JP3414489B2 - 透明な撥水性有機/無機ハイブリッド膜の製造方法 - Google Patents
透明な撥水性有機/無機ハイブリッド膜の製造方法Info
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Description
性と共に耐食性、可撓性、摺動性、撥水性、耐汚染性に
も優れた、特に透明性、平滑性、密着性に優れた有機/
無機ハイブリッド被覆膜に係る。
には、有機系塗料では不十分であり、セラミックス系コ
ーティングが用いられる。従来、セラミックス系コーテ
ィングの形成方法としては、PVD(スパッタ法等)、
CVD、ゾル−ゲル法、ポリチタノカルボシラン系塗
料、ポリ(ジシル)シラザン系塗料、ポリシラザン系塗
料、ポリメタロシラザン系塗料などが知られている。
得るために、フッ素樹脂を用い必要に応じて各種フィラ
ーを添加した各種有機系塗料が知られている。さらに、
ポリカルボシラン樹脂、ポリシラザン樹脂、ポリボロシ
ロキサン樹脂などのケイ素化合物からなるセラミックス
前駆体樹脂と、フッ素樹脂と、無機フィラー等を配合し
た耐熱性塗料も提案されている(特開平4−16817
5号及び同5−156176号公報)。
硬度、密着性などには優れるものの、柔軟性、摺動性、
撥水性などが不十分である。一方、カイナー、ルミフロ
ン、フローレン、フロロハード(商品名)等のフッ素樹
脂系塗料は、柔軟性、摺動性、撥水性などには優れてお
り、無機フィラーの添加により硬度は向上するが、耐熱
性、密着性などは不十分である。
脂を配合した前記耐熱性塗料は、いずれも有機基を含む
ケイ素化合物を用いているので、耐熱性、硬度、密着性
に対する効果がまだ十分でない。特に、焼付け時の有機
基の脱離によってピンホールや収縮に伴なうクラックが
発生するため、十分に緻密な膜が得られず、基材との密
着性も不足する。さらに、前記耐熱性塗料では無機フィ
ラーあるいはガラス繊維などを添加することが必須であ
り、これらにより硬度を向上させることができるもの
の、密着性に対しては全く寄与しないため、添加すれば
するほど密着性と可撓性が低下する。
出願人は、先に、ポリシラザンを主成分とするコーティ
ング液にフッ素樹脂粉末を添加して成ることを特徴とす
るコーティング用組成物を提案した(特願平5−337
917号公報)。
したコーティング組成物を塗布してできた膜は、半透明
であり、平滑性には劣るため、これらが求められる用
途、例えば、半導体の平坦化膜、各種クリアトップコー
トには、その他の機能は十分なものの、使用できなかっ
た。
樹脂を混合すると、ポリシラザンが変質してしまい、ポ
リシラザン由来の特性を生かしたコーティング膜とする
ことができなかった。又、ポリシラザンとその他の樹脂
が均一に相溶することがなかった。本発明は、上記の問
題点を解決し、耐熱性、硬度、密着性そして柔軟性、摺
動性、撥水性とともに、透明性、平坦化性、密着性に優
れた被覆膜を提供することを目的とする。
成するために、(1)主として一般式(I):
数平均分子量が100〜5万のペルヒドロポリシラザン
と溶媒可溶性フッ素樹脂10〜90重量%(ペルヒドロ
ポリシラザンと溶媒可溶性フッ素樹脂の合計量を100
重量%とする)の両者を溶解した溶液を塗布、100〜
300℃で焼成することを特徴とする透明な撥水性有機
/無機ハイブリッド膜の製造方法、 (2)溶媒可溶性フッ素樹脂がふっ化ビニリデン系樹脂
である(1)の製造方法を提供する。
一般式(I):
数平均分子量が100〜5万のペルヒドロポリシラザン
と、溶媒可溶性フッ素樹脂と、アクリル系樹脂20〜8
0重量%(フッ素樹脂とアクリル樹脂の合計を100重
量%として)の3者を溶解した溶液を塗布、100〜3
00℃で焼成することを特徴とする透明な撥水性有機/
無機ハイブリッド膜の製造方法、 (4)溶媒可溶性フッ素樹脂がふっ化ビニリデン系樹脂
であり、アクリル系樹脂がメタクリル酸メチルの成分を
含有しているものである(3)の製造方法が提供され
る。
状、環状、あるいは架橋構造を有するもの、あるいは分
子内にこれら複数の構造を同時に有するものがあり、こ
れら単独でもあるいは混合物でも利用できる。用いるペ
ルヒドロポリシラザンの代表例としては下記のようなも
のがあるが、これらに限定されるものではない。
特公昭63−16325号公報、D.Seyferth
らCommunication of Am.Cer.
Soc.,C−13,January 1983.に報
告されている。これらの方法で得られるものは、種々の
構造を有するポリマーの混合物であるが、基本的には分
子内に鎖状部分と環状部分を含み、
ロポリシラザンの構造の一例を示すと下記の如くであ
る。
−138107号、同1−203429号、同1−20
3430号、同4−63833号、同3−320167
号に報告されているような分子量を増加させたり(上記
公報の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後2
者)、無機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特開
平5−238827号、特願平4−272020号、同
5−93275号、同5−214268号、同5−30
750号、同5−338524号に報告されているよう
なポリシラザンにセラミック化を促進するための触媒的
化合物を付加または添加したプラスチックスやアルミニ
ウムなどの金属への施工が可能で、より低温でセラミッ
クス化する低温硬化タイプポリシラザンなども同様に使
用できる。
媒可溶性のフッ素樹脂であればよいが、ハロトリフロロ
エチレン(HTFE)を含む共重合体が知られており、
特にHTFEとアルコキシエチレン、カルボキシアルキ
レンオキシエチレン及びヒドロキシアルキレンオキシエ
チレンとの共重合体(FEVE)、例えば、旭硝子製ル
ミフロン(登録商標)はペルヒドロポリシラザンを安定
的に溶解することができ、かつキシレン、トルエンなど
の溶媒に可溶であるので、本発明の目的上好適である。
特にOH価、酸価が少ないタイプのFEVE(例えばル
ミフロンLF200C)は、ペルヒドロポリシラザンの
加水分解による変質が抑制されるので好ましい。また、
同じくクロロトリフルオロエチレン(CTFE)を含む
共重合体で、溶媒可溶なフッ素樹脂としてセントラル硝
子製セフラルコートが知られており、この樹脂もOH価
を有し(さらに酸価を有するものもある)、キシレン
(A−600X)トルエン(A−201TB,A−10
0TMB)のほか、酢酸ブチル(A−402B,A−2
01TB,A−100TMB)、メチレンイソブチルケ
トン(A−100TMB)などに可溶性にしたものなど
が市販されている。
っ化ビニリデン樹脂)(PVDF)系樹脂はキシレンに
は不溶であるが、テトラヒドロフラン(THF)、メチ
ルエチルケトン(MEK)、ジメチルホルムアミド(D
MF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジエチルホ
ルムアミド(DEF)、ジエチルアセトアミド(DE
A)、ブチルカルビトールアセテート(BCA)などに
可溶であり、かつ樹脂に官能基を有していないのでペル
ヒドロポリシラザンの劣化が起きないので好ましい。例
えば、PVDF(PENNWALT(現ATOCHEM
NORTH AMERICA)製KYNAR50
0)、VDFとテトラフルオロエチレン(TFE)の共
重合体(KYNAR SL)、VDFとTFEとヘキサ
フルオロプロピレン(HFP)との共重合体(KYNA
R ADS)などが市販されている。
媒可溶にして用いることができる。ペルヒドロポリシラ
ザンとフッ素樹脂の混合溶液の作成のし方としては、溶
媒にポリシラザンとフッ素樹脂とをそれぞれ溶解させれ
ばよいが、予めペルヒドロポリシラザン溶液とフッ素樹
脂溶液を作成しておき両者を混合する方法が好ましい。
ペルヒドロポリシラザンを溶解する溶媒としてはフッ素
樹脂溶液と混合可能であれば使用できるが、透明コーテ
ィングを得るためにはフッ素樹脂も溶解する必要があ
る。
るフッ素樹脂を溶解するものであればよいが、溶媒可溶
性フッ素樹脂と関連して述べた如きものが使用できる。
例えば、FEVE(ルミフロン)の場合、キシレン、ト
ルエンが、ポリシラザン、FEVEの両者を安定的に溶
解するので好ましく、PVDF系の場合、THP,ME
K,DMF,DMA,DEF,DEA,BCAなどがペ
ルヒドロポリシラザンを変質させないので好ましい。
と溶媒可溶性フッ素樹脂と共に、アクリル系樹脂を添加
することも有効である。本発明者らはアクリル系樹脂は
ペルヒドロポリシラザンとフッ素樹脂との相溶性を高め
る効果があることを見い出し、かつ塗膜の透明度を向上
させるなどの効果もあることを見い出した。このような
アクリル系樹脂としては、例えばアクリル酸エステル
(アルコール残基としては、メチル基、エチル基、n−
プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチ
ル基、t−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘ
キシル基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基
等を例示できる);メタクリル酸エステル(アルコール
残基は上記と同じ);2−ヒドロキシエチルアクリレー
ト、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロ
キシプロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメ
タクリレート等の如きヒドロキシ含有モノマー;アクリ
ルアミド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルア
ミド、N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアク
リルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N
−ジメチロールアクリルアミド、N−メトキシメチルア
クリルアミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、
N−フェニルアクリルアミド等の如きアミド基含有モノ
マー;N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、
N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート等の如き
アミノ基含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル等の
如きエポキシ基含有モノマー;スチレンスルホン酸、ビ
ニルスルホン酸、及びそれらの塩(例えばナトリウム
塩、カリウム塩、アンモニウム塩等)等の如きスルホン
酸基又はその塩を含有するモノマー;クロトン酸、イタ
コン酸、アクリル酸、マレイン酸、フマール酸、及びそ
れらの塩(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニ
ウム塩等)等の如きカルボキシル基又はその塩を含有す
るモノマー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の無水
物を含有するモノマー;その他ビニルイソシアネート、
アリルイソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテ
ル、ビニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシ
ラン、アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマ
ール酸モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリ
デン、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単量体の組合せから
つくられたものであるが、アクリル酸誘導体、メタクリ
ル酸誘導体の如き(メタ)アクリル単量体の成分が50
モル%以上含まれているものが好ましく、特にメタクリ
ル酸メチルの成分を含有しているものが好ましい。具体
的には三菱レーヨン製BR71,BR80などである。
ば、ポリメタクリル酸パーフルオロ−t−ブチル、ポリ
パーフルオロイソプロピルメタクリレート、ポリメタク
リル酸ヘキサフルオロ−2−プロピル、ポリメタクリル
酸トリフルオロエチル、(メタ)アクリル酸のフッ素化
エステル重合体などはフッ素樹脂との相溶性も向上し、
かつ、フッ素樹脂の特性も失なわせない利点がある。
しては、ペルヒドロポリシラザンを安定的に溶解するキ
シレン、トルエンに溶解させてから、ポリシラザン溶液
と混合する方法が好ましい。本発明において、ペルヒド
ロポリシラザンとフッ素樹脂の使用割合は、両者の合計
を基準にしてフッ素樹脂の割合として下限で10wt%以
上、上限で90%以下がよい。10wt%未満だとフッ素
樹脂の特性が現われず、90wt%を超えると、ペルヒド
ロポリシラザンの特性が現われない。
で20wt%、上限で80wt%がよい(フッ素樹脂とアク
リル樹脂の合計を100wt%として) 。20wt%未満だ
と、相溶性に対する効果(具体的には塗膜の透明性)が
現われない。80wt%を超えるとフッ素樹脂の特性が現
われない。溶媒の使用量は、採用するコーティング方法
により作業性がよくなるように、また必要とする膜厚に
より選択され、またペルヒドロポリシラザンの平均分子
量、分子量分布、その構造によって異なるが、最終コー
ティング組成物(溶液)を基準にして20〜95重量%
(固形分80〜5重量%)、より好ましくは40〜90
重量(固形分60〜10wt%)%とされる。
が、必要に応じて適当な充填剤を加えてもよい。充填剤
の例としてはシリカ、アルミナ、ジルコニア、マイカを
始めとする酸化物系無機物あるいは炭化珪素、窒化珪素
等の非酸化物系無機物の微粉等が挙げられる。また用途
によってはアルミニウム、亜鉛、銅等の金属粉末の添加
も可能である。さらに充填剤の例を詳しく述べれば、ケ
イ砂、石英、ノバキュライト、ケイ藻土などのシリカ
系:合成無定形シリカ:カオリナイト、雲母、滑石、ウ
オラストナイト、アスベスト、ケイ酸カルシウム、ケイ
酸アルミニウム等のケイ酸塩:ガラス粉末、ガラス球、
中空ガラス球、ガラスフレーク、泡ガラス球等のガラス
体:窒化ホウ素、炭化ホウ素、窒化アルミニウム、炭化
アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ素、ホウ化チタ
ン、窒化チタン、炭化チタン等の非酸化物系無機物:炭
酸カルシウム:酸化亜鉛、アルミナ、マグネシア、酸化
チタン、酸化ベリリウム等の金属酸化物:硫酸バリウ
ム、二硫化モリブデン、二硫化タングステン、弗化炭素
その他無機物:アルミニウム、ブロンズ、鉛、ステンレ
ススチール、亜鉛等の金属粉末:カーボンブラック、コ
ークス、黒鉛、熱分解炭素、中空カーボン球等のカーボ
ン体等があげられる。
む。)、粒状、鱗片状等種々の形状のものを単独又は2
種以上混合して用いることができる。又、これら充填剤
の粒子の大きさは1回に塗布可能な膜厚よりも小さいこ
とが望ましい。また充填剤の添加量はフッ素樹脂とポリ
シラザンの合計1重量部に対し、0.05重量部〜10
重量部の範囲であり、特に好ましい添加量は0.2重量
部〜3重量部の範囲である。又、充填剤の表面をカップ
リング剤処理、蒸着、メッキ等で表面処理して使用して
もよい。
各種顔料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤、pH調整剤、分散剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥
促進剤、流れ止め剤を加えてもよい。こうして作成され
た本発明のコーティング用組成物は、基盤上に1回又は
2回以上繰り返して塗布した後、焼き付けて被覆膜を形
成する。
に限定されず、金属、セラミックス、プラスチックス等
のいずれでもよい。コーティングとしての塗布手段とし
ては、通常の塗布方法、つまり浸漬、スピンコート、ロ
ール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー
塗り等が用いられる。又、塗布前に基盤をヤスリがけ、
脱脂、各種ブラスト等で表面処理しておくとコーティン
グ組成物の付着性能は向上する。
燥させた後、加熱・焼成する。この焼成によってポリシ
ラザンは架橋、縮合、あるいは、焼成雰囲気によっては
酸化、加水分解して硬化し、セラミックス相を形成する
が、同時にフッ素樹脂が溶融して、又は熱硬化してSi
−O結合あるいはSi−N結合を主体とするセラミック
ス相とフッ素樹脂からなる有機質相とが微細な構造レベ
ルで(無機フィラーなどを添加する複合材と比べて)複
合化した緻密な膜を得ることができる。
ミック化が進行し、十分に硬化する温度であることが好
ましい。これは通常300℃以上、好ましくは400℃
程度であるが、溶媒可溶性のフッ素樹脂は融点あるいは
分解温度が低いため、100〜300℃で焼成するのが
一般的である。したがって、完全にペルヒドロポリシラ
ザンをセラミック化させるためには、特願平5−932
75号などの低温セラミック化タイプペルヒドロポリシ
ラザンが必要となるが、用途に応じペルヒドロポリシラ
ザンを選択すればよい。
分子量や構造によって異なる。昇温速度は特に限定しな
い。焼成雰囲気は酸素中、空気中あるいは不活性ガス等
のいずれであってもよいが、空気中がより好ましい。空
気中での焼成によりペルヒドロポリシラザンの酸化、あ
るいは空気中に共存する水蒸気による加水分解が進行す
る。
リシラザンとフッ素樹脂を組合せると、微細な構造レベ
ルでハイブリッド化した無機/有機コーティングが得ら
れる。特に、ペルヒドロポリシラザンは耐熱性、硬度、
密着性が特に優れており、伸び、摺動性、撥水性、耐汚
染性を特長とするフッ素樹脂との組合せは互いの短所を
補うバランスのとれた複合系であり、既存の複合系コー
ティングを上廻る特性を与える。
脂の組合せを用いる場合には、ガラスフィラーなどを添
加するいわゆる複合樹脂と異なり、溶媒に溶解したポリ
シラザンとフッ素樹脂とが均一に溶解した状態を出発点
としているため、極めて均質かつ微細な構造のレベルで
非晶質のSiO2 /Si3 N4 とフッ素樹脂が複合化し
ていると予想されることと、ペルヒドロポリシラザンの
セラミック化にともなう収縮時に、フッ素樹脂が軟化し
追従するため、ピンホールのない緻密な膜が得られやす
いことによると考えられる。
クス)と有機質(フッ素樹脂)のバランスを制御するこ
とが容易である。上記の如く、ペルヒドロポリシラザン
にもとづくセラミックスとフッ素樹脂とが均一かつ微細
な構造レベルで複合化するので、無機質と有機質との割
合が広い割合範囲で選択でき、耐熱性、硬度に重点おい
たものから可撓性、撥水性、耐汚染性に重点をおいたも
のまで広範囲で優れた特性を実現することができる。
熱膨張率の低い非晶質セラミックとなるため、金属基板
などとのマッチングの問題から単体では膜厚限界が低い
が、フッ素樹脂は熱膨張率が高いため各種基板とのマッ
チングが可能であり、従って本発明のコーティング用組
成物では10〜100μmの厚膜が、容易に施工でき
る。なお、ペルヒドロポリシラザンの焼成後の非晶質セ
ラミックスとフッ素樹脂の特性を対比してまとめると下
記の如くである。
キシレン溶液と旭硝子製ルミフロンLF−200C(4
0wt%キシレン溶液)とを、PHPS:LF200C=
8:2(樹脂のみのwt%)となるようにスターラーで1
時間混合し、無色透明のコーティング液とした。本コー
ティング液を用い、150×50×0.4mmの脱脂した
SUS304及びCu板に流し塗りにより施工し、室温
で10分間乾燥した。次に200℃で1時間焼き付けし
(10℃/分で昇温)、無色透明な厚さ2μmのセラミ
ック/フッ素樹脂系塗膜を得た。本塗膜の硬度は>9H
であった(SUS基板)。
(3000rpm ×20sec)、同様に200℃で焼成した
ところ、厚さ1μm、可視光透過率95%の塗膜を得
た。
6:4の比で施工したところ、硬度>9H(SUS基
板)、可視光透過率94%(石英基板)の塗膜を得た。
尚、接触角(対水)は75度であった(膜厚はSUSと
Cuが3μm、石英が1.5μm)。
n≒800)の20wt%BCA(ブチルカルビトールア
セテート)溶液 (B)PVDF系フッ素樹脂カイナーADS(VDF,
TFE,HFP共重合体)の10wt%BCA溶液 (C)三菱レーヨン製アクリル樹脂BR71の10wt%
BCA溶液 (A),(B),(C)を固形分比(wt)で、 ポリシラザン:フッ素樹脂:アクリル樹脂=2:2:6 となるようにスターラーで約30分混合した。
に、SUS304、Cu、石英の各基板に施工し、25
0℃で1時間焼き付けたところ、硬度9H、可視光透過
率91%、接触角78度(対水)の塗膜を得た(膜厚は
SUS304、CU基板が1μm、石英基板が0.5μ
m)。アクリル系樹脂を添加することにより可視光透過
率を保つ効果がありペルヒドロポリシラザンに対するフ
ッ素樹脂の割合をふやしても透明性が失われない。
性、可撓性、耐食性、摺動性、撥水性、耐汚染性、電気
絶縁性に優れた、無機/有機ハイブリッド膜を容易に得
ることができる。
Claims (2)
- 【請求項1】 主として一般式(I): 【化1】 で表わされる単位からなる主骨格を有する数平均分子量
が100〜5万のペルヒドロポリシラザンと溶媒可溶性
フッ素樹脂10〜90重量%(ペルヒドロポリシラザン
と溶媒可溶性フッ素樹脂の合計量を100重量%とす
る)の両者を溶解した溶液を塗布、100〜300℃で
焼成することを特徴とする透明な撥水性有機/無機ハイ
ブリッド膜の製造方法。 - 【請求項2】 主として一般式(I): 【化2】 で表わされる単位からなる主骨格を有する数平均分子量
が100〜5万のペルヒドロポリシラザンと、溶媒可溶
性フッ素樹脂と、アクリル系樹脂20〜80重量%(フ
ッ素樹脂とアクリル樹脂の合計を100重量%として)
の3者を溶解した溶液を塗布、100〜300℃で焼成
することを特徴とする透明な撥水性有機/無機ハイブリ
ッド膜の製造方法。
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