JP3414488B2 - 透明な有機/無機ハイブリッド膜の製造方法 - Google Patents

透明な有機/無機ハイブリッド膜の製造方法

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JP3414488B2 JP09185694A JP9185694A JP3414488B2 JP 3414488 B2 JP3414488 B2 JP 3414488B2 JP 09185694 A JP09185694 A JP 09185694A JP 9185694 A JP9185694 A JP 9185694A JP 3414488 B2 JP3414488 B2 JP 3414488B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】本発明は耐熱性、硬度、密着性と
共に、可撓性、膜厚限界、低価格にも優れた透明な有機
/無機ハイブリッド被覆膜に係る。 【0002】 【従来の技術】高度の耐熱、耐摩耗、耐食性を得るため
には、有機系塗料では不十分であり、セラミックス系コ
ーティングが用いられる。従来、セラミックス系コーテ
ィングの形成方法としては、PVD(スパッタ法等)、
CVD、ゾル−ゲル法、ポリチタノカルボシラン系塗
料、ポリ(ジシル)シラザン系塗料、ポリシラザン系塗
料、ポリメタロシラザン系塗料などが知られている。 【0003】一方、可撓性、透明性を得るために、アク
リル系樹脂を用い必要に応じて各種フィラーを添加した
各種有機系塗料が知られている。さらに、ポリカルボシ
ラン樹脂、ポリシラザン樹脂、ポリボロシロキサン樹脂
などのケイ素化合物からなるセラミックス前駆体樹脂
と、フッ素樹脂と、無機フィラー等を配合した耐熱性塗
料も提案されている(特開平4−168175号及び同
5−156176号公報)。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】セラミックス系コーテ
ィングでは耐熱性、硬度、密着性などには優れるもの
の、柔軟性、膜厚限界、価格などが不十分である。一
方、アクリル系樹脂系塗料は、柔軟性、膜厚限界、価格
などには優れており、無機フィラーの添加あるいは硬化
剤により硬度はある程度向上するが、限界があり、耐熱
性、密着性などは不十分である。 【0005】また、セラミックス前駆体樹脂と各種樹脂
を配合した前記耐熱性塗料は、いずれも有機基を含むケ
イ素化合物を用いているので、耐熱性、硬度、密着性に
対する効果がまだ十分でない。特に、焼付け時の有機基
の脱離によってピンホールや収縮に伴なうクラックが発
生するため、十分に緻密な膜が得られず、基材との密着
性も不足する。さらに、前記耐熱性塗料では無機フィラ
ーあるいはガラス繊維などを添加することが必須であ
り、これらにより硬度を向上させることができるもの
の、密着性に対しては全く寄与しないため、添加すれば
するほど密着性と可撓性が低下する。 【0006】本発明は、これらの問題点を解決し、耐熱
性、硬度、密着性と共に可撓性、透明性、膜厚限界、価
格に優れた無機/有機ハイブリッド構造を有した被覆膜
を与えるコーティング組成物を提供することを目的とす
る。 【0007】 【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、(1)主として一般式(I): 【0008】 【化2】 【0009】(但し、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立
に水素原子、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキ
ル基、アリール基、またはこれらの基以外でケイ素に直
結する基が炭素である基、アルキルシリル基、アルキル
アミノ基、アルコキシ基を表わす。ただし、R1 ,R
2 ,R3 のうち少なくとも1つは水素原子である。)で
表わされる単位からなる主骨格を有する数平均分子量が
100〜5万のポリシラザンとアクリル系樹脂3〜97
重量%(ポリシラザンとアクリル系樹脂の合計を100
重量%とする)とを溶解した溶液を塗布、100〜30
0℃で焼成することを特徴とする透明な有機/無機ハイ
ブリッド膜の製造方法を提供する。また、(2)この製
造方法(1)において、アクリル系樹脂がメタクリル酸
メチルの成分を含有しているものであるものも提供す
る。 【0010】用いるポリシラザンは、分子内に少なくと
もSi−H結合あるいはN−H結合を有するポリシラザ
ンである必要があり、特に一般式(I)でR1 ,R2
3の全てあるいは殆んどが水素原子である無機ポリシ
ラザン(ペルヒドロポリシラザン)〔例えば、特公昭6
3−16325号、特開平1−138108号、同1−
138107号、同4−63833号、特願平3−32
0167号参照〕あるいはそれに近いポリシラザン(例
えば、特開平3−31326号のランダム共重合シラザ
ン、特開昭62−195024号のポリシロキサザン、
特開平2−77427号のポリメタロシラザンなど)が
好適であるが、ポリシラザン単独のほか、ポリシラザン
と他のポリマーとの共重合体やポリシラザンと他の化合
物との混合物でも、ポリシラザン、特に無機ポリシラザ
ンの特長を失なわない限り利用できる。 【0011】用いるポリシラザンには、鎖状、環状、あ
るいは架橋構造を有するもの、あるいは分子内にこれら
複数の構造を同時に有するものがあり、これら単独でも
あるいは混合物でも利用できる。用いるポリシラザンの
代表例としては下記のようなものがあるが、これらに限
定されるものではない。 【0012】一般式(I)でR1 ,R2 、及びR3 に水
素原子を有するものは、ペルヒドロポリシラザンであ
り、その製造法は例えば特公昭63−16325号公
報、D.SeyferthらCommunicatio
n of Am.Cer.Soc.,C−13,Jan
uary 1983.に報告されている。これらの方法
で得られるものは、種々の構造を有するポリマーの混合
物であるが、基本的には分子内に鎖状部分と環状部分を
含み、 【0013】 【化3】 【0014】の化学式で表わすことができる。ペルヒド
ロポリシラザンの構造の一例を示すと下記の如くであ
る。 【0015】 【化4】 【0016】一般式(I)でR1 及びR2 に水素原子、
3 にメチル基を有するポリシラザンの製造方法は、
D.SeyferthらPolym.Prepr.,A
m.Chem.Soc.,Div.Polym.Che
m.,25,10(1984)に報告されている。この
方法により得られるポリシラザンは、繰り返し単位が−
(SiH2 NCH3 )−の鎖状ポリマーと環状ポリマー
であり、いずれも架橋構造をもたない。 【0017】一般式(I)でR1 及びR3 に水素原子、
2 に有機基を有するポリオルガノ(ヒドロ)シラザン
の製造方法は、D.SeyferthらPolym.P
repr.,Am.Chem.Soc.,Div.Po
lym.Chem.,25,10(1984)、特開昭
61−89230号公報に報告されている。これらの方
法により得られるポリシラザンには、−(R2 SiHN
H)−を繰り返し単位として、主として重合度が3〜5
の環状構造を有するものや(R3 SiHNH) X 〔(R
2 SiH)1.5 N〕1-X (0.4<x<1)の化学式で
示せる分子内に鎖状構造と環状構造を同時に有するもの
がある。 【0018】一般式(I)でR1 に水素原子、R2 及び
3 に有機基を有するポリシラザン、またR1 及びR2
に有機基、R3 に水素原子を有するものは−(R12
SiNR3 )−を繰り返し単位として、主に重合度が3
〜5の環状構造を有している。用いるポリシラザンは、
上記の如く一般式(I)で表わされる単位からなる主骨
格を有するが、一般式(I)で表わされる単位は、上記
にも明らかな如く環状化することがあり、その場合には
その環状部分が末端基となり、このような環状化がされ
ない場合には、主骨格の末端はR1 ,R2 ,R3 と同様
の基又は水素であることができる。 【0019】ポリオルガノ(ヒドロ)シラザンの中に
は、D.SeyferthらCommunicatio
n of Am.Cer.Soc.,C−132,Ju
ly1984.が報告されている様な分子内に架橋構造
を有するものもある。一例を示すと下記の如くである。 【0020】 【化5】 【0021】また、特開昭49−69717号公報に報
告されている様なR1 SiX3 (X:ハロゲン)のアン
モニア分解によって得られる架橋構造を有するポリシラ
ザン(R1 Si(NH)X )、あるいはR1 SiX3
びR2 2 SiX2 の共アンモニア分解によって得られる
下記の構造を有するポリシラザンも出発材料として用い
ることができる。 【0022】 【化6】 【0023】さらに、下記の構造(式中、側鎖の金属原
子であるMは架橋をなしていてもよい)の如く金属原子
を含むポリメタロシラザンも出発材料として用いること
ができる。 【0024】 【化7】 【0025】その他、特開昭62−195024号に報
告されているような繰り返し単位が〔(SiH2
n (NH)m 〕及び〔(SiH2 r O〕(これらの式
中、n,m,rはそれぞれ1,2または3である)で表
わされるポリシロキサザン、特開平2−84437号に
報告されているようなポリシラザンにボロン化合物を反
応させて製造する耐熱性に優れたポリボロシラザン、特
開昭63−81122号、同63−191832号、特
開平2−77427号に報告されているようなポリシラ
ザンとメタルアルコキシドとを反応させて製造するポリ
メタロシラザン、特開平1−138108号、同1−1
38107号、同1−203429号、同1−2034
30号、同4−63833号、同3−320167号に
報告されているような分子量を増加させたり(上記公報
の前4者)、耐加水分解性を向上させた(後2者)、無
機シラザン高重合体や改質ポリシラザン、特開平2−1
75726号、同5−86200号、同5−33129
3号、同3−31326号に報告されているようなポリ
シラザンに有機成分を導入した厚膜化に有利な共重合シ
ラザン、特開平5−238827号、特開平4−272
020号、同5−93275号、同5−214268
号、同5−30750号、同5−338524号に報告
されているようなポリシラザンにセラミック化を促進す
るための触媒的化合物を付加または添加したプラスチッ
クスやアルミニウムなどの金属への施工が可能で、より
低温でセラミックス化する低温硬化タイプポリシラザン
なども同様に使用できる。 【0026】ポリシラザンをアクリル系樹脂粒子と混合
するとき、ポリシラザンは通常溶剤に溶解しておく。溶
剤としては、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素、芳香族
炭化水素の炭化水素溶媒、ハロゲン化メタン、ハロゲン
化エタン、ハロゲン化ベンゼン等のハロゲン化炭化水
素、脂肪族エーテル、脂環式エーテル等のエーテル類が
使用できる。好ましい溶媒は、塩化メチレン、クロロホ
ルム、四塩化炭素、ブロモホルム、塩化エチレン、塩化
エチリデン、トリクロロエタン、テトラクロロエタン等
のハロゲン化炭化水素、エチルエーテル、イソプロピル
エーテル、エチルブチルエーテル、ブチルエーテル、
1,2−ジオキシエタン、ジオキサン、ジメチルジオキ
サン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、セロ
ソルブアセテート、カルビトールアセテート等のエーテ
ル類、ペンタンヘキサン、イソヘキサン、メチルペンタ
ン、ヘプタン、イソヘプタン、オクタン、イソオクタ
ン、シクロペンタン、メチルシクロペンタン、シクロヘ
キサン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン、トルエン、
キシレン、エチルベンゼン等の炭化水素等である。 【0027】用いるアクリル系樹脂としては、各種の樹
脂が使用できるが、例えばアクリル酸エステル(アルコ
ール残基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル
基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t
−ブチル基、2−エチルヘキシル基、シクロヘキシル
基、フェニル基、ベンジル基、フェニルエチル基等を例
示できる);メタクリル酸エステル(アルコール残基は
上記と同じ);2−ヒドロキシエチルアクリレート、2
−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリ
レート等の如きヒドロキシ含有モノマー;アクリルアミ
ド、メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、
N−メチルアクリルアミド、N−メチロールアクリルア
ミド、N−メチロールメタクリルアミド、N,N−ジメ
チロールアクリルアミド、N−メトキシメチルアクリル
アミド、N−メトキシメチルメタクリルアミド、N−フ
ェニルアクリルアミド等の如きアミド基含有モノマー;
N,N−ジエチルアミノエチルアクリレート、N,N−
ジエチルアミノエチルメタクリレート等の如きアミノ基
含有モノマー;グリシジルアクリレート、グリシジルメ
タクリレート、アリルグリシジルエーテル等の如きエポ
キシ基含有モノマー;スチレンスルホン酸、ビニルスル
ホン酸、及びそれらの塩(例えばナトリウム塩、カリウ
ム塩、アンモニウム塩等)等の如きスルホン酸基又はそ
の塩を含有するモノマー;クロトン酸、イタコン酸、ア
クリル酸、マレイン酸、フマール酸、及びそれらの塩
(例えばナトリウム塩、カリウム塩、アンモニウム塩
等)等の如きカルボキシル基又はその塩を含有するモノ
マー;無水マレイン酸、無水イタコン酸等の無水物を含
有するモノマー;その他ビニルイソシアネート、アリル
イソシアネート、スチレン、ビニルメチルエーテル、ビ
ニルエチルエーテル、ビニルトリスアルコキシシラン、
アルキルマレイン酸モノエステル、アルキルフマール酸
モノエステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アルキルイタコン酸モノエステル、塩化ビニリデ
ン、酢酸ビニル、塩化ビニル等の単量体の組合せからつ
くられたものであるが、アクリル酸誘導体、メタクリル
酸誘導体の如き(メタ)アクリル単量体の成分が50モ
ル%以上含まれているものが好ましく、特にメタクリル
酸メチルの成分を含有しているものが好ましい。また、
フッ素を含むアクリル系樹脂、例えば、ポリメタクリル
酸パーフルオロ−t−ブチル、ポリパーフルオロイソプ
ロピルメタクリレート、ポリメタクリル酸ヘキサフルオ
ロ−2−プロピル、ポリメタクリル酸トリフルオロエチ
ル、(メタ)アクリル酸のフッ素化エステル重合体など
は摺動性、撥水性に優れる利点がある。本発明は、ポリ
シラザンとアクリル系樹脂とが相溶すること、しかも適
当なアクリル系樹脂を選べばポリシラザンを変質するこ
となく安定なコーティング溶液が得られること、またそ
れによって両者の透明性がそのまま生かされ、両者の短
所を相補ったコーティングを得ることが可能になること
を見い出して、為されたものである。アクリル系樹脂を
溶解できる溶剤としては、酢酸エチル、酢酸n−ブチル
などのエステル類、セロソルブ、セロソルブアセテート
などのグリコールエーテル類、トルエン、キシレンなど
の炎化水素類、アセトン、メチルエチルケトンなどのケ
トン類など挙げることができる。 【0028】ポリシラザンとアクリル系樹脂を含むコー
ティング用溶液を作成する場合、一般的にはポリシラザ
ンの溶液とアクリル系樹脂の溶液とを混合すればよい。
ポリシラザンとアクリル系樹脂の配合量は、コーティン
グの用途に応じて広く選択でき、例えば、可撓性を重視
する場合には、全固形分〔ポリシラザンとアクリル系樹
脂の合計量〕を100重量%として、ポリシラザンを3
〜30重量%の範囲内とし、また硬度や耐熱性を重視す
る場合には30〜97重量%の範囲内がよい。〔アクリ
ル系樹脂の量は上記固形分量のうちポリシラザンの量を
除いた量である。〕 ポリシラザンとアクリル系樹脂を溶解する溶剤として
は、ポリシラザンとアクリル系樹脂の両方を安定的に溶
解するものが好ましく、例えば、キシレン、トルエン、
ブチルカルビトールアセテート、酢酸n−ブチルなどが
好ましい。溶剤を使用する場合、前記アクリル系樹脂添
加ポリシラザンの溶解度や溶剤の蒸発速度を調節するた
めに、2種類以上の溶剤を混合してもよい。溶剤の使用
量(割合)は採用するコーティング方法により作業性が
よくなるように、また必要とする膜厚により選択され、
またポリシラザンの平均分子量、分子量分布、その構造
によって異なるが、一般的にはコーティング用組成物中
溶剤は99〜5重量%程度、固形分濃度が1〜95重量
%の範囲で混合することができる。好ましくは固形分濃
度5〜60重度%である。また、本発明においては、必
須ではないが、必要に応じて適当な充填剤を加えてもよ
い。充填剤の例としてはシリカ、アルミナ、ジルコニ
ア、マイカを始めとする酸化物系無機物あるいは炭化珪
素、窒化珪素等の非酸化物系無機物の微粉等が挙げられ
る。また用途によってはアルミニウム、亜鉛、銅等の金
属粉末の添加も可能である。さらに充填剤の例を詳しく
述べれば、ケイ砂、石英、ノバキュライト、ケイ藻土な
どのシリカ系:合成無定形シリカ:カオリナイト、雲
母、滑石、ウオラストナイト、アスベスト、ケイ酸カル
シウム、ケイ酸アルミニウム等のケイ酸塩:ガラス粉
末、ガラス球、中空ガラス球、ガラスフレーク、泡ガラ
ス球等のガラス体:窒化ホウ素、炭化ホウ素、窒化アル
ミニウム、炭化アルミニウム、窒化ケイ素、炭化ケイ
素、ホウ化チタン、窒化チタン、炭化チタン等の非酸化
物系無機物:炭酸カルシウム:酸化亜鉛、アルミナ、マ
グネシア、酸化チタン、酸化ベリリウム等の金属酸化
物:硫酸バリウム、二硫化モリブデン、二硫化タングス
テン、弗化炭素その他無機物:アルミニウム、ブロン
ズ、鉛、ステンレススチール、亜鉛等の金属粉末:カー
ボンブラック、コークス、黒鉛、熱分解炭素、中空カー
ボン球等のカーボン体等があげられる。 【0029】これら充填剤は、針状(ウィスカーを含
む。)、粒状、鱗片状等種々の形状のものを単独又は2
種以上混合して用いることができる。又、これら充填剤
の粒子の大きさは1回に塗布可能な膜厚よりも小さいこ
とが望ましい。また充填剤の添加量はアクリル系樹脂と
ポリシラザンの合計1重量部に対し、0.05重量部〜
10重量部の範囲であり、特に好ましい添加量は0.2
重量部〜3重量部の範囲である。又、充填剤の表面をカ
ップリング剤処理、蒸着、メッキ等で表面処理して使用
してもよい。 【0030】コーティング用組成物には、必要に応じて
各種顔料、レベリング剤、消泡剤、帯電防止剤、紫外線
吸収剤、pH調整剤、分散剤、表面改質剤、可塑剤、乾燥
促進剤、流れ止め剤を加えてもよい。こうして作成され
た本発明のコーティング用組成物は、基盤上に1回又は
2回以上繰り返して塗布した後、焼き付けて被覆膜を形
成する。 【0031】コーティング組成物を塗布する基盤は、特
に限定されず、金属、セラミックス、プラスチックス等
のいずれでもよい。コーティングとしての塗布手段とし
ては、通常の塗布方法、つまり浸漬、スピンコート、ロ
ール塗り、バー塗り、刷毛塗り、スプレー塗り、フロー
塗り等が用いられる。又、塗布前に基盤をヤスリがけ、
脱脂、各種ブラスト等で表面処理しておくとコーティン
グ組成物の付着性能は向上する。 【0032】このような方法でコーティングし、充分乾
燥させた後、加熱・焼成する。この焼成によってポリシ
ラザンは架橋、縮合、あるいは、焼成雰囲気によっては
酸化、加水分解して硬化し、セラミックス相を形成する
が、同時にアクリル系樹脂が熱軟化して、Si−O結合
あるいはSi−N結合を主体とするセラミックス相とア
クリル系相からなる有機質部分とが微細な構造レベルで
(無機フィラーなどを添加する複合材と比べて)複合化
した緻密な膜を得ることができる。 【0033】焼成温度はポリシラザンのセラミック化が
進化し、十分に硬化する温度であることが好ましい。こ
れは通常300℃以上、好ましくは400℃程度である
が、アクリル樹脂の軟化点、あるいは分解温度が低いた
め、100〜300℃で焼成するのが一般的である。し
たがって、完全にポリシラザンをセラミック化させるた
めには、特願平5−93275号などの低温セラミック
化タイプポリシラザンが必要になるが、用途に応じポリ
シラザンを選択すればよい。上記焼成条件はポリシラザ
ンの分子量や構造によって異なる。昇温速度は特に限定
しない。焼成雰囲気は酸素中、空気中あるいは不活性ガ
ス等のいずれであってもよいが、空気中がより好まし
い。空気中での焼成によりポリシラザンの酸化、あるい
は空気中に共存する水蒸気による加水分解が進行する。 【0034】以上の如く、本発明に従ってポリシラザン
とアクリル系樹脂を組合せると、微細な構造レベルでハ
イブリッド化した無機/有機コーティングが得られる。
特に、無機ポリシラザン(ペルヒドロポリシラザン)は
耐熱性、硬度、密着性が特に優れており、伸びを特長と
するアクリル系樹脂との組合せは互いの短所を補うバラ
ンスのとれた複合系であり、既存の複合系コーティング
を上廻る特性を与える。 【0035】これはペルヒドロポリシラザンとアクリル
系樹脂の組合せを用いる場合には、ガラスフィラーなど
を添加するいわゆる複合樹脂と異なり、キシレンに溶解
したペルヒドロポリシラザンとアクリル系樹脂とが均一
に溶解した状態を出発点としているため、極めて均質か
つ微細な構造のレベルで非晶質のSiO2 /Si3 4
とアクリル系樹脂が複合化していると予想されること
と、ペルヒドロポリシラザンのセラミック化にともなう
収縮時に、アクリル系樹脂が軟化し追従するため、ピン
ホールのない緻密な膜が得られやすいことによると考え
られる。 【0036】また、本発明によれば、無機質(セラミッ
クス)と有機質(アクリル系樹脂)のバランスを制御す
ることが容易である。上記の如く、ポリシラザンにもと
づくセラミックスとアクリル系樹脂とが均一かつ微細な
構造レベルで複合化するので、無機質と有機質との割合
が広い割合範囲で選択でき、耐熱性、硬度に重点おいた
ものから可撓性に重点をおいたものまで広範囲で優れた
特性を実現することができる。 【0037】さらに、ポリシラザンは焼成後熱膨張率の
低い非晶質セラミックとなるため、金属基板などとのマ
ッチングの問題から単体では膜厚限界が低いが、アクリ
ル系樹脂は熱膨張率が高いため各種基板とのマッチング
が可能であり、従って本発明のコーティング用組成物で
は10〜100μmの厚膜が、容易に施工できる。な
お、ポリシラザンの焼成後の非晶質セラミックスとアク
リル系樹脂の特性を対比してまとめると下記の如くであ
る。 【0038】 ポリシラザン (焼成後非晶質セラミック) アクリル系樹脂 ────────────────────────────────── 硬度 高い 低い 可撓性(伸び) 極めて低い 高い 耐熱性 極めて高い 低い 熱膨張率 極めて低い 高い 密着性 極めて高い 比較的悪い セラミック収率 極めて高い − 収縮率 比較的低い − 熱特性 熱硬化 熱軟化、溶融、熱硬化 【0039】 【実施例】 実施例1 三菱レーヨン製アクリル樹脂BR−71をキシレンに溶
解し、10wt%溶液とした。次に、東燃製ペルヒドロポ
リシラザンPHPS−1の20wt%キシレン溶液と、B
R−71の10wt%キシレン溶液とを、PHPS:BR
71=6:4(wt)となるようにスターラーで混合し、
無色透明のコーティング液とした。本コーティング液を
用い、150×50×0.4mmt の脱脂したSUS30
4及びCu板に流し塗りにより施工し、室温で10分間
乾燥した。次に300℃で1時間焼付し(10℃/分で
昇温)、無色透明な厚さ約2μmのセラミック/アクリ
ル樹脂系塗膜を得た。本塗膜の硬度は>9Hであった
(SUS304基板)。また30×30×1.1mmt
石英ガラスにスピンコートし(2000rpm ×20sec
)、300℃で1時間焼付けた塗膜(厚さ1μm)の
分光光度を測定したところ、500nmにおける可視光透
過率は、96%であった。次に、折り曲げテストを実施
したところ、SUS304基板、Cu基板ともに5T合
格であった。 実施例2 下記の条件のみ変更し、実施例1と同様の手法でセラミ
ック/アクリル樹脂系無色透明膜を施工した。 PHPS:BR71=5:5(wt) 評価結果は、次のとおりであった。 硬度;9H 可視光透過率(@500nm);95% 折り曲げ性;1T合格 実施例3 PHPS−1の40wt%キシレン溶液とBR−71の1
5wt%キシレン溶液とをPHPS:BR71=6:4
(wt)となるようにコーティング液を調整した後、SU
S304基板に流し塗りによって施工した。300℃で
1時間焼成したところ、膜厚10μm、硬度>9Hのセ
ラミック/アクリル樹脂系無色透明膜が得られた。 実施例4〜9及び比較例 PHPS−1に0.5wt%(ポリシラザン100に対
し)の酢酸Pdを付加させた。低温セラミックタイプポ
リシラザンの20wt%キシレン溶液とBR80の10wt
%キシレン溶液とを、下記割合で混合した。 上記コーティング液を実施例1と同様にSUS304基
板へ施工し、200℃×1h焼付けたところ、いずれの
サンプルも膜厚2〜3μmの無色透明膜が得られた。こ
れらの塗膜の硬度を測定したところ下記の結果を得た。 硬 度 ─────────────────── 実施例4 >9H 実施例5 >9H 実施例6 >9H 実施例7 >9H 実施例8 9H 実施例9 9H 比較例 4H 【0040】 【発明の効果】本発明によれば、ポリシラザン樹脂とア
クリル樹脂を相溶状態としたことにより、ポリシラザン
の特性を低下させることなく、両者の特徴が生かされ
た、透明な塗膜が得られた。その結果、耐熱性、硬度、
密着性、可撓性、膜厚限界、価格に優れた、無機/有機
ハイブリッド膜を容易に得ることができる。

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 主として一般式(I): 【化1】 (但し、R1 ,R2 ,R3 はそれぞれ独立に水素原子、
    アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリー
    ル基、またはこれらの基以外でケイ素に直結する基が炭
    素である基、アルキルシリル基、アルキルアミノ基、ア
    ルコキシ基を表わす。ただし、R1 ,R2 ,R3 のうち
    少なくとも1つは水素原子である。)で表わされる単位
    からなる主骨格を有する数平均分子量が100〜5万の
    ポリシラザンとアクリル系樹脂3〜97重量%(ポリシ
    ラザンとアクリル系樹脂の合計を100重量%とする)
    とを溶解した溶液を塗布、100〜300℃で焼成する
    ことを特徴とする透明な有機/無機ハイブリッド膜の製
    造方法。
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