JP6978334B2 - 加圧式筆記具 - Google Patents
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Description
この特許文献2に記載されている筆圧加圧式のボールペンは、筆記時にボールペンチップ(筆記先端部)が筆圧によって後退することで加圧機構部が作動してインキ収容管内のインキの後端に圧力を掛ける構造のため、筆記毎に加圧しつつ筆記することとなり、筆記時のインキ収容管内の圧力が一定の状態となることで、安定した筆跡を得ることができる。
「1.軸筒内に、筆記具用インキ組成物を充填したインキ収容筒と、該インキ収容筒の前方にボールペンチップと、を具備したボールペンレフィルを収容してなり、
前記インキ収容筒の後方には、当該インキ収容筒の後部に連結し、外部と連通する空気口を備えた加圧機構を具備し、
前記加圧機構が、前記ボールペンレフィルの後方に内外を連通する前記空気口を有するシリンダーと、前記シリンダーに対し前後動可能に配設したピストンと、前記シリンダーの内部に前記ボールペンレフィルの後方空間部と前記ピストンとの間を連通する加圧空間部と、を備え、
前記空気口の外部との連通を遮断し、前記インキ収容筒の後方空間部を圧縮して加圧するよう構成した加圧式筆記具であって、
前記軸筒内に、該軸筒に対して前後動自在に係止した摺動体が配設され、
前記ボールペンレフィルの前端部が前記軸筒の前端開口部から突出した状態で、前記摺動体を前方または後方へ移動させることで、前記シリンダーまたは前記ピストンを前方に移動させて、前記加圧機構の空気口を外部と連通し、且つ、前記摺動体を前記加圧機構の空気口が外部と連通する方向と逆方向へ移動させることで、前記シリンダーまたは前記ピストンを後方に移動させ、前記加圧機構の空気口が遮断され前記インキ収容筒の後方空間部を圧縮して加圧するよう構成したことを特徴とする加圧式筆記具。」である。
尚、加圧機構の空気口を外部と連通させる際に、摺動体を移動させる方向は前方でも後方でもどちらでもよいが、筆記時での操作性を鑑みると、摺動体を前方へ移動させることが好ましい。
また、本実施例では、軸筒の長手方向において、ボールペンチップがある方を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。更に、軸筒の軸径方向において、ボールペンレフィルがある方を内方と表現し、その反対側を外方と表現する。
尚、説明を分かりやすくするために、図面中の同様の部材、同様の部分については同じ符号を付してある。
本実施例の加圧式筆記具1は、図1から図4に示すように、後軸2の前方に前軸3を螺合することで軸筒4を形成してあり、軸筒4内に配設された筒状体5と、筒状体5内に配設された加圧機構6と、加圧機構6の前部に装着され軸筒4内を前後に摺動可能なボールペンレフィル7と、軸筒4の外側面から一部が露出し、軸筒4に対して前後動自在に係止された摺動体9と、により構成してある。
尚、操作部9cの外方端には凹凸部9fを形成してあり、指で操作する際に滑り難くしてある。
尚、前軸3(軸筒4)の外側面には凹凸状に形成し把持部3fが形成してあり、軸筒4を手で把持した際、指が滑り難くなるようにしてある。
更に、操作部9cの軸周方向の長さL1(図2参照)は、把持部3fを把持して筆記する際に邪魔にならず、且つ、操作し易いよう、前軸3(軸筒4)の全周長L2に対して5〜20%の間に形成することが好ましく、本実施例では、具体的には、前軸3(軸筒4)の全周長L2は37.7mm、操作部9cの軸周方向の長さL1を4.0mmで形成してあるため、操作部9cの軸周方向の長さL1は、前軸3(軸筒4)の全周長L2に対して約10.6%となり、筆記時に操作部9cに指が当たり難く、筆記し易いものとなった。
尚、加圧機構6は、筒状体5のストッパー5bにより前方への移動を制限してある。
また、シリンダー17の内孔17bには、シリンダー17の内側部17dとピストン18の前端とOリング8とにより囲まれた加圧空間部10が形成され、加圧空間部10は空気口17cによりシリンダー17の外部と連通可能に構成してある。
尚、装着部17gは、シリンダー17にボールペンレフィル7を装着した際、シリンダー17とボールペンレフィル7との間の気密が確保され、且つ、手で容易に着脱可能になるよう外方への突出量(外径)を調整してある。
尚、シリンダー17が後退した際、シリンダー17の後端に筒状体5の底部5cが当接することで、シリンダー17の後退を制限してある。
このため、本実施例では、第1コイルスプリング15の弾発力は2.4N、第2コイルスプリング16の弾発力は1.7Nとなるよう構成した。
図1の状態から、前軸3(軸筒4)の外側面から露出する摺動体9の操作部9cに指を当て前方へ移動させると、第2コイルスプリング16の弾発力でシリンダー17とボールペンレフィル7とが前進しつつ、シリンダー17に対してピストン18とOリング8とが相対的に後方へ移動する。そして、Oリング8がシリンダー17の空気口17cに達すると、加圧空間部10と外部とが連通し、加圧空間部10の密閉状態が解除されて、外気圧と同圧となる図5の状態となる。
また、図1の状態で筆記を続けると、ボールペンレフィル7内のインキ12を消費するため、ボールペンレフィル7の後部内孔7cの容積がインキ12の消費分増加してしまい、結果として、連通している加圧空間部10が減圧され、使うごとに効果が減少してしまうが、もう一度摺動体を前方へ移動させることで、加圧空間部10の密閉状態を解除した後、再加圧することができ、加圧空間部10内の加圧状態を回復することができる。
本実施例の加圧式筆記具101は、図6に示すように、後軸102の前方に前軸103を螺合することで軸筒104を形成してあり、軸筒104内に配設された筒状体5と、筒状体5内に配設された加圧機構6と、加圧機構6の前部に装着され軸筒104内を前後に摺動可能なボールペンレフィル7と、軸筒104内に前後動自在に配設された重量体109(摺動体)と、により構成してある。
尚、重量体109(摺動体)は、軸筒104を振った際の運動エネルギーが大きくなるよう、比重の高い材料で形成することが好ましく、本実施例では、ステンレス(SUS304)を用いて形成してある。
図6の状態から、前軸103(軸筒104)を把持したまま軸筒104を軸方向に沿って前後に振ると、慣性力により重量体109(摺動体)が軸筒104及びボールペンレフィル7に対して前後に摺動する。そして、重量体109(摺動体)の前端面が摺動リング120の後端面120aに当接すると、当接した際の衝撃で、摺動リング120が第1コイルスプリング15(第一の弾性部材)の弾発力に抗して前進する。更に、摺動リング120が前進した分、第2コイルスプリング16の弾発力でピストン18及びOリング8に対してシリンダー17とが前方へ移動する。そして、Oリング8がシリンダー17の空気口17cに達すると、加圧空間部10と外部とが連通し、加圧空間部10の密閉状態が解除されて外気圧と同圧になる図7の状態となる。尚、この際、ボールペンレフィル7、シリンダー17の2部品は摺動リング120の移動に合わせて自重により前方側へ移動した状態となる。
ここで、重量体109(摺動体)に押された摺動リング120の前進が止まると(図7の状態)、第1コイルスプリング15の弾発力により摺動リング120、重量体109(摺動体)、ボールペンレフィル7、シリンダー17、ピストン18、Oリング8が後方へ移動する。そして、筒状体5の底部5cにピストン18の後端が当接することでピストン18とOリング8の後退が止まる。この際、第2コイルスプリング16の弾発力より第1コイルスプリング15の弾発力が強くなるよう設定しているため、シリンダー17とボールペンレフィル7は後退を続け、シリンダー17の空気口17cがOリング8より後方へ移動し、加圧空間部10が密閉状態となり、更にシリンダー17が後方へ移動することで、加圧空間部10が圧縮して加圧された図6の状態となる。
また、図6の状態で筆記を続けると、ボールペンレフィル7内のインキ12を消費するため、ボールペンレフィル7の後部内孔7c(後方空間部)の容積がインキ12の消費分増加してしまい、結果として、後部内孔7c(後方空間部)と連通している加圧空間部10が減圧され、筆記毎に少しずつ効果が減少してしまうが、軸筒104を前後に振り、加圧機構6を作動させることで、再加圧することができる。このため、加圧機構6の作動を軸筒4を持ち替えることなく実施でき、加圧空間部10の加圧状態を容易に維持しつつ筆記を継続することが可能なものとなった。
2…後軸、2a…外側面、2b…側孔、
3…前軸、3a…前端開口部、3b…外側面、3c…内孔、3d…側孔、
3e…内段部、3f…内段部、
4…軸筒、
5…筒状体、5a…掛止突起、5b…ストッパー、5c…底部、
6…加圧機構、
7…ボールペンレフィル、7a…外段部、7b…後端内周部、
7c…後部内孔(後方空間部)、7d…前部外側面、
8…Oリング、
9…摺動体、9a…スリット部、9b…内孔、9b1…前部内孔、9b2…後部内孔、
9c…操作部、9d…前端面、9e…内段部、9f…凹凸部、
10…加圧空間部、
11…インキ収容筒、
12…インキ(筆記具用インキ組成物)、
13…インキ追従体、
14…ボールペンチップ、14a…前端部、
15…第1コイルスプリング(第一の弾発部材)、
16…第2コイルスプリング(第二の弾発部材)、
17…シリンダー、17a…後端開口部、17b…内孔、17c…空気口、
17d…内側部、17e…前部、17f…中央部、17g…装着部、
17h…窓部、17i…内方段部、17j…窓部後端、
18…ピストン、18a…外周部、18b…凸部、18c…凹状部、
18d…後部内孔、18e…前段部。
101…加圧式筆記具、
102…後軸、102a…外側面、102b…側孔、
103…前軸、103a…前端開口部、103b…外側面、103c…内孔、
103e…内段部、
104…軸筒、
109…重量体(摺動体)、
120…摺動リング、120a…後端面(当接部)、120b…前端面。
Claims (1)
- 軸筒内に、筆記具用インキ組成物を充填したインキ収容筒と、該インキ収容筒の前方にボールペンチップと、を具備したボールペンレフィルを収容してなり、
前記インキ収容筒の後方には、当該インキ収容筒の後部に連結し、外部と連通する空気口を備えた加圧機構を具備し、
前記加圧機構が、前記ボールペンレフィルの後方に内外を連通する前記空気口を有するシリンダーと、前記シリンダーに対し前後動可能に配設したピストンと、前記シリンダーの内部に前記ボールペンレフィルの後方空間部と前記ピストンとの間を連通する加圧空間部と、を備え、
前記空気口の外部との連通を遮断し、前記インキ収容筒の後方空間部を圧縮して加圧するよう構成した加圧式筆記具であって、
前記軸筒内に、該軸筒に対して前後動自在に係止した摺動体が配設され、
前記ボールペンレフィルの前端部が前記軸筒の前端開口部から突出した状態で、前記摺動体を前方または後方へ移動させることで、前記シリンダーまたは前記ピストンを前方に移動させて、前記加圧機構の空気口を外部と連通し、且つ、前記摺動体を前記加圧機構の空気口が外部と連通する方向と逆方向へ移動させることで、前記シリンダーまたは前記ピストンを後方に移動させ、前記加圧機構の空気口が遮断され前記インキ収容筒の後方空間部を圧縮して加圧するよう構成したことを特徴とする加圧式筆記具。
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JP2018015308A JP6978334B2 (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | 加圧式筆記具 |
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JP2018015308A Active JP6978334B2 (ja) | 2018-01-31 | 2018-01-31 | 加圧式筆記具 |
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