JP7119472B2 - ポリアルキレンオキシド組成物およびその製造方法、並びに該ポリアルキレンオキシド組成物を含むポリウレタン形成性組成物 - Google Patents
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Description
特許文献1は、特定の構造を有する1価のイミノホスファゼニウム塩を触媒として用い、ポリアルキレンオキシドを製造した後、吸着剤により当該イミノホスファゼニウム塩を除去するポリアルキレンオキシドの製造方法を開示している。特許文献1にかかるポリアルキレンオキシドは、pHが所定の範囲内であって、ウレタン化反応性に優れるポリアルキレンオキシドである。
また、ポリアルキレンオキシドはウレタンなどの原料として有用であって、その用途には室内や車内で用いられる製品が含まれるため、臭気および濁りの発生の抑制が望まれている。
式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩と、
ポリアルキレンオキシドと、を含む:
R1およびR2は、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
R1とR2とが互いに結合した環構造、または、
R1同士もしくはR2同士が互いに結合した環構造を表す;
A-は、有機スルホン酸の脱プロトン化体を表す。
式(2)で示されるイミノホスファゼニウム塩存在下、アルキレンオキシドの重合反応をおこないポリアルキレンオキシドを製造した後、
イミノホスファゼニウム塩1モルに対し、2モル以上の有機スルホン酸を添加する:
R1およびR2は、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
R1とR2とが互いに結合した環構造、または、
R1同士もしくはR2同士が互いに結合した環構造を表す;
X-は、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す。
(A)上記ポリアルキレンオキシド組成物と、
(B)イソシアネート化合物と、を含む。
<ポリアルキレンオキシド組成物>
本発明の一態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物は、
式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩と、
ポリアルキレンオキシドと、を含む:
R1およびR2は、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
R1とR2とが互いに結合した環構造、または、
R1同士もしくはR2同士が互いに結合した環構造を表す;
A-は、有機スルホン酸の脱プロトン化体を表す。
ポリアルキレンオキシドとしては、一般的にポリアルキレンオキシドとして知られている範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(1,2-ブチレンオキシド)、ポリ(2,3-ブチレンオキシド)、ポリイソブチレンオキシド、ポリブタジエンオキシド、ポリペンテンオキシド、ポリシクロヘキセンオキシド、ポリスチレンオキシド等が挙げられる。また、これらを共重合成分とするブロック共重合体およびランダム共重合体を挙げることができる。これらの中でも、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリプロピレンオキシド-ポリエチレンオキシドブロック共重合体であることが好ましい。
2価のイミノホスファゼニウム塩としては、上記式(1)で示されるイミノホスファゼニウム塩の範疇に属するものであれば如何なるものであってもよい。
式(1)中、R1およびR2は、各々独立して、水素原子、炭素数1~20の炭化水素基、R1とR2とが互いに結合した環構造、または、R1同士もしくはR2同士が互いに結合した環構造を表す。
式(1)中、A-は、有機スルホン酸の脱プロトン化体である。有機スルホン酸の代わりに、塩酸、過塩素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸などの無機酸;酢酸、アジピン酸、安息香酸、シュウ酸などの有機カルボン酸;を用いた場合、イミノホスファゼニウム塩がポリアルキレンオキシド中から析出し、ポリアルキレンオキシド組成物が濁ったり、酸由来の臭気が発生したりするため、好ましくない。
ポリアルキレンオキシド組成物において、2価のイミノホスファゼニウム塩の含有量は、特に制限はないが、臭気および濁りが抑制され、揮発アルデヒド量が少ないポリアルキレンオキシド組成物となることから、50ppm以上10000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは100ppm以上5000ppm以下であり、さらに好ましくは200ppm以上3000ppm以下である。
ポリアルキレンオキシド組成物の製造方法としては、上記式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩およびポリアルキレンオキシドを含むポリアルキレンオキシド組成物が製造できる方法であれば如何なる方法であってもよい。例えば、上記式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩をポリアルキレンオキシドと混合する方法が挙げられる。また、下記式(2)で示される1価のイミノホスファゼニウム塩および活性水素含有化合物存在下、アルキレンオキシドの開環重合をおこないポリアルキレンオキシドを製造した後、イミノホスファゼニウム塩1モルに対し、2モル以上の有機スルホン酸を添加する方法が挙げられる。
式(2)で示されるイミノホスファゼニウム塩および活性水素含有化合物存在下、アルキレンオキシドの重合反応をおこないポリアルキレンオキシドを製造した後、
イミノホスファゼニウム塩1モルに対し、2モル以上の有機スルホン酸を添加する:
R1およびR2は、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
R1とR2とが互いに結合した環構造、または、
R1同士もしくはR2同士が互いに結合した環構造を表す;
X-は、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、アジピン酸等が挙げられる。
チオール化合物としては、例えば、エタンジチオール、ブタンジチオール等が挙げられる。
水酸基を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば、分子量200~3000のポリエーテルポリオール等の水酸基を有するポリエーテルポリオールが挙げられる。
有機スルホン酸の代わりに、塩酸、過塩素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸などの無機酸;酢酸、アジピン酸、安息香酸、シュウ酸などの有機カルボン酸を用いた場合、イミノホスファゼニウム塩がポリアルキレンオキシド組成物中から析出し、ポリアルキレンオキシド組成物が濁ったり、酸由来の臭気が発生したりするため、好ましくない。
本発明の一態様にかかるポリウレタン形成組成物は、
(A)上記式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩およびポリアルキレンオキシドを含むポリアルキレンオキシドと、
(B)イソシアネート化合物と、を含む。
添加剤としては、触媒、整泡剤、架橋剤、連通化剤、発泡剤、染料、有機顔料、無機顔料、無機補強材、可塑剤、加工助剤、紫外線吸収材、光安定剤、滑剤、ワックス、結晶核剤、離型剤、加水分解防止剤、防曇剤、防塵剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填材、有機充填材等が挙げられる。
実施例および比較例において用いた評価・測定方法を示す。
JIS K-1557-1に記載の方法により算出した。
20mlのサンプル管に10gのポリアルキレンオキシド組成物を入れ、封をした状態で12時間静置後、開封し臭気の有無を評価した。
20mlのサンプル管に10gのポリアルキレンオキシド組成物を入れ、目視観察した際、濁りの有無を評価した。
JIS K-1557-5に記載の方法に従い、ポリアルキレンオキシド10gをイソプロパノール/水=10/6混合溶媒(60mL)に溶解し、YOKOGAWA社製pH/ORPメータPH72を使用して、ポリアルキレンオキシドのpHを測定した。
ポリアルキレンオキシド10gをインピンジャー(株式会社末永理化学社製、容量:30ml)に入れ、65℃で2時間加熱しながら、窒素ガスを0.5L/minの流速で吹き込んだ。通気後のガスをDNPH(2,4-ジニトロフェニルヒドラジン)カートリッジに捕集し、吸着成分を溶出した。溶出液のHPLC(high performance liquid chromatography;高速液体クロマトグラフィー)測定を行い、ポリアルキレンオキシドからのアセトアルデヒドおよびプロピオンアルデヒド揮発量を測定した。
製造直後のポリウレタン形成性組成物をサンプル瓶に入れ、密閉した状態で1時間静置した。開封した際の臭気の有無を評価した。
攪拌翼を付した2リットルの4つ口フラスコを窒素雰囲気下とし、五塩化リン96g(0.46mol)、脱水トルエン800mlを加え、20℃で攪拌した。撹拌を維持したまま、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン345g(2.99mol)を3時間かけて滴下した後、100℃に昇温し、さらに1,1,3,3-テトラメチルグアニジン107g(0.92mol)を1時間かけて滴下した。得られた白色のスラリー溶液を100℃で14時間攪拌した後、80℃まで冷却し、イオン交換水250mlを加え、30分間撹拌した。撹拌を止めると、スラリーは全て溶解し、2相溶液が得られた。得られた2相溶液の油水分離を行い、水相を回収した。得られた水相にジクロロメタン100mlを加え、油水分離を行い、ジクロロメタン相を回収した。得られたジクロロメタン溶液をイオン交換水100mlで洗浄した。
スターラーバーを入れた0.2リットルの4つ口フラスコを窒素雰囲気下とし、合成例1で得られた1価のイミノホスファゼニウム塩の2-プロパノール溶液50g(36mmol)を加えた。そこへ、撹拌を維持しながら、ドデシルベンゼンスルホン酸23g(76mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し2.1mol)を加えた。10分間攪拌分撹拌を継続することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるR1がメチル基、R2がメチル基、A-がドデシルベンゼンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を得た。
攪拌翼を付した2リットルの4つ口フラスコに、分子量7000のポリプロピレンオキシド1200g、得られた2価のイミノホスファゼニウム塩2.8gを加え、内温80℃にて1時間撹拌することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩2300ppmを含有するポリアルキレンオキシド組成物1203gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは7.2、水酸基価は24mgKOH/g、アセトアルデヒド揮発量は0.40ppm、プロピオンアルデヒド揮発量は0.04ppmであった。
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にてドデシルベンゼンスルホン酸2.0g(6.25mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し2.5mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、1時間撹拌することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるR1がメチル基、R2がメチル基、A-がドデシルベンゼンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは6.5、水酸基価は24mgKOH/g、アセトアルデヒド揮発量は0.14ppm、プロピオンアルデヒド揮発量は0.12ppmであった。
得られたポリアルキレンオキシド組成物とMDIを、ポリアルキレンオキシド組成物中の水酸基(OH)に対するMDI中のイソシアネート基(NCO)のモル比が1.5となるように混合し、NCO基が完全に消費されるまで反応させ、ポリウレタン形成性組成物を合成した。得られたポリウレタン形成性組成物は、無臭であった。
実施例3
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にてドデシルベンゼンスルホン酸2.4g(7.5mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し3mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、1時間撹拌することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるR1がメチル基、R2がメチル基、A-がドデシルベンゼンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは5.6、水酸基価は24mgKOH/g、アセトアルデヒド揮発量は0.24ppm、プロピオンアルデヒド揮発量は0.24ppmであった。
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にてp-トルエンスルホン酸0.86g(5.0mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し2mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、1時間撹拌することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるR1がメチル基、R2がメチル基、A-がp-トルエンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1200gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは7.3、水酸基価は24mgKOH/g、アルデヒド揮発量は0.3ppmであった。
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温を85℃にて水30g、キョーワード700SEN-S(協和化学工業社製、吸着剤)12gを加え、1時間撹拌した。さらに、120℃に昇温し3時間撹拌し、0.5kPaの減圧下で3時間脱水処理をおこなった後、ろ過により吸着剤を除去し、2価のイミノホスファゼニウム塩を含有しないポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは6.8、水酸基価は24mgKOH/g、アセトアルデヒド揮発量は0.92ppmと高く、プロピオンアルデヒド揮発量も3.1ppmと高かった。
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にてドデシルベンゼンスルホン酸0.8g(2.5mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し1.0mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、1時間撹拌することによって、1価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(2)におけるR1がメチル基、R2がメチル基、X-がドデシルベンゼンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、臭気があり、濁りが無く、pHは8.4で、塩基性を示した。
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にて1.0mol/Lの塩酸水溶液5.0mL(5.0mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し2mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、減圧下で水を除去することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるR1がメチル基、R2がメチル基、A-が塩素アニオンに相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが有り、pHは7.2であった。
Claims (6)
- R1およびR2が、メチル基であり、
A-が、ドデシルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ソフト型)、または、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ハード型)の脱プロトン化体であることを特徴とする請求項1に記載のポリアルキレンオキシド組成物。 - JIS K-1557-5に記載の方法に従い測定した前記ポリアルキレンオキシド組成物のpHが、5以上8以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアルキレンオキシド組成物。
- 65℃、2時間、0.5L/minの窒素バブリングにより揮発するアセトアルデヒド量が、0.9ppm以下であり、プロピオンアルデヒド量が3.0ppm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のポリアルキレンオキシド組成物。
- 請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアルキレンオキシド組成物の製造方法であって、
式(2)で示されるイミノホスファゼニウム塩および活性水素含有化合物存在下、アルキレンオキシドの重合反応をおこないポリアルキレンオキシドを製造した後、
イミノホスファゼニウム塩1モルに対し、2モル以上の有機スルホン酸を添加することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアルキレンオキシド組成物の製造方法:
R1およびR2は、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
R1とR2とが互いに結合した環構造、または、
R1同士もしくはR2同士が互いに結合した環構造を表す;
X-は、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す。 - (A)請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアルキレンオキシド組成物と、
(B)イソシアネート化合物と、を含むポリウレタン形成性組成物。
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