環境(温度や湿度)から独立した栽培環境を維持可能である。なお、図1においては、一部の外壁5のみ示す。外壁5の素材としては、栽培チャンバ4の外側である作業室の環境の影響を受けにくいように、光不透過性の断熱材を用いることが好ましい。
植物栽培装置1は全体として直方体であり、水平な長手方向に、第1領域1Aと、第2領域1Bと、第3領域1Cとに分離されている。そして、植物栽培装置1は、上下方向に所定の間隔で配置された棚板3により多段に区画されて形成されている。なお、第1領域1Aにおいて段を区切る棚板3bは、第2領域1B及び第3領域1Cにおいて段を区切る棚板3aよりも僅かに低い位置に配置されている。
第1領域1Aには4段の栽培チャンバ4a,4b,4c,4d、第2領域1Bには4段の空調室6a,6b,6c,6d、第3領域1Cには4段の収納室7a,7b,7c,7dが設けられている。
上から一段目の栽培チャンバ4aの横には、上から一段目の空調室6aが位置し、その空調室6aの横の1つ下の段に、収納室7aが位置している。この栽培チャンバ4aと空調室6aと収納室7aとで、1つの栽培ユニットU1を構成している。上から二段目の栽培チャンバ4bの横には、上から二段目の空調室6bが位置し、その空調室6bの横の1つ下の段に、収納室7bが位置している。この栽培チャンバ4bと空調室6bと収納室7bとで、1つの栽培ユニットU2を構成している。上から三段目の栽培チャンバ4cの横には、上から三段目の空調室6cが位置し、その空調室6cの横の1つ下の段に、収納室7cが位置している。この栽培チャンバ4cと空調室6cと収納室7cとで、1つの栽培ユニットU3を構成している。上から四段目の栽培チャンバ4dの横には、上から四段目の空調室6dが位置し、その空調室6dの横の1つ下の段に、収納室7dが位置している。この栽培チャンバ4dと空調室6dと収納室7dとで、1つの栽培ユニットU4を構成している。
それぞれの栽培ユニットU1,U2,U3,U4は互いに隔離されている。すなわち、空気や養液は栽培ユニットU1,U2,U3,U4をまたいで循環せず、それぞれの栽培チャンバ内で循環する。
以下、各段の栽培ユニットU1,U2,U3,U4のそれぞれに共通する説明は、栽培ユニットUとして説明する。栽培チャンバ4a,4b,4c,4dのそれぞれに共通する説明は、栽培チャンバ4として説明する。空調室6a,6b,6c,6dのそれぞれに共通する説明は、空調室6として説明する。収納室7a,7b,7c,7dのそれぞれに共通する説明は、収納室7として説明する。
実施形態において、栽培ユニットU内において、空気は栽培チャンバ4と空調室6との間を流れるが、収納室7と空調室6との間には壁部が設けられているため、収納室7と空調室6との間を空気は流れない。
図2は植物栽培装置1における1つの栽培ユニットUの構成を示すブロック図である。栽培ユニットUは、栽培チャンバ4と、照明装置20と、空気循環装置30と、養液循環装置40とを備える。また、植物栽培装置1は、栽培ユニットU1,U2,U3,U4共通の操作部61と、制御部60と、表示部62とを備える。
(栽培室10)
栽培チャンバ4は、栽培室10を含む。図3は、栽培室10及び養液循環装置40の一部分を示す部分斜視図である。栽培室10には、複数の栽培容器11が並列して配置されている。図4は1つの栽培容器11の分解斜視図である。
(養液循環装置40)
養液循環装置40は、植物の成長に必要な液体である養液を循環する装置である。実施形態においては液体として植物の栽培に必要な栄養素を含む養液が循環するが、これに限らず、水であってもよい。養液循環装置40は、養液を貯留する養液貯留タンク41と、一端が養液貯留タンク41の側面の下部に連結され、養液貯留タンク41から水平方向に延び、他端が上方に湾曲した、養液供給路としての養液供給管42と、を備える。
養液循環装置40はさらに、養液回収路としての養液回収溝46、養液回収溝46に対して垂直前側に延びる溝延設部47、及び溝延設部47の前端の下方を養液回収溝46に対して平行に延びる養液回収筒48と、養液回収タンク49と、を備える。
図1、2に示すように、養液循環装置40の養液供給路としての養液供給管42と、養液回収路としての養液回収溝46、溝延設部47、及び養液回収筒48とは、植物栽培装置1の長手方向に沿った側面のうちの一側に配置されている。以下、この一側を図示するように前側、逆側を後側として説明する。
(養液貯留タンク41)
養液貯留タンク41は、上部が開口した、例えば有底断面矩形の容器である。ただし、形状はこれに限らず、上部が開口した有底容器であれば、断面は円形等他の形状であってもよい。
養液貯留タンク41に収容されている養液は、植物の栽培に必要な栄養素を含み、例えば、養液には、三要素と称される窒素、リン及びカリウム並びにカルシウム等の多量要素、さらに鉄やマグネシウム等の微量要素を成分として含む肥料を含む。
(水位センサ41a)
養液貯留タンク41内には、水位センサ41aが配置されている。水位センサ41aは、養液貯留タンク41に貯留されている養液の液面の位置、例えば養液貯留タンク41の底面からの高さH3を検知するもので、フロート式、超音波式、静電容量式または圧力式のいずれであってもよい。なお、以降、高さを説明する場合、養液貯留タンク41の底面からの高さとして説明する。水位センサ41aにより測定された水位の測定値は、制御部60に送信される。
なお、水位センサを用いず、養液貯留タンク41の側面において養液をオーバーフローさせることにより、養液の液位一定に保つようにしてもよい。オーバーフローの排水は、養液回収タンク49へ戻してもいいし、そのまま排水してもよい。
(養液供給管42)
養液供給管42は、実施形態では丸管であるが、これに限らず、他の形状であってもよい。養液供給管42の一端は養液貯留タンク41の側面の底側に連結されているが、これに限らず、底面に連結されていてもよい。養液供給管42は、養液貯留タンク41から水平に延びる配液管42bと、配液管42bの他端側から、配液管42bに対して約90度折れ曲がって上方に延びる立ち上がり部42cとを備える。実施形態において配液管42bと立ち上がり部42cとは一本の養液供給管を折り曲げて形成されているが、これ限らず、別々の部材を接合したものであってもよい。
立ち上がり部42cは上部が開口し、内部の溶液を大気側に開放する開放部である。立ち上がり部42cの上端の高さH5は、養液貯留タンク41の壁部の上端の高さH4よりも高い。すなわち、立ち上がり部42cは、養液貯留タンク41よりも上方に延びている。
養液貯留タンク41内に養液が貯留されたときに、養液貯留タンク41の上端を超えると溢れ出すので、養液貯留タンク41の養液の液面の高さH3が養液貯留タンク41の上端の高さH4よりも高くなることはない。
したがって、立ち上がり部42c内の養液の液面の高さH2は、養液貯留タンク41内の養液の液面の高さH3以下となる(同じか、圧損がある場合わずかに下回る)ので、立ち上がり部42cの上端から養液が溢れだすことはない。
(吐出口44)
配液管42bの管壁における、養液貯留タンク41内の養液の液面の高さH3よりも低い位置に、複数の吐出口44が同じ高さで設けられている。実施形態において複数の吐出口44は、下方に向って開口している所定径の穴である。吐出口44のそれぞれには、配液管42bに比べて小径の吐出管44aが斜め下方に向って取り付けられている。なお、吐出管44aを設けず、吐出口44から養液が直接吐出される形態であってもよい。
(養液流入プレート45)
複数の吐出口44及び吐出管44aの下方には、矩形の養液流入プレート45の前側が配置されている。養液流入プレート45の後端は、2つの栽培容器11に跨るようにして2つの栽培容器11の前側の上部に配置され、それぞれの栽培容器11に対応する穴45aが設けられている。1つの吐出管44aから吐出された養液は、養液流入プレート45を流れて、2つの穴45aから、それぞれ対応する栽培容器11内に流入する。養液流入プレート45は、植物栽培装置1に対して着脱可能であり、取り外して清掃が可能である。
なお、吐出口44、吐出管44a及び養液流入プレート45は、栽培容器11のそれぞれに1つずつ対応して設けられていてもよい。また、養液流入プレート45を設けず、吐出管44aから、栽培容器11内に流入させてもよい。
(養液回収溝46)
養液回収溝46は、栽培室10の前側における、後述する栽培容器11の下部トレイ13の長穴13eの下方を長手方向に延びる溝である。養液回収溝46は細長い板状部材の短手方向の両側に側面が設けられた断面コの字状である。養液回収溝46長手方向の両端は塞がれ、内部には仕切り46aが設けられ、実施形態では均等な長さで4つに仕切られている。
(溝延設部47)
溝延設部47は、養液回収溝46の4つに仕切られたそれぞれの部分の下流側の端部から前方に延びている溝であり、養液回収溝46の4つに仕切られたそれぞれの部分と連通して養液を前方に導き、前端の底部に開口した穴47aから流出させる。
なお、これら養液回収溝46と、溝延設部47とは、植物栽培装置1に対して着脱可能であり、取り外して清掃が可能である。
(養液回収筒48)
養液回収筒48は、溝延設部47の穴47aから流出した養液を受ける開口部48aが上方に向って開口した筒部材である。養液回収筒48は、養液回収タンク49へと延びている。
これらの養液回収溝46、溝延設部47、養液回収筒48は、養液が流れる上流側から下流側に向ってわずかに傾いていることが好ましい。
(養液回収タンク49)
養液回収タンク49は、上部が開口した、例えば有底断面矩形の容器である。ただし、形状はこれに限らず、上部が開口した有底容器であれば、断面は円形等他の形状であってもよい。養液回収タンク49は、養液回収筒48の下流端の下方に配置され、養液回収筒48を流れた養液が回収される。
養液回収タンク49は、養液貯留タンク41よりも低い位置に配置されるので、例えば図1、3に示すように養液貯留タンク41が配置されている段よりも下の段に配置される。
養液回収タンク49と養液貯留タンク41との間にはポンプ50が配置され、養液回収タンク49内の養液を養液貯留タンク41へと送水することが可能となっている。ポンプ50は、遠心ポンプや軸流ポンプ等の所定の方式のポンプであり、養液回収タンク49に回収された養液を汲み上げて養液貯留タンク41へと送り、養液を循環させる。ポンプ50は、制御部60によって養液貯留タンク41における養液の液面の高さH3が所定の高さとなるように、養液を養液貯留タンク41に供給するように動作する。
(栽培容器11)
図4に示すように栽培容器11は、上部トレイ12と、下部トレイ13と、2枚の栽培プレート14と、2枚の仕切り板15とを備える。
栽培容器11は、両側に仕切り板15が取り付けられた上部トレイ12を下部トレイ13の上に重ねた状態で、上部トレイ12の中に栽培プレート14をはめ込み、短手方向が栽培室10の長手方向に沿うように、栽培室10内に16枚、水平に配置されている。ただし、16枚に限定されない。
なお、栽培容器11の形状は、生産規模の大きい植物工場に好適に用いられるため、長手方向の長さが短手方向の長さに対して2倍以上である長尺な形状であることが好ましい。本実施形態では、短手方向の長さ:長手方向の長さ=1:5である。ただし、栽培容器11の大きさ(栽培容器11に配置される栽培プレート14の枚数)は、上述の実施形態の大きさに限られない。
(下部トレイ13)
下部トレイ13は、長方形の底面13aと、その底面13aの側辺を囲む、2枚の側壁部13b、前壁部13c、後壁部13dとを備える。前壁部13cは後壁部13dより高い。側壁部13bは、前側が高く、後側が低くなる台形形状である。底面13aの前側には、長穴13eが設けられている。栽培容器11が栽培室10に配置されると、底面13aは、前側が後ろ側よりも、角度θ(θは0.5度~1度)で、徐々に低くなる傾斜面となる。
底面13aの上面には、底面13aの長手方向(前後方向)に沿って、互いに平行なリブ13fが複数立設されている。リブ13fは底面13aの長手方向において、断続的に設けられている。底面13aを、後述するように後側から前側に養液が流れる場合、養液は、それぞれのリブ13fの間をリブ13fに沿って流れるため、養液が底面13aの短手方向の一方に溜まらずに、均一に流れることができる。
(上部トレイ12)
上部トレイ12は、下部トレイ13と同様に長方形の底面12aと、その底面12aの側辺を囲む、2枚の側壁部12bと、前壁部12cと、後壁部12dとを備える。上部トレイ12は下部トレイ13と外径が略同様で、下部トレイ13の壁部上に、上部トレイ12の壁部が載置されると下部トレイ13内に流液空間が確保される。前壁部12cは後壁部12dより高い。側壁部12bは、前側が低く、後側が高くなる台形形状である。
底面12aの後側には、長穴12eが設けられている。栽培容器11が栽培室10に配置されると、底面12aは、前側が後ろ側よりも、角度θ(θは0.5度~1度)で、徐々に高くなる傾斜面となる。
底面12aの上面には、底面13aと同様に底面12aの長手方向(前後方向)に沿って、互いに平行なリブ12fが複数立設されている。リブ12fは底面13aの長手方向において、断続的に設けられている。
底面12aを、後述するように前側から後側に養液が流れる場合、養液は、それぞれのリブ12fの間を流れるため、養液が底面12aの短手方向の一方に溜まらずに、均一に流れることができる。
また、両側の側壁部12bの内面側の前と後に、上下に延びる仕切り板保持溝12gが設けられている。
(仕切り板15)
仕切り板15は、その両側の側壁部12bの内面側の前と後に前後に設けられた仕切り板保持溝12gに挿入されて立設されている。仕切り板15と底面12aとは当接せずに、間に隙間が設けられ、養液がその隙間を流れることが可能となっている。仕切り板15は、植物が成長したときの、他部材との接触を防止するとともに、後述するように栽培室10と空気排気室33との間の仕切りとして機能する。
(栽培プレート14)
栽培プレート14は、発泡スチロールまたはスポンジ等で製造され、所定間隔で植物栽培穴14aが設けられ、その植物栽培穴14aに植物が植設される。栽培プレート14は、上部トレイ12の仕切り板保持溝12gに仕切り板15が取り付けられたときに、前後の仕切り板15の間に配置される大きさで、2枚に分離されている。ただし、1つの上部トレイ12に配置される栽培プレート14は、2枚でなくてもよく、1枚でもよく、他の枚数に分割してもよい。
(空気循環装置30)
図5は植物栽培装置1を前側の下方から見た斜視図である。図6は植物栽培装置1を後側の下方から見た斜視図である。図7は、植物栽培装置1の一部において養液循環装置40を除いた前側の下方から見た部分斜視図である。
図1、5、6、7に示すように、空気循環装置30は、排気ファン32と、空気排気室33と、空調装置34と、空気流入室35とを備える。
(空気排気室33)
栽培室10の前側には、前壁31が設けられている。前壁31には、長手方向に沿って一定の間隔で設けられた複数の開口部が形成され、その開口部にはそれぞれ排気ファン32が取り付けられている。前壁31と前側の外壁5との間には空間が設けられている。その空間は、排気ファン32から流出した空気が流れる空気排気室33となっている。
なお、1つの栽培ユニットUにおいて、前壁31は栽培室10の前側の全体を覆っておらず、前壁31の下部は、配液管42b等の配置の関係で前壁31は設けられていない。しかし、栽培室10に配置された栽培容器11の仕切り板15により、栽培室10と空気排気室33との間は分離されている。
(空調装置34)
空調装置34は、第2領域1Bに配置され、空気排気室33から流れる空気の温度、湿度、二酸化炭素濃度及び空気の流速(流量)を調整する。本実施形態で空調装置34は、例えば、滅菌、除湿、二酸化炭素濃度の調整を行う。
図6に示す第1領域1Aと第2領域1Bとの間に設けられた側壁39は、前側の外壁5との間に前後の隙間39bが設けられ、この隙間39bは空気排気室33と第2領域1Bとを連通する空気通路となっている。
(空気流入室35)
栽培室10の上部には天井壁36が設けられ、天井壁36と棚板3との間には、上下方向に隙間が設けられている。その隙間は、空気が流れて栽培室10へと流入する空気流入室35となっている。
側壁39と棚板3との間に上下方向の隙間39aが設けられて、この隙間39aは、第2領域1Bに配置された空調装置34を通った空気を空気流入室35へと流入させる。
さらに、天井壁36と、後側の外壁5との間には前後に隙間37が設けられ、この隙間37は空気流入室35と栽培室10とを連通する。
(照明装置20)
照明装置20は、栽培室10の天井壁36に設けられた人工光源である。本実施形態で照明装置20は、栽培室10の長手方向(栽培容器11の短手方向)に沿うように、複数本が並列配置され、栽培室10に植設されている植物に光を照射する。照明装置20としては、消費電力が少なく薄型に構成できるLED(light emitting diode)が好適に用いられる。また、人工光源として蛍光灯を用いてもよい。照明装置20は制御部60によって制御され、操作部61に設けられたスイッチでON/OFFされる。
(配線路70)
空気排気室33の排気ファン32よりも上部の一部は区画されて、長手方向に延びる配線路70が設けられている。照明装置20の電気配線21は、配線路70内を延びている。配線路70は制御部60まで延びている。電気配線21は、排気ファン32の電気配線も含む。また、この配線路70には、二酸化炭素をガスボンベから空調装置34へ運ぶ配管(図示せず)も配置されている。
(制御部60)
植物栽培装置1の動作は、制御部60により制御される。制御部60は、例えば、汎用のパーソナルコンピュータまたはファクトリーオートメーション用のコンピュータやプログラマブルコントローラ等により構成されている。
操作部61は、栽培室10内が所定の栽培環境となるように設定するためのボタンやキーボード等で構成され、栽培室10の長手方向の一端側の外壁5に配置される。
表示部62は、栽培室10において各種センサによりモニタされた測定結果や、操作部61により設定された所定の栽培環境等を表示するためのもので、液晶パネル等により構成され、栽培室10の長手方向の一端側の外壁5に配置される。
なお、操作部61、制御部60及び表示部62は、植物栽培装置1と一体で構成することなく、別体で構成してもよい。その場合、操作部、制御部及び表示部を備える制御盤を植物工場の所定箇所に配置し、この制御盤により複数の植物栽培装置1の栽培チャンバ4のそれぞれの栽培環境を集中して管理してもよい。
なお、図示しないが、植物栽培装置1は、栽培容器11を搬送するための搬送機構を更に備えている。搬送機構は、栽培チャンバ4内に設けられ、栽培チャンバ4の長手方向に栽培容器11を搬送するための搬送機を備える。また、植物栽培装置1はさらに、栽培容器11を各段の栽培チャンバ4に設けられたチャンバ開口部から出し入れして上下方向に搬送するための昇降機を有する。
実施形態の植物栽培装置1は以下のように動作する。
(養液循環装置40の動作)
制御部60は、水位センサ41aから供給される、養液貯留タンク41に溜められている養液の液面の高さを示す信号により、養液貯留タンク41における養液の液面が所定の高さとなるように、ポンプ50による養液貯留タンク41への養液の供給を制御する。
そうすると、それぞれの段の養液貯留タンク41に貯留されている養液が、それぞれの段ごとに設けられた、水平に延びる養液供給管42内に流入する。このとき、1つの養液貯留タンク41から供給される養液が流れる養液供給管42は、それぞれの段内のみ延びるので、例えば養液供給管が多段を連続して延びる場合と比べて短くなる。
さらに、養液はポンプにより圧送されている場合と比べて、養液供給管42内の養液の、上流側と下流側とでの圧力差が小さく、大気に開放している立ち上がり部42cでの養液の液面の高さH2は、養液貯留タンク41における養液の液面の高さH3と略等しくなる。
配液管42b内においては、養液の圧力が略一定であるので、複数の吐出口44のそれぞれにおいて、養液貯留タンク41における養液の高さH3との水位差により、等圧で養液を吐出することができる。したがって、それぞれの吐出口44が同径であっても溶液の流量を容易に略一定とすることができる。
また、養液の養液供給管42内への流入の際に、養液供給管42内の空気は、管端へと追いやられるが、立ち上がり部42cが大気への開放しているため、養液供給管42内の空気が管端に溜まることがない。
したがって、養液の養液供給管42内への流入と同時に、それぞれの吐出口44において、均一に養液を流出させることができる。
本実施形態によれば、ポンプ50は養液を汲み上げるために用い、養液供給管42内への養液の圧送は行わない。ゆえに、植物栽培装置1においてより少ないエネルギーで養液供給が可能となる。
また、制御部60は、ポンプ50の動作タイミングを制御し、養液貯留タンク41における養液の液面の高さH3を調整することが可能である。そして、高さH3を調整することにより、吐出口44のそれぞれから単位時間当たりに吐出される養液の量を変えることが可能である。
なお、吐出口44の内径または吐出管44aの内径のうちの小さい方の径を変えることによっても、単位時間当たりに吐出される養液の量を変えることもできる。
吐出管44aから吐出された養液は、それぞれ、養液流入プレート45に流入する。そして、1つの吐出管44aから吐出された養液は、養液流入プレート45を流れて、2つの穴45aから、それぞれ対応する栽培容器11内に流入する。
栽培容器11に流入した養液は、上部トレイ12の傾斜した底面12aに沿って、前側から後側に流れつつ、栽培プレート14に植設された植物Vによって吸収される。この際、養液は、それぞれのリブ12fの間を流れるため、養液が底面12aの短手方向の一方に溜まらずに、均一に流れることができる。
植物Vによって吸収されなかった余剰の養液は、上部トレイ12の長穴12eから、下部トレイ13上に流出する。下部トレイ13に流入した養液は、下部トレイ13の傾斜した底面13aに沿って、後側から前側に流れる。この際、養液は、それぞれのリブ13fの間をリブ13fに沿って流れるため、養液が底面13aの短手方向の一方に溜まらずに、均一に流れることができる。
そして、養液は、下部トレイ13の長穴13eから養液回収溝46へと流出する。これにより、養液が栽培容器11に滞留することがない。
また、栽培容器11の前後に仕切り板15が立設されているため植物Vが成長してサイズが大きくなった場合、仕切り板15は、植物が成長したときの、他部材との接触を防止する。
養液回収溝46に流出した余剰の養液は、対応する溝延設部47を通って前方に流れ、穴47aから下方の養液回収筒48内に流入する。そして養液回収筒48を流れて、養液回収筒48の下流側から流出して養液回収タンク49内に回収される。養液回収タンク49に回収された養液は図示しないセンサによって養液濃度が測定され、制御部によって適宜最適な濃度となるように養液濃度調整が行われる。
水位センサ41aによって養液貯留タンク41内の養液の液面の高さが適宜測定される。制御部60は、その液面高さを示す信号を基に、養液貯留タンク41における養液の液面が所定の高さとなるように、ポンプ50による養液貯留タンク41への養液の供給を制御する。
養液貯留タンク41に供給された養液は、再度、養液供給管42内に流入し、循環される。
(空気循環装置30の動作)
制御部60により、排気ファン32と空調装置34が作動される、栽培室10内の空気は、排気ファン32により空気排気室33へ流出される。流出された空気は空気排気室33を通って第2領域1B内の空調装置34へ送られる。
不図示の温度センサ、湿度センサ及び二酸化炭素濃度センサが各栽培室10の所定箇所に取り付けられ、循環中の空気の温度、湿度や二酸化炭素濃度がモニタされる。そして、制御部60は、植物の周囲の空気の温度や湿度、二酸化炭素や酸素の量等が所定の値となるように、空調装置34による空調を制御する。
空調装置34では、温度センサ及び湿度センサの測定結果に応じて温度調整や除湿がなされたのち、二酸化炭素供給装置により、二酸化炭素濃度センサの測定結果に応じて二酸化炭素ボンベ等の二酸化炭素供給源から二酸化炭素が供給される。そして、所定の条件及び所定の流速に調整された空気が、空調装置34の上方に噴出される。
空調装置34を通過した空気は、空調装置34の上部へと送出される。送出された空気は、隙間39aを通って空気流入室35へと流入する。空気流入室35に流入された空気は、隙間37を通って空気流入室35から栽培室10の後部上方から流入する。
そして、栽培室10内を通過して、排気ファン32により空気排気室33へ流出されて循環する。
(照明装置20の動作)
制御部60は、光束や照度、または照射する光の波長の分布等を所定の値とするように、照明装置20による植物への光の照射を制御する。
(1)以上、本実施形態の植物栽培装置1は、内部を密閉可能な栽培チャンバ4を備える人工光型の植物栽培装置1であって、栽培チャンバ4内に、植物を栽培する栽培室10と、養液貯留タンク41に連結され、養液貯留タンク41内に貯留された養液が栽培室10へ流れる養液供給路42と、栽培室10から回収された養液が養液回収タンク49へと流れる養液回収路46,47,48と、を有し、養液供給路42と養液回収路46,47,48とは、栽培室10の前面側に配置されている。
さらに、排気ファン32や照明装置20の電気配線も、全て、植物栽培装置1の前面側に配置されている。
したがって、養液の流れの点検、電気系統の点検等のメンテナンスを行う場合、前側の外壁5を外すだけで作業が可能となる。
これに対して植物栽培装置1の前面だけでなく、背面や側面に養液循環装置40の配管の一部が配置されている場合、植物栽培装置1のメンテナンスを行う場合、前面以外の外壁5も取り外すことが必要となり、またメンテナンスの時間もかかる。
しかし、実施形態ではメンテナンスを行う場合、前側の外壁5を外すだけでよい。したがってメンテナンスが容易となる。
(2)また、栽培チャンバ4は、多段に配置され、それぞれ密閉可能である。
したがって、栽培チャンバ4ごと独立して最適な栽培環境を設定できるので、植物工場の1つの作業室において栽培条件の異なる植物を栽培することができる。さらに、栽培チャンバ4を密閉式としたことで、植物工場の内部の温度及び湿度に影響されることなく栽培室10の内部に温度及び湿度を管理できる。よって、植物工場の内部の環境管理条件を緩やかに設定できるので、植物工場をより大型化できる。
また、植物工場において人が作業する作業室に本発明の植物栽培装置1を配置した場合に、栽培チャンバ4内と作業室とは独立した環境とすることができる。よって、従来の植物工場における作業室のように植物と人とを共存させる必要がない。ゆえに、例えば、栽培チャンバ4内の環境を人体にとっては適切とはいえないが、植物にとっては最適な栽培条件とすることができる。
(3)栽培チャンバのそれぞれに均一な養液循環、空気循環が可能である。
したがって、栽培室10内において場所によらず均一な栽培環境を提供できる。
(4)栽培室10には栽培容器11が配置され、栽培容器11は、底面13a前側に養液流出部である長穴13eが設けられた下部トレイ13と、底面12aの後側に養液流出部である長穴12eが設けられ、下部トレイ13の上に配置される上部トレイ12と、上部トレイ12の内部に収納される栽培プレート14と、を備え、栽培室10の長手方向に栽培室10の短手方向が並ぶようにして配置されたときに、上部トレイ12の底面12aは、前側が後側よりも高くなるように傾斜し、下部トレイ13の底面13aは、後側が前側よりも高くなるように傾斜している。
したがって、栽培容器11に流入した養液は、上部トレイ12の傾斜した底面12aに沿って、前側から後側に流れることができる。そして、下部トレイ13に流入した養液は、下部トレイ13の傾斜した底面13aに沿って、後側から前側に流れることができる。ゆえに養液が滞留しない。
また、例えば、長手方向に傾斜をつけて長手方向に養液を流す場合に比べて養液トレイを浅く構成できる。よって、栽培室10の高さを低くできるので、省スペースとすることができ、同じスペースに配置するならば、栽培室10の段数を増やすことができるので、単位面積当たりの生産量を増加させることができる。
さらに、養液を所定の流速で流しながら植物を栽培できるので、植物の根に常時新しい養液を接触させ続けられる。よって、植物の成長をより促進でき、植物の生産効率を向上させられる。
(5)栽培容器11は、上部トレイ12の一側と他側に立設された仕切り板15を備える。この仕切り板15により、植物が成長したときの、他部材との接触が止される。
(6)トレイ13及び上部トレイ12の底面には、長手方向に延びる複数のリブ12f、13fが設けられている。
したがって、栽培容器11に流入した養液は、上部トレイ12の傾斜した底面12aに沿って流れる際に、養液は、それぞれのリブ12f、13fの間を流れるため、養液が底面12aの短手方向の一方に溜まらずに、均一に流れることができる。
(7)養液貯留タンク41は養液を大気に開放した状態で貯留可能であり、養液供給路42には、養液の流れる下流側において、養液貯留タンク41における養液の液面よりも高い位置において開口し、養液を大気側に開放している開放部である立ち上がり部42cが設けられている。
このため、養液の養液供給管42内への流入の際に、養液供給管42内の空気は、管端へと追いやられるが、立ち上がり部42cが大気への開放しているため、養液供給管42内の空気が管端に溜まることがない。
(8)内部を密閉可能な栽培チャンバ4を備える人工光型の植物栽培装置1であって、栽培チャンバ4内に、植物を栽培する栽培室10と、栽培室10の側面のうちの一面側に設けられ、栽培室10から流出した空気が流れる空気排気室33と、栽培室10の上方に設けられ、空気排気室33から分離された栽培室10に流入する空気が流れる空気流入室35と、を有する。
このように栽培チャンバ4内を仕切ることにより、空気排気室33と、空気が流れる空気流入室35とを設けたので、空気循環用のダクト等を別途設ける必要がなく、構造がシンプルになり、メンテナンスも容易である。
さらに、空気循環装置30及び養液循環装置40により栽培室10にそれぞれ供給される空気及び養液の流れ方向は、栽培室10の短手方向に沿っているものとした。
これにより、常に所定の条件に調整された空気及び養液が栽培室10内の栽培室10に供給されて、栽培室10の短手方向に流れて短時間で回収されるので、上流側と下流側の栽培環境の変化を低減することができる。
よって、栽培室10内の時間による環境変化(温度や湿度の変化)を低減することができる。その結果、植物の生長にとって最適かつ均質な栽培環境が保持され、植物工場の生産性を向上させることができる。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はこれに限定されない。
例えば、実施形態では養液貯留タンク41と養液回収タンク49とを別々に設けたが、これらのタンクを一つにしてもよい。
また、実施形態では、ポンプ50によって養液回収タンク49から養液貯留タンク41へと養液を循環する構成であったが、養液回収タンクを設けずに回収後の養液は排液し、養液貯留タンクだけが設けられている構成であってもよい。
さらに、空気流入室35に長手方向に空気を送るための送風ファンを設けてもよい。送風ファンを設けることにより、空気流入室35内において、長手方向における気流の下流側まで空気を循環させることができる。
また、空気流入室35に隙間37が設けられている方向である短手方向に空気を送るための送風ファンを設けてもよい。
例えば、栽培容器が上部トレイと下部トレイとを有する構造でなく、1枚のトレイで構成されていてもよい。その場合、例えば1枚のトレイの内部を左右に分離し、一方を養液が前側から後側に流れるように傾斜させ、他方を養液が後側から前側に流すような構成にすることもできる。また、中央部と端部で仕切って、丁字型にトレイを往復して流す構造にすることもできる。
さらに、実施形態においてはトレイに傾斜を設けることにより養液の流れが促進される構造としたが、トレイの底面に傾斜を設けない構造であってもよい。
また、養液貯留タンクは、栽培容器との間で液体が循環するものであれば、流し方に関わらない。実施形態では養液貯留タンクを大気に開放し、大気圧で養液を流す構造であったが、これ限定されず、大気に開放せずにポンプで養液を流すものであってもよい。
本実施形態では、空調装置34を第2領域1Bに配置したが、これに限らず、空調装置34は空気排気室33に配置してもよい。図8は、空調装置34を空気排気室33に配置した変形形態の植物栽培装置101を示した図である。空調装置34は、例えばそれぞれの栽培ユニットUの空気排気室33の中央部における、排気ファン32との間に空気が流れる隙間が確保された形で、外壁5(図8には図示せず)側に配置されている。
栽培室10内の空気は、排気ファン32により空気排気室33へ流出される。流出された空気は空気排気室33を通って空調装置34へ送られる。そして、空調装置34によって所定の条件及び所定の流速に調整された空気が、空調装置34の上方に送出される。
送出された空気は、空気流入室35の前方に設けられた隙間39cを通って空気流入室35へ前方から流入する。空気流入室35に流入された空気は、後方に設けられた隙間37を通って空気流入室35から栽培室10の後部上方から流入する。
そして、栽培室10内を通過して、排気ファン32により空気排気室33へ流出されて循環する。
また、実施形態では1つの栽培室10の長手方向の一方の端部に1つの養液貯留タンク41と1つの養液回収タンク49とが配置されている形態について説明した。しかし本発明はこれに限らず、栽培室10及び養液貯留タンク41をそれぞれ2つ設け、一方の栽培室10A、一方の養液貯留タンク41A、養液回収タンク49、他方の養液貯留タンク41B、他方の栽培室10Bの順に長手方向に沿って配置してもよい。図9はその変形形態の植物栽培装置102を示す図である。
さらに、実施形態では1つの栽培ユニットUのそれぞれが養液貯留タンク41と養液回収タンク49を備える形態について説明した。しかし、本発明はこれに限定されず、養液貯留タンクは栽培ユニットごとに設け、養液回収タンクは全ての段の栽培ユニットに共通して1つ設ける構成であってもよい。
U 栽培ユニット
1 植物栽培装置
1A 第1領域
1B 第2領域
1C 第3領域
4 栽培チャンバ
5 外壁
10 栽培室
11 栽培容器
12 上部トレイ
12a 底面
12e 長穴(養液流出部)
12f リブ
13 下部トレイ
13a 底面
13e 長穴(養液流出部)
13f リブ
14 栽培プレート
15 仕切り板
20 照明装置
21 電気配線
30 空気循環装置
31 前壁
32 排気ファン
33 空気排気室
34 空調装置
35 空気流入室
36 天井壁
37 隙間
39 側壁
39a 隙間
39b 隙間
40 養液循環装置
41 養液貯留タンク(液体貯留タンク)
42 養液供給管(液体供給管)
42b 配液管
42c 立ち上がり部(開放部)
45 養液流入プレート
46 養液回収溝
47 溝延設部
48 養液回収筒
49 養液回収タンク(液体回収タンク)
50 ポンプ
60 制御部

Claims (7)

  1. 内部を密閉可能な栽培ユニットを備える人工光型の植物栽培装置であって、
    前記栽培ユニット内に、
    植物を栽培する直方体形状の栽培室と、
    前記栽培室の側面のうちの長手方向に沿った一面側に設けられ、前記栽培室から流出した空気が流れる空気排気室と、
    前記空気排気室を流れる空気を調整する空調装置と、
    前記栽培室の上方に設けられ、前記空調装置により調整された空気が流入し、前記栽培室に流入する空気が流れる空気流入室と、
    を備え、
    前記栽培室に供給される液体を循環させる液体循環装置を備え、
    前記液体循環装置は、
    液体を前記栽培室へ流入される液体供給路と、
    前記栽培室から回収された液体を回収する液体回収路と、を有し、
    前記液体供給路と前記液体回収路とが、前記栽培室の前記一面側に配置されている、
    植物栽培装置。
  2. 前記空調装置は、前記栽培室の前記長手方向の一方の端部に設けられ、前記空気排気室と前記空気流入室とを連結する空調室に配置されている、
    請求項1に記載の植物栽培装置。
  3. 前記空調装置は、前記空気排気室に設けられている、
    請求項1に記載の植物栽培装置。
  4. 前記栽培ユニットは、多段に配置されている、
    請求項1から3のいずれか1項に記載の植物栽培装置。
  5. 前記栽培室と、前記空気排気室との間に排気ファンが設けられている、
    請求項1からのいずれか1項に記載の植物栽培装置。
  6. 前記栽培室の上方に設けられている前記空気流入室に、前記栽培室の前記長手方向と同じ方向に空気を送るための送風ファンが設けられている、
    請求項1からのいずれか1項に記載の植物栽培装置。
  7. 前記栽培室の上方に設けられている前記空気流入室に、前記栽培室の短手方向と同じ方向に空気を送るための送風ファンが設けられている、
    請求項1からのいずれか1項に記載の植物栽培装置。
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