JP7120979B2 - ニッケル水素二次電池及びニッケル水素二次電池の製造方法 - Google Patents
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Description
上記構成によれば、ニッケル水素二次電池は、正極板及び負極板が交互に重ねられる構成であるため、極板の最短距離を調整しやすく、且つ最短距離のばらつきも生じにくい。このため、1枚の負極板における反応ムラを抑制することができるだけでなく、極板群を構成する複数の負極板の間においても、反応ムラを抑制する効果を同等とすることができるので、コバルトを減少させても良好な電池特性を得ることができる。
以下、ニッケル水素二次電池について、その一実施形態を説明する。
ニッケル水素二次電池は、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)を正極活物質とする正極と、水素吸蔵合金を負極活物質とする負極とを備える。
正極板15について説明する。正極板15は、基材と、基材に設けられた正極合剤とを有している。基材は、正極合剤を保持する機能と、集電体の機能とを有する。正極合剤は、水酸化ニッケル(Ni(OH)2)を主成分とする正極活物質、導電材、増粘材、結着材等を含んでいる。正極活物質の粒子は、水酸化ニッケル粒子の表面に設けられた被覆層を有している。この被覆層は、オキシ水酸化コバルト(CoOOH)を主成分とする。また、正極合剤に含まれるコバルトは、ニッケル水素二次電池が初めて充電されると、電気化学的に酸化されてオキシ水酸化コバルトとして析出する。充電前に形成された被覆層と、充電後に析出したオキシ水酸化コバルトにより、高密度な層が形成される。
次に、電解液について説明する。電解液は、セパレータ17に保持される。セパレータ17の材料は特に限定されないが、例えば不織布、多数の微細な孔が設けられた樹脂製の膜、その他の液体を保持可能なシート、又はそれらの組み合わせである。電解液は、水酸化カリウム(KOH)を溶質の主成分とするアルカリ性水溶液であり、少なくともタングステン元素(W)を含んでいる。タングステン元素は、溶質であるタングステン化合物に含有されるものである。
負極板16について説明する。負極板16は、基材と、基材に設けられた負極合剤とを備えている。
図3を参照して、反応ムラの測定方法について説明する。反応ムラは、VSM(Vibrating Sample Magnetometer)を用いて、1枚の負極板16における複数のポイントの磁化特性を測定することによって特定することができる。ニッケルは、水素吸蔵合金を構成する他の元素と合金化された状態にあっては磁性体としての性質を有さないものの、合金化の状態から非合金化の状態へと遷移することによって、非磁性体から強磁性体へと変化する。このため充電及び放電を1サイクルとする工程を複数繰り返した負極の磁化率を測定することにより、ニッケルの析出の度合い、つまり微粉化の進行度合いを評価することができる。また、同じ負極板16の複数箇所において磁化率が異なれば、反応ムラが生じており、磁化率のばらつきが大きくなるほど、反応ムラの度合いが大きいといえる。本実施形態において負極の磁化率のばらつきを測定する場合には、図3のように、負極板16の基材16bの一方の面に設けられた負極合剤層16cを6つの領域16A~16F等の複数の領域に分け、各領域の水素吸蔵合金の磁化率をそれぞれ測定する。そして、領域16A~16Fの磁化率のうち、最小値に対する最大値の比を磁化率のばらつきとし、磁化率のばらつきを反応ムラとする。
コバルトの割合は、水素吸蔵合金に含有される金属元素の各々の物質量(mol)の合計に対する物質量(mol)の百分率で表すとき、コバルトのモル比率(mol%)は、0mol%超0.2mol%未満であることが好ましい。
さらに、極間距離は、200μm以下であることが好ましい。なお、極間距離の最小値は、正極板15及び負極板16の間に介在するセパレータ17の厚さ以上であり、各電池に採用されるセパレータ17によって異なる。
極間距離が75μm以下である場合、タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上であることが好ましく、極間距離が75μm超100μm以下である場合、タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であることが好ましく、極間距離が100μm超150μm以下である場合タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上であることが好ましく、極間距離が150μm超200μm以下である場合タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上であることが好ましい。
極間距離が100μm以下である場合タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上であることが好ましく、極間距離が100μm超150μm以下である場合タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であることが好ましく、極間距離が150μm超200μm以下である場合タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上であることが好ましい。なお、極間距離が100μm未満である場合には、極間距離が十分短いために電子の授受が行われやすく、電解液にタングステン元素を含有させることで反応ムラ解消効果は若干大きくなるものの、電解液にタングステン元素を含有させなくても基準とするニッケル水素二次電池と同等の効果が得られる。
極間距離が150μm以下である場合タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上であることが好ましく、極間距離が150μm超200μm以下である場合タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であることが好ましい。なお、極間距離が150μm未満である場合には、極間距離が十分短いために電子の授受が行われやすく、電解液にタングステン元素を含有させることで反応ムラ解消効果は若干大きくなるものの、電解液にタングステン元素を含有させなくても基準とするニッケル水素二次電池と同等の効果が得られる。
極間距離が200μm以下である場合においては、電解液にタングステン元素を含有させることで反応ムラ解消効果は若干大きくなる。
第1実施形態の効果について説明する。
次に、第2実施形態について説明する。第2実施形態は、電解液にタングステン元素を含有させる点で第1実施形態と共通するが、負極板の負極合剤層の厚さを表面及び裏面で異ならせる点で相違する。以下では、主に第1実施形態と相違する構成について詳細に説明することとし、説明の便宜上、同様の構成については詳細な説明を割愛する。
コバルトの割合は、水素吸蔵合金に含有される金属元素の各々の物質量(mol)の合計に対する物質量(mol)の百分率で表すとき、第1実施形態と同様に0mol%超0.2mol%未満であることが好ましい。また、タングステン元素の重量比率も、第1実施形態と同様に、0.1重量%以上1.0重量%以下であることが好ましい。
コバルトのモル比率、タングステン元素の重量比率、及び偏肉度を上記範囲にすることによって、水素吸蔵合金に対するコバルトの割合を減少させつつ、反応ムラを抑制する効果を得ることができるが、タングステン元素の重量比率及び偏肉度を以下の範囲にすることによってさらに反応ムラを抑制する効果を得ることができる。以下のタングステン元素の重量比率及び極間距離の範囲は、水素吸蔵合金におけるコバルトのモル比率が0.2mol%、偏肉度が0%、電解液にタングステン元素を含有しないニッケル水素二次電池と同等の反応ムラを抑制する効果が得られるように決定している。
偏肉度が20%である場合、タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上であることが好ましく、偏肉度が20%超40%以下である場合、タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上であることが好ましく、偏肉度が40%超60%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.7重量%以上であることが好ましく、偏肉度が60%超80%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.8重量%以上であることが好ましく、偏肉度が80%超100%以下である場合タングステン元素の重量比率が1.0重量%であることが好ましい。
偏肉度が20%である場合、タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上であることが好ましく、偏肉度が20%超40%以下である場合、タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上であることが好ましく、偏肉度が40%超60%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上であることが好ましく、偏肉度が60%超80%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.7重量%以上であることが好ましく、偏肉度が80%超100%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.8重量%以上であることが好ましい。
偏肉度が20%である場合、タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であることが好ましく、偏肉度が20%超40%以下である場合、タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上であることが好ましく、偏肉度が40%超60%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上であることが好ましく、偏肉度が60%超80%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上であることが好ましく、偏肉度が80%超100%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.7重量%以上であることが好ましい。
偏肉度が20%である場合、タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上であることが好ましく、偏肉度が20%超40%以下である場合、タングステン元素の重量比率が0.2重量%以上であることが好ましく、偏肉度が40%超60%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であることが好ましく、偏肉度が60%超80%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上であることが好ましく、偏肉度が80%超100%以下である場合タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上であることが好ましい。
第2実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
・上記各実施形態では、電槽13内に6つの電池セル12を収容したが、電池セル12は1つでもよく、6つ以外の複数であってもよい。
<電池の作製>
(実施例1)
コバルトのモル比率が0.05mol%であるMmNi5-x(Co,Mn,Al)x系合金粉末、増粘材、結着材を添加して混錬し、負極合剤ペーストを形成した。また、負極合剤ペーストを、長尺状の金属基材(パンチングメタル)の両面に塗布した後、乾燥及び圧延し、所定の大きさに切断することにより負極板を作製した。
極間距離を100μmとするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.3重量%とし、それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
極間距離を150μmとするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.5重量%とし、それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作成した。それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
極間距離を200μmとするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.6重量%とし、それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作成した。それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
コバルトのモル比率を0.1mol%とし、極間距離を100μmとするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.1重量%とし、それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
極間距離を150μmとするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.3重量%とし、それ以外は実施例5と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
極間距離を200μmとするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.4重量%とし、それ以外は実施例5と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
コバルトのモル比率を0.15mol%とし、極間距離を150μmとするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.1重量%とし、それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
極間距離を200μmとするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.3重量%とし、それ以外は実施例8と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
負極合剤ペーストを、乾燥後に偏肉度が20%となるように基材に塗布した。基材の両面に塗布する負極合剤の重量及び体積は、実施例1と同じとした。また、コバルトのモル比率を0.05mol%とし、タングステン元素の重量比率を0.5重量%とし、それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作製した。
偏肉度を40%とするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.6重量%とし、それ以外は実施例10と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
偏肉度を60%とするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.7重量%とし、それ以外は実施例10と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
偏肉度を80%とするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を0.8重量%とし、それ以外は実施例10と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
偏肉度を100%とするとともに、電解液に含まれるタングステン元素の重量比率を1.0重量%とし、それ以外は実施例10と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
水素吸蔵合金のコバルトのモル比率を0.2mol%、極間距離を200μmとし、タングステン元素を含めない電解液を電槽に注入した。それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
水素吸蔵合金のコバルトのモル比率を0.2mol%、偏肉度を20%とし、タングステン元素を含めない電解液を電槽に注入した。それ以外は実施例1と同様にニッケル水素二次電池を作成した。
得られたニッケル水素二次電池について、25℃の温度下で、電流値3CでSOCが0%から60%になるまで充電を行い、同じ条件でSOCが60%から0%になるまで放電を行った。1回の充電及び1回の放電を1サイクルとし、これを500回繰り返した。そして、ニッケル水素二次電池を分解して、負極板を取り出し、負極合剤層を仮想的に6つの領域に等分し、各領域においてサンプルを採取し、VSM(東英工業製、製品名:小型全自動振動試料型磁力計VSM-C7-10A)を用いて磁化率を測定した。
Claims (5)
- 正極合剤を備える正極板、水素吸蔵合金を含む負極合剤を備える負極板及び電解液を備えるニッケル水素二次電池において、
前記水素吸蔵合金はコバルトを0mol%超0.2mol%未満含み、
前記電解液は、前記正極合剤に含まれる正極活物質の重量に対して1.0重量%以下のタングステン元素を含むとともに、
前記コバルトのモル比率が0mol%超0.05mol%以下である場合に、前記正極板及び前記負極板の最短距離である極間距離が75μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上であり、前記極間距離が75μm超100μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であり、前記極間距離が100μm超150μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上であり、前記極間距離が150μm超200μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上であって、
前記コバルトのモル比率が0.05mol%超0.1mol%以下の場合に、前記極間距離が100μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上であり、前記極間距離が100μm超150μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であり、前記極間距離が150μm超200μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上であって、
前記コバルトのモル比率が0.1mol%超0.15mol%以下の場合に、前記極間距離が150μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上であり、前記極間距離が150μm超200μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であって、
前記コバルトのモル比率が0.15mol%超0.2mol%未満の場合に、前記極間距離が200μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上である
ニッケル水素二次電池。 - 複数の前記正極板及び複数の前記負極板がセパレータを介して交互に積層された電極群を有する
請求項1に記載のニッケル水素二次電池。 - 正極合剤を備える正極板、水素吸蔵合金を含む負極合剤を有する負極板及び電解液を備えるニッケル水素二次電池において、
前記水素吸蔵合金はコバルトを0mol%超0.2mol%未満含み、
前記電解液は、前記正極合剤に含まれる正極活物質の重量に対して1.0重量%以下のタングステン元素を含むとともに、
前記負極板は基材の両面に負極合剤を備え、一方の面に設けられた前記負極合剤の厚さをA、他方の面に設けられた前記負極合剤の厚さをBとするとき(A≧B)、前記厚さA及び前記厚さBの和に対する前記厚さA及び厚さBの差の百分率を偏肉度とし、
前記コバルトのモル比率が0mol%超0.05mol%以下の場合、前記偏肉度が20%であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上であり、前記偏肉度が20%超40%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上であり、前記偏肉度が40%超60%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.7重量%以上であり、前記偏肉度が60%超80%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.8重量%以上であり、前記偏肉度が80%超100%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が1.0重量%であって、
前記コバルトのモル比率が0.05mol%超0.1mol%以下の場合、前記偏肉度が20%であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上であり、前記偏肉度が20%超40%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上であり、前記偏肉度が40%超60%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上であり、前記偏肉度が60%超80%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.7重量%以上であり、前記偏肉度が80%超100%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.8重量%以上であって、
前記コバルトのモル比率が0.1mol%超0.15mol%以下の場合、前記偏肉度が20%であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であり、前記偏肉度が20%超40%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上であり、前記偏肉度が40%超60%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上であり、前記偏肉度が60%超80%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上であり、前記偏肉度が80%超100%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.7重量%以上であって、
前記コバルトのモル比率が0.15mol%超0.2mol%未満の場合、前記偏肉度が20%であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上であり、前記偏肉度が20%超40%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.2重量%以上であり、前記偏肉度が40%超60%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上であり、前記偏肉度が60%超80%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上であり、前記偏肉度が80%超100%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上である
ニッケル水素二次電池。 - 正極合剤を備える正極板、水素吸蔵合金を含む負極合剤を備える負極板及び電解液を備えるニッケル水素二次電池の製造方法において、
コバルトを合金として0mol%超0.2mol%未満含む前記水素吸蔵合金と、前記正極合剤に含まれる正極活物質の重量に対して1.0重量%以下のタングステン元素を含む電解液とを用いるとともに、
前記コバルトのモル比率が0mol%超0.05mol%以下である場合に、前記正極板及び前記負極板の最短距離である極間距離が75μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.1重量%以上とし、前記極間距離が75μm超100μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.3重量%以上とし、前記極間距離が100μm超150μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.5重量%以上とし、前記極間距離が150μm超200μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.6重量%以上であって、
前記コバルトのモル比率が0.05mol%超0.1mol%以下の場合に、前記極間距離が100μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.1重量%以上とし、前記極間距離が100μm超150μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.3重量%以上とし、前記極間距離が150μm超200μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.4重量%以上とし、
前記コバルトのモル比率が0.1mol%超0.15mol%以下の場合に、前記極間距離が150μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.1重量%以上でとし、前記極間距離が150μm超200μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.3重量%以上とし、
前記コバルトのモル比率が0.15mol%超0.2mol%未満の場合に、前記極間距離が200μm以下であるとき前記タングステン元素の重量比率を0.1重量%以上とする
ニッケル水素二次電池の製造方法。 - 正極合剤を備える正極板、水素吸蔵合金を含む負極合剤を備える負極板及び電解液を備えるニッケル水素二次電池の製造方法において、
コバルトを合金として0mol%超0.2mol%未満含む前記水素吸蔵合金と、前記正極合剤に含まれる正極活物質の重量に対して1.0重量%以下のタングステン元素を含む電解液とを用いるとともに、
前記負極板の一方の面に設けられた負極合剤の厚さをA、他方の面に設けられた前記負極合剤の厚さをBとするとき(A≧B)、前記厚さA及び前記厚さBの和に対する前記厚さA及び厚さBの差の百分率を偏肉度とし、
前記コバルトのモル比率が0mol%超0.05mol%以下の場合、前記偏肉度が20%であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上とし、前記偏肉度が20%超40%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上とし、前記偏肉度が40%超60%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.7重量%以上とし、前記偏肉度が60%超80%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.8重量%以上とし、前記偏肉度が80%超100%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が1.0重量%とし、
前記コバルトのモル比率が0.05mol%超0.1mol%以下の場合、前記偏肉度が20%であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上とし、前記偏肉度が20%超40%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上とし、前記偏肉度が40%超60%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上とし、前記偏肉度が60%超80%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.7重量%以上とし、前記偏肉度が80%超100%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.8重量%以上とし、
前記コバルトのモル比率が0.1mol%超0.15mol%以下の場合、前記偏肉度が20%であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上とし、前記偏肉度が20%超40%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上とし、前記偏肉度が40%超60%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上とし、前記偏肉度が60%超80%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.6重量%以上とし、前記偏肉度が80%超100%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.7重量%以上とし、
前記コバルトのモル比率が0.15mol%超0.2mol%未満の場合、前記偏肉度が20%であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.1重量%以上とし、前記偏肉度が20%超40%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.2重量%以上とし、前記偏肉度が40%超60%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.3重量%以上とし、前記偏肉度が60%超80%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.4重量%以上とし、前記偏肉度が80%超100%以下であるとき前記タングステン元素の重量比率が0.5重量%以上とする
ニッケル水素二次電池の製造方法。
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