JP7121515B2 - 排気浄化装置の制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、排気浄化装置の制御装置に関する。
近年、エンジンから排出される排気を浄化する排気浄化装置において、排気中の有害成分を酸化又は還元することによって浄化するために、種々の触媒が用いられている。そのような触媒として、排気中の窒素酸化物(以下、NOxとも称する。)を吸蔵可能な窒素酸化物吸蔵触媒を備えた排気浄化装置に関する技術が提案されている。
窒素酸化物吸蔵触媒におけるNOxを吸蔵する能力(以下、NOx吸蔵能力とも称する。)は、窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵されたNOxの量(以下、NOx吸蔵量とも称する。)が増大するにつれて低下する特性を有する。ゆえに、例えばNOx吸蔵量が所定の閾値を上回ったことをトリガとして、窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵されたNOxを還元するために、窒素酸化物吸蔵触媒に流入する流入ガスの空燃比を一時的にリッチにするリッチ化処理が行われる(例えば、特許文献1等参照)。それにより、窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵されたNOxを還元して浄化するとともに、窒素酸化物吸蔵触媒のNOx吸蔵能力を回復させることができる。
特開2012-255348号公報
ところで、リッチ化処理の実行時には、リッチ化処理の非実行時と比較して、燃料消費量が多い状態となるので、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量が過剰に大きい場合、燃料消費量が窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵されたNOxを還元するために必要な量に対して過剰になり、燃費が悪化するという問題が生じる。一方、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量が過度に小さい場合、燃料消費量の増大は抑制されるものの、窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵されたNOxを適切に還元することが困難となり、リッチ化処理において窒素酸化物吸蔵触媒から脱離したNOxが還元されずに車外へ排出されやすくなるという問題が生じる。
そこで、本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的とするところは、NOxの車外への排出を抑制しつつ、燃費を向上させることが可能な、新規かつ改良された排気浄化装置の制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、エンジンから排出される排気が通過する排気通路に設けられ、前記排気中の窒素酸化物を吸蔵可能な窒素酸化物吸蔵触媒を備える排気浄化装置の制御装置であって、前記窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵された前記窒素酸化物を還元するために、前記窒素酸化物吸蔵触媒に流入する流入ガスの空燃比を一時的にリッチにするリッチ化処理を実行する制御部を備え、前記制御部は、前記流入ガスの流量及び前記流入ガス中の前記窒素酸化物の濃度に基づいて、前記窒素酸化物吸蔵触媒に単位時間あたりに流入する前記窒素酸化物の量に相当する窒素酸化物流入量を算出し、前記窒素酸化物流入量に基づいて、前記リッチ化処理における前記流入ガスの空燃比の変化量を制御する、排気浄化装置の制御装置が提供される。
前記制御部は、前記窒素酸化物流入量が流入量閾値を超える場合に、前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値以下である場合と比較して、前記リッチ化処理における前記流入ガスの空燃比の変化量を大きくしてもよい。
前記制御部は、前記窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵され得る前記窒素酸化物の最大量に応じた値を前記流入量閾値として用いてもよい。
前記制御部は、前記窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵されている前記窒素酸化物の量が吸蔵量閾値を超える場合に前記リッチ化処理を実行し、前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値を超える場合に、前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値以下である場合と比較して、小さな値を前記吸蔵量閾値として用いてもよい。
前記制御部は、前記リッチ化処理の開始後、前記窒素酸化物吸蔵触媒から流出する流出ガスの空燃比が空燃比閾値を下回った場合に前記リッチ化処理を終了し、前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値を超える場合に、前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値以下である場合と比較して、小さな値を前記空燃比閾値として用いてもよい。
前記制御部は、前記エンジンに吸入される吸気の流量、前記窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵されている前記窒素酸化物の量、及び前記窒素酸化物吸蔵触媒の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記リッチ化処理における前記流入ガスの空燃比の変化量を制御してもよい。
以上説明したように本発明によれば、NOxの車外への排出を抑制しつつ、燃費を向上させることが可能となる。
本発明の実施形態に係る排気浄化システムの概略構成を示す模式図である。 同実施形態に係る制御装置の機能構成の一例を示すブロック図である。 通常時において窒素酸化物吸蔵触媒によってNOxが還元される様子を示す模式図である。 通常時及び高NOx時の各々についての窒素酸化物吸蔵触媒におけるNOx吸蔵量の分布を示す模式図である。 高NOx時において窒素酸化物吸蔵触媒によってNOxが還元される様子を示す模式図である。 同実施形態に係る制御装置が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.排気浄化システムの構成>
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る排気浄化システム1の構成について説明する。
図1は、本実施形態に係る排気浄化システム1の概略構成を示す模式図である。図2は、本実施形態に係る制御装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
排気浄化システム1は、車両に搭載され、図1に示されるように、エンジン30と、エンジン30より吸気側に設けられた吸気通路10と、エンジン30より排気側に設けられた排気通路20と、排気浄化装置60と、制御装置100とを備える。排気浄化装置60は、排気通路20に設けられる三元触媒22及び窒素酸化物吸蔵触媒24を備える。
エンジン30は、例えば、火花点火式の内燃機関であるガソリンエンジンである。エンジン30には、1又は複数の気筒31が備えられる。図1では、理解を容易にするために、エンジン30に設けられる複数の気筒31のうちの1つの気筒31が一例として示されている。各気筒31には、内部に燃焼室32が形成され、燃焼室32に向けて点火プラグ35が設けられている。また、各気筒31には、燃焼室32に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁38が設けられている。燃料噴射弁38は、具体的には、燃料タンク40からフィードポンプ50により吸い上げられて送出された燃料を燃焼室32内に噴射する。なお、燃料噴射弁38は、燃焼室32内に燃料を直接噴射する形式のものに限られない。燃料噴射弁38が吸気通路10に備えられ、あらかじめ燃料を含む吸気が燃焼室32へ吸入されてもよい。
燃焼室32には、空気及び燃料からなる混合気が形成され、当該混合気が点火プラグ35の点火により燃焼する。それにより、各気筒31内に設けられたピストン33が直線往復運動を行い、各気筒31のピストン33と接続されたクランクシャフトへ動力が伝達される。各燃焼室32は、吸気側及び排気側においてそれぞれ吸気通路10及び排気通路20と連通している。また、各気筒31には、吸気ポート及び排気ポートをそれぞれ開閉可能な吸気バルブ36及び排気バルブ37が設けられている。吸気バルブ36及び排気バルブ37が開閉することにより、燃焼室32への吸気の吸入及び燃焼室32からの排気の排出が行われる。
吸気通路10は、上流側の端部において、車両の外部から外気が取り込まれる吸気口と連通する。吸気通路10には、エアクリーナ12が設けられ、エアクリーナ12の下流側には、吸気通路10へ吸入される吸気の量である吸気量を調整可能なスロットルバルブ14が設けられる。スロットルバルブ14のさらに下流側には、インテークマニホールド15が設けられる。インテークマニホールド15は、各気筒31の吸気側に向けて分岐し、各燃焼室32と連通する。具体的には、インテークマニホールド15から各気筒31へ向けて分岐する通路は、各気筒31の吸気ポートに接続される。また、インテークマニホールド15には、気筒31側へ流れる吸気を一時的に溜めるためのサージタンク16が設けられる。
吸気口から取り込まれた外気は、エアクリーナ12を通過した後、スロットルバルブ14により絞られ、インテークマニホールド15を介してエンジン30の各気筒31に吸入される。スロットルバルブ14は、例えば、電動モータを備え、制御装置100からの動作指令に基づいて当該電動モータが駆動されることによって、スロットルバルブ14の開度が制御されるように構成される。スロットルバルブ14の開度が調整されることにより、吸気通路10の流路面積が調整されて、吸気量が調整される。
吸気通路10には、エアフローメータ202が設けられる。エアフローメータ202は、エアクリーナ12とスロットルバルブ14との間に設けられ、吸気通路10へ吸入される吸気の量である吸気量を検出し、検出結果を出力する。
排気通路20は、下流側の端部において、車両の外部へ排気が放出される排気口と連通する。排気通路20の上流側には、エキゾーストマニホールド21が設けられる。エキゾーストマニホールド21は、各気筒31の排気側に向けて分岐し、各燃焼室32と連通する。具体的には、エキゾーストマニホールド21から各気筒31へ向けて分岐する通路は、各気筒31の排気ポートに接続される。エキゾーストマニホールド21の下流側には、三元触媒22が設けられる。三元触媒22は、排気中の炭化水素(HC)及び一酸化炭素(CO)の酸化、並びにNOxの還元を行い、排気中のこのような有害成分を無害な水蒸気(HO)、二酸化炭素(CO)、及び窒素(N)に浄化する。三元触媒22のさらに下流側には、窒素酸化物吸蔵触媒24が配設される。窒素酸化物吸蔵触媒24は、排気中のNOxを吸蔵可能な触媒である。
エンジン30における燃焼後の排気は、各燃焼室32からエキゾーストマニホールド21を介して排出され、三元触媒22及び窒素酸化物吸蔵触媒24を順に通過した後、排気口から車両の外部へ放出される。このように、エンジン30から排出される排気は、排気通路20を通過する。排気浄化システム1では、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの空燃比がリーン空燃比(つまり、理論空燃比より大きい空燃比)となる場合において、浄化されずに三元触媒22を通過したNOxを窒素酸化物吸蔵触媒24によって吸蔵することができる。
排気通路20には、上流側NOx濃度センサ204と、下流側NOx濃度センサ206と、空燃比センサ208とが設けられる。
上流側NOx濃度センサ204は、三元触媒22と窒素酸化物吸蔵触媒24との間に設けられ、窒素酸化物吸蔵触媒24へ流入する流入ガス中のNOxの濃度を検出し、検出結果を出力する。
下流側NOx濃度センサ206は、窒素酸化物吸蔵触媒24の下流側に設けられ、窒素酸化物吸蔵触媒24から流出する流出ガス中のNOxの濃度を検出し、検出結果を出力する。さらに、下流側NOx濃度センサ206は、窒素酸化物吸蔵触媒24から流出する流出ガスの空燃比を検出し、検出結果を出力する。
空燃比センサ208は、三元触媒22の上流側に設けられ、エンジン30から排出される排気の空燃比を検出し、検出結果を出力する。
制御装置100は、本発明に係る排気浄化装置の制御装置に相当する。制御装置100は、具体的には、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)及びCPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等で構成される。
制御装置100は、排気浄化システム1における各装置と通信を行う。制御装置100と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。なお、本実施形態に係る制御装置100が有する機能は複数の制御装置により分割されてもよく、その場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。
図2に示されるように、制御装置100は、例えば、取得部110と、制御部130とを備える。
取得部110は、制御部130が行う処理において用いられる各種情報を取得し、取得した情報を制御部130へ出力する。具体的には、取得部110は、エアフローメータ202、上流側NOx濃度センサ204、下流側NOx濃度センサ206及び空燃比センサ208とそれぞれ通信することによって、各センサから出力される検出結果を取得する。
制御部130は、取得部110により取得された情報を用いて各処理を実行する。図2に示されるように、制御部130は、例えば、NOx流入量算出部131と、NOx吸蔵量算出部132と、エンジン制御部133とを有する。
NOx流入量算出部131は、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの流量及び流入ガス中のNOxの濃度に基づいて、窒素酸化物吸蔵触媒24に単位時間あたりに流入するNOxの量に相当する窒素酸化物流入量(以下、NOx流入量とも称する。)を算出する。NOx流入量は、具体的には、流入ガスの流量に流入ガス中のNOxの濃度を乗じて得られる値である。
NOx吸蔵量算出部132は、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されているNOxの量であるNOx吸蔵量を算出する。
エンジン制御部133は、エンジン30の動作を制御する。具体的には、エンジン制御部133は、スロットルバルブ14の駆動、点火プラグ35の駆動及び燃料噴射弁38の駆動を制御する。それにより、エンジン30における燃焼が制御される。
ここで、エンジン制御部133は、燃料噴射弁38によって噴射される燃料の量を制御することによって、エンジン30の気筒31内の空燃比を制御する。それにより、エンジン制御部133は、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されたNOxを還元するために、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの空燃比を一時的にリッチにするリッチ化処理を実行することができる。
本実施形態に係るエンジン制御部133は、後述にて詳細に説明するように、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの流量及び流入ガス中のNOxの濃度に基づいて、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を制御する。具体的には、エンジン制御部133は、NOx流入量に基づいて、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を制御する。なお、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量は、具体的には、リッチ化処理の実行時の流入ガスの空燃比がリッチ化処理の非実行時の流入ガスの空燃比に対してどの程度低下したかを示す値に相当する。
<2.窒素酸化物吸蔵触媒によるNOxの還元作用>
続いて、図3~図5を参照して、窒素酸化物吸蔵触媒24によるNOxの還元作用の詳細について説明する。
図3は、通常時において窒素酸化物吸蔵触媒24によってNOxが還元される様子を示す模式図である。なお、本明細書では、NOx流入量が比較的大きい場合(具体的には、NOx流入量が後述する流入量閾値を超える場合)を高NOx時と呼び、それ以外の場合を通常時と呼ぶ。
窒素酸化物吸蔵触媒24によりNOxが吸蔵される過程では、NOxは窒素酸化物吸蔵触媒24において上流側から優先的に吸蔵されていく。その結果、図3に示されるように、窒素酸化物吸蔵触媒24における上流側にNOx吸蔵量が比較的大きな領域である吸蔵領域が形成され、窒素酸化物吸蔵触媒24における下流側にNOx吸蔵量が比較的小さくNOxの還元が行われる領域である還元領域が形成される。
まず、窒素酸化物吸蔵触媒24の上流端から流入した流入ガス中のNOxは、吸蔵領域において、例えば、図3に示されるように、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵材として含まれるバリウム(Ba)と反応してBa(NOとなって吸蔵される。このようなBaとNOxとの反応は、具体的には、窒素酸化物吸蔵触媒24に含まれる白金(Pt)により促進される。
そして、リッチ化処理が実行されると、図3に示されるように、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されていたNOxは流入ガス中で増加したCO及びHCと反応してNOとなり、窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離する。その後、窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOは、下流側へ移動して還元領域を通過しながら流入ガス中で増加したCO及びHCと反応して還元され、図3に示されるように、Nになって窒素酸化物吸蔵触媒24の下流端から排出される。
図4は、通常時及び高NOx時の各々についての窒素酸化物吸蔵触媒24におけるNOx吸蔵量の分布を示す模式図である。
上述したように、窒素酸化物吸蔵触媒24によりNOxが吸蔵される過程では、NOxは窒素酸化物吸蔵触媒24において上流側から優先的に吸蔵されていく。それにより、窒素酸化物吸蔵触媒24において、NOx吸蔵量は、図4に示されるように、下流側と比較して上流側で大きくなるように分布する。上述した窒素酸化物吸蔵触媒24における吸蔵領域は、NOx吸蔵量が基準値を超える領域に相当する。一方、上述した窒素酸化物吸蔵触媒24における還元領域は、NOx吸蔵量が基準値以下となる領域に相当する。
ここで、高NOx時には、通常時と比較して、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの流速が大きく、かつ、流入ガス中のNOxの濃度が高い状態となっている。ゆえに、図4に示されるように、高NOx時には、通常時と比較して、窒素酸化物吸蔵触媒24の上流端から流入した流入ガス中のNOxは窒素酸化物吸蔵触媒24の上流側において広範囲に亘って吸蔵される。よって、図4に示されるように、高NOx時には、通常時と比較して、窒素酸化物吸蔵触媒24における吸蔵領域が下流側へ拡大し、それに伴い還元領域が下流側へ縮小する。
図5は、高NOx時において窒素酸化物吸蔵触媒24によってNOxが還元される様子を示す模式図である。なお、図5では、本実施形態と異なり、高NOx時において、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を通常時と同程度にした場合の例が模式的に示されている。
図5に示されるように、高NOx時には、上述したように、図4に示される通常時と比較して、窒素酸化物吸蔵触媒24における吸蔵領域が下流側へ拡大しており、還元領域が下流側へ縮小している。ゆえに、リッチ化処理の実行時において、流入ガス中で増加したCO及びHCによって窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOが還元領域に進入してから還元領域を通り抜け終わるまでの時間は、通常時と比較して短くなる。また、高NOx時には、通常時と比較して、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの流速が大きいことも、窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOが還元領域に進入してから還元領域を通り抜け終わるまでの時間が短くなる要因となる。それにより、窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOxは、通常時と比較して、還元されにくくなる。
ここで、通常時であるか高NOx時であるかにかかわらずリッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を一定量とした場合、図5に示されるように、窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離した一部のNOが還元されずに窒素酸化物吸蔵触媒24の下流端から排出されることが生じ得る。一方、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を高NOx時に窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOxを還元するために必要な量となる程度に大きな値に設定した場合には、通常時において、リッチ化処理による燃料消費量が窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されたNOxを還元するために必要な量に対して過剰になり、燃費が悪化する。
そこで、本実施形態に係る制御装置100は、通常時と高NOx時との間で、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を異ならせるように制御することによって、NOxの車外への排出を抑制しつつ、燃費を向上させることを可能とする。以下では、このような制御装置100による制御の詳細について説明する。
<3.制御装置の動作>
続いて、図6を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置100の動作について説明する。
図6は、本実施形態に係る制御装置100が行う処理の流れの一例を示すフローチャートである。図6に示される制御フローは、例えば、あらかじめ設定された時間間隔で繰り返される。
図6に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS501において、制御部130は、判定フラグが1であるか否かを判定する。判定フラグが1であると判定された場合(ステップS501/YES)、ステップS517へ進む。一方、判定フラグが1でない(つまり、判定フラグが0である)と判定された場合(ステップS501/NO)、ステップS503へ進む。
判定フラグは、現在が通常時であるか高NOx時であるかを判定するためのフラグであり、0又は1のいずれか一方の値をとる。判定フラグが0の場合に現在が通常時であると判定され、判定フラグが1の場合に現在が高NOx時であると判定される。判定フラグは、制御装置100の記憶素子に記憶されており、例えば、判定フラグの初期値(例えば、車両の電源システムの始動時における値)は0に設定されている。
ステップS503において、NOx流入量算出部131は、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの流量及び流入ガス中のNOxの濃度に基づいて、窒素酸化物吸蔵触媒24に単位時間あたりに流入するNOxの量に相当するNOx流入量を算出する。
NOx流入量算出部131は、例えば、エアフローメータ202により検出される吸気量及び燃料噴射弁38により噴射される燃料の量に基づいて、流入ガスの流量を算出する。また、NOx流入量算出部131は、例えば、上流側NOx濃度センサ204により検出される値を流入ガス中のNOxの濃度として用いる。そして、NOx流入量算出部131は、例えば、流入ガスの流量に流入ガス中のNOxの濃度を乗じて得られる値をNOx流入量として算出する。
次に、ステップS505において、制御部130は、NOx流入量が流入量閾値を超えているか否かを判定する。NOx流入量が流入量閾値を超えていると判定された場合(ステップS505/YES)、ステップS515へ進む。一方、NOx流入量が流入量閾値を超えていないと判定された場合(ステップS505/NO)、ステップS507へ進む。
流入量閾値は、リッチ化処理を実行した際に窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOxが顕著に還元されにくくなる程度に窒素酸化物吸蔵触媒24における還元領域が縮小しているか否かを判定し得る値に設定される。制御部130は、NOx流入量が流入量閾値を超えていると判定された場合(ステップS505でYESと判定された場合)、現在が高NOx時であると判定する。一方、制御部130は、NOx流入量が流入量閾値を超えていないと判定された場合(ステップS505でNOと判定された場合)、現在が通常時であると判定する。
制御部130は、例えば、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵され得るNOxの最大量に応じた値を流入量閾値として用いる。窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵され得るNOxの最大量は、窒素酸化物吸蔵触媒24の仕様又は温度等に応じて変化し得る。ゆえに、例えば、流入量閾値として、窒素酸化物吸蔵触媒24の仕様に応じた値が制御装置100の記憶素子に予め記憶されていてもよい。また、例えば、制御部130は、流入量閾値として用いる値を窒素酸化物吸蔵触媒24の温度に応じて適宜変化させてもよい。
以下では、ステップS505でNOと判定された場合における処理の流れについて説明した後に、ステップS505でYESと判定された場合における処理の流れについて説明する。
ステップS505でNOと判定された場合(つまり、現在が通常時であると判定された場合)、ステップS507において、制御部130は、NOx吸蔵量が第1吸蔵量閾値を超えているか否かを判定する。NOx吸蔵量が第1吸蔵量閾値を超えていると判定された場合(ステップS507/YES)、ステップS509へ進む。一方、NOx吸蔵量が第1吸蔵量閾値を超えていないと判定された場合(ステップS507/NO)、ステップS503へ戻る。
NOx吸蔵量は、具体的には、NOx吸蔵量算出部132によって算出される。例えば、NOx吸蔵量算出部132は、エアフローメータ202により検出される吸気量、上流側NOx濃度センサ204により検出される流入ガス中のNOxの濃度、及び、下流側NOx濃度センサ206により検出される流出ガス中のNOxの濃度に基づいて、NOx吸蔵量の単位時間あたりの増量を算出する。NOx吸蔵量算出部132は、このように算出されたNOx吸蔵量の増量を累積することによって、各時刻におけるNOx吸蔵量を算出する。
第1吸蔵量閾値は、通常時において、窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力を回復する必要が生じる程度までNOx吸蔵能力が低下したか否かを判定し得る値に設定される。第1吸蔵量閾値は、例えば、制御装置100の記憶素子に予め記憶されている。
ステップS509において、エンジン制御部133は、通常時リッチ化処理を開始する。通常時リッチ化処理は、判定フラグが0となっている通常時におけるリッチ化処理を意味し、後述する高NOx時リッチ化処理と比較して、流入ガスの空燃比の変化量について異なる。
具体的には、エンジン制御部133は、通常時リッチ化処理において、リッチ化処理の非実行時と比較して、燃料噴射弁38によって噴射される燃料の量を増加させることによって、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの空燃比を一時的にリッチにする。それにより、流入ガス中で還元剤として作用するCO及びHCを増加させることができるので、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されているNOxの脱離及び還元を促進させることができる。
ここで、通常時リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量(具体的には、リッチ化処理の非実行時の流入ガスの空燃比に対する低下量)は、後述する高NOx時リッチ化処理と比較して小さい。
また、エンジン制御部133は、例えば、エンジン30に吸入される吸気の流量、窒素酸化物吸蔵触媒24におけるNOx吸蔵量、及び窒素酸化物吸蔵触媒24の温度のうちの少なくとも1つのパラメータに基づいて、通常時リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を制御する。具体的には、エンジン制御部133は、通常時リッチ化処理によって窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力を適切に回復させ得るように、通常時リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を上記のパラメータのうちの少なくとも1つに基づいて制御する。
次に、ステップS511において、制御部130は、窒素酸化物吸蔵触媒24から流出する流出ガスの空燃比が第1空燃比閾値を下回ったか否かを判定する。流出ガスの空燃比が第1空燃比閾値を下回ったと判定された場合(ステップS511/YES)、ステップS513へ進む。一方、流出ガスの空燃比が第1空燃比閾値を下回っていないと判定された場合(ステップS511/NO)、ステップS511の判定処理が繰り返される。
制御部130は、例えば、下流側NOx濃度センサ206により検出される値を流出ガスの空燃比として用いる。第1空燃比閾値は、通常時リッチ化処理によって、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されたNOxの還元及び窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力の回復が完了したか否かを判定し得る値に設定され、例えば、理論空燃比より低い値に設定される。
ステップS513において、エンジン制御部133は、通常時リッチ化処理を終了する。
具体的には、エンジン制御部133は、通常時リッチ化処理の終了時において、燃料噴射弁38によって噴射される燃料の量をリッチ化処理の非実行時における量に戻すことにより、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの空燃比をリッチ化処理の非実行時における空燃比に戻す。それにより、通常時リッチ化処理が終了する。
次に、図6に示される制御フローは終了する。
続いて、ステップS505でYESと判定された場合における処理の流れについて説明する。
ステップS505でYESと判定された場合(つまり、現在が高NOx時であると判定された場合)、ステップS515において、制御部130は、判定フラグを1に書き換える。
次に、ステップS517において、制御部130は、NOx吸蔵量が第2吸蔵量閾値を超えているか否かを判定する。NOx吸蔵量が第2吸蔵量閾値を超えていると判定された場合(ステップS517/YES)、ステップS519へ進む。一方、NOx吸蔵量が第2吸蔵量閾値を超えていないと判定された場合(ステップS517/NO)、ステップS517の判定処理が繰り返される。
第2吸蔵量閾値は、高NOx時において、窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力を回復する必要が生じる程度までNOx吸蔵能力が低下したか否かを判定し得る値に設定される。第2吸蔵量閾値は、例えば、制御装置100の記憶素子に予め記憶されている。
制御部130は、例えば、第2吸蔵量閾値として、ステップS507における第1吸蔵量閾値よりも小さな値を用いる。このように、制御部130は、NOx流入量が流入量閾値を超える場合に、NOx流入量が流入量閾値以下である場合と比較して、小さな値を吸蔵量閾値として用いることが好ましい。
ステップS519において、エンジン制御部133は、高NOx時リッチ化処理を開始する。高NOx時リッチ化処理は、判定フラグが1となっている高NOx時におけるリッチ化処理を意味し、上述した通常時リッチ化処理と比較して、流入ガスの空燃比の変化量について異なる。
具体的には、エンジン制御部133は、高NOx時リッチ化処理において、上述した通常時リッチ化処理と同様に、リッチ化処理の非実行時と比較して、燃料噴射弁38によって噴射される燃料の量を増加させることによって、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの空燃比を一時的にリッチにする。それにより、流入ガス中で還元剤として作用するCO及びHCを増加させることができるので、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されているNOxの脱離及び還元を促進させることができる。
ここで、高NOx時リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量(具体的には、リッチ化処理の非実行時の流入ガスの空燃比に対する低下量)は、上述した通常時リッチ化処理と比較して大きい。このように、エンジン制御部133は、NOx流入量が流入量閾値を超える場合に、NOx流入量が流入量閾値以下である場合と比較して、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を大きくする。
また、エンジン制御部133は、例えば、上述した通常時リッチ化処理と同様に、エンジン30に吸入される吸気の流量、窒素酸化物吸蔵触媒24におけるNOx吸蔵量、及び窒素酸化物吸蔵触媒24の温度のうちの少なくとも1つのパラメータに基づいて、高NOx時リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を制御する。具体的には、エンジン制御部133は、高NOx時リッチ化処理によって窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力を適切に回復させ得るように、高NOx時リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を上記のパラメータのうちの少なくとも1つに基づいて制御する。
次に、ステップS521において、制御部130は、窒素酸化物吸蔵触媒24から流出する流出ガスの空燃比が第2空燃比閾値を下回ったか否かを判定する。流出ガスの空燃比が第2空燃比閾値を下回ったと判定された場合(ステップS521/YES)、ステップS523へ進む。一方、流出ガスの空燃比が第2空燃比閾値を下回っていないと判定された場合(ステップS521/NO)、ステップS521の判定処理が繰り返される。
第2空燃比閾値は、高NOx時リッチ化処理によって、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されたNOxの還元及び窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力の回復が完了したか否かを判定し得る値に設定され、例えば、理論空燃比より低い値に設定される。
制御部130は、例えば、第2空燃比閾値として、ステップS511における第1空燃比閾値よりも小さな値を用いる。このように、制御部130は、NOx流入量が流入量閾値を超える場合に、NOx流入量が流入量閾値以下である場合と比較して、小さな値を空燃比閾値として用いることが好ましい。
ステップS523において、エンジン制御部133は、高NOx時リッチ化処理を終了する。
具体的には、エンジン制御部133は、高NOx時リッチ化処理の終了時において、上述した通常時リッチ化処理の終了時と同様に、燃料噴射弁38によって噴射される燃料の量をリッチ化処理の非実行時における量に戻すことにより、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの空燃比をリッチ化処理の非実行時における空燃比に戻す。それにより、高NOx時リッチ化処理が終了する。
次に、図6に示される制御フローは終了する。
<4.制御装置の効果>
続いて、本発明の実施形態に係る制御装置100の効果について説明する。
本実施形態に係る制御装置100では、制御部130は、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの流量及び流入ガス中のNOxの濃度に基づいて、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を制御する。上述したように、窒素酸化物吸蔵触媒24において下流側に形成されNOxの還元が行われる還元領域は、流入ガスの流量及び流入ガス中のNOxの濃度の増大に伴って下流側へ縮小する。それにより、リッチ化処理を実行した際に窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOxが還元されにくくなる。
ここで、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を大きくすることによって、リッチ化処理による流入ガス中のCO及びHCの増加量を増大させることができるので、還元領域が縮小した場合であっても、NOxを適切に還元することができる。ゆえに、流入ガスの流量及び流入ガス中のNOxの濃度に基づいてリッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を制御することによって、窒素酸化物吸蔵触媒24における還元領域の大きさの変化に応じて、リッチ化処理による流入ガス中のCO及びHCの増加量を変化させることができる。よって、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されているNOxをリッチ化処理により適切に還元しつつ、リッチ化処理が行われることに伴い燃料消費量が過剰になることを抑制することができる。したがって、NOxの車外への排出を抑制しつつ、燃費を向上させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部130は、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの流量及び流入ガス中のNOxの濃度に基づいて、窒素酸化物吸蔵触媒24に単位時間あたりに流入するNOxの量に相当するNOx流入量を算出し、NOx流入量が流入量閾値を超える場合に、NOx流入量が流入量閾値以下である場合と比較して、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を大きくすることが好ましい。それにより、窒素酸化物吸蔵触媒24における還元領域が縮小し、リッチ化処理において窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOxが顕著に還元されにくくなっている高NOx時に、リッチ化処理による流入ガス中のCO及びHCの増加量を適切に増大させることによって、NOxを適切に還元することができる。一方、高NOx時と比較してリッチ化処理において窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOxが還元されやすくなっている通常時に、リッチ化処理における燃料消費量が窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されたNOxを還元させるために必要な量を超える程度を適切に抑制することができる。よって、NOxの車外への排出をより適切に抑制しつつ、燃費をより適切に向上させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部130は、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵され得るNOxの最大量に応じた値を流入量閾値として用いることが好ましい。それにより、リッチ化処理を実行した際に窒素酸化物吸蔵触媒24から脱離したNOxが還元されにくくなる程度を、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵され得るNOxの最大量に応じて適切に判定することができる。ゆえに、現在が通常時であるか高NOx時であるかの判定を窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵され得るNOxの最大量に応じてより適切に行うことができ、実行されるリッチ化処理を通常時リッチ化処理と高NOx時リッチ化処理との間でより適切に切り替えることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部130は、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されているNOxの量(つまり、NOx吸蔵量)が吸蔵量閾値を超える場合にリッチ化処理を実行し、NOx流入量が流入量閾値を超える場合に、NOx流入量が流入量閾値以下である場合と比較して、小さな値を吸蔵量閾値として用いることが好ましい。高NOx時には、通常時と比較して、窒素酸化物吸蔵触媒24に単位時間あたりに流入するNOxの量に相当するNOx流入量が大きな状態となっているので、NOx吸蔵量が増加しやすい。よって、高NOx時に用いられる吸蔵量閾値である第2吸蔵量閾値を通常時に用いられる吸蔵量閾値である第1吸蔵量閾値よりも小さくすることによって、高NOx時においてリッチ化処理が実行される頻度を通常時と比較して増大させることができるので、高NOx時に窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力が不足することを抑制することができ、NOxの車外への排出を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部130は、リッチ化処理の開始後、窒素酸化物吸蔵触媒24から流出する流出ガスの空燃比が空燃比閾値を下回った場合にリッチ化処理を終了し、NOx流入量が流入量閾値を超える場合に、NOx流入量が流入量閾値以下である場合と比較して、小さな値を空燃比閾値として用いることが好ましい。上述したように、高NOx時には、通常時と比較して、NOx吸蔵量が増加しやすい。よって、高NOx時に用いられる空燃比閾値である第2空燃比閾値を通常時に用いられる空燃比閾値である第1空燃比閾値よりも小さくすることによって、高NOx時リッチ化処理によって窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力を回復させる効果をより向上させることができるので、高NOx時に窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力が不足することを抑制することができ、NOxの車外への排出を効果的に抑制することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部130は、エンジン30に吸入される吸気の流量、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されているNOxの量(つまり、NOx吸蔵量)、及び窒素酸化物吸蔵触媒24の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を制御することが好ましい。それにより、リッチ化処理によって窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力を上記のパラメータのうちの少なくとも1つに基づいて適切に回復させることができる。ゆえに、窒素酸化物吸蔵触媒24のNOx吸蔵能力が不足することを抑制することができ、NOxの車外への排出を効果的に抑制することができる。
<5.むすび>
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置100では、制御部130は、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの流量及び流入ガス中のNOxの濃度に基づいて、リッチ化処理における流入ガスの空燃比の変化量を制御する。それにより、窒素酸化物吸蔵触媒24における還元領域の大きさの変化に応じて、リッチ化処理による流入ガス中のCO及びHCの増加量を変化させることができる。よって、窒素酸化物吸蔵触媒24に吸蔵されているNOxをリッチ化処理により適切に還元しつつ、リッチ化処理が行われることに伴い燃料消費量が過剰になることを抑制することができる。したがって、NOxの車外への排出を抑制しつつ、燃費を向上させることができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。
また、例えば、上記では、リッチ化処理において、リッチ化処理の非実行時と比較して、燃焼室32に向けて燃料を噴射する燃料噴射弁38によって噴射される燃料の量を増加させる例を説明したが、リッチ化処理は他の方法によって行われてもよい。例えば、制御装置100が適用される排気浄化システムにおいて排気通路20の窒素酸化物吸蔵触媒24より上流側の部分に向けて燃料を噴射する噴射装置が設けられる場合、制御装置100は、リッチ化処理において、当該噴射装置に燃料を噴射させることによって、窒素酸化物吸蔵触媒24に流入する流入ガスの空燃比を一時的にリッチにしてもよい。
1 排気浄化システム
10 吸気通路
12 エアクリーナ
14 スロットルバルブ
15 インテークマニホールド
16 サージタンク
20 排気通路
21 エキゾーストマニホールド
22 三元触媒
24 窒素酸化物吸蔵触媒
30 エンジン
31 気筒
32 燃焼室
33 ピストン
35 点火プラグ
36 吸気バルブ
37 排気バルブ
38 燃料噴射弁
40 燃料タンク
50 フィードポンプ
60 排気浄化装置
100 制御装置
110 取得部
130 制御部
131 NOx流入量算出部
132 NOx吸蔵量算出部
133 エンジン制御部
202 エアフローメータ
204 上流側NOx濃度センサ
206 下流側NOx濃度センサ
208 空燃比センサ

Claims (6)

  1. エンジンから排出される排気が通過する排気通路に設けられ、前記排気中の窒素酸化物を吸蔵可能な窒素酸化物吸蔵触媒を備える排気浄化装置の制御装置であって、
    前記窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵された前記窒素酸化物を還元するために、前記窒素酸化物吸蔵触媒に流入する流入ガスの空燃比を一時的にリッチにするリッチ化処理を実行する制御部を備え、
    前記制御部は、
    前記流入ガスの流量及び前記流入ガス中の前記窒素酸化物の濃度に基づいて、前記窒素酸化物吸蔵触媒に単位時間あたりに流入する前記窒素酸化物の量に相当する窒素酸化物流入量を算出し、
    前記窒素酸化物流入量に基づいて、前記リッチ化処理における前記流入ガスの空燃比の変化量を制御する、
    排気浄化装置の制御装置。
  2. 前記制御部は、前記窒素酸化物流入量が流入量閾値を超える場合に、前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値以下である場合と比較して、前記リッチ化処理における前記流入ガスの空燃比の変化量を大きくする、
    請求項1に記載の排気浄化装置の制御装置。
  3. 前記制御部は、前記窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵され得る前記窒素酸化物の最大量に応じた値を前記流入量閾値として用いる、
    請求項2に記載の排気浄化装置の制御装置。
  4. 前記制御部は、
    前記窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵されている前記窒素酸化物の量が吸蔵量閾値を超える場合に前記リッチ化処理を実行し、
    前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値を超える場合に、前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値以下である場合と比較して、小さな値を前記吸蔵量閾値として用いる、
    請求項2又は3に記載の排気浄化装置の制御装置。
  5. 前記制御部は、
    前記リッチ化処理の開始後、前記窒素酸化物吸蔵触媒から流出する流出ガスの空燃比が空燃比閾値を下回った場合に前記リッチ化処理を終了し、
    前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値を超える場合に、前記窒素酸化物流入量が前記流入量閾値以下である場合と比較して、小さな値を前記空燃比閾値として用いる、
    請求項2~4のいずれか一項に記載の排気浄化装置の制御装置。
  6. 前記制御部は、前記エンジンに吸入される吸気の流量、前記窒素酸化物吸蔵触媒に吸蔵されている前記窒素酸化物の量、及び前記窒素酸化物吸蔵触媒の温度のうちの少なくとも1つに基づいて、前記リッチ化処理における前記流入ガスの空燃比の変化量を制御する、
    請求項1~5のいずれか一項に記載の排気浄化装置の制御装置。
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