JP7117118B2 - ガス化装置、有機物質製造装置、合成ガスの製造方法および有機物質の製造方法 - Google Patents

ガス化装置、有機物質製造装置、合成ガスの製造方法および有機物質の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ガス化装置に関する。より詳しくは家庭ごみ、産業廃棄物等の都市ごみをガス化する熱分解ガス化装置に関する。また、本発明は、ガス化装置で生成された合成ガスを用いて有機物質を製造する有機物質製造装置に関する。さらに、本発明は、合成ガスの製造方法および有機物質の製造方法に関する。
石油を原料として製造された油類やアルコール等の有機物質が世界中で消費されている。近年、化石燃料資源枯渇への危惧や大気中の二酸化炭素増加という地球規模での環境問題の観点から、石油以外の原料で各種有機物質を製造する手法、例えばトウモロコシ等の可食原料から糖発酵法によってバイオエタノールを製造する方法が注目されている。しかし、このような可食原料を用いた糖発酵法は、限られた農地面積を食料以外の生産に用いることから、食料価格の高騰を招く等の問題があった。
このような問題点を解決するために、再生不可能な非可食原料である家庭ごみや産業廃棄物等の都市ゴミから油類やアルコール等の有機物質を製造する方法が各種検討されている。将来技術として、期待されている方法として、日本国内のゴミ焼却施設で数多く採用されているストーカー型ごみ焼却炉から排出される二酸化炭素を、藻類による光合成によって油類やアルコールに変換する方法である。この技術は第三世代バイオマス技術と呼ばれ、佐賀市のゴミ焼却場等で実証実験が行われている。しかし、上記の方法は、エネルギー準位の低い二酸化炭素を、エネルギー準位の高い油類やアルコールに変換するため多量のエネルギーが必要となり、設備や光源、抽出方法等の問題から安定した大量生産には未だ多数の問題がある。
そのため、より直近の次世代技術として、一部のゴミ焼却施設に採用されている熱分解ガス化方式のゴミ焼却炉から排出される一酸化炭素を含む合成ガスを微生物発酵によって油類やアルコールに変換する方法が注目されている。
例えば、特許文献1には、バイオマスをガス化する熱分解ガス化炉が開示されている。また、非特許文献1には、一酸化炭素を含む合成ガスを、酢酸およびエタノールに変換する微生物の種類および代謝系が開示されている。また、特許文献2には、鉄鋼排ガス、廃棄物のガス化によって得られる一酸化炭素を含む合成ガスから、微生物発酵によってエタノールを製造する方法が開示されている。
国際公開2015-004773号公報 特開2015-53866号公報
Michael Koepke et al., "Clostridium ljungdahlii represents a microbial production platform based on syngas", Proc Natl Acad Sci USA, August 24, 2010, vol. 107, no. 34, 13087-13092 (see Fig. 1)
本発明者等は、非特許文献1に記載された嫌気性微生物によって有機物質を製造する際に、原料ガスとして、従来ごみ焼却場で主に使われているガス化炉から排出される合成ガスを用いようとすると、次の問題が生じることを見いだした。まず、ゴミ由来の合成ガスには、硫黄、窒素、芳香族化合物といった細胞毒性を有する不純物が多量に含まれるため、発酵槽に供給する前に合成ガス中から不純物を取り除くための前処理設備が必要になるという問題が生じる。次に、上記嫌気性微生物の発酵においては、一酸化炭素のみがあれば問題無いが、合成ガス中にはガス化の過程で副生する二酸化炭素や水素の割合が高く、嫌気性微生物が必要とする一酸化炭素の割合が不十分になるという問題や、二酸化炭素を原料に目的外物質(例えば酢酸等)が副生してしまうという問題が生じる。
本発明者等は、これらの問題の原因が、得られた合成ガスをクリーンで微生物培養に好適な組成にするという発想でガス化炉自体が設計されていないことにあると考えた。国内のごみ処理施設で一部採用されている熱分解型ガス化炉は、一般的に、生成した合成ガスがその後に燃焼させられることを前提として、設計されている。典型的には、従来のガス化炉は、一酸化炭素と水素を含む合成ガスを製造するように設計され、得られた合成ガスをガスタービンエンジンやガスエンジン内で燃焼させることで、発電を行うことが想定されていた。このため、従来のガス化炉から得られた合成ガスは、燃焼しやすい水素を高割合で含む傾向にあると共に、燃焼に影響しない硫黄や窒素等の不純物については何ら低減する施策が含まれていなかった。しかし、そのような設計のガス化炉で製造された合成ガスを、そのまま嫌気性微生物の発酵等に用いた場合、上述した不純物やガス組成の問題が生じ得る。
そこで、本発明は、不純物が少なく且つ一酸化炭素濃度が高く、微生物発酵に適した合成ガスを安定的に供給出来るガス化装置の提供を目的とする。
本発明者等は鋭意検討の結果として、ガス化工程で生じた可燃性ガスを完全燃焼させることで得た二酸化炭素を主とするガスと、ガス化工程で得た未燃の炭化物とを、反応させることで、不純物が少なく且つ一酸化炭素濃度が高く、しかも微生物発酵に適した合成ガスを連続的に製造出来ることを知見し、この知見に基づいて前記課題を解決し得ることを見いだした。
即ち、本発明の要旨は、以下の通りである。
[1] 有機化合物を含む廃棄物をガス化して一酸化炭素を主とする合成ガスを生成するためのガス化装置であって、
廃棄物を、可燃性ガスと未燃の炭化物とに分離する熱分解炉と、
前記可燃性ガスを燃焼させ、二酸化炭素を主とする不燃性ガスを生成する燃焼炉と、
前記炭化物と前記不燃性ガスを反応させ、一酸化炭素を主とする合成ガスを生成する改質炉と、を備える、ガス化装置。
[2] 前記熱分解炉の炉内温度が、400℃以上1300℃以下である、[1]に記載のガス化装置。
[3]前記改質炉の炉内温度が、600℃以上1200℃以下である、[1]又は[2]に記載のガス化装置。
[4] 二酸化炭素吸脱着能を有し、前記不燃性ガスから、前記不燃性ガスより二酸化炭素濃度が高い精製された合成ガスを製造する二酸化炭素分離精製装置を更に備え、
前記改質炉は、前記二酸化炭素分離精製装置で精製された不燃性ガスを未燃の炭化物と反応させる、[1]~[3]のいずれかに記載のガス化装置。
[5] 前記二酸化炭素分離精製装置が、二酸化炭素分離膜、二酸化炭素吸着材及び二酸化炭素吸収液のいずれかを備える、[4]に記載のガス化装置。
[6] 上記[1]~[5]のいずれかに記載のガス化装置と、
前記ガス化装置で生成した合成ガスを、金属触媒又は微生物触媒と接触させ、有機物質を製造する反応装置と、を備える、有機物質製造装置。
[7] 前記有機物質は、炭素数1~10のアルコール、炭素数1~8のジエン類、炭素数1~6のジオール類から選ばれる1種を含む、[6]に記載の有機物質製造装置。
[8] 前記有機物質はエタノールを含む、[6]に記載の有機物質製造装置。
[9] 前記微生物触媒はクロストリジウム属を含む、[6]~[8]のいずれかに記載の有機物質製造装置。
[10] 有機化合物を含む廃棄物を熱分解して、可燃性ガスと未燃の炭化物とに分離する工程と、
前記可燃性ガスを燃焼させ、二酸化炭素を主とする不燃性ガスを生成する工程と、
前記炭化物と前記不燃性ガスを反応させ、一酸化炭素を主とする合成ガスを生成する工程と、を備える、合成ガスの製造方法。
[11] 有機化合物を含む廃棄物を熱分解して、可燃性ガスと未燃の炭化物とに分離する工程と、
前記可燃性ガスを燃焼させ、二酸化炭素を主とする不燃性ガスを生成する工程と、
前記炭化物と前記不燃性ガスを反応させ、一酸化炭素を主とする合成ガスを生成する工程と、
前記合成ガスを、金属触媒又は微生物触媒と接触させ、有機物質を製造する工程と、を含む、有機物質の製造方法。
本発明によれば、熱分解炉によって、廃棄物から、可燃性ガスと未燃の炭化物とが得られる。炭化物から分離された可燃性ガスを燃焼炉で燃焼することで、効率的に不純物を除去し、二酸化炭素を主とする不燃性ガスが生成される。そして、この不燃ガスと炭化物を改質炉で反応させることで、不純物の少ない高純度の一酸化炭素ガスを製造することができる。
更に不燃性ガスを二酸化炭素精製装置を経て精製した後に、改質炉で反応させることで、100%に近い純一酸化炭素ガスを製造することができる。
図1は、本発明の一実施の形態を説明するための図であって、有機物質製造装置の概略構成を模式的に示す図である。 図2は、図1の有機物質製造装置に含まれ得るガス化装置の概略構成を説明するための図である。 図3は、図2のガス化装置に含まれ得る熱分解炉の一具体例を示す斜視図である。 図4は、図3の熱分解炉を示す横断面図である。 図5は、図3の熱分解炉の要部を説明するための斜視図である。 図6は、図2のガス化装置に含まれ得る二酸化炭素分離装置の一具体例を示す図である。 図7は、図2のガス化装置に含まれ得る改質炉の一具体例を示す斜視図である。 図8は、図7の改質炉の要部を示す縦断面図である。 図9Aは、図7の改質炉の作用を説明するための図である。 図9Bは、図7の改質炉の作用を説明するための図である。 図10は、図2のガス化装置を用いた合成ガスの製造方法を説明するための図である。
以下、図面を参照して本発明の一実施の形態について説明する。なお、本件明細書に添付する図面においては、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺および縦横の寸法比等を、実物のそれらから変更し誇張してある。
本発明において、「主とする」、「主成分とする」とは複数の構成成分中、当該成分が体積換算で最も多く含まれることを意味し、好ましくは50%を超えて含まれるものである。
例えば、窒素40体積%、一酸化炭素35体積%、二酸化炭素25体積%の組成のガスは、窒素を主とするガスと表現される。
<<<本実施の形態の概要>>>
図1に示すように、有機物質製造装置10は、廃棄物wを原料として合成ガスsgを製造するガス化装置20と、合成ガスsgを原料として有機物質omを製造する反応装置80と、を有している。ガス化装置20は、炭化水素を含む廃棄物wをガス化して一酸化炭素を主とする合成ガスsgを生成する。反応装置80は、微生物発酵により、合成ガスsgから有機物質omを生成する。
以下に説明する一実施の形態において、ガス化装置20には、微生物発酵に適した不純物が少なく一酸化炭素濃度が極めて高い合成ガスの安定的な供給を可能とするための工夫がなされている。具体的には、ガス化装置20は、主たる構成要素として、熱分解炉30、燃焼炉40及び改質炉60を有している。熱分解炉30は、廃棄物wを、未燃の炭化物Cと、水素を含む可燃性ガスcgと、に分離する。燃焼炉40は、可燃性ガスcgを燃焼させ、二酸化炭素を主とする不燃性ガスigを生成する。そして、改質炉60は、炭化物Cと不燃性ガスigとを反応させることで、合成ガスsgを生成する。
また、本発明における上記各用語の定義は以下の通りである。
本発明における有機化合物を含む廃棄物とは、炭素元素及び水素元素を含み、処分が意図され又は法令によって処分が義務付けられている物質を意味する。例えばプラスチック廃棄物、生ゴミ、布団や紙等の家庭ごみが混在する家庭ごみ;廃棄タイヤ、プラスチック廃棄物、食品廃棄物、建築廃材等の産業廃棄物;間伐材等の緑地残材;バガス、稲藁、麦藁、籾殻等の農業廃棄物等が挙げられ、天然資源の使用量を減少させ、資源循環型社会形成という社会的な目標の観点から、家庭ごみ、産業廃棄物を含む都市廃棄物(MSW)が好ましく、発生量が多く埋立処分地を圧迫している家庭ゴミを炭素源とすることが最も好ましい。
本発明における合成ガスとは、一酸化炭素を主とするガスを意味する。一酸化炭素以外の残部には、窒素、酸素、二酸化炭素等が含まれていてもよいが、後段の有機物質製造装置との関係で、一酸化炭素濃度は50体積%以上が好ましく、70体積%以上がより好ましく、90体積%以上が更に好ましい。
本発明における可燃性ガスとは、一酸化炭素、水素、メタンの少なくとも何れか1種を含むガスを意味する。燃焼条件、燃焼時の熱量の観点から、ガス組成に対して一酸化炭素、水素、メタンの和が通常10%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは50%以上、更に好ましくは70%以上である。中でも二酸化炭素が30体積%以下のガスや、水素を主とするガスが好ましい。
本発明における不燃性ガスとは二酸化炭素を含むガスを意味する。後段の改質工程の効率から、通常二酸化炭素を主とするガスであり、二酸化炭素が30体積%を超えるガスが好ましく、50体積%以上がより好ましく、70体積%以上が更に好ましい。
本発明における未燃の炭化物とは、有機化合物を含む廃棄物を不完全燃焼させた際に生じる未燃炭素を含む物質を意味する。これらは灰分と未燃炭素を含むチャーも含まれる。
従来の有機物質製造装置では、一酸化炭素と水素及び各種不純物を含む原料ガスから微生物発酵により有機物質を生成していいた。しかしながら、従来の原料ガスを用いた場合、不純物含有量やガス組成の面で、微生物の培養や発酵に適していたとは言えず、複数のガス前処理設備を導入しないことには、有機物質を効率的に生成することができなかった。一方、以下に説明する一実施の形態では、一酸化炭素、水素、メタンから選ばれる1種以上の可燃成分及びNOx等の窒素化合物、SOx等の硫黄化合物、ベンゼン、キシレン、タール等の芳香族化合物等の各種不純物を含み得るガス(可燃性ガスcg)を一度完全燃焼させることで、不純物を効果的に除去した二酸化炭素ガスを主とする不燃性ガスigを生成する。そして、この不燃性ガスigと炭化物Cとを反応させることで、不純物含有量やガス組成の面で微生物発酵に好適な合成ガスsgを生成することができる。
さらに、図面を参照して説明する一具体例では、ガス化装置20は、二酸化炭素吸脱着能を有し不燃性ガスigから二酸化炭素を分離する二酸化炭素分離精製装置50を、更に有している。二酸化炭素分離精製装置50での精製により、完全燃焼後の再合成によって、不燃性ガスigに微量ながら含まれ得る窒素分、硫黄分、各種金属成分や、その後の改質工程に不要な窒素ガスを、不燃性ガスigから分離除去することができる。この具体例によれば、不純物がさらに少なく、一酸化炭素濃度の高いクリーンな合成ガスsgを製造することができる。
<<<有機物質製造装置>>>
以下、図面を参照しながら、有機物質製造装置10及びガス化装置20の構成要素について順に説明していく。
<<ガス化装置>>
図1に示すように、有機物質製造装置10は、ガス化装置20、前処理装置75及び反応装置80を有している。このうち、まずガス化装置20について説明する。
<ガス化装置の全体構成>
上述したように、ガス化装置20は、熱分解炉30、燃焼炉40、二酸化炭素分離精製装置50及び改質炉60を有している。また、図2に示されたガス化装置20は、二酸化炭素分離精製装置50で不燃性ガスigから分離された不純物を処理する排ガス処理設備70及び煙突71を、更に有している。
図2に示すように、ガス化装置20は、熱分解炉30と改質炉60とを連結する第1搬送経路21と、熱分解炉30と燃焼炉40とを連結する第2搬送経路22と、燃焼炉40から二酸化炭素分離精製装置50へ向けた不燃性ガスigの搬送通路となる第3搬送経路23と、二酸化炭素分離精製装置50と改質炉60とを連結する第4搬送経路24と、二酸化炭素分離精製装置50と排ガス処理設備70及び煙突71とを連結する第5搬送経路25と、を有している。
第1搬送経路21は、熱分解炉30から改質炉60へ向けた炭化物Cの搬送通路を形成する。第2搬送経路22は、熱分解炉30から燃焼炉40へ向けた可燃性ガスcの搬送通路を形成する。第4搬送経路24は、二酸化炭素分離精製装置50から改質炉60へ向けた不燃性ガスigの搬送通路を形成する。第5搬送経路25は、二酸化炭素分離精製装置50から排ガス処理設備70及び煙突71へ向けた不純物等の搬送通路を形成する。
図示された例において、第3搬送経路23は、燃焼炉40と改質炉60とを連結する第3搬送経路第1部分23aと、改質炉60と熱分解炉30とを連結する第3搬送経路第2部分23bと、熱分解炉30と二酸化炭素分離精製装置50とを連結する第3搬送経路第3部分23cと、二酸化炭素分離精製装置50の異なる部分間を連結する第3搬送経路第4部分23dと、を含んでいる。
さらに、図2に示すように、有機物質製造装置10は、ガス化装置20への廃棄物wの搬入経路11と、ガス化装置20から前処理装置75及び反応装置80への合成ガスsgの供給経路12と、を有している。
有機物質製造装置10及びガス化装置20に含まれる搬入経路、供給経路および搬送経路は、ダクトや配管類等から適宜構成され得る。
<熱分解炉>
以下、ガス化装置20の各構成要素について順に説明する。最初に、図2~図5を参照して、熱分解炉30について説明する。上述したように、熱分解炉30は、廃棄物を、水素を含む可燃性ガスと未燃の炭化物とに分離する。
熱分解炉30は、廃棄物wを燃焼させる炉である。ただし、後述の燃焼炉40とは異なり、熱分解炉30は、完全燃焼ではなく不完全燃焼により、廃棄物wを燃焼させる。熱分解炉30での燃焼は、不完全燃焼を促進するため、減圧環境下や、酸素濃度が低下した環境下で実施されることが好ましい。
熱分解炉30の構成は特に限定されるものではなく、例えば、シャフト炉、キルン炉、流動床炉、ガス化改質炉等として、熱分解炉30を構成することができる。熱分解炉30は、廃棄物を部分燃焼させることにより、高い炉床負荷、優れた運転操作性が可能となるため、流動層炉式であることが好ましい。廃棄物wを比較的に低温かつ低酸素雰囲気の流動床炉中でガス化することで、廃棄物wを炭化物Cと可燃性ガスcgとに分解する。炭化物Cは、炭素分を多く含み、典型的にはチャー、タールと呼ばれる固相の物質として得られる。可燃性ガスcgは、一例として、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン等を含む。流動床炉によれば、廃棄物wに含まれる不燃物が炉底から、衛生的でかつ酸化度の低い状態で分離され得る。例えば、不燃物中の鉄やアルミニウム等といった有価物を選択回収することが可能である。従って、このような廃棄物のガス化は、効率の良い資源リサイクルが可能である。
図2に示された例において、熱分解炉30は、搬入経路11と接続して、搬入経路11から廃棄物wを受け入れる。搬入経路11上には、搬入経路11を開閉する開閉弁として、弁11vが設けられている。また、熱分解炉30は、第1搬送経路21及び第2搬送経路22と接続している。第1搬送経路21及び第2搬送経路22上には、各搬送経路を開閉する開閉弁として、弁21xv及び弁22vがそれぞれ設けられている。
また、第1搬送経路21は、搬送手段28に接続している。搬送手段28は、第1搬送経路21内で炭化物Cを熱分解炉30から改質炉60へ向けて移動させる。搬送手段28は、特に限定されることなく種々の搬送手段により構成され得る。一例として、ポンプ等の圧送手段によって搬送手段28を構成することができる。搬送手段28が真空ポンプにより構成されている場合、熱分解炉30の炉内を負圧に保つこと、低酸素状態に保つことが可能となり、熱分解炉30での不完全燃焼を促進することができる。なお、真空ポンプとしての搬送手段28による炭化物Cを真空搬送(空気搬送)は、搬入経路11上の弁11v及び第2搬送経路22上の弁22vを閉鎖し且つ第1搬送経路21上の弁21xvを開いた状態で、実施され得る。
ここで、図3~図5に示された熱分解炉30の具体例について説明する。図示された熱分解炉30は、図3に示すように、廃棄物wの熱分解を行う分解チャンバー部30Cに加え、ホッパー部30H及びフィルター部30Fを有している。ホッパー部30Hは、分解チャンバー部30Cの下方に位置している。ホッパー部30Hは、分解チャンバー部30Cでの熱分解によって得られた炭化物Cを、炭化物搬出口31bに集めるホッパーとして機能する。フィルター部30Fは、分解チャンバー部30Cの上方に位置している。フィルター部30Fは、分解チャンバー部30Cでの熱分解によって得られた可燃性ガスcgを濾過する。濾過された可燃性ガスcgは、ガス搬出口31cを経て第2搬送経路22に向かう。
図示された熱分解炉30は、筐体31を有している。筐体31は、搬入経路11と接続した搬入口31a(図4参照)、第1搬送経路21と接続した炭化物搬出口31b(図3参照)及び第2搬送経路22と接続したガス搬出口31c(図3参照)を有している。図3に示すように、筐体31内は、中央に位置する分解チャンバー部30Cと、下方に位置するホッパー部30Hと、上方に位置するフィルター部30Fと、に区分けされる。図3に示すように、炭化物搬出口31bは、筐体31の下方、とりわけ下端部に設けられている。ガス搬出口31cは、筐体31の上方、とりわけ上端部に設けられている。搬入口31aは、筐体31の鉛直方向における中央部に設けられている。
分解チャンバー部30Cには、その周囲から廃棄物wから搬入されるようになっていることが好ましい。分解チャンバー部30Cでの熱分解を均一化するためである。廃棄物wの均一な搬入により、熱分解炉30の炉内温度を過度に上昇させる必要がなくなり、不完全燃焼による熱分解を安定して実現することが可能となる。
ここで、図4は、図3のIV-IV線に沿った断面図である。図4に示された例において、分解チャンバー部30Cには、その周囲から廃棄物wから搬入されるようになっている。より具体的には、熱分解炉30の分解チャンバー部30Cに、廃棄物wは四方から搬入されるようになっている。これにより、分解チャンバー部30C内において、廃棄物wの配置が均一化される。なお、図示された例では、分解チャンバー部30Cが四角柱状の処理空間を有している。当該処理空間を区画する四つの側面に、それぞれ搬入口31aが形成されている。各搬入口31aに、別個の搬入経路11が接続している。
なお、搬入経路11から熱分解炉30へ廃棄物wの搬入は、真空搬送(空気搬送)で実現されることが好ましい。廃棄物wを真空搬送(空気搬送)することで、廃棄物wに起因した悪臭や害虫の発生を効果的に抑制することができる。また、廃棄物wの真空搬送に用いられる圧送手段が、熱分解炉30の筐体31内における負圧形成にも寄与することが好ましい。
図5に示すように、熱分解炉30は、筐体31内に配置された支持部32を有している。支持部32は、分解チャンバー部30Cに位置している。支持部32は、処理対象となる廃棄物wを支持する。すなわち、搬入経路11内を搬送されてきた廃棄物wは、支持部32上に供給される。支持部32は、多数の貫通孔32aを有している。廃棄物wの熱分解で得られた炭化物Cは、貫通孔32aを通過して、支持部32から落下する。支持部32から落下した炭化物Cは、ホッパー部30Hによって炭化物搬出口31b及び第1搬送経路21に誘導される。
図5に示された例において、支持部32は、互いから離間して配置された多数の棒状部材を有している。棒状部材は、優れた耐熱性と高い熱伝導性を有した材料、例えば金属材料によって形成される。支持部32として、例えば金属網を用いることができる。図5に示された支持部32は、格子状に配列された金属棒状部材を含む金属網によって構成されている。なお、支持部32が格子状に形成されている場合、貫通孔32aは、例えば、棒状部材の配列方孔に沿って存在していてもよい。
図5に示された熱分解炉30は、更に、加熱手段33を有している。加熱手段33を用いることで、熱分解炉30の炉内温度を上昇させることができる。加熱手段33は、支持部32の近傍に位置していることが好ましい。加熱手段33が支持部32の近傍に位置することで、支持部32上に支持された廃棄物wを効率的に昇温させて熱分解することができる。図示された例において、加熱手段33は、支持部32に接触している。更には、加熱手段33は、細長状に形成されて、支持部32の一部を構成している。
加熱手段33は、熱交換器34として構成されていてもよい。図5に示された熱分解炉30は、伝熱管35として構成された熱交換器34を有している。伝熱管35は、高い熱伝導性を有する材料で形成された管である。この例によれば、伝熱管35内を通過する高温ガスの熱によって、熱分解炉30の炉内温度を上昇させることができる。伝熱管35内を通過するガス温度は、上述した熱分解炉30の炉内温度の設定値以上であることが好ましく、例えば300℃以上とすることができる。
とりわけ図示された例では、図2に示すように、熱分解炉30は、燃焼炉40で生成された不燃性ガスigを利用した熱交換器34を有している。高温の不燃性ガスigが、伝熱管35内を通過することで、伝熱管35の温度が上昇し、熱分解炉30の炉内温度および廃棄物wの温度を上昇させることができる。その一方で、不燃性ガスigの温度は、二酸化炭素分離精製装置50での処理に適した温度へと降下する。
図5に示された熱分解炉30は、更に、支持部32を振動させる振動手段36を有している。図5に示された例において、二つの振動手段36が設けられている。各振動手段36は、支持部32と連結され、支持部32を互いに異なる方向に振動させる。振動手段36は、種々の装置を利用することができる。振動手段36は、熱分解炉30の筐体31外に配置された振動装置本体36aと、筐体31を貫通して振動装置本体36aを支持部32と連結する連結具36bと、を有するようにしてもよい。
次に、フィルター部30Fについて説明する。フィルター部30Fは、分解チャンバー部30Cで得られた可燃性ガスcgが通過するフィルターとして機能する。フィルター部30Fは、分解チャンバー部30Cの上方に位置している。加熱された可燃性ガスcgは、上昇流に起因して、フィルター部30Fを通過する。可燃性ガスcgは、フィルター部30Fを通過する際に濾過される。フィルター部30Fを設けることによって可燃性ガスcgと炭化物Cとを安定して分離することができる。また、フィルター部30Fは、炭化物Cだけでなく、可燃性ガスcgに含まれた金属粉等の異物を分離するようにしてもよいし、さらには、最終的な合成ガスsgの生成に寄与しない成分を除去する機能を有するようにしてもよい。一例として、フィルター部30Fが、硫黄化合物を除去するための触媒や、窒素化合物を除去するための触媒を担持していてもよい。
図3に示された例において、フィルター部30Fは、多数の筒状フィルター37を有している。可燃性ガスcgは、いずれかの筒状フィルター37を通過することにより、筐体31内においてガス搬出口31cに到達することができる。一例として、筒状フィルター37として、多孔質フィルター、具体的にはセラミックフィルターを用いることができる。多孔質フィルターの孔径は、炭化物Cの安定分離の観点から、例えば、0.5μm以下が好ましく、0.003μm以下がより好ましい。
次に、燃焼炉40について説明する。燃焼炉40は、熱分解炉30で生成された可燃性ガスcgを燃焼させる炉である。ただし、熱分解炉30とは異なり、燃焼炉40は、不完全燃焼ではなく完全燃焼により、可燃性ガスcgを燃焼させる。燃焼炉40での燃焼は、完全燃焼を促進するため、空気を供給しながら実施されることが好ましい。熱分解炉30での燃焼により、可燃性ガスcgから不燃性ガスigが生成される。燃焼炉40での燃焼により、可燃性ガスcg中の水素、一酸化炭素、メタン等は、燃焼酸化する。結果として、不燃性ガスigは、主として二酸化炭素を含むようになる。熱分解炉30と同様に、種々の型式の炉を、燃焼炉40として用いることができる。
燃焼炉40で可燃性ガスcgを燃焼させる際の炉内温度は、燃焼を促進する観点から、600℃以上であることが好ましく、800℃以上であることがより好ましく1000℃以上であることがさらに好ましい。
ところで、燃焼炉40で生成された不燃性ガスigは、例えば1100℃以上と、非常に高温となる。一方、図示された例において、不燃性ガスigは、改質炉60での反応に先立って二酸化炭素分離精製装置50で不純物除去処理を実施される。そして、二酸化炭素分離精製装置50での処理温度が低いことから、不燃性ガスigの熱を利用することが好ましい。
図2に示された例において、燃焼炉40で生成された不燃性ガスigは、燃焼炉40から第3搬送経路23へと進む。第3搬送経路23は、燃焼炉40を二酸化炭素分離精製装置50へ直接を連結するのではなく、改質炉60に設置された熱交換器64、熱分解炉30に設置された熱交換器34、及び、二酸化炭素分離精製装置50に設置された熱交換器54を経て、二酸化炭素分離精製装置50へ連結する。このような構成によれば、燃焼炉40から搬出される不燃性ガスigは、複数の熱交換器64,34,54で熱を奪われ、二酸化炭素分離精製装置50での処理に適した温度まで冷却される。
なお、図示は省略するが、第3搬送経路23は、各熱交換器64,34,54をバイパスするバイパス搬送経路を有している。また、各搬送経路上の熱交換器64,34,54の直前となる位置に三方弁が設けられ、不燃性ガスigの流路をバイパス搬送経路と熱交換器64,34,54との間で選択することができるようになっている。
ただし、図2に示された例に限られず、燃焼炉40で生成された不燃性ガスigの熱を、例えば蒸気ボイラ、蒸気タービン等を含む発電設備で電力に変換してもよい。この場合、発電された電力を、ガス化装置20や有機物質製造装置10で必要とされる電力として使用してもよい。
次に、二酸化炭素分離精製装置50について説明する。二酸化炭素分離精製装置50は、二酸化炭素吸脱着能を有し、不燃性ガスigから不純物を除去する。二酸化炭素分離精製装置50は、改質炉60での反応に先立ち、不燃性ガスigを精製して、二酸化炭素の濃度を高める。二酸化炭素分離精製装置50として、種々に構成を採用することができ、二酸化炭素分離膜、二酸化炭素吸着材及び二酸化炭素吸収液のいずれか一以上を二酸化炭素分離精製装置50が有するようにしてもよい。例えば、二酸化炭素分離精製装置50として、低温分離方式(深冷方式)の分離装置、ゼオライト膜やデンドリマー膜を利用した膜分離方式の分離装置、ゼオライトやアミン修飾メソポーラスシリカ等を吸着剤とした圧力スイング吸着方式の分離装置(PSA)、アミン吸収液を吸収剤とした温度スイング吸着(吸収)方式の分離装置(TSA)、上記の材を組み合わせた圧力温度スイング吸着方式の分離装置(PTSA)を用いることができる。
ここで、図6を参照して二酸化炭素分離精製装置50の具体例について説明する。図示された二酸化炭素分離精製装置50は、二酸化炭素吸収液を保持する処理槽として機能する複数の処理部51を有している。より具体的には、二酸化炭素分離精製装置50は、第1処理部51A、第2処理部51B及び第3処理部51Cを有している。三つの処理部51A,51B,51Cの各々に、二酸化炭素吸収液が保持されている。第3搬送経路23の第3搬送経路第4部分23dが、三つの処理部51A,51B,51Cの各々に下方から接続している。第3搬送経路23は、二酸化炭素吸収液中に、不燃性ガスigを放出することができる。また、第4搬送経路24及び第5搬送経路25が、三つの処理部51A,51B,51Cの各々に上方から接続している。
第3搬送経路第4部分23dには、各処理部51A,51B,51Cに接続する位置に弁23vが設けられている。三つの弁23vの各々は、他の弁から独立して、第3搬送経路第4部分23dを開閉することができる。同様に、第4搬送経路24には、各処理部51A,51B,51Cに接続する位置に弁24xvが設けられている。三つの弁24xvの各々は、他の弁から独立して、第4搬送経路24を開閉することができる。第5搬送経路25には、各処理部51A,51B,51Cに接続する位置に弁25vが設けられている。三つの弁25vの各々は、他の弁から独立して、第5搬送経路25を開閉することができる。
また、三つの処理部51A,51B,51Cの各々に、加熱手段53が設けられている。加熱手段53は、各処理部51A,51B,51Cに保持された二酸化炭素吸収液を、他の処理部51A,51B,51Cに保持された二酸化炭素吸収液から独立して加熱することができる。なお、図2に示すように、二酸化炭素分離精製装置50は、熱交換器54を有している。この熱交換器54が、各処理部51A,51B,51Cに別個に設けられ、加熱手段53として機能する。この熱交換器54は、第3搬送経路第3部分23c及び第3搬送経路第4部分23dに接続している。すなわち、第3搬送経路第3部分23cから供給される不燃性ガスigは、熱交換器54での熱交換により、熱を奪われる。そして、熱を奪われて温度低下した不燃性ガスigが、第3搬送経路第4部分23dを介して、処理部51A,51B,51C内に供給される。一方、熱交換器54に奪われた熱は、処理部51A,51B,51C内の二酸化炭素吸収液に供給され、二酸化炭素吸収液を加熱する。
さらに、三つの処理部51A,51B,51Cの各々に、冷却手段55が設けられている。冷却手段55は、各処理部51A,51B,51Cに保持された二酸化炭素吸収液を、他の処理部51A,51B,51Cに保持された二酸化炭素吸収液から独立して冷却することができる。
図6に示された二酸化炭素分離精製装置50では、加熱手段53での加熱により、処理部51内に保持された二酸化炭素吸収液を、二酸化炭素の吸着に適した温度まで加熱することができる。また、冷却手段55での冷却により、二酸化炭素を吸着した二酸化炭素吸収液を、二酸化炭素の脱着に適した温度まで冷却することができる。二酸化炭素分離精製装置50が複数の処理部51を有していることから、一つの処理部51内の二酸化炭素吸収液の温度を二酸化炭素の吸着に適した温度に加熱するとともに、他の一つの処理部51内の二酸化炭素吸収液の温度を二酸化炭素の脱着に適した温度に冷却することができる。すなわち、複数の処理部51内において、並行して、異なる処理を行うことができる。
図6に示された例において、第1処理部51Aでは二酸化炭素の吸着を行っており、第2処理部51Bでは二酸化炭素の脱着を行っており、第3処理部51Cでは冷却手段55を用いて二酸化炭素吸収液の温度調整を行っている。図6に示された状態において、第3搬送経路23内を流れる不燃性ガスigは、第1処理部51Aだけに流入し、第2処理部51B及び第3処理部51Cには流入しない。二酸化炭素の吸着を行う第1処理部51Aにおいて、二酸化炭素吸収液に吸着されなかった不燃性ガスig中の成分は、第5搬送経路25に流入する。一方、二酸化炭素の脱着を行う第2処理部51Bにおいて、二酸化炭素吸収液から脱着した二酸化炭素は、第4搬送経路24に流入する。このように、三つの処理部51A,51B,51Cが、二酸化炭素の吸着、脱着、準備のいずれかに割り当てられ、二酸化炭素分離精製装置50全体として、第3搬送経路23から搬送される不燃性ガスigを連続的に精製することができる。
なお、二酸化炭素分離精製装置50から冷却手段55を省いて、自然冷却で二酸化炭素吸収液を冷却するようにしてもよい。また、第3搬送経路23に加熱手段や冷却手段を設け、処理部51内に搬送される不燃性ガスigの温度を調整するようにしてもよい。
次に、改質炉60について説明する。改質炉60は、炭化物Cと不燃性ガスigを反応させる反応装置であり、一酸化炭素を主とする合成ガスsgを生成する。図示された例において、改質炉60は、二酸化炭素分離精製装置50で二酸化炭素精製された不燃性ガスigを原料として、合成ガスsgを生成する。改質炉60として、特に制限されることなく、固相と気相とを反応させる種々の型式の反応装置を用いることができる。
ここで、図2、図7~図9Bを参照して、改質炉60の具体例について説明する。図示された改質炉60は、筐体61と、筐体61内に収容された反応器62と、を有している。
図2に示すように、改質炉60は、第1搬送経路21及び第4搬送経路24に接続している。炭化物Cが、第1搬送経路21を介して筐体61内に搬送される。不燃性ガスigが第4搬送経路24を介して筐体61内に搬送される。第1搬送経路21及び第4搬送経路24には、それぞれ、弁21yv又は弁24yvが設けられている。弁21yvが第1搬送経路21を閉鎖することで、炭化物Cの改質炉60への搬送を停止することができる。同様に、弁24yvが第4搬送経路24を閉鎖することで、不燃性ガスigの改質炉60への搬送を停止することができる。
また、改質炉60は、供給経路12と接続している。供給経路12には、弁12vが設けられている。弁12vによって供給経路12を開放することで、改質炉60で製造した合成ガスsgを、供給経路12を介して、前処理装置75及び反応装置80へと搬送することができる。一方、弁12vによって、供給経路12を閉鎖することもできる。さらに、供給経路12は、供給手段73に接続している。供給手段73は、改質炉60から供給経路12内に合成ガスsgを引き込み、さらに、供給経路12内で合成ガスsgを前処理装置75及び反応装置80に向けて移送する。供給手段73は、特に限定されることなく種々の手段により構成され得る。一例として、ポンプ等の圧送手段によって供給手段73を構成することができる。
図7に示すように、筐体61内には複数の反応器62が設けられている。とりわけ図示された例において、改質炉60は、複数の管型反応器62を有している。図8、図9A及び図9Bに示すように、管型反応器62は、筒状の本体部62aと、本体部62a内に設けられた保持部62bと、を有している。この管型反応器62では、保持部62bによって保持された炭化物Cと、筒状の本体部62aに一方の開口から導入される不燃性ガスigが、本体部62a内において反応するようになっている。
本体部62aは、耐熱性を有した材料、例えば金属で形成された部材である。図7~図9Bに示すように、本体部62aは、その軸線方向が鉛直方向に沿うようにして、筐体61内に支持される。言い換えると、本体部62aの両端開口の一方は、鉛直方向上方に向けて開口し、本体部62aの両端開口の他方は、鉛直方向下方に向けて開口している。第1搬送経路21は、本体部62aに上端開口から接続し、管型反応器62に炭化物Cを上方から供給する。第4搬送経路24は、本体部62aに下端開口から接続し、管型反応器62に不燃性ガスigを下方から供給する。供給経路12は、本体部62aに上端開口から接続し、管型反応器62で製造された合成ガスsgは、管型反応器62から上方に進んで供給経路12内に流入する。
保持部62bは、炭化物Cを保持することができる種々の構成を採用することができる。例えば、多孔質材、網状物、フィルター材等を、保持部62bとして利用することができる。多孔質材や網状物の穴の大きさは、炭化物Cの抜け落ちを防止して炭化物Cを保持し得る大きさに設定される。また、保持部62bは、有機物質omの製造に寄与しない成分を除去する濾過機能を有するようにしてもよい。さらに、保持部62bは、特定の成分、例えば、硫黄化合物を除去するための触媒や、窒素化合物を除去するための触媒を担持していてもよい。その一方で、管型反応器62から保持部62bを省いて、保持部62bの内面に炭化物Cを保持するようにしてもよい。
また、図8に示すように、改質炉60は、加熱手段63を更に有している。加熱手段63は、改質炉60の炉内温度を合成ガスsgの製造に適した温度に加熱する。なお、図2に示すように、改質炉60は、熱交換器64を有している。この熱交換器64が、加熱手段63として機能する。熱交換器64は、第3搬送経路第1部分23a及び第3搬送経路第2部分23bに接続した伝熱管65として構成されている。すなわち、第3搬送経路第1部分23aから供給される不燃性ガスigは、熱交換器64での熱交換により、熱を奪われる。奪われた熱が、改質炉60の炉内雰囲気の加熱に使用される。熱を奪われて温度低下した不燃性ガスigは、第3搬送経路第2部分23bを介して熱分解炉30の熱交換器34に搬送される。
とりわけ図示された例において、熱交換器64をなす伝熱管65は、管型反応器62の筒状本体部62aを貫通して延びている。そして、伝熱管65は、本体部62a内において螺旋状の経路に沿って配置されている。したがって、本体部62a内における伝熱管65の全長を長くすることができ、効率的な熱交換を実現することができる。
次に、排ガス処理設備70及び煙突71について説明する。排ガス処理設備70及び煙突71は、第5搬送経路25を介して、二酸化炭素分離精製装置50に接続している。排ガス処理設備70は、二酸化炭素分離精製装置50の二酸化炭素吸収液に吸着されなかった不燃性ガスig中の成分、すなわち排ガスの無害化処理を行う。より具体的には、排ガス処理設備70は、排ガスに対して、脱硫、脱塩、冷却、減湿などの処理を行う。処理された排ガスは、煙突71を介して、大気放出される。
ここで、図2及び図10を参照して、ガス化装置20を用いて合成ガスsgを製造する方法について更に説明する。
まず、合成ガスsg製造の原料となる廃棄物wが、搬入経路11を介して、熱分解炉30に供給される。この廃棄物wとして、既に説明したように、一般廃棄物や産業廃棄物等の種々の廃棄物を利用することができる。より詳しくは、原料となる廃棄物wとして、プラスチック廃棄物、生ゴミ、都市廃棄物(MSW)、廃棄タイヤ、バイオマス廃棄物、布団や紙等の家庭ごみ、建築部材等の廃棄物等が挙げられる。
廃棄物wの熱分解炉30への搬送は、真空搬送(空気搬送)であることが、害虫や悪臭の発生を防止する観点から好ましい。図2に示されたガス化装置20では、廃棄物wの熱分解炉30への搬送中、搬入経路11上の弁11vを開放し、その一方で、第1搬送経路21上の弁21xv及び第2搬送経路22上の弁22vを閉鎖して実施する。
また、図4に示された例のように、一方向のみからでなく、周囲の各方向から、廃棄物wが熱分解炉30の筐体31内に搬送されることが好ましい。このような搬送により、筐体31内における廃棄物wの配置ばらつきを抑制して、廃棄物wを熱分解炉30で均一に処理することができる。図4に示された例において、筐体31の周囲となる四方向から、廃棄物wが筐体31内に持ち込まれている。
次に、熱分解炉30で、廃棄物wを不完全燃焼させる。廃棄物wの不完全燃焼により、廃棄物wから炭化物Cと可燃性ガスcgとを生成する。熱分解炉30の筐体31内部は、熱分解処理中、減圧されていることが好ましい。筐体31内を減圧することで、廃棄物wの熱分解を促進することができる。また、炭化物Cと可燃性ガスcgを安定して生成する観点から、筐体31における酸素濃度を低下させた状態で、熱分解を行うことが好ましい。
熱分解炉30で廃棄物wを燃焼させる際の炉内温度は、燃焼によるガス生成を効率的に実現する観点から、400℃以上であることが好ましく、600℃以上であることがより好ましく900℃以上であることがさらに好ましい。
図3~図5に示された熱分解炉30において、廃棄物wは、網状の支持部32上に支持された状態で、熱分解される。この熱分解処理によって、固体の炭化物Cと、一酸化炭素、二酸化炭素、水素、メタン等を含む可燃性ガスcgが生成される。図示された例において、熱分解炉30の炉内温度の調整は、加熱手段33を用いて実施される。熱分解炉30は、加熱手段33として、熱交換器34(伝熱管35)を有しており、ガス化装置20からの廃熱の有効利用を可能としている。
熱分解により生じた高温の可燃性ガスcgは、固体の炭化物Cから分離して、筐体31内を上昇する。可燃性ガスcgは、筐体31内のフィルター部30Fに設置された筒状フィルター37を通過する。このとき、可燃性ガスcg中に混入した炭化物Cやその他の異物等は、筒状フィルター37によって捕集される。捕集された炭化物や異物等の多くは、支持部32上へと落下する。この熱分解処理は、例えば、搬入経路11上の弁11v及び第1搬送経路21上の弁21xvを閉鎖し、その一方で、第2搬送経路22上の弁22vを開放して実施する。このため、筒状フィルター37を通過した可燃性ガスcgは、筐体31内を更に上昇して、ガス搬出口31cから第2搬送経路22へ流入する。
一方、炭化物Cは、固相の物質であり、支持部32上に生成され、最終的に貫通孔32aを通過して支持部32から落下する。支持部32から落下した炭化物Cは、ホッパー部30Hで更に炭化物搬出口31bに集められる。とりわけ図示された熱分解炉30では、振動手段36の駆動によって、支持部32が振動する。また、支持部32が網状に形成されて多数の貫通孔32aを有している。これらにより、炭化物Cのホッパー部30Hへの炭化物Cの回収が効果的に促進される。収集された炭化物Cは、炭化物搬出口31bを通過して第1搬送経路21に流入する。炭化物Cは、第1搬送経路21を通過して改質炉60まで搬送される。第1搬送経路21上に設けられた弁21xvは、例えば、分解チャンバー部30Cでの熱分解バッチ処理が終了するたびに開放されるようにしてもよい。
熱分解炉30で生成された可燃性ガスcgは、第2搬送経路22を通過して、燃焼炉40に搬送される。燃焼炉40において、可燃性ガスcgが完全燃焼し、不燃性ガスigが得られる。不燃性ガスigは、主として、二酸化炭素を含むようになる。
図2に示されたガス化装置20では、高温の不燃性ガスigは、燃焼炉40から第3搬送経路第1部分23a内を流れて、改質炉60の熱交換器64に流入する。不燃性ガスigの温度は、燃焼炉40から第3搬送経路第1部分23aに流入した際に、例えば600℃以上1000℃以下となっており、改質炉60の熱交換器64で熱を奪われた後に、例えば400℃以上800℃以下となる。その後、不燃性ガスigは、改質炉60から第3搬送経路第2部分23b内を流れて、熱分解炉30の熱交換器34に流入する。不燃性ガスigの温度は、熱分解炉30の熱交換器64で熱を奪われた後に、例えば200℃以上600℃以下となる。次に、不燃性ガスigは、熱分解炉30から第3搬送経路第3部分23c内を流れて、二酸化炭素分離精製装置50の熱交換器54に流入する。不燃性ガスigの温度は、二酸化炭素分離精製装置50の熱交換器54で熱を奪われた後に、例えば50℃以上300℃以下となる。その後、不燃性ガスigは、二酸化炭素分離精製装置50の熱交換器54から第3搬送経路第4部分23d内を流れて、二酸化炭素分離精製装置50の処理部51に流入する。処理部51に流入した不燃性ガスigの温度は、処理部51での処理に適した温度域まで低下している。
二酸化炭素分離精製装置50に流入した不燃性ガスigは、二酸化炭素精製により不純物を除去される。不純物は、第5搬送経路25を介して、排ガス処理設備70で排ガス処理を行われ、煙突71から大気開放される。一方、二酸化炭素精製された不燃性ガスigは、第4搬送経路24を介して改質炉60に流入する。
図6に示された二酸化炭素分離精製装置50は、三つの処理部51A,51B,51Cを含んでいる。三つの処理部51A,51B,51Cは、それぞれ、二酸化炭素吸脱着能を有した二酸化炭素吸収液を保持している。図6に示された例において、第1処理部51Aでは二酸化炭素の吸着を行っており、第2処理部51Bでは二酸化炭素の脱着を行っており、第3処理部51Cでは冷却手段55を用いて二酸化炭素吸収液の温度調整を行っている。ここで、図6に示された各処理部での処理について説明する。
第1処理部51Aでは、二酸化炭素の吸着が行われている。第1処理部51Aに通じる第3搬送経路23上の弁23vは開放され、第1処理部51Aに保持された二酸化炭素吸収液内に不燃性ガスigが導入されている。不燃性ガスig中の二酸化炭素は、二酸化炭素吸収液に吸収される。一方、不燃性ガスig中の二酸化炭素以外の不純物、例えば硫黄化合物や窒素化合物は、二酸化炭素吸収液を通過する。第1処理部51Aに通じる第5搬送経路25上の弁25vが開放されており二酸化炭素吸収液を通過した不純物は、第5搬送経路25へと流れ込む。第1処理部51Aに通じる第4搬送経路24上の弁24xvは閉鎖している。したがって、不純物が、第4搬送経路24に流れ込むことはない。第1処理部51Aに保持された二酸化炭素吸収液は、加熱手段53による加熱や冷却手段55による冷却によって、二酸化炭素の吸着に適した温度に維持されている。
第2処理部51Bでは、二酸化炭素の脱着が行われている。加熱手段53によって、第2処理部51B内の二酸化炭素吸収液は加熱される。二酸化炭素吸収液の温度上昇にともない、二酸化炭素吸収液は、吸着していた二酸化炭素を脱着する。第2処理部51Bに通じる第3搬送経路23上の弁23v及び第5搬送経路25上の弁25vは、閉鎖されている。一方、第2処理部51Bに通じる第4搬送経路24上の弁24xvは開放されている。したがって、第3搬送経路23から新たな不燃性ガスigが、第2処理部51B内に流入することはない。そして、二酸化炭素精製された不燃性ガスigは、第4搬送経路24に流れ込み、改質炉60に搬送される。
なお、各処理部51の加熱手段53は、高温の不燃性ガスigの温度を利用する熱交換器54として構成されている。したがって、ガス化装置20からの廃熱の有効利用を可能としている。
第3処理部51Cでは、冷却手段55により、二酸化炭素吸収液が冷却されている。第3処理部51Cは、例えば脱着(放散)処理が終了した後の状態であり、次に実施される吸着処理に備えている。
一例として、二酸化炭素吸収液がアミン系吸収液である場合、二酸化炭素の吸収を行う際の二酸化炭素吸収液の液温を、例えば25℃以上50℃以下に保持することが好ましく、二酸化炭素の脱着(放散)を行う際の二酸化炭素吸収液の液温を、例えば110℃以上140℃以下に保持することが好ましい。また、二酸化炭素吸収液がアミン系吸収液である場合、第3搬送経路23を介して二酸化炭素分離精製装置50内に供給される不燃性ガスigの温度は、例えば50℃以上100℃以下となっていることが好ましい。
一方、二酸化炭素吸着材がゼオライトやアミン修飾メソポーラスシリカ等の固体吸着材である場合、二酸化炭素の吸着を行う際の吸着温度を、例えば20℃以上50℃以下に保持することが好ましく、二酸化炭素の脱着を行う際の脱着温度を、例えば180℃以上300℃以下に保持することが好ましい。また、二酸化炭素吸着材がゼオライトである場合、第3搬送経路23を介して二酸化炭素分離精製装置50内に供給される不燃性ガスigの温度は、例えば50℃以上100℃以下となっていることが好ましい。
次に、熱分解炉30で生成された炭化物Cと、二酸化炭素分離精製装置50で二酸化炭素精製された不燃性ガスigを原料として、改質炉60で合成ガスsgが生成される。改質炉60では、主として、炭化物Cと、二酸化炭素を主とする不燃性ガスigが、次の化学反応を行う。そして、改質炉60で製造される合成ガスsgは、一酸化炭素を主成分として含む。
C + CO → 2CO
改質炉60で合成ガスsgを生成する際の炉内温度は、800℃以上であることが好ましく、900℃以上であることがより好ましく1000℃以上であることがさらに好ましい。
図7~図9Bに示された改質炉60は、上述したように、複数の管型反応器62を有している。この管型反応器62では、まず、図9Aに示すように、炭化物Cが供給される。炭化物Cは、弁21xvが第1搬送経路21を開放した状態で、搬送手段28によって第1搬送経路21から改質炉60の管型反応器62内へと搬送される。なお、図9Aに示された例において、炭化物Cの供給時、弁24yvが第4搬送経路24を閉鎖し、弁12vが供給経路12を閉鎖している。図9Aに示すように、炭化物Cは、上方開口から管型反応器62内に供給される。管型反応器62は、その内部に保持部62bを有している。保持部62bは、例えば多孔質材やフィルター材からなり、固形物である炭化物Cを保持することができる。
次に、図9Bに示すように、弁24yvが第4搬送経路24を開放した状態で、不燃性ガスigが第4搬送経路24から改質炉60の管型反応器62内へと搬送される。図9Bに示された例において、不燃性ガスigの供給時、弁21yvが第1搬送経路21を閉鎖し、弁12vが供給経路12を開放している。図9Bに示すように、不燃性ガスigは、下方開口から管型反応器62内に供給され、管型反応器62内を上方に進む。そして、不燃性ガスigは、管型反応器62内に保持された炭化物Cと反応し、この化学反応によって、合成ガスsgが生成される。生成された合成ガスsgは、管型反応器62の上方開口から供給経路12へ流入する。
なお、図8に示すように、管型反応器62内には、加熱手段63として、熱交換器64を構成する伝熱管65が設けられている。伝熱管65は、管型反応器62を貫通して延びて、高温の不燃性ガスigは、管型反応器62の上側から下側へと流れることができる。したがって、より多くの炭化物Cが堆積しやすくなる管型反応器62内における上方領域で、不燃性ガスigがより高温に加熱されるようになり、管型反応器62での反応を効果的に促進することができる。
以上のように、合成ガスの製造方法は、炭化水素を含む廃棄物wを熱分解して水素を含む可燃性ガスcgと未燃の炭化物Cとに分離する工程と、可燃性ガスcgを燃焼させて二酸化炭素を主とする不燃性ガスigを生成する工程と、炭化物Cと不燃性ガスigを反応させて一酸化炭素を主とする合成ガスsgを生成する工程と、を有している。この製造方法によれば、一酸化炭素と水素及び各種不純物を含み得るガス(可燃性ガスcg)を一度完全燃焼させることで、不純物を効果的に除去した二酸化炭素ガスを主とする不燃性ガスigを生成する。そして、この不燃性ガスigと炭化物Cとを反応させることで、不純物含有量やガス組成の面で微生物発酵に好適な合成ガスsgを生成することができる。
<<ガス化装置以外の装置類の構成および処理>>
次に、以上に説明してきたガス化装置20とともに、有機物質製造装置10を構成する前処理装置75および反応装置80について説明する。
<前処理装置>
前処理装置75は、ガス化装置20で製造された合成ガスsgから様々な汚染物質、ばいじん粒子、不純物、好ましくない量の化合物等の特定の物質を除去ないし低減する装置である。前処理装置75は、例えば、スクラバー(水溶性不純物分離装置)、ガスチラー(水分分離装置)、サイクロン、バグフィルターのような微粒子(スス)分離装置、脱硫装置(硫化物分離装置)、低温分離方式(深冷方式)の分離装置、膜分離方式の分離装置、圧力スイング吸着方式の分離装置(PSA)、温度スイング吸着方式の分離装置(TSA)、圧力温度スイング吸着方式の分離装置(PTSA)、脱酸素装置、活性炭を用いた分離装置、銅触媒またはパラジウム触媒を用いた分離装置等のうちの1種または2種以上を用いて処理することができる。
スクラバーは、ガス中の汚染物質等を除去するために用いられ、その目的に応じて、湿式洗浄法または乾式洗浄法のいずれも用いることができる。このうち、粒子状の物質が洗浄液と接触することにより行われる湿式洗浄法を好適に用いることができ、一例として、いわゆるウォーターカーテンを用いた洗浄法を用いることができる。湿式洗浄法を使用した場合、洗浄液は、例えば、水、酸性溶液、アルカリ性溶液等が挙げられ、水であることが好ましい。また、洗浄液の液温は、通常40℃以下、好ましくは30℃以下、より好ましくは25℃以下、さらに好ましくは15℃以下である。
吸着装置は、原料ガス中の一酸化炭素および水素以外の成分を吸着する性能があればよく、吸着のみを目的とした設備としては、例えば、脱硫槽、脱酸素槽を挙げることができる。このうち、脱硫槽は、硫黄分を除去することができれば特に限定されることはない。脱硫槽で硫黄分を十分に除去ないし低減できず、硫黄分が多いままであると、後段で吸脱着装置が存在する際に、そこで悪影響を及ぼすおそれがある。また、脱酸素槽、酸素成分を除去することができれば特に限定されることはない。脱酸素槽で酸素成分を十分に除去ないし低減できず、酸素成分が多いままであると反応装置80において用いられる微生物、特に嫌気性微生物が死滅してしまうおそれがある。
また、前処理装置75として吸脱着装置を設けてもよく、その場合、PSA,TSA、PTSAのいずれも好適に用いることができる。さらに不要な不純物を除去するため、他の装置を任意に設けてもよい。吸脱着装置に用いる吸脱着材としては、活性炭、ゼオライト、モレキュラーシーブズ等の多孔質材や、アミン溶液等の水溶液を用いることが出来る。中でも、芳香族化合物および硫黄化合物を吸着出来る活性炭またはゼオライトが好ましく用いられる。なお、上記したように、原料ガス中の硫黄分が多いままであると、吸脱着材に悪影響を及ぼすおそれがあることから、吸脱着装置は脱硫槽の後に設けると良い。
<反応装置>
最後に、反応装置80について説明する。反応装置80は、合成ガスsgを微生物発酵又は金属触媒と接触させて有機物質omを製造する。合成ガスsgの微生物発酵又は金属触媒反応により得られる有機物質omとして、炭素数1~10のアルコール、炭素数1~8のジエン類、炭素数1~6のジオール類等を例示することができる。
反応装置80は、例えば、微生物(種)を含む発酵槽を有する。発酵槽は、微生物種の他に培地(培養液)を含んでもよい。ある種の嫌気性微生物は、発酵作用によって、合成ガス等の基質ガスから、エタノール等の有価物である有機物質を生成することが知られており、この種のガス資化性微生物は、液状の培地で培養される。例えば、培養液とガス資化性細菌とを供給して収容しておき、この状態で培養液を撹拌しつつ、発酵槽内に合成ガスsgを供給してもよい。これにより、培養液中でガス資化性細菌を培養して、その発酵作用により合成ガスsgから有機物質omを生成することができる。培養液は、主成分の水と、この水に溶解または分散された栄養分(例えば、ビタミン、リン酸等)とを含有する液体である。このような培養液の組成は、ガス資化性細菌が良好に成育し得るように調製される。
合成ガスsgを微生物発酵させる微生物(種)は、一酸化炭素を主たる原料として合成ガスsgを微生物発酵させることによって所望の有機物質omを製造できるものであれば、特に限定されない。例えば、微生物(種)は、ガス資化性細菌の発酵作用によって、合成ガスsgから有機物質omを生成するものであることが好ましい。ガス資化性細菌のなかでも、クロストリジウム(Clostridium)属がより好ましく、クロストリジウム・オートエタノゲナムが特に好ましいが、これに限定されるものではない。以下、さらに例示する。
ガス資化性細菌は、真性細菌および古細菌の双方を含む。真性細菌としては、例えば、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、ムーレラ(Moorella)属細菌、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属細菌、カルボキシドセラ(Carboxydocella)属細菌、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属細菌、ユーバクテリウム(Eubacterium)属細菌、ブチリバクテリウム(Butyribacterium)属細菌、オリゴトロファ(Oligotropha)属細菌、ブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)属細菌、好気性水素酸化細菌であるラルソトニア(Ralsotonia)属細菌等が挙げられる。
一方、古細菌としては、例えば、Methanobacterium属細菌、Methanobrevibacter属細菌、Methanocalculus属、Methanococcus属細菌、Methanosarcina属細菌、Methanosphaera属細菌、Methanothermobacter属細菌、Methanothrix属細菌、Methanoculleus属細菌、Methanofollis属細菌、Methanogenium属細菌、Methanospirillium属細菌、Methanosaeta属細菌、Thermococcus属細菌、Thermofilum属細菌、Arcaheoglobus属細菌等が挙げられる。これらの中でも、古細菌としては、Methanosarcina属細菌、Methanococcus属細菌、Methanothermobacter属細菌、Methanothrix属細菌、Thermococcus属細菌、Thermofilum属細菌、Archaeoglobus属細菌が好ましい。
さらに、一酸化炭素および二酸化炭素の資化性に優れることから、古細菌としては、Methanosarcina属細菌、Methanothermobactor属細菌、またはMethanococcus属細菌が好ましく、Methanosarcina属細菌、またはMethanococcus属細菌が特に好ましい。なお、Methanosarcina属細菌の具体例として、例えば、Methanosarcina barkeri、Methanosarcina mazei、Methanosarcina acetivorans等が挙げられる。
以上のようなガス資化性細菌の中から、目的とする有機物質の生成能の高い細菌が選択されて用いられる。例えば、エタノール生成能の高いガス資化性細菌としては、クロストリジウム・オートエタノゲナム(Clostridium autoethanogenum)、クロストリジウム・ユングダリイ(Clostridium ljungdahlii)、クロストリジウム・アセチクム(Clostridium aceticum)、クロストリジウム・カルボキシジボランス(Clostridium carboxidivorans)、ムーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermoacetica)、アセトバクテリウム・ウッディイ(Acetobacterium woodii)等が挙げられる。
上記した微生物(種)を培養する際に用いる培地は、菌に応じた適切な組成であれば特に限定されない。例えば、微生物にクロストリジウム属を用いる場合の培地は、国際公開2017-117309号パンフレットの「0091」や、米国特許出願公開2017/260552号の「0097」~「0098」等を参考にすることができる。
発酵槽は、連続発酵装置とすることが好ましい。一般に、微生物発酵槽は任意の形状のものを用いることができ、撹拌型、エアリフト型、気泡塔型、ループ型、オープンボンド型、フォトバイオ型が挙げられるが、本発明においては、発酵槽が、主槽部と還流部とを有する公知のループリアクターを好適に用いることができる。この場合、前記の液状の培地を、主槽部と還流部の間で循環させる循環工程をさらに備えるのが好ましい。
発酵槽内の圧力は、常圧であってもよいが、好ましくは10~300kPa(ゲージ圧)程度、より好ましくは20~200kPa(ゲージ圧)程度とすることができる。発酵槽内の圧力を上記範囲とすることにより、過剰圧力負荷による設備コストの増大を抑制しつつ、ガス資化性細菌の反応性をより高めることができる。
また、発酵槽において培地(培養液)を循環させる場合、その循環速度は、好ましくは0.1~10m/s程度、より好ましくは0.5~1m/s程度とすることができる。
発酵槽において、培地(培養液)の温度(培養温度)は、任意の温度を採用してよいが、好ましくは30~45℃程度、より好ましくは33~42℃程度、さらに好ましくは36.5~37.5℃程度とすることができる。また、培養時間は、好ましくは連続培養で12時間以上、より好ましくは7日以上、特に好ましくは30日以上、最も好ましくは60日以上であり、上限は特に設定されないが設備の定修等の観点から720日以下が好ましく、より好ましくは365日以下である。なお、培養期間とは、種菌を培養槽に添加してから、培養槽内の培養液を全量排出するまでの期間を意味するものとする。
また、反応装置に金属触媒を用いる場合は、合成ガスから目的の有機物質を得るために使用される公知の金属触媒が適用可能であり、例えば、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、オスミウム、イリジウム及び白金から選択される1種以上の白金族元素を含む金属触媒がCO転化率を高める観点から好ましい。
CO転化率をさらに高める観点から、合成触媒は、白金族元素以外の金属(任意触媒金属)として、次の水素化活性金属、助活性金属を含有していてもよい。
水素化活性金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム等のアルカリ金属;クロム、モリブデン等、周期表の第6族に属する元素;マンガン、レニウム等、周期表の第7族に属する元素;ルテニウム等、周期表の第8族に属する元素;コバルト等、周期表の第9族に属する元素(ただし、白金族元素を除く);ニッケル等、周期表の第10族に属する元素(ただし、白金族元素を除く)等が挙げられる。
これらの水素化活性金属は、1種単独で用いられてもよいし、2種以上が組み合わされて用いられてもよい。また、これらの水素化活性化金属の一部又は全部は、酸化又は硫化されていてもよい。
助活性金属としては、例えば、チタン、バナジウム、クロム、ホウ素、マグネシウム、ランタノイド及び周期表の第13族に属する元素から選択される1種以上が挙げられ、中でも、チタン、マグネシウム、バナジウムが好ましく、チタンがより好ましい。
合成触媒は、金属を担持する担体を有していてもよい。担体の種類は特に限定されず、従来の触媒に用いられている担体が適用可能であり、例えば、多孔質担体が好ましい。
多孔質担体の材質は、特に限定されず、例えば、シリカ、ジルコニア、チタニア、マグネシア、アルミナ、ゼオライト等が挙げられ、中でも、比表面積や細孔直径が異なる種々の製品が市場で調達できることから、シリカが好ましい。
多孔質担体の大きさとしては、例えば、粒子径0.5~5000μmが挙げられる。
多孔質担体の全細孔容積としては、例えば、0.01~1.0mL/gが挙げられる。
多孔質担体の平均細孔直径としては、例えば、0.01~20nmが挙げられる。
多孔質担体の比表面積としては、例えば、1~1000m2/gが挙げられる。
担体100質量部に対する白金族元素の担持量は、例えば、0.5質量部以上10質量部以下が挙げられる。
水素化活性金属の担持量は、例えば、白金族元素と水素化活性金属との合計が多孔質担
体100質量部に対して1~10質量部が挙げられる。
助活性金属の担持量は、例えば、担体100質量部に対して0.01~20質量部が挙
げられる。
図示された具体例を参照しながら一実施の形態を説明してきたが、これらの具体例が一実施の形態を限定することを意図していない。上述した一実施の形態は、その他の様々な具体例で実施されることが可能であり、その要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
10 有機物質製造装置
11 搬入経路
11v 弁
12 供給経路
20 ガス化装置
21 第1搬送経路
21xv 弁
21yv 弁
22 第2搬送経路
22v 弁
23 第3搬送経路
23a 第3搬送経路第1部分
23b 第3搬送経路第2部分
23c 第3搬送経路第3部分
23d 第3搬送経路第4部分
23v 弁
24 第4搬送経路
24xv 弁
24yv 弁
25 第5搬送経路
25v 弁
28 搬送手段
30 熱分解炉
30C 分解チャンバー部
30H ホッパー部
30F フィルター部
31 筐体
31a 搬入口
31b 炭化物搬出口
31c ガス搬出口
32 支持部
32a 貫通孔
33 加熱手段
34 熱交換器
35 伝熱管
36 振動手段
36a 振動装置本体
36b 連結具
37 筒状フィルター
40 燃焼炉
50 二酸化炭素分離精製装置
51 処理部
51A 第1処理部
51B 第2処理部
51C 第3処理部
53 加熱手段
54 熱交換器
55 冷却手段
60 改質炉
61 筐体
62 管型反応器
62a 本体部
62b 保持部
63 加熱手段
64 熱交換器
65 伝熱管
70 排ガス処理設備
71 煙突
73 供給手段
75 前処理装置
80 反応装置
w 廃棄物
C 炭化物
cg 可燃性ガス
ig 不燃性ガス
sg 合成ガス
om 有機物質

Claims (10)

  1. 有機化合物を含む廃棄物をガス化して一酸化炭素を主とする合成ガスを生成するためのガス化装置であって、
    廃棄物を、可燃性ガスと未燃の炭化物とに分離する熱分解炉と、
    前記可燃性ガスを燃焼させ、二酸化炭素を主とする不燃性ガスを生成する燃焼炉と、
    二酸化炭素吸脱着能を有し、前記不燃性ガスから、前記不燃性ガスより二酸化炭素濃度が高い精製された不燃性ガスを製造する二酸化炭素分離精製装置と、
    前記炭化物と精製された前記不燃性ガスを反応させ、一酸化炭素を主とする合成ガスを生成する改質炉と、を備え
    前記燃焼炉で生成された前記不燃性ガスは、前記改質炉に設けられた熱交換器にて放熱し、次に前記二酸化炭素分離精製装置に設けられた熱交換器にて放熱し、その後に前記二酸化炭素分離精製装置で精製される、ガス化装置。
  2. 前記熱分解炉の炉内温度が、400℃以上1300℃以下である、請求項1に記載のガス化装置。
  3. 前記改質炉の炉内温度が、600℃以上1200℃以下である、請求項1又は2に記載のガス化装置。
  4. 前記二酸化炭素分離精製装置が、二酸化炭素分離膜、二酸化炭素吸着材及び二酸化炭素吸収液のいずれかを備える、請求項1~3のいずれか一項に記載のガス化装置。
  5. 請求項1~4のいずれか一項に記載のガス化装置と、
    前記ガス化装置で生成した合成ガスを、金属触媒又は微生物触媒と接触させ、有機物質を製造する反応装置と、を備える、有機物質製造装置。
  6. 前記有機物質は、炭素数1~10のアルコール、炭素数1~8のジエン類、炭素数1~6のジオール類から選ばれる1種を含む、請求項に記載の有機物質製造装置。
  7. 前記有機物質はエタノールを含む、請求項に記載の有機物質製造装置。
  8. 前記微生物触媒はクロストリジウム属を含む、請求項5~7のいずれか一項に記載の有機物質製造装置。
  9. 有機化合物を含む廃棄物を熱分解して、可燃性ガスと未燃の炭化物とに分離する工程と、
    前記可燃性ガスを燃焼させ、二酸化炭素を主とする不燃性ガスを生成する工程と、
    前記不燃性ガスから、前記不燃性ガスより二酸化炭素濃度が高い精製された不燃性ガスを製造する工程と、
    前記炭化物と精製された前記不燃性ガスを反応させ、一酸化炭素を主とする合成ガスを生成する工程と、を備え
    生成された前記不燃性ガスは、合成ガスを生成する改質炉に設けられた熱交換器にて放熱し、次に前記不燃性ガスを精製する二酸化炭素分離精製装置に設けられた熱交換器にて放熱し、その後に前記二酸化炭素分離精製装置で精製される、合成ガスの製造方法。
  10. 有機化合物を含む廃棄物を熱分解して、可燃性ガスと未燃の炭化物とに分離する工程と、
    前記可燃性ガスを燃焼させ、二酸化炭素を主とする不燃性ガスを生成する工程と、
    前記不燃性ガスから、前記不燃性ガスより二酸化炭素濃度が高い精製された不燃性ガスを製造する工程と、
    前記炭化物と精製された前記不燃性ガスを反応させ、一酸化炭素を主とする合成ガスを生成する工程と、
    前記合成ガスを、金属触媒又は微生物触媒と接触させ、有機物質を製造する工程と、を含み、
    生成された前記不燃性ガスは、合成ガスを生成する改質炉に設けられた熱交換器にて放熱し、次に前記不燃性ガスを精製する二酸化炭素分離精製装置に設けられた熱交換器にて放熱し、その後に前記二酸化炭素分離精製装置で精製される、有機物質の製造方法。
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