JP2018102170A - 廃棄物処理システムおよびガス処理装置 - Google Patents

廃棄物処理システムおよびガス処理装置 Download PDF

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Tetsuya Ishii
徹哉 石井
周知 佐藤
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周知 佐藤
真介 渡辺
Shinsuke Watanabe
真介 渡辺
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Abstract

【課題】廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を有効利用することにより、処理に要するコストを削減し得る廃棄物処理システムおよびガス処理装置を提供する。【解決手段】本発明の廃棄物処理システム1は、水を含む廃棄物を乾燥する乾燥部2と、乾燥後の前記廃棄物を燃焼させて、ガスを生成するガス化炉3と、ガスから有機物質を生成するガス発酵器6と、有機物質を蒸留(濃縮)する蒸留器7と、廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を利用して、過熱蒸気を生成する熱交換器4と、を有し、熱交換器4で生成された過熱蒸気を使用して、乾燥部2において廃棄物を乾燥するとともに、廃棄物の乾燥に使用した後の過熱蒸気より温度の低い低温蒸気の熱を、ガス発酵器6および蒸留器7のうちの少なくとも一方において利用するように構成されている。【選択図】図1

Description

本発明は、廃棄物処理システムおよびガス処理装置に関する。
現在、廃棄物を焼却炉で焼却してガスを生成し、生成したガスを微生物発酵させることにより有機物質を製造することが検討されている(例えば、特許文献1参照)。なお、廃棄物は、通常、水(水分)を含んでいるため、焼却効率を向上させるために、焼却に先立って乾燥させることが行われる。
また、廃棄物の乾燥には、熱風(加熱した空気)を用いることができるが、過熱水蒸気を用いることも検討されている(例えば、非特許文献1参照)。過熱水蒸気は、乾燥時の伝熱性が高く、熱交換器等の表面腐食の原因となる塩化水素の発生を抑制することもできるためである。
ここで、過熱水蒸気を生成する際には、蒸気を得るために潜熱を投入する必要がある。したがって、この潜熱を回収することができなければ、過熱水蒸気による乾燥は、熱風による乾燥よりもコスト高となってしまう。しかしながら、非特許文献1では、潜熱の回収について何ら検討されておらず、また、過熱水蒸気を生成するための熱源についても検討されていない。
特開2015−077120号公報
長谷知哉、外3名、「過熱水蒸気による都市ごみの乾燥と有機塩素の熱分解挙動」、廃棄物資源循環学会論文誌、Vol. 25、pp. 16−24、2014
本発明の目的は、廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を有効利用することにより、処理に要するコストを削減し得る廃棄物処理システムおよびガス処理装置を提供することにある。
このような目的は、下記の本発明により達成される。
本発明の廃棄物処理システムは、
水を含む廃棄物を乾燥する乾燥部と、
乾燥後の前記廃棄物を燃焼させて、ガスを生成するガス生成部と、
前記ガスから有機物質を生成する有機物質生成部と、
前記有機物質を濃縮する濃縮部と、
前記廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を利用して、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成部と、を有し、
該過熱蒸気生成部で生成された前記過熱蒸気の熱を、前記有機物質生成部および前記濃縮部のうちの少なくとも一方において利用するように構成されていることを特徴とする。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記過熱蒸気を使用して、前記乾燥部において前記廃棄物を乾燥するとともに、前記廃棄物の乾燥に使用した後の前記過熱蒸気より温度の低い低温蒸気の熱を、前記有機物質生成部および前記濃縮部のうちの少なくとも一方において利用するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記濃縮部は、前記低温蒸気の前記熱を利用して、前記有機物質を蒸留する蒸留器を備えることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記有機物質の蒸留時における前記蒸留器内の温度は、100℃以下であることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記有機物質の蒸留時における前記蒸留器内の圧力は、大気圧未満であることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムは、さらに、前記濃縮部から排出される廃ガスを気液分離する気液分離部を有することが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記廃棄物の乾燥に使用する前記過熱蒸気の温度は、120〜1000℃であることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記低温蒸気の一部を、前記過熱蒸気生成部に供給するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記有機物質生成部は、前記低温蒸気の前記熱を利用して、ガス資化性細菌の発酵作用により、前記ガスから前記有機物質を生成する発酵器を備えることが好ましい。なお、前記有機物質生成部は、触媒反応により前記有機物質を合成する反応器で構成されていてもよい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記有機物質は、エタノールを含むことが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記濃縮部から排出される排ガスの少なくとも一部を、前記ガス生成部に供給するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記廃棄物の前記燃焼は、空気よりも酸素濃度が高いガスを供給しつつ行われることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記ガス生成部は、前記廃棄物から第1のガスを生成する第1の炉と、前記第1のガスを改質して第2のガスを生成する第2の炉とを備えることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記低温蒸気の一部を、前記第2の炉に供給するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記有機物質生成部から排出される排ガスの少なくとも一部を、前記第2の炉に供給するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、さらに、前記濃縮部から排出される廃液を処理する廃液処理部を有し、
前記低温蒸気の前記熱を、前記廃液処理部、前記有機物質生成部および前記濃縮部のうちの少なくとも1つにおいて利用するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記廃液処理部は、前記低温蒸気の前記熱を利用して、メタン発酵細菌の発酵作用により、前記廃液を処理する発酵器を備えることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記濃縮部で利用した後の前記低温蒸気の残熱を、前記廃液処理部および前記有機物質生成部のうちの少なくとも一方において利用するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムは、さらに、前記ガス生成部で生成された前記ガスを精製し、精製された前記ガスを前記有機物生成部に供給するガス精製部を有し、
前記過熱蒸気を前記ガス精製部における前記ガスの精製に使用するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムは、前記ガス精製部において前記ガスの精製に使用した後の前記過熱蒸気を前記乾燥部に供給するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記ガス精製部は、温度スイング吸着方式の分離器を備えることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムは、
廃棄物を燃焼させて、第1のガスを生成する第1の炉と、
前記第1のガスを改質して第2のガスを生成する第2の炉と、
前記第2のガスから有機物質を生成する有機物質生成部と、
前記第2のガスを生成させる際に発生する熱を利用して、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成部と、を有し、
該過熱蒸気生成部で生成された前記過熱蒸気を使用して、前記第1の炉において前記第1のガスを生成させるように構成されていることを特徴とする。
本発明の廃棄物処理システムでは、前記第1のガスの生成に使用した後の前記過熱蒸気より温度の低い低温蒸気を、少なくとも前記過熱蒸気生成部に供給するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムは、さらに、前記有機物質を濃縮する濃縮部を有し、
前記低温蒸気を、前記過熱蒸気生成部に加え、前記第2の炉および前記濃縮部の少なくとも一方に供給するように構成されていることが好ましい。
本発明の廃棄物処理システムは、
廃棄物を燃焼させて、ガスを生成するガス生成部と、
前記ガスから有機物質を生成する有機物質生成部と、
該有機物質生成部から排出される排ガスを燃焼させる排ガス燃焼部と、
前記廃棄物を燃焼させる際に発生する熱および前記排ガスを燃焼させる際に発生する熱の少なくとも一方を利用して、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成部と、を有することを特徴とする。
また、本発明のガス処理装置は、水を含む廃棄物を乾燥する乾燥部と、乾燥後の前記廃棄物を燃焼させて、ガスを生成するガス生成部とを備える廃棄物処理装置に接続して使用され、
前記ガス生成部で得られた前記ガスから有機物質を生成する有機物質生成部と、
前記有機物質を濃縮する濃縮部と、
前記ガス生成部において前記廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を利用して、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成部と、を有し、
該過熱蒸気生成部で生成された前記過熱蒸気を使用して、前記乾燥部において前記廃棄物を乾燥するとともに、前記廃棄物の乾燥に使用した後の前記過熱蒸気より温度の低い低温蒸気の熱を、前記有機物質生成部および前記濃縮部のうちの少なくとも一方において利用するように構成されていることを特徴とする。
本発明のガス処理装置は、廃棄物を燃焼させて、第1のガスを生成する第1の炉と、前記第1のガスを改質して第2のガスを生成する第2の炉とを備える廃棄物処理装置に接続して使用され、
前記第2のガスから有機物質を生成する有機物質生成部と、
前記第2のガスを生成させる際に発生する熱を利用して、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成部と、を有し、
該過熱蒸気生成部で生成された前記過熱蒸気を使用して、前記第1の炉において前記第1のガスを生成させるように構成されていることを特徴とする。
本発明のガス処理装置は、廃棄物を燃焼させて、ガスを生成するガス生成部を備える廃棄物処理装置に接続して使用され、
前記ガスから有機物質を生成する有機物質生成部と、
該有機物質生成部から排出される排ガスを燃焼させる排ガス燃焼部と、
前記廃棄物を燃焼させる際に発生する熱および前記排ガスを燃焼させる際に発生する熱の少なくとも一方を利用して、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成部と、を有することを特徴とする。
本発明によれば、比較的簡単な構成で、廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を有効利用して、処理に要するコストを削減し得る。また、本発明によれば、廃棄物の乾燥に過熱蒸気を使用することで、系内に廃棄物に伴われて持ち込まれる空気(特に、窒素)の量を極めて少なくすることができる。このため、系内で窒素酸化物や窒素含有化合物が生成されるのを防止または抑制することができ、有機物質の生成にガス資化性細菌の発酵作用を利用する場合には、その培養に有利である。さらに、有機物質の生成に不要な窒素の量を少なくすれば、反応器(培養器)に供するガスの量を少なくすることができるため、反応器のサイズを小さく設計することが可能となる。
本発明の廃棄物処理システムの第1実施形態を示すブロック図である。 図1の廃棄物処理システムが有する乾燥部、ガス化炉、熱交換器および蒸留器の構成を模式的に示す図である。 低温蒸気の熱を利用可能なガス発酵器の構成を模式的に示す図である。 本発明の廃棄物処理システムの第2実施形態を示すブロック図である。 本発明の廃棄物処理システムの第3実施形態を示すブロック図である。 本発明の廃棄物処理システムの第4実施形態を示すブロック図である。 本発明の廃棄物処理システムの第5実施形態を示すブロック図である。 本発明の廃棄物処理システムの第6実施形態を示すブロック図である。 本発明の廃棄物処理システムの第7実施形態を示すブロック図である。 本発明の廃棄物処理システムの第8実施形態を示すブロック図である。
以下、本発明の廃棄物処理システムおよびガス処理装置について、添付図面に示す好適実施形態に基づいて詳細に説明する。
<第1実施形態>
まず。本発明の廃棄物処理システムの第1実施形態について説明する。
図1は、本発明の廃棄物処理システムの第1実施形態を示すブロック図であり、図2は、図1の廃棄物処理システムが有する乾燥部、ガス化炉、熱交換器および蒸留器の構成を模式的に示す図である。
図1に示す廃棄物処理システム1は、廃棄物処理装置と、この廃棄物処理装置に接続されたガス処理装置(本発明のガス処理装置)とを有している。本実施形態では、廃棄物処理装置は、乾燥部2と、ガス化炉3とを備えている。また、ガス処理装置は、熱交換器4と、ガス精製部5と、ガス発酵器6と、蒸留器7と、オフガス燃焼炉8と、廃液発酵器9とを備えている。
乾燥部2は、水を含む廃棄物(以下、「含水廃棄物」とも言う。)を乾燥する装置であり、図2に示すように、乾燥室21と、乾燥室21内に設けられ、含水廃棄物をガス化炉3に向けて搬送するコンベア(搬送機構)22とを備えている。
ここで、廃棄物としては、例えば、プラスチック廃棄物、生ゴミ、都市廃棄物(MSW)、廃棄タイヤ、バイオマス廃棄物、布団や紙などの家庭ごみ、建築部材等が挙げられ、これらのうちの1種を単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ガス化炉(ガス生成部)3は、乾燥部2において乾燥された後の廃棄物(以下、「乾燥廃棄物」とも言う。)を燃焼させる炉である。このガス化炉3において乾燥廃棄物を燃焼(不完全燃焼)させることにより熱処理して、一酸化炭素を主成分として含有するガス(合成ガス)が生成する。すなわち、乾燥廃棄物中に含まれる炭素源を部分酸化させることにより、一酸化炭素を主成分とするガスが生成する。
なお、生成されるガスは、一酸化炭素の他、例えば、水素、水蒸気、二酸化炭素、窒素、酸素のような他のガス成分を含有してもよい。このような組成のガスは、前述したような廃棄物を燃焼させることにより、容易に生成する。
また、ガス化炉3における乾燥廃棄物の燃焼は、空気を供給しつつ行われてもよいが、空気よりも酸素濃度が高いガス(高酸素濃度ガス)を供給しつつ行われることが好ましい。高酸素濃度ガスを用いることにより、乾燥廃棄物の燃焼により生成されるガスの温度をより高めることができ、熱交換器4でより高温の過熱蒸気を生成することができる。また、高酸素濃度ガスを用いると、空気中に大量に含まれる窒素を余分に加熱する必要がなく、乾燥廃棄物の燃焼効率が高まる。
この場合、高酸素濃度ガスは、後述する分岐ガスライン204aに接続されたガスラインから供給してもよいし、分岐ガスライン204aと異なるガス化炉3に直接接続された他のガスラインから供給するようにしてもよい。
熱交換器(過熱蒸気生成部)4は、ガス化炉3において廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を利用して、過熱蒸気を生成する装置である。図2に示す熱交換器4は、ガス化炉3内に配置されたコイル状の配管41で構成され、この配管41を通過する蒸気がガス化炉3内の熱により加熱されて過熱蒸気となる。
かかる熱交換器4によれば、簡単な構成で過熱蒸気を容易かつ効率よく生成することが
できる。なお、過熱蒸気は、好ましくは水蒸気を主成分として含有する過熱水蒸気(HOガス)であるが、他のガス成分を含有していてもよい。
また、熱交換器4は、ガス化炉3から独立して設けられるタイプの熱交換器であってもよい。このタイプの熱交換器としては、例えば、ジャケット式熱交換器、侵漬コイル式熱交換器、二重管式熱交換器、トロンボン式熱交換器、シェル&チューブ式熱交換器、プレート式熱交換器、バヨネット式熱交換器等が挙げられる。
このような熱交換器4の蒸気排出口(配管41の下端部(一端部))は、蒸気ライン101を介して、乾燥室21の蒸気供給口に接続されている。熱交換器4で生成された過熱蒸気は、図示しないポンプにより、乾燥室21内に供給され、コンベア22で搬送される含水廃棄物に直接接触する。これにより、含水廃棄物に含まれる水(水分)が蒸発して、含水廃棄物が乾燥する。
ここで、過熱蒸気は、伝熱性が高いため、熱風(加熱した空気)を用いる場合と比べて、含水廃棄物を効率よく乾燥することができる。また、過熱蒸気を用いれば、含水廃棄物の乾燥時に塩化水素等の発生を抑制することができるため、過熱蒸気が通過する廃棄物処理システム1の各部に対する表面腐食等の悪影響を低減することもできる。
乾燥廃棄物中には、空気が存在する多くの隙間(空間)が存在するが、過熱蒸気を用いれば、こられの空間に存在する空気を追い出すことができる。このため、乾燥廃棄物中に存在する窒素の量を大幅に低減させることができる。すなわち、廃棄物処理システム1内に乾燥廃棄物に伴われて持ち込まれる窒素の量を極めて少なくすることができる。
したがって、かかる乾燥廃棄物をガス化炉3で燃焼させると、窒素酸化物、窒素含有化合物(例えば、シアン化水素)の含有量が少ないガスを生成させることができる。このようなガスは、後述するガス資化性細菌の培養に有利である。
また、含水廃棄物の乾燥に使用する過熱蒸気の温度は、特に限定されないが、120〜1000℃程度であることが好ましく、150〜800℃程度であることがより好ましく、200〜400℃程度であることがさらに好ましい。上記温度範囲の過熱蒸気を用いることにより、含水廃棄物の乾燥効率をより高めることができるとともに、廃棄物処理システム1の各部に悪影響を及ぼす塩化水素等の発生量をより低減することもできる。
なお、過熱蒸気の温度は、含水廃棄物の含水量等により前記温度範囲内で適宜設定することができる。すなわち、含水廃棄物の含水量が多い場合、過熱蒸気の温度は比較的高温に設定し、含水廃棄物の含水量が少ない場合、過熱蒸気の温度は比較的低温に設定することができる。
このとき、含水廃棄物の乾燥に使用された過熱蒸気は、温度が低下して、より温度の低い低温蒸気となる。また、低温蒸気は、含水廃棄物から除去された水(水蒸気)を含むようになり、過熱蒸気に比べて飽和状態に近くなる。なお、含水廃棄物の含水量が極めて多く、含水廃棄物を完全に乾燥させることなく、ガス化炉3に搬送する場合、低温蒸気は、ほぼ飽和状態になる。また、このときの低温蒸気の温度は、通常、100〜200℃程度である。
乾燥室21の蒸気排出口は、蒸気ライン102を介して、蒸留器7の蒸気供給口に接続されている。また、蒸気ライン102の途中から分岐した蒸気ライン103は、熱交換器4の蒸気供給口(配管41の上端部(他端部))に接続されている。これにより、低温蒸気の一部が蒸留器7に供給され、その熱が蒸留に利用される。一方、低温蒸気の残部は、
熱交換器4(配管41)に供給され、過熱蒸気を生成するために再利用される。
なお、蒸気ライン102と蒸気ライン103との分岐部またはその近傍には、図示しないバルブが設けられており、低温蒸気の蒸留器7および熱交換器4への供給量を調整し得るようになっている。
前述したガス化炉3のガス排出口は、ガスライン201を介して、ガス精製部5のガス供給口に接続され、さらに、ガス精製部5のガス排出口は、ガスライン202を介して、ガス発酵器6のガス供給口に接続されている。ガス化炉3で生成されたガスは、図示しないポンプにより、ガス精製部5を通過した後、ガス発酵器6に供給される。
このガス精製部5は、ガス化炉3から直接排出されるガスに対して、湿式または乾式での精製を行う。具体的には、湿式での精製では、酸性・アルカリ性溶液、油を用いたスクラバー方式のよる方法等が用いられる。一方、乾式での精製では、サイクロンやバグフィルターの使用、脱硫剤の添加による方法等が用いられる。なお、ガス精製部5には、乾式および湿式のいずれの方式の精製を採用してもよい。
かかる処理後のガスには、ガス発酵器6に供給(有機物質の生成に使用)する前に、さらに精製を行ってもよい。この精製には、例えば、低温分離方式(深冷方式)の分離器、圧力スイング吸着(PSA)方式の分離器、膜分離方式の分離器、温度スイング吸着(TSA)方式の分離器等のうちの1種のみを単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ガス発酵器(有機物質生成部)6は、ガス資化性細菌の発酵作用により、ガスから有機物質を生成する装置である。具体的には、まず、ガス発酵器6内に、図示しないラインを介して、培養液とガス資化性細菌とを供給して収容する。この状態で、培養液を撹拌しつつ、ガス発酵器6内にガスを供給する。これにより、培養液中でガス資化性細菌を培養して、その発酵作用によりガスから有機物質を生成する。
培養液は、主成分の水と、この水に溶解または分散された栄養分(例えば、ビタミン、リン酸等)とを含有する液体である。このような培養液の組成は、ガス資化性細菌が良好に発育し得るように調製される。
有機物質としては、例えば、エタノール、2,3−ブタンジオール、酢酸、乳酸、イソプレン等が挙げられるが、エタノールを含む有機物質が好ましい。高濃度(99.5vol%以上)のエタノールは、燃料エタノールとして用いることができる他、例えば、化粧品、飲料、化学物質、燃料(ジェット燃料)等の原材料、食品等の添加物として用いることができ、汎用性が極めて高い。
ガス資化性細菌としては、例えば、クロストリジウム(Clostridium)属細菌、ムーレラ(Moorella)属細菌、アセトバクテリウム(Acetobacterium)属細菌、カルボキシドセラ(Carboxydocella)属細菌、ロドシュードモナス(Rhodopseudomonas)属細菌、ユーバクテリウム(Eubacterium)属細菌、ブチリバクテリウム(Butyribacterium)属細菌、オリゴトロファ(Oligotropha)属細菌、ブラディリゾビウム(Bradyrhizobium)属細菌、好気性水素酸化細菌であるラルソトニア(Ralsotonia)属細菌等が挙げられる。
以上のようなガス資化性細菌の中から、目的とする有機物質の生成能の高い細菌が選択されて用いられる。
例えば、エタノール生成能の高いガス資化性細菌としては、クロストリジウム・オートエタノゲナム(Clostridium autoethanogenum)、クロストリジウム・ユングダリイ(Clo
stridium ljungdahlii)、クロストリジウム・アセチクム(Clostridium aceticum)、クロストリジウム・カルボキシジボランス(Clostridium carboxidivorans)、ムーレラ・サーモアセチカ(Moorella thermoacetica)、アセトバクテリウム・ウッディイ(Acetobacterium woodii)等が挙げられる。
ガス発酵器6には、例えば、撹拌板で培養液を撹拌するタイプの発酵器、培養液自体を循環させることにより培養液を撹拌するタイプの発酵器、供給されるガスの通気で生じる気泡流に伴う水流により培養液を撹拌するタイプの発酵器等を用いることができる。
培養液の温度(培養温度)は、好ましくは30〜45℃程度、より好ましくは33〜42℃程度とすることができる。さらに好ましくは36.5〜37.5℃程度である。また、培養時間は、好ましくは連続培養で24時間〜300日程度、より好ましくは連続培養で5日〜300日程度とすることができる。
また、ガス発酵器6内の圧力は、常圧であってもよいが、好ましくは10〜300kPa(ゲージ圧)程度、より好ましくは20〜200kPa(ゲージ圧)程度とすることができる。ガス発酵器6内の圧力を上記範囲とすることにより、過剰圧力負荷による設備コストの増大を抑制しつつ、ガス資化性細菌の反応性をより高めることができる。
本実施形態では、ガス発酵器6の前段(上流側)にガス精製部5が設けられている。ガス精製部5は、ガス中に含まれるガス資化性細菌の発育に必要な成分の量を高める処理、ガス資化性細菌に悪影響を与える成分を除去する処理、加湿処理、乾燥処理等を行う装置である。
ガス発酵器6において、ガス精製部5を通過したガスを用いることにより、ガス資化性細菌による有機物質の生成効率をより向上させることができる。
なお、ガス精製部5は、必要に応じて設けるようにすればよく、省略してもよい。すなわち、ガス化炉3のガス排出口をガスライン201を介して、直接ガス発酵器6のガス供給口に接続するようにしてもよい。
また、ガス発酵器6の設置数は、1つに限定されることなく、2つ以上(多段(直列)または並列)であってもよい。2つ以上のガス発酵器6を多段(直列)に接続することにより、前段(上流側)のガス発酵器6で残存するガスを、さらに後段(下流側)のガス発酵器6で有機物質の生成に使用することができる。この場合、前段のガス発酵器6で生成される有機物質と後段のガス発酵器6で生成される有機物質とは、同一であっても異なっていてもよい。
ガス発酵器6のガス排出口は、ガスライン203を介して、オフガス燃焼炉8のガス供給口に接続されている。ガス発酵器6で残存する排ガス(主に、窒素)は、図示しないポンプまたは圧力勾配により、オフガス燃焼炉8に供給される。
オフガス燃焼炉8は、排ガスを燃焼させる装置である。オフガス燃焼炉8で燃焼された後の排ガスは、例えば、所定のフィルターを通過させた後、大気中に排出(放出)される。なお、オフガス燃焼炉8も、必要に応じて設けるようにすればよく、省略してもよい。また、オフガス燃焼炉8の廃熱により、過熱蒸気を生成するようにしてもよい。
また、ガス発酵器6の液体排出口は、液体ライン301を介して、蒸留器(濃縮部)7の液体供給口に接続されている。ガス発酵器6では、ガスから有機物質が培養液中に生成されるが、この有機物質を含有する培養液が、図示しないポンプにより、蒸留器7に供給される。
なお、液体ライン301の途中には、例えば、培養液からガス資化性細菌を除去する固液分離部を設けるようにしてもよい。かかる固液分離部は、例えば、セラミック膜フィルター、多重板波動フィルターのようなフィルター、スクリュープレス機、ローラープレス機、ベルトスクリーン機、振動ふるい機、真空脱水機、加圧脱水機(フィルタープレス機)、ベルトプレス機、スクリュープレス機、遠心濃縮脱水機(スクリューデカンタ機)、多重円板脱水機等で構成することができる。
蒸留器7は、有機物質の沸点と他の成分の沸点との差を利用して、有機物質を蒸留して濃縮する装置である。本実施形態の蒸留器7は、図2に示すように、容器本体71と、容器本体71内に設けられた複数のトレイ(多孔板)72およびコイル状の配管73と、容器本体71外に設けられたコンデンサ74とを備えている。
容器本体71の底部には、還流液710が収容され、この還流液710に浸るように配管73が配置されている。また、配管73の下端部(一端部)には、蒸気ライン102が接続されており、低温蒸気が配管73に供給される。このとき、配管73を通過する低温蒸気の熱を利用して還流液710を加熱する。これにより、還流液710が蒸発して蒸気となる。
また、配管73の上端部(他端部)には、蒸気ライン104が接続されている。配管73および蒸気ライン104を通過した低温蒸気は、例えば、所定のフィルターを通過させた後、大気中に排出(放出)される。
なお、還流液710には、有機物質の沸点より高い沸点の液体(例えば、水)を用いることができる。
複数のトレイ72は、容器本体71の高さ方向に沿って、ほぼ等間隔で配置されている。また、容器本体71の高さ方向の途中に設けられた液体供給口には、液体ライン301が接続されており、ガス発酵器6から培養液が容器本体71内に供給される。容器本体71内に供給された培養液は、トレイ72に沿って流下する際に、還流液710の蒸気と接触して、培養液中の有機物質を含む成分も蒸発するようになる。
容器本体71の頂部に設けられた蒸気排出口は、回収ライン741を介して、コンデンサ74に接続されている。コンデンサ74は、容器本体71内の蒸気(特に、有機物質の蒸気)を回収して冷却する装置である。コンデンサ74により有機物質の蒸気が回収および冷却されて、有機物質の濃縮液が得られる。
この有機物質の蒸留時における蒸留器7(容器本体71)内の温度は、特に限定されないが、100℃以下であることが好ましく、70〜95℃程度であることがより好ましい。蒸留器7内の温度を前記範囲に設定することにより、必要な有機物質とその他の成分との分離、すなわち有機物質の蒸留をより確実に行うことができる。
また、有機物質の蒸留時における蒸留器7(容器本体71)内の圧力は、常圧であってもよいが、大気圧未満であることが好ましく、60〜95kPa(ゲージ圧)程度であることがより好ましい。蒸留器7内の圧力を前記範囲に設定することにより、有機物質の分離効率を向上させること、ひいては有機物質の濃縮液の収率を向上させることができる。
また、コンデンサ74の液体排出口は、還流ライン742を介して、容器本体71の上部に設けられた液体供給口に接続されている。さらに、還流ライン742の途中には、還流ライン742から分岐する液体ライン302が接続されている。
かかる構成により、図示しないポンプにより、濃縮液の一部が容器本体71内に戻され、濃縮液の残部が最終製品として回収される。濃縮液の一部を容器本体71内に戻して、濃縮液も還流液710の一部として蒸留に使用することにより、濃縮液中の有機物質の濃度をより高めることができる。
なお、還流ライン742と液体ライン302との分岐部またはその近傍には、図示しないバルブが設けられており、濃縮液の容器本体71への戻し量と濃縮液の回収量とを調整し得るようになっている。
また、コンデンサ74のガス排出口には、ガスライン204が接続されている。ガスライン204は、途中で2つの分岐ガスライン204a、204bに分岐し、一方の分岐ガスライン204aは、ガス化炉3のガス供給口に接続され、他方の分岐ガスライン204bは、ガスライン203の途中に接続されている。
ここで、有機物質の蒸留時には、培養液中に溶存する酸素や空気等を含むガスが生成される。かかるガスを排ガスとしてガス化炉3およびオフガス燃焼炉8に供給することにより、蒸留器7で生成される排ガスを、廃棄物の燃焼およびガス発酵器6で生成される排ガスの燃焼に有効利用することができる。
また、蒸留器7内に残留する蒸留残渣(固形分)を含水廃棄物として乾燥部2に供給してもよい。
なお、本実施形態では、濃縮部は、蒸留器7で構成されているが、この蒸留器7に代えてまたは蒸留器7とともに、他の処理器を備えていてもよい。濃縮部が蒸留器7とともに他の処理器を備える場合、他の処理器は、例えば、蒸留器7の後段(下流側、すなわち液体ライン302の途中)に設けられる。蒸留器7とともに他の処理器を備える濃縮部を用いることにより、濃縮液中の有機物の濃度をさらに高めることができる。
かかる処理器としては、例えば、ゼオライト脱水膜を含む処理器、有機物質より沸点の低い低沸点物質を除去する処理器、有機物質より沸点の高い高沸点物質を除去する処理器、イオン交換膜を含む処理器等が挙げられ、これらのうちの1つを単独でまたは2つ以上を組み合わせて用いることができる。
また、容器本体71の下部に設けられた液体排出口は、液体ライン303を介して、廃液発酵器9に接続されている。容器本体71内の還流液710の一部は、図示しないポンプにより、廃液として廃液発酵器9に供給される。
廃液発酵器(廃液処理部)9は、メタン発酵細菌の発酵作用により、廃液を処理する装置である。具体的には、まず、廃液発酵器8内に、図示しないラインを介して、培養液とメタン発酵細菌とを供給して収容する。この状態で、培養液を撹拌しつつ、廃液発酵器9内に廃液を供給する。これにより、培養液中でメタン発酵細菌を培養して、その発酵作用により廃液中に含まれるガス資化性細菌の死骸やガス資化性細菌が生成した物質(例えば、炭水化物、タンパク質等)から、メタンおよびCOを主成分として含有するガスを生成する。
この廃液発酵器9には、ガス発酵器6と同様の発酵器を用いることができる。
なお、廃液発酵器9で生成されたメタンおよびCOを主成分として含有するガスは、所定の処理を施すことにより、ガス化炉3において乾燥廃棄物を燃焼させる際の燃料ガスとして用いることもできる。
また、廃液発酵器9から排出される処理濃縮液および/または前述した蒸留器7から排
出される廃液(還流液710)を、含水廃棄物とともに乾燥部2に供給してもよく、ガス発酵器6に供給してもよい。
なお、廃液発酵器9は、メタン発酵細菌の発酵作用により廃液を処理するメタン発酵器単独の構成に限らず、メタン発酵器の前段に設けられる酸発酵器等を備えてもよく、メタン発酵器(嫌気発酵部)の後段に設けられる空気爆気や酸素爆気による好気処理部、逆浸透膜による処理部等を備えてもよく、それらの組み合わせを備えてもよい。
また、本実施形態では、廃液処理部は、廃液発酵器9で構成されているが、この廃液発酵器9に代えて他の処理器を備えていてもよい。他の処理器としては、例えば、濾過器、蒸発法により大気中へ水分を放散する放散器、蒸発法により廃液を濃縮する濃縮器等が挙げられる。
さらに、廃液発酵器(廃液処理部)9は、必要に応じて設けるようにすればよく、省略してもよい。
以上説明したような廃棄物処理システム1によれば、ガス化炉3において乾燥廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を利用して、過熱蒸気を生成し、この過熱蒸気により乾燥部2において含水廃棄物を乾燥するとともに、含水廃棄物の乾燥に使用した後の低温蒸気の熱を、蒸留器7において有機物質の濃縮(蒸留)にも利用する。
すなわち、ガス化炉3で発生する熱を、含水廃棄物の乾燥と有機物質の濃縮との双方に利用するため、含水廃棄物の乾燥と有機物質の濃縮とに別の熱源を使用する場合に比べて、必要なエネルギー量を少なくすることができる。
また、含水廃棄物の乾燥に熱風(不凝縮ガス)を用いる場合、含水廃棄物から発生する水蒸気は、不凝縮ガスと混合されるので温度を下げても凝縮し難くなる。このため、蒸留器7の熱源として使用することが極めて困難である。これに対して、含水廃棄物の乾燥に過熱蒸気を用いると、含水廃棄物の乾燥に使用した後の低温蒸気は、ほぼ飽和状態となり、その凝縮熱を蒸留器7の熱源として有効利用することができる。
すなわち、過熱蒸気を生成する際に、蒸気を得るために投入した潜熱を無駄なく回収することができるため、熱風を用いて含水廃棄物を乾燥する場合と比べても、必要なエネルギー量が低くなる。
また、通常、含水廃棄物の乾燥は、乾燥室21内を減圧することなく行われる。このため、含水廃棄物の乾燥を乾燥部2において連続して行うことができる。したがって、廃棄物処理システム1は、大量に発生する廃棄物の処理に、特に好ましく使用することができる。
なお、低温蒸気の熱は、蒸留器7で利用する他、ガス発酵器6で利用するようにしてもよい。図3は、低温蒸気の熱を利用可能なガス発酵器の構成を模式的に示す図である。
図3に示すガス発酵器6は、撹拌板で培養液を撹拌するタイプの発酵器であり、容器本体61と、容器本体61内に回転可能に設けられた撹拌板62と、容器本体61の胴部に螺旋状に巻回された配管63とを備えている。なお、配管63は、容器本体61内に設け、培養液に浸かるような構成としてもよい。
容器本体61の下部に設けられたガス供給口には、ガスライン202が接続され、容器本体61の上部に設けられた液体排出口には、液体ライン301が接続されている。
また、配管63の下端部(一端部)には、蒸気ライン102または蒸気ライン104が接続される。蒸気ライン102が接続される場合、配管63には、乾燥部2を通過した後
の低温蒸気が供給され、その熱がガス資化性細菌の培養に利用される。また、蒸気ライン104が接続される場合、配管63には、乾燥部2を通過し、さらに蒸留器7を通過した後の低温蒸気が供給され、その残熱がガス資化性細菌の培養に利用される。
なお、低温蒸気の熱は、廃液発酵器9で利用するようにしてもよい。この場合、廃液発酵器9は、図3に示すガス発酵器6と同様の構成とすることができる。さらに、低温蒸気の熱は、蒸留器7、ガス発酵器6および廃液発酵器9のうちの2つまたは3つにおいて利用するようにしてもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第2実施形態について説明する。
図4は、本発明の廃棄物処理システムの第2実施形態を示すブロック図である。
以下、第2実施形態の廃棄物処理システムについて、前記第1実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第2実施形態の廃棄物処理システム1は、主に、ガス生成部の構成が異なるとともに、分岐ガスライン204aが省略されていること以外は、前記第1実施形態の廃棄物処理システム1と同様である。
図4に示すガス生成部は、乾燥廃棄物を燃焼させることにより、第1のガスを生成する第1の炉3aと、第1のガスを改質して第2のガスを生成する第2の炉(改質炉)3bとを備えている。
また、蒸気ライン103の途中から分岐した蒸気ライン105は、第2の炉3bの蒸気供給口に接続されている。なお、蒸気ライン105と蒸気ライン103との分岐部またはその近傍には、図示しないバルブが設けられており、低温蒸気の第2の炉3bおよび熱交換器4への供給量を調整し得るようになっている。
第1の炉3aは、例えば、流動床ガス化炉で構成されている。この第1の炉3aでは、砂等で構成される流動床に空気(または酸素)および水蒸気を供給しつつ、乾燥廃棄物を燃焼(部分燃焼)させることにより熱処理して、メタンを主成分として含有する第1のガスを生成する。このとき、第1の炉3a内には、スス(チャー)として炭素も生成する。
この際の第1の炉3aの温度(燃焼温度)は、特に限定されないが、400〜750℃程度であることが好ましく、500〜650℃程度であることがより好ましい。
第1の炉3aのガス排出口は、ガスライン200を介して、第2の炉3bのガス供給口に接続されている。第1のガスおよび炭素は、図示しないポンプにより、第2の炉3bに供給される。
この第2の炉3bでは、ガスライン200を介して供給されたメタンおよび炭素と、蒸気ライン105を介して供給された低温蒸気(水蒸気)とが、次式に従って反応して、第1のガスが第2のガス(改質ガス)に変換(改質)される。
C + HO → CO + H
CH + HO → CO + 3H
この際の第2の炉3bの温度(燃焼温度)は、特に限定されないが、900〜1500℃程度であることが好ましく、1000〜1400℃程度であることがより好ましい。
第2の炉3bのガス排出口は、ガスライン201を介して、ガス精製部5のガス供給口に接続されている。第2のガスは、図示しないポンプにより、ガス精製部5に供給される。
このような第2実施形態においても、前記第1実施形態と同様の作用・効果が得られる。特に、第2実施形態によれば、第2のガス中における一酸化炭素の濃度がより高くなるため、有機物質の生成効率(収率)をより向上させることができる。
また、第2実施形態の廃棄物処理システム1では、第1の炉3aおよび第2の炉3bのそれぞれに都市ガスを供給するためのガスラインが接続され、メタンの水蒸気改質を行い得るように構成されていることが好ましい。
かかる構成により、仮に、廃棄物の質が変動して(例えば、低品位な廃棄物が断続的に供給されて)、生成するガスの量や組成が不安定になることや、廃棄物の供給不能等の第1の炉3a(流動床ユニット)にトラブルが発生することがあっても、有機物質の生成を停止させることなく継続することが可能となる。
また、このような状況(炉のトラブル)を考慮した場合、第1の炉3aと第2の炉3bとの組み合わせを1ユニットとして、2ユニット、3ユニット等の複数ユニットを設けることが好ましい。
<第3実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第3実施形態について説明する。
図5は、本発明の廃棄物処理システムの第3実施形態を示すブロック図である。
以下、第3実施形態の廃棄物処理システムについて、前記第1および第2実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第3実施形態の廃棄物処理システム1は、ガスライン105が省略されるとともに、ガス発酵器6から排出される排ガスの一部が第2の炉3bに供給されるように構成されていること以外は、前記第2実施形態の廃棄物処理システム1と同様である。
図5に示すように、ガスライン203の途中から分岐したガスライン205は、第2の炉3bのガス供給口に接続されている。なお、ガスライン205とガスライン203との分岐部またはその近傍には、図示しないバルブが設けられており、排ガスの第2の炉3bおよびオフガス燃焼炉8への供給量を調整し得るようになっている。
ここで、ガス発酵器6から排出される排ガスは、ガス資化性細菌の発酵作用により生成するガスであり、二酸化炭素を主成分として含有する。
かかる排ガスを第2の炉3bに供給することにより、第2の炉3bでは、二酸化炭素と、ガスライン200を介して供給された炭素とが、次式に従って反応して、第1のガスが第2のガス(改質ガス)に変換(改質)される。
C + CO → 2CO
CH + CO → 2CO +2H
このように、二酸化炭素を主成分とするガス(排ガス)を、第1のガスの改質に用いた場合、一酸化炭素を多く含む第2のガスが生成される。一方、前記第2実施形態のように、水蒸気を主成分とするガス(低温蒸気)を、第1のガスの改質に用いた場合、水素を多く含む第2のガスが生成される。一酸化炭素は、水素よりも常温常圧での化学ポテンシャルが高いため、ガス発酵器6でのガス資化性細菌の培養に有利であり、第1のガスの改質には、二酸化炭素を主成分とするガスを用いる方がより望ましい。
この場合、第2のガス中には、ガス資化性細菌の代謝反応等に起因して、硫黄成分が含まれることがあるため、ガスライン205の途中には、脱硫器を設けることが好ましい。
脱硫器により硫黄成分を除去することにより、硫化水素、硫酸等が第2のガス中に含まれるのを防止または抑制することができる。このような第2のガスは、ガス資化性細菌の培養に有利である。
このような第3実施形態においても、前記第1および第2実施形態と同様の作用・効果が得られる。
<第4実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第4実施形態について説明する。
図6は、本発明の廃棄物処理システムの第4実施形態を示すブロック図である。
以下、第4実施形態の廃棄物処理システムについて、前記第1〜第3実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第4実施形態の廃棄物処理システム1は、第1の炉3aと第2の炉3bとの間(すなわち、ガスライン200の途中)に、固気分離部31とフィルター装置32とが設けられていること以外は、前記第3実施形態の廃棄物処理システム1と同様である。
固気分離部31は、例えば、接線流入式反転型のサイクロン、軸流式反転型のサイクロン等で構成されている。固気分離部31の固体排出口は、固体ライン401を介して、第2の炉3bの下部に設けられた固体供給口に接続されている。また、ガスライン200は、第2の炉3bの上部に設けられたガス供給口に接続されている。
かかる構成により、固気分離部31において分離されたガス成分(例えば、メタン)は、フィルター装置32を通過した後、第2の炉3bの上部に供給され、固体成分(例えば、炭素)は、第2の炉3bの下部に供給される。
固気分離後のガス成分中に炭素(チャー)が含まれても、その大部分は、フィルター装置32を通過する際に、フィルターによって除去される。このため、第2の炉3bにおいて、アセチレン、エチレン、ベンゼン等が生成するのを防止または抑制することができる。かかる成分を含有しない第2のガスは、ガス資化性細菌の培養に有利である。なお、フィルターは、例えば、バグフィルターで構成することができる。特に、高温での使用が可能なことから、フィルターとしては、セラミックバグフィルターが好適である。
この場合、第2のガスを第2の炉3b内に滞留させる時間を十分に長くして、第2の炉3b内の上部に炭素が存在しない状態で、第1のガスの改質を行うことが好ましい。これにより、前記効果をより向上させることができる。
具体的な滞留時間は、特に限定されないが、10秒以上とすることが好ましく、30秒以上とすることがより好ましい。
このような第4実施形態においても、前記第1〜第3実施形態と同様の作用・効果が得られる。
<第5実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第5実施形態について説明する。
図7は、本発明の廃棄物処理システムの第5実施形態を示すブロック図である。
以下、第5実施形態の廃棄物処理システムについて、前記第1〜第4実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第5実施形態の廃棄物処理システム1は、主に、分岐ガスライン204aが省略されるとともに、ガスライン204の途中に気液分離部10が設けられていること以外は、前記第1実施形態の廃棄物処理システム1と同様である。
気液分離部10は、例えば、凝縮器(コンデンサ)で構成することができる。蒸留器7から排出される排ガスは、前述したような酸素や空気の他、水蒸気を含むが、気液分離部10を設けることにより、主に水を含む液体成分と、主に空気を含むガス成分とに分離することができる。
また、気液分離部10の液体排出口は、液体ライン304を介して、廃液発酵器9の液体供給口に接続されており、液体成分は、廃液発酵器9に供給される。一方、ガス成分は、オフガス燃焼炉8に供給された後、大気中に放出される。したがって、本実施形態では、廃棄物処理システム1内の空気(特に、窒素)を排除(パージ)して、その廃棄物処理システム1内における濃度を低下させることができる。
このため、廃棄物処理システム1内において、窒素酸化物や窒素含有化合物(例えば、シアン化水素)が生成し難くなる。したがって、かかる構成は、ガス資化性細菌の培養に有利である。
このような第5実施形態においても、前記第1〜第4実施形態と同様の作用・効果が得られる。
<第6実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第6実施形態について説明する。
図8は、本発明の廃棄物処理システムの第6実施形態を示すブロック図である。
以下、第6実施形態の廃棄物処理システムについて、前記第1〜第5実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第6実施形態の廃棄物処理システム1は、過熱蒸気を第1の炉3aに供給するように構成されていること以外は、前記第2実施形態の廃棄物処理システム1と同様である。
図8に示す廃棄物処理システム1では、蒸気ライン101が第1の炉3aの蒸気供給口に接続され、蒸気ライン102が第1の炉3aの蒸気排出口に接続されている。
このような第6実施形態においても、前記第1〜第5実施形態と同様の作用・効果が得られる。特に、第1の炉3aに過熱蒸気を供給することにより、第1の炉3aにおける燃焼に要するエネルギー量を大幅に低減することができる。
なお、低温蒸気を蒸留器7へ供給しない構成としてもよい。
<第7実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第7実施形態について説明する。
図9は、本発明の廃棄物処理システムの第7実施形態を示すブロック図である。
以下、第7実施形態の廃棄物処理システムについて、前記第1〜第6実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第7実施形態の廃棄物処理システム1は、過熱蒸気を第1の炉3aに供給するように構成されていること以外は、前記第3実施形態の廃棄物処理システム1と同様である。
図9に示す廃棄物処理システム1では、蒸気ライン101が第1の炉3aの蒸気供給口に接続され、蒸気ライン102が第1の炉3aの蒸気排出口に接続されている。
このような第7実施形態においても、前記第1〜第6実施形態と同様の作用・効果が得られる。特に、第1の炉3aに過熱蒸気を供給することにより、第1の炉3aにおける燃焼に要するエネルギー量を大幅に低減することができる。
なお、低温蒸気を蒸留器7へ供給しない構成としてもよい。
<第8実施形態>
次に、本発明の廃棄物処理システムの第8実施形態について説明する。
図10は、本発明の廃棄物処理システムの第8実施形態を示すブロック図である。
以下、第8実施形態の廃棄物処理システムについて、前記第1〜第7実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を省略する。
第8実施形態の廃棄物処理システム1は、過熱蒸気の乾燥部2への供給経路が異なっていること以外は、前記第1実施形態の廃棄物処理システム1と同様である。
図10に示す廃棄物処理システム1では、蒸気ライン201の途中に、ガス精製部5が設けられている。したがって、熱交換器4で生成された過熱蒸気の少なくとも一部は、ガス精製部5を通過した後に、乾燥部2に供給される。
本実施形態では、ガス精製部5は、熱スイング吸着(TSA)方式の分離器で構成されている。ガス精製部5では、ガス化炉3で生成されたガス中の不純物ガス成分を吸収剤に吸収させ、この吸収剤に吸着した不純物ガス成分を離脱させるために、過熱蒸気が使用される。過熱蒸気は、蒸気(水蒸気)を過熱しているために結露を生じることがなく、これにより、不純物ガス成分が吸着剤から離脱する。
なお、吸収剤に吸着した不純物ガス成分を離脱させるためのガス(離脱用ガス)には、過熱蒸気に代えて、あるいは過熱蒸気とともに、窒素、ガス発酵器6から排出される排ガス(培養オフガス)等を用いることもできる。ここで、窒素には、例えば、廃棄物を燃焼させるための酸素を空気から製造する際に、副産物として分離される窒素を用いることができる。
また、過熱蒸気、窒素、培養オフガス等は、任意に組み合わせて、離脱用ガスとして用いることができる。
さらに、離脱用ガスに含まれるHSのような吸着性の高い不純物は適切に除去した後に、分離器に導入することが好ましい。
したがって、本実施形態では、ガス精製部5を通過した後の過熱蒸気は、ベンゼンのような芳香族成分(不純物ガス成分)を含む。かかる過熱蒸気中に含まれる不純物ガス成分は、乾燥廃棄物に吸着してガス化炉3に持ち込まれ、ガス化炉3でCOやCO、HOに変換される。また、ガス化炉3を通過した不純物ガス成分も、ガス精製部5およびガス発酵器6を通過した後、蒸留器7で凝縮されて気液分離される。その後、液体成分と分離されたガス成分(不純物ガス成分を含む)は、再度、ガス化炉3やオフガス燃焼炉8で処理される。
なお、吸着剤は、吸着すべき不純物ガス成分の種類に応じて適宜選択されるため、その種類は、特に限定されないが、例えば、ゼオライト、アルミナ、シリカゲル、活性炭等が挙げられる。
このような第8実施形態においても、前記第1〜第7実施形態と同様の作用・効果が得られる。
以上、本発明の廃棄物処理システムおよびガス処理装置について説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。例えば、本発明の廃棄物処理システムおよびガス処理装置は、それぞれ他の任意の構成を有していてもよいし、同様の機能を発揮する任意の構成と置換されていてよい。
また、廃棄物処理システムおよびガス処理装置は、前記第1〜第7実施形態のうちの任意の2以上の構成を組み合わせてもよい。
例えば、第1の炉3aと第2の炉3bとを備える実施形態において、蒸気ライン105およびガスライン205の双方を第2の炉3bに接続し、必要に応じて、これらのラインを切り替え可能に構成することができる。
なお、各前記実施形態において、有機物質生成部は、ガス発酵器6で構成されていたが、本発明では、金属触媒のような触媒の作用によりガスから有機物質を生成するガス反応器で構成することもできる。この場合、低温蒸気の熱を触媒反応に利用することができる。
また、かかる構成(触媒の作用による有機物質の生成)は、前記第2実施形態の廃棄物処理システム1で採用することが好ましい。このような廃棄物処理システム1において、有機物質を生成(合成)する場合、COとHとの比が特有の値であることがある。これは、この反応が高温高圧での反応のため、常温常圧の化学ポテンシャルに支配されないためであると考えられる。
例えば、有機物質としてエタノールをCOとHとから合成する場合、COとHとの比は、2:4であることが好ましい。この合成反応は、2CO + 4H → C0 + HOの式に従って進行し、COを発生させないことを意味している。第2実施形態の第2の炉3bで生成される第2のガスは、COと多量のHとを含むため、上記の合成反応(特に、エタノールの合成反応)に有用である。
また、ガス精製部5から排出される排ガスは、二酸化炭素、BTEX等を含むことがあるが、この排ガスをガス化炉3(または第2ガス化炉3b)およびオフガス燃焼炉8のうちの少なくとも一方に供給するようにしてもよい。この場合、供給に先立って、BTEX等を除去して、二酸化炭素を主成分とするガスとすることが好ましい。
二酸化炭素を含むガスを第1のガスの改質に用いた場合、一酸化炭素を多く含む第2のガスが得られる。前述したように、かかる第2のガスは、ガス発酵器6におけるガス資化性細菌の培養に有利である。
また、安定的な有機物質の生成を継続するために、廃棄物のカロリーに応じて、補助的に化石燃料(石炭、石油、天然ガス)をガス化炉3に供給して、生成されるガスの質を安定させてもよい。
また、ガス化炉3または第2の炉3bから排出されるガスの質や、ガス精製部5から排出されるガスの質に応じて、ガス化炉3または第1の炉3aに供給する廃棄物の種類や量を調整してもよい。
また、ガス精製部5におけるガスの精製能力を高めるために、ガスをプラズマ処理してもよい。さらに、前記8実施形態において、ガス精製部5を温度スイング吸着(TSA)方式の分離器および圧力スイング吸着(PSA)方式の分離器から選択される分離器で構成し、不純物ガス成分を離脱させるための高温熱流体として、過熱蒸気を使用してもよいし、低温蒸気を電気式の加熱装置で再加熱することにより過熱蒸気にして使用してもよい。
なお、高温熱流体には、過熱蒸気に代えて、あるいは過熱蒸気とともに、窒素、ガス発酵器6から排出される排ガス(培養オフガス)等を用いることもできる。また、過熱蒸気
、窒素、培養オフガス等は、任意に組み合わせて、高温熱流体として用いることができる。さらに、高温熱流体は、分離器に収容される吸着剤に悪影響を及ぼす不純物ガス成分(HS等)を適宜除去して用いてもよい。
また、温度スイング吸着方式の分離器および圧力スイング吸着方式の分離器は、それらの吸着特性に応じて、いずれか一方のみを単独でまたは双方を組み合わせて用いるようにしてもよい。さらに、温度スイング吸着方式の分離機および圧力スイング吸着方式の分離器の双方を組み合わせて用いる場合、その順序は任意である。例えば、温度スイング吸着方式の分離器で不純物ガス成分を除去した後、圧力スイング吸着方式の分離器で有機物質の生成に不要なガス(特に、窒素)を除去するようにしてもよい。
以上のような廃棄物処理システム1において、ガス化炉3で乾燥廃棄物の燃焼に用いる酸素は、一般に空気から分離することにより生成されるため、深冷分離用の窒素と合わせて、廃棄物処理システム1内には大量の窒素が余る。したがって、この余剰の窒素を高温熱流体に用いて、温度スイング吸着方式または圧力スイング吸着方式の分離器における吸着剤の再生を行うことができる。
さらに、余剰の窒素は、例えば、ガス資化性細菌を培養するための培養液(培地)を保存するための培養液保存システム、触媒の作用により有機物質を生成するための反応システム、ガス化炉3に供給するガスを精製するための精製システム等における各ユニット用のパージガスとして用いることも可能である。
1 廃棄物処理システム
2 乾燥部
21 乾燥室
22 コンベア
3 ガス化炉
3a 第1の炉
3b 第2の炉
31 固液分離器
32 フィルター装置
4 熱交換器
41 配管
5 ガス精製部
6 ガス発酵器
61 容器本体
62 撹拌板
63 配管
7 蒸留器
71 容器本体
710 還流液
72 トレイ
73 配管
74 コンデンサ
741 回収ライン
742 還流ライン
8 オフガス燃焼炉
9 廃液発酵器
10 気液分離部
101 蒸気ライン
102 蒸気ライン
103 蒸気ライン
104 蒸気ライン
105 蒸気ライン
200 ガスライン
201 ガスライン
202 ガスライン
203 ガスライン
204 ガスライン
204a 分岐ガスライン
204b 分岐ガスライン
205 ガスライン
301 液体ライン
302 液体ライン
303 液体ライン
401 固体ライン

Claims (22)

  1. 水を含む廃棄物を乾燥する乾燥部と、
    乾燥後の前記廃棄物を燃焼させて、ガスを生成するガス生成部と、
    前記ガスから有機物質を生成する有機物質生成部と、
    前記有機物質を濃縮する濃縮部と、
    前記廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を利用して、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成部と、を有し、
    該過熱蒸気生成部で生成された前記過熱蒸気の熱を、前記有機物質生成部および前記濃縮部のうちの少なくとも一方において利用するように構成されていることを特徴とする廃棄物処理システム。
  2. 前記過熱蒸気を使用して、前記乾燥部において前記廃棄物を乾燥するとともに、前記廃棄物の乾燥に使用した後の前記過熱蒸気より温度の低い低温蒸気の熱を、前記有機物質生成部および前記濃縮部のうちの少なくとも一方において利用するように構成されている請求項1に記載の廃棄物処理システム。
  3. 前記濃縮部は、前記低温蒸気の前記熱を利用して、前記有機物質を蒸留する蒸留器を備える請求項1または2に記載の廃棄物処理システム。
  4. 前記有機物質の蒸留時における前記蒸留器内の温度は、100℃以下である請求項3に記載の廃棄物処理システム。
  5. 前記有機物質の蒸留時における前記蒸留器内の圧力は、大気圧未満である請求項3または4に記載の廃棄物処理システム。
  6. さらに、前記濃縮部から排出される廃ガスを気液分離する気液分離部を有する請求項1〜5のいずれかに記載の廃棄物処理システム。
  7. 前記廃棄物の乾燥に使用する前記過熱蒸気の温度は、120〜1000℃である請求項1〜6のいずれかに記載の廃棄物処理システム。
  8. 前記低温蒸気の一部を、前記過熱蒸気生成部に供給するように構成されている請求項1〜7のいずれかに記載の廃棄物処理システム。
  9. 前記有機物質生成部は、前記低温蒸気の前記熱を利用して、ガス資化性細菌の発酵作用により、前記ガスから前記有機物質を生成する発酵器を備える請求項1〜8のいずれかに記載の廃棄物処理システム。
  10. 前記有機物質は、エタノールを含む請求項1〜9のいずれかに記載の廃棄物処理システム。
  11. 前記濃縮部から排出される排ガスの少なくとも一部を、前記ガス生成部に供給するように構成されている請求項1〜10のいずれかに記載の廃棄物処理システム。
  12. 前記廃棄物の前記燃焼は、空気よりも酸素濃度が高いガスを供給しつつ行われる請求項1〜11のいずれかに記載の廃棄物処理システム。
  13. 前記ガス生成部は、前記廃棄物から第1のガスを生成する第1の炉と、前記第1のガスを改質して第2のガスを生成する第2の炉とを備える請求項1〜12のいずれかに記載の
    廃棄物処理システム。
  14. 前記低温蒸気の一部を、前記第2の炉に供給するように構成されている請求項13に記載の廃棄物処理システム。
  15. 前記有機物質生成部から排出される排ガスの少なくとも一部を、前記第2の炉に供給するように構成されている請求項13または14に記載の廃棄物処理システム。
  16. さらに、前記濃縮部から排出される廃液を処理する廃液処理部を有し、
    前記低温蒸気の前記熱を、前記廃液処理部、前記有機物質生成部および前記濃縮部のうちの少なくとも1つにおいて利用するように構成されている請求項1〜15のいずれかに記載の廃棄物処理システム。
  17. 前記廃液処理部は、前記低温蒸気の前記熱を利用して、メタン発酵細菌の発酵作用により、前記廃液を処理する発酵器を備える請求項16に記載の廃棄物処理システム。
  18. 前記濃縮部で利用した後の前記低温蒸気の残熱を、前記廃液処理部および前記有機物質生成部のうちの少なくとも一方において利用するように構成されている請求項16または17に記載の廃棄物処理システム。
  19. さらに、前記ガス生成部で生成された前記ガスを精製し、精製された前記ガスを前記有機物生成部に供給するガス精製部を有し、
    前記過熱蒸気を前記ガス精製部における前記ガスの精製に使用するように構成されている請求項1〜18のいずれかに記載の廃棄物処理システム。
  20. 前記ガス精製部において前記ガスの精製に使用した後の前記過熱蒸気を前記乾燥部に供給するように構成されている請求項19に記載の廃棄物処理システム。
  21. 前記ガス精製部は、温度スイング吸着方式の分離器を備える請求項19または20に記載の廃棄物処理システム。
  22. 水を含む廃棄物を乾燥する乾燥部と、乾燥後の前記廃棄物を燃焼させて、ガスを生成するガス生成部とを備える廃棄物処理装置に接続して使用されるガス処理装置であって、
    前記ガス生成部で得られた前記ガスから有機物質を生成する有機物質生成部と、
    前記有機物質を濃縮する濃縮部と、
    前記ガス生成部において前記廃棄物を燃焼させる際に発生する熱を利用して、過熱蒸気を生成する過熱蒸気生成部と、を有し、
    該過熱蒸気生成部で生成された前記過熱蒸気を使用して、前記乾燥部において前記廃棄物を乾燥するとともに、前記廃棄物の乾燥に使用した後の前記過熱蒸気より温度の低い低温蒸気の熱を、前記有機物質生成部および前記濃縮部のうちの少なくとも一方において利用するように構成されていることを特徴とするガス処理装置。
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