JP7118380B1 - 鉄系金属を用いた構造体の製造方法、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法およびコーティング液 - Google Patents

鉄系金属を用いた構造体の製造方法、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法およびコーティング液 Download PDF

Info

Publication number
JP7118380B1
JP7118380B1 JP2021132520A JP2021132520A JP7118380B1 JP 7118380 B1 JP7118380 B1 JP 7118380B1 JP 2021132520 A JP2021132520 A JP 2021132520A JP 2021132520 A JP2021132520 A JP 2021132520A JP 7118380 B1 JP7118380 B1 JP 7118380B1
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
parts
polysilazane
less
organic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2021132520A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2023027439A (ja
Inventor
敏治 室川
Original Assignee
株式会社アイセル
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社アイセル filed Critical 株式会社アイセル
Priority to JP2021132520A priority Critical patent/JP7118380B1/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7118380B1 publication Critical patent/JP7118380B1/ja
Publication of JP2023027439A publication Critical patent/JP2023027439A/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】鉄系金属などの表面にコーティングを行った場合にコーティング層の持続性および撥水性の大幅な向上を図ることができる、鉄系金属などを用いた構造体の製造方法を提供する。【解決手段】鉄系金属などを用いた構造体の製造方法は、鉄系金属などの表面に、フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンの含有量が、フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下、あるいは、フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下などであるコーティング液を塗布する工程を有する。【選択図】なし

Description

この発明は、鉄系金属を用いた構造体の製造方法、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法およびコーティング液に関し、例えば、表面に鉄系金属、アルミニウムまたはアルミニウム合金あるいは硬質合成樹脂を有する各種製品の表面改質に適用して好適なものである。
従来、プラズマ溶射法によるセラミックス溶射材の樹脂基材への密着性の向上を図るために、ポリシラザンとフッ素樹脂粉などの無機充填剤とを含む樹脂組成物を樹脂基材の表面に塗布する技術が知られている(特許文献1参照)。特許文献1では、樹脂組成物中の無機充填剤の含有量は、ポリシラザン100質量部に対して、100質量部~300質量部が好ましく、150質量部~250質量部がより好ましいとされている。
一方、有機ポリシラザンと無機ポリシラザンとフッ素コート剤と不活性有機溶剤とを含有し、有機ポリシラザンと無機ポリシラザンとの合計の濃度が0.05質量%以上1.00質量%以下、フッ素コート剤の濃度が20質量%以上70質量%以下であるコーティング液を繊維または皮革を用いた構造体の表面に塗布する技術が知られている(特許文献2参照)。この技術によれば、表面改質効果を失うことなく構造体の表面に対する表面改質コーティング剤の密着性の向上を図ることができ、それによって長期間に亘って撥水、撥油、防汚などの改質効果を得ることができ、耐光性および耐候性に優れており、完成品である繊維製品、皮革製品などを含む各種の繊維または皮革を用いた構造体に適用することができる。
特開2020-158678号公報 特許第6771202号公報
しかしながら、特許文献1、2には、金属あるいは合成樹脂上にコーティングを行った場合のコーティング層の持続性および撥水性を得ることに関する有効性については何ら開示されていない。
そこで、この発明が解決しようとする課題は、鉄系金属を用いた構造体の鉄系金属の表面にコーティングを行った場合にコーティング層の持続性および撥水性の大幅な向上を図ることができる、鉄系金属を用いた構造体の製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとする他の課題は、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体のアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面にコーティングを行った場合にコーティング層の持続性および撥水性の大幅な向上を図ることができる、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、硬質合成樹脂を用いた構造体の硬質合成樹脂の表面にコーティングを行った場合にコーティング層の持続性および撥水性の大幅な向上を図ることができる、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法を提供することである。
この発明が解決しようとするさらに他の課題は、上記の鉄系金属を用いた構造体、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体あるいは硬質合成樹脂を用いた構造体に対するコーティングに適用して好適なコーティング液を提供することである。
上記課題を解決するために、この発明は、
少なくとも表面側の少なくとも一部が鉄系金属により構成されている、鉄系金属を用いた構造体の上記鉄系金属の表面に、フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を塗布する工程を有する、鉄系金属を用いた構造体の製造方法である。
ここで、フッ素樹脂溶液は、フッ素を含むオレフィンを重合して得られる合成樹脂を不活性有機溶剤に含有させたものである。このフッ素樹脂溶液は、株式会社フロロサーフテクノロジーからフッ素コーティング剤として、商品番号FG-5084TH-0.1やFG-5084F130-0.1で市販されており、これらの商品は各種の濃度のフッ素樹脂含有溶液として入手して使用することができる。無機ポリシラザン(ペルヒドロポリシラザン(PHPS))は、珪素(Si)、窒素(N)および水素(H)のみから構成される化合物であり、炭素などの有機成分を含まない無機のポリマーであり、-(SiH2 NH)-ユニットから構成されている。この無機ポリシラザンは「Durazane」(登録商標)として、商品番号Durazane2200、Durazane2400、Durazane2600、Durazane2800で市販されており、これらの商品は各種の固形分濃度の有機溶剤溶液として入手して使用することができる。特に好ましいものはジブチルエーテルの溶液となっている商品番号Durazane2800である。有機ポリシラザン(オルガノポリシラザン(OPSZ))は、珪素(Si)、窒素(N)、水素(H)およびメチル基(CH3 )から構成される化合物であり、炭素を含む有機のポリマーであり、-(SiH2 NHCH3 )-ユニットから構成されている。この有機ポリシラザンは、ドイツメルク社から「Durazane」(登録商標)として、商品番号Durazane1033、Durazane1800、Durazane1500で市販されており、これらの商品は各種の固形分濃度の有機溶剤溶液として入手して使用することができる。特に好ましいものはジブチルエーテルの溶液となっていてかつ常温での硬化が速い商品番号Durazane1500RCである。
コーティング液には、必要に応じて、フッ素樹脂溶液、無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザン以外の成分を含有させてもよい。例えば、コーティング液には、フッ素樹脂に加えて酸化チタン、銅、ヨウ素またはナノ銀系改質剤を含ませることができ、そうすることで鉄系金属製品などについて防臭・抗菌・帯電防止効果を付与することができ、防汚効果の向上を図ることができる。
鉄系金属を用いた構造体に対するコーティング液の塗布方法は特に限定されず、必要に応じて選択されるが、その構造体の形状に適した塗布方法が用いられ、例えば、スプレー法、ディッピング法、刷毛塗り法、ロールコート法、グラビアコート法、フレキソ法、インクジェット法などが挙げられる。塗布量は特に限定されず、必要に応じて選択される。塗布層の硬化は、塗布後に空気中に放置しておいても進行するが、加熱することによって硬化を促進することができる。また、硬化には、塗布物に対するヒートブロワーなどの熱風加工機による加熱を行ってもよい。
構造体を構成する鉄系金属は鉄を主成分とする金属を意味し、鉄と他の元素との合金に加えて純鉄も含む。鉄を主成分とする金属は、典型的には鉄鋼材料である。鉄鋼材料は、炭素鋼、鉄-クロム合金、鉄-クロム-ニッケル合金などである。炭素鋼は、亜共析鋼、過共析鋼、鋳鋼などである。鉄-クロム合金あるいは鉄-クロム-ニッケル合金は、典型的にはステンレス鋼(オーステナイト系、オーステナイト・フェライト系(二相系)、フェライト系、マルテンサイト系)である。オーステナイト系ステンレス鋼としては、SUS304、SUS316、SUS310などが挙げられるが、これに限定されるものではない。フェライト系ステンレス鋼としては、SUS403、SUS430、SUH446などが挙げられるが、これに限定されるものではない。鉄系金属を用いた構造体は、少なくとも表面側の少なくとも一部が鉄系金属により構成されている限り、特に限定されないが、例えば、表面側の一部がステンレス鋼などにより構成された各種の製品のほか、鉄系金属基板そのものも含む。表面側の一部が鉄系金属により構成された各種の製品としては、例えば、各種電気製品、自動車、医療機器などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、これらの表面の鉄系金属面にコーティング層を形成することにより、表面の滑り性の向上を図ることができることに加えて、鉄系金属面の防汚性能の向上を図ることができる。
また、この発明は、
少なくとも表面側の少なくとも一部がアルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されている、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の上記アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に、フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上400質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を塗布する工程を有する、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法である。
構造体を構成するアルミニウム合金としては、例えば、アルミニウム-銅-マグネシウム系合金、アルミニウム-マンガン系合金、アルミニウム-シリコン系合金、アルミニウム-マグネシウム系合金、アルミニウム-マグネシウム-シリコン系合金、アルミニウム-亜鉛-マグネシウム系合金などが挙げられ、これらの中から、構造体に要求される特性を満たす合金が選ばれる。表面側の一部がアルミニウムまたはアルミニウム合金により構成された各種の製品としては、例えば、各種電気製品、自動車、医療機器などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。例えば、これらの表面のアルミニウムまたはアルミニウム合金面にコーティング層を形成することにより、表面の滑り性の向上を図ることができることに加えて、アルミニウムまたはアルミニウム合金面の防汚性能の向上を図ることができる。
この発明においては、特にその性質に反しない限り、上記の鉄系金属を用いた構造体の製造方法の発明に関連して説明したことが成立する。
また、この発明は、
少なくとも表面側の少なくとも一部が硬質合成樹脂により構成されている、硬質合成樹脂を用いた構造体の上記硬質合成樹脂の表面に、フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を塗布する工程を有する、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法である。
構造体を構成する硬質合成樹脂は、例えば、ポリカーボネート、アクリル、ポリエチレンテレフタレート、塩化ビニール、ポリスチレン、ABS樹脂などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
この発明においては、特にその性質に反しない限り、上記の鉄系金属を用いた構造体の製造方法の発明に関連して説明したことが成立する。
また、この発明は、
フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液である。
また、この発明は、
フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上400質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液である。
これらの発明のコーティング液は、上記の、鉄系金属を用いた構造体の製造方法、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法および硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法に適用して好適なものである。
この発明によれば、構造体の鉄系金属、アルミニウムまたはアルミニウム合金あるいは硬質合成樹脂の表面に上記のコーティング液を用いてコーティングを行うことにより、コーティング層の表面が繰り返し摩擦されたときの摩擦力の増加を低く抑えることができることにより優れた持続性を有するだけでなく、高い撥水性を得ることもできる。
以下、発明を実施するための形態(以下「実施の形態」とする)について説明する。
〈第1の実施の形態〉
[鉄系金属を用いた構造体の製造方法]
まず、この製造方法において使用されるコーティング液について説明する。
コーティング液としては、フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を用いる。具体的には、ここでは、下記の組成のコーティング液A、コーティング液B、コーティング液Cまたはコーティング液Dを用いる。
(コーティング液A)
フッ素樹脂溶液:フッ素樹脂成分0.1質量%、不活性有機溶剤99.6質量%以上99.7質量%以下
無機ポリシラザン+有機ポリシラザン:合計で0.2質量%以上0.3質量%以下
無機ポリシラザン:0.1質量%
有機ポリシラザン:0.1質量%以上0.2質量%以下
(コーティング液B)
フッ素樹脂溶液:フッ素樹脂成分0.1質量%、不活性有機溶剤99.4質量%以上99.5質量%以下
無機ポリシラザン+有機ポリシラザン:合計で0.4質量%以上0.5質量%以下
無機ポリシラザン:0.2質量%
有機ポリシラザン:0.2質量%以上0.3質量%以下
(コーティング液C)
フッ素樹脂溶液:フッ素樹脂成分0.1質量%、不活性有機溶剤99.3質量%以上99.5質量%以下
無機ポリシラザン+有機ポリシラザン:合計で0.4質量%以上0.6質量%以下
無機ポリシラザン:0.4質量%
有機ポリシラザン:0.0質量%以上0.2質量%以下
(コーティング液D)
フッ素樹脂溶液:フッ素樹脂成分0.1質量%、不活性有機溶剤99.0質量%以上99.2質量%以下
無機ポリシラザン+有機ポリシラザン:合計で0.7質量%以上0.9質量%以下
無機ポリシラザン:0.6質量%
有機ポリシラザン:0.1質量%以上0.3質量%以下
コーティング液A、コーティング液B、コーティング液Cまたはコーティング液Dを少なくとも表面側の少なくとも一部が鉄系金属により構成された、鉄系金属を用いた構造体の鉄系金属の表面に塗布する。鉄系金属は、例えば、既に挙げたものの中から必要に応じて選ばれる。塗布方法は既に挙げた方法を用いる。
上記のようにしてコーティング液の塗布を行った後、空気中に放置したり、例えば240℃以下の温度で加熱したり、ヒートブロワーなどの熱風加工機により加熱したりすることにより塗布層を硬化させる。空気中に放置する場合は、コーティング液の溶剤の蒸発とともに、空気中の水分の吸収による加水分解が起き、通常は4日で硬化が完了する。
以上により、鉄系金属を用いた構造体の鉄系金属の表面にコーティング層を形成することができ、表面改質を行うことができる。
[実施例1]
(試験1)
試験1では、コーティング液中の無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンの濃度によって、最終的に得られるコーティング層の持続性にどのような違いが発生するかを評価した。
試験1に用いた試料は次のようにして作製した。
鉄系金属としてステンレス鋼(SUS304)を用いた。市販の厚さ1mmのステンレス鋼平板の表面を無水エタノールで脱脂した後、4cm×4cm(摩擦摩耗試験での最大サイズで、接触角試験でのサイズを維持)に切断し、試料作製用のステンレス鋼基板を多数作製した。それぞれのステンレス鋼基板の表面に無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンの濃度の異なるコーティング液を塗布した。その際、ステンレス鋼基板での表裏による違いを排除するため、各ステンレス鋼基板の同一面を塗布面とした。
試料の番号およびコーティングに使用したコーティング液の組成を表1に示す。表1の冒頭に示されているNoneはコーティングを行っていない試料(ステンレス鋼基板そのもの)、Onlyは無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのいずれも含有せず、フッ素樹脂のみ含有するコーティング液を用いてコーティングを行った場合である。コーティング液中のフッ素樹脂の濃度を0.10質量%に固定し、無機ポリシラザンの濃度および有機ポリシラザンの濃度を変えた。試料5-1、5-2は上記のコーティング液Aに含まれるコーティング液を用いた場合、試料10-2、10-3は上記のコーティング液Bに含まれるコーティング液を用いた場合、試料20-0、20-1、20-2は上記のコーティング液Cに含まれるコーティング液を用いた場合、試料30-1、30-2、30-3は上記のコーティング液Dに含まれるコーティング液を用いた場合である。有機ポリシラザンとしてはDurazane1500RC(100%溶液)、無機ポリシラザンとしてはDurazane2800(20%溶液)、フッ素樹脂溶液としては株式会社フロロテクノロジーのFG-5084F130-0.1(フッ素樹脂0.1質量%)を用いた。
Figure 0007118380000001
表1に示す各組成のコーティング液をステンレス鋼基板上にマイクロファイバークロスにて3回塗布した。塗布後、48時間超放置し、乾燥硬化させた。
こうしてコーティング層を形成した各試料に対し、ボールオンディスク摩擦摩耗試験機(株式会社ナノテック製)を使用して常温で摩擦摩耗試験を行った。この摩擦摩耗試験では、直径1/6インチのポリテトラフルオロエチレン製のボールを使用し、試料が載せられる回転ディスクの回転数は50rpm、ボールに加えられる荷重は1ニュートン(N)、ボールの回転半径は18mm、計測は1Hzで行った。
表1に各試料のコーティング層の持続性の評価結果を示す。ここで、持続性は、無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンを含有せず、フッ素樹脂のみ含有するコーティング液を用いてコーティングを行うことにより得られたOnlyの試料と比較して450回転時の摩擦力(動的摩擦力)が低いことが高評価であるものとする。表1より、無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.20質量%以上0.30質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.10質量%以上0.20質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料5-1、5-2、無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.40質量%以上0.50質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.20質量%以上0.30質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料10-2、10-3、無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.40質量%以上0.60質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.00質量%以上0.20質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料20-0、20-1、20-2および無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.70質量%以上0.90質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.10質量%以上0.30質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料30-1、30-2、30-3の持続性は極めて良好である。
(2)試験2
試験2では、摩擦摩耗試験を行う前の表1に示す試料について、コーティング液中の無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンの濃度によって、最終的に得られるコーティング層の撥水性にどのような違いが発生するかを接触角の測定を行って評価した。
接触角の試験は、水滴接触角試験機(株式会社協和界面科学社製DM-501)を使用して行った。水滴接触角試験機では、液滴法で2μリットルの純水を滴下し、その接触角を測定した。
接触角の測定結果を表1に示す。表1より、試料5-1、5-2、10-2、10-3、20-0、20-1、20-2、30-1、30-2、30-3については、接触角が105.6度~107.8度と極めて大きく、極めて優れた撥水性を有することが確認できる。
試験1、2の結果より、試料5-1、5-2、10-2、10-3、20-0、20-1、20-2、30-1、30-2、30-3については、持続性および撥水性とも優れていることがわかる。
以上のように、この第1の実施の形態によれば、少なくとも表面側の少なくとも一部が鉄系金属により構成された、鉄系金属を用いた構造体の鉄系金属の表面に、フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を塗布することにより、持続性および撥水性が共に優れたコーティング層を形成することができ、それによって長期間に亘って構造体の鉄系金属の表面を低摩擦および高撥水性の状態に維持し続けることができる。また、コーティングは1回で済むため極めて容易でコストも掛からない。
〈第2の実施の形態〉
[アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法]
まず、この製造方法において使用されるコーティング液について説明する。
コーティング液としては、フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上400質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を用いる。具体的には、ここでは、下記の組成のコーティング液E、コーティング液F、コーティング液Gまたはコーティング液Hを用いる。
(コーティング液E)
フッ素樹脂溶液:フッ素樹脂成分0.1質量%、不活性有機溶剤99.5質量%以上99.7質量%以下
無機ポリシラザン+有機ポリシラザン:合計で0.2質量%以上0.4質量%以下
無機ポリシラザン:0.1質量%
有機ポリシラザン:0.1質量%以上0.3質量%以下
(コーティング液F)
フッ素樹脂溶液:フッ素樹脂成分0.1質量%、不活性有機溶剤99.4質量%以上99.5質量%以下
無機ポリシラザン+有機ポリシラザン:合計で0.4質量%以上0.5質量%以下
無機ポリシラザン:0.2質量%
有機ポリシラザン:0.2質量%以上0.3質量%以下
(コーティング液G)
フッ素樹脂溶液:フッ素樹脂成分0.1質量%、不活性有機溶剤99.3質量%以上99.5質量%以下
無機ポリシラザン+有機ポリシラザン:合計で0.4質量%以上0.6質量%以下
無機ポリシラザン:0.4質量%
有機ポリシラザン:0.0質量%以上0.2質量%以下
(コーティング液H)
フッ素樹脂溶液:フッ素樹脂成分0.1質量%、不活性有機溶剤99.0質量%以上99.2質量%以下
無機ポリシラザン+有機ポリシラザン:合計で0.7質量%以上0.9質量%以下
無機ポリシラザン:0.6質量%
有機ポリシラザン:0.1質量%以上0.3質量%以下
コーティング液E、コーティング液F、コーティング液Gまたはコーティング液Hを少なくとも表面側の少なくとも一部がアルミニウムまたはアルミニウム合金により構成された、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体のアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に塗布する。塗布方法は既に挙げた方法を用いる。
上記のようにしてコーティング液の塗布を行った後、第1の実施の形態と同様にして塗布層を硬化させる。
以上により、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体のアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面にコーティング層を形成することができ、表面改質を行うことができる。
[実施例2]
(試験1)
試験1では、実施例1の試験1と同様に評価を行った。
試験1に用いた試料は次のようにして作製した。
市販の厚さ1mmの純アルミニウム(A1050)の平板の表面を無水エタノールで脱脂した後、4cm×4cm(摩擦摩耗試験での最大サイズで、接触角試験でのサイズを維持)に切断し、試料作製用のアルミニウム基板を多数作製した。それぞれのアルミニウム基板の表面に無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンの濃度の異なるコーティング液を塗布した。その際、アルミニウム基板での表裏による違いを排除するため、各アルミニウム基板の同一面を塗布面とした。
試料の番号およびコーティングに使用したコーティング液の組成を表2に示す。表2の冒頭に示されているNoneはコーティングを行っていない試料(アルミニウム基板そのもの)、Onlyは無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのいずれも含有せず、フッ素樹脂のみ含有するコーティング液を用いてコーティングを行った場合である。コーティング液中のフッ素樹脂の濃度を0.10質量%に固定し、無機ポリシラザンの濃度および有機ポリシラザンの濃度を変えた。試料50-1、50-2は上記のコーティング液Eに含まれるコーティング液を用いた場合、試料60-2、60-3は上記のコーティング液Fに含まれるコーティング液を用いた場合、試料70-0、70-1、70-2は上記のコーティング液Gに含まれるコーティング液を用いた場合、試料80-1、80-2、80-3は上記のコーティング液Hに含まれるコーティング液を用いた場合である。有機ポリシラザンとしてはDurazane1500RC(100%溶液)、無機ポリシラザンとしてはDurazane2800(20%溶液)、フッ素樹脂溶液としては株式会社フロロテクノロジーのFG-5084F130-0.1(フッ素樹脂0.1質量%)を用いた。
Figure 0007118380000002
表2に示す各組成のコーティング液をアルミニウム基板上にマイクロファイバークロスにて3回塗布した。塗布後、48時間超放置し、乾燥硬化させた。
こうしてコーティング層を形成した各試料に対し、実施例1の試験1と同様にして摩擦摩耗試験を行った。
表2に各試料のコーティング層の持続性の評価結果を示す。持続性の評価は実施例1の試験1と同様に行った。表2より、無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.20質量%以上0.40質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.10質量%以上0.30質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料50-1、50-2、50-3、無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.40質量%以上0.50質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.20質量%以上0.30質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料60-2、60-3、無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.40質量%以上0.60質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.00質量%以上0.20質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料70-0、70-1、70-2および無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.70質量%以上0.90質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.10質量%以上0.30質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料80-1、80-2、80-3の持続性は極めて良好である。
(2)試験2
試験2では、実施例1の試験2と同様にして、最終的に得られるコーティング層について接触角の測定を行って撥水性を評価した。
接触角の試験は、実施例1の試験2と同様に行った。
接触角の測定結果を表2に示す。表2より、試料50-1、50-2、50-3、60-2、60-3、70-0、70-1、70-2、80-1、80-2、80-3については、接触角が102.3度~109.7度と極めて大きく、極めて優れた撥水性を有することが確認できる。
試験1、2の結果より、試料50-1、50-2、50-3、60-2、60-3、70-0、70-1、70-2、80-1、80-2、80-3については、持続性および撥水性とも優れていることがわかる。
以上のように、この第2の実施の形態によれば、少なくとも表面側の少なくとも一部がアルミニウムまたはアルミニウム合金により構成された、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体のアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に、フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上400質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を塗布することにより、持続性および撥水性が共に優れたコーティング層を形成することができ、それによって長期間に亘って構造体のアルミニウムまたはアルミニウム合金の表面を低摩擦および高撥水性の状態に維持し続けることができる。また、コーティングは1回で済むため極めて容易でコストも掛からない。
〈第3の実施の形態〉
[硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法]
この製造方法において使用されるコーティング液は、第1の実施の形態と同様である。具体的には、第1の実施の形態と同様に、コーティング液A、コーティング液B、コーティング液Cまたはコーティング液Fを用いる。
コーティング液A、コーティング液B、コーティング液Cまたはコーティング液Dを少なくとも表面側の少なくとも一部が硬質合成樹脂により構成された、硬質合成樹脂を用いた構造体の硬質合成樹脂の表面に塗布する。塗布方法は既に挙げた方法を用いる。
上記のようにしてコーティング液の塗布を行った後、第1の実施の形態と同様にして塗布層を硬化させる。構造体の素材の耐熱温度に従って温度と加熱時間とを調整することにより、耐熱性が低い構造体であっても表面処理を問題なく行うことができる。
以上により、硬質合成樹脂を用いた構造体の硬質合成樹脂の表面にコーティング層を形成することができ、表面改質を行うことができる。
[実施例3]
(試験1)
試験1では、実施例1の試験1と同様に評価を行った。
試験1に用いた試料は次のようにして作製した。
市販の厚さ1mmのポリカーボネートの平板の表面を無水エタノールで脱脂した後、4cm×4cm(摩擦摩耗試験での最大サイズで、接触角試験でのサイズを維持)に切断し、試料作製用のポリカーボネート基板を多数作製した。それぞれのポリカーボネート基板の表面に無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンの濃度の異なるコーティング液を塗布した。その際、ポリカーボネート基板での表裏による違いを排除するため、各ポリカーボネート基板の同一面を塗布面とした。
試料の番号およびコーティングに使用したコーティング液の組成を表3に示す。表3の冒頭に示されているNoneはコーティングを行っていない試料(ポリカーボネート基板そのもの)、Onlyは無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのいずれも含有せず、フッ素樹脂のみ含有するコーティング液を用いてコーティングを行った場合である。コーティング液中のフッ素樹脂の濃度を0.10質量%に固定し、無機ポリシラザンの濃度および有機ポリシラザンの濃度を変えた。試料90-1、90-2は上記のコーティング液Aに含まれるコーティング液を用いた場合、試料100-2、100-3は上記のコーティング液Bに含まれるコーティング液を用いた場合、試料110-0、110-1、110-2は上記のコーティング液Cに含まれるコーティング液を用いた場合、試料120-1、120-2、120-3は上記のコーティング液Dに含まれるコーティング液を用いた場合である。有機ポリシラザンとしてはDurazane1500RC(100%溶液)、無機ポリシラザンとしてはDurazane2800(20%溶液)、フッ素樹脂溶液としては株式会社フロロテクノロジーのFG-5084F130-0.1(フッ素樹脂0.1質量%)を用いた。
Figure 0007118380000003
表3に示す各組成のコーティング液をポリカーボネート基板上にマイクロファイバークロスにて3回塗布した。塗布後、48時間超放置し、乾燥硬化させた。
こうしてコーティング層を形成した各試料に対し、実施例1の試験1と同様にして摩擦摩耗試験を行った。
表3に各試料のコーティング層の持続性の評価結果を示す。持続性の評価は実施例1の試験1と同様に行った。表3より、無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.20質量%以上0.30質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.10質量%以上0.20質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料90-1、90-2、無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.40質量%以上0.50質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.20質量%以上0.30質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料100-2、100-3、無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.40質量%以上0.60質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.00質量%以上0.20質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料110-0、110-1、110-2および無機ポリシラザンと有機ポリシラザンとの合計の濃度が0.70質量%以上0.90質量%以下かつ有機ポリシラザンの濃度が0.10質量%以上0.30質量%以下のコーティング液を用いてコーティングを行った試料120-1、120-2、120-3の持続性は極めて良好である。
(2)試験2
試験2では、実施例1の試験2と同様にして、最終的に得られるコーティング層について接触角の測定を行って撥水性を評価した。
接触角の試験は、実施例1の試験2と同様に行った。
接触角の測定結果を表3に示す。表3より、試料90-1、90-2、100-2、100-3、110-0、110-1、110-2、120-1、120-2、120-3については、接触角が103.7度~106.3度と極めて大きく、極めて優れた撥水性を有することが確認できる。
試験1、2の結果より、試料90-1、90-2、100-2、100-3、110-0、110-1、110-2、120-1、120-2、120-3については、持続性および撥水性とも優れていることがわかる。
以上のように、この第3の実施の形態によれば、少なくとも表面側の少なくとも一部が硬質合成樹脂により構成された、硬質合成樹脂を用いた構造体の硬質合成樹脂の表面に、フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンのうちの少なくとも無機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上600質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが0質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンおよび上記有機ポリシラザンの含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を塗布することにより、持続性および撥水性が共に優れたコーティング層を形成することができ、それによって長期間に亘って構造体の硬質合成樹脂の表面を低摩擦および高撥水性の状態に維持し続けることができる。また、コーティングは1回で済むため極めて容易でコストも掛からない。
以上、この発明の実施の形態および実施例について具体的に説明したが、この発明は上述の実施の形態および実施例に限定されるものではなく、この発明の技術的思想に基づく各種の変形が可能である。
この発明は、表面に鉄系金属、アルミニウムまたはアルミニウム合金あるいは硬質合成樹脂を有する製品などの、鉄系金属、アルミニウムまたはアルミニウム合金あるいは硬質合成樹脂を用いた構造体の鉄系金属、アルミニウムまたはアルミニウム合金あるいは硬質合成樹脂の表面改質に利用することが可能である。

Claims (5)

  1. 少なくとも表面側の少なくとも一部が鉄系金属により構成されている、鉄系金属を用いた構造体の上記鉄系金属の表面に、ジブチルエーテルに溶解可能なフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが100質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが200質量部で上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、500質量部以上600質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが400質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが600質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を塗布する工程を有する、鉄系金属を用いた構造体の製造方法。
  2. 少なくとも表面側の少なくとも一部がアルミニウムまたはアルミニウム合金により構成されている、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の上記アルミニウムまたはアルミニウム合金の表面に、ジブチルエーテルに溶解可能なフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上400質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが100質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが200質量部で上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、500質量部以上600質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが400質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが600質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を塗布する工程を有する、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法。
  3. 少なくとも表面側の少なくとも一部が硬質合成樹脂により構成されている、硬質合成樹脂を用いた構造体の上記硬質合成樹脂の表面に、ジブチルエーテルに溶解可能なフッ素樹脂を含有するフッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが100質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが200質量部で上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、500質量部以上600質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが400質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが600質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液を塗布する工程を有する、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法。
  4. ジブチルエーテルに溶解可能なフッ素樹脂を含有する フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上300質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが100質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが200質量部で上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、500質量部以上600質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが400質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが600質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液。
  5. ジブチルエーテルに溶解可能なフッ素樹脂を含有する フッ素樹脂溶液と無機ポリシラザンおよび有機ポリシラザンとを含有し、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、200質量部以上400質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが100質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、400質量部以上500質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが200質量部で上記有機ポリシラザンが200質量部以上300質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、500質量部以上600質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが400質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上200質量部以下であり、または、上記無機ポリシラザンと上記有機ポリシラザンとの合計の含有量が、上記フッ素樹脂100質量部に対し、700質量部以上900質量部以下であり、かつ上記無機ポリシラザンが600質量部で上記有機ポリシラザンが100質量部以上300質量部以下であるコーティング液。
JP2021132520A 2021-08-17 2021-08-17 鉄系金属を用いた構造体の製造方法、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法およびコーティング液 Active JP7118380B1 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021132520A JP7118380B1 (ja) 2021-08-17 2021-08-17 鉄系金属を用いた構造体の製造方法、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法およびコーティング液

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021132520A JP7118380B1 (ja) 2021-08-17 2021-08-17 鉄系金属を用いた構造体の製造方法、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法およびコーティング液

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP7118380B1 true JP7118380B1 (ja) 2022-08-16
JP2023027439A JP2023027439A (ja) 2023-03-02

Family

ID=82849853

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021132520A Active JP7118380B1 (ja) 2021-08-17 2021-08-17 鉄系金属を用いた構造体の製造方法、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法およびコーティング液

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7118380B1 (ja)

Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002248713A (ja) 2001-02-23 2002-09-03 Asahi Glass Co Ltd 被覆成形品およびその製造方法
WO2003081296A1 (fr) 2002-03-26 2003-10-02 Tdk Corporation Article a couche de revetement dur composite et procede de formation de cette couche
JP2004263144A (ja) 2003-03-04 2004-09-24 Asahi Glass Co Ltd 皮脂汚れ防止性の被覆用組成物および該組成物の硬化物層が形成された被覆成形品
JP2010137372A (ja) 2008-12-09 2010-06-24 Contamination Control Service:Kk 複合膜、およびその形成方法
JP2010214857A (ja) 2009-03-18 2010-09-30 Contamination Control Service:Kk 被覆成形品及び被覆成形品の製造方法
JP5311121B2 (ja) 2008-02-28 2013-10-09 株式会社ジェイ・エム・エス 半固形化栄養剤の注入装置
JP2014213318A (ja) 2013-04-30 2014-11-17 チェイル インダストリーズインコーポレイテッド 改質シリカ膜の製造方法、塗工液、及び改質シリカ膜
JP2017218372A (ja) 2016-06-07 2017-12-14 セントラル硝子株式会社 撥水性物品及びその製造方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH05311121A (ja) * 1992-05-14 1993-11-22 Shin Etsu Chem Co Ltd 皮膜形成剤組成物
JP3408604B2 (ja) * 1993-12-28 2003-05-19 東燃ゼネラル石油株式会社 無機/有機コーティングの製造方法
JP3414489B2 (ja) * 1994-05-09 2003-06-09 東燃ゼネラル石油株式会社 透明な撥水性有機/無機ハイブリッド膜の製造方法

Patent Citations (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002248713A (ja) 2001-02-23 2002-09-03 Asahi Glass Co Ltd 被覆成形品およびその製造方法
WO2003081296A1 (fr) 2002-03-26 2003-10-02 Tdk Corporation Article a couche de revetement dur composite et procede de formation de cette couche
JP2004263144A (ja) 2003-03-04 2004-09-24 Asahi Glass Co Ltd 皮脂汚れ防止性の被覆用組成物および該組成物の硬化物層が形成された被覆成形品
JP5311121B2 (ja) 2008-02-28 2013-10-09 株式会社ジェイ・エム・エス 半固形化栄養剤の注入装置
JP2010137372A (ja) 2008-12-09 2010-06-24 Contamination Control Service:Kk 複合膜、およびその形成方法
JP2010214857A (ja) 2009-03-18 2010-09-30 Contamination Control Service:Kk 被覆成形品及び被覆成形品の製造方法
JP2014213318A (ja) 2013-04-30 2014-11-17 チェイル インダストリーズインコーポレイテッド 改質シリカ膜の製造方法、塗工液、及び改質シリカ膜
JP2017218372A (ja) 2016-06-07 2017-12-14 セントラル硝子株式会社 撥水性物品及びその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2023027439A (ja) 2023-03-02

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Oliveira et al. Micro-abrasive wear test of niobium carbide layers produced on AISI H13 and M2 steels
Yao et al. Comparison of sizing effect of T700 grade carbon fiber on interfacial properties of fiber/BMI and fiber/epoxy
Wang et al. Effect of bias voltage on microstructure and properties of Ti-doped graphite-like carbon films synthesized by magnetron sputtering
CN104087789B (zh) 用于钛合金表面的自润滑耐磨复合涂层及其制备方法
İpek et al. Investigation of boronizing kinetics of AISI 51100 steel
Günen et al. Properties and corrosion resistance of AISI H13 hot-work tool steel with borided B 4 C powders
Boomadevi Janaki et al. Evaluation of mechanical properties and corrosion protection performance of surface modified nano-alumina encapsulated epoxy coated mild steel
Murakawa et al. Evaluation of tribological properties of DLC films used in sheet forming of aluminum sheet
Brostow et al. Modification of an epoxy resin with a fluoroepoxy oligomer for improved mechanical and tribological properties
Wang et al. Effect of counterparts on the tribological properties of TiCN coatings with low carbon concentration in water lubrication
Khara et al. Corrosion resistant Cr-coating on mild steel by powder roll bonding
JP7118380B1 (ja) 鉄系金属を用いた構造体の製造方法、アルミニウムまたはアルミニウム合金を用いた構造体の製造方法、硬質合成樹脂を用いた構造体の製造方法およびコーティング液
Ishikawa et al. The effect of microstructure on the tribological properties of aC: H films
Kheyrodin et al. Wear and corrosion behaviors of duplex surface treated 316L austenitic stainless steel via combination of boriding and chromizing
Tan et al. Effects of silane on the interfacial fracture of a parylene film over a stainless steel substrate
Kobayashi et al. Comparative investigation of the mechanical and wear properties of multilayer Si-DLC/DLC films
Sen et al. The effect of boronizing and boro‐chromizing on tribological performance of AISI 52100 bearing steels
Qin et al. Corrosion and bio-tribological properties of Ti (CN) x hard coating on titanium alloy by the pulsed plasma electrolytic carbonitriding process
Keddam et al. Liquid boriding of Cp-Ti and Ti6Al4V alloy: characterization of boride layers and tribological properties
Wu et al. Probing tribological behaviors of Cr-DLC in corrosion solution by tailoring sliding interface
Kumar et al. Influence of Substrate Roughness and Ceramic Content on Deposition Characteristics of Cold-Sprayed Ti/TiO2 Deposits
Zin et al. The effects of temperature, pressure and dissolved oxygen concentration (DO) in water on the wear of the hydrogenated diamond-like carbon (HDLC) at high temperature and pressurized water
JP2022174763A (ja) ガラスを用いた構造体の製造方法、コーティング層の形成方法およびコーティング液
Yapar et al. Influence of boronizing on mechanical properties of EN-C35E steel
Calik et al. Comparison of mechanical properties of boronized and vanadium carbide coated AISI 1040 steels

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20210817

A871 Explanation of circumstances concerning accelerated examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A871

Effective date: 20210817

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20211012

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20211104

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220111

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220112

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20220310

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20220428

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20220502

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20220726

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20220726

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7118380

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150