JP4425052B2 - プロペラシャフトの衝撃吸収構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両等に用いられるプロペラシャフトの衝撃吸収構造に関する。
図9(A)に示すように、従来のプロペラシャフト100として、雌形部材102に雄形部材104が相互にスプライン部分106でスプライン嵌合し、軸線方向に相対摺動可能に雌形部材102又は雄形部材104の一方側のヨーク108から他方側のヨーク108にトルクを伝達するものが知られている(従来技術1、下記特許文献1参照)。このプロペラシャフト100では、雌形部材102をスプライン部分106とシャフト部分110を一体形成するように中空パイプ状に形成し、雌形部材102のスプライン部分106の大径部の直径よりもシャフト部分110の直径を大きくして、両者間に段差部分112が生じるように構成されている。
このプロペラシャフト100によれば、図9(B)に示すように、プロペラシャフト100の前後方向に強い衝撃が加わると、上記段差部分112が軸方向に変形又は破断し、この軸方向の変形又は破断の際に衝撃を吸収するようになっている。
また、図10に示すように、従来のプロペラシャフト200は、スリーブ202内にシート204がスライドヨーク206の端面208にその一端面210を当接するように配置されている。このシート204は、リング状に形成されており、スリーブ202の内周面212にその外周面211が摺接されている。このシート204は、スリーブ202に挿嵌したスライドヨーク206をスリーブ202から最大に突出させた状態の時に、延長部214の近傍にその他端面216が位置するような厚さを有している。このシート204は、延長部214を内側に折り曲げて同折り曲げ部をカシメることで、スライドヨーク206の端面208と延長部214とに挟まれ、かつ端面208と延長部214とに両端面がそれぞれ当接した状態でスリーブ202内に保持されている(従来技術2、下記特許文献2参照)
このプロペラシャフト200によれば、衝撃荷重Fが加わると、図示しない車体の前方側に形成されたエンジンルーム等のクラッシャブルゾーンが衝突初期段階において変形し衝撃荷重Fが吸収される。そして、変形した部位がエンジンに到達すると、衝撃荷重Fがトランスミッションからスライドヨーク206に伝達される。スライドヨーク206にかかる衝撃荷重Fが、スプライン嵌合部218による第1の抵抗と、カシメ部Gによる第2の抵抗を超えると、スライドヨーク206が収縮方向に移動する。スライドヨーク206が移動すると、スプライン嵌合部218による第1の抵抗がスライドヨーク206の移動に伴い増大するとともに、折り曲げられた延長部214がシート204に押されて延長部214がカシメ部Gから開く方向に塑性変形して第2の抵抗が増大する。このように、プロペラシャフト200にかかった衝撃荷重Fは、スプライン嵌合部218の抵抗とカシメ部Gを塑性変形させるエネルギーで吸収される。
特開平8−226454号公報 特開平11−303846号公報
ところで、上記従来技術1のプロペラシャフトでは、スプライン部分の係合及びシャフト部分の係合が存在してプロペラシャフトの構造が複雑化し、部品の組付け精度の管理が必要となる問題がある。また、プロペラシャフトの構造が複雑化し部品の組付け精度の管理が必要となることに伴い、段差部分の衝撃吸収荷重にバラツキが生じるおそれがある。この結果、プロペラシャフトの衝撃吸収荷重の設定が困難となる。
また、上記従来技術2のプロペラシャフトでは、カシメ部がスライドヨークの位置決めも兼ねる構成であり、このため、所定の位置にシートを位置決めするようにスリーブの延長部をカシメる必要がある。このように、カシメ部がスライドヨークの位置決めを兼ねることで、カシメ部の設定が複雑化し、これにより、カシメ部の衝撃吸収荷重にバラツキが生じるおそれがある。この結果、プロペラシャフトの衝撃吸収荷重の設定が困難となる。
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、簡易な構成で、かつ衝撃吸収荷重の設定が容易なプロペラシャフトの衝撃吸収構造を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、内燃機関側の駆動力を車輪側に駆動連結するプロペラシャフトの衝撃吸収構造であって、径が大きく形成された拡径部を有する略円筒状の第1のプロペラシャフト部と、前記拡径部の径よりも小径に形成され前記拡径部と連接して前記第1のプロペラシャフト部と軸方向に接続された略円筒状の第2のプロペラシャフト部と、前記拡径部の内部に前記拡径部の内周面と弾接するように配置され、軸方向に作用する衝撃力により前記第1のプロペラシャフト部と前記第2のプロペラシャフト部が接続する接続部位又はその近傍が破断又は塑性変形したときに前記第2のプロペラシャフト部に押圧されて前記拡径部の内周面を摩擦摺動する摺動部材と、を有し、前記摺動部材は、前記プロペラシャフトの制振部材を兼ねていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、プロペラシャフトに軸方向に沿う衝撃力が加わると、その衝撃力は相対する第1のプロペラシャフト部と第2のプロペラシャフト部側とに伝達される。
ここで、第2のプロペラシャフト部の径が第1のプロペラシャフト部の拡径部の径よりも小径に形成されているため、衝撃力が伝達されると、第1のプロペラシャフト部と第2のプロペラシャフト部が接続する接続部位又はその近傍で応力集中が発生する。この応力集中が接続部位又はその近傍の強度を超えると、接続部位又はその近傍が破断又は塑性変形する。接続部位又はその近傍が破断又は塑性変形すると、第2のプロペラシャフト部が第1のプロペラシャフト部(拡径部)の内部に入り込み、内部の摺動部材と当接し、摺動部材を押圧する。摺動部材が押圧されると、摺動部材が拡径部の内周面を摩擦摺動するように、第1のプロペラシャフト部に対して移動する。このとき、摺動部材と拡径部の内周面との間で弾性摩擦力が発生し、衝撃力の大きさに応じた距離だけ摺動部材がさらに移動し、その変位量に応じて衝撃力が吸収される。この結果、簡易な構成のプロペラシャフトの衝撃吸収構造で軸方向に作用する衝撃力を確実に吸収することができる。また、プロペラシャフトの衝撃吸収構造を簡易な構成とすることにより、プロペラシャフトの衝撃吸収構造が吸収し得る衝撃荷重を容易に設定及び調整することができる。
また、摺動部材の円筒状部材がウエイト部となり、ゴム部材が制振部となるため、摺動部材を動的又は静的ダンパなどの制振部材として用いることができ、プロペラシャフトの共振点を調整できる。
また、拡径部にゴム部材が弾性的に接触しているため、摺動部材を静的ダンパなどの制振部材として用いることができ、プロペラシャフトの高周波振動をゴム部材で吸収することができる。
このように、摺動部材に衝撃吸収機能と制振機能を兼備させることにより、部品点数を削減することができ、プロペラシャフトの衝撃吸収構造の製造コストを格段に低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造において、前記第1のプロペラシャフト部の前記第2のプロペラシャフト部との前記接続部位又はその近傍が屈曲状に形成されていることを特徴とする。
請求項2に記載の発明によれば、第1のプロペラシャフト部の第2のプロペラシャフト部との接続部位又はその近傍が屈曲状に形成されているため、接続部位又はその近傍の強度が比較的弱くなり、接続部位又はその近傍に応力集中が発生する。これにより、衝撃力が作用すると接続部位又はその近傍で常に確実に破断させることができ、プロペラシャフトの衝撃吸収構造が吸収し得る衝撃吸収荷重特性のバラツキを抑えて安定維持させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造において、前記第1のプロペラシャフト部の前記第2のプロペラシャフト部との前記接続部位と前記摺動部材を挟んだ軸方向反対側には、前記軸方向反対側に向かって縮径する抵抗部が形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明によれば、第1のプロペラシャフト部の第2のプロペラシャフト部との接続部位と摺動部材を挟んだ軸方向反対側には、軸方向反対側に向かって延在し縮径する抵抗部が形成されているため、接続部位又はその近傍が破断し第2のプロペラシャフト部で摺動部材が押圧され第1のプロペラシャフト部の拡径部内を摺動部材が移動すると、やがて摺動部材が抵抗部と接触する。さらに、摺動部材が第2のプロペラシャフト部により押圧されると、摺動部材が抵抗部を第1のプロペラシャフト部の径方向外側に押し広げるようにして(塑性変形させて)移動していく。このとき、抵抗部が縮径されているので、抵抗部を塑性変形させるためにさらに大きなエネルギーが必要となるため、摺動部材の移動に伴う抵抗力が増大し、大きな衝撃力が作用した場合でも、その衝撃力を十分に吸収することができる。また、抵抗部の軸方向に対する傾斜角度(縮径度合い)を適宜調整することにより、プロペラシャフトの衝撃吸収構造の衝撃吸収特性を容易に調整可能にすることができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造において、前記摺動部材は、前記第2のプロペラシャフト部の径よりも大きな径の円筒状部材と、前記円筒状部材の外周面に設けられ前記拡径部の内周面に弾着するゴム部材と、で構成されていることを特徴とする。
請求項4に記載の発明によれば、摺動部材が中空状の円筒状部材を有しているため、中実部材とする場合と比較して、摺動部材自体を軽量化することができる。また、摺動部材の軽量化に伴い、プロペラシャフトの衝撃吸収構造を含めた製造コストを低減することができる。
また、摺動部材がゴム部材を有しているため、ゴム部材と拡径部の内周面との間の弾性摩擦力を調整することができる。このため、摺動部材に拡径部の内周面上を摺動させるのに必要なエネルギーを任意に調整でき、プロペラシャフトの衝撃吸収構造の衝撃吸収荷重特性をゴム部材の圧入荷重で容易に設定することができる。
また、ゴム部材を拡径部の内周面に接着させることにより、プロペラシャフトに衝撃力が作用しない場合において、摺動部材の第1のプロペラシャフト部(拡径部)に対する位置決め保持を確実にすることができる。
さらに、円筒状部材の外周面にゴム部材が配置された構成であるため、部材の寸法精度に多少の誤差が生じた場合でも、その間でゴム部材が弾性変形することによりその寸法誤差を吸収することができる。また、摺動部材の第1のプロペラシャフト部の内部への挿入が容易となる。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造において、前記円筒状部材の端部には、前記抵抗部側に向かって縮径した絞り部が形成されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明によれば、円筒状部材の端部には、抵抗部側に向かって縮径した絞り部が形成されているため、プロペラシャフトに衝撃力が作用した場合には、摺動部材が第2のプロペラシャフト部の端部に押圧され、円筒状部材の絞り部が抵抗部と接触する。このとき、絞り部が抵抗部側に向かって縮径しているので、摺動部材(円筒状部材)の軸方向の移動(摩擦摺動)が円滑になり、摺動部材(円筒状部材)の移動(摺動)時に摺動部材(円筒状部材)が絞り部で摺動方向に沿って案内されるので姿勢が崩れてしまうことを防止でき安定した摺動が可能となる。
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造において、前記抵抗部の傾斜角度と前記絞り部の傾斜角度が略同一であることを特徴とする。
請求項6に記載の発明によれば、抵抗部の傾斜角度と絞り部の傾斜角度が略同一であるため、摺動部材(円筒状部材)の移動(摺動)時における摺動部材(円筒状部材)の摺動方向に対する傾き倒れをさらに抑制して姿勢を維持することができることに加え、絞り部が抵抗部に接触するまでの摺動部材(円筒状部材)の移動(摺動)距離が長くなりその分だけ相対的に拡径部の軸方向長さを短縮でき小型軽量化することができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造において、前記第1のプロペラシャフト部と前記第2のプロペラシャフト部は一体形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明によれば、第1のプロペラシャフト部と第2のプロペラシャフト部が一体形成されているため、プロペラシャフトの部品点数を少なくすることができ、部品管理が容易になる。また、第1のプロペラシャフト部と第2のプロペラシャフト部が一体形成されているため、両者の接続部位又はその近傍の強度が必要以上に低下することを防止できる。さらに、第1のプロペラシャフト部と第2のプロペラシャフト部が一体形成されているため、部品点数を削減することにより、プロペラシャフトの衝撃吸収構造を軽量化することができる。
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造において、前記第1のプロペラシャフト部には、前記拡径部と略同径に前記第2のプロペラシャフト部から拡径したフランジ端部が摩擦圧接により一体に接続されていることを特徴とする。
請求項8に記載の発明によれば、第1のプロペラシャフト部には拡径部と略同径に第2のプロペラシャフト部から拡径したフランジ端部が摩擦圧接により一体に接続されているため、第1のプロペラシャフト部に予め抵抗部を形成し、拡径部の内部に摺動部材を設けた状態で両者を接続することにより、プロペラシャフトの衝撃吸収構造を容易に製造組付けすることができる。
請求項1に記載の発明は、簡易な構成のプロペラシャフトの衝撃吸収構造で軸方向に作用する衝撃力を確実に吸収することができる。また、プロペラシャフトの衝撃吸収構造を簡易な構成とすることにより、プロペラシャフトの衝撃吸収構造が吸収し得る衝撃荷重を容易に設定及び調整することができる。
また、摺動部材の円筒状部材がウエイト部となり、ゴム部材が制振部となるため、摺動部材を動的又は静的ダンパなどの制振部材として用いることができ、プロペラシャフトの共振周波数を調整できる。
また、拡径部にゴム部材が弾性的に接触しているため、摺動部材を静的ダンパなどの制振部材として用いることができ、プロペラシャフトの高周波振動をゴム部材で吸収することができる。
このように、摺動部材に衝撃吸収機能と制振機能を兼備させることにより、部品点数を削減することができ、プロペラシャフトの衝撃吸収構造の製造コストを格段に低減することができる。
請求項2に記載の発明は、第1のプロペラシャフト部の第2のプロペラシャフト部との接続部位又はその近傍が屈曲状に形成されているため、接続部位又はその近傍の強度が比較的弱くなり、接続部位又はその近傍に応力集中が発生する。これにより、衝撃力が作用すると接続部位又はその近傍で常に確実に破断させることができ、プロペラシャフトの衝撃吸収構造が吸収し得る衝撃吸収荷重特性のバラツキが抑制され安定させることができる。
請求項3に記載の発明は、抵抗部が縮径されているので、抵抗部を塑性変形させるためにさらに大きなエネルギーが必要となるため、摺動部材の移動に伴う抵抗力が増大し、大きな衝撃力が作用した場合でも、その衝撃力を十分に吸収することができる。また、抵抗部の軸方向に対する傾斜角度(縮径度合い)を適宜調整することにより、プロペラシャフトの衝撃吸収構造の衝撃吸収特性を容易に調整可能とすることができる。
請求項4に記載の発明は、摺動部材が中空状の円筒状部材を有しているため、中実部材とする場合と比較して、摺動部材自体を軽量化することができる。また、摺動部材の軽量化に伴い、プロペラシャフトの衝撃吸収構造を含めた製造コストを低減することができる。
また、摺動部材がゴム部材を有しているため、ゴム部材と拡径部の内周面との間の弾性摩擦力を調整することができる。このため、摺動部材に拡径部の内周面上を摺動させるのに必要なエネルギーを調整でき、プロペラシャフトの衝撃吸収構造の衝撃吸収荷重特性をゴム部材の圧入荷重で容易に設定することができる。
また、ゴム部材を拡径部の内周面に接着させることにより、プロペラシャフトに衝撃力が作用しない場合において、摺動部材の第1のプロペラシャフト部(拡径部)に対する位置決め保持を確実にすることができる。
さらに、円筒状部材の外周面にゴム部材が配置された構成であるため、部材の寸法精度に多少の誤差が生じた場合でも、その間でゴム部材が弾性変形することによりその寸法誤差を吸収することができる。また、摺動部材の第1のプロペラシャフト部の内部への挿入が容易となる。
請求項5に記載の発明は、円筒状部材の端部に形成された絞り部が抵抗部側に向かって縮径しているので、摺動部材(円筒状部材)の軸方向の移動(摩擦摺動)が円滑になり、摺動部材(円筒状部材)の移動(摺動)時に摺動部材(円筒状部材)が絞り部で摺動方向に沿って案内されるため、その姿勢が崩れてしまうことを防止でき安定した摺動が維持される。
請求項6に記載の発明は、抵抗部の傾斜角度と絞り部の傾斜角度が略同一であるため、摺動部材(円筒状部材)の移動(摺動)時における摺動部材(円筒状部材)の摺動方向に対する傾き倒れをさらに抑制して姿勢を維持することができることに加え、絞り部が抵抗部に接触するまでの摺動部材(円筒状部材)の移動(摺動)距離が長くなりその分だけ相対的に拡径部の軸方向長さを短縮でき小型軽量化することができる。
請求項7に記載の発明は、第1のプロペラシャフト部と第2のプロペラシャフト部が一体形成されているため、プロペラシャフトの部品点数を少なくすることができ、部品管理が容易になる。また、第1のプロペラシャフト部と第2のプロペラシャフト部が一体形成されているため、両者の接続部位又はその近傍の強度が必要以上に低下することを防止できる。さらに、第1のプロペラシャフト部と第2のプロペラシャフト部が一体形成されているため、部品点数を削減することにより、プロペラシャフトの衝撃吸収構造を軽量化することができる。
請求項8に記載の発明は、第1のプロペラシャフト部には拡径部と略同径に第2のプロペラシャフト部から拡径したフランジ端部が摩擦圧接により一体に接続されているため、第1のプロペラシャフト部に予め抵抗部を形成し、拡径部の内部に摺動部材を設けた状態で両者を接続することにより、プロペラシャフトの衝撃吸収構造を容易に製造組付けすることができる。
次に、本発明の一実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造について、図面を参照して説明する。
図1乃至図3に示すように、本実施形態のプロペラシャフトの衝撃吸収構造に用いられるプロペラシャフト10は、FFベースの内燃機関側に位置する略円筒状の第1プロペラシャフト12を備えている。この第1プロペラシャフト12の一端(前端)には、クロスジョイント14を介して内燃機関の出力側に連結されている。
また、第1プロペラシャフト12の内部には主にプロペラシャフト10の共振周波数を調整するためのダイナミックダンパ(動的ダンパ)16が配置されている。このダイナミックダンパ16は、第1プロペラシャフト12の内周面に接触するゴム部と、ウエイト部としての機能を有する環状部材と、を有している。
また、第1プロペラシャフト12の他端(後端)には、トリポード型の等速自在継手18が接続されている。
また、プロペラシャフト10は、後輪(駆動輪)側に位置する略円筒状の第2プロペラシャフト20を備えている。また、第2プロペラシャフト20の一端(前端)は、ベアリングサポート22により回転自在に支持されている。
ベアリングサポート22は、弾性ゴム22Aを有しており、第2プロペラシャフト20の一端(前端)がこの弾性ゴム22Aにより軸方向(図1中矢印X方向)に対して直交する方向(図1中矢印Y方向)に弾性支持されており、プロペラシャフト10の変形が弾性ゴム22Aで吸収されるように構成されている。また、第2プロペラシャフト20の一端(前端)は、等速自在継手18に接続されている。
また、第2プロペラシャフト20の他端(後端)は、クロスジョイント24を介して後輪側と連結した動力伝達部材(図示省略)に接続されている。
以上のように、第1プロペラシャフト12と第2プロペラシャフト20とは、軸方向(図1中矢印X方向)に連結した構成となっている。
ここで、第2プロペラシャフト20は、第1プロペラシャフト12側に位置する前側プロペラシャフト部(第1プロペラシャフト部)26と、前側プロペラシャフト部26と一体形成し後輪側に位置する後側プロペラシャフト(第2プロペラシャフト部)28と、を有している。
前側プロペラシャフト部26は、中空状の筒状部26Aと、筒状部26Aの径よりも大きな径に形成された中空状の拡径部26Bと、筒状部26Aと拡径部26Bとの間を接続し拡径部26Bから筒状部26Aに向かって径が徐々に小さくなるように形成された中空状のテーパ部(抵抗部)26Cと、を有している。
また、拡径部26Bの内部には、摺動部材30が配置されている。この摺動部材30は、金属製の円筒状部材32と、円筒状部材32の径方向外側に配置されたゴム部材34とで構成されている。このゴム部材34は、円筒状部材32の外周面に沿って全周面に配置されていてもよく、また、円筒状部材32の外周面の一部に配置されていてもよい。特に、中空状の円筒状部材32を用いることにより、中実部材とする場合と比較して、摺動部材30自体を軽量化することができる。また、摺動部材30の軽量化に伴い、プロペラシャフト10の衝撃吸収構造の製造コストを低減することができる。
一方、後側プロペラシャフト28は、前側プロペラシャフト26の筒状部26Aと略同径に形成された中空状部材であり、一方の端部で拡径部26Bと接続されている。このため、後側プロペラシャフト28と前側プロペラシャフト26との接続部位は、断面視にて屈曲状に形成されている。
ここで、各部材の径の比較を行うと、前側プロペラシャフト26の筒状部26Aの径と後側プロペラシャフト28の径とが略同一であり、摺動部材30を構成する円筒状部材32の径が前側プロペラシャフト26の筒状部26Aの径(後側プロペラシャフト28の径)よりも大きく、さらに拡径部26Bの径が円筒状部材32の径よりも大きくなる関係となっている。
次に、本実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造の製造方法について説明する。
先ず、摺動部材30を構成するゴム部材34を加硫又は接着により円筒状部材32の外周面に加硫形成又は接着させる。円筒状部材32の外周面にゴム部材34が加硫形成又は接着すると、その摺動部材30を前側プロペラシャフト26の拡径部26Bの径と同一の径である筒状のベース部材の内部に圧入する(圧入工程)。このとき、ゴム部材34を弾性変形させることができるため、部品の寸法誤差が多少生じている場合でも、摺動部材30を容易に筒状のベース部材の内部に挿入保持することができる。また、ベース部材の内部でゴム部材34とベース部材(拡径部26Bに相当する部位)の内周面とが弾性圧着されるため、両者間の保持力は容易に設定でき、また接着した場合は、摺動部材30の前側プロペラシャフト26に対する位置決め保持を確実にすることができる。
次に、ベース部材の内部に摺動部材30が圧入されると、ベース部材を絞り加工して、筒状部26A、テーパ部26C及び後側プロペラシャフト28が形成される。このとき、筒状部26A及び後側プロペラシャフト28の径が摺動部材30を構成する円筒状部材32の径よりも小さくなるようにベース部材が絞り加工される(絞り工程)。また、テーパ部26Cの傾斜角度も想定される衝撃力を十分に吸収できる角度になるようにベース部材が絞り加工される(絞り工程)。これにより、摺動部材30が拡径部26Bに位置したプロペラシャフト10の衝撃吸収構造が製造される。
なお、ベース部材は、筒状部26A及びテーパ部26Cか、後側プロペラシャフト28のいずれか一方を予め絞り加工により形成しておき、絞り加工した部位の反対側からベース部材の内部に摺動部材30を圧入させ、その後、ベース部材の筒状部26A及びテーパ部26Cか、後側プロペラシャフト28のいずれか他方を後から絞り加工してもよい。
また、上記プロペラシャフト10の衝撃吸収構造の製造方法の変形例として、上記圧入工程の後、筒状部26A及びテーパ部26Cが所定の形状となるように外形が形成された芯金(図示省略)と、後側プロペラシャフト28が所定の形状となるように外形が形成された芯金(図示省略)とを、それぞれベース部材の内部にその軸方向に沿って挿入した後、筒状部26A及びテーパ部26Cが形成される領域と、後側プロペラシャフト28が形成される領域とに、ベース部材の外周から高圧液体を所定の圧力で噴きつけて、ベース部材を芯金の外形に沿うように塑性変形させてもよい。これにより、ベース部材に、筒状部26A及びテーパ部26Cと、後側プロペラシャフト28とをそれぞれ一体絞り形成させることができる。
次に、本実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造の作用について説明する。
図3(A)に示すように、車両が衝突するなどして内燃機関側から衝撃力が作用すると、その衝撃力は、第1プロペラシャフト12を伝達して、第2プロペラシャフト20を構成する前側プロペラシャフト26に至る。前側プロペラシャフト26に伝達した衝撃力は、後側プロペラシャフト28に向かって筒状部26A、テーパ部26C及び拡径部26Bの順に伝達していく。衝撃力が拡径部26Bに到達すると、衝撃力は後側プロペラシャフト28の端部(拡径部26Bとの接続部位)に伝達する。このとき、接続部位又はその近傍が屈曲状に形成されているため、その接続部位又はその近傍で応力集中が発生する。図3(B)に示すように、接続部位又はその近傍で応力集中が発生し、接続部位又はその近傍に作用する応力が接続部位又はその近傍の強度を超えると、接続部位又はその近傍が破断する。接続部位又はその近傍が破断すると、後側プロペラシャフト28が軸方向に沿って固定されているため、前側プロペラシャフト26が後側プロペラシャフト28に対してさらに後輪側に相対移動し、これにより、後側プロペラシャフト28の端部が拡径部26Bの内部に進入する。なお、接続部位又はその近傍が破断することにより、衝撃力の一部が吸収される。
ここで、後側プロペラシャフト28の端部が拡径部26Bの内部に進入すると、摺動部材30を構成する円筒状部材32の径が後側プロペラシャフト28の径よりも大きく形成されているため、後側プロペラシャフト28の端部が円筒状部材32と当接し、円筒状部材32を第1プロペラシャフト12側に押圧する。円筒状部材32が後側プロペラシャフト28の端部により第1プロペラシャフト12側に押圧されると、摺動部材30が拡径部26Bの内周面上を摩擦摺動する。このとき、摺動部材30が拡径部26Bの内周面上を摺動することにより衝撃力が吸収されるが、なお衝撃力が大きい場合には、図3(C)に示すように、円筒状部材32の端部がテーパ部26Cと接触し、さらに摺動部材30が後側プロペラシャフト28の端部により押圧される。円筒状部材32の端部がテーパ部26Cと接触した状態で、摺動部材30が後側プロペラシャフト28の端部により押圧されると、円筒状部材32の端部がテーパ部26Cを径方向外側に押し広げながら、円筒状部材32がさらに移動する。このとき、テーパ部26Cが円筒状部材32の端部により径方向外側に押し広げられて塑性変形する。
以上のように、プロペラシャフト10に衝撃力が作用した場合でも、後側プロペラシャフト28と前側プロペラシャフト26との接続部位又はその近傍が切断する第1ステップと、摺動部材30が拡径部26Bの内周面上を摩擦摺動する第2ステップと、摺動部材30がテーパ部26Cを径方向外側に押し広げながらさらに移動する(テーパ部26Cが塑性変形する)第3ステップと、を経ることで、簡易な構成のプロペラシャフト10の衝撃吸収構造により衝撃力を段階的に確実に吸収することができる。
特に、摺動部材30がゴム部材34を有しているため、ゴム部材34と拡径部26Bの内周面との間の摩擦力を増大させることができる。このため、摺動部材30に拡径部26Bの内周面上を摺動させるのに大きな摩擦摺動エネルギーが必要となり、プロペラシャフト10の衝撃吸収構造の衝撃吸収力を簡易に増大させることができる。
また、テーパ部26Cを形成することにより、第3ステップにおいてテーパ部26Cを塑性変形させるためにさらに大きなエネルギーが必要となるため、摺動部材30の移動に伴う抵抗力が増大し、大きな衝撃力が作用した場合でも、その衝撃力を十分に吸収することができる。
また、後側プロペラシャフト28と前側プロペラシャフト26との接続部位又はその近傍が屈曲状に形成されているため、屈曲状の強度が比較的弱くなり、その接続部位に応力集中が発生する。これにより、接続部位又はその近傍で常に破断させることができ、プロペラシャフト10の衝撃吸収構造が吸収し得る衝撃吸収荷重の設定が比較的容易になり、信頼性を向上できる。
さらに、前側プロペラシャフト26と後側プロペラシャフト28が一体形成されているため、プロペラシャフト10の部品点数を少なくすることができ、部品管理が容易になる。また、前側プロペラシャフト26と後側プロペラシャフト28が一体形成されているため、両者の接続部位又はその近傍の強度が必要以上に低下することを防止できる。さらに、前側プロペラシャフト26と後側プロペラシャフト28が一体形成されているため、部品点数を削減することができ、プロペラシャフト10の衝撃吸収構造が吸収し得る衝撃吸収荷重の設定が一層容易になる。
なお、テーパ部26Cの軸方向に対する傾斜角度は、想定される衝撃力に対応させて適宜変化させることができる。例えば、比較的大きな衝撃力に対してはテーパ部26Cの軸方向に対する傾斜角度を大きくすることにより大きな衝撃力を十分に吸収することができる。
さらに、摺動部材30は、金属製の円筒状部材32とゴム部材34とで構成されているため、ダイナミックダンパ(動的又は静的ダンパ)として機能する。すなわち、円筒状部材32がウエイト部材として機能し、ゴム部材34が制振部材として機能するため、プロペラシャフト10の共振周波数を調整することができる。また、摺動部材30を構成するゴム部材34が前側プロペラシャフト26の拡径部26Bと弾性接触しているため、前側プロペラシャフト26に生じた振動を吸収することができる。これにより、摺動部材30を静的ダンパとして機能させることもできる。
以上のように、摺動部材30を制振部材(ダンパ)としても機能させることができるため、部品点数を削減することができ、さらにプロペラシャフト10の衝撃吸収構造の製造コストを低減させることができる。
なお、上記実施形態のプロペラシャフトの衝撃吸収構造では、プロペラシャフト10に衝撃力が作用したときに、第2のプロペラシャフト20が破断する構成を例にとり説明したが、第2のプロペラシャフト20が破断する場合に限られるものではない。
例えば、図4に示すように、後側プロペラシャフト28と前側プロペラシャフト26との接続部位又はその近傍の強度を高くすることにより、プロペラシャフト10に衝撃力が作用した場合に、後側プロペラシャフト28と前側プロペラシャフト26との接続部位又はその近傍が破断されずに塑性変形するように構成してもよい。
図4(A)に示す状態で前方側から軸方向に沿って衝撃力が作用すると、上記実施形態に係るプロペラシャフト10の衝撃吸収構造と同様に、衝撃力が第1のプロペラシャフト(図4では図示省略)を第2のプロペラシャフト20側に向かって軸方向に伝達していく。図4(B)に示すように、この衝撃力が前側プロペラシャフト26の拡径部26Bまで伝達し、さらに後側プロペラシャフト28に伝達する際に、後側プロペラシャフト28と前側プロペラシャフト26との接続部位又はその近傍が塑性変形し、その変形部分が拡径部26Bの内部に入り込み、摺動部材30を構成する円筒状部材32に接触する。このとき、接続部位又はその近傍が塑性変形することにより衝撃力の一部が吸収される。衝撃力が比較的大きければ、後側プロペラシャフト28の接続部位又はその近傍の変形量が増大し、これによりその変形部分が前側プロペラシャフト26の内部に深く進入していき、円筒状部材32が後側プロペラシャフト28の変形部分に押圧され、摺動部材30が拡径部26Bの内周面上を第1のプロペラシャフト側に向かって摺動する。さらに、衝撃力が大きいものであれば、図4(C)に示すように、摺動部材30がテーパ部26Cと接触し、テーパ部26Cを径方向外側に押し広げながらさらに移動する。
以上のように、プロペラシャフト10に衝撃力が作用した場合に、後側プロペラシャフト28と前側プロペラシャフト26との接続部位又はその近傍が塑性変形し、この変形部分で摺動部材30を押圧することにより、同様にして、プロペラシャフト10に作用する衝撃力を十分に吸収することができる。
また、上記実施形態のプロペラシャフト10の衝撃吸収構造では、摺動部材30を構成する円筒状部材32の端面が摺動方向に対して直交する面に形成されていたが、これに限られるものではない。
例えば、図5に示すように、摺動部材30を構成する円筒状部材32の一方(テーパ部26C側)の端部(端面)に、テーパ部26C側に向かって縮径した絞り部33を形成してもよい。円筒状部材32の一方(テーパ部26C側)の端部(端面)に絞り部33を形成することにより、プロペラシャフト10に衝撃力が作用した場合には、摺動部材30が破断又は塑性変形した後側プロペラシャフト28の端部に押圧され、摺動部材30の絞り部33がテーパ部26Cと当接する。このとき、絞り部33がテーパ部26C側に向かって縮径しているので、摺動部材30がテーパ部26Cの内周面に沿って案内されて進入し易くなる。これにより、摺動部材30(円筒状部材32)の軸方向の移動(摺動)が円滑になり、摺動部材30(円筒状部材32)の移動(摺動)時に摺動部材30(円筒状部材32)の傾き倒れが抑制されて、姿勢が崩れてしまうことがないので安定した摺動が継続される。
特に、絞り部33の軸方向に対する傾斜角度とテーパ部26Cの軸方向に対する傾斜角度を略同一とすることにより、絞り部33がテーパ部26Cに接触するまでの摺動部材30(円筒状部材32)の移動(摺動)距離が長くなりその分だけ摺動部材30(円筒状部材32)を小型化することも可能となる。また、これにより、プロペラシャフト10の衝撃吸収構造の衝撃吸収能力を増大させることができる。
次に、上記実施形態のプロペラシャフト10の衝撃吸収構造の変形例について説明する。なお、上記実施形態に係るプロペラシャフト10の衝撃吸収構造と重複する構成には同符号を付し、適宜その説明を省略する。
図6乃至図8に示すように、第2プロペラシャフト50は、駆動輪(後輪)側に位置する中空状の筒状部50A(第1のプロペラシャフト部)と、第1プロペラシャフト12側に位置し筒状部50Aよりも大径に形成された中空状の拡径部50B(第1のプロペラシャフト部)と、筒状部50Aと拡径部50Bとを接続する中空状のテーパ部50C(第1のプロペラシャフト部、抵抗部)と、筒状部50Aと略同一の径を有し一端がベアリングサポート22に接続され他端が拡径部50Bに接続される接続部50D(第2のプロペラシャフト部)と、で構成されている。また、拡径部50Bと接続部50Dのフランジ端部61(後述)との接続部位の近傍は屈曲状に形成されている。
ここで、第2プロペラシャフト50は、拡径部50Bで2つの分割部材60A、60B同士が接続されて構成されている。すなわち、第1プロペラシャフト12側に位置し接続部50Dの一部が拡径部50Bの径と略同一の径になるように拡径してフランジ端部61が形成された第1分割部材60Aと、駆動輪(後輪)側に位置し筒状部50A、拡径部50B及びテーパ部50Cで構成される第2分割部材60Bと、が摩擦圧接(第1分割部材60Aのフランジ端部61と第2分割部材60Bの拡径部50Bとを相対的に高速回転させ、摩擦に伴う熱により両者を溶接すること)により一体的に接続されている。
この変形例となるプロペラシャフトの衝撃吸収構造の作用について説明する。
図8(A)に示す状態で、内燃機関側から軸方向に沿って衝撃力が作用すると、その衝撃力が第1プロペラシャフト12を第2プロペラシャフト50側に向かって伝達していく。衝撃力が第2プロペラシャフト50に到達すると、衝撃力は接続部50Dに伝達され、接続部50Dのフランジ端部61から拡径部50Bに伝わる。
ここで、第1分割部材60Aが拡径する部位(第1分割部材60Aと第2分割部材60Bとの接続部位の近傍に相当する)が屈曲状に形成されているため、この部位で応力集中が発生する。この部位に作用する応力がこの部位の曲げ、圧縮、引張強度を超えると、その部位が破断する。このとき、図8(B)に示すように、第2プロペラシャフト50が軸方向に固定されているため、接続部50Dの一部(フランジ端部以外の部分)が拡径部50Bの内部に入り込み、摺動部材30を構成する円筒状部材32に接触し、さらに円筒状部材32を後輪側に押圧する。これにより、摺動部材30が拡径部50Bの内周面上を摩擦摺動し、やがてテーパ部50Cと接触する。さらに、図8(C)に示すように、摺動部材30がテーパ部50Cを径方向外側に押し広げながら、後輪側に移動する。
以上のように、変形例となるプロペラシャフトの衝撃吸収構造においても、簡易な構成で衝撃力を吸収することができ、部品点数も少ないことから衝撃吸収荷重の設定が容易になる。
また、変形例のプロペラシャフトの衝撃吸収構造に用いられる第2プロペラシャフト50は、第1分割部材60Aと第2分割部材60Bとが摩擦圧接されて両者が一体接続されているため、第1分割部材60Aと第2分割部材60Bに予め絞り加工した後に、拡径部50Bの内部に摺動部材30を配置し、両者を摩擦圧接により接続することで容易に製造することができる。
本発明の一実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造の構成図である。 本発明の一実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造の要部の構成図である。 本発明の一実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造の作用図である。 本発明の一実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造の別作用を示す作用図である。 本発明の一実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造を構成する摺動部材の変形例の摺動部材を用いた作用図である。 本発明の一実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造の変形例となるプロペラシャフトの衝撃吸収構造の構成図である。 本発明の一実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造の変形例となるプロペラシャフトの衝撃吸収構造の要部の構成図である。 本発明の一実施形態に係るプロペラシャフトの衝撃吸収構造の変形例となるプロペラシャフトの衝撃吸収構造の作用図である。 従来のプロペラシャフトの作用図である。 従来のプロペラシャフトの衝撃吸収構造の構成図である。
符号の説明
10 プロペラシャフト
26 前側プロペラシャフト(第1のプロペラシャフト部)
26B 拡径部
26C テーパ部(抵抗部)
28 後側プロペラシャフト(第2のプロペラシャフト部)
30 摺動部材
32 円筒状部材
33 絞り部
34 ゴム部材

Claims (8)

  1. 内燃機関側の駆動力を車輪側に駆動連結するプロペラシャフトの衝撃吸収構造であって、
    径が大きく形成された拡径部を有する略円筒状の第1のプロペラシャフト部と、
    前記拡径部の径よりも小径に形成され前記拡径部と連接して前記第1のプロペラシャフト部と軸方向に接続された略円筒状の第2のプロペラシャフト部と、
    前記拡径部の内部に前記拡径部の内周面と弾接するように配置され、軸方向に作用する衝撃力により前記第1のプロペラシャフト部と前記第2のプロペラシャフト部が接続する接続部位又はその近傍が破断又は塑性変形したときに前記第2のプロペラシャフト部に押圧されて前記拡径部の内周面を摩擦摺動する摺動部材と、
    を有し、
    前記摺動部材は、前記プロペラシャフトの制振部材を兼ねていることを特徴とするプロペラシャフトの衝撃吸収構造。
  2. 前記第1のプロペラシャフト部の前記第2のプロペラシャフト部との前記接続部位又はその近傍が屈曲状に形成されていることを特徴とする請求項1に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造。
  3. 前記第1のプロペラシャフト部の前記第2のプロペラシャフト部との前記接続部位と前記摺動部材を挟んだ軸方向反対側には、前記軸方向反対側に向かって縮径する抵抗部が形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造。
  4. 前記摺動部材は、前記第2のプロペラシャフト部の径よりも大きな径の円筒状部材と、前記円筒状部材の外周面に設けられ前記拡径部の内周面に弾着するゴム部材と、で構成されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造。
  5. 前記円筒状部材の端部には、前記抵抗部側に向かって縮径した絞り部が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造。
  6. 前記抵抗部の傾斜角度と前記絞り部の傾斜角度が略同一であることを特徴とする請求項5に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造。
  7. 前記第1のプロペラシャフト部と前記第2のプロペラシャフト部は、一体形成されていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造。
  8. 前記第1のプロペラシャフト部には、前記拡径部と略同径に前記第2のプロペラシャフト部から拡径したフランジ端部が摩擦圧接により一体に接続されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載のプロペラシャフトの衝撃吸収構造。
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