JP2023002896A - ラック軸およびステアリング装置 - Google Patents

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Abstract

Figure 2023002896000001
【課題】ラック歯および雌ねじ孔を含む鋼により構成された部分とアルミニウム合金により構成された部分との接合部の曲げ強度を確保しやすい、ラック軸、および、該ラック軸を備えたステアリング装置を提供する。
【解決手段】ラック軸12は、アルミニウム合金により構成され、ラック歯14および雌ねじ孔16のいずれをも備えていない軽量軸部17と、鋼により構成され、ラック歯14と雌ねじ孔16とのうちの少なくともいずれか一方を備え、かつ、軽量軸部17に接合されている重量軸部18a、18bとを有する。軽量軸部17と重量軸部18a、18bとの接合部19a、19bが、摩擦圧接部または摩擦攪拌接合部を含んで構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、ラック軸、および、ラック軸を備えるステアリング装置に関する。
自動車のステアリング装置において、ピニオン軸とラック軸とを有するステアリングギヤユニットを備えた構造が広く普及している。
ピニオン軸は、車体に固定されたハウジングの内側に、回転のみを可能に支持されている。ピニオン軸は、ピニオン歯を有し、ステアリングホイールの回転操作に伴って回転する。すなわち、ピニオン軸は、運転者が回転操作するステアリングホイールに対し、ステアリングシャフト、自在継手、および中間シャフトなどを介して接続されており、ステアリングホイールの回転操作に伴って回転する。
ラック軸は、軸方向を車体の幅方向に一致させた状態で、前記ハウジングの内側に、軸方向に関する往復移動のみを可能に支持されている。ラック軸は、軸方向一部分の周方向1箇所にラック歯、および、軸方向両側の端部のそれぞれに、軸方向端面に開口する取付孔を有する。ラック軸の軸方向両側の端部は、球面継手(ボールジョイント)を介してタイロッドに接続されている。すなわち、ラック軸の取付孔のそれぞれに、球面継手の基端部が取り付けられ、かつ、球面継手の先端部に、タイロッドの基端部が揺動可能に支持されている。なお、ラック軸の取付孔は、通常、雌ねじ孔により構成されており、この雌ねじ孔に、球面継手の基端部に備えられた雄ねじ部が螺合される。
ステアリングホイールの回転操作に伴うピニオン軸の回転運動は、ラック軸の直線運動に変換される。これにより、タイロッドが押し引きされ、左右の操舵輪に、ステアリングホイールの回転操作量に応じた舵角が付与される。
従来、ステアリング装置を構成するラック軸は、その全体が、十分な強度を有する金属である鋼により構成されることが一般的であった。これに対して、近年、ラック軸の軽量化を図るために、ラック軸の一部を、鋼よりも軽量なアルミニウム合金により構成することが提案されている。
たとえば、特開2014-54906号公報(特許文献1)には、軽量化を図れるラック軸として、アルミニウム合金製の芯部材と、芯部材の軸方向両側の端部を補強するために、芯部材の軸方向両側の端部に外嵌された鋼製の管部材と、芯部材と管部材とを径方向に貫通し、かつ、自身の両側の端部を管部材の外周面にかしめ付けることで、芯部材と管部材とを結合するかしめ部材とを備えたラック軸が記載されている。このラック軸では、芯部材の軸方向中間部にラック歯、および、芯部材の軸方向両側の端部に取付孔が備えられている。また、取付孔は、挿入孔により構成されている。球面継手は、自身の基端部に備えられた挿入部がラック軸の取付孔(挿入孔)に挿入され、かつ、この挿入部にかしめ部材が径方向に貫通することで、ラック軸に固定されている。
特開2014-54906号公報
ラック軸のラック歯には、ピニオン軸のピニオン歯から大きな噛み合い荷重が加わる。このため、ラック歯は、高強度であることが求められる。これに対して、特開2014-54906号公報に記載されたラック軸では、ラック歯がアルミニウム合金により構成されているため、ラック歯が鋼により構成されている従来構造に比べて、ラック歯の強度を確保する上で不利となる。
特開2014-54906号公報に記載されたラック軸では、取付孔が挿入孔により構成されており、この挿入孔に、球面継手の基端部に備えられた挿入部が挿入されているため、ラック軸と球面継手とを固定するためのかしめ部材が必要になる。すなわち、特開2014-54906号公報に記載されたラック軸は、取付孔が雌ねじ孔により構成されている従来構造に比べて、かしめ部材が必要になる分だけ、部品点数が多くなる。また、ラック軸に対する球面継手の固定作業が面倒になる。
特開2014-54906号公報に記載されたラック軸では、取付孔(挿入孔)を含む部分がアルミニウム合金により構成されているため、取付孔を含む部分が鋼により構成されている従来構造に比べて、取付孔の強度を確保する上で不利となる。すなわち、自動車の運転中、ラック軸には、たとえば操舵輪を縁石に乗り上げた場合などに、タイロッドおよび球面継手から大きな逆入力荷重が加わる場合がある。この逆入力荷重は、ラック軸に対して、タイロッドの軸方向に加わるが、タイロッドの軸方向は、ラック軸の軸方向に対して傾斜している。このため、ラック軸には、ラック歯とピニオン歯との噛合部を支点とする、大きな曲げ荷重が加わる。特開2014-54906号公報に記載されたラック軸では、このような大きな曲げ荷重がラック軸に加わる際に、取付孔の変形、および、かしめ部材の破損を防止することが難しくなる可能性がある。
本発明は、ラック歯および取付孔を含む鋼により構成された部分とアルミニウム合金により構成された部分との接合部の曲げ強度を確保しやすい、ラック軸、および、該ラック軸を備えたステアリング装置を提供することを目的とする。
本発明の一態様のラック軸は、軸方向一部分の周方向1箇所にラック歯、および、軸方向両側の端部のそれぞれに、軸方向端面に開口する雌ねじ孔を有する。
本発明の一態様のラック軸は、軽量軸部と、重量軸部とを有する。前記軽量軸部は、アルミニウム合金により構成され、前記ラック歯および前記雌ねじ孔のいずれをも備えていない。前記重量軸部は、鋼により構成され、前記ラック歯および前記雌ねじ孔を備え、かつ、前記軽量軸部に接合されている。なお、前記重量軸部は、前記ラック歯を備えた部分と前記雌ねじ孔を備えた部分が分離していてもよく、この場合、前記ラック歯を備えた部分が、前記雌ねじ孔とは別の雌ねじ孔を備えることができる。
本発明の一態様のラック軸では、前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、摩擦圧接部または摩擦攪拌接合部を含んで構成されている。
本発明の一態様のラック軸では、前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量軸部の軸方向端部に備えられた、径方向外側を向いたテーパ面部である軽量雄テーパ面部と、前記重量軸部の軸方向端部に備えられた、径方向内側を向いたテーパ面部である重量雌テーパ面部との摩擦圧接部を含んで構成されている。
本発明の一態様のラック軸では、前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量雄テーパ面部と前記重量雌テーパ面部との摩擦圧接部の形成に伴って生じたバリと、前記軽量軸部の外周面に備えられた周方向に伸長する周方向溝との係合部を含んで構成されている。
本発明の一態様のラック軸では、前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記重量軸部の軸方向端部に備えられたかしめ部と、前記軽量軸部の外周面に備えられた周方向に伸長する周方向溝との係合部を含んで構成されている。
本発明の一態様のラック軸では、前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量軸部の軸方向端部に備えられた、径方向内側を向いたテーパ面部である軽量雌テーパ面部と、前記重量軸部の軸方向端部に備えられた、径方向外側を向いたテーパ面部である重量雄テーパ面部との摩擦圧接部を含んで構成されている。
この態様において、前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量軸部の軸方向端部のうち、前記軽量雌テーパ面部の径方向内側に位置する部分に備えられた、径方向外側を向いたテーパ面部である軽量雄テーパ面部と、前記重量軸部の軸方向端部のうち、前記重量雄テーパ面部の径方向内側に位置する部分に備えられた、径方向内側を向いたテーパ面部である重量雌テーパ面部との摩擦圧接部を含んで構成されることができる。
本発明の一態様のラック軸では、前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量軸部の軸方向端部と前記重量軸部の軸方向端部との凹凸係合部、および、前記軽量軸部の軸方向端面と前記重量軸部の軸方向端面との摩擦攪拌接合部を含んで構成されている。
本発明の一態様のラック軸では、該ラック軸のうち、前記ラック歯の背面側の半部が、前記軽量軸部の一部により構成されており、前記重量軸部と前記軽量軸部との接合部が、摩擦攪拌接合部により構成されている。
本発明の一態様のステアリング装置は、ピニオン歯を有し、ステアリングホイールの回転操作に伴って回転するピニオン軸と、前記ピニオン歯と噛合するラック歯を有するラック軸とを備え、前記ラック軸が、本発明の一態様のラック軸により構成されている。
本発明の一態様によれば、ラック歯および取付孔である雌ねじ孔を含む鋼により構成された部分とアルミニウム合金により構成された部分との接合部の曲げ強度を確保しやすい、ラック軸、および、該ラック軸を備えたステアリング装置を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態の第1例のステアリング装置を示す模式図である。 図2は、第1例のラック軸の斜視図である。 図3は、第1例のラック軸の側面図である。 図4は、第1例のラック軸において、軽量軸部と重量軸部との接合部を示す断面図である。 図5(A)および図5(B)は、本発明の実施の形態の第2例のラック軸において、軽量軸部と重量軸部との接合部を、接合工程順に示す断面図である。 図6(A)および図6(B)は、本発明の実施の形態の第3例のラック軸において、軽量軸部と重量軸部との接合部を、接合工程順に示す断面図である。 図7は、本発明の実施の形態の第4例のラック軸に関する、図4に相当する図である。 図8は、本発明の実施の形態の第5例のラック軸に関する、図4に相当する図である。 図9は、第5例のラック軸の変形例を示す、図8のX部に相当する拡大図である。 図10は、本発明の実施の形態の第6例のラック軸に関する、図4に相当する図である。 図11は、図10に示された第6例のラック軸の一部を、径方向外側から見た図である。 図12は、本発明の実施の形態の第7例のラック軸の斜視図である。 図13は、第7例のラック軸の側面図である。 図14は、図13において、ラック軸の左半部を下方から見た図である。
[実施の形態の第1例]
本発明の実施の形態の第1例について、図1~図4を用いて説明する。
図1は、本例のステアリング装置1を示している。ステアリング装置1は、ステアリングギヤユニット8を構成するピニオン軸11およびラック軸12を備える。
より具体的には、本例のステアリング装置1は、ステアリングホイール2と、ステアリングシャフト3と、ステアリングコラム4と、電動アシスト装置5と、2つの自在継手6a、6bと、中間シャフト7と、ステアリングギヤユニット8と、2つの球面継手9と、2つのタイロッド10とを備える。
なお、ステアリング装置1に関する以下の説明中、前後方向は、車両の前後方向を意味し、左右方向は、車両の幅方向を意味する。
ステアリングシャフト3は、車体に支持されたステアリングコラム4の内側に、回転自在に支持されている。ステアリングシャフト3の後端部には、ステアリングホイール2が取り付けられている。ステアリングシャフト3の前端部は、後側の自在継手6aと、中間シャフト7と、前側の自在継手6bとを介して、ステアリングギヤユニット8のピニオン軸11に接続されている。このため、運転者がステアリングホイール2を回転操作すると、ステアリングホイール2の回転が、ステアリングギヤユニット8のピニオン軸11に伝達される。ピニオン軸11は、ピニオン歯13を有する。ステアリングギヤユニット8のラック軸12は、ラック歯14を有し、ラック歯14にピニオン歯13を噛合させている。このため、ピニオン軸11の回転運動は、ラック軸12の直線運動に変換される。この結果、ラック軸12の軸方向両側の端部のそれぞれに球面継手9を介して接続されたタイロッド10が押し引きされ、左右の操舵輪15に、ステアリングホイール2の回転操作量に応じた舵角が付与される。
ステアリングギヤユニット8について、より具体的に説明する。ステアリングギヤユニット8は、図示しないハウジングと、ピニオン軸11と、ラック軸12とを備え、ステアリングホイール2の回転操作に伴うピニオン軸11の回転運動を、ラック軸12の直線運動に変換する。
前記ハウジングは、ボルトやスタッド等の固定部材を利用して、車体に固定される。
ピニオン軸11は、先半部外周面に、ラック軸12のラック歯14と噛合するピニオン歯13を有する。ピニオン軸11は、前記ハウジングの内側に、軸受により回転のみを可能に支持されている。ピニオン軸11の基端部は、前記ハウジングの外側に突出しており、かつ、前側の自在継手6bを介して中間シャフト7の前端部に接続されている。
ラック軸12は、軸方向を左右方向に一致させ、かつ、軸方向両側の端部を、前記ハウジングの左右方向両側の開口から突出させた状態で、前記ハウジングの内側に、軸方向に関する往復移動のみを可能に支持されている。前記ハウジングに対するラック軸12の回転は、ラック歯14とピニオン歯13との噛合によって阻止されている。ラック軸12の軸方向両側の端部は、球面継手9を介してタイロッド10に接続されている。すなわち、ラック軸12の雌ねじ孔16のそれぞれに、球面継手9の基端部に備えられた雄ねじ部が螺合され、かつ、球面継手9の先端部に、タイロッド10の基端部が揺動可能に支持されている。
電動アシスト装置5は、ステアリングコラム4の前端部に固定され、かつ、車体に支持されている。電動アシスト装置5は、トルクセンサと、電動モータと、ウォーム減速機とを備える。トルクセンサは、ステアリングホイール2からステアリングシャフト3に加えられたトルクの方向および大きさを検出する。電動アシスト装置5は、トルクセンサにより検出したトルクに応じた電流で電動モータを駆動する。そして、電動モータにより発生したアシストトルクを、ウォーム減速機を介してステアリングシャフト3に付与することで、運転者がステアリングホイール2を回転操作するのに要する力を軽減する。
ラック軸12は、金属製の棒状部材であり、軸方向が左右方向に一致するように配置される。ラック軸12は、軸方向一部分の周方向1箇所に、ピニオン軸11のピニオン歯13と噛合するラック歯14を有する。図示の例では、ラック歯14は、ラック軸12の軸方向一方側(図1~図3の左側)部分の周方向1箇所に備えられている。ラック軸12は、軸方向両側の端部のそれぞれに、軸方向端面に開口する雌ねじ孔16を有する。
本例では、ラック軸12は、ラック歯14および雌ねじ孔16を含む一部が鋼により構成され、かつ、残部が鋼よりも軽量なアルミニウム合金により構成されている。これにより、本例のラック軸12は、ラック歯14および雌ねじ孔16の強度を十分に確保しつつ、全体が鋼により構成された従来のラック軸に比べて、軽量に構成されている。
具体的には、本例のラック軸12は、アルミニウム合金により構成され、ラック歯14および雌ねじ孔16のいずれをも備えていない軽量軸部17と、鋼により構成され、ラック歯14と雌ねじ孔16とのうちの少なくともいずれか一方を備え、かつ、軽量軸部17に接合されている重量軸部18a、18bとを有する。なお、軽量軸部17を構成するアルミニウム合金の種類、および、重量軸部18a、18bを構成する鋼の種類は、任意であるが、軽量軸部17を構成するアルミニウム合金としては、たとえば、強度を確保しやすくする観点から、A5052などの展伸用合金などを用いることができ、重量軸部18a、18bを構成する鋼としては、たとえば、S48Cなどの炭素鋼などを用いることができる。
本例では、2つの重量軸部18a、18bのうちの一方の重量軸部18aは、ラック軸12の軸方向一方側の半部を構成している。一方の重量軸部18aは、軸方向中間部の周方向1箇所にラック歯14、および、軸方向一方側の端部に、軸方向一方側の端面に開口する雌ねじ孔16を備える。
2つの重量軸部18a、18bのうちの他方の重量軸部18bは、ラック軸12の軸方向他方側(図1~図3の右側)の端部を構成している。他方の重量軸部18bは、軸方向他方側の端面に開口する雌ねじ孔16を備える。
軽量軸部17は、軸方向に関して2つの重量軸部18a、18bの間に位置している。
本例では、一方の重量軸部18aの軸方向他方側の端部と軽量軸部17の軸方向一方側の端部との接合部19a、および、他方の重量軸部18bの軸方向一方側の端部と軽量軸部17の軸方向他方側の端部との接合部19bのそれぞれは、図4に示すような摩擦圧接部P1により構成されている。すなわち、本例のラック軸12は、それぞれが別々に製造された重量軸部18a、18bと軽量軸部17との互いの軸方向端部を、拡散接合(固相接合)の一種である摩擦圧接することにより構成されている。また、本例では、重量軸部18a、18bのそれぞれは、中空の軸部、すなわち筒状の軸部であり、軽量軸部17は、中実の軸部である。ただし、本発明を実施する場合には、重量軸部を中実の軸部としたり、軽量軸部を中空の軸部としたりすることもできる。
摩擦圧接部P1は、図4に示すような構成を有する。なお、図4では、説明の便宜上、重量軸部18a、18bのそれぞれは、共通の記号HS1で表され、図中の左側に配置されており、軽量軸部17は、記号LS1で表され、図中の右側に配置されている。
摩擦圧接部P1は、軽量軸部LS1(17)の軸方向端部に備えられた、径方向外側を向いたテーパ面部である軽量雄テーパ面部20と、重量軸部HS1(18a、18b)の軸方向端部に備えられた、径方向内側を向いたテーパ面部である重量雌テーパ面部21との摩擦圧接部である。
具体的には、本例では、軽量軸部LS1(17)は、軸方向端部の外周面に、軸方向の先端側に向かうにしたがって外径が小さくなる方向に傾斜した円すい面状の軽量雄テーパ面部20を有する。重量軸部HS1(18a、18b)は、軸方向端部の内周面に、軸方向の先端側に向かうにしたがって内径が大きくなる方向に傾斜した円すい面状の重量雌テーパ面部21を有する。軽量雄テーパ面部20と重量雌テーパ面部21とは、それぞれの中心軸に対する傾斜角度が、互いに等しい。摩擦圧接部P1は、重量雌テーパ面部21と軽量雄テーパ面部20とを摩擦圧接することにより構成されている。
なお、摩擦圧接部P1の曲げ剛性や接合強度を確保する観点から、摩擦圧接部P1の軸方向寸法は、大きいほど好ましく、摩擦圧接部P1の、中心軸に対する傾斜角度(=軽量雄テーパ面部20および重量雌テーパ面部21のそれぞれの、中心軸に対する傾斜角度)は、摩擦圧接を正常に行える範囲で、小さいほど好ましい。本発明を実施する場合、摩擦圧接部P1の、中心軸に対する傾斜角度は、0゜よりも大きく90゜よりも小さい範囲で任意の大きさとすることができるが、たとえば、5゜以上45゜以下とすることができる。
本例のラック軸12の製造時に、重量軸部HS1(18a、18b)の軸方向端部と軽量軸部LS1(17)の軸方向端部とを摩擦圧接する際には、重量軸部HS1(18a、18b)と軽量軸部LS1(17)との芯出しを行うことにより、重量軸部HS1(18a、18b)と軽量軸部LS1(17)とを同軸に配置する。そして、重量軸部HS1(18a、18b)と軽量軸部LS1(17)とのいずれか一方の軸部のみを高速回転させた状態で、重量軸部HS1(18a、18b)の重量雌テーパ面部21と、軽量軸部LS1(17)の軽量雄テーパ面部20とを、互いに突き合わせて加圧する。これにより、突き合わせ部に摩擦熱を発生させ、この摩擦熱によって突き合わせ部を軟化させた後、前記一方の軸部の回転を停止させ、突き合わせ部に対してより強い加圧力を付与する。この結果、突き合わせ部が冷却に伴って拡散接合(摩擦圧接)され、拡散接合部の一種である摩擦圧接部P1が形成される。
特に、本例では、摩擦圧接部P1を形成するための摩擦圧接を行う際には、重量軸部HS1(18a、18b)の軸方向端部が拡径することを防止するために、この軸方向端部に対し、径方向外側から圧力を掛ける。このため、本例では、摩擦圧接を行う際に、重量軸部HS1(18a、18b)を回転させずに、軽量軸部LS1(17)を高速回転させる。
なお、摩擦圧接部P1の形成に伴って、摩擦圧接部P1の外周部および内周部には、図示しないバリが発生する。このバリは、必要に応じて、切削などの仕上げ加工によって除去する。
本例のステアリング装置1を構成するラック軸12によれば、鋼により構成された部分である重量軸部HS1(18a、18b)と、アルミニウム合金により構成された部分である軽量軸部LS1(17)との接合部19a、19bの曲げ強度を確保しやすい。
すなわち、本例では、接合部19a、19bのそれぞれは、摩擦圧接部P1により構成されているが、この摩擦圧接部P1は、互いに径方向に重畳するように噛み合わされた、重量雌テーパ面部21と軽量雄テーパ面部20との摩擦圧接部である。したがって、接合部19a、19bのそれぞれ(摩擦圧接部P1)は、互いに軸方向に突き合わされた2つの平面の摩擦圧接部に比べて、曲げ強度を確保しやすい。
接合部19a、19bのそれぞれ(摩擦圧接部P1)は、2つのテーパ面部の摩擦圧接部であり、2つの平面の摩擦圧接部に比べて圧接面積を広くすることができるため、接合強度を確保しやすい。
本例では、接合部19a、19bのそれぞれ(摩擦圧接部P1)において、鋼により構成された重量軸部HS1(18a、18b)の径方向内側に、アルミニウム合金により構成された軽量軸部LS1(17)が配置されている。ここで、摩擦圧接部P1を形成するための摩擦圧接を行う際には、熱膨張率の違いにより、アルミニウム合金により構成された軽量軸部LS1(17)は、鋼により構成された重量軸部HS1(18a、18b)よりも膨張しやすい。このため、軽量雄テーパ面部20が重量雌テーパ面部21を押す傾向となり、この面からも、摩擦圧接部P1の接合強度を確保しやすい。
したがって、自動車の運転中、操舵輪15を縁石に乗り上げた場合などに、タイロッド10および球面継手9からラック軸12に対し、大きな逆入力荷重が加わることに基づいて、このラック軸12に、ラック歯14とピニオン歯13との噛合部を支点とする、大きな曲げ荷重が加わった場合でも、接合部19a、19bのそれぞれが破損したりすることを、有効に防止することができる。
本例では、接合部19a、19bのそれぞれを、摩擦圧接部P1により構成している。このため、接合部19a、19bのそれぞれを、加工コストが比較的高い摩擦攪拌接合部により構成する場合に比べて、ラック軸12の製造コストを抑えることができる。
本例では、雌ねじ孔16を備える重量軸部HS1(18a、18b)が予め中空であるため、雌ねじ孔16の形成作業を容易に行うことができる。
[実施の形態の第2例]
本発明の実施の形態の第2例について、図5を用いて説明する。
本例では、ラック軸12の接合部19a、19b(図1~図3参照)のそれぞれは、図5(B)に示すように、実施の形態の第1例と同様の摩擦圧接部P1、および、係合部C1により構成されている。
係合部C1は、軽量軸部LS2(17(図1~図3参照))の軽量雄テーパ面部20と重量軸部HS2(18a、18b(図1~図3参照))の重量雌テーパ面部21との摩擦圧接部P1の形成に伴って生じたバリ22と、軽量軸部LS2(17)の外周面に備えられた周方向に伸長する周方向溝23とを係合させてなる。
具体的には、本例では、軽量軸部LS2(17)は、外周面のうち、軸方向に関して軽量雄テーパ面部20の大径側に隣接する部分に、周方向溝23を全周にわたり有する。重量軸部HS2(18a、18b)は、軸方向の先端部に、重量雌テーパ面部21よりも軸方向の先端側に張り出した円筒状の庇筒部24を有する。図5(A)に示すように、軽量雄テーパ面部20と重量雌テーパ面部21とを突き合わせた状態で、庇筒部24は、周方向溝23の周囲に配置される。
本例では、図5(A)から図5(B)の順に示すように、重量雌テーパ面部21と軽量雄テーパ面部20とを摩擦圧接することにより摩擦圧接部P1を形成することに伴って、摩擦圧接部P1の外周部に生じたバリ22は、庇筒部24の内周面から径方向内側に張り出し、周方向溝23の内側に入り込む。これにより、バリ22と周方向溝23とが係合することによって、係合部C1が構成される。
本例では、ラック軸12の接合部19a、19bのそれぞれが、摩擦圧接部P1だけでなく、係合部C1を含んで構成されている。このため、接合部19a、19bのそれぞれに関して、接合強度の向上と二重安全化とを実現することができる。
その他の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第3例]
本発明の実施の形態の第3例について、図6を用いて説明する。
本例では、ラック軸12の接合部19a、19b(図1~図3参照)のそれぞれは、図6(B)に示すように、実施の形態の第1例と同様の摩擦圧接部P1、および、係合部C2により構成されている。
係合部C2は、重量軸部HS3(18a、18b(図1~図3参照))の軸方向の先端部に位置する庇筒部24aに備えられたかしめ部25と、軽量軸部LS2(17(図1~図3参照))の外周面に備えられた周方向溝23とを係合させてなる。かしめ部25は、庇筒部24aを径方向内側に向けて塑性変形させることにより形成される。
本例では、図6(A)から図6(B)の順に示すように、重量雌テーパ面部21と軽量雄テーパ面部20とを摩擦圧接することにより摩擦圧接部P1を形成した後、庇筒部24aを径方向内側に向けて塑性変形させることでかしめ部25を形成し、かつ、かしめ部25を周方向溝23に係合させることにより、係合部C2を構成している。
本例では、ラック軸12の接合部19a、19bのそれぞれが、摩擦圧接部P1だけでなく、係合部C2を含んで構成されている。このため、接合部19a、19bのそれぞれに関して、接合強度の向上と二重安全化とを実現することができる。
その他の構成および作用効果は、実施の形態の第1例および第2例と同様である。
[実施の形態の第4例]
本発明の実施の形態の第4例について、図7を用いて説明する。
本例では、ラック軸12の接合部19a、19b(図1~図3参照)のそれぞれは、摩擦圧接部P2により構成されている。摩擦圧接部P2は、径方向に関する内外の構成を、実施の形態の第1例の摩擦圧接部P1と逆にしたような構成を有する。すなわち、摩擦圧接部P2は、軽量軸部LS3(17(図1~図3参照))の軸方向端部に備えられた、径方向内側を向いたテーパ面部である軽量雌テーパ面部26と、重量軸部HS4(18a、18b(図1~図3参照))の軸方向端部に備えられた、径方向外側を向いたテーパ面部である重量雄テーパ面部27との摩擦圧接部である。
具体的には、本例では、軽量軸部LS3(17)は、軸方向端部の内周面に、軸方向の先端側に向かうにしたがって内径が大きくなる方向に傾斜した円すい面状の軽量雌テーパ面部26を有する。重量軸部HS4(18a、18b)は、軸方向端部の外周面に、軸方向の先端側に向かうにしたがって外径が小さくなる方向に傾斜した円すい面状の重量雄テーパ面部27を有する。摩擦圧接部P2は、軽量雌テーパ面部26と重量雄テーパ面部27とを摩擦圧接することにより構成されている。
本例でも、摩擦圧接部P2を形成するための摩擦圧接を行う際には、軽量軸部LS4(17)の軸方向端部が拡径することを防止するために、この軸方向端部に対し、径方向外側から圧力を掛ける。このため、摩擦圧接を行う際には、軽量軸部LS3(17)を回転させずに、重量軸部HS4(18a、18b)を高速回転させる。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第5例]
本発明の実施の形態の第5例について、図8を用いて説明する。
本例では、ラック軸12の接合部19a、19b(図1~図3参照)のそれぞれは、実施の形態の第4例と同様の摩擦圧接部P2に加えて、実施の形態の第1例と同様の摩擦圧接部P1により構成されている。
摩擦圧接部P1は、軽量軸部LS4(17(図1~図3参照))の軸方向端部に備えられた、径方向外側を向いたテーパ面部である軽量雄テーパ面部20aと、重量軸部HS5(18a、18b(図1~図3参照))の軸方向端部に備えられた、径方向内側を向いたテーパ面部である重量雌テーパ面部21aとを、互いに摩擦圧接することにより構成されている。
軽量雄テーパ面部20aは、軽量軸部LS4(17)の軸方向端部のうち、軽量雌テーパ面部26の径方向内側に位置する部分に備えられている。本例では、軽量雄テーパ面部20aの大径側の端部は、軽量雌テーパ面部26の小径側の端部に直接接続されている。
重量雌テーパ面部21aは、重量軸部HS5(18a、18b)の軸方向端部のうち、重量雄テーパ面部27の径方向内側に位置する部分に備えられている。本例では、重量雌テーパ面部21aの大径側の端部は、重量雄テーパ面部27の小径側の端部に直接接続されている。
本例では、摩擦圧接部P1の軸方向長さは、摩擦圧接部P2の軸方向長さよりも小さい。ただし、本発明を実施する場合には、摩擦圧接部P1と摩擦圧接部P2との軸方向長さの大小関係を、本例と異ならせることもできる。
本例では、摩擦圧接部P1の、中心軸に対する傾斜角度を、摩擦圧接部P2の、中心軸に対する傾斜角度よりも小さくしている。ただし、本発明を実施する場合には、摩擦圧接部P1と摩擦圧接部P2との傾斜角度の大小関係を、本例と異ならせることもできる。
本例では、ラック軸12の接合部19a、19bのそれぞれは、摩擦圧接部P2に対して径方向に重畳する摩擦圧接部P1を備えるため、決められた軸方向範囲内において、接合部19a、19bのそれぞれの圧接面積を確保しやすい。したがって、接合部19a、19bのそれぞれの曲げ強度を確保しやすい。
なお、本発明を実施する場合には、図9に示す、実施の形態の第5例の変形例のように、重量雌テーパ面部21aの大径側の端部を重量雄テーパ面部27の小径側の端部に、面取り部28を介して接続することにより、摩擦圧接部P1、P2の間に、これらの摩擦圧接部P1、P2を形成することに伴って生じたバリを逃がすための空間45を確保することもできる。
その他の構成および作用効果は、実施の形態の第4例と同様である。
[実施の形態の第6例]
本発明の実施の形態の第6例について、図10および図11を用いて説明する。
本例では、ラック軸12の接合部19a、19b(図1~図3参照)のそれぞれは、軽量軸部LS5(17(図1~図3参照))の軸方向端部と重量軸部HS6(18a、18b(図1~図3参照))の軸方向端部との凹凸係合部F、および、軽量軸部LS5(17)の軸方向端面と重量軸部HS6(18a、18b)の軸方向端面との摩擦攪拌接合部S1により構成されている。
具体的には、本例では、軽量軸部LS5(17)は、中実の軸部により構成されている。軽量軸部LS5(17)は、軸方向端部の径方向中央部に、軸方向端面にのみ開口する凹孔29を有する。凹孔29の内周面は、円筒面により構成されている。軽量軸部LS5(17)は、軸方向端部のうち、凹孔29の開口側端部の周囲部分に、軸方向に突出する環状凸部30を有する。環状凸部30の外周面は、円筒面により構成されている。軽量軸部LS5(17)は、軸方向端面のうち、環状凸部30の径方向外側に隣接する部分である径方向外端部に、軽量環状平面部31を有する。軽量環状平面部31は、中心軸に対して直交する円環状の平面により構成されている。
本例では、重量軸部HS6(18a、18b)は、中実の軸部により構成されている。重量軸部HS6(18a、18b)は、軸方向端部の径方向中央部に、軸方向に突出する凸部32を有する。凸部32の外周面は、円筒面により構成されている。重量軸部HS6(18a、18b)は、軸方向端部のうち、凸部32の基端部の周囲部分に、軸方向に凹入する環状凹部33を有する。環状凹部33の内面を構成する径方向外側の周面は、円筒面により構成されている。重量軸部HS6(18a、18b)は、軸方向端面のうち、環状凹部33の径方向外側に近接する部分である径方向外端部に、重量環状平面部34を有する。重量環状平面部34は、中心軸に対して直交する円環状の平面により構成されている。
凹凸係合部Fは、軽量軸部LS5(17)の軸方向端部と重量軸部HS6(18a、18b)の軸方向端部とが凹凸係合している部位、換言すれば、凹凸で噛み合っている部位であり、軽量軸部LS5(17)の軸方向端部と重量軸部HS6(18a、18b)の軸方向端部との接触面積を確保するための部位である。本発明を実施する場合、凹凸係合部Fの構造は任意であるが、本例では、凹凸係合部Fは、軽量軸部LS5(17)の凹孔29と重量軸部HS6(18a、18b)の凸部32との係合部、および、軽量軸部LS5(17)の環状凸部30と重量軸部HS6(18a、18b)の環状凹部33との係合部により構成されている。
軽量軸部LS5(17)の凹孔29と重量軸部HS6(18a、18b)の凸部32との係合部は、軽量軸部LS5(17)の凹孔29の内周面と、重量軸部HS6(18a、18b)の凸部32の外周面とを、中間嵌め、または、締り嵌め(圧入)により嵌合させてなる、嵌合部f1を有する。軽量軸部LS5(17)の環状凸部30と重量軸部HS6(18a、18b)の環状凹部33との係合部は、軽量軸部LS5(17)の環状凸部30の外周面と、重量軸部HS6(18a、18b)の環状凹部33の内面を構成する径方向外側の周面とを、中間嵌め、または、締り嵌め(圧入)により嵌合させてなる、嵌合部f2を有する。
摩擦攪拌接合部S1は、軽量軸部LS5(17)の軽量環状平面部31と、重量軸部HS6(18a、18b)の重量環状平面部34とを、拡散接合の一種である摩擦攪拌接合することにより構成されている。摩擦攪拌接合は、先端にプローブを有する回転子を回転させながら部材間の突き合わせ部に押し込み、摩擦熱によって軟化した突き合わせ部を攪拌(塑性流動化)することにより拡散接合する技術である。本例では、軽量環状平面部31と重量環状平面部34との突き合わせ部に、前記回転子を回転させながら押し込み、該押し込みの位置を周方向に移動させることに基づいて、軽量環状平面部31と重量環状平面部34とを全周にわたり摩擦攪拌接合することにより、摩擦攪拌接合部S1を形成する。
特に、本例では、図11に矢印で前記回転子の押し込み位置の移動経路を示すように、該移動経路の開始点PSと終了点PEとのそれぞれを、重量軸部HS6(18a、18b)の外周部に位置させる。これにより、前記回転子の押し込みの開始段階および終了段階の痕跡が、強度の低い軽量軸部LS5(17)ではなく、強度の高い重量軸部HS6(18a、18b)の外周部に形成されるようにすることで、ラック軸の強度に支障が出ないようにしている。
なお、重量軸部HS6(18a、18b)は、雌ねじ孔16(図2参照)を形成する都合上、外径を十分に確保しておく必要があるが、軽量軸部LS5(17)は、必要な曲げ剛性が確保できれば、外径を小さくしてもよい。このため、本例では、軽量軸部LS5(17)の外径を、摩擦攪拌接合部S1を形成する軸方向端部のみで重量軸部HS6(18a、18b)の外径と同じ大きさとし、それ以外の部分では、重量軸部HS6(18a、18b)の外径よりも小さくしている。
本例では、ラック軸12の接合部19a、19bのそれぞれが、摩擦攪拌接合部S1だけでなく、凹凸係合部F(嵌合部f1、f2)を含んで構成されている。このため、接合部19a、19bのそれぞれに関して、軽量軸部LS5(17)の軸方向端部と重量軸部HS6(18a、18b)の軸方向端部との接触面積を確保しやすく、曲げ強度を確保しやすい。
その他の構成および作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
[実施の形態の第7例]
本発明の実施の形態の第7例について、図12~図14を用いて説明する。
本例のラック軸12aでは、ラック歯14の背面側の半部が、軽量軸部17aの一部により構成されており、かつ、ラック歯14を備えた一方側の重量軸部18cと軽量軸部17aとの接合部19cが、摩擦攪拌接合部S2により構成されている。
具体的には、本例では、一方の重量軸部18cは、軸方向一方側の端部に、略円柱状の重量円柱部35を有し、かつ、軸方向中間部および軸方向他方側端部に、重量円柱部35のうちで径方向に関してラック歯14側の半部から軸方向他方側に向けて伸長した略矩形板状の重量板部36を有する。ラック歯14は、重量円柱部35と重量板部36とに掛け渡すように備えられており、軸方向一方側の雌ねじ孔16は、重量円柱部35に備えられている。このような重量軸部18cでは、図13に示すように、重量円柱部35の軸方向他方側の端面39と、重量板部36のラック歯14と反対側の側面41と、重量板部36の軸方向他方側の端面43とが、互いに連続する状態でクランク形に配置されている。
軽量軸部17aは、軸方向他方側部に、円柱状の軽量円柱部37を有し、かつ、軸方向一方側部に、軽量円柱部37のうちで径方向に関してラック歯14と反対側の半部から軸方向一方側に向けて伸長した半円柱状の軽量板部38を有する。このような軽量軸部17aでは、軽量板部38の軸方向一方側の端面40と、軽量板部38のラック歯14側の側面42と、軽量円柱部37の軸方向一方側の端面44とが、互いに連続する状態でクランク形に配置されている。
摩擦攪拌接合部S2は、重量円柱部35の軸方向他方側の端面39と軽量板部38の軸方向一方側の端面40との突き当て部、重量板部36のラック歯14と反対側の側面41と軽量板部38のラック歯14側の側面42との突き当て部、および、重量板部36の軸方向他方側の端面43と軽量円柱部37の軸方向一方側の端面44との突き当て部のそれぞれを、摩擦攪拌接合することにより構成されている。
図14は、図13において、ラック軸12aの軸方向一方側の半部を下方から見た図である。本例では、摩擦攪拌接合を行うために用いる回転子の押し込み位置の移動経路を、図14に矢印で示すように設定している。すなわち、本例では、該移動経路の開始点PSと終了点PEとのそれぞれを、重量軸部18cの外周部に位置させる。これにより、前記回転子の押し込みの開始段階および終了段階の痕跡が、強度の低い軽量軸部17aではなく、強度の高い重量軸部18cの外周部に形成されるようにすることで、ラック軸12aの強度に支障が出ないようにしている。
本例のラック軸12aでは、ラック歯14の背面側の半部が、軽量軸部17aの一部により構成されているため、ラック軸12aのさらなる軽量化を実現することができる。
本例のラック軸12aでは、ラック歯14の背面側の半部が、軽量軸部17aの一部により構成されており、かつ、ラック歯14を備えた一方側の重量軸部18cと軽量軸部17aとの接合部19cが、摩擦攪拌接合部S2により構成されている。このため、接合部19cの曲げ強度を確保しやすい。
その他の構成及び作用効果は、実施の形態の第1例と同様である。
本発明は、上述した各実施の形態の構成を、矛盾が生じない範囲で、適宜組み合わせて実施することができる。
1 ステアリング装置
2 ステアリングホイール
3 ステアリングシャフト
4 ステアリングコラム
5 電動アシスト装置
6a、6b 自在継手
7 中間シャフト
8 ステアリングギヤユニット
9 球面継手
10 タイロッド
11 ピニオン軸
12、12a ラック軸
13 ピニオン歯
14 ラック歯
15 操舵輪
16 雌ねじ孔
17、17a 軽量軸部
18a、18b、18c 重量軸部
19a、19b 接合部
20、20a 軽量雄テーパ面部
21、21a 重量雌テーパ面部
22 バリ
23 周方向溝
24、24a 庇筒部
25 かしめ部
26 軽量雌テーパ面部
27 重量雄テーパ面部
28 面取り部
29 凹孔
30 環状凸部
31 軽量環状平面部
32 凸部
33 環状凹部
34 重量環状平面部
35 重量円柱部
36 重量板部
37 軽量円柱部
38 軽量板部
39 端面
40 端面
41 側面
42 側面
43 端面
44 端面
45 空間

Claims (9)

  1. 軸方向一部分の周方向1箇所にラック歯、および、軸方向両側の端部のそれぞれに、軸方向端面に開口する雌ねじ孔を有し、
    アルミニウム合金により構成され、前記ラック歯および前記雌ねじ孔のいずれをも備えていない、軽量軸部と、
    鋼により構成され、前記ラック歯および前記雌ねじ孔を備え、かつ、前記軽量軸部に接合されている重量軸部と、
    を有し、
    前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、摩擦圧接部または摩擦攪拌接合部を含んで構成されている、
    ラック軸。
  2. 前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量軸部の軸方向端部に備えられた、径方向外側を向いたテーパ面部である軽量雄テーパ面部と、前記重量軸部の軸方向端部に備えられた、径方向内側を向いたテーパ面部である重量雌テーパ面部との摩擦圧接部を含んで構成されている、請求項1に記載のラック軸。
  3. 前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量雄テーパ面部と前記重量雌テーパ面部との摩擦圧接部の形成に伴って生じたバリと、前記軽量軸部の外周面に備えられた周方向に伸長する周方向溝との係合部を含んで構成されている、請求項2に記載のラック軸。
  4. 前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記重量軸部の軸方向端部に備えられたかしめ部と、前記軽量軸部の外周面に備えられた周方向に伸長する周方向溝との係合部を含んで構成されている、請求項2に記載のラック軸。
  5. 前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量軸部の軸方向端部に備えられた、径方向内側を向いたテーパ面部である軽量雌テーパ面部と、前記重量軸部の軸方向端部に備えられた、径方向外側を向いたテーパ面部である重量雄テーパ面部との摩擦圧接部を含んで構成されている、請求項1に記載のラック軸。
  6. 前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量軸部の軸方向端部のうち、前記軽量雌テーパ面部の径方向内側に位置する部分に備えられた、径方向外側を向いたテーパ面部である軽量雄テーパ面部と、前記重量軸部の軸方向端部のうち、前記重量雄テーパ面部の径方向内側に位置する部分に備えられた、径方向内側を向いたテーパ面部である重量雌テーパ面部との摩擦圧接部を含んで構成されている、請求項5に記載のラック軸。
  7. 前記軽量軸部と前記重量軸部との接合部が、前記軽量軸部の軸方向端部と前記重量軸部の軸方向端部との凹凸係合部、および、前記軽量軸部の軸方向端面と前記重量軸部の軸方向端面との摩擦攪拌接合部を含んで構成されている、請求項1に記載のラック軸。
  8. 前記ラック軸のうち、前記ラック歯の背面側の半部が、前記軽量軸部の一部により構成されており、
    前記重量軸部と前記軽量軸部との接合部が、摩擦攪拌接合部により構成されている、
    請求項1に記載のラック軸。
  9. ピニオン歯を有し、ステアリングホイールの回転操作に伴って回転するピニオン軸と、
    前記ピニオン歯と噛合するラック歯を有するラック軸と、
    を備え、
    前記ラック軸が、請求項1~8のいずれかに記載のラック軸により構成されている、
    ステアリング装置。
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