JP7119472B2 - ポリアルキレンオキシド組成物およびその製造方法、並びに該ポリアルキレンオキシド組成物を含むポリウレタン形成性組成物 - Google Patents

ポリアルキレンオキシド組成物およびその製造方法、並びに該ポリアルキレンオキシド組成物を含むポリウレタン形成性組成物 Download PDF

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Description

本開示は、ポリアルキレンオキシド組成物およびその製造方法、並びに該ポリアルキレンオキシド組成物を含むポリウレタン形成性組成物に関する。
イミノホスファゼニウム塩およびポリアルキレンオキシドを含有するポリアルキレンオキシド組成物が知られている。
特許文献1は、特定の構造を有する1価のイミノホスファゼニウム塩を触媒として用い、ポリアルキレンオキシドを製造した後、吸着剤により当該イミノホスファゼニウム塩を除去するポリアルキレンオキシドの製造方法を開示している。特許文献1にかかるポリアルキレンオキシドは、pHが所定の範囲内であって、ウレタン化反応性に優れるポリアルキレンオキシドである。
特許第5716382号公報
しかしながら、特許文献1にかかるポリアルキレンオキシドについて本発明者らがさらなる検討を重ねた結果、当該ポリアルキレンオキシドは、揮発アルデヒド量の低減に関してさらなる改善の余地があることがわかった。室内や車内などの生活空間において発生するアルデヒド類は、低減することが強く求められている。
また、ポリアルキレンオキシドはウレタンなどの原料として有用であって、その用途には室内や車内で用いられる製品が含まれるため、臭気および濁りの発生の抑制が望まれている。
そこで、本発明の一態様は、揮発アルデヒド量が低減され、臭気および濁りの発生が抑制され、かつ、ウレタン化反応性に優れるポリアルキレンオキシド組成物を提供することに向けられている。本発明の他の態様は、該ポリアルキレンオキシド組成物の製造方法を提供することに向けられている。本発明のさらに他の態様は、臭気および濁りの発生が抑制されたポリウレタンの形成に資するポリウレタン形成性組成物の提供に向けられている。
本発明の一態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物は、
式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩と、
ポリアルキレンオキシドと、を含む:
Figure 0007119472000001
式(1)中、
およびRは、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
とRとが互いに結合した環構造、または、
同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表す;
は、有機スルホン酸の脱プロトン化体を表す。
本発明の他の態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物の製造方法は、上記ポリアルキレンオキシド組成物の製造方法であって、
式(2)で示されるイミノホスファゼニウム塩存在下、アルキレンオキシドの重合反応をおこないポリアルキレンオキシドを製造した後、
イミノホスファゼニウム塩1モルに対し、2モル以上の有機スルホン酸を添加する:
Figure 0007119472000002
式(2)中、
およびRは、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
とRとが互いに結合した環構造、または、
同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表す;
は、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す。
本発明のさらに他の態様にかかるポリウレタン形成性組成物は、
(A)上記ポリアルキレンオキシド組成物と、
(B)イソシアネート化合物と、を含む。
本発明の一態様は、揮発アルデヒド量が低減され、臭気および濁りの発生が抑制され、かつ、ウレタン化反応性に優れるポリアルキレンオキシド組成物を提供できる。本発明の他の態様は、該ポリアルキレンオキシド組成物の製造方法を提供できる。本発明のさらに他の態様は、臭気および濁りの発生が抑制されたポリウレタンの形成に資するポリウレタン形成性組成物を提供できる。
以下に本発明を実施するための例示的な態様を詳細に説明する。
<ポリアルキレンオキシド組成物>
本発明の一態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物は、
式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩と、
ポリアルキレンオキシドと、を含む:
Figure 0007119472000003
式(1)中、
およびRは、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
とRとが互いに結合した環構造、または、
同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表す;
は、有機スルホン酸の脱プロトン化体を表す。
<<ポリアルキレンオキシド>>
ポリアルキレンオキシドとしては、一般的にポリアルキレンオキシドとして知られている範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、例えばポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(1,2-ブチレンオキシド)、ポリ(2,3-ブチレンオキシド)、ポリイソブチレンオキシド、ポリブタジエンオキシド、ポリペンテンオキシド、ポリシクロヘキセンオキシド、ポリスチレンオキシド等が挙げられる。また、これらを共重合成分とするブロック共重合体およびランダム共重合体を挙げることができる。これらの中でも、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリプロピレンオキシド-ポリエチレンオキシドブロック共重合体であることが好ましい。
<<2価のイミノホスファゼニウム塩>>
2価のイミノホスファゼニウム塩としては、上記式(1)で示されるイミノホスファゼニウム塩の範疇に属するものであれば如何なるものであってもよい。
<<<R、R>>>
式(1)中、RおよびRは、各々独立して、水素原子、炭素数1~20の炭化水素基、RとRとが互いに結合した環構造、または、R同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表す。
炭素数1~20の炭化水素基としては、例えばメチル基、エチル基、ビニル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、アリル基、n-ブチル基、イソブチル基、t-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、ネオペンチル基、シクロペンチル基、n-ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基、へプチル基、シクロヘプチル基、オクチル基、シクロオクチル基、ノニル基、シクロノニル基、デシル基、シクロデシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基、ヘキサデシル基、ヘプタデシル基、オクタデシル基、ノナデシル基等が挙げられる。
とRとが互いに結合した環構造としては、ピロリジニル基、ピロリル基、ピペリジニル基、インドリル基、イソインドリル基等が挙げられる。
同士もしくはR同士が互いに結合した環構造としては、例えば、2つのRもしく2つのRが、各々独立に、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基から選ばれる1つの基となって、一方のアルキレン基と、他方のアルキレン基と、が互いに結合した環構造が挙げられる。
これらの中で、原料であるグアニジン類の入手が容易という点から、RおよびRとしては、各々独立して、メチル基、エチル基、イソプロピル基であることが好ましい。RおよびRが、メチル基であることが特に好ましい。
式(1)におけるカチオン種の具体例としては、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオン、テトラキス(1,1,3,3-テトラエチルグアニジノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオン、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-プロピル)グアニジノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオン、テトラキス(1,1,3,3-テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオン、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-ブチル)グアニジノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオン、テトラキス(1,1,3,3-テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオン、テトラキス(1,1,3,3-テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオン、テトラキス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオン、テトラキス(1,3-ジエチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオンが挙げられる。これらの中でも、原料であるグアニジン類の入手が容易という点から、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウム(ヒドロ)ジカチオンが好ましい。
<<<A>>>
式(1)中、Aは、有機スルホン酸の脱プロトン化体である。有機スルホン酸の代わりに、塩酸、過塩素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸などの無機酸;酢酸、アジピン酸、安息香酸、シュウ酸などの有機カルボン酸;を用いた場合、イミノホスファゼニウム塩がポリアルキレンオキシド中から析出し、ポリアルキレンオキシド組成物が濁ったり、酸由来の臭気が発生したりするため、好ましくない。
有機スルホン酸としては、一般的に有機スルホン酸として知られている範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、例えば、アルカンスルホン酸、α-オレフィンスルホン酸、高級アルコール硫酸、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸等が挙げられる。具体例としては、例えば、p-トルエンスルホン酸、キシレンスルホン酸、キュメンスルホン酸、メトキシベンゼンスルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ソフト型)、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ハード型)、直鎖アルキルナフタリンスルホン酸、分岐鎖アルキルナフタリンスルホン酸、β-ナフタリンスルホン酸ホルマリン縮合物、p-アニリンスルホン酸、o-アニリンスルホン酸等が挙げられる。これらの中でも、工業的に入手が容易という点から、ドデシルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ソフト型)、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ハード型)が好ましい。
ポリアルキレンオキシド組成物において、2価のイミノホスファゼニウム塩の含有量は、特に制限はないが、臭気および濁りが抑制され、揮発アルデヒド量が少ないポリアルキレンオキシド組成物となることから、50ppm以上10000ppm以下であることが好ましく、より好ましくは100ppm以上5000ppm以下であり、さらに好ましくは200ppm以上3000ppm以下である。
ポリアルキレンオキシド組成物は、酸化防止剤を含有していてもよい。酸化防止剤としては、例えば、2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、2-tert-ブチル-4-メトキシフェノール、2,6-ジ-tert-ブチルフェノール、6-tert-ブチル-2,4-メチルフェノール、ペンタエリスリトールテトラキス[3-(3,5-ジ-tert-ブチル-4-ヒドロキシフェニルプロピオネート](例えば、BASF製Irganox1010)、3,5-ビス-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸オクタデシルエステル(例えば、BASF製Irganox1076)、3,5-ビス-tert-ブチル-4-ヒドロキシベンゼンプロパン酸イソオクチルエステル(例えば、BASF製Irganox1135)等のフェノール系酸化防止剤;n-ブチル-p-アミノフェノール、4,4-ジメチルジアミン、4,4-ジオクチルジフェニルアミン等のアミン系酸化防止剤;が挙げられる。これらの酸化防止剤は単一で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
本態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物は、臭気の発生が抑制されている。該ポリアルキレンオキシド組成物は、20mlのサンプル管に10gのポリアルキレンオキシド組成物を入れ、封をした状態で12時間静置後、開封した際の臭気が無いか、ほとんど無いものである。
本態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物は、濁りの発生が抑制されている。該ポリアルキレンオキシド組成物は、20mlのサンプル管に10gのポリアルキレンオキシド組成物を入れ、目視観察した際、濁りが無いか、ほとんど無いものである。
本態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物は、ウレタン化反応性に優れる。該ポリアルキレンオキシド組成物は、JIS K-1557-5に記載の方法に従い測定したpHが、5以上8以下であることが好ましい。pHが5以上8以下であると、ポリアルキレンオキシド組成物と、イソシアネート化合物と、を混合し、ポリウレタン形成性組成物を合成しようとした際の反応性がさらに良好となるため好ましい。
本態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物は、揮発アルデヒドが少ない。本態様にかかるにおけるその指標としては、一定条件加熱下(65℃、2時間)、窒素バブリング(流速:0.5L/min)により揮発するアセトアルデヒド量が、0.9ppm以下であることが好ましく、より好ましくは0.8ppm以下である。また、上記条件より揮発するプロピオンアルデヒド量が、3.0ppm以下であることが好ましく、より好ましくは2.5ppm以下である。
<ポリアルキレンオキシド組成物の製造方法>
ポリアルキレンオキシド組成物の製造方法としては、上記式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩およびポリアルキレンオキシドを含むポリアルキレンオキシド組成物が製造できる方法であれば如何なる方法であってもよい。例えば、上記式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩をポリアルキレンオキシドと混合する方法が挙げられる。また、下記式(2)で示される1価のイミノホスファゼニウム塩および活性水素含有化合物存在下、アルキレンオキシドの開環重合をおこないポリアルキレンオキシドを製造した後、イミノホスファゼニウム塩1モルに対し、2モル以上の有機スルホン酸を添加する方法が挙げられる。
本発明の一態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物の製造方法は、上記ポリアルキレンオキシド組成物の製造方法であって、
式(2)で示されるイミノホスファゼニウム塩および活性水素含有化合物存在下、アルキレンオキシドの重合反応をおこないポリアルキレンオキシドを製造した後、
イミノホスファゼニウム塩1モルに対し、2モル以上の有機スルホン酸を添加する:
Figure 0007119472000004
式(2)中、
およびRは、各々独立して、
水素原子、
炭素数1~20の炭化水素基、
とRとが互いに結合した環構造、または、
同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表す;
は、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す。
式(2)中、RおよびRは、各々独立して、水素原子又は炭素数1~20の炭化水素基、RとRとが互いに結合した環構造、または、R同士もしくはR同士が互いに結合した環構造である。これらの具体例としては、上記式(1)中のRおよびRと同じものが挙げられる。そして、上記式(1)と同様に、原料であるグアニジン類の入手が容易という点から、RおよびRとしては、メチル基、エチル基、イソプロピル基であることが好ましい。
式(2)で示されるイミノホスファゼニウム塩の具体例としては、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-プロピル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-ブチル)グアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,1,3,3-テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムヒドロキシド、テトラキス(1,3-ジエチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムヒドロキシド;テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラエチルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-プロピル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトライソプロピルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラ(n-ブチル)グアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラフェニルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,1,3,3-テトラベンジルグアニジノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3-ジメチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート、テトラキス(1,3-ジエチルイミダゾリジン-2-イミノ)ホスホニウムハイドロゲンカーボネート;等が挙げられる。これらの中でも、原料であるグアニジン類の入手が容易という点から、テトラキス(1,1,3,3-テトラメチルグアニジノ)ホスホニウムヒドロキシドが好ましい。
アルキレンオキシドとしては、例えば炭素数2~20のアルキレンオキシドを挙げることができる。具体的には、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、1,2-ブチレンオキシド、2,3-ブチレンオキシド、イソブチレンオキシド、ブタジエンモノオキシド、ペンテンオキシド、スチレンオキシド、シクロヘキセンオキシド等が挙げられる。これらの中で、アルキレンオキシドの入手が容易で、得られるポリアルキレンオキシドの工業的価値の高いことから、エチレンオキシド、プロピレンオキシドが好ましい。アルキレンオキシドは、単一で用いても2種以上を混合して用いてもよい。2種以上を混合して用いる場合は、例えば第1のアルキレンオキシドを反応させた後、第2のアルキレンオキシドを反応させてもよいし、2種以上のアルキレンオキシドを同時に反応させてもよい。
活性水素含有化合物としては、ヒドロキシ化合物、アミン化合物、カルボン酸化合物、チオール化合物、水酸基を有するポリエーテルポリオール等が挙げられる。
ヒドロキシ化合物としては、例えば、水、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、グリセリン、トリメチロールプロパン、ヘキサントリオール、ペンタエリスリトール、ジグリセリン、ソルビトール、スクロース、グルコース、2-ナフトール、ビスフェノール等が挙げられる。
アミン化合物としては、例えば、エチレンジアミン、N,N’-ジメチルエチレンジアミン、ピペリジン、ピペラジン等が挙げられる。
カルボン酸化合物としては、例えば、安息香酸、アジピン酸等が挙げられる。
チオール化合物としては、例えば、エタンジチオール、ブタンジチオール等が挙げられる。
水酸基を有するポリエーテルポリオールとしては、例えば、分子量200~3000のポリエーテルポリオール等の水酸基を有するポリエーテルポリオールが挙げられる。
これら活性水素含有化合物は、単独で用いてもよいし、数種類を混合して用いてもよい。
有機スルホン酸としては、上記式(1)で挙げた有機スルホン酸と同じものが挙げられる。
有機スルホン酸の代わりに、塩酸、過塩素酸、硫酸、亜硫酸、硝酸などの無機酸;酢酸、アジピン酸、安息香酸、シュウ酸などの有機カルボン酸を用いた場合、イミノホスファゼニウム塩がポリアルキレンオキシド組成物中から析出し、ポリアルキレンオキシド組成物が濁ったり、酸由来の臭気が発生したりするため、好ましくない。
有機スルホン酸の添加量は、上記式(2)で示されるイミノホスファゼニウム塩1モルに対して2モル以上であり、2モル以上10モル以下であることが好ましく、より好ましくは2.1モル以上8モル以下であり、さらに好ましくは2.2モル以上5.0モル以下である。2モルより少ないと、未反応の1価のイミノホスファゼニウム塩が残存し、ポリアルキレンオキシド組成物に臭気が発生するため、好ましくない。一方、10モル以下であると、ポリアルキレンオキシド組成物が良好な液性(pH)を示し、ウレタン化反応性に優れるため好ましい。
<ポリウレタン形成性組成物>
本発明の一態様にかかるポリウレタン形成組成物は、
(A)上記式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩およびポリアルキレンオキシドを含むポリアルキレンオキシドと、
(B)イソシアネート化合物と、を含む。
イソシアネート化合物(B)は、一般的にイソシアネート化合物として知られている範疇に属するものであれば如何なるものであってもよく、例えば、芳香族イソシアネート化合物、脂肪族イソシアネート化合物、脂環族イソシアネート化合物、及びこれらのポリイソシアネート誘導体等が挙げられる。
芳香族イソシアネート化合物としては、例えば、トリレンジイソシアネート(2,4-もしくは2,6-トリレンジイソシアネ-ト、またはそれらの混合物)(TDI)、フェニレンジイソシアネート(m-,p-フェニレンジイソシアネート、またはそれらの混合物)、4,4’-ジフェニルジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート(4,4’-、2,4’もしくは2,2’-ジフェニルメタンジイソシアネート、またはそれらの混合物)(MDI)、4,4’-トルイジンジイソシアネート(TODI)、4,4’-ジフェニルエーテルジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート(1,3-もしくは1,4-キシリレンジイソシアネート、またはそれらの混合物)(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(1,3-もしくは1,4-テトラメチルキシリレンジイソシアネート、またはそれらの混合物)(TMXDI)、ω,ω’-ジイソシアネート-1,4-ジエチルベンゼン、ナフタレンジイソシアネート(1,5-、1,4-もしくは1,8-ナフタレンジイソシアネート、またはそれらの混合物)(NDI)、トリフェニルメタントリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニル)チオホスフェート、ポリメチレンポリフェニレンポリイソシアネート、ニトロジフェニル-4,4’-ジイソシアネート、3,3’-ジメチルジフェニルメタン-4,4’-ジイソシアネート、4,4’-ジフェニルプロパンジイソシアネート、3,3’-ジメトキシジフェニル-4,4’-ジイソシアネート等が挙げられる。
脂肪族イソシアネート化合物としては、例えば、トリメチレンジイソシアネート、1,2-プロピレンジイソシアネート、ブチレンジイソシアネート(テトラメチレンジイソシアネ-ト、1,2-ブチレンジイソシアネート、2,3-ブチレンジイソシアネート、1,3-ブチレンジイソシアネート)、ヘキサメチレンジイソシアネート、ペンタメチレンジイソシアネート、2,2,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,4,4-トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、2,6-ジイソシアネートメチルカプエート、リジンジイソシアネート、リジンエステルトリイソシアネート、1,6,11-ウンデカントリイソシアネート、1,3,6-ヘキサメチレントリイソシアネート、トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、デカメチレンジイソシアネート等が挙げられる。
脂環族イソシアネート化合物としては、例えば、1,3-シクロペンタンジイソシアネート、1,3-シクロペンテンジイソシアネート、シクロヘキサンジイソシアネート(1,4-シクロヘキサンジイソシアネ-ト、1,3-シクロヘキサンジイソシアネート)、3-イソシアネートメチル-3,5,5-トリメチルシクロヘキシルイソシアネート(イソホロンジイソシアネート、IPDI)、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート(4,4’-、2,4’-もしくは2,2’-メチレンビス(シクロヘキシルイソシアネート、またはそれらの混合物)(水添MDI)、メチルシクロヘキサンジイソシアネート(メチル-2,4-シクロヘキサンジイソシアネート、メチル-2,6-シクロヘキサンジイソシアネート、ビス(イソシネートメチル)シクロヘキサン(1,3-もしくは1,4-ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、またはそれらの混合物)(水添XDI)、ダイマー酸ジイソシアネート、トランスシクロヘキサン1,4-ジイソシアネート、水素添加トリレンジイソシアネート(水添TDI)、水素添加テトラメチルキシリレンジイソシアネート(水添TMXDI)等の単環式脂環族イソシアネート化合物;ノルボルネンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネートメチル、ビシクロヘプタントリイソシアネート、シイソシアナートメチルビシクロヘプタン、ジ(ジイソシアナートメチル)トリシクロデカン等の架環式脂環族イソシアネート化合物;等が挙げられる。
また、これらのポリイソシアネートの誘導体としては、例えば、上記イソシアネート化合物の多量体(2量体、3量体、5量体、7量体、ウレチジンジオン、ウレイトンイミン、イソシヌレート変性体、ポリカルボジイミド等)、ウレタン変性体(例えば、上記イソシアネート化合物又は多量体におけるイソシアネート基の一部をモノオールやポリオールで変性又は反応したウレタン変性体等)、ビウレット変性体(例えば、上記イソシアネート化合物と水との反応により生成するビウレット変性体等)、アロファネート変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とモノオール又はポリオール成分との反応により生成するアロファネート変性体等)、ウレア変性体(例えば、上記イソシアネート化合物とジアミンとの反応により生成するウレア変性体等)、オキサジアジントリオン(例えば、上記イソシアネート化合物と炭酸ガス等との反応により生成するオキサジアジントリオン等)等が挙げられる。
なお、上記のイソシアネート化合物又はその誘導体は単独で用いてもよいし、2種以上で用いてもよい。
ポリウレタン形成性組成物は、各種添加剤を含有してもよい。添加剤を含有するポリウレタン形成性組成物は、その添加剤の効果が期待される。
添加剤としては、触媒、整泡剤、架橋剤、連通化剤、発泡剤、染料、有機顔料、無機顔料、無機補強材、可塑剤、加工助剤、紫外線吸収材、光安定剤、滑剤、ワックス、結晶核剤、離型剤、加水分解防止剤、防曇剤、防塵剤、防錆剤、イオントラップ剤、難燃剤、難燃助剤、無機充填材、有機充填材等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本実施例は何ら本発明を制限するものではない。
実施例および比較例において用いた評価・測定方法を示す。
(1)ポリアルキレンオキシドの水酸基価(単位:mgKOH/g)
JIS K-1557-1に記載の方法により算出した。
(2)ポリアルキレンオキシド組成物の臭気
20mlのサンプル管に10gのポリアルキレンオキシド組成物を入れ、封をした状態で12時間静置後、開封し臭気の有無を評価した。
(3)ポリアルキレンオキシドの濁り
20mlのサンプル管に10gのポリアルキレンオキシド組成物を入れ、目視観察した際、濁りの有無を評価した。
(4)ポリアルキレンオキシドのpH
JIS K-1557-5に記載の方法に従い、ポリアルキレンオキシド10gをイソプロパノール/水=10/6混合溶媒(60mL)に溶解し、YOKOGAWA社製pH/ORPメータPH72を使用して、ポリアルキレンオキシドのpHを測定した。
(5)ポリアルキレンオキシドからのアルデヒド揮発量(単位:ppm)
ポリアルキレンオキシド10gをインピンジャー(株式会社末永理化学社製、容量:30ml)に入れ、65℃で2時間加熱しながら、窒素ガスを0.5L/minの流速で吹き込んだ。通気後のガスをDNPH(2,4-ジニトロフェニルヒドラジン)カートリッジに捕集し、吸着成分を溶出した。溶出液のHPLC(high performance liquid chromatography;高速液体クロマトグラフィー)測定を行い、ポリアルキレンオキシドからのアセトアルデヒドおよびプロピオンアルデヒド揮発量を測定した。
(6)ポリウレタン形成性組成物の臭気
製造直後のポリウレタン形成性組成物をサンプル瓶に入れ、密閉した状態で1時間静置した。開封した際の臭気の有無を評価した。
合成例1(1価のイミノホスファゼニウム塩の合成)
攪拌翼を付した2リットルの4つ口フラスコを窒素雰囲気下とし、五塩化リン96g(0.46mol)、脱水トルエン800mlを加え、20℃で攪拌した。撹拌を維持したまま、1,1,3,3-テトラメチルグアニジン345g(2.99mol)を3時間かけて滴下した後、100℃に昇温し、さらに1,1,3,3-テトラメチルグアニジン107g(0.92mol)を1時間かけて滴下した。得られた白色のスラリー溶液を100℃で14時間攪拌した後、80℃まで冷却し、イオン交換水250mlを加え、30分間撹拌した。撹拌を止めると、スラリーは全て溶解し、2相溶液が得られた。得られた2相溶液の油水分離を行い、水相を回収した。得られた水相にジクロロメタン100mlを加え、油水分離を行い、ジクロロメタン相を回収した。得られたジクロロメタン溶液をイオン交換水100mlで洗浄した。
得られたジクロロメタン溶液を、撹拌翼を付した2リットルの四つ口フラスコに移液し、2-プロパノール900gを加えた後、常圧下で温度を80~100℃に昇温し、ジクロロメタンを除去した。得られた2-プロパノール溶液を撹拌しながら内部温度を60℃に放冷した後、85質量%水酸化カリウム31g(0.47mol)を加えて、60℃で2時間反応した。温度を25℃まで冷却し、析出した副生塩を濾過により除去することによって、1価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(2)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Xがヒドロキシアニオンに相当するイミノホスファゼニウム塩)の2-プロパノール溶液860gを、濃度25質量%、収率92%で得た。
実施例1
スターラーバーを入れた0.2リットルの4つ口フラスコを窒素雰囲気下とし、合成例1で得られた1価のイミノホスファゼニウム塩の2-プロパノール溶液50g(36mmol)を加えた。そこへ、撹拌を維持しながら、ドデシルベンゼンスルホン酸23g(76mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し2.1mol)を加えた。10分間攪拌分撹拌を継続することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Aがドデシルベンゼンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を得た。
攪拌翼を付した2リットルの4つ口フラスコに、分子量7000のポリプロピレンオキシド1200g、得られた2価のイミノホスファゼニウム塩2.8gを加え、内温80℃にて1時間撹拌することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩2300ppmを含有するポリアルキレンオキシド組成物1203gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは7.2、水酸基価は24mgKOH/g、アセトアルデヒド揮発量は0.40ppm、プロピオンアルデヒド揮発量は0.04ppmであった。
得られたポリアルキレンオキシド組成物とMDIを、ポリアルキレンオキシド組成物中の水酸基(OH)に対するMDI中のイソシアネート基(NCO)のモル比が1.5となるように混合し、NCO基が完全に消費されるまで反応させ、ポリウレタン形成性組成物を合成した。得られたポリウレタン形成性組成物は、無臭であった。
実施例2
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にてドデシルベンゼンスルホン酸2.0g(6.25mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し2.5mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、1時間撹拌することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Aがドデシルベンゼンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは6.5、水酸基価は24mgKOH/g、アセトアルデヒド揮発量は0.14ppm、プロピオンアルデヒド揮発量は0.12ppmであった。
得られたポリアルキレンオキシド組成物とMDIを、ポリアルキレンオキシド組成物中の水酸基(OH)に対するMDI中のイソシアネート基(NCO)のモル比が1.5となるように混合し、NCO基が完全に消費されるまで反応させ、ポリウレタン形成性組成物を合成した。得られたポリウレタン形成性組成物は、無臭であった。
実施例3
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にてドデシルベンゼンスルホン酸2.4g(7.5mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し3mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、1時間撹拌することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Aがドデシルベンゼンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは5.6、水酸基価は24mgKOH/g、アセトアルデヒド揮発量は0.24ppm、プロピオンアルデヒド揮発量は0.24ppmであった。
得られたポリアルキレンオキシド組成物とMDIを、ポリアルキレンオキシド組成物中の水酸基(OH)に対するMDI中のイソシアネート基(NCO)のモル比が1.5となるように混合し、NCO基が完全に消費されるまで反応させ、ポリウレタン形成性組成物を合成した。得られたポリウレタン形成性組成物は、無臭であった。
実施例4
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にてp-トルエンスルホン酸0.86g(5.0mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し2mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、1時間撹拌することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Aがp-トルエンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1200gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは7.3、水酸基価は24mgKOH/g、アルデヒド揮発量は0.3ppmであった。
得られたポリアルキレンオキシド組成物とMDIを、ポリアルキレンオキシド組成物中の水酸基(OH)に対するMDI中のイソシアネート基(NCO)のモル比が1.5となるように混合し、NCO基が完全に消費されるまで反応させ、ポリウレタン形成性組成物を合成した。得られたポリウレタン形成性組成物は、無臭であった。
比較例1
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温を85℃にて水30g、キョーワード700SEN-S(協和化学工業社製、吸着剤)12gを加え、1時間撹拌した。さらに、120℃に昇温し3時間撹拌し、0.5kPaの減圧下で3時間脱水処理をおこなった後、ろ過により吸着剤を除去し、2価のイミノホスファゼニウム塩を含有しないポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが無く、pHは6.8、水酸基価は24mgKOH/g、アセトアルデヒド揮発量は0.92ppmと高く、プロピオンアルデヒド揮発量も3.1ppmと高かった。
得られたポリアルキレンオキシド組成物とMDIを、ポリアルキレンオキシド組成物中の水酸基(OH)に対するMDI中のイソシアネート基(NCO)のモル比が1.5となるように混合し、NCO基が完全に消費されるまで反応させ、ポリウレタン形成性組成物を合成した。得られたポリウレタン形成性組成物は、僅かに臭気がした。
比較例2
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にてドデシルベンゼンスルホン酸0.8g(2.5mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し1.0mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、1時間撹拌することによって、1価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(2)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Xがドデシルベンゼンスルホン酸の脱プロトン化体に相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、臭気があり、濁りが無く、pHは8.4で、塩基性を示した。
得られたポリアルキレンオキシド組成物とMDIを、ポリアルキレンオキシド組成物中の水酸基(OH)に対するMDI中のイソシアネート基(NCO)のモル比が1.5となるように混合したが、ポリアルキレンオキシド組成物が塩基性のため、ポリウレタン形成性組成物を得ることができなかった。
比較例3
攪拌翼を付した2リットルのオートクレーブに、分子量600のポリプロピレントリオール100g、合成例1により得られた1価のイミノホスファゼニウム塩1.3g(2.5mmol)の25質量%2-プロパノール溶液5.1gを加え、内温80℃、0.5kPaの減圧下で2-プロパノールを除去した。続いて、内温90℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、プロピレンオキシド946gを間欠的に供給し、プロピレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のプロピレンオキシドを除去した。さらに、内温130℃、圧力0.3MPa以下を保持しながら、エチレンオキシド173gを間欠的に供給し、エチレンオキシドの重合反応をおこなった後、0.5kPaの減圧下で未反応のエチレンオキシドを除去した。その後、内温80℃にて1.0mol/Lの塩酸水溶液5.0mL(5.0mmol、1価のイミノホスファゼニウム塩1molに対し2mol)、Irganox1135(0.91g)を加え、減圧下で水を除去することによって、2価のイミノホスファゼニウム塩(上記式(1)におけるRがメチル基、Rがメチル基、Aが塩素アニオンに相当するイミノホスファゼニウム塩)を含有するポリアルキレンオキシド組成物1210gを得た。得られたポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で、濁りが有り、pHは7.2であった。
得られたポリアルキレンオキシド組成物とMDIを、ポリアルキレンオキシド組成物中の水酸基(OH)に対するMDI中のイソシアネート基(NCO)のモル比が1.5となるように混合し、ポリウレタン形成性組成物を合成した。得られたポリウレタン形成性組成物は、ポリアルキレンオキシド組成物の濁りが原因で、濁りがあるものであった。
本発明の一態様にかかるポリアルキレンオキシド組成物は、無臭で濁りが無く、アルデヒド揮発量が少ないことから、ポリウレタン原料、ポリエステル原料、界面活性剤原料、潤滑剤原料等に有用である。特に各種イソシアネート化合物と反応させることにより、断熱材等に使用される硬質フォーム、自動車のシート・クッション、寝具等に使用される軟質フォーム、接着剤、塗料、シーリング材、熱硬化性エラストマー、熱可塑性エラストマーへの展開が期待される。

Claims (6)

  1. 式(1)で示される2価のイミノホスファゼニウム塩と、
    ポリアルキレンオキシドと、を含むことを特徴とするポリアルキレンオキシド組成物:
    Figure 0007119472000005
    式(1)中、
    およびRは、各々独立して、
    水素原子、
    炭素数1~20の炭化水素基、
    とRとが互いに結合した環構造、または、
    同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表す;
    は、有機スルホン酸の脱プロトン化体を表す。
  2. およびRが、メチル基であり、
    が、ドデシルベンゼンスルホン酸、直鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ソフト型)、または、分岐鎖アルキルベンゼンスルホン酸(ハード型)の脱プロトン化体であることを特徴とする請求項1に記載のポリアルキレンオキシド組成物。
  3. JIS K-1557-5に記載の方法に従い測定した前記ポリアルキレンオキシド組成物のpHが、5以上8以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のポリアルキレンオキシド組成物。
  4. 65℃、2時間、0.5L/minの窒素バブリングにより揮発するアセトアルデヒド量が、0.9ppm以下であり、プロピオンアルデヒド量が3.0ppm以下であることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のポリアルキレンオキシド組成物。
  5. 請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアルキレンオキシド組成物の製造方法であって、
    式(2)で示されるイミノホスファゼニウム塩および活性水素含有化合物存在下、アルキレンオキシドの重合反応をおこないポリアルキレンオキシドを製造した後、
    イミノホスファゼニウム塩1モルに対し、2モル以上の有機スルホン酸を添加することを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアルキレンオキシド組成物の製造方法:
    Figure 0007119472000006
    式(2)中、
    およびRは、各々独立して、
    水素原子、
    炭素数1~20の炭化水素基、
    とRとが互いに結合した環構造、または、
    同士もしくはR同士が互いに結合した環構造を表す;
    は、ヒドロキシアニオン、炭素数1~4のアルコキシアニオン、カルボキシアニオン、炭素数2~5のアルキルカルボキシアニオン、又は炭酸水素アニオンを表す。
  6. (A)請求項1~4のいずれか1項に記載のポリアルキレンオキシド組成物と、
    (B)イソシアネート化合物と、を含むポリウレタン形成性組成物。
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