JP7120813B2 - ボールペン - Google Patents

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Description

本発明は液体吐出具に関する。
従来、ボールペンやマーカー等の筆記具やペン型の修正液や液体糊等の塗布具のように、本体の前方に設けた先端孔から液体を流出させるものは広く知られており、加圧により液体の流出量を増加できる構造も知られている。
例えば筆記具では、特許文献1(特開2000-335173号公報)のように、インキ収容管の後方に加圧機構を設けて、ノック体の押圧操作に連動させてインキタンク内を加圧する構造や、特許文献2(特開2017-119406号公報)のように、筆記時における筆圧を利用してインキタンク内を加圧する構造を用いて、ペン先からのインキの流出量を多くして、筆跡を太くあるいは濃くすることが考えられている。
また、特許文献3(特開2011-235612号公報)では、筆記時の筆圧でペン先を後退させる力によりコイルスプリングなど弾発体で前方へ弾発されたレフィルを後退させ、レフィル内の空気を加圧する構造が考えられている。
特開2000-335173号公報 特開2017-119406号公報 特開2011-235612号公報
しかしながら、前記特許文献1や特許文献2の筆記具は、加圧状態にあっては、筆記時に常に加圧されたインキが強制的に吐出されてしまうものであり、フェルトなど内部と外部とが連通された先端チップを用いるマーカーでは、筆記時以外でも、加圧されたインキが先端チップから不要に吐出されてしまうこととなる。
また、前記特許文献3の筆記具は、先端チップに筆圧が掛かる筆記時にのみ加圧されることから、上記マーカーでも、筆記時以外にインキが不要に吐出されることはないが、筆圧により先端チップが変形してしまうような、例えば先端が軟らかいフェルトのマーカーあるいは筆ペンには適さない。
本発明の目的は、使用者が必要に応じて液体を一時的に加圧して吐出させることが可能な液体吐出具を得ることである。
本発明は、
「1.先端チップからボールペンレフィルの内部に収容したインキを吐出させるボールペンであって、
軸筒の内方に、内部にインキが充填された収容管と、該収容管の前方に挿着されたコネクタと、該コネクタの前方に挿着されたボールペンチップとを有する前記ボールペンレフィルを配し、前記コネクタに形成した大径部が、前記軸筒の前端部に形成した内鍔と該軸筒の前方に螺合される先口の内底面とで挟持され、前記先口に形成した雌螺子と前記軸筒の前方に形成した雄螺子とを螺合することで固定され、
前記収容管の外側に、前記軸筒内で前後動する有底の移動管を該収容管の後端部と該移動管の底部との間に間隙部を設けて覆設し、
前記軸筒に、前記移動管を後方へ弾発する弾発体を配設し、
前記軸筒の側面に窓部が形成され、該窓部に前記移動管と当接する押動体を装着し、
前記押動体または前記移動管に、前記軸筒の内方における前記窓部側に前端を有し該窓部の反対側に後端を有するよう形成した斜面を設け、
前記収容管と前記移動管との間に、該移動管が前進する際には該収容管の外面と当該移動管の内面とを気密状態とし、当該移動管が後退する際には前記気密状態が開放される気密部材を設け、
前記押動体を前記軸筒の軸線方向と直交する方向へ押動することにより、前記斜面で前記移動管を押進させると共に、前記収容管の後端部と該移動管の底部との間の間隙部の空間を減少させて該間隙部内の空気を圧縮し、該収容管内の空気を介して前記インキが加圧される構造のボールペン。
2.前記収容管の外周面と前記移動管の内周面との間に、後方が前記間隙部と連通する隙間部を設け、該隙間部の前方に前記気密部材を設けた構造の前記1項に記載のボールペン。」である。
本発明構造における液体吐出具は、吐出具本体の側面の押動体を押動することで、収容管内の液体を加圧状態とすることができ、また押動体の押動をやめることで、収容管内の液体の加圧状態が解除されるので、使用時に、液体の吐出量を多くしたり通常に戻したりする操作が容易に行える。また、押動体を押動するストローク量の違いにより、密閉された空気が加圧される程度を変化させることができ、押動体を小さく押動して弱い加圧状態で少量の液体を吐出させたり、押動体を大きく押動して強い加圧状態で多量の液体を吐出させることもできる。
このことから、本発明構造における液体吐出具は、先端チップの内部と外部との連通状態を、コイルスプリングなどの弾発力で開閉することが可能な弁機構を有したボールペンや修正ペン、その反対に前記のような弁機構が存在しないボールペンや修正ペン、あるいは前記のような弁機構が存在せずに内部と外部とが常時連通されたマーカー、さらには筆ペンや化粧具など種々の液体塗布具に採用することが可能である。
吐出具本体の形状は特に限定されるものでないが、吐出具本体を握った状態で押動体を押動し易いように、筆記具のような棒状の形態が好ましい。
押動体は、押動部を吐出具本体の側面から突出させた状態で窓部に装着され、押動部を該吐出具本体の軸線に直交する方向へ押動することで移動管を前進させることから、吐出具本体が軸線方向と直交する方向へ移動し易いように、吐出具本体の側面に設けた窓部に対して押動体を遊嵌させる構造や、押動体の前方または後方を吐出具本体の窓部の前方縁部または後方縁部に枢着させる構造などがある。
さらに、本発明における液体吐出具は、前記押動体を前記吐出具本体の軸線方向と直交する方向へ押動して移動管に当接させることにより、当該移動管を、押動体または移動管に形成した斜面で前進させる構造であることから、押動体が移動管を効率よく押動できるように、吐出具本体の窓部の反対側の内側面に移動管を摺動されるようにするとよい。
またさらに、押動体や移動管あるいは吐出具本体に段部や突部などを複数設け、押動体を押動した際に、前記段部や突部により段階的に抵抗を感じながら押動体が移動できる構造とすることで、押動体のストローク量が把握し易くなり、加圧状態を調整し易いものとなる。
尚、押動体を吐出具本体の側面に配置することで、吐出具本体を大きく持ち替えることなく押動操作できるものとなるが、特に吐出具本体の把持部に押動体を配置することで、把持具本体を把持した状態で持ち替えることなく押動操作を行うことが可能となり、操作性がさらに向上する。
押動体または移動管に設ける斜面は、吐出具本体の内方における窓部側に前端を有し該窓部の反対側に後端を有するよう形成し、その数や傾斜角度は限定されるものではない。斜面の傾斜角度が急(軸線方向に直行する方向に近い角度)にすれば、移動管を前方へ移動させる量が少なくなるが、押動体を小さい力で押動し易くなる。また、斜面の傾斜角度を緩く(軸線方向に近い角度)すれば、押動体を小さな力で押動し難くなるが、移動管を前方へ移動させる量が多くなる。
尚、粘度が低い液体を用いる場合には、押動体を押動しても先端チップから液体が勢いよく噴出しないよう、押動体を押動できるストローク量を小さくするなど、空気を加圧し過ぎない構造とすることが好ましい。もし、粘度が低い液体でも加圧力を大きくして一時的な吐出量を多くしたい場合には、先端チップに、例えば筆圧を掛けた時のみに液体が吐出される弁機構を設けることにより、使い易いものとなる。
粘度が高い液体を用いる場合には、押動体を押動することで粘度の高い液体を前方に押動できる加圧力が必要なことから、押動体を押動できるストローク量を大きくするなど、空気を圧縮し易い構造とすることが好ましい。
先端チップは、筆記具の場合には、ボールペンチップやフェルトチップあるいは筆先やペン芯を備えた万年筆のペン体などがあげられ、塗布具の場合には、樹脂チップやスポンジなどがあげられる。先端チップは、収容管内の液体を外部に吐出させる最終的な経路になっていることから、液体流路の大きさや弁機構の有無などが、収容管に収容された液体の後端に接する空気の加圧状態に関係する。例えば液体流路が大きければ大気圧より少し高く加圧するだけでも液体が吐出し易くなる。先端チップに弁機構を設けることにより、液体の後端に接して気密状態とされた空間の空気を大きく加圧した場合でも、意図せずに液体が吐出してしまうことを防止できる。
収容管と移動管との間に設ける気密部材は、形状や材質が限定されるものでないが、収容管の後端部と移動管の底部との間の間隙部の空間や、該間隙部と連通した収容管内の空間、さらには、収容管の外周面と移動管の内周面との間に形成される隙間部の空間など、押動体の押動で各部の空気が圧縮されるように、密閉空間とすることが肝要である。これは一例として、収容管の外側面あるいは移動管の内側面にエラストマーからなるOリングを装着することで実現でき、具体的には、Oリングがその弾性力で収容管の外側面及び移動管の内側面とに密着することで密閉空間を形成して気密状態とすることができる。
この気密部材は、押動体を押動して移動管を前進させる際には、収容管の外面と移動管の内面とを気密状態にして空気を圧縮できるようにし、移動管が後退する際には、収容管の外面と移動管の内面との間に形成される空気流路を介して加圧された空気が開放されるようにする。これは一例として、収容管にOリングを装着し、移動管の内面に前記Oリングの外径より大きな前方大径部と該Oリングの外径より小径の後方小径部とを形成することで実現できる。当該構造を採用することで、押動体を押動して移動管が前進した際には、収容管に装着したOリングが移動管の前方大径部から後方小径部に移動して該Oリングの外面が移動管の内面に密着して気密状態となり、押動体の押動を開放して吐出具本体と移動管との間に配設されたコイルスプリングなどの弾発体の弾発力で移動管が後退した際には、収容管に装着したOリングが移動管の後方小径部から前方大径部に移動し、Oリングと移動管との間に空気流路が生じて気密状態を解除できる。
本発明の液体吐出具は、収容管に収容された液体の後端に接する密閉された空間の空気を大気圧より高い気圧となるよう加圧することで液体が吐出され易くなり、その加圧する程度は液体の粘度などの特性や先端チップの構造により適宜設定すればよい。
大気圧を1000hPaとした場合、例えば粘度が低い筆記具用インキ(一例として20℃の環境下における粘度が1mPa・s~2000mPa・sの筆記具用インキ)では、前記密閉された空間の空気の気圧を前記大気圧である1000hPaを越え1500hPaの範囲となる加圧状態にすることで筆記具用インキを吐出し易くすることができるようになり、例えば粘度が高い液体(一例として20℃の環境下における粘度が3000mPa・s~50000mPa・sの筆記具用インキ)では、前記密閉された空間の空気の気圧を1100hPa~5000hPaの範囲となる加圧状態にすることで筆記用インキを吐出し易くすることができるようになる。しかしながら加圧する数値は特に限定されるものではなく、前述の通り液体の粘度などの特性や先端チップの構造により適宜設定すればよい。
液体は、収容室に収容できるものであれば特に限定されるものではなく、筆記用インキや修正液、あるいは液状糊や化粧液など、液体吐出具の用途に応じて適宜選定すればよい。筆記用インキにおいては、油性インキや水性インキなど特に限定されず、剪断減粘性を有するインキを使用することもできる。
また、熱変色材料を含有したマイクロカプセル顔料を着色剤として用いた熱変色性インキは、カプセル内に色材を含有することから、一般的に筆跡濃度を高くし難い傾向にあるが、本発明構造の液体吐出具を用いることで、加圧によるインキ流出量の増加で筆跡濃度を高くすることが可能となる。
尚、マイクロカプセル顔料を含有した熱変色性インキの筆跡濃度を高くする方法としては、着色剤となるマイクロカプセル顔料の量を多くする場合や、マイクロカプセル顔料の粒径を大きくする場合もあるが、前記マイクロカプセル顔料の量を多くした場合にはインキの粘度が高くなって流出し難くなり、前記マイクロカプセル顔料の粒径を大きくした場合には当該顔料がインキ流路を通り難くなり、インキの流出がし難くなる虞がある。しかしながらこの様なインキでも、本発明構造の液体吐出具は、インキを加圧することで強制的に当該インキを吐出させることができることから使用可能である。
また、液中に酸化チタンや光輝性顔料などの比重が比較的大きい固形分を含み、その固形分が液中で沈降しないように静置時の粘度を高くしたインキでも、本発明構造の液体吐出具は、前記マイクロカプセル顔料を含有した熱変色性インキと同様に、インキを加圧することで強制的に当該インキを吐出させることができる。
また、修正液や液体糊のように、乾燥した液体が先端チップに付着してしまうような場合でも、液体を加圧して吐出し易くすることができる。
この様に本発明の液体吐出具は様々な液体の吐出具として適した構造である。
また、収容管の外周面と移動管の内周面との間に、後方が前記間隙部と連通する隙間部を設け、この隙間部の前方に前記気密部材を設けることにより、当該隙間部の空間の空気も押動体を押動することで圧縮できるようになり、結果、収容管内の液体が未使用で該収容管後方の空気が少ない状態の時に圧縮できる空気量と、液体が減って当該収容管後方の空気が多くなった状態に変化した時に圧縮できる空気量との差が縮まり、双方の状態において圧縮される空気の気圧変化を少なくすることができ、液体が充填された使用開始から液体が無くなる使用終了まで、変化の少ない安定した加圧状態にすることが可能となる。
尚、収容管の外周面と移動管の内周面との間に設ける隙間部の大きさは適宜設定すればよく、使用開始から使用終了までの間に収容管内の液体が減少する量が多い場合には、空間部を大きく形成して、全体的に加圧される空気の量を多くすることで加圧状態の変化が少ないものとした方がよい。
本発明によれば、使用者が必要に応じて液体を一時的に加圧して吐出させることが可能な液体吐出具を得ることが可能となる。
本実施形態のボールペンの縦断面図で、一部を側面図で示した図である。 本実施形態のボールペンの縦断面図である。 本実施形態のボールペンを加圧した状態の縦断面図である。 本実施形態のボールペンの縦断面図で、一部を外観図で示した姿図である。 本実施形態のボールペンを構成する部材の姿図である。
次に、図面を参照しながら説明を行うが、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。本実施形態では、液体吐出具として、筆記具であるボールペンについて説明を行うが、本発明構造の液体吐出具は、マーカーや万年筆などの筆記具や、修正ペンや液体糊のような塗布具、あるいは化粧具に採用することが可能である。
本実施形態においては、ペン先がある方を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。説明を分かり易くするために、図面中の同様の部材、同様の部分については同じ符号を付してある。
本実施形態のボールペン1は、軸筒2(吐出具本体)を、軸体3と該軸体3に螺合した先口4と尾冠5とで構成してある。軸体3の側面には、軸線方向に長い長方形状の窓部3aが設けられ、当該窓部3aには、軸体3の外面より軸線方向に直交した方向へ突出する押動部6aを備えた押動体6が遊嵌されている。
軸筒2の内部には、内部にインキ7が充填された収容管8aと、該収容管8aの前方に挿着されたコネクタ8bと、該コネクタ8bの前方に挿着されたボールペンチップである先端チップ8cとを有するボールペンレフィル8を、前記先口4の前端開口4aから当該先端チップ8cの前方を突出させて収容してある。
前記収容管8aの外方には、軸筒2内を前後動する移動管9を覆設してある。移動管9は、収容管8aの前方外方に位置して前記押動体6が当接する前方部材91と、前記収容管8aの後方外方に位置して該収容管8aの後方を被覆する有底の後方部材92と、を螺合して一体に構成してある。収容管8aの後端部と移動管9の底部9aとの間には間隙部Kを設けてある。後方部材92の後方には、外方へ膨出する膨出部93aを有した後端部材93が嵌着されており、前記膨出部93aと尾冠5の前端に設けた内鍔5aとの間にコイルスプリング10(弾発体)を配して、移動管9が常時後方へ弾発されるようにしてある。
前記前方部材91は、軸筒2の内方における窓部3a側に前端を有し該窓部3aの反対側に後端を有するよう形成した二つの前方斜面91aと後方斜面91bとを前後方向に間隔を空けて形成してあり、具体的な角度はいずれも軸線方向に対して45度で形成してある。前方斜面91aは、前記押動体6の前方に形成した前方脚部61の前端角部61aに当接し、後方斜面91bは、前記押動体6の後方に形成した後方脚部62の斜面62aに当接する。押動体6の斜面62aは、前記後方斜面91bと同様に、軸筒2の内方における窓部3a側に前端を有し該窓部3aの反対側に後端を有するよう形成してあり、具体的な角度は軸線方向に対して45度で形成してある。
尚、前方部材91の前方斜面91aは最も広いところで1mmの巾で形成されており、後方斜面91bは最も広いところで2mmの巾で形成されており、押動体6の前方脚部61及び後方脚部62は1mmの巾で形成されており、前方斜面91aは前方脚部61の前端角部61aと線接触し、後方斜面91bは後方脚部62の斜面62aと面接触する。押動体6の前方脚部61には、突部61bを設けて、当該押動体6が軸筒2の窓部3aから脱落しないようにしてある。
前方部材91の前端部は、軸体3の前方内方に形成した小径部3bに対して前後動可能で軸線方向に直交する方向には移動不能に係止される。また移動管9は、軸体3の窓部3aの反対側の内側面に摺動できるようにしてある。これにより、押動体6を押動した際には、押動体6が移動管9を効率よく押動することができ、押動体6の前端角部61aで前方部材91の前方斜面91aを前方へ押動し、押動体6の斜面62aで前方部材91の後方斜面91bを前方へ押動する。
ボールペンレフィル8の収容管8aの外周面と移動管9(後方部材92)の内周面との間には、後方が前記間隙部Kと連通する隙間部Sが形成されており、また隙間部Sの前方には、収容管8aの外周面に弾性材からなるOリング11を接着材で固着して、気密部材としてある。
図1、図2及び図4で示される状態のOリング11は、移動管9の後方部材92の前方内方に形成した大径部92aの内方に位置しており、Oリング11の外面と大径部92aの内面との間には空気流路Rが形成され、外気と収容管8aの内方の空気とが、前記空気流路Rを介して連通される。この状態で先端チップ8cを紙面に接触させて筆記を行った場合、インキ7を加圧することなく先端チップ8cから吐出させることができる。
次に、ボールペン1を加圧した状態について説明を行う。
図3に示すボールペン1は、押動体6の押動部6aを軸筒2の軸線方向と直交する方向へ押動することにより、図1に示す押動体6の前端角部61aで、前方部材91の前方斜面91aを前方へ押進すると共に、押動体6の斜面62aで、前方部材91の後方斜面91bを前方へ押進させ、移動管9をコイルスプリング10の弾発力に抗して前進した状態である。この時、Oリング11は、移動管9の後方部材92の後方内方に形成した小径部92bの内面に密着し、外気とボールペンレフィル8の収容管8aの内方との連通状態を遮断して気密状態を生じさせる。
押動体6を押動することで図2から図3の状態へ変化したボールペン1は、収容管8aの後端部と移動管9の底部9aとの間の間隙部K内の空間Vが減少しており、外気とボールペンレフィル8の収容管8aの内方との連通状態が遮断され、間隙部K内の空間V1と収容管8a内の空間V2と隙間部S内の空間V3とで構成される空間Vが圧縮され、加圧されたインキ7を先端チップ8cから吐出させることが可能となる。
また、図3の状態で押動体6の押動を開放した場合には、コイルスプリング10の弾発力で、押動体6の前方脚部61の前端面が移動管9の前方斜面91aの上端部に形成した後ろ向きの段部91c(図1参照)に当接するまで移動管9が後退し、再び図1及び図2の状態に戻る。
この様に本実施形態のボールペン1は、使用者が必要に応じて押動体6を押動することで、インキ7を加圧して吐出させることができ、押動体6を押動しないことで、インキ7を加圧しないで吐出させることもできる。
また加圧力は、収容管8aに収容されているインキ7の量により変化し、インキ7が多く収容管8a内の空間V2が小さい場合には加圧力が大きく、インキ7が少なく収容管8a内の空間V2が大きい場合には加圧力が小さくなる傾向がある。しかしながら本実施形態では、押動体6の押動により圧縮される空気が、前述の通り、間隙部K内の空間V1と、収容管8a内の空間V2と、隙間部S内の空間V3とで構成された空間V内の空気全体であることから、収容管8a内の空間V2の大小の変化による影響が受け難いようになっている。
本実施形態のボールペン1における間隙部K内の空間V1は、押動体6を押動しない状態で292mmであり、押動体6を押動して移動管9が前進した状態では279mmである。また、収容管8a内の空間V2は、図1に示すインキ7が未使用の状態では50mmであり、図示しないがインキ7が僅かとなった状態では250mmとなる。前記空間Vが気密状態となった時、つまりOリング11が移動管9の小径部92bの内面に密着した直後の状態における隙間部S内の空間V3は372mmである。
本実施形態のボールペン1では、大気圧を1000hPaとした場合、インキ7を未使用な状態で押動体6を押動することで、空間V内の空気の気圧を1028hPaに加圧することができ、収容管8a内のインキ7が僅かな状態で押動体6を押動することで、空間V内の空気の気圧を1021hPaに加圧することができる。尚、本実施形態では、前方部材91の前方斜面91aに、微細な凹部(不図示)を複数斜面に沿って等間隔で設けており、押動体6を押動する際に、前端角部61aが前記凹部の抵抗を受けながら通過することで、摺動体6のストローク量が把握できるようになり、加圧力の調整ができるようになる。
インキ7のインキ配合は、感温変色性色彩記憶性のマイクロカプセル顔料17部(予め-23℃以下に冷却して黒色に発色させたもの)を、キサンタンガム(剪断減粘性付与剤)0.5部、尿素10.0部、グリセリン10部、燐酸エステル系界面活性剤0.6部、変性シリコーン系消泡剤0.1部、防黴剤0.2部、水61.6部からなる水性インキビヒクルに均一に分散させて剪断減粘性を付与した熱変色性インキとしてある。インキ7による筆跡は、室温(25℃)では黒色を呈しており、摩擦体を用いて筆跡を擦過すると、該筆跡は消色して無色となり、この状態は室温下で維持することができる。尚、消色後の前記紙面を冷凍庫に入れて-23℃以下の温度に冷却すると、再び筆跡が黒色になる変色挙動を示し、前記挙動は繰り返し再現することができる。
また、収容管8a内のインキ7の後端には、インキ7の消費に伴い追従するグリース状のインキ追従体7aを直接収容し、収容管8aの前端開口部には、ボール8d(φ0.38mm)を回転自在に抱持した先端チップ8cの後端部を圧入嵌合してボールペンレフィル8を得ている。ボールペンレフィル8は、コネクタ8bに形成した大径部8eが、軸筒2の前端部に形成した内鍔2aと先口4の内底面4bとで挟持され、先口4に形成した雌螺子4cと軸筒2の前方に形成した雄螺子2bを螺合することで固定される。尚、ボール8dの後方には、ボール8dをチップ前端の内壁に押圧するコイルスプリング8fを配設してあり、チップ前端からのインキ漏れ出しを抑制する。
本実施形態のボールペン1は、軸筒2の後端部にスチレン系エラストマーからなる摩擦体12を嵌着しており、紙面に筆記された筆跡を前記摩擦体12で擦過することで消色することができる。
ボールペン1の加圧前、加圧後の単位面積当たりのインキ消費量値、筆跡濃度は、表1に示す通りである。加圧後の測定は、押動体6に形成した平地面6bが前方部材91に形成した平地面91dに当接するまで、当該押動体6の押動部6aを押動した状態であり、つまり押動体6を最もストロークさせて加圧力を最大とした状態である。
尚、10m当たりのインキ消費量は、JIS規格S6054に準じて測定(20℃、筆記角度70度、筆記速度4m/min、自公転、筆記荷重100gf、下敷きステンレス板)測定したものであり、10m筆記後にインキ残量を測定して計算によって求めたものである。また、こうした試験を連続して5回(計50m)、計5本行い、その平均値によって求められるものである。
また、筆跡幅及び筆跡濃度は、前記筆記によって得られた筆跡をISO13660に準じて、筆跡幅(mm)は、反射率の60%以下の領域、筆跡濃度は、反射率75%以下の範囲内の平均値を測定したもので、本願発明における筆跡幅及び筆跡濃度は、パーソナル画質評価装置(QEA(Quality Engineering Associates)社製、PIAS-II)によって求めることができる。尚、本発明においては、15箇所を測定し、その平均値によって求めたものである。
インキ粘度は、ブルックフィールド社製DV-II粘度計(コーンローター CPE整42)を用いて20℃の環境下で、剪断速度3.84sec-1(10rpm)、剪断速度384sec-1(100rpm)の条件にてインキ粘度を測定する。
表1
Figure 0007120813000001
1…ボールペン、
2…軸筒(吐出具本体)、2a…内鍔、2b…雄螺子、
3…軸体、3a…窓部、3b…小径部、
4…先口、4a…前端開口、4b…内底面、4c…雌螺子、
5…尾冠、5a…内鍔、
6…押動体、6a…押動部、6b…平地面、61…前方脚部、61a…前端角部、61b…突部、62…後方脚部、62a…斜面、
7…インキ、7a…インキ追従体、
8…ボールペンレフィル、8a…収容管、8b…コネクタ、8c…先端チップ、8d…ボール、8e…大径部、
9…移動管、9a…底部、91…前方部材、91a…前方斜面、91b…後方斜面、91c…段部、91d…平地面、92…後方部材、92a…大径部、92b…小径部、93…後端部材、93a…膨出部、
10…コイルスプリング、
11…Oリング、
12…摩擦体、
K…間隙部、R…空気流路、S…隙間部、V1…空間、V2…空間、V3…空間、V…空間。

Claims (2)

  1. 先端チップからボールペンレフィルの内部に収容したインキを吐出させるボールペンであって、
    軸筒の内方に、内部にインキが充填された収容管と、該収容管の前方に挿着されたコネクタと、該コネクタの前方に挿着されたボールペンチップとを有する前記ボールペンレフィルを配し、前記コネクタに形成した大径部が、前記軸筒の前端部に形成した内鍔と該軸筒の前方に螺合される先口の内底面とで挟持され、前記先口に形成した雌螺子と前記軸筒の前方に形成した雄螺子とを螺合することで固定され、
    前記収容管の外側に、前記軸筒内で前後動する有底の移動管を該収容管の後端部と該移動管の底部との間に間隙部を設けて覆設し、
    前記軸筒に、前記移動管を後方へ弾発する弾発体を配設し、
    前記軸筒の側面に窓部が形成され、該窓部に前記移動管と当接する押動体を装着し、
    前記押動体または前記移動管に、前記軸筒の内方における前記窓部側に前端を有し該窓部の反対側に後端を有するよう形成した斜面を設け、
    前記収容管と前記移動管との間に、該移動管が前進する際には該収容管の外面と当該移動管の内面とを気密状態とし、当該移動管が後退する際には前記気密状態が開放される気密部材を設け、
    前記押動体を前記軸筒の軸線方向と直交する方向へ押動することにより、前記斜面で前記移動管を押進させると共に、前記収容管の後端部と該移動管の底部との間の間隙部の空間を減少させて該間隙部内の空気を圧縮し、該収容管内の空気を介して前記インキが加圧される構造のボールペン。
  2. 前記収容管の外周面と前記移動管の内周面との間に、後方が前記間隙部と連通する隙間部を設け、該隙間部の前方に前記気密部材を設けた構造の請求項1に記載のボールペン。
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