JP7119841B2 - ストッパ付伸縮シャフト - Google Patents
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Description
前記雌軸は、中空筒形状を有している。
前記雄軸は、前記雌軸に対してトルク伝達を可能に、かつ、軸方向の相対変位を可能に内嵌されている。
前記ストッパは、前記雄軸に外嵌されて、前記雌軸と前記雄軸とが互いに近づくように軸方向に相対変位した際に、前記雌軸の軸方向一方側の端面に当接して、前記雌軸と前記雄軸とのそれ以上の相対変位を阻止するものである。
さらに前記雄軸は、該雄軸の軸方向他方側に配された軸部と、前記雄軸の軸方向一方側に配されたヨーク部と、前記軸部の軸方向一方側の端部と前記ヨーク部の軸方向他方側の側面との境界に位置し、前記軸部の軸方向一方側の端部よりも外径が大きくなった環状の大径接続部部と、を有している。
また、前記ストッパは、円周方向一箇所に第1開口部を有する欠円環状の第1筒部と、該第1筒部よりも大きな内径を有しかつ円周方向に関する位相が前記第1開口部と一致する部分に第2開口部を有する欠円環状の第2筒部とを備えており、前記第1筒部を、前記軸部の軸方向一方寄り部分に締り嵌めにより外嵌し、かつ、前記第2筒部を、前記大径接続部に隙間嵌めにより外嵌(大径接続部の周囲に径方向隙間を介して配置)し、その軸方向一方側の端面を前記ヨーク部の軸方向他方側の側面に対して軸方向に当接させている。
あるいは、前記ストッパを、ばね鋼などの金属製とすることもできる。
あるいは、前記大径接続部を、ろう付け部や接着部とすることもできる。
実施の形態の第1例について、図1~図6を用いて説明する。本例では、本発明のストッパ付伸縮シャフトを、自動車用のステアリング装置を構成する中間シャフトに適用した場合について説明する。
自動車用のステアリング装置13は、ステアリングホイール14と、ステアリングシャフト15と、ステアリングコラム16と、1対の自在継手17a、17bと、伸縮式の中間シャフト1aと、ステアリングギヤユニット18と、1対のタイロッド19とを備えている。
なお、前後方向とは、ステアリング装置が組み付けられる車体の前後方向をいう。また、中間シャフト1aに関して軸方向一方側は、車体の後方側に対応し、中間シャフト1aに関して軸方向他方側は、車体の前方側に対応する。
中間シャフト1aは、雄軸に相当するインナシャフト2aと、雌軸に相当する中空円筒状のアウタチューブ3aと、ストッパ11aとを備えている。そして、中間シャフト1aの軸方向一方側(図2及び図3の右側)に配されたインナシャフト2aと、中間シャフト1aの軸方向他方側(図2及び図3の左側)に配されたアウタチューブ3aとを、トルク伝達を可能にかつ軸方向に関する相対変位を可能に組み合わせている。
なお、本発明を実施する場合、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとの前後方向の位置関係は、本例の構造とは逆にすることもできる。つまり、中間シャフト1aに関する軸方向一方側を車体の前方側とし、中間シャフト1aに関する軸方向他方側を車体の後方側とすることもできる。
なお、本例では、ヨーク部9aと筒部8aとを互いに別体とした場合について説明したが、図12に示した構造のように、ヨーク部9aと筒部8aとを互いに一体に構成することもできる。
本例では、中間シャフト1aの収縮ストロークを制限するために、インナシャフト2aの軸方向一方寄り部分に、ストッパ11aを外嵌している。
すなわち、インナシャフト2aに外嵌したストッパ11aにより、中間シャフト1aの収縮ストロークを、筒部8aの軸方向一方側の端面から第1筒部35の軸方向他方側の端面までの長さLに制限することができる。つまり、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとが互いに近づくように軸方向に相対変位した際に、筒部8aの軸方向一方側の端面がストッパ11aに当接して、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとがそれ以上相対変位することを阻止する。このため、搬送時などに、中間シャフト1aが意図せずに収縮した際にも、筒部8aの軸方向一方側の端面が第1筒部35の軸方向他方側の端面に突き当たることで、中間シャフト1aの収縮ストロークを制限することができる。したがって、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとが所期の摺動範囲を超えて摺動することを防止できる。この結果、所期の摺動範囲の外に潤滑剤が押し出されることを有効に防止でき、中間シャフト1aの伸縮動作を長期間にわたり円滑に行わせることが可能になるとともに、インナシャフト2aとアウタチューブ3aとの摺動部の摩耗を抑制することができる。
実施の形態の第2例について、図7~図11を用いて説明する。本例では、ストッパ11bの軸方向の方向性をなくすために、ストッパ11bを、軸方向において対称形状としている。具体的には、ストッパ11bは、軸方向中間部に配された第1筒部35と、該第1筒部35の軸方向両側に配された互いに同形及び同大の第2筒部36a、36bとを備えている。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
実施の形態の第3例について、図12を用いて説明する。本例では、インナシャフト2bを構成する軸部4bとヨーク部5bとを、互いに一体に構成している。そして、軸部4bの軸方向一方側の端部とヨーク部5bの基部21の軸方向他方側の側面との境界に位置し、軸部4bの軸方向一方側の端部の外径(D4b)よりも大きな外径(D42)を有する部分(大径接続部)を、鍔部42としている。鍔部42は、軸部4bとヨーク部5bの基部21との連続部に応力集中が生じることを防止するもので、たとえば凹円弧形の断面形状を有しており、軸部4bの軸方向一方側の端部外周面とヨーク部5bの基部21の軸方向他方側の側面とを滑らかに連続している。また、本例の場合にも、ストッパ11aのうち、小径の第1筒部35を、軸部4bの軸方向一方寄り部分に締り嵌めにより外嵌し、かつ、大径の第2筒部36を、鍔部42に隙間嵌めにより外嵌している。また、この状態で、第2筒部36の軸方向一方側の端面を、ヨーク部5bの基部21の軸方向他方側の側面に対して軸方向に当接させている。
その他の構成及び作用効果については、実施の形態の第1例と同じである。
2、2a、2b インナシャフト
3、3a アウタチューブ
4、4a、4b 軸部
5、5a、5b ヨーク部
6、6a 雄スプライン部
7、7a 溶接ビード部
8、8a 筒部
9、9a ヨーク部
10、10a 雌スプライン部
11、11a、11b ストッパ
12 開口部
13 ステアリング装置
14 ステアリングホイール
15 ステアリングシャフト
16 ステアリングコラム
17a、17b 自在継手
18 ステアリングギヤユニット
19 タイロッド
20 ピニオン軸
21 基部
22 挿通孔
23 腕部
24 円孔
25 軸受カップ
26 十字軸
27 軸
28 基部
29 腕部
30 挿通孔
31 円孔
32 軸受カップ
33 十字軸
34 軸
35 第1筒部
36、36a、36b 第2筒部
37、37a、37b 連結部
38 第1開口部
39、39a、39b 第2開口部
40 径方向板部
41 軸方向板部
42 鍔部
Claims (6)
- 中空筒状の雌軸と、該雌軸に対してトルク伝達を可能にかつ軸方向の相対変位を可能に内嵌された雄軸と、該雄軸に外嵌されて、前記雌軸と前記雄軸とが互いに近づくように軸方向に相対変位した際に、前記雌軸の軸方向一方側の端面に当接して、前記雌軸と前記雄軸とのそれ以上の相対変位を阻止するストッパと、を備えたストッパ付伸縮シャフトであって、
前記雄軸は、該雄軸の軸方向他方側に配された軸部と、前記雄軸の軸方向一方側に配されたヨーク部と、前記軸部の軸方向一方側の端部と前記ヨーク部の軸方向他方側の側面との境界に位置し、前記軸部の軸方向一方側の端部よりも外径が大きくなった環状の大径接続部と、を有しており、
前記ストッパは、円周方向一箇所に第1開口部を有する欠円環状の第1筒部と、該第1筒部よりも大きな内径を有しかつ円周方向に関する位相が前記第1開口部と一致する部分に第2開口部を有する欠円環状の第2筒部と、を備え、前記第1筒部を、前記軸部の軸方向一方寄り部分に締り嵌めにより外嵌し、かつ、前記第2筒部を、前記大径接続部に隙間嵌めにより外嵌し、その軸方向一方側の端面を前記ヨーク部の軸方向他方側の側面に対して軸方向に当接させている、
ストッパ付伸縮シャフト。 - 前記ストッパは、軸方向において対称形状であり、前記第1筒部の軸方向両側に前記第2筒部を備えており、1対の前記第2筒部のうち、前記ストッパの軸方向一方側に配された前記第2筒部が、前記大径接続部に隙間嵌めにより外嵌している、請求項1に記載したストッパ付伸縮シャフト。
- 前記ストッパは、合成樹脂製である、請求項1~2のうちのいずれか1項に記載したストッパ付伸縮シャフト。
- 前記大径接続部の外径は、軸方向一方側に向かうほど大きくなる、請求項1~3のうちのいずれか1項に記載したストッパ付伸縮シャフト。
- 前記軸部と前記ヨーク部とが、互いに別体に構成されており、前記大径接続部は、前記軸部の軸方向一方側の端部と前記ヨーク部とを接合する、溶接ビード部である、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載したストッパ付伸縮シャフト。
- 前記軸部と前記ヨーク部とが、互いに一体に構成されており、前記大径接続部は、前記軸部の軸方向一方側の端部の外周面と前記ヨーク部の軸方向他方側の側面とを連続する鍔部である、請求項1~4のうちのいずれか1項に記載したストッパ付伸縮シャフト。
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