[非拭き取り型クレンジング用シート]
本発明の第1の態様は
少なくとも1種の油を含む組成物、及び
不織布からなる多孔性シート基材
を含み、
前記組成物が前記多孔性シート基材に含浸されている、非拭き取り型クレンジング用シートに関する。
以下、本発明の第1の態様について説明する。
(組成物)
本発明で使用される組成物は少なくとも1種の油を含む。
本発明における「油」とは、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で液体の形態である疎水性物質を意味する。本明細書において「液体」とは流動性を有する状態を意味しており、例えば、形状が変形可能な環境下で保存すると1時間以内に流動して形状が変形する流動性を備える。油の種類は特には限定されるものではないが、例えば、化粧品に一般的に使用されるものを、単独で又は組み合わせて使用することができる。
本発明で使用される油は、例えば、植物等に由来する天然油、人工的に合成された合成油、及び、これらの混合物からなる群から選択することができる。
植物等に由来する天然油としては、例えば、アマニ油、ツバキ油、マカダミアナッツ油、トウモロコシ油、オリーブ油、アボカド油、サザンカ油、ヒマシ油、サフラワー油、ホホバ油、ヒマワリ油、アーモンド油、アブラナ種子油、ゴマ油、ダイズ油、ピーナッツ油等の植物油、植物油若しくはサトウキビ糖液等の植物由来成分から得られる植物性のスクワレン、スクワラン等の植物起源油、及び、それらの混合物を挙げることができる。動物性のスクワレン、スクワラン等の動物油、及び、それらの混合物を使用してもよい。
合成油としては、例えば、エステル油(合成トリグリセリドを含む)、シリコーン油、炭化水素油、高級アルコール等を挙げることができる。
エステル油は、例えば、直鎖状又は分枝状の、飽和若しくは不飽和の一価又は多価脂肪酸、及び、直鎖状又は分枝状の、飽和若しくは不飽和の一価又は多価アルコールの液体エステルである。エステルを構成する脂肪酸の炭素数は6~26が好ましく、8~22がより好ましく、エステルを構成するアルコールの炭素数は1~26が好ましく、2~22がより好ましく、また、エステルの炭素原子の総数は10以上が好ましく、18以上がより好ましい。
エステルを構成するアルコール及びカルボン酸の少なくとも1種は分枝した化学構造を有していてもよい。
エステルとしては、例えば、一価脂肪酸及び一価アルコールのエステルが挙げられる。そのようなエステルの例としては、ラウリン酸メチルヘプチル、パルミチン酸エチル、パルミチン酸エチルヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸イソプロピル、ミリスチン酸エチル、ステアリン酸イソセチル、イソノナン酸2-エチルヘキシル、イソノナン酸イソノニル、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソステアリル等を挙げることができる。
エステルとしては、二価以上の脂肪酸と一価アルコールとのエステル、及び、一価脂肪酸と多価アルコールとのエステルも用いることができ、そのようなエステルの例としては、セバシン酸ジエチル、ラウロイルサルコシンイソプロピル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジ-n-プロピル、アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ビス(2-エチルヘキシル)、アジピン酸ジイソステアリル、マレイン酸ビス(2-エチルヘキシル)、クエン酸トリイソプロピル、クエン酸トリイソセチル、クエン酸トリイソステアリル、トリ乳酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、クエン酸トリオクチルドデシル、クエン酸トリオレイル、ジヘプタン酸ネオペンチルグリコール、ジイソノナン酸ジエチレングリコール等を挙げることができる。
エステルとしてダイマー酸エステルを使用してもよい。ダイマー酸エステルの具体例としては、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイルビス(ベヘニル/イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸水添ヒマシ油、ダイマージリノール酸ジグリセリンイソステアレート等が挙げられる。
また、エステルとして、脂肪酸の糖エステルを用いることもできる。使用可能な糖の例には、スクロース(又はショ糖)、グルコース、ガラクトース、リボース、フコース、マルトース、フルクトース、マンノース、アラビノース、キシロース及びラクトース、及び、それらの誘導体、特に、アルキル誘導体、例えば、メチルグルコース等のメチル誘導体が含まれる。
糖エステルは、例えば、糖と、直鎖状若しくは分枝状、飽和若しくは不飽和の脂肪酸とのエステルから選択することができる。
糖エステルは、モノエステル、ジエステル、トリエステル、テトラエステル及びポリエステル、並びに、それらの混合物からも選択することができる。例えば、モノオレイン酸若しくはジオレイン酸スクロース、グルコース又はメチルグルコース、ステアリン酸スクロース、グルコース又はメチルグルコース、ベヘン酸スクロース、グルコース又はメチルグルコース、オレオパルミチン酸スクロース、グルコース又はメチルグルコース、リノール酸スクロース、グルコース又はメチルグルコース、リノレン酸スクロース、グルコース又はメチルグルコース及びオレオステアリン酸スクロース、グルコース又はメチルグルコースが挙げられる。
合成トリグリセリドとしては、例えば、トリミリスチン酸グリセリル、トリパルミチン酸グリセリル、トリリノレン酸グリセリル、トリラウリン酸グリセリル、トリカプリン酸グリセリル、トリカプリル酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、及び、トリ(カプリン酸/カプリル酸/リノレン酸)グリセリルを挙げることができる。
シリコーン油としては、例えば、直鎖状オルガノポリシロキサン(例えば、ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン等)、環状オルガノポリシロキサン(例えば、シクロヘキサシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン等)、及び、それらの混合物を挙げることができる。
炭化水素油は、例えば、
- 直鎖状、分枝状、又は、環状のC6~C16アルカン、並びに
- 16個を超える炭素原子を含む直鎖状又は分枝状の炭化水素
から選択することができる。
炭化水素油として、例えば、直鎖又は分枝状の炭化水素(ヘキサン、ウンデカン、ドデカン、トリデカン及びイソパラフィン、例えばイソヘキサデカン、イソドデカン及びイソデカン等)、鉱油(例えば流動パラフィン)、ワセリン、ポリデセン、水添ポリイソブテン、イソエイコサン、デセン/ブテンコポリマー、合成スクワラン、並びに、それらの混合物を挙げることができる。
本発明における高級アルコールは比較的多数の炭素原子が含まれるアルコールを意味する。高級アルコールは、4個以上の炭素原子を有し、好ましくは6個以上の炭素原子を有する。高級アルコールの炭素原子数は20個以下が好ましく、12個以下がより好ましい。高級アルコールは、飽和でも不飽和でもよく、また、鎖状でも分枝状でもよい。
高級アルコールは、R-OH(式中、Rは、4~20個の炭素原子、好ましくは5~16個の炭素原子、より好ましくは6~12個の炭素原子を含む、飽和及び不飽和の、直鎖状及び分枝状の炭化水素基を表す)構造を有することができる。一実施形態では、Rは、C4~C12アルキル基及びC4~C12アルケニル基から選ぶことができる。Rは、少なくとも1つのヒドロキシル基で置換されていてもよく、置換されていなくてもよい。
高級アルコールとして、例えば、カプリルアルコール、ラウリルアルコール、及び、それらの混合物を挙げることができる。
油は、揮発性油又は不揮発性油のいずれでもよいが、少なくとも不揮発性油を含むことが好ましい。
油は、炭化水素油、シリコーン油等の非極性油、エステル油等の極性油、又は、それらの混合物であってもよいが、極性油が好ましい。
本発明で使用される油は、植物油並びにエステル油がより好ましく、エステル油としてはトリ(カプリン酸/カプリル酸)グリセリル等の合成トリグリセリドが更により好ましい。
油は保湿成分としても機能し得るので、本発明では、クレンジングと共にスキンケアを行うことも可能である。スキンケア効果の点、並びに、近年の植物性成分を含む自然派化粧品への指向の点では植物油が好ましい。
本発明は油のクレンジング効果を高めることができるので、例えば、油単独では保湿効果が高いもののクレンジング効果が十分でない油を使用しても、本発明は十分なクレンジング効果を発揮することができ、当該油による高い保湿効果と十分なクレンジング効果を両立することができる。
本発明は皮膚等の外皮に適用されるので 本発明で使用される油は刺激性の少ないものが好ましく、刺激性の無いものがより好ましい。
組成物は、(A)25℃での粘度が1000mPa・s未満の低粘度油及び(B)25℃での粘度が1000mPa・s以上の高粘度油を含むことができる。(A)低粘度油の粘度は25℃で500mPa.s未満が好ましく、100mPa.s未満がより好ましく、50mPa.s未満が更により好ましい。(B)高粘度油の粘度は25℃で3000mPa.s以上が好ましく、5000mPa.s以上がより好ましく、10000mPa.s以上が更により好ましい。粘度はコーンプレート粘度計(東亜工業株式会社製CV-1)により測定することができる。
(A)低粘度油量/(B)高粘度油量の質量比は5超であることが好ましく、10超がより好ましく、15超が更により好ましく、20超が特に好ましい。(A)低粘度油量/(B)高粘度油量の質量比の上限は特に限定されるものではないが、例えば、35、30又は25とすることができる。
なお、組成物は25℃での粘度が1000mPa・s超の高粘度油を含まなくてもよい。
組成物中の油の量は、組成物の質量を基準として、50質量%以上が好ましく、60質量%以上がより好ましく、70質量%以上が更により好ましい。組成物は油のみで構成されてもよい。一方、組成物に含まれる油の量は、組成物の質量を基準として、95質量%以下でもよく、90質量%以下でもよく、85質量%以下でもよい。
例えば、組成物に含まれる油の量は、組成物の質量を基準として、100質量%でもよく、或いは、50質量%~95質量%とすることができ、60質量%~90質量%でもよく、70質量%~85質量%以下でもよい。
組成物は、大気圧(760mmHg)下、室温(25℃)で液体の形態であることが好ましい。
本発明で使用される組成物は少なくとも1種の界面活性剤を含んでもよい。
界面活性剤としては、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、又は、これらの混合物を使用することができる。
組成物中の界面活性剤の量は、特には限定されるものではないが、組成物の質量を基準として、例えば、0.1質量%以上、0.5質量%以上、若しくは、1質量%以上とすることができ、及び/又は、15質量%以下、10質量%以下、若しくは、5質量%以下とすることができる。例えば、組成物中の界面活性剤の量は、組成物の質量を基準として、0.1質量%~15質量%とすることができ、0.5質量%~10質量%でもよく、1質量%~5質量%でもよい。また、組成物は界面活性剤を含まなくてもよい。本発明における組成物はミセル形成性又は乳化性を有さなくてもよい。
使用時の刺激性低減のためには、本発明で使用する組成物は界面活性剤を含まない方が好ましい。組成物が界面活性剤を含まない場合であっても、本発明は、界面活性剤に頼ることなく、油によるクレンジング効果を発揮することが可能であり、特に、皺や毛穴に深く入り込んでいるメイクアップ化粧品、皮脂、垢、油性汚れ等を良好に除去することができる。なお、刺激性のある界面活性剤を使用しない場合は、肌に界面活性剤による刺激を与えたり負担をかけたりすることがないので、組成物が界面活性剤を含むのであれば、当該界面活性剤としては低刺激性又は非刺激性のものが好ましく、例えば、非イオン性界面活性剤の中から適宜選択して使用することができる。
本発明で使用される組成物は、その他に、化粧品の分野で使用される各種の添加剤を含んでもよい。添加剤の種類は特には限定されるものではないが、例えば、イソペンチルジオール等の保湿剤、並びに、着色剤、増粘剤等が挙げられる。特に、本発明で使用される組成物は油を含むので、油溶性美容有効成分を含むことが可能であり、当該油溶性美容有効成分を高配合量で含むこともできる。油溶性美容有効成分としては、特に限定されるものではないが、例えば、カンナビジオール(CBD)、酢酸トコフェロール、ビタミンA等の油溶性ビタミンが挙げられる。
本発明で使用される組成物は、水を含んでもよいが、無水組成物であることが好ましい。ここでの「無水」とは、当該組成物が実質的に水を含まないことを意味する。具体的には、無水組成物は水を全く配合しないことが最も好ましいが、微量の水を含んでもよく、組成物の質量を基準として1質量%未満であり、好ましくは0.5質量%未満、より好ましくは0.1質量%未満の水を含んでもよい。
本発明で使用される組成物は親水性ゲル化剤を含まなくてもよい。親水性ゲル化剤とは、水相の粘度を増大させる成分を意味する。特に、本発明が無水組成物を使用する場合、無水組成物は親水性ゲル化剤を含む必要がない。親水性ゲル化剤としては親水性高分子が挙げられ、例えば、アクリル酸又はメタクリル酸の架橋ポリマー、2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸のポリマー、アクリルアミドと2-アクリルアミド-2-メチルプロパンスルホン酸との架橋コポリマー、及びこれらの混合物から選択されるものが具体的に挙げられる。
本発明で使用される組成物はN-アシルアミノ酸のエステルを含まなくてもよい。N-アシルアミノ酸のエステルとしては、例えば、N-ラウロイル-L--グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルデシル)、(N-ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)、N-ラウロイルグルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N-ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル)等が挙げられる。
(多孔性シート基材)
本発明のクレンジング用シートは多孔性シート基材を備える。多孔性シート基材数は特に制限されるものではないが、多孔性シート基材は1つであることが好ましい。
多孔性シート基材は不織布からなり、不織布であることが好ましい。
多孔性シート基材としての不織布を構成する繊維は特に限定されるものではなく、各種の親水性繊維及び疎水性繊維を使用することができる。
親水性繊維としては、例えば、綿等の植物由来の天然セルロース繊維、並びに、レーヨン繊維、キュプラ繊維、リヨセル繊維等の再生セルロース繊維といったセルロース繊維等が挙げられる。
不織布における親水性繊維の含有率は、不織布の質量を基準として、例えば、10質量%以上とすることができ、20質量%以上でもよく、30質量%以上でもよい。また、不織布における親水性繊維の含有率は70質量%以下が好ましく、60質量%以下がより好ましく、50質量%以下が更により好ましい。例えば、不織布における親水性繊維の含有率は、不織布の質量を基準として、10質量%~70質量%でもよく、20質量%~60質量%でもよく、30質量%~50質量%でもよい。
疎水性繊維としては各種の合成繊維が挙げられる。疎水性繊維としては熱可塑性樹脂を含むものが好ましい。熱可塑性樹脂含有疎水性繊維としては、例えば、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等のポリオレフィン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維等のポリエステル繊維、各種ナイロンに代表されるポリアミド繊維、ポリアクリル繊維、エチレン-酢酸ビニル繊維、酢酸ビニル-塩化ビニル繊維、ポリエステル-ポリエステル系複合繊維、ポリエステル-ポリオレフィン系複合繊維、ポリエステル-ポリアミド系複合繊維、ポリアミド-ポリアミド系複合繊維等の複合繊維が挙げられる。なお、疎水性繊維は表面が疎水性であればよい。これらの疎水性繊維は、それぞれ単独で用いてもよく、2種類以上を併用してもよい。
不織布における疎水性繊維の含有率は、不織布の質量を基準として、例えば、30質量%以上とすることができ、40質量%以上が好ましく、50質量%以上が更により好ましい。また、不織布における疎水性繊維の含有率は100質量%以下であればよく、90質量%以下でもよく、80質量%以下でもよい。例えば、不織布における疎水性繊維の含有率は、不織布の質量を基準として、100質量%でもよく、或いは、30質量%~90質量%でもよく、40質量%~80質量%でもよく、50質量%~70質量%でもよい。
外皮へのフィット性の点では、不織布等の多孔性シート基材は組成物の含浸前でも柔軟性が高いものが好ましい。
すなわち、多孔性シート基材は、外皮へのフィット性の点で、組成物の未含浸の状態であっても柔軟性に富む方が好ましい。例えば、本発明のシートを構成する多孔性シート基材としての不織布の乾燥時(組成物の含浸前)の曲げ剛性は0.4 gf・cm2/cm以下が好ましく、0.3 gf・cm2/cm以下がより好ましく、0.2 gf・cm2/cm以下が更により好ましく、0.12 gf・cm2/cm以下が更により好ましく、0.06 gf・cm2/cm以下が特に好ましい。また、本発明のシートを構成する多孔性シート基材としての不織布の乾燥時(組成物の含浸前)のせん断剛性は7.00 gf/cm・deg以下が好ましく、6.00 gf/cm・deg以下がより好ましく、4.00 gf/cm・deg以下が更により好ましく、1.50 gf/cm・deg以下が特に好ましい。或いは、本発明のシートを構成する多孔性シート基材としての不織布の乾燥時(組成物の含浸前)の曲げ剛性は0.4 gf・cm2/cm以下が好ましく、0.3 gf・cm2/cm以下がより好ましく、0.2 gf・cm2/cm以下が更により好ましく、0.12 gf・cm2/cm以下が更により好ましく、0.06 gf・cm2/cm以下が特に好ましく、且つ、本発明のシートを構成する多孔性シート基材としての不織布の乾燥時(組成物の含浸前)のせん断剛性は7.00 gf/cm・deg以下が好ましく、6.00 gf/cm・deg以下がより好ましく、4.00 gf/cm・deg以下が更により好ましく、1.50 gf/cm・deg以下が特に好ましい。
不織布がセルロース繊維を含む場合は、不織布に水を含浸させると、水の作用により、セルロース繊維の非結晶領域が膨潤したり、セルロース繊維が相互に離れたり、水素結合がより切れやすくなったりすることにより、セルロース繊維の剛性が低下し、また、セルロース繊維同士の交絡が緩み、結果的に、不織布の剛性も低下し得る。しかし、本発明で無水組成物を使用する場合、無水組成物を不織布に含浸させてもそのような水による剛性の低下は生じない。したがって、不織布が、不織布の全質量を基準として、20質量%以上のように比較的多くのセルロース繊維を含む場合は、特に、無水組成物の未含浸状態でも柔軟性の高い不織布を使用することが好ましい。
例えば、比較的多くのセルロース繊維を含む不織布であっても、当該不織布に含まれる他の繊維として、柔軟性の高い材質からなる繊維、特殊な表面処理(撥水処理等)が施されたセルロース繊維(例えば、ダイワボウレーヨン(株)製エコリペラス)等を使用することにより、無水組成物の未含浸状態でも高い柔軟性を備えることができる。
一方、コットンリンターを原料とするキュプラ連続長繊維不織布はキュプラ繊維特有の自己接着力を利用してシート化したものであり、乾燥時における剛性が高い。したがって、このような不織布は本発明のシートの多孔性シート基材には不向きである。
なお、不織布が綿、パルプ等の植物由来の天然セルロース繊維を比較的多く含む場合は、無水組成物の含浸前に柔軟性が低いと、無水組成物の含浸後でも柔軟性が低いままで向上しない可能性があるので、多孔性シート基材としての不織布に含まれる綿、パルプ等の植物由来の天然セルロース繊維の含量は不織布の全質量を基準として50質量%未満が好ましく、40質量%未満がより好ましく、30質量%以下が更により好ましく、25質量%以下が特に好ましい。特に、綿は乾燥時の剛性が高いので、それ自体の含量は不織布の全質量を基準として30質量%未満が好ましく、20質量%未満がより好ましく、10質量%以下が更により好ましく、5質量%以下が更により好ましく、不織布が綿繊維を全く含まないことが特に好ましい。
一方、不織布が疎水性繊維を含む場合は、不織布の剛性を低下させることが比較的容易であり、外皮の形状に不織布を良好に追従させることができる。例えば、顔の皮膚のように皮膚上に鼻等の比較的大きな三次元形状が存在する場合は、本発明のクレンジング用シートの皮膚へのフィット性を高めることができる。特に、疎水性の合成繊維はセルロース繊維に比べて不織布自体の柔軟性を高めることが容易である。したがって、多孔性シート基材としての不織布は疎水性繊維を含むことが好ましく、疎水性合成繊維を含むことがより好ましい。このアプローチにより、油性の無水組成物の未含浸の状態であっても柔軟性に富む多孔性シート基材を得ることができる。
疎水性繊維としては複合繊維が好ましく、複合繊維としては、例えば、芯鞘型複合繊維、サイド-バイ-サイド型複合繊維、分割型複合繊維が挙げられる。分割型複合繊維が好ましい。
分割型複合繊維は、複合繊維の断面において複合繊維の構成成分のうち少なくとも1成分が2個以上に分割されており、構成成分の少なくとも一部が繊維表面に露出し、その露出部分が繊維の長さ方向に連続的に形成されている繊維断面構造を有する。例えば、分割型複合繊維は2種以上の繊維からなり、各繊維の少なくとも1つが繊維の長さ方向に2つ以上に分割されていてもよい。分割数は特には限定されるものではなく、例えば、2分割でも、4分割でも、8分割でも、16分割でもよい。
不織布の構成繊維として分割型複合繊維を使用すると、不織布の製造工程で高圧水流等の物理的な作用を受けて分割繊維が更に分割されてより細い繊維を生じるので、不織布の柔軟性を更に高めることができる。分割型複合繊維としては、ポリエステル-ポリオレフィン系分割繊維が好ましく、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレンの分割繊維がより好ましい。ポリエチレンテレフタレート4分割/ポリエチレン4分割の8分割繊維が更により好ましい。
不織布を構成する繊維の繊維長及び繊度については、特に限定されないが、例えば、繊維長は、乾式不織布では、好ましくは20~100mm、より好ましくは30~60mmであり、湿式不織布では、好ましくは1~20mm未満、より好ましくは3~10mmであり、また、繊度は、好ましくは0.1~30dtex、より好ましくは0.3~3dtexである。なお、不織布を構成する繊維は、連続繊維ではなく、短繊維の方が好ましい。
不織布を構成する繊維として所謂ナノファイバーを使用することもできる。ナノファイバーとの繊維径は、1~1000nm未満であり、好ましくは、200~800nmである。ナノファイバーの製造方法は、特には限定されるものではないが、例えば、繊維材料となる熱可塑性樹脂を口金から溶融吐出するに際して「島」を構成する樹脂と「海」を構成する樹脂の2種類の樹脂を吐出して断面が海島構造を有する複合繊維を形成し、その後、「海」の部分の樹脂を溶解除去して、「島」の部分の樹脂からなる微細なファイバーの束を形成する、複合紡糸法により製造することができる。ナノファイバーとしては、例えば、帝人フロンティア(株)製のナノフロント(登録商標)が挙げられる。
不織布の目付は、好ましくは10~200g/m2、より好ましくは20~150g/m2、更に好ましくは30~100g/m2である。
不織布を製造する方法としては、例えば、ニードルパンチ法、水流絡合法、スパンボンド法、メルトブロー法、エレクトロスピニング法、湿式抄紙法、高圧蒸気交絡法等が挙げられるが、かかる例示のみに限定されるものではない。
すなわち、不織布の種類は特には限定されるものではなく、乾式不織布又は湿式不織布のいずれでもよく、また、レジンボンド不織布、サーマルボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、スパンレース不織布、スパンボンド不織布、ナノファイバー不織布等のいずれも使用することができる。
なお、不織布の柔軟性の点では、不織布を構成する繊維は相互に融着又は接着していない方が好ましい。融着としては、例えば、繊維同士の自己融着が挙げられ、また、接着としては、例えば、繊維とは別の樹脂等の接着剤を用いた接着が挙げられる。すなわち、不織布を構成する繊維は単に繊維の交絡のみで不織布を形成していることが好ましい。
不織布は、本発明のクレンジング用シートを例えば顔用クレンジングマスクとして用いた場合に、使用性の点で、一方向に伸縮しやすいものであることが好ましい。
本発明のシートを構成する多孔性シート基材用の不織布としては、例えば、大和紡績(株)製DFS(SH)R5-50及びDFS(SH)R5-70(いずれも、レーヨン繊維40質量%、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン(50質量部/50質量部)分割繊維60質量%)を使用することができる。
本発明のクレンジング用シートでは油を含む組成物が多孔性シート基材に含浸されている。すなわち、本発明のクレンジング用シートでは多孔性基材シートが組成物を含む。含浸の方法は特には限定されるものではなく、例えば、組成物を多孔性シート基材に塗布する方法、組成物中に多孔性シート基材を浸積する方法等を用いることができる。含浸性を高めるために組成物及び/又は多孔性シート基材を加熱しておくことが好ましい。
本発明のクレンジング用シートは外皮のクレンジングに使用されるものであり、例えば、皮膚乃至唇のクレンジングに好適に使用することができる。特に、顔の皮膚のクレンジングに使用する場合は本発明のクレンジング用シートをクレンジング用マスクとして使用することができる。また、本発明のクレンジング用シートは、組成物に含まれる油の作用により、保湿等のスキンケア効果も発揮することができる。したがって、本発明のクレンジング用シートは優れたクレンジング効果とスキンケア効果を同時に発揮することができる。
本発明のクレンジング用シートの形状は特には限定されるものではなく、単なる平面状であってもよく、また、クレンジング用マスクとして、目、鼻、口のいずれかに対応する部分に孔を設けた形態でもよい。その場合、クレンジング用マスクは顔の全面を覆うタイプでもよく、顔の一部(例えば半分)を覆う(パッチ等の)タイプでもよい。使用性の点では、顔の全面を覆うことが可能なクレンジング用マスクが好ましい。
本発明のクレンジング用シートは外皮上で拭き取らずに使用される非拭き取り(ノンワイプ)型クレンジング用シートである。
本発明の非拭き取り型クレンジング用シートは外皮上に載置して使用される。本発明のクレンジング用シートは使用前に水に接触させたり、水で湿らせたりする必要がない。そして、外皮上に本発明のクレンジング用シートをそのまま載置することによって、クレンジング対象の外皮上にあるメイクアップ化粧膜等の除去対象物を浮かせてその除去を促進することができる。
所謂拭き取り型クレンジング用シートは、油によって外皮上の除去対象物を浮かせずに、物理的に拭き取るので、シートと外皮との摩擦により外皮表面を傷付ける場合があるが、本発明の非拭き取り型クレンジングシートにはそのような不都合がない。
本発明の非拭き取り型クレンジング用シートを外皮上に載置する時間は1分以上が好ましく、3分以上がより好ましく、5分以上が更により好ましい。更に、必要に応じて、特にスキンケアの効果をより大きくするために、10分以上でもよく、15分以上でもよく、また、20分以上でもよい。
本発明の非拭き取り型クレンジング用シートは包装袋内に包装することができる。包装袋は特には限定されるものではないが、例えば、遮光性のある金属箔とヒートシール性を有する熱可塑性樹脂層を備える積層体からなるものが好ましい。包装袋から取り出して直ちに使用できるようにするために、包装袋内には本発明の非拭き取り型クレンジング用シートと共に組成物に含まれる油を共存させることが好ましい。包装袋内の本発明の非拭き取り型クレンジング用シートは折り畳まれていてもよく、折り畳まなくていなくてもよい。
本発明の非拭き取り型クレンジング用シートは、優れたクレンジング効果を発揮することができる。特に、油を単独で使用する場合に比べてより高いクレンジング効果を奏する。
本発明の非拭き取り型クレンジング用シートは単独で使用されることが好ましいが、必要に応じて、例えば、把持部を備えた剥離性のある支持シート又はフィルムと積層して使用してもよい。この場合、前記把持部を持って本発明の非拭き取り型クレンジング用シートと支持シート又はフィルムとの積層体を外皮上に設置後に当該支持シート又はフィルムを剥離除去して本発明の非拭き取り型クレンジング用シートのみを外皮上に載置することができ、取り扱い性を高めることができる。
[クレンジング方法]
本発明の第2の態様は
少なくとも1種の油を含む組成物、及び、
不織布からなる多孔性シート基材
を含み、
前記組成物が前記多孔性シート基材に含浸されている、非拭き取り型クレンジング用シートを外皮上に載置する工程、
及び、
前記非拭き取り型クレンジング用シートを、外皮上で拭き取ることなく、外皮上から除去する工程
を含むクレンジング方法に関する。
以下、本発明の第2の態様について説明する。
本発明のクレンジング方法は、本発明の第1の態様の非拭き取り型クレンジング用シートを外皮上に載置する載置工程を含む。非拭き取り型クレンジング用シートを使用前に水に接触させたり、水で湿らせたりせず、そのまま外皮上に載置することが好ましい。載置工程において本発明の非拭き取り型クレンジング用シートを外皮上に載置する時間は1分以上が好ましく、3分以上がより好ましく、5分以上が更により好ましい。更に、必要に応じて、特にスキンケアの効果をより大きくするために、10分以上でもよく、15分以上でもよく、また、20分以上でもよい。
非拭き取り型クレンジング用シート上に蒸しタオル等の発熱体を置いて当該シートを加熱してもよい。加熱温度としては、37~45℃が好ましい。加熱によりクレンジング効果を高めることができる。
本発明のクレンジング方法は、外皮上に載置された本発明の第1の態様の非拭き取り型クレンジング用シートを、外皮上で拭き取ることなく、外皮上から除去する除去工程を含む。
前記除去工程は、例えば、外皮上から非拭き取り型クレンジング用シートを、外皮表面上で当該表面に沿って拭くことなく、外皮表面から剥離することで実施することができる。
前記除去工程後に、必要に応じて、タオル等の他の部材を用いて外皮上を拭き取ってもよい。
また、前記除去工程後に、必要に応じて、外皮上を水洗する工程を設けてもよい。
本発明のクレンジング方法は優れたクレンジング効果を発揮することができる。特に、油を単独で使用する場合に比べてより高いクレンジング効果を奏する。また、本発明のクレンジング方法は、組成物に含まれる油の作用により、保湿等のスキンケア効果も発揮することができる。したがって、本発明のクレンジング方法は優れたクレンジング効果とスキンケア効果を同時に発揮することができる。
[調製用キット]
本発明の第3の態様は
少なくとも1種の油を含む組成物、
及び、
不織布からなる多孔性シート基材
を備える、
非拭き取り型クレンジング用シートの調製用キットに関する。
以下、本発明の第3の態様について説明する。
本発明のキットは、少なくとも1種の油を含む組成物、及び、多孔性シート基材を別々に備える。組成物及び多孔性シート基材は別々に包装されることが好ましい。
本発明のキットによって、少なくとも1種の油を含む組成物を多孔性シート基材に含浸させて非拭き取り型クレンジング用シートを調製することができる。
含浸の方法は特には限定されるものではなく、例えば、組成物を多孔性シート基材に塗布する方法、組成物中に多孔性シート基材を浸積する方法等を用いることができるが、組成物を多孔性シート基材に塗布する方法が好ましい。含浸性を高めるために組成物及び/又は多孔性シート基材を加熱しておくことが好ましい。
このようにして調製された非拭き取り型クレンジング用シートは、外皮上に載置することによって外皮のクレンジングに使用することができる。非拭き取り型クレンジング用シートを使用前に水に接触させたり、水で湿らせたりせず、そのまま外皮上に載置することが好ましい。
本発明のキットにより、優れたクレンジング効果を発揮可能な非拭き取り型クレンジング用シートを用時調製することができる。
以下、本発明を実施例及び比較例を用いてより具体的に説明するが、本発明の範囲は実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
評価者の前腕内側部の評価部位(面積:1.5cm2)に人工汚垢(トリエチルヘキサノイン(日光ケミカルズ株式会社社製トリファットS308)に赤色素(和光純薬株式会社製オイルレッドO)を0.5質量%の濃度で均一に溶解させたもの)を塗布した。塗布後の評価部位を写真撮影した。
評価部位にオイル(トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン:高級アルコール工業株式会社製TCG-M)50mlを不織布(大和紡績株式会社製DFS(SH)R5-70:70g/m2)に含浸させたクレンジング用シートを載置し、25℃で5分間維持した(以下、「シート処理」という)。
以下に、実施例1で使用した不織布の特性を示す。
曲げ剛性(カトーテック株式会社製KES-FB2により測定):0.0388 gf・cm2/cm
せん断剛性(カトーテック株式会社製KES-FB1により測定):0.96 gf/cm・deg
(測定条件)
曲げ剛性:試料幅:20cm、角度:±8deg、初荷重:200g
せん断剛性:試料幅:20cm、曲率範囲:0.5~1.5cm-1、最大曲率:2.5cm-1
評価部位から前記クレンジング用シートを除去し、シート処理直後の評価部位を写真撮影した。更に、評価部位を1分間水洗直後に写真撮影した。
結果を図1に示す。
また、分光比色計を用いて、CIE1976 L*a*b*表色系に基づき、人工汚垢塗布後の評価部位及び評価部位に隣接する素肌の色、シート処理直後の評価部位及び評価部位に隣接する素肌の色、並びに、シート処理後に1分間水洗直後の評価部位及び評価部位に隣接する素肌の色のa*値を記録した。結果を表1に示す。
[比較例1]
評価者の前腕内側部の評価部位(面積:1.5cm2)に人工汚垢(トリエチルヘキサノイン(日光ケミカルズ株式会社社製トリファットS308)に赤色素(和光純薬株式会社製オイルレッドO)を0.5質量%の濃度で均一に溶解させたもの)を実施例1の場合と同一量塗布した。塗布後の評価部位を写真撮影した。
評価部位にオイル(トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン:高級アルコール工業株式会社製TCG-M)50mlを塗布し、25℃で5分間維持した(以下、「オイル処理」という)。
オイル処理直後の評価部位を写真撮影した。更に、評価部位を1分間水洗後に写真撮影した。
結果を図1に示す。
また、分光比色計を用いて、CIE1976 L*a*b*表色系に基づき、人工汚垢塗布後の評価部位及び評価部位に隣接する素肌の色、オイル処理直後の評価部位及び評価部位に隣接する素肌の色、並びに、オイル処理後に1分間水洗直後の評価部位及び評価部位に隣接する素肌の色のa*値を記録した。結果を表1に示す。
[評価]
(目視評価)
図1から明らかなように、比較例1に比べて実施例1では水洗前でも人工汚垢の除去がより進んでおり、また、実施例1では水洗後に人工汚垢が完全に除去されていたが、比較例1では水洗後も皮膚上に人工汚垢が少量残存していた。
表1に示されるように、実施例1では、シート処理前後でΔa*値が38から12に大きく減少したが、比較例1では、Δa*値が41から29への減少に留まった。これは、比較例1に比べて実施例1では、水洗前でも人工汚垢(赤色)の除去がより進んでいたことを示す。
また、表1に示されるように、実施例1では、水洗前後でΔa*値が12から1へと更に減少し、人工汚垢(赤色)がほぼ完全に除去されたことが分かる。一方、比較例1では、水洗前後でΔa*値が29から11への減少に留まり、人工汚垢(赤色)が完全には除去されず残存していたことを示す。
比較例1に比べて実施例1では水洗前でも人工汚垢の除去がより進んでおり、また、実施例1では水洗後に人工汚垢が完全に除去されていたが、比較例1では水洗後も皮膚上に人工汚垢が少量残存していたことが表1からも明らかである。
[実施例2]
実施例1において使用した不織布(大和紡績株式会社製DFS(SH)R5-70:70g/m2)をより軽量の不織布(大和紡績株式会社製DFS(SH)R5-50:50g/m2)に代えた以外は実施例1と同様にして評価を行った。
比較例1に比べて実施例2の方が水洗前でも人工汚垢の除去がより進んでおり、また、実施例2では水洗後に人工汚垢が完全に除去されていたが、比較例1では水洗後も皮膚上に人工汚垢が少量残存していた。
[実施例3]
実施例1において使用したオイル(トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン:高級アルコール工業株式会社製TCG-M)に代えて下記の処方の無水組成物1を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。
無水組成物1:
ラウリン酸メチルへプチル 85質量%
ホホバ(種子)油 5質量%
オリーブ(果実)油 5質量%
スクワラン 5質量%
[比較例2]
比較例1において使用したオイル(トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン:高級アルコール工業株式会社製TCG-M)に代えて上記の処方の無水組成物1を使用した以外は比較例1と同様にして評価を行った。
比較例2に比べて実施例3の方が水洗前でも人工汚垢の除去がより進んでおり、また、実施例3では水洗後に人工汚垢が完全に除去されていたが、比較例2では水洗後も皮膚上に人工汚垢が少量残存していた。
[実施例4]
実施例3において使用した不織布(大和紡績株式会社製DFS(SH)R5-70:70g/m2)をより軽量の不織布(大和紡績株式会社製DFS(SH)R5-50:50g/m2)に代えた以外は実施例3と同様にして評価を行った。
比較例2に比べて実施例4の方が水洗前でも人工汚垢の除去がより進んでおり、また、実施例4では水洗後に人工汚垢が完全に除去されていたが、比較例2では水洗後も皮膚上に人工汚垢が少量残存していた。
[実施例5]
実施例1において使用したオイル(トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン:高級アルコール工業株式会社製TCG-M)に代えて下記の処方の無水組成物2を使用した以外は実施例1と同様にして評価を行った。
無水組成物2:
ラウリン酸メチルへプチル 83質量%
ホホバ(種子)油 1質量%
オリーブ(果実)油 5質量%
スクワラン 1質量%
ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル 4質量%
トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル 6質量%
[比較例3]
比較例1において使用したオイル(トリ(カプリル・カプリン酸)グリセリン:高級アルコール工業株式会社製TCG-M)に代えて上記の処方の無水組成物2を使用した以外は比較例1と同様にして評価を行った。
比較例3に比べて実施例5の方が水洗前でも人工汚垢の除去がより進んでおり、また、実施例5では水洗後に人工汚垢が完全に除去されていたが、比較例3では水洗後も皮膚上に人工汚垢が少量残存していた。
[実施例6]
実施例5において使用した不織布(大和紡績株式会社製DFS(SH)R5-70:70g/m2)をより軽量の不織布(大和紡績株式会社製DFS(SH)R5-50:50g/m2)に代えた以外は実施例5と同様にして評価を行った。
比較例3に比べて実施例6の方が水洗前でも人工汚垢の除去がより進んでおり、また、実施例6では水洗後に人工汚垢が完全に除去されていたが、比較例3では水洗後も皮膚上に人工汚垢が少量残存していた。