JP7007939B2 - 繰出式加圧筆記具 - Google Patents

繰出式加圧筆記具 Download PDF

Info

Publication number
JP7007939B2
JP7007939B2 JP2018015310A JP2018015310A JP7007939B2 JP 7007939 B2 JP7007939 B2 JP 7007939B2 JP 2018015310 A JP2018015310 A JP 2018015310A JP 2018015310 A JP2018015310 A JP 2018015310A JP 7007939 B2 JP7007939 B2 JP 7007939B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ballpoint pen
cylinder
pen refill
pressure
writing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2018015310A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2019130808A (ja
Inventor
伸一 瀬利
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Pilot Corp KK
Original Assignee
Pilot Corp KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Pilot Corp KK filed Critical Pilot Corp KK
Priority to JP2018015310A priority Critical patent/JP7007939B2/ja
Publication of JP2019130808A publication Critical patent/JP2019130808A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7007939B2 publication Critical patent/JP7007939B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Pens And Brushes (AREA)
  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Description

本発明は、インキ収容筒内の筆記具用インキ組成物の後端に圧力を加える加圧筆記具に関するものである。
従来からこの種の加圧筆記具には、例えば特許文献1に開示のように、インキを充填した筆記体の後端部に、ノック体への押圧操作により筆記体の筆記先端部を軸筒先端開口部より出没するノック式出没機構と、筆記体のインキ収容筒の後方空間部を加圧する加圧機構を具備した、ノック式の加圧筆記具が知られている。
前記したようなノック式の加圧機構を有する加圧筆記具においては、ノック体の押圧操作に連動して加圧機構が作動し、インキ収容筒の後方空間部を加圧すると共に、ノック式の出没機構による筆記先端部の軸筒内への収納操作に連動してインキ収容筒内の加圧状態を解除する構造になっている。また、筆記先端部を軸筒先端開口部より突出させた加圧状態で、筆記によりインキ収容筒内のインキが消費されると、加圧されたインキ収容筒内が徐々に減圧されるため、加圧することで得られるインキ吐出量の増加に伴う筆跡濃度の向上や、筆記先端部を上向きで筆記した際に当該先端からの空気の巻き込みを防止するなどの効果が減少してしまう。このため、減圧した状態をリセットするため、ノック体を押圧して筆記先端部を軸筒内に収納してインキ充填管内の加圧状態を一旦解除し、更に、ノック体を押圧してインキ収容内を再度加圧状態にする必要があり、手間が掛かっていた。
一方、特許文献2には、筆記時の筆圧によって加圧機構部を作動させ、インキ収容管内を加圧状態とする、いわゆる筆圧加圧式のボールペンが開示されている。
この特許文献2に記載されている筆圧加圧式のボールペンは、筆記時にボールペンチップ(筆記先端部)が筆圧によって後退することで加圧機構部が作動してインキ収容管内のインキの後端に圧力を掛ける構造のため、筆記毎に加圧しつつ筆記することとなり、筆記時のインキ収容管内の圧力が一定の状態となることで、安定した筆跡を得ることができる。
特開2000-335173号公報 特開2000-263992号公報
しかしながら、特許文献2の構造では、筆記時の筆圧により筆記先端部を微小に後退させることで加圧機構部を作動させている。このため、使用者が感じる筆記時の筆感は、筆記先端部が後方へ動くために柔らかいものとなる。この柔らかい筆感を好む人が多数いることは知られているが、一方で、筆記時に筆記先端部が後退することを不快と感じる人がいることも知られており、特許文献2に記載されている筆圧加圧式のボールペンは、万人が筆記し易いと感じるわけではないという課題があった。
本発明は、軸筒内のボールペンレフィルを繰出す操作に連動してインキ収容筒の後方空間部を圧縮して加圧する加圧機構を備えた繰出式加圧筆記具において、筆記先端部を軸筒の前端開口部から突出させた筆記状態で、インキ収容筒の後方空間部の密閉状態を容易に解除、再加圧可能な繰出式加圧筆記具を提供することを目的とする。
本発明は、
「1.軸筒内に、筆記具用インキ組成物を充填したインキ収容筒と、該インキ収容筒の前方にボールペンチップと、を具備したボールペンレフィルを収容してなり、
前記インキ収容筒の後方には、前記ボールペンレフィルの前端部を前記軸筒の前端開口部から出没させる繰出機構と、当該インキ収容筒の後部に連結し、外部と連通する空気口を備えた加圧機構と、を具備し、
前記加圧機構が、前記ボールペンレフィルの前方への繰り出し動作に連動して前記空気口の外部との連通を遮断し、前記インキ収容筒の後方空間部を圧縮して加圧すると共に、前記ボールペンレフィルの前記軸筒内への没入動作に連動して前記空気口を外部と連通させ、前記インキ収容筒の後方空間部の密閉状態を解除して外気圧と同圧とするよう構成した繰出式加圧筆記具であって、
前記軸筒の内側面と前記ボールペンレフィルの外側面との間に、当該軸筒に対して前後動自在に形成した重量体が配設され、
前記ボールペンレフィルの外側面に、該ボールペンレフィルと一体または別体で形成され、外方へ向って突出する当接体が配設され、
前記軸筒と前記ボールペンレフィルとの間に第一の弾発部材が配設されると共に、前記第一の弾発部材により前記ボールペンレフィルと前記当接体とが後方へ弾発され、
前記ボールペンレフィルの前端部が前記軸筒の前端開口部から突出した状態で、前記軸筒を軸方向に沿って前後に振り、前記重量体の前進に伴い当該重量体に当接した前記当接体が前記軸筒に対して前進して前記第一の弾発部材を収縮させることで、前記加圧機構の空気口が外部と連通して前記インキ収容筒の後方空間部の密閉状態を解除して外気圧と同圧とすると共に、収縮した前記第一の弾発部材が伸びることで、前記加圧機構の空気口が遮断され前記インキ収容筒の後方空間部を再度圧縮して加圧する加圧リセット機構を設けたことを特徴とする繰出式加圧筆記具。」である。
本発明によれば、ボールペンレフィルの前端部が軸筒の前端開口部から突出した状態で、軸筒を軸方向に沿って前後に振り、重量体の前進に伴い重量体に当接した当接が前記軸筒に対して前進して第一の弾発部材を収縮させることで、加圧機構の空気口が外部と連通してインキ収容筒の後方空間部の密閉状態を解除して外気圧と同圧とすると共に、収縮した前記第一の弾発部材が伸びることで、加圧機構の空気口を遮断して密閉し、インキ収容筒の後方空間部を再度圧縮して加圧することができる。このため、本発明の繰出式加圧筆記具で筆記した際、筆記によりインキ収容筒内の筆記具用インキ組成物が消費され、インキ収容筒の後方空間部の容積が増加することで加圧機構により掛けられていた圧力が減圧されても、使用者が任意のタイミングで軸筒を振り、加圧リセット機構を作動させることでインキ収容筒の後方空間部の密閉状態を解除し、インキ収容筒の後方空間部を再度圧縮して加圧する操作を、軸筒を前後に振るという簡単な動作で実施することができる。このため、インキ収容筒の後方空間部に掛かる圧力を維持しつつ筆記を継続することができる。
また、本発明における軸筒ボールペンレフィルの外側面に外方へ向って突出するように形成される当接体は、重量体が前進した際に当接し、且つ、重量体が当接体に当接した際の衝撃力で第一の弾発部材が収縮するよう構成されていれば、ボールペンレフィルに対して一体で形成してもよく、別体で形成してもよい。
尚、本発明の重量体の材質は特に限定されるものではないが、軸筒を振った際に慣性力が働きやすいように金属やセラミックなどの比重が重い材質で形成することが好ましい。
また、重量体の形状も、軸筒を振ることで前後動可能、且つ、重量体が前進した際に当接体と当接可能に構成されていれば、特に限定されることはない。更に、重量体は、一部品で形成されていてもよく、複数の部品を係着、接着、圧入などにより固着することで一体化させて構成してもよい。
また、本発明の加圧機構は、軸筒内に配設したピストンを前進させることで、シリンダー内の加圧空間部が圧縮して加圧され、加圧空間部に連通するボールペンレフィルの後方空間部が加圧されるよう構成してもよく、この場合、シリンダーに内外を連通する空気口を設けているため、加圧空間部の加圧状態を解除した際に、空気口によりすぐに外部と加圧空間部を連通させることができる。このため、加圧解除時に瞬間的に発生する加圧空間部が負圧状態(外気圧より低くなる状態)になることを防止でき、更に、加圧空間部が負圧になることによる加圧解除時にボールペンレフィルの前端部から空気をボールペンレフィル内に微量に吸い込み、次の筆記開始時に筆跡が薄くなることを防止できる。
更に、本発明のボールペンレフィルの繰出機構は、当該ボールペンレフィルの繰り出しに連動して加圧機構が作動するように構成されていればよく、従来公知の後端ノック式、回転繰出式、サイドノック式等、特に限定されることはなく採用することができる。
また、本発明の繰出式加圧筆記具は、ボールペンレフィルが軸筒内に没入している状態で軸筒を前後に振り、重量体の前後動により第一の弾発部材を収縮させることで、ボールペンレフィルが前進して軸筒の前端開口部から突出するよう振出式の繰出機構を設け、更に、ボールペンレフィルが軸筒から突出した状態で再度軸筒を振ることで、加圧リセット機構が作動するよう構成してもよく、この場合、ボールペンレフィルの繰出しと、インキ収容筒の後方空間部の密閉状態の解除、再加圧するという2つの動作を軸筒を振ることで容易に実施することができ、利便性が向上する効果を奏する。
本発明によれば、軸筒内のボールペンレフィルを繰出す操作に連動してインキ収容筒の後方空間部を圧縮して加圧する加圧機構を備えた繰出式加圧筆記具において、筆記先端部を軸筒の前端開口部から突出させた筆記状態で、インキ収容筒の後方空間部の密閉状態を容易に解除、再加圧可能な繰出式加圧筆記具を提供することができた。
実施例1の加圧式筆記具の縦断面図である。 図1における加圧機構の拡大断面図である。 図1の状態からノック体を前進させたノック状態(筆記状態)を示す縦断面図である。 図3の状態から軸筒を振り、重量体が摺動リング(当接体)を前方へ移動した状態を示す縦断面図である。
次に図面を参照しながら、本発明の繰出式加圧筆記具をボールペンを用いて詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
また、本実施例では、軸筒の長手方向において、ボールペンチップがある方を前方と表現し、その反対側を後方と表現する。更に、軸筒の軸径方向において、ボールペンレフィルがある方を内方と表現し、その反対側を外方と表現する。
尚、説明を分かりやすくするために、図面中の同様の部材、同様の部分については同じ符号を付してある。
実施例1
本実施例の繰出式加圧筆記具1は、図1及び図2に示すように、後軸2の前方に前軸3を螺合することで軸筒4を形成してあり、軸筒4内に前後動可能に配設されたノック体5と、ノック体5内に配設された加圧機構6と、加圧機構6の前部に装着され軸筒4内を前後に摺動可能なボールペンレフィル7と、後軸3の側面に回動自在に係止されたクリップ8と、軸筒4内に前後動自在に配設された重量体9と、により構成してある。また、繰出式加圧筆記具1は、ボールペンレフィル7が軸筒4に対して前後動することで、当該ボールペンレフィル7の前端部を前軸3の前端開口部3aから出没させる繰出機構10を備えている。
ボールペンレフィル7は、PP樹脂からなる透明のインキ収容筒11に、筆記具用インキ組成物であるインキ12及び当該インキ12の後端にインキの消費に伴い追従するグリース状のインキ追従体13を直接収容し、インキ収容筒11の前端開口部に、ボール(φ0.5mm)を回動自在に抱持したボールペンチップ14の後端部を圧入嵌合して得たものである。
重量体9は、図1に示すように、軸筒4の内側面とボールペンレフィル7の外側面との間に配設され、ボールペンレフィル7外側面を覆うように筒状に形成してあり、ボールペンレフィル7及び軸筒4に対して前後動自在になるよう形成してある。
尚、重量体9は、軸筒4を振った際の運動エネルギーが大きくなるよう、比重の高い材料で形成することが好ましく、本実施例では、ステンレス(SUS304)を用いて形成してある。
また、重量体9の前方にはボールペンレフィル7の前部外側面7dに対して摺動自在に形成した摺動リング22(当接体)が配設してあり、摺動リング22の後端面22aは、重量体9の前端面と当接するよう形成してある。
前軸3(軸筒4)は、図1に示すように、前端にボールペンレフィル7のボールペンチップ14が出没可能な前端開口部3aが形成されている。更に、前軸3(軸筒4)の内面に形成した内段部3eと摺動リング22の前端面22bとの間に第1コイルスプリング15(第一の弾発部材)を圧縮状態で張架し、且つ、摺動リング22の後端面22aには、ボールペンレフィル7の外段部7aが当接するよう構成することで、軸筒4に対して摺動リング22とボールペンレフィル7とを後方に弾発してある。
後軸2(軸筒4)は筒状に形成してあり、図1に示すように、外側面2aに軸方向に沿って延び、内孔まで貫通する側孔2bが形成してある。また、外側面2aには外方へ向って突出するクリップ係止部2cが形成してあり、クリップ係止部2cはクリップ用係止突起2dとスプリング用係止突起2eにより構成してある。そして、クリップ用係止突起2dには軸方向に対して直交する方向に係止孔2fが形成してある。
ノック体5は、後端に有底部を備えた略筒状に形成されており、外側面に外方へ向って突出する掛止突起5aが形成され、内周部には、内段部5cと内方へ向って突出するストッパー5bとを形成してある。また、ノック体5は、その後端が後軸2の後端開口部から後方へ突出するように当該後軸2内に配設してある。
尚、掛止突起5aは後軸2の側孔2bに挿入してあり、これによりノック体5は、後軸2に対して、前後動自在且つ回動不能に係止される。
クリップ8は、後軸2のスプリング用係止突起2eと、クリップ8の内壁部に軸筒4側に突出するように形成した内突起8aとの間にクリップ用スプリング16を配設し、クリップ8の内側壁に形成した係止軸部8bを係止孔2fに係止することで、クリップ8の先端部を、後軸2の外壁面側に常時弾発するよう張架すると共に、クリップ8の後端部を押圧(図3の矢印G方向)することにより、クリップ8と後軸2との係止軸Rを支点とし、クリップ8の先端部を後軸2の外壁面から離間可能な可動式クリップとして構成してある。
尚、クリップ8の前部には、基部8cから軸筒4側に延び、ノック体5の側面に形成した掛止突起5aと掛止する被掛止部8dを形成してある。
加圧機構6は、図1及び図2に示すように、ボールペンレフィル7の後方且つノック体5の内方に、当該ノック体5に対して前後動自在に収納され、円筒状のシリンダー17と、シリンダー17の後端開口部17aに挿入されシリンダー17に対して前後に摺動可能に係着したピストン18と、ピストン18の側面に嵌着されたOリング19と、シリンダー17とピストン18の間に張架した第2コイルスプリング20(第ニの弾発部材)とで構成してある。
尚、加圧機構6は、ノック体5のストッパー5bにより前方への移動を制限してある。
シリンダー17について詳述すると、図1及び図2に示すように、シリンダー17は前後に貫通する段状に形成された内孔17bを有しており、シリンダー17の外周面には、内孔17bまで貫通する空気口17cを形成してある。
また、シリンダー17の内孔17bには、シリンダー17の内側部17dとピストン18の前端とOリング19とにより囲まれた加圧空間部21が形成され、加圧空間部21は空気口17cによりシリンダー17の外部と連通させてある。
更に、シリンダー17の前部17eは中央部17fより小径で形成してあり、前部17eには外方へ向かって円周状に突出する装着部17gが軸方向に沿って2箇所形成してある。また、ボールペンレフィル7の後端内周部7bはシリンダー17の装着部17gに着脱自在に装着してあり、加圧空間部21はシリンダー17の内孔17bによりボールペンレフィル7の後部内孔7c(後方空間部)まで連通してある。
尚、装着部17gは、シリンダー17にボールペンレフィル7を装着した際、シリンダー17とボールペンレフィル7との間の気密が確保され、且つ、手で容易に着脱可能になるよう外方への突出量(外径)を調整してある。
ピストン18について詳述すると、ピストン18の外周部18aには外方へ向かって突出する凸部18bが軸心を挟んで対称に2箇所形成してある。そして、凸部18bをシリンダー17の中央部17fに軸心に沿って延びるように形成した窓部17hに、前後方向に対して摺動自在に係止してある。
更に、ピストン18の外周部18aには軸周方向に延びる凹状の凹状部18cが形成してあり、凹状部18cには合成ゴムで形成したOリング19(密閉部材)を嵌着してある。このOリング19の外側部はシリンダー17の内側部17dに摺接しており、シリンダー17の後端開口部17aをピストン18とOリング19とで空気が漏れないように密閉してある。また、ピストン18の後端面には前方へ向って凹状に形成された後方内孔18dを設けてある。
尚、シリンダー17が後退した際、シリンダー17の後端にノック体5の内段部5cが当接することで、シリンダー17の後退を制限してある。
第2コイルスプリング20(第ニの弾発部材)について詳述すると、第2コイルスプリング20はシリンダー17の内方段部17iとピストン18の前段部18eとの間に張架してあり、ピストン18に対してシリンダー17を前方に弾発してある。
尚、加圧空間部21は、シリンダー17の前後への摺動によりOリング19の位置がシリンダー17の空気口17cより前方にあるときは密閉状態となり、Oリング19の位置が空気口17cより後方にあるときは、加圧空間部21とシリンダー17の外部とが空気口17cにより連通され非密閉状態となる。
ここで、第1コイルスプリング15と第2コイルスプリング20の弾発力の関係について説明を行う。
図1の非ノック時(非筆記時)においては、第1コイルスプリング15の弾発力が第2コイルスプリング20の弾発力より小さくなり、ノック体5を前方へ押圧した図3の状態(筆記状態)では、第1コイルスプリング15の弾発力が第2コイルスプリング20の弾発力より大きくなるよう各コイルスプリングの弾発力を調整してある。
尚、具体的には、本実施例におけて、非ノック時(非筆記状態)の第1コイルスプリング15の弾発力は1.0Nであり、第2コイルスプリング20の弾発力は1.5Nとなるよう構成した。また、ノック時(筆記状態)の第1コイルスプリング15の弾発力は2.4Nであり、第2コイルスプリング20の弾発力は1.7Nとなるよう構成した。
尚、繰出式加圧筆記具1には、軸筒を軸方向に沿って前後に振り、重量体9を前後動させることで、ボールペンチップ14の前端部14aが前軸3の前端開口部3aから突出した筆記状態におけるシリンダー17内の加圧空間部21の密閉状態を解除し、再加圧可能な加圧リセット機構が構成される。
次に、図1及び図3を用いて、ノック体5を前方へ押圧(ノック操作)することで、ボールペンレフィル7の筆記先端部であるボールペンチップ14の前端部14aを前軸3の前端開口部3aから突出させ、非筆記状態から筆記状態へ切り替えると共に、ボールペンレフィル7内のインキ12の後端にインキ追従体13を介して圧力をかける状態を説明する。
図1の状態からノック体5を前方へ押圧(図1の矢印F方向)すると、ノック体5に押されたピストン18が前進する。この際、非ノック時における第2コイルスプリング20の弾発力は、第1コイルスプリング15の弾発力より大きく設定してあることから、第2コイルスプリング20は圧縮されることなく加圧空間部21は非加圧状態のままシリンダー17とボールペンレフィル7と摺動リング22とが共に前方に押圧されて前進する。そして、摺動リング22に押されて、第1コイルスプリング15が圧縮し、当該第1コイルスプリング15の弾発力が第2コイルスプリング20の弾発力より大きくなることでシリンダー17の前進が止まる。更にノック体5が前進し、ノック体5の内段部5cがシリンダー17の後端に当接すると、シリンダー17がボールペンレフィル7と共に再びノック体5に押されて前進し、前軸3の前端開口部3aからボールペンチップ14の前端部14aを突出させる。そこで、ノック体5の掛止突起5aが、後軸2の側面に配置したクリップ8の先端部の被掛止部8dに掛止することで、ボールペンチップ13の前端を、前軸3(軸筒4)の前端開口部3aから突出した状態を維持させる図3の状態となる。
この時、加圧機構6においては、シリンダー17の前進が止まった際、シリンダー17に対してピストン18が前進して第2コイルスプリング20が縮み、シリンダー17の空気口17cよりOリング19の位置が前方へ移動し、Oリング19により加圧空間部21を密閉する。さらに、ピストン18が前方へ移動すると、第2コイルスプリング20を更に圧縮させ、ボールペンレフィル7の後部内孔7c及び加圧空間部21を圧縮させ、ボールペンレフィル7内のインキ12の後端にインキ追従体13を介して圧力を加える状態となる。
そして、クリップ8の後端部を押圧(図3の矢印G方向)し、クリップ8の被掛止部8dに係止したノック体5の掛止突起5aの掛止状態を解除すると、第1コイルスプリング15の弾発力によって、摺動リング22、ボールペンレフィル7、シリンダー17、ピストン18及びノック体5が後方に移動して、ボールペンチップ14の前端部14aを前軸3の前端開口部3a内に没入させ、且つ、第2コイルスプリング20の弾発力によりピストン18に対してシリンダー17を前進させ、空気口17cがOリング19に達すると、加圧空間部21と外部とが連通し、加圧空間部21の圧縮状態が解除されて図1の非ノック状態(非筆記状態)に戻る。
次に、図3及び図4を用いて、軸筒4を軸方向に沿って前後に振り、重量体9を前後に移動させて加圧リセット機構を作動することで、加圧機構6内の加圧空間部21の圧縮状態を解除し、再度加圧する動作を説明する。
図3の筆記状態から、前軸3(軸筒4)を把持したまま軸筒4を軸方向に沿って前後に振ると、慣性力により重量体9が軸筒4及びボールペンレフィル7に対して前後に摺動する。そして、重量体9の前端面9aが摺動リング22(当接体)の後端面22aに当接すると、当接した際の衝撃で、摺動リング22が第1コイルスプリング15(第一の弾性部材)の弾発力に抗して前進する。更に、摺動リング22が前進した分、第2コイルスプリング20の弾発力でピストン18及びOリング19に対してシリンダー17が前方へ移動する。そして、Oリング19がシリンダー17の空気口17cに達すると、加圧空間部21と外部とが連通し、加圧空間部21の圧縮状態が解除されて、外気圧まで圧力が下がる図4の状態となる。尚、この際、ボールペンレフィル7、シリンダー17、ノック体5の3部品は摺動リング22の移動に合わせて自重により前方側へ移動した状態となる。
ここで、重量体9に押された摺動リング22の前進が止まると(図4の状態)、第1コイルスプリング15の弾発力により摺動リング22、重量体9、ボールペンレフィル7、シリンダー17、ピストン18、Oリング19、ノック体5が後方へ移動する。そして、ノック体5の掛止突起5aがクリップ8の被掛止部8dに当接することでノック体5の後退が止まり、次にノック体5の内段部5cにピストン18の後端が当接することでピストン18とOリング19の後退が止まる。この際、ノック時(筆記状態)においては第2コイルスプリング20の弾発力より第1コイルスプリング15の弾発力を強くなるよう設定しているため、シリンダー17とボールペンレフィル7は後退を続け、シリンダー17の空気口17cがOリング19より後方へ移動し、加圧空間部21が密閉状態となり、更にシリンダー17が後方へ移動することで、加圧空間部21が再び圧縮された図3の状態に戻る。
以上の構成により、本実施例の繰出式加圧筆記具1は、ボールぺンチップ14の前端部14aが前軸3の前端開口部3aから突出した図3の状態で筆記を行うと、ボールペンレフィル7内のインキ12の後端にインキ追従体13を介して圧力を加えるため、通常よりインキ吐出量が増加し、筆跡濃度の向上、筆跡のかすれ防止、ボールペン構造の特有の問題である上向き筆記時の筆記先端部からの空気巻き込み防止等の効果を得られる。
また、図3の状態で筆記を続けると、ボールペンレフィル7内のインキ12を消費するため、ボールペンレフィル7の後部内孔7c(後方空間部)の容積がインキ12の消費分増加してしまい、結果として、後部内孔7c(後方空間部)と連通している加圧空間部21が減圧され、使うごとに効果が減少してしまうが、軸筒4を前後に振り、加圧リセット機構を作動させることで加圧空間部21の密閉状態を解除、再加圧することができ、加圧空間部21内の圧縮状態を回復することができる。
更に、本実施例の繰出式加圧筆記具1は、筆記状態のまま、軸筒4を把持して振る動作をすることで加圧リセット機構を作動できる。このため、加圧リセット機構の作動を軸筒4を持ち替えることなく実施でき、加圧空間部21の加圧状態を容易に維持しつつ筆記を継続することが可能なものとなった。また、ボールペンレフィル7を前方へ繰出す際に同時に加圧空間部21を加圧する構造であることから、筆記する際にボールペンレフィルの後退動作を利用してボールペンレフィル内を加圧する筆圧加圧式と比べて、筆記時のボールペンレフィルの後退がなく、筆記し易いものとなった。
また、繰出式加圧筆記具1は、軸筒4を振り、重量体9を前後動させることで加圧リセット機構を作動させる操作を何度繰り返しても、加圧空間部21の加圧量が増え続けることはなく、過度に加圧量が増えることでボールペンチップ14の前端部14a(筆記先端部)からインキ12が漏れることはない。
また、本実施例では、筆記時に比重の重い材料で形成された重量体9が軸筒4の前方側に位置するよう構成しているため、加圧機構6及び芯繰出機構10が後部に形成され重心位置が軸筒4の後方側に寄り易い繰出式加圧筆記具においても、重心位置を軸筒4の前方側に位置するよう構成でき、筆記感を向上できる。
更に、重量体を比重の異なる複数の部品により構成、または、前後方向で形状や厚み等を変えることで筆記時の重心位置を調整してもよい。
尚、本実施例では、軸筒を振った際、摺動リング22(当接体)の後端面22aに重量体9を当接させることで第1コイルスプリング15を圧縮し、ボールペンレフィル7を第2コイルスプリング20の弾発力で前進させて、加圧機構6の加圧空間部21の加圧状態を解除したが、重量体9が当接する当接体をボールペンレフィル7に一体的に設けてよく、図示はしないが、例えば、ボールペンレフィルの外側面に外方へ向って突出する突起部を設け、突起部に重量体9が当接するよう構成することで、軸筒4を振った際の重量体の慣性力で直接、ボールペンレフィルを第1コイルスプリングの弾発力に抗して前進させ、ボールペンレフィルの前進によりシリンダーを前進させることでも加圧空間部の密閉状態を解除することが可能である。また、前記構成であれば、重量体の慣性力で直接ボールペンレフィルを前進させていることから、ボールペンレフィルの前端部が軸筒内に没入している状態で軸筒を振り、ボールペンレフィルを前進させることで、軸筒の前端開口部から繰出すよう構成することもできる。この場合、ボールペンレフィルの繰出しと、インキ収容筒の後方空間部の密閉状態の解除、再加圧するという2つの動作を軸筒を振ることで容易に実施することができるため利便性が向上する。
1…繰出式加圧式筆記具、
2…後軸、2a…外側面、2b…側孔、2c…クリップ係止部、
2d…クリップ用係止突起、2e…スプリング用係止突起、2f…係止孔
3…前軸、3a…前端開口部、3b…外側面、3c…内孔、3d…側孔、
3e…内段部、
4…軸筒、
5…ノック体、5a…掛止突起、5b…ストッパー、5c…内段部、
6…加圧機構、
7…ボールペンレフィル、7a…外段部、7b…後端内周部、
7c…後部内孔(後方空間部)、7d…前部外側面、
8…クリップ、8a…内突起、8b…係止軸部、8c…基部、8d…被掛止部、
9…重量体、
10…芯繰出機構、
11…インキ収容筒、
12…インキ(筆記具用インキ組成物)、
13…インキ追従体、
14…ボールペンチップ、14a…前端部、
15…第1コイルスプリング(第一の弾発部材)、
16…クリップ用スプリング、
17…シリンダー、17a…後端開口部、17b…内孔、17c…空気口、
17d…内側部、17e…前部、17f…中央部、17g…装着部、
17h…窓部、17i…内方段部、17j…窓部後端、
18…ピストン、18a…外周部、18b…凸部、18c…凹状部、
18d…後部内孔、18e…前段部、
19…Oリング、
20…第2コイルスプリング(第二の弾発部材)、
21…加圧空間部、
22…摺動リング(当接体)、22a…後端面、22b…前端面、
R…係止軸。

Claims (1)

  1. 軸筒内に、筆記具用インキ組成物を充填したインキ収容筒と、該インキ収容筒の前方にボールペンチップと、を具備したボールペンレフィルを収容してなり、
    前記インキ収容筒の後方には、前記ボールペンレフィルの前端部を前記軸筒の前端開口部から出没させる繰出機構と、当該インキ収容筒の後部に連結し、外部と連通する空気口を備えた加圧機構と、を具備し、
    前記加圧機構が、前記ボールペンレフィルの前方への繰り出し動作に連動して前記空気口の外部との連通を遮断し、前記インキ収容筒の後方空間部を圧縮して加圧すると共に、前記ボールペンレフィルの前記軸筒内への没入動作に連動して前記空気口を外部と連通させ、前記インキ収容筒の後方空間部の密閉状態を解除して外気圧と同圧とするよう構成した繰出式加圧筆記具であって、
    前記軸筒の内側面と前記ボールペンレフィルの外側面との間に、当該軸筒に対して前後動自在に形成した重量体が配設され、
    前記ボールペンレフィルの外側面に、該ボールペンレフィルと一体または別体で形成され、外方へ向って突出する当接体が配設され、
    前記軸筒と前記ボールペンレフィルとの間に第一の弾発部材が配設されると共に、前記第一の弾発部材により前記ボールペンレフィルと前記当接体とが後方へ弾発され、
    前記ボールペンレフィルの前端部が前記軸筒の前端開口部から突出した状態で、前記軸筒を軸方向に沿って前後に振り、前記重量体の前進に伴い当該重量体に当接した前記当接が前記軸筒に対して前進して前記第一の弾発部材を収縮させることで、前記加圧機構の空気口が外部と連通して前記インキ収容筒の後方空間部の密閉状態を解除して外気圧と同圧とすると共に、収縮した前記第一の弾発部材が伸びることで、前記加圧機構の空気口が遮断され前記インキ収容筒の後方空間部を再度圧縮して加圧する加圧リセット機構を設けたことを特徴とする繰出式加圧筆記具。
JP2018015310A 2018-01-31 2018-01-31 繰出式加圧筆記具 Active JP7007939B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018015310A JP7007939B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 繰出式加圧筆記具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2018015310A JP7007939B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 繰出式加圧筆記具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2019130808A JP2019130808A (ja) 2019-08-08
JP7007939B2 true JP7007939B2 (ja) 2022-02-10

Family

ID=67544633

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2018015310A Active JP7007939B2 (ja) 2018-01-31 2018-01-31 繰出式加圧筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7007939B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220101484A (ko) * 2021-01-11 2022-07-19 국방과학연구소 회로 건전성 향상 방법 및 그 장치

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004009645A (ja) 2002-06-10 2004-01-15 Mitsubishi Pencil Co Ltd 筆記具
JP2005138513A (ja) 2003-11-10 2005-06-02 Mitsubishi Pencil Co Ltd 加圧式のボールペン
JP2010125715A (ja) 2008-11-27 2010-06-10 Kotobuki & Co Ltd 液体供給具
JP3168101U (ja) 2011-03-11 2011-06-02 ゼブラ株式会社 ボールペン

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004009645A (ja) 2002-06-10 2004-01-15 Mitsubishi Pencil Co Ltd 筆記具
JP2005138513A (ja) 2003-11-10 2005-06-02 Mitsubishi Pencil Co Ltd 加圧式のボールペン
JP2010125715A (ja) 2008-11-27 2010-06-10 Kotobuki & Co Ltd 液体供給具
JP3168101U (ja) 2011-03-11 2011-06-02 ゼブラ株式会社 ボールペン

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20220101484A (ko) * 2021-01-11 2022-07-19 국방과학연구소 회로 건전성 향상 방법 및 그 장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2019130808A (ja) 2019-08-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5558908B2 (ja) 加圧式筆記具
TW201919920A (zh) 加壓式筆具
JP7007939B2 (ja) 繰出式加圧筆記具
JP4395529B2 (ja) 塗布具の流動体供給装置
JP6978334B2 (ja) 加圧式筆記具
JP3929360B2 (ja) 筆記具
JP5602614B2 (ja) 加圧式筆記具
JP2019130807A (ja) 繰出式加圧筆記具
JP4193729B2 (ja) 加圧式塗布具
JP4847290B2 (ja) 加圧式筆記具
JP4165748B2 (ja) ノック式ボールペン
JP2006297800A (ja) 加圧式の筆記具
JP2009202513A (ja) 加圧式筆記具
JP2019147282A (ja) 液体吐出具
JP2009226674A (ja) ボールペン
JP2021102314A (ja) 加圧式筆記具
JP2007118347A (ja) 開閉蓋付のノック式筆記具
KR200184055Y1 (ko) 거꾸로도 잘 써지는 필기구
JP3444824B2 (ja) ボールペン
JP5005575B2 (ja) 繰出式筆記具
JP5771036B2 (ja) 液状糊塗布具
JPH0313999B2 (ja)
JP2021102315A (ja) 加圧式筆記具
JP2008173913A (ja) ノック式筆記具
JP2006289833A (ja) ボールペン

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20201111

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20211020

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211026

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211201

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220106

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220107

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7007939

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150