JP2005315323A - プロペラシャフト及びその組付方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】複数段階での衝撃吸収を可能とし得て、しかも、衝撃吸収のための構造上の設計値の算出を容易化し、容易に組み付ける。
【解決手段】車体前後方向一端側に配置され且つその中途部に外形状が截頭円錐形状の中間円筒部36aを形成することで車体前後方向に大径円筒部36bと小径円筒部36cとを形成した円筒状軸部材36と、大径円筒部内36bに変位可能に配設され且つ小径円筒部36cの内径よりも大径な緩衝部材38と、車体前後方向他端側に配置され且つ先端が大径円筒部36b内に臨むインナー軸32と、大径円筒部36bとインナー軸32との相対回転不能接続状態を維持し且つ車体前後方向に沿う衝撃荷重を受けた場合には破断若しくは塑性変形することによって大径円筒部36bでのインナー軸32と緩衝部材38との接近に伴う軸長収縮を許容する弾性リング41とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車体エンジンの駆動力を車輪に伝達するために車体前後方向に延在されたプロペラシャフトに関し、特に、車体前後方向に沿う衝撃荷重を軸長伸縮させつつ吸収する衝撃吸収機構付のプロペラシャフト及びその組付方法に関するものである。
近年、自動車等の走行車両の分野では、車室内空間の変形を防止しつつその前後に位置するエンジンルームやトランクルーム等の変形を許容することによって車体前後方向に沿う衝撃荷重を吸収する所謂クラッシャブルゾーンを設計することが法規制等により行われている。
このようなクラッシャブルゾーンを構成する車体ボディは、クラッシャブルゾーンが衝撃度に応じて設計通りに潰れることが好ましい。
しかしながら、このクラッシャブルゾーンを衝撃度に応じた設計通りに潰す際の演算が困難な要因としてプロペラシャフトの存在が挙げられている。
プロペラシャフトには、自動車の種類に応じて1本或いは複数本のシャフトをユニバーサルジョイント等の各種連結部材で連結した分割式のものがある。これらは、トランスミッションとデファレンシャルギア等の被駆動部材とを連結し、エンジン等の駆動源で発生する回転トルクをデファレンシャルギアから車輪に伝達している。特に、フロントエンジン・リヤ駆動方式のFR車や4輪駆動方式の4WD車に採用されるプロペラシャフトは、その軸線が車体前後方向に沿って配置されているため、車体前後方向に沿う衝撃発生時にプロペラシャフトが柱(剛体)となって支えてしまう。
このため、衝撃発生時に、エンジンやデファレンシャルギア等の移動変位が規制され、結果として車体前後方向から衝撃荷重を受けてもクラッシャブルゾーンの潰れが妨げられてしまう。また、特に、プロペラシャフトが複数のシャフトを連結した分割式のものの場合、プロペラシャフトに加わった衝撃荷重によってプロペラシャフトの接続部分が折れ曲がり易いことを考慮すると、その衝撃荷重の吸収力を算出することはより複雑となってしまう。
そこで、車体前後方向に沿って発生した衝撃荷重に対して、プロペラシャフトの折れ曲がりが発生する以前にプロペラシャフトの軸長収縮を許容することによってプロペラシャフトに衝撃吸収機能を具備させたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図3及び図4は、このような従来の衝撃吸収機能を具備したプロペラシャフトの一例を示し、図3(A)はプロペラシャフトの側面図、図3(B)はプロペラシャフトの衝撃吸収部分の断面図、図3(C)はプロペラシャフトの衝撃吸収部分の要部の分解斜視図、図4(A)乃至図4(C)はプロペラシャフトの衝撃吸収部分の要部を組み付ける際の手順を時系列で示す断面図である。
図3(A)において、プロペラシャフトPは、トランスミッションMと被駆動部材となるデファレンシャルギヤGとを連結し、図示しない駆動源となるエンジンで発生する回転トルクをデファレンシャルギヤGから図示しない駆動輪に伝達している。プロペラシャフトPは、矢印Aで示した入出力方向となる車体前後にクラッシャブルゾーンがそれぞれ構成され且つ各クラッシャブルゾーン間に高強度の車室(客室)を備えた周知のクラッシャブルボディを持つ車両に適用されている。
プロペラシャフトPは、車体前後方向の各両端に配置された連結ヨーク部材となるスライドヨーク1,1と、このスライドヨーク1,1間にスリーブ2,2を介して連結された中空軸状の鋼管3とで大略構成されている。
トランスミッションM側のスライドヨーク1の一端1aは、トランスミッションMにスプライン結合で車体前後方向に摺動可能に支持された出力軸11に自在継手12と連結ヨーク13を介して連結されている。デファレンシャルギヤG側のスライドヨーク1の一端1aは、自在継手14並びに連結ヨーク15を介してデファレンシャルギヤGと連結されている。各スライドヨーク1,1は、自在継手12,14と連結ヨーク13,15とによりそれぞれユニバーサルジョイントを構成している。
スリーブ2,2の構成は、基本的には同一であり、鋼管3を中心にそれぞれ対称に配置されている。このため、以下、一方のスリーブ2の構成を代表して詳細に説明する。
図3(B)に示すように、スライドヨーク1は、自在継手12の取付け部となる一端1aと中空の他端1bとが一体の金属で形成されており、他端1bの外周面には軸線方向に沿って端面1cにまで延びるスプライン結合用の歯部1dが形成されている。また、スライドヨーク1の端面1cの近傍に位置する他端1bの外周面には、スナップリング4を嵌挿するための周溝1eが形成されている。
スリーブ2は、全体が円筒形状を呈しており金属で冷間鍛造により成形されており、スライドヨーク1の他端1bを挿通可能としている。また、スリーブ2の端面2a寄りの内周面には、歯部1dとのスプライン結合用の歯部2bが形成されている。このため、スリーブ2は、スプライン結合によってスライドヨーク1と一体に回転すると共に軸線方向に沿って移動変位可能に支持されている。
スリーブ2の内周面には、歯部2bとの境に段部2cが形成されている。周溝1eに挿嵌されるスナップリング4は、この段部2cと当接する大きさに形成されており、段部2cと当接することで、スリーブ2の端面2aからのスライドヨーク1の突出位置を定めている。一端1aの背後に形成された当接面1fから端面2aまでが、スライドヨーク1の移動量Sとなる。このようにスナップリング4を設けてスライドヨーク1の位置決めと移動量Sとを一定にすることで、プロペラシャフトの回転バランスの安定を図っている。また、スナップリング4は、図示しないサスペンションのストローク変位によりトランスミッションMと出力軸11とが移動するときの、スライドヨーク1のスリーブ2からの抜け止め機能や、スリーブ2に後述するシート5をカシメる時の抜け止め機能を備えている。
スリーブ2の略中央の外周面には、鋼管3の一端に挿嵌される段周部2dが形成されている。スリーブ2は、この段周部2dを鋼管3の一端に挿嵌した状態で段周部2dの近傍を周方向に溶接することで鋼管3に固定されている。
図3(C)に示すように、段周部2dには、延長部2eがスライドヨーク1の挿入方向となる他端1bの延出方向に延びて形成されている。この延長部2eは、本形態では段周部2dよりも肉薄の円周形状に形成されている。なお、延長部2eの円周上に適当な間隔でスリットを形成して分割するようにしてもよい。
また、延長部2e内は、その端面を内側に折り曲げることでシート5を抱き込むように保持している。このシート5は、冷間鍛造によりリング状に形成されており、その外径がスリーブ2の内径と略同径となっている。
このような構成においては、図4(A)に示すように、予め歯部1d及び周溝1eを形成したスライドヨーク1の端面1cを、予め歯部2bを形成されたスリーブ2の端面2aに互いの歯部を噛み合うように当接して両者を軽圧入してスライドヨーク1にスリーブ2を装着する。
この状態から、スライドヨーク1とスリーブ2とを、周溝1eが延長部2eより外側に突出するまで軸方向に相対的にスライドさせ、スナップリング4を装着する。
次に、図4(B)に示すように、スナップリング4がスリーブ2の段部2cに当接するまでスリーブ2とスライドヨーク1とを両者の間隔が広がる向きに相対的に移動させ、さらにシート5を延長部2eから内周面に沿ってスリーブ2内に挿入して、その一端面3aが端面1cに当接するまで押し込む。
さらに、図4(C)に示すように、シート5と端面1cとの当接状態を確保した後、スリーブ2の各延長部2eをそれぞれ内側に略直角に折り曲げてシート5の他端面3bに当接し、各折り曲げ部を周方向にカシメ、シート5を端面1cと折れ曲がった延長部2eとで挟持して保持する。そして、このようにして組み付けられたスリーブ2を鋼管3に装着するには、段周部2dを鋼管3に挿嵌し、その突き当て部分を両者間に跨って外側から周方向に溶接することでシート5が鋼管3の内部に配置された状態で接続される。
このように構成したプロペラシャフトPの衝撃吸収作用について説明する。図3(B)において、矢印Bで示す前方向から衝撃荷重Fが加わると、図示しない車体の前方側に形成されたエンジンルーム等のクラッシャブルゾーンが衝突初期段階において変形し衝撃荷重Fが吸収される。そして変形した部位がエンジンに衝突すると、衝撃荷重FがトランスミッションMからスライドヨーク1に伝達される。
スライドヨーク1にかかる衝撃荷重Fが、延長部2eを内側に折り曲げることで保持したシート5の保持力を超えると、折り曲げられた延長部2eがシート5に押され、延長部2eが元の状態へと復帰するかのように拡開する方向に塑性変形(若しくは、開裂)する。
これにより、プロペラシャフトPに加わった衝撃荷重Fは、スプライン結合に伴う抵抗と延長部2eを塑性変形させるエネルギーと吸収されることになる。そして、スライドヨーク1の移動は、当接面1aがスリーブ2の端面2aに当接することで停止する。
特開平11−303846号公報
ところで、上記の如く構成されたプロペラシャフトPにあっては、主として延長部2eの塑性変形により衝撃を吸収する構造であった。
従って、シート5を抱き込み保持するためのスリーブ2が必要となるうえ、シート5を抱き込み保持するための延長部2eの曲げ加工が困難であった。また、延長部2eを内側に折り曲げる際には、その折り曲げ部分に皺が発生しやすく、その皺が補強の役割を果たしてしまうために、塑性変形を許容するための衝撃吸収力の算出が非常に困難となってしまうという問題も生じていた。さらに、スライドヨーク1の抜け止めのためにのみスナップリング4が機能していることから、スナップリング4の組み付けから延長部2eの折り曲げ、さらに、鋼管3への挿入・溶接といった煩雑な組み付け手順を余儀なくされるといった問題も生じていた。
本発明は、上記問題を解決するため、複数段階での衝撃吸収を可能とし得て、しかも、衝撃吸収のための構造上の設計値の算出を容易化することができ、しかも、容易に組み付けることができるプロペラシャフト及びその組付方法を提供することを目的とする。
その目的を達成するため、第1の発明に係るプロペラシャフトは、車体エンジンの駆動力を車輪に伝達するために車体前後方向に延在されたプロペラシャフトにおいて、車体前後方向一端側に配置され且つその中途部に外形状が截頭円錐形状の中間円筒部を形成することで車体前後方向に大径円筒部と小径円筒部とを形成した円筒状軸部材と、前記大径円筒部内に変位可能に配設され且つ前記小径円筒部の内径よりも大径な緩衝部材と、車体前後方向他端側に配置され且つ先端が前記大径円筒部内に臨む軸部材と、前記大径円筒部と前記軸部材の前記一端との相対回転不能接続状態を維持し且つ車体前後方向に沿う衝撃荷重を受けた場合には破断若しくは塑性変形することによって前記大径円筒部内での前記軸部材の前記一端と前記緩衝部材側との接近に伴う軸長収縮を許容するジョイント部材と、を備え、前記軸部材の前記一端と前記緩衝部材側とが接近して突き当たった後には、前記緩衝部材が前記中間円筒部の中途部に圧入することで車体前後方向の衝撃荷重を吸収することを特徴とする。
第2の発明に係るプロペラシャフトは、前記緩衝部材の外周に弾性部材が固定されていることを特徴とする。
第3の発明に係るプロペラシャフトは、前記緩衝部材の前記中間円筒部側の角部には、該中間円筒部材の中途部に圧入される際の調芯用面取り部が形成されていることを特徴とする。
第4の発明に係るプロペラシャフトは、前記大径円筒部は、車体前後方向一端側に位置して前記中間円筒部並びに前記小径円筒部と一体の第1円筒部材と、車体前後方向他端側に位置して前記第1円筒部材に突き当て状態で接続された第2円筒部材とを備えていることを特徴とする。
第5の発明に係るプロペラシャフトは、前記第2円筒部材と前記軸部材とがスプライン結合により相対回転不能に接続され、前記ジョイント部材を前記第2円筒部材と前記軸部材との抜け止めを維持するように両者間に跨る弾性環状リングとしたことを特徴とする。
第6の発明に係るプロペラシャフトの組付方法は、車体前後方向一端側に配置されると共にその中途部に外形状が截頭円錐形状の中間円筒部を形成することで車体前後方向に大径円筒部と小径円筒部とを形成した円筒状軸部材の前記大径円筒部内に前記小径円筒部の内径よりも大径な緩衝部材を変位可能に挿入し、内周面にスプライン結合用の歯部を形成したジョイント用円筒部材を前記大径円筒部の端面に溶接により接続した後、車体前後方向他端側に配置されると共にその先端側外周面にスプライン結合用の歯部が形成され且つ弾性環状リングが係合された軸部材を前記ジョイント用円筒部材内に挿入して前記弾性環状リングを前記ジョイント用円筒部材に弾発係合させて、軸方向位置決めしたことを特徴とする。
本発明のプロペラシャフト及びその組付方法によれば、ジョイント部材の塑性変形若しくは破断による衝撃吸収並びに緩衝部材の中間円筒部への圧入といった複数段階での衝撃吸収を可能とし得て、しかも、衝撃吸収のための構造上の設計値の算出を容易に安定化することができ、しかも、容易に組み付けることができる。
次に、本発明のプロペラシャフト及びその組付方法を図面に基づいて説明する。
図1及び図2は、本発明のプロペラシャフトを示し、図1(A)はプロペラシャフトの全体の側面図、図1(B)はプロペラシャフトの衝撃吸収部分の拡大断面図、図2(A)乃至図2(C)はプロペラシャフトの衝撃吸収部時の要部の状態変化を時系列で示す断面図である。
図1(A)において、プロペラシャフト20は、上記従来技術と同様に、トランスミッションと被駆動部材となるデファレンシャルギヤとを連結し、図示しない駆動源となるエンジンで発生する回転トルクをデファレンシャルギヤから図示しない駆動輪に伝達している。プロペラシャフト20は、車体前後にクラッシャブルゾーンがそれぞれ構成され且つ各クラッシャブルゾーン間に高強度の車室(客室)を備えた周知のクラッシャブルボディを持つ車両に適用されている。
プロペラシャフト20は、図示右側をエンジン側、図示左側をディファレンシャルギヤ側としており、その中央に車体取付用のブラケット21が設けられている。
このブラケット21は、プロペラシャフト20の中央部分が貫通しており、プロペラシャフト20の車体上下左右方向の変位を許容するためにゴム等の緩衝部材22(防振ゴム)によってプロペラシャフト20を回転可能に弾性保持している。
また、プロペラシャフト20の両端は、従来技術と同様にユニバーサルジョイント方式でトランスミッション並びにデファレンシャルギヤと接続されており、一方の連結ヨーク23は、トランスミッションに自在継手24と連結ヨーク25を介して連結される。また、他方の連結ヨーク26は、自在継手27並びに連結ヨーク28を介してデファレンシャルギヤと連結されている。
さらに、プロペラシャフト20は、ブラケット21の周辺で構成されるジョイント軸部29を介してエンジン側シャフト部30とディファレンシャル側シャフト部31とに分割されている。
ジョイント軸部29は、図1(B)に示すように、軸部材としてのインナー軸32と、このインナー軸32のラジアル方向の回転を許容するベアリング部33とを備えている。
エンジン側シャフト部30は、全体的に円筒形状を呈しており、一端に連結ヨーク23が設けられている。また、他端はインナー軸32とトリポード34を介してアウターカップが連結されている。さらに、エンジン側シャフト部30の内部には、ダイナミックダンパー35が設けられている。このダイナミックダンパー35は、プロペラシャフト20の特性が車体振動に大きな影響を与えるため、その振動性(共振周波数)を解消するために設けられている。
デファレンシャルギヤ側シャフト部31は、連結ヨーク26を一端に接続した円筒状の第1円筒部材36と、インナー軸32の一端が接続される第2円筒部材37とを他端に備え、これらを突き合わせた状態でフリクション溶接により接合されている。
第1円筒部材36の他端寄りは、その中途部に外形状が截頭円錐形状の中間円筒部36aを形成することで車体前後方向に大径円筒部36bと小径円筒部36cとを形成している。なお、第1円筒部材36は、鋼管等から構成されており、絞り加工等の公知の技術により各円筒部36a,36b,36cを一体に形成している。
また、大径円筒部36bの内部には、ダンパー機能を兼ねたスリーブ状の緩衝部材38が設けられている。
この緩衝部材38は、車体前後方向に軸線を有する円筒形状の本体39と、この本体39の外周に焼付け等により固定されたゴム等の弾性部材40とを備えている。また、緩衝部材38は、弾性部材40をその弾性力に抗して圧縮した状態で大径円筒部36b内での摺動が許容されていると共に、本体39の外径が小径円筒部36cの内径よりも大径に設定されている。より詳細には、本体39は弾性部材40の存在により大径円筒部36bの内径よりも小径となっているが、中間円筒部36aの最小径部(=小径円筒部36cの内径)よりは大径に設定されている。
第2円筒部材37は、大径円筒部36bと略同径の内径を備えており、その内周面にはインナー軸32の一端に形成されたスプライン結合用の歯部32aと係合する歯部37aが形成されている。また、歯部37aの中途部には、インナー軸32の一端に形成された周溝32bに保持されたジョイント部材としての弾性リング41が弾発係合する内周溝37bが形成されている。
ところで、このジョイント部材としての弾性リング41には、CリングやEリングといった公知の構造のものが採用されているが、後述する第1次衝撃吸収のために塑性変形或いは破断が可能となるようにその肉厚や材質等の衝撃吸収度が設定されている。尚、ジョイント部材としては、このような弾性リングのほか、第2円筒部材37とインナー軸32とを貫通するシャフト又はピン等でもよい。この際、シャフト又はピン等を第2円筒部材37とインナー軸32とを貫通させた場合、このシャフト又はピンによって第2円筒部材37とインナー軸32との相対回転が不能となるため、スプライン結合は不要とすることもできる。また、スプライン結合を行わない場合には第2円筒部材37を廃止してもよい。
このような構成においては、予め本体39の外周に弾性部材40を焼付け等により固定しておき、その緩衝部材38を予め所定形状に形成した第1円筒部材36の大径円筒部36b内に緩衝部材38を挿入(圧入)する。この際、弾性部材40の弾性圧縮変形により容易に圧入保持が可能となる。
この状態から、第1円筒部材36に第2円筒部材37を接続し、弾性リング41を装着したインナー軸32を第2円筒部材37に挿入し、弾性リング41の弾発係合によりインナー軸32と第2円筒部材37と確実に連結される。
従って、従来技術で説明したように、本願の緩衝部材38に相当するシート5を抱き込ませる必要はなく、その抱き込みに伴う折り曲げ加工といった加工作業を不要とすることができるばかりでなく、折り曲げ加工に伴って発生する皺による剛性変化といった不具合がなく、安定した衝撃吸収荷重の設定が可能となる。
また、このような構成のプロペラシャフト20にあっては、車体前後方向に沿って衝撃荷重が加わった場合、図2(A)に示すように、通常の接続状態から、図2(B)に示すように、その衝撃度に応じて第1次衝撃吸収として弾性リング41が塑性変形若しくは破断し、スプライン結合を維持したままインナー軸32が緩衝部材38に向かって変位する。
さらに、衝撃度が大きい場合には、図2(C)に示すように、インナー軸32が緩衝部材38に突き当たってそのまま緩衝部材38と一体にインナー軸32が変位し、中間円筒部36aの内径と緩衝部材38の内径との差によって緩衝部材38が中間円筒部36aにさらに圧入され、第2次衝撃吸収として機能しつつそれ以上の変位が停止される。
従って、従来技術の突き当てのような急激な変位停止と異なり、本発明では、中間円筒部36aの内径が徐々に小さくなっていることから、徐々に変位が停止されることとなる。なほ、中間円筒部36aの内径は所定の衝撃吸収荷重特性に合わせて適宜変更可能であり、複数段のテーパ状内径の組み合わせでもよいし、また、部分的に一定内径を組み合わせてもよい。
尚、緩衝部材38、特に本体39の中間円筒部36a寄りの角部にRやテーパ状の面取り加工を行うことにより、緩衝部材38が中間円筒部36aに押圧 される際の調芯機能を具備させることができるうえ、本体39が中間円筒部材36aの内壁面に傾いて食い込んでしまい局部的な破損を防止でき、安定した衝撃吸収を継続させることができる。
本発明のプロペラシャフトを示し、(A)はプロペラシャフトの全体の側面図、(B)はプロペラシャフトの衝撃吸収部分の拡大断面図である。 本発明のプロペラシャフトを示し、(A)は衝撃荷重が加わる前の要部の断面図、(B)はプロペラシャフトの第1次衝撃吸収後の要部の断面図、(C)はプロペラシャフトの第2次衝撃吸収状態の要部の断面図である。 従来の衝撃吸収機能を具備したプロペラシャフトの一例を示し、(A)はプロペラシャフトの側面図、(B)はプロペラシャフトの衝撃吸収部分の断面図、(C)はプロペラシャフトの衝撃吸収部分の要部の分解斜視図である。 従来の衝撃吸収機能を具備したプロペラシャフトの一例を示し、(A)乃至(C)はプロペラシャフトの衝撃吸収部分の要部を組み付ける際の手順を時系列で示す断面図である。
符号の説明
20…プロペラシャフト
32…インナー軸(軸部材)
36…第1円筒部材
36a…中間円筒部
36b…大径円筒部
36c…小径円筒部
37…第2円筒部材
38…緩衝部材
41…弾性リング

Claims (6)

  1. 車体エンジンの駆動力を車輪に伝達するために車体前後方向に延在されたプロペラシャフトにおいて、
    車体前後方向一端側に配置され且つその中途部に外形状が截頭円錐形状の中間円筒部を形成することで車体前後方向に大径円筒部と小径円筒部とを形成した円筒状軸部材と、
    前記大径円筒部内に変位可能に配設され且つ前記小径円筒部の内径よりも大径な緩衝部材と、
    車体前後方向他端側に配置され且つ先端が前記大径円筒部内に臨む軸部材と、
    前記大径円筒部と前記軸部材の前記一端との相対回転不能接続状態を維持し且つ車体前後方向に沿う衝撃荷重を受けた場合には破断若しくは塑性変形することによって前記大径円筒部内での前記軸部材の前記一端と前記緩衝部材側との接近に伴う軸長収縮を許容するジョイント部材と、
    を備え、
    前記軸部材の前記一端と前記緩衝部材側とが接近して突き当たった後には、前記緩衝部材が前記中間円筒部の中途部に圧入することで車体前後方向の衝撃荷重を吸収することを特徴とするプロペラシャフト。
  2. 前記緩衝部材の外周に弾性部材が固定されていることを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフト。
  3. 前記緩衝部材の前記中間円筒部側の角部には、該中間円筒部材の中途部に圧入される際の調芯用面取り部が形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のプロペラシャフト。
  4. 前記大径円筒部は、車体前後方向一端側に位置して前記中間円筒部並びに前記小径円筒部と一体の第1円筒部材と、車体前後方向他端側に位置して前記第1円筒部材に突き当て状態で接続された第2円筒部材とを備えていることを特徴とする請求項1乃至請求項3に記載のプロペラシャフト。
  5. 前記第2円筒部材と前記軸部材とがスプライン結合により相対回転不能に接続され、前記ジョイント部材を前記第2円筒部材と前記軸部材との抜け止めを維持するように両者間に跨る弾性環状リングとしたことを特徴とする請求項4に記載のプロペラシャフト。
  6. 車体前後方向一端側に配置されると共にその中途部に外形状が截頭円錐形状の中間円筒部を形成することで車体前後方向に大径円筒部と小径円筒部とを形成した円筒状軸部材の前記大径円筒部内に前記小径円筒部の内径よりも大径な緩衝部材を変位可能に挿入し、内周面にスプライン結合用の歯部を形成したジョイント用円筒部材を前記大径円筒部の端面に溶接により接続した後、車体前後方向他端側に配置されると共にその先端側外周面にスプライン結合用の歯部が形成され且つ弾性環状リングが係合された軸部材を前記ジョイント用円筒部材内に挿入して前記弾性環状リングを前記ジョイント用円筒部材に弾発係合させて、軸方向位置決めしたことを特徴とするプロペラシャフトの組付方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011105069A (ja) * 2009-11-13 2011-06-02 Ntn Corp プロペラシャフト
KR101509952B1 (ko) * 2013-10-24 2015-04-07 현대자동차주식회사 프로펠러 샤프트

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